JPH10299454A - 排ガスフィルタ及びその製造方法、それに用いる排ガスフィルタ用封止材 - Google Patents

排ガスフィルタ及びその製造方法、それに用いる排ガスフィルタ用封止材

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JPH10299454A
JPH10299454A JP9112211A JP11221197A JPH10299454A JP H10299454 A JPH10299454 A JP H10299454A JP 9112211 A JP9112211 A JP 9112211A JP 11221197 A JP11221197 A JP 11221197A JP H10299454 A JPH10299454 A JP H10299454A
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exhaust gas
gas filter
sealing material
lattice wall
sio
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JP9112211A
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English (en)
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Shinji Wada
信二 和田
Nobuaki Nagai
伸明 永井
Yuichi Murano
雄一 村野
Koichi Watanabe
浩一 渡辺
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Panasonic Holdings Corp
Original Assignee
Matsushita Electric Industrial Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 本発明は封止材と格子壁の接合強度が極めて
大きく、かつそのバラツキが少なく、耐熱衝撃性に優れ
高いパティキュレート捕集率を備えた排ガスフィルタを
提供することを目的とする。 【解決手段】 本発明の排ガスフィルタは、多孔質セラ
ミックスで形成されたハニカム構造体の格子壁3に仕切
られ排ガス流路方向に多数設けられた貫通孔2と、貫通
孔2の排ガス入口と排ガス出口の端面部に交互に設けら
れた封止材4とを備えた排ガスフィルタ1であって、格
子壁3がチタン酸アルミニウムを主成分とし、副成分と
して少なくともSiO2を3〜10wt%含有し、前記
封止材がチタン酸アルミニウムを主成分とし、副成分と
して少なくともSiO2を格子壁3より5wt%以上含
有する構成を有している。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ディーゼルエンジ
ン等から排出される排ガス中に含まれるパティキュレー
ト等をろ過する排ガスフィルタ及びその製造方法、それ
に用いる排ガスフィルタ用封止材に関するものである。
【0002】
【従来の技術】近年、環境問題が深刻化したことに伴い
ディーゼルエンジン等の燃焼機関から排出される排気ガ
スとともに大気中に分散されるスス等のパティキュレー
トの処理が問題となってきている。この問題を解決する
ために、ディーゼルエンジン等の燃焼機関の排気管の途
中に排ガスフィルタを設け、この排ガスフィルタによっ
てパティキュレートをろ過、捕集し排気ガスのみを排出
している。ところで、この排ガスフィルタにパティキュ
レートが多量に捕集されると排ガスフィルタは目詰まり
を起こすようになって排気ガスの流路を妨げることにな
り、結果的にエンジンの背圧が上がり悪影響を及ぼすこ
とになる。そのため予め設けられた所定の捕集量に達す
るとパティキュレートを燃焼させて気体化し、目詰まり
を除去して排ガスフィルタを再生することが必要であ
る。
【0003】この排ガスフィルタの再生には主として電
気ヒータ方式が用いられ、パティキュレートが所定量捕
集されるのを検知した制御部は、パティキュレートを安
定して燃焼させるように制御する。ここで電気ヒータ方
式というのは、排ガスの流入側もしくは流出側に電気ヒ
ータを設け、電気ヒータに通電することによって排ガス
フィルタ全体を加熱し、排ガスの流入側もしくは流出側
から供給される空気によってパティキュレートを燃焼さ
せるものである。そしてこの再生中は、予備の排ガスフ
ィルタを使用してディーゼルエンジンは継続して運転さ
れる。ところで、この捕集されたパティキュレートは排
ガスフィルタの全面に分布しているが、その全面のパテ
ィキュレートが同時に燃焼するのではなく、流入する空
気に接触し易い排ガスフィルタの端部から徐々に燃焼が
進行する。そのため排ガスフィルタの部分によっては温
度勾配が生じ、熱膨張の差がその内部に熱応力を発生さ
せることになる。通常の使用では捕集されるパティキュ
レートの量を予測して、比較的早い段階に燃焼させて排
ガスフィルタを再生することが行われている。この場合
にはパティキュレートは600〜900℃で徐々に燃焼
し、排ガスフィルタは急激に加熱されることがなく、大
きな熱応力を受けることは少ない。
【0004】一方、制御部による制御が充分でなかった
り、パティキュレートが所定量以上に捕集された場合な
どには加熱によってパティキュレートは急激に燃焼し、
1000℃以上もの高温度に急激に上昇して異常燃焼す
る。このとき排ガスフィルタは部分的に大きな熱衝撃を
受け、熱応力によってクラックが生じたりして破壊され
ることになる。したがって、排ガスフィルタはこの異常
燃焼による急激な熱衝撃に耐える材質のものが必要で、
低熱膨張性,高耐熱衝撃性が強く要求されている。更に
パティキュレートの捕集効率が高いことと、同時にパテ
ィキュレートの捕集によって起こる排気ガスの流路抵抗
が小さいことも必要である。そこでこれらの要求を満た
すため排ガスフィルタは材料、製造法や構造および構成
等の分野で種々の開発が行われている。
【0005】ここで、排ガスフィルタの格子壁を構成す
る多孔質セラミックス材料について説明する。例えば、
排ガスフィルタに用いる材料としてはコージェライト焼
結体(2MgO・2Al23・5SiO2)が熱膨張係
数が小さく、耐熱衝撃性に優れており一般的に使用され
ている。このコージェライトの熱膨張係数はその結晶の
方向によって異方性を示し、結晶のa軸が2.0×10
-6-1、c軸が−0.9×10-6-1と異なっている。
しかしながら、押出し成形法で成形されたものは、工程
中で原料に含有されるカオリンやタルク等の板状結晶が
煎断力を受けて格子壁と平行な方向に分散され、コージ
ェライトの結晶のc軸は押出し方向(排ガス流路方向)
に僅かながら多く配向された状態となる。このようにし
て、コージェライトの押出し成形方向の熱膨張係数は約
0.5×10-6-1となり、押出し成形方向に垂直な方
向の熱膨張係数は約0.9×10-6-1となり、全体に
わたって熱膨張係数が小さく異方性が少なくなり、高耐
熱衝撃性の排ガスフィルタが製造されている。
【0006】一方、最近になって多孔質セラミックス材
料として従来からのコージェライトに代わって、チタン
酸アルミニウム(Al23・TiO2)が検討され始め
ている。このチタン酸アルミニウムは溶融温度が160
0℃以上と高く、再生時の高温にも充分耐えることがで
きるものである。しかしながら、このチタン酸アルミニ
ウムの結晶はコージェライトの結晶と同様にその熱膨張
係数は異方性を示し、結晶のa軸が11.8×10-6
-1、b軸が19.4×10-6-1、c軸が−2.6×1
-6-1とコージェライトの結晶と比べてその異方性は
大きいという問題がある。このように熱膨張係数の異方
性が大きいと、チタン酸アルミニウムの結晶粒子間にマ
イクロクラックが生じ易いという問題がある。更にチタ
ン酸アルミニウム結晶は高温で酸化チタニウムと酸化ア
ルミニウムに分解し易いという欠点を有している。この
様に、チタン酸アルミニウムは比較的低熱膨張姓で、耐
熱性に優れた材料ではあるが、製造時に発生する結晶粒
子間のマイクロクラックのため他のセラミックス材料に
比べて機械的強度が低く、製造条件によっては結晶粒子
の分解により熱膨張係数が変化してクラックが大きくな
りやすいという問題がある。そこでチタン酸アルミニウ
ムの機械的強度の向上や熱膨張係数の制御について改善
が行われ、既に一部実用化されるまでになってきてい
る。
【0007】一方、排ガスフィルタを構成する封止材に
ついても、その材料の選択が重要である。特に格子壁と
封止材に使用されるセラミックス材料の熱膨張係数の差
が大きいと、貫通孔を充分に封止することができなかっ
たり、格子壁にクラックが生じパティキュレートを捕集
できなくなることがある。こうした問題を解決するもの
として特公平2−53083公報に、排ガスフィルタの
格子壁と封止材との熱膨張係数の適合範囲と、封止材の
セラミックス粉末の粒径の上限とを設け、格子壁及び封
止材にクラックを生じさせることなく封止材によって貫
通孔の封止を充分なものにしようとする技術が開示され
ている。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、特公平
2−53083公報に記載された排ガスフィルタの格子
壁と封止材との熱膨張係数の範囲を制御する技術は、封
止材が格子壁へ埋め込まれて接合され貫通孔に嵌合する
方法を用いた場合にのみ有用であるものの、封止材と格
子壁との熱膨張の整合性を充分に管理しておく必要があ
り、製造工程での管理が容易でないという課題があっ
た。また、嵌合の強度が不均一になりやすく、高温下で
の使用中に排ガスの圧力や熱膨張係数のバラツキによっ
て、封止材の嵌合部の強度が劣化して封止材が欠落し、
パティキュレートを充分捕集できなくなるという課題を
有していた。
【0009】本発明は上記従来の課題を解決するもの
で、封止材と格子壁の接合強度が極めて大きく、かつそ
のバラツキが少なく、耐熱衝撃性に優れ高いパティキュ
レート捕集率を備えた排ガスフィルタを提供すること、
及び封止材と格子壁のそれぞれに非晶質を介在させてそ
れらの接合を強固にすると同時に接合強度のバラツキを
抑え、フィルタの製造時に発生するクラックなどの欠陥
を抑え、製造工程での管理が容易で、高温下での使用時
にも封止材の欠落を抑えることができ、耐熱衝撃性が高
く、高効率にパティキュレートを捕集することができる
排ガスフィルタの製造方法を提供し、及び非晶質相を介
在させ格子壁と強固に接合し、耐熱衝撃性に優れ耐久性
に優れた排ガスフィルタ用封止材を提供することを目的
とする。
【0010】
【課題を解決するための手段】上記目的を達成するため
に本発明の排ガスフィルタは、格子壁はチタン酸アルミ
ニウムを主成分とし、副成分として少なくともSiO2
を3〜10wt%含有するとともに、封止材はチタン酸
アルミニウムを主成分とし、副成分として少なくともS
iO2を格子壁より5wt%以上多く含有する構成を有
している。
【0011】この構成により、封止材と格子壁の接合を
強固にすると同時に接合強度のバラツキを抑え、耐熱衝
撃性が高く、高効率でパティキュレートを捕集すること
ができるという作用を有する。
【0012】また、本発明の排ガスフィルタの製造方法
は、主成分としてチタン酸アルミニウムと、副成分とし
て焼結促進剤及び分解抑制剤とからなるセラミックス原
料を含有した坏土をハニカム形状に押出成形し、得られ
た押出成形体を加熱して焼結して多孔質のセラミックス
のハニカム構造体を形成するハニカム形成工程と、主成
分としてチタン酸アルミニウムと、副成分として少なく
ともSiO2及びFe23からなるセラミックス原料を
ペースト状またはスラリー状にして封止材を得る封止材
作製工程と、ハニカム形成工程で焼結したハニカム構造
体の排ガス入口と排ガス出口の端面部の貫通孔に封止材
を交互に充填する封止工程と、封止材を充填したハニカ
ム構造体をハニカム形成工程の最高温度より30〜15
0℃以上低い温度で熱処理する焼成工程とを備えた構成
を有している。この構成により、フィルタの製造時に発
生するクラックなどの欠陥を抑え、製造工程での管理が
容易で、高安定性の排ガスフィルタを得ることができる
という作用を有する。
【0013】本発明の排ガスフィルタ用封止材は、チタ
ン酸アルミニウムを主成分とし、副成分として少なくと
もSiO2を5wt%以上含有するものであり、これに
より、非晶質相が介在してバインダーとして格子壁と接
合することができるという作用を有する。
【0014】
【発明の実施の形態】本発明の請求項1に記載の排ガス
フィルタは、多孔質セラミックスで形成されたハニカム
構造体の格子壁に仕切られ排ガス流路方向に多数設けら
れた貫通孔と、前記貫通孔の排ガス入口と排ガス出口の
端面部に交互に設けられた封止材とを備えた排ガスフィ
ルタであって、前記格子壁がチタン酸アルミニウムを主
成分とし、副成分として少なくともSiO2を3〜10
wt%含有し、前記封止材がチタン酸アルミニウムを主
成分とし、副成分として少なくともSiO2を前記格子
壁より5wt%以上含有するものであり、これにより、
封止材の焼結温度を格子壁の焼結温度より低くできると
いう作用を有する。
【0015】本発明の請求項2に記載の排ガスフィルタ
は、請求項1において、格子壁の副成分が少なくともS
iO2及びFe23を含有するものであり、これによ
り、焼結温度を低くしてチタン酸アルミニウムの分解を
抑えることができるという作用を有する。
【0016】本発明の請求項3に記載の排ガスフィルタ
は、請求項1又は2において、格子壁には少なくともS
iO2からなる非晶質相が含有されるものであり、これ
により、この非晶質相がバインダーとして介在し封止材
を強固に接合することができるという作用を有する。
【0017】本発明の請求項4に記載の排ガスフィルタ
は、請求項1乃至3の内いずれか1において、封止材が
副成分として少なくともSiO2及びFe23を含有し
ているものであり、これにより、焼結温度を低くしてチ
タン酸アルミニウムの分解を抑えることができるという
作用を有する。
【0018】本発明の請求項5に記載の排ガスフィルタ
は、請求項1乃至4の内いずれか1において、封止材が
少なくともSiO2からなる非晶質相を含有しているも
のであり、これにより、この非晶質相が介在して格子壁
と接合することができるという作用を有する。
【0019】本発明の請求項6に記載の排ガスフィルタ
は、請求項1乃至5の内いずれか1において、封止材が
少なくともSiO2からなる非晶質相を前記格子壁と比
べて多く含有しているものであり、これにより、格子壁
よりも低い温度で焼結することができるという作用を有
する。
【0020】本発明の請求項7に記載の排ガスフィルタ
の製造方法は、主成分としてチタン酸アルミニウムと、
副成分として焼結促進剤及び分解抑制剤とからなるセラ
ミックス原料を含有する坏土をハニカム形状に押出形成
し、得られた押出成形体を加熱して焼結して多孔質のセ
ラミックスのハニカム構造体を形成するハニカム形成工
程と、主成分としてチタン酸アルミニウムと、副成分と
して少なくともSiO 2及びFe23からなるセラミッ
クス原料をペースト状又はスラリー状にして封止材を得
る封止材作製工程と、前記ハニカム形成工程で焼結した
前記ハニカム構造体の排ガス入口と排ガス出口の端面部
の貫通孔に前記封止材を交互に充填する封止工程と、前
記封止材を充填した前記ハニカム構造体をハニカム形成
工程の最高温度より30〜150℃低い温度で熱処理す
る焼成工程とを備えるものであり、これにより、封止材
の分解を抑え、格子壁はハニカム形成工程で得られたも
の以上に収縮せず、貫通孔の形状が殆ど変化しないとい
う作用を有する。
【0021】本発明の請求項8に記載の排ガスフィルタ
は、請求項7において、主成分のチタン酸アルミニウム
と副成分の平均粒径が8〜30μmからなるものであ
り、これにより、焼成時の収縮を小さくすることができ
るという作用を有する。
【0022】本発明の請求項9に記載の排ガスフィルタ
の製造方法は、請求項7又は8において、ハニカム形成
工程の最高温度が1400〜1600℃、好ましくは1
450〜1550℃の範囲で、かつ焼成工程の最高温度
が1350〜1500℃、好ましくは1400〜145
0℃の範囲で調整されるものであり、これにより、ハニ
カム形成工程では格子壁を焼結させ、焼成工程で封止材
を焼結すると同時に貫通孔を封止することができるとい
う作用を有する。
【0023】本発明の請求項10に記載の排ガスフィル
タ用封止材は、ハニカム構造体の格子壁に仕切られ、排
ガス流路方向に多数設けられた貫通孔を封止する排ガス
フィルタ用封止材であって、チタン酸アルミニウムを主
成分とし、副成分として少なくともSiO2を5wt%
以上含有するものであり、これにより、非晶質相が介在
して格子壁と接合することができるという作用を有す
る。
【0024】以下、本発明の実施の形態について、図面
を用いて説明する。 (実施の形態1)図1は本発明の実施の形態1における
排ガスフィルタの斜視図であり、図2は図1のX部の要
部拡大図であり、図3は図1のY−Y線の断面模式図で
ある。
【0025】1は外観が円柱状でハニカム構造体の周囲
に周壁1aを備えた排ガスフィルタ、1b,1cは排ガ
スフィルタの排ガス流入及び流出口となる端面部、2は
排ガス流路方向に多数設けられた貫通孔で、多孔質セラ
ミックスで形成された格子壁3によって仕切られてい
る。4は封止材で端面部1b及び1cの貫通孔2にそれ
ぞれ交互に充填されている。
【0026】次に、端面部1b,1cの詳細な構造につ
いて図2を用いて説明する。端面部1b,1cは基本的
に同じ構造を有しているのでここでは端面部1bについ
て説明する。端面部1bには排ガスフィルタ1の排ガス
流路方向に沿って断面方形状の複数の貫通孔2が設けら
れており、貫通孔2は多数の連続気孔が設けられた格子
壁3で仕切られている。格子壁3は端面部1bから端面
部1cまで連続して構成されている。格子壁3の厚さt
1,t2はそれぞれ0.2〜0.3mm(貫通孔2の数
が200セル/平方インチ),0.4〜0.5mm(貫
通孔2の数が100セル/平方インチ)の範囲内で構成
することが好ましい。これより小さくなると機械的強度
が低下し、捕集効率が落ちる傾向があるので好ましくな
い。またこれより大きくなると流体抵抗が高くなり破損
等の不都合が生じる傾向が認められるので好ましくな
い。
【0027】尚、本実施の形態では、量産性を考慮して
押し出し成形法を採用したのでt1=t2としたが、他
の成形方法(例えば加工シートを積層する方法等)にお
いて、はt1<t2やt1>t1になるようにしてもよ
い。例えば、図2において、矢印方向Lに平行な格子壁
3の厚みを厚くして、矢印方向Mに平行な格子壁3の厚
みを薄くすることによって、方向Mに平行な格子壁3に
排ガスが通過しやすくすることにより流量調整ができる
ので、排ガスの流出量を制御することができる。尚、外
周部(外周面1bに近い内部)よりも内周部の格子壁3
の厚さを厚くすることによって、内周部より外周部の側
の排ガスを通過し易くして、排ガスフィルタ1の全体に
わたって排ガスの通過量を均等にし、排ガスフィルタ1
の端面部1bの各部においてパティキュレート等の捕集
量を均一化することができ、捕集効率を向上させること
ができる。また、内周部より外周部の格子壁3の厚みを
厚くすることによって、外周部の機械的強度を向上させ
ることができ、排ガスフィルタ1をディーゼルエンジン
等に取り付ける際に生じる局部的な応力や、使用時の振
動等による排ガスフィルタ1の破損などを防止すること
ができる。
【0028】また、格子壁3の方向Lに沿ったピッチA
1と方向Mに沿ったピッチA2はそれぞれ2mm〜4m
mの範囲にあることが好ましい。これより小さくなると
排ガスの流体抵抗が高く背圧がかかりエンジンに負荷が
かかる傾向があり、またこれより大きくなるにつれパテ
ィキュレート等の捕集効率が低下する傾向が生じ好まし
くない。実施の形態1においてはA1=A2としたこと
によって、等方的に機械的強度を向上させることがで
き、捕集能力を各部で均一にできたので、安定したフィ
ルタ特性を得ることができた。尚、ピッチA1及びピッ
チA2を変えることによって貫通孔2の断面形状を長方
形にし、形成された長方形の長辺部と短辺部を通過する
排ガスの流量に差を設けることで捕集効率の偏りを任意
に形成でき、排ガスフィルタ1の収納容器の設計やそれ
に接続する配管などの構成にも自由度がとれるようにな
るので好ましい。
【0029】次に、封止材4は端面部1b側の貫通孔2
と同じ端面部1c側の貫通孔2のどちらかに、しかも交
互に設けられている。一般にこの封止材4は格子壁3と
同じ材料組成で構成したり、違った種類の材料でも熱膨
張係数の比較的近いものを選択することで、貫通孔2の
周辺に生じるクラックなどを防止することができる。
【0030】また、格子壁3と封止材4のそれぞれの主
成分を同じにしておき、副成分の種類及びその添加等を
変えることによって、格子壁3と封止材4の熱膨張係数
を調整することができるとともに、製造時にペースト状
の封止材4の硬度等をも調整することができ、作業性や
生産性を向上させることもできる。
【0031】次に封止材4を端面部1b,1cのそれぞ
れの貫通孔2に設けたときの排ガスの流路について図3
を用いて説明する。図3に示す様に貫通孔2は格子壁3
によって流入孔2aと流出孔2bに区画される。端面部
1b側から排ガスが流入すると、排ガスはまず開口状態
の流入孔2aに流入するが、その対向する側の端面部1
cの貫通孔2が封止材4によって封止されているため、
排ガスは格子壁3を通過して流出孔2bに流入し開口状
態の貫通孔2から系外に流出する。この排ガスが多孔質
セラミックスからなる格子壁3を通過する際に排ガスの
中のパティキュレート等が格子壁3内に捕集されること
になる。
【0032】次に、排ガスフィルタの製造方法について
説明する。まず、ハニカム形成工程として、主成分のA
23を40.0〜57.0wt%、TiO2を30.
0〜45.0wt%含有した組成物に、副成分としてS
iO2を3.0〜30.0wt%、Fe23を0.9〜
2.0wt%を添加し、結合剤や造孔剤(格子壁に気孔
を形成させるもの)などを混合して坏土状にし、これを
ハニカム形状の金型を通して押出し成形し、この押出し
成形体を乾燥後、最高温度が1450〜1550℃で焼
成を行う。封止材作製工程では、予め調整したチタン酸
アルミニウムを主成分とし、副成分としてSiO2を8
〜25wt%含有したペースト状の封止材4を作成す
る。封止工程でハニカム形成工程で得られたハニカム構
造体の貫通孔2に充填し封止する。次いで、焼成工程で
熱処理を最高温度1400〜1450℃で焼成を行い、
排ガスフィルタ1を作製した。ここで、ハニカム形成工
程で添加したSiO2とFe23等の副成分は、チタン
酸アルミニウムの焼結や分解抑制作用を有し耐熱衝撃性
や耐久性を高めることができる。
【0033】ハニカム構造体に含まれるSiO2の量は
3〜10wt%の範囲が好適である。この範囲にある
と、格子壁3と封止材4との接合部の高い耐熱衝撃性を
得ることができる。SiO2の含有量が3wt%より少
なくなるにつれ、チタン酸アルミニウムが分解しやすく
なる傾向があり、また、SiO2の含有量が10wt%
より大きいと、SiO2が結晶化(クリストバライトな
ど)して格子壁3の熱膨張係数が急激に上昇するため、
パティキュレートの燃焼中に格子壁3にクラックが生じ
やすくなる傾向があるので好ましくない。
【0034】主成分と副成分の原料の平均粒径は8〜3
0μmが好ましい。平均粒径が8μmより小さくなるに
つれ、加熱による収縮が大きくなり、排ガスフィルタ1
の寸法精度が充分なものでなくなってくる。また、平均
粒径が30μmより大きくなるにつれ、粒子間にSiO
2が均一に分散しないため、焼結が不十分で排ガスフィ
ルタ1の機械的強度が低くなる傾向があり好ましくな
い。
【0035】格子壁3にチタン酸アルミニウムの焼結に
効果的な副成分を含有させた場合、ハニカム形成工程
で、チタン酸アルミニウム粒子の焼結性を促進し比較的
低い熱処理温度で強度のある排ガスフィルタ1を得るこ
とができる。また、格子壁3にチタン酸アルミニウムの
分解抑制に効果的な副成分を含有させた場合、パティキ
ュレートの燃焼(排ガスフィルタ1の再生)時の温度
(約750〜1200℃)に長時間さらされても、チタ
ン酸アルミニウムが分解するのを防ぐことができる。こ
のチタン酸アルミニウムの焼結や分解抑制に効果的な副
成分にはSiO2,Fe23,ZrO2,MgO,希土類
の酸化物などがある。実施の形態1で、副成分として一
例を示しているが、チタン酸アルミニウムの焼結や分解
抑制に効果のある成分であれば、どれを含有してもよ
い。
【0036】次に、格子壁3に封止材4を接合する方法
について説明する。この実施の形態1のように、二段焼
成で、ハニカム形成工程の温度を封止工程後の焼成工程
よりも30〜150℃高い温度で焼成することにより、
耐熱衝撃性に優れ格子壁3と封止材4を強固に接合し耐
久性に優れたものが得られるが、反面、押出し成形した
成形体の貫通孔2に封止材4を充填し、その後に排ガス
フィルタ1を高温度で一段焼成すると、その焼成体にク
ラックが生じやすい。これは、押出し成形体の端面部1
b,1cに封止材4が設けられた状態で熱処理されるた
め、貫通孔2が閉塞された状態になり、焼成過程での雰
囲気の対流が妨げられ、温度が不均一になったり、雰囲
気中の酸素濃度が不均一になることにも起因していると
考えられる。とくに主成分がチタン酸アルミニウムであ
る場合にはその熱伝導率が低い(コージェライトに比較
して約1/2程度)ため、加熱昇温時に成形体の内部と
外部に温度勾配を生じ、可燃性成分(造孔剤,結合剤,
潤滑剤等)の燃焼が部分的であったり、チタン酸アルミ
ニウムが部分的に焼結したりして焼成体にクラックを生
じることが多い。
【0037】一方、二段焼成でも先ず押出し成形体を焼
成し、次に封止材4を充填し再び加熱してこの封止材4
を焼成して格子壁3に接合する場合には、その温度が押
出し成形体の焼成温度と同等かそれ以上であると、封止
材4を格子壁3に接合することができるものの排ガスフ
ィルタ1が2度目の加熱によって更に収縮するため、排
ガスフィルタ1の形状の均一なものを得ることが困難に
なる。また、その温度が押出し成形体の焼成温度未満の
場合には封止材4の焼結が進まず、封止材4の格子壁3
への接合が充分でなくなる。
【0038】次に、封止材4について詳細に説明する。
図4は本発明の実施の形態1による封止材のX線回折図
である。図4において縦軸は封止材4に回折されたX線
強度をとり、横軸は走査角度2θである。ここで、5は
結晶ピーク、6は非晶質ピーク、7はバックグランドで
ある。この封止材4に含まれるSiO2の量は15wt
%である。測定は日本電子(株)製のX線回折装置(形
式JDX−8030)を使用した。測定は2θ=10〜
40度の範囲で行った。図4において低角度側には小角
散乱が現れているため、バックグランド7のレベルは高
く、2θ=15〜30度の近傍になだらかな非結晶ピー
ク6が示されている。このことからこの実施の形態1に
よる封止材4には結晶質相と非晶質相が混在しているこ
とがわかる。この非晶質相はガラス相または溶融相と考
えられ、この非晶質相が局部的な熱応力を吸収すること
から、チタン酸アルミニウムからなる排ガスフィルタの
封止材4として使用しても耐熱衝撃性を向上させること
ができる。
【0039】更に、封止材4に存在する非晶質相は、封
止材4を構成するセラミックス粒子間や封止材4と格子
壁3のそれぞれのセラミックス粒子間で反応相として介
在し、封止材4の焼結性や封止材4と格子壁3との焼結
を促進する。従って、封止材4を充填した後の焼成工程
における最高温度は、ハニカム形成工程における最高温
度よりも低く設定でき、排ガスフィルタ1の収縮は無視
できるほど小さくなり製造工程での形状管理が容易にな
る。
【0040】尚、封止材4に含まれるSiO2の量は8
〜25wt%の範囲が適当である。この範囲にあると、
格子壁3と封止材4との接合部の高い耐熱衝撃性を得る
ことができる。SiO2の含有量が8wt%より少ない
と、焼成工程における封止材4の焼結が充分でなくな
る。また、SiO2の含有量が25wt%より多くなる
と、SiO2が結晶化(クリストバライトなど)して封
止材4の熱膨張係数が急激に上昇するため、パティキュ
レートの燃焼中に格子壁3と封止材4との接合部にクラ
ックが生じやすくなる。SiO2の含有量は特に13〜
19wt%の範囲にあると、その効果を十分に発揮でき
るので好ましい。
【0041】また、ここでは格子壁3がチタン酸アルミ
ニウムで構成された排ガスフィルタ1に使用される封止
材4について説明したが、これ以外にリン酸ジルコニル
などのように熱膨張係数がチタン酸アルミニウムと同程
度のもので構成された排ガスフィルタ1でも、上述した
と同様な効果を得ることができる。
【0042】このようにして得られた排ガスフィルタ1
は円柱状で、端面部1b,1cの直径が130〜160
mm程度であり、排ガス流路方向に沿った長さは140
mm〜170mm程度になるように構成されている。こ
の排ガスフィルタ1の大きさは、エンジンの排気量が2
000〜4000ccのものに好適に用いられる。排ガ
スフィルタ1を円柱状とすることによって、等方的に応
力を分布させることができ、製造工程で発生する加工歪
等を低減させることができ強度を高めることができる。
尚、この排ガスフィルタ1は多孔質であるため外周面1
aにも気孔が多く形成されているが、この気孔はその径
が小さいことと使用時には外周面1aが断熱材等で密着
されるので、微粒子物質(パティキュレート)が外部に
漏れることはない。この排ガスフィルタ1をディーゼル
エンジンなどに取り付ける場合には、排ガスフィルタ1
を無機繊維質の断熱材等で包み、更にSUS等のステン
レススチール製の収納容器内に収納して固定される。
【0043】尚、実施の形態1では、端面部1b,1c
の直径をほぼ同じとしたが、端面部1b側の直径を端面
部1c側の直径よりも大きく形成したり、それとは逆に
して形成しても良い。その場合には直径が大きい方の端
面部側から排ガスを流入させた方が流入面積を広くする
ことができるので流体抵抗を小さくして、しかも補集量
を多くすることができる。
【0044】
【実施例】次に、本発明について、実施例に基づいて説
明する。
【0045】(実施例)以下の組成になるように原料を
秤量し、結合剤や造孔剤などを混合して坏土状にし、こ
れをハニカム形状の金型を通して押出し成形し、この押
出し成形体を乾燥後、ハニカム構造体を焼結させ(ハニ
カム形成工程)、これに予め調整した封止材4を貫通孔
2に充填した後(封止工程)、焼成工程で焼結して格子
壁3に封止材4を接合し排ガスフィルタ1を作製した。
【0046】Al23・・・53.0wt% TiO2・・・・40.5wt% SiO2・・・・5.0wt% Fe23・・・1.5wt% ここで得られた格子壁3の熱膨張係数は1.0×10-6
-1であった。このようにして得られた排ガスフィルタ
1について、封止材4の特性を確認した。確認は、ハニ
カム形成工程の焼成温度を1500℃として、SiO2
含有量、焼成工程の焼成温度を変化させ、そのときの封
止材4の熱膨張係数(室温〜800℃)、封止材4と格
子壁3の接合状態について行った。その結果を(表1)
に示した。
【0047】
【表1】
【0048】ここで、試料No.1,No.2は実施例
で、含有するSiO2の量はそれぞれ25.1wt%と
9.8wt%である。No.3は比較例でSiO2の量
は実施例のNo.1,No.2に比較して29.8wt
%と多く含んでいる。格子壁3と封止材4に添加したS
iO2は、ともに平均粒径が約16μmで非晶質のもの
である。
【0049】熱処理温度の1回はハニカム形成工程での
熱処理温度であり、2回は焼成工程での熱処理温度であ
る。熱膨張係数は、排ガスフィルタ1を1000℃で5
00時間保持した後の高温安定性試験データである。こ
の1000℃の温度は、上記材料組成を有するチタン酸
アルミニウムが分解しやすい温度である。
【0050】封止材4と格子壁3との接合部の状態につ
いては、排ガスフィルタ1を700℃から室温までの急
冷試験を5回繰り返した後の観察データであり、使用し
た排ガスフィルタ1は予め1000℃,500時間保持
したものである。尚、(表1)には示さなかったが、こ
の急冷試験による排ガスフィルタ1の本体の亀裂は観察
されなかった。
【0051】この(表1)の結果から、熱膨張係数につ
いては実施例のNo.1,No.2はそれぞれ1.64
×10-6と0.27×10-6と比較例と比べて低くなっ
ている。また、実施例No.1の熱膨張係数が実施例N
o.2より大きい理由は、非晶質として存在していたS
iO2がクリストバライトとして結晶化したためと考え
られる。しかし、非晶質成分が全て結晶化したのではな
く、非晶質の一部は封止材4の内部の粒子間や封止材4
と格子壁3の粒子間に適当量介在しそれらを接合してい
るものと考えられる。
【0052】一方、比較例のNo.3については、Si
2の含有量が多いためクリストバライトへの結晶化が
激しく、熱膨張係数が急激に大きくなっている。尚、高
温安定性試験では、全ての試料とも分解抑制剤の一種で
あるSiO2の添加効果と、焼結を促進するFe23
添加効果によってチタン酸アルミニウムの分解は生じな
かった。
【0053】急冷試験後の封止材4と格子壁3との接合
部の状態について、実施例No.1,No.2には亀裂
が発生せず変化はみられなかったが、比較例のNo.3
については接合部に亀裂が発生した。これは、過剰のS
iO2が結晶化(クリストバライトなど)して封止材4
の熱膨張係数が急激に上昇し、格子壁3(熱膨張係数は
1.0×10-6-1)と封止材4の熱膨張係数の差が大
きくなりすぎたためと考えられる。
【0054】
【発明の効果】以上から明らかなように本発明の請求項
1によれば、格子壁はチタン酸アルミニウムを主成分と
し、副成分として少なくともSiO2を3〜10wt%
含有するとともに、封止材はチタン酸アルミニウムを主
成分とし、副成分として少なくともSiO2を格子壁よ
り5wt%以上多く含有しているので、封止材と格子壁
の接合を強固にすると同時に接合強度のバラツキを抑
え、耐熱衝撃性が高く、高効率にパティキュレートを捕
集することができる排ガスフィルタを実現できる。
【0055】本発明の請求項2によれば、請求項1にお
いて、格子壁の副成分が少なくともSiO2及びFe2
3よりなるので、更にチタン酸アルミニウムの分解を抑
え、耐熱衝撃性を高くすることができる排ガスフィルタ
を実現できる。
【0056】本発明の請求項3によれば、請求項1又は
2において、格子壁には少なくともSiO2からなる非
晶質相が含まれるので、更に、封止材と格子壁の接合を
一層強固にした排ガスフィルタを実現できる。
【0057】本発明の請求項4によれば、請求項1乃至
3の内いずれか1において、封止材が副成分として少な
くともSiO2及びFe23を含有しているので、更
に、高温下での使用時にも封止材の欠落を抑える耐久性
に優れた排ガスフィルタを実現できる。
【0058】本発明の請求項5によれば、請求項1乃至
4の内いずれか1において、封止材が少なくともSiO
2からなる非晶質相を含んでいるので、更に、封止材と
格子壁の接合強度を一層強固にし、より耐久性を向上さ
せた排ガスフィルタを実現できる。
【0059】本発明の請求項6によれば、請求項1乃至
5の内いずれか1において、封止材が少なくともSiO
2からなる非晶質相が格子壁と比べて多く含まれている
から、ハニカム形成工程よりも焼成工程の焼成温度を低
くできるので省エネルギー性に優れるとともに管理が容
易で生産性に優れた排ガスフィルタを実現できる。
【0060】本発明の請求項7によれば、焼成工程での
焼成温度が封止材を充填した多孔質セラミックスをハニ
カム形成工程の最高温度より50℃以上低い温度で熱処
理するので、フィルタの製造時に発生するクラックなど
の欠陥を抑え、製造工程での形状管理を容易にすること
ができ、製品得率が高く、高品質の排ガスフィルタを低
原価で量産できる排ガスフィルタの製造方法を実現でき
る。
【0061】本発明の請求項8によれば、請求項7にお
いて、出発原料の平均粒径が8〜30μmよりなるの
で、更に、フィルタの製造時に発生するクラックなどの
欠陥を防ぐことができ、高品質の排ガスフィルタを量産
できる排ガスフィルタの製造方法を実現できる。
【0062】本発明の請求項9によれば、請求項7又は
8において、ハニカム形成工程の最高温度が1400〜
1550℃好ましくは1450〜1550℃の範囲で、
かつ、焼成工程の最高温度が1350〜1500℃好ま
しくは1400〜1450℃の範囲で調整できるので、
封止材と格子壁の接合を更に強固にすると同時に接合強
度のバラツキを抑え、フィルタの製造時に発生するクラ
ックなどの欠陥を抑えた排ガスフィルタの製造方法を実
現できる。
【0063】本発明の請求項10によれば、チタン酸ア
ルミニウムを主成分とし、副成分として少なくともSi
2を5wt%以上含有しているので、格子壁を構成す
るセラミックスの成分に関わらず非晶質相を介在して貫
通孔を封止することができる排ガスフィルタ用封止剤を
実現できる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明の実施の形態1における排ガスフィルタ
の斜視図
【図2】図1のX部の要部拡大図
【図3】図1のY−Y線の断面模式図
【図4】本発明の実施の形態1による封止材のX線回折
【符号の説明】
1 排ガスフィルタ 2 貫通孔 3 格子壁 4 封止材 5 結晶ピーク 6 非結晶ピーク 7 バックグランド
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 渡辺 浩一 大阪府門真市大字門真1006番地 松下電器 産業株式会社内

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】多孔質セラミックスで形成されたハニカム
    構造体の格子壁に仕切られ排ガス流路方向に多数設けら
    れた貫通孔と、前記貫通孔の排ガス入口と排ガス出口の
    端面部に交互に設けられた封止材とを備えた排ガスフィ
    ルタであって、前記格子壁がチタン酸アルミニウムを主
    成分とし、副成分として少なくともSiO2を3〜10
    wt%含有し、前記封止材がチタン酸アルミニウムを主
    成分とし、副成分として少なくともSiO2を前記格子
    壁より5wt%以上含有することを特徴とする排ガスフ
    ィルタ。
  2. 【請求項2】前記格子壁の副成分が少なくともSiO2
    及びFe23を含有することを特徴とする請求項1に記
    載の排ガスフィルタ。
  3. 【請求項3】前記格子壁には少なくともSiO2からな
    る非晶質相が含有されることを特徴とする請求項1又は
    2に記載の排ガスフィルタ。
  4. 【請求項4】前記封止材が副成分として少なくともSi
    2及びFe23を含有していることを特徴とする請求
    項1乃至3の内いずれか1に記載の排ガスフィルタ。
  5. 【請求項5】前記封止材が少なくともSiO2からなる
    非晶質相を含有していることを特徴とする請求項1乃至
    4の内いずれか1に記載の排ガスフィルタ。
  6. 【請求項6】前記封止材が少なくともSiO2からなる
    非晶質相を前記格子壁と比べて多く含有していることを
    特徴とする請求項1乃至5の内いずれか1に記載の排ガ
    スフィルタ。
  7. 【請求項7】主成分としてチタン酸アルミニウムと、副
    成分として焼結促進剤及び分解抑制剤とからなるセラミ
    ックス原料を含有する坏土をハニカム形状に押出形成
    し、得られた押出成形体を加熱して焼結して多孔質のセ
    ラミックスのハニカム構造体を形成するハニカム形成工
    程と、主成分としてチタン酸アルミニウムと、副成分と
    して少なくともSiO2及びFe23からなるセラミッ
    クス原料をペースト状又はスラリー状にして封止材を得
    る封止材作製工程と、前記ハニカム形成工程で焼結した
    前記ハニカム構造体の排ガス入口と排ガス出口の端面部
    の貫通孔に前記封止材を交互に充填する封止工程と、前
    記封止材を充填した前記ハニカム構造体をハニカム形成
    工程の最高温度より30〜150℃低い温度で熱処理す
    る焼成工程と、を備えたことを特徴とする排ガスフィル
    タの製造方法。
  8. 【請求項8】主成分のチタン酸アルミニウムと副成分の
    平均粒径が8〜30μmであることを特徴とする請求項
    7に記載の排ガスフィルタの製造方法。
  9. 【請求項9】ハニカム形成工程の最高温度が1400〜
    1600℃、好ましくは1450〜1550℃の範囲
    で、かつ焼成工程の最高温度が1350〜1500℃、
    好ましくは1400〜1450℃の範囲で調整されるこ
    とを特徴とする請求項7又は8に記載の排ガスフィルタ
    の製造方法。
  10. 【請求項10】ハニカム構造体の格子壁に仕切られ、排
    ガス流路方向に多数設けられた貫通孔を封止する排ガス
    フィルタ用封止材であって、チタン酸アルミニウムを主
    成分とし、副成分として少なくともSiO2を10wt
    %以上含有することを特徴とする排ガスフィルタ用封止
    材。
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