JP2010227026A - チョコレート冷菓及びその製造方法 - Google Patents

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【課題】カカオ油脂分を含有する冷菓であって、製造工程中、当該冷菓ミックスのエージング中における経時的増粘が抑制されることにより、冷菓製造に支障を来すことなく、製造することが可能な、冷菓及び当該冷菓に使用する冷菓ミックスを提供する。
【解決手段】カカオ油脂分を含有する冷菓において、該冷菓中に、(1)HLB5以上、(2)構成脂肪酸が飽和脂肪酸70%以上から構成される、(3)モノエステル含量が30%以上である、の(1)〜(3)の要件を満たすショ糖脂肪酸エステルを含有する。
【選択図】図1

Description

本発明は、チョコレートを含有する冷菓に関する。詳細には、カカオ油脂分を含有する冷菓であって、原料の混合、均質化、殺菌、エージングなどの各製造工程において問題となる経時的増粘が抑制されることにより、冷菓製造に支障を来すことなく、製造することが可能な、冷菓及び当該冷菓に使用する冷菓ミックスに関する。
アイスクリーム類(アイスクリーム、アイスミルク、ラクトアイス)に代表される冷菓の製造には、原料を混合、均質化、殺菌した後、エージングという工程が必須となる。中でも、アイスクリームなどの乳脂肪分含量の高い冷菓や、固形分の高い濃厚な冷菓や、チョコレート冷菓などのカカオ油脂分、乳脂肪、植物性油脂などの複数の異なるタイプの油脂分を含む冷菓の製造時においては、冷菓ミックスを低温で長時間保持するエージング工程を始めとして、原料の混合、均質化、殺菌などの各冷菓製造工程におけるミックスの増粘が製造上大きな問題となっている。
中でも、チョコレートを含有する冷菓は、チョコレートの風味付けのためにカカオマスやチョコレートとココアパウダーとの併用が多くなっている。チョコレートアイスクリームの場合も「チョコレートを加えたものであって、その含有率がカカオ分として1.5%以上である(公正競争規約による)」基準を満たすために、カカオマスやチョコレートとココアパウダーとの併用が多くなっている。これら原料に含まれるカカオ油脂分が他の冷菓原料となる乳脂肪や植物性油脂等の油脂分と一体化し、該油脂分と水との乳化を阻害してしまい、チョコレートを使用した冷菓ミックスの流動性が失われてしまうことが問題となっている。従って、チョコレート冷菓を製造する場合には、配合上、チョコレートの添加量を少なめに調製したり、ココアパウダー主体で風味付けを行うなど、各製造工程において、ミックスが増粘するのを避ける方法が採られてきた。
しかし、ココアパウダー主体で風味付けを行った場合、「ココア感」は付与されるものの、濃厚なチョコレートの風味を付与することは難しく、チョコレートの風味を付与するためには、カカオバターなどのカカオ油脂分の含量を増やす必要があるため、カカオ油脂分を高含量含む冷菓ミックスの増粘を抑制する方法がいくつか検討されている。
例えば、グリセリン脂肪酸エステル及びクエン酸モノグリセリドを含有することによりチョコレート冷菓ミックスが、通常の冷菓ミックスと同等の流動性を有することが記載されている(特許文献1)。しかし、グリセリン脂肪酸エステルやクエン酸モノグリセリドでは、チョコレートを含有する冷菓ミックスの増粘を抑制する効果は低い。更には、メタリン酸塩またはポリリン酸塩を含有することによりカカオバターを多量に含む冷菓ミックスの経時的増粘を軽減すること(特許文献2)、特許文献2に記載のリン酸塩に加えて、ショ糖脂肪酸エステル及びソルビタン脂肪酸エステルを含むことにより、エージング中における冷菓の経時的増粘を軽減すること、また、エージング時の冷却温度20℃において、ショ糖脂肪酸エステル単独では経時的増粘の抑制に効果がないこと(特許文献3)が記載されている。確かに、リン酸塩は一定の粘度抑制効果は見られるものの、塩類特有の風味があるためチョコレートを含有する冷菓の風味と合わず好まれない場合があり、さらに最終の冷菓製品の表示上の問題などから敬遠される傾向がある。
更には、ショ糖脂肪酸エステルとポリグリセリン脂肪酸エステルを併用した乳化剤を冷菓に使用することが記載されているが(特許文献6及び7)、起泡作用や組織が緻密な滑らかな食感となることを期待して添加されているものであり、冷菓ミックス、特にチョコレート冷菓ミックスの増粘に関する検討は一切なされていない。
特開2003−52310号公報 特開2007−135405号公報 特開2008−301814号公報 特開平7−303453号公報 特開平8−180号公報 特開2002−315514号公報 特開2005−58084号公報
本発明は、かかる事情に鑑みて開発されたものであり、カカオ油脂分を含有する冷菓を調製する際に問題となる、製造工程中における当該冷菓ミックスの経時的増粘が抑制されることにより、冷菓製造に支障を来すことなく、製造することが可能な、チョコレート含有冷菓及び当該冷菓に使用する冷菓ミックスを提供することを目的とする。
本発明者らは、乳化剤に特に注目して鋭意研究を重ねていたところ、カカオ油脂分を含有する冷菓に於いて、該冷菓中に特定のショ糖脂肪酸エステルを使用することにより、リン酸塩などの塩味に影響のある粘度抑制素材を使用することなく、製造工程中における当該冷菓ミックスの経時的増粘が抑制されることを見いだした。
本発明は以下の態様を有する;
項1.カカオ油脂分を含有する冷菓において、該冷菓中に、以下の(1)〜(3)の要件を満たすショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とする冷菓;
(1)HLB5以上である、
(2)構成脂肪酸が飽和脂肪酸70%以上から構成される、
(3)モノエステル含量が30%以上である。
項2.冷菓中にカカオ油脂分を0.3質量%以上含有する項1記載の冷菓。
項3.冷菓中に当該ショ糖脂肪酸エステルを0.03〜0.5質量%含有する項1又は2に記載の冷菓。
項4.カカオ油脂分を含有する冷菓の製造方法において、該冷菓中に、以下の(1)〜(3)の要件を満たすショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とする方法。
(1)HLB5以上である、
(2)構成脂肪酸が飽和脂肪酸70%以上から構成される、
(3)モノエステル含量が30%以上である。
項5.カカオ油脂分を含有する冷菓の製造方法において、該冷菓中に、以下の(1)〜(3)の要件を満たすショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とする製造時における冷菓ミックスの増粘を抑制する方法;
(1)HLB5以上である、
(2)構成脂肪酸が飽和脂肪酸70%以上から構成される、
(3)モノエステル含量が30%以上である。
本発明により、製造工程中、当該冷菓ミックスの製造時における経時的増粘が抑制されるため、冷菓製造に支障を来すことなくチョコレート冷菓を製造することが可能となった。
実験例1において、チョコレート冷菓のミックス調製日、エージング1日後、2日後、7日後の粘度の測定結果を示すグラフである。 実験例2において、チョコレート冷菓のミックス調製日、エージング1日後、2日後、7日後の粘度の測定結果を示すグラフである。 実験例3において、チョコレート冷菓のミックス調製日及びエージング1日後の粘度の測定結果を示すグラフである。 実験例4において、チョコレート冷菓のミックス調製日、エージング1日後、4日後、7日後の粘度の測定結果を示すグラフである。
本発明の冷菓は、チョコレートを含有する冷菓であるが、具体的にはカカオ油脂分を含有する冷菓のことを言う。カカオ油脂とは、カカオマス、ココアパウダー等のカカオ豆原料由来、もしくはカカオバター同等脂由来の油脂を言う。冷菓中にカカオ油脂が含まれると、他の冷菓原料となる乳脂肪や植物性油脂等の油脂分と一体化し、該油脂分と水との乳化を阻害してしまい、得られる冷菓ミックスが増粘し、流動性が失われることが問題となっている。
特に、カカオ油脂分を大量に含む場合はもちろんのこと、カカオ油脂が含まれる冷菓全般に製造中の経時的増粘の現象が見られる。例えば、カカオ油脂分の含有量が0.3質量%以上の場合に、製造中における冷菓ミックスの経時的増粘が問題となる。本発明ではこのようなカカオ油脂分が含まれる冷菓に対して、当該冷菓ミックスの増粘抑制効果が発揮されるものである。また、本発明では、カカオ油脂分0.3〜10質量%、好ましくは0.4〜7質量%、好ましくは0.5〜5質量%のチョコレート冷菓における製造中の経時的増粘の抑制に効果的である。なお、本願発明のチョコレートを含有する冷菓について、以降、「チョコレート冷菓」と記載する。
本発明のチョコレート冷菓は、目的とする製品により、種々の構成をとることができ、例えば、例えば、アイスクリーム類(アイスクリーム、ラクトアイス、アイスミルク);ソフトクリーム;アイスケーキ、クラッカーサンドアイス、不凍アイスケーキ、コーン入りアイス、カップ入りアイス、シューアイス、アイスもなか;シャーベット;アイスキャンデー;フローズンヨーグルト、シェイク等があげられる。
本発明のチョコレート冷菓には、以下の(1)HLB5以上である、(2)構成脂肪酸が飽和脂肪酸70%以上から構成される、(3)モノエステル含量が30%以上である、3つの要件を満たすショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とする(以降、この要件を満たすショ糖脂肪酸エステルを「特定ショ糖脂肪酸エステル」と言う)。
(1)の要件としては、HLB5以上であれば良いが、好ましくは、HLB5〜16のものを使用する。(2)の要件としては、構成脂肪酸が飽和脂肪酸であり、その含有率が70%以上である。飽和脂肪酸としては、炭素数(C)12〜22のものを好ましく挙げることができるが、中でも、ステアリン酸、パルミチン酸、ラウリン酸、ステアリン酸、アラキン酸、ベヘン酸などを挙げることができる。更に好ましくは、ステアリン酸、パルミチン酸を使用する。(3)のモノエステル含量については、30%以上、好ましくは50%以上、さらに好ましくは70%以上である。
特定ショ糖脂肪酸エステルの冷菓中の含有量としては、0.03〜0.5質量%、好ましくは、0.05〜0.4質量%、更に好ましくは、0.1〜0.3質量%を挙げることができる。0.03質量%より添加量が大きく下回ると、チョコレート冷菓ミックスの経時的増粘の抑制効果が充分でなく、また、0.5質量%より添加量が大きく上回ると、チョコレート冷菓の味に影響を与える可能性があるからである。
特定ショ糖脂肪酸エステルをチョコレート冷菓に含有することにより、カカオ油脂分を含有していても、製造工程中、当該チョコレート冷菓ミックスの経時的増粘が抑制され、冷菓製造に支障を来すことなく、製造することが可能となる。なお、本発明では、リン酸塩などの風味に影響を与える増粘抑制素材を添加する必要がなく、特定のショ糖脂肪酸エステルを使用することで、冷菓ミックスの経時的増粘を抑制することができることが特徴である。なお、本発明により、エージング後のチョコレート冷菓ミックスの粘度を1000mPa・s以下に抑えることができる。
なお、本発明の効果に悪影響を及ぼさない限度において、前述以外の他の乳化剤も併用しても構わない。乳化剤の一例として、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリン脂肪酸エステル、ジグリセリン脂肪酸エステル、クエン酸あるいは乳酸等の有機酸モノグリセリド、ポリグリセリン脂肪酸エステル)、前述以外のショ糖脂肪酸エステル、ソルビタン脂肪酸エステル、プロピレングリコール脂肪酸エステル、レシチン、サポニン、ポリソルベート、ステアロイル乳酸塩(ナトリウム、カルシウム)等などを挙げることができる。
中でも、グリセリン脂肪酸エステル(モノグリセリン脂肪酸エステル)は、アイスクリーム類において、油脂の均一分散、含泡の促進、なめらかな食感の付与、保型性の向上および溶出防止等の効果を持つ、もっともポピュラーな乳化剤である(参考文献:戸田義郎、門田則昭、加藤友治:食品用乳化剤−基礎と応用−、p.194、光琳(1997))。チョコレート冷菓の場合も同様の効果を付与する目的で、特定ショ糖脂肪酸エステルと併用することができる。モノグリセリン脂肪酸エステルの冷菓中の含有量としては、0.05〜0.3質量%、好ましくは0.05〜0.2質量%を挙げることができる。
本発明で使用するチョコレート冷菓の原料としては、前述の他は従来公知のものを使用することが出来る。例えば、油脂としては、植物油脂、バター等の乳脂肪分、あるいはこれらの分別油脂、硬化油脂、エステル交換油脂等の中から一種又は二種以上を併用することができる。植物油脂の例としては、ヤシ油、パーム油、大豆油、菜種油、綿実油、コーン油、ひまわり油、オリーブ油、サフラワー油及びパーム核油等を挙げることができる。
タンパク質としては、通常、牛乳、脱脂粉乳、全脂粉乳、全脂加糖練乳、脱脂加糖練乳、生クリーム、バターなどの、水溶性の乳由来のタンパク質や、卵白などの卵由来のタンパク質を含む成分が好適に用いられる。
甘味料としては、例えば、ショ糖、異性化糖、乳糖、麦芽糖、ブドウ糖、果糖、転化糖、水あめ、粉末水あめ、還元麦芽水あめ、蜂蜜、トレハロース、パラチノース、D−キシロース等の糖類;キシリトール、ソルビトール、マルチトール、エリスリトール等の糖アルコール類;サッカリンナトリウム、サイクラメート及びその塩、アセスルファムカリウム、ソーマチン、アスパルテーム、スクラロース、アリテーム、ネオテーム、ステビア抽出物に含まれるステビオサイドなどの高甘味度甘味料等を挙げることができる。
冷菓用安定剤としては、グルコマンナン、ガラクトマンナン(ローカストビーンガム、グァーガム、タラガム等)、タマリンドシードガム(種子多糖類)、カラギナン、トラガントガム、カラヤガム、キサンタンガム、脱アシル型ジェランガム、ネイティブ型ジェランガム、アラビアガム、ガティガム、マクロホモプシスガム、寒天、ゼラチン、ペクチン、カードラン、ラムザンガム、アルギン酸類(アルギン酸、アルギン酸ナトリウム等)、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、微結晶セルロース、発酵セルロース、微小繊維状セルロース、大豆多糖類、グルテン分解物、乳化性澱粉等から選ばれる1種又は2種以上を挙げることができる。
また、香料や色素は公知のアイスクリーム生地に添加されるものが選択されて用いられる。その他、カルシウム等のミネラル分やビタミン、カテキン、プロテイン類などの栄養強化に用いられるような食品素材や、ナッツ類、クッキー、チョコレートチップ、クルトン、パン、ドライフルーツ、果肉など冷菓の風味、食感にバラエティを持たせるために不溶性の固形分を適宜添加することができる。
本発明のチョコレート冷菓は、前述の特定ショ糖脂肪酸エステルを添加する以外は、通常の冷菓の製造工程にて製造することができる。例えば、アイスクリーム類の場合、原料の秤量混合→加温(30〜70℃)→溶解・混合→濾過→ホモジナイズ→殺菌(68℃、30分以上またはHTST殺菌やUHT殺菌)→冷却(5℃以下)→エージング→フレーバー添加→フリージング→充填の工程より必要な工程を適宜選択して製造することができる。なお、特定ショ糖脂肪酸エステルは、通常、原料の秤量混合工程中、他の原料と合わせて秤量混合することができる。
以下、本発明の内容を以下の実施例、比較例等を用いて具体的に説明するが、本発明はこれらに何ら限定されるものではない。なお、文中、「部」は「重量部」とし、「*」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社製、「※」は三栄源エフ・エフ・アイ株式会社の登録商標であることを示す。なお、実験例1〜3については、チョコレート冷菓ミックスの増粘抑制効果を実験レベルで判りやすく評価するため、あえて、カカオ油脂分の含有量が9.8%と非常に高い含量での評価を行っている。
実験例1:チョコレート冷菓ミックスの粘度測定
下記表1及び表2に掲げる処方のうち、水飴、全脂加糖練乳、イオン交換水を撹拌しながら砂糖、脱脂粉乳、ココアパウダー、乳化剤、安定剤の混合物を添加し、80℃達温時、バター、カカオバター、カカオマスを投入し、80℃10分間撹拌溶解した後、均質化し(均質化条件:一段目9.8MPa(100kgf/cm2)、二段目4.9MPa(50kgf/cm2))、5℃まで冷却し、エージングを行い、チョコレート冷菓ミックスを調製した。
ミックス調製日、エージング1日後、2日後、7日後におけるミックスの粘度を測定した(測定条件:BL型回転粘度計、30rpm、5℃)。結果を図1に示す。
Figure 2010227026
チョコレート冷菓ミックスの固形分、脂肪分
全固形分 40.8%
乳脂肪分 2.7%
無脂乳固形分 5.6%
カカオ油脂分 9.8%
Figure 2010227026
注1)HLB12、構成脂肪酸パルミチン酸50%、ステアリン酸30%、モノエステル含量60%のショ糖脂肪酸エステル
他の乳化剤を使用した比較例に比べて、ショ糖脂肪酸エステルを使用した実施例1−1はミックスの粘度を低く調製することができた。
実験例2:チョコレート冷菓ミックスの粘度測定
実験例1と同じ処方(表1)に、表3に記載のショ糖脂肪酸エステルを追加して、実験例1と同様の方法でチョコレート冷菓ミックスを調製した。実験例1と同様にミックス調製日、エージング1日後、2日後、7日後におけるミックスの粘度を測定した(測定条件: BL型回転粘度計、30rpm、5℃)。結果を図2に示す。
Figure 2010227026
図2より、ショ糖脂肪酸エステルの中でも、HLBが5〜16のものがチョコレート冷菓ミックスの粘度低減に良好な効果を示した。また、実験例2と同様にして、構成脂肪酸がエルカ酸(不飽和脂肪酸)であるショ糖脂肪酸エステル(ER-190、HLB1,モノエステル含量0%、三菱化学フーズ株式会社製)0.2%を添加してチョコレート冷菓を調製しようとしたが、チョコレート冷菓ミックスが著しく増粘してしまった。
実験例3:チョコレート冷菓ミックスの粘度測定
実験例1と同じ処方(表1)に、表4に記載のショ糖脂肪酸エステルを追加して、実験例1と同様の方法でチョコレート冷菓ミックスを調製した。実験例1と同様にミックス調製日、エージング1日後におけるミックスの粘度を測定した(測定条件: BL型回転粘度計、30rpm、5℃)。結果を図3に示す。
Figure 2010227026
いずれの添加量においても、ブランクと比較して、実施例3−1、3−2の冷菓ミックスは増粘を大幅に抑えることができた。
実験例4:チョコレート冷菓ミックスの粘度測定
下記表5に掲げる処方のうち、水飴、全脂加糖練乳、イオン交換水を撹拌しながら粉末水飴、砂糖、脱脂粉乳、ココアパウダー、乳化剤、安定剤の混合物を添加し、80℃達温時、カカオマス、バター、ヤシ油を投入し、80℃10分間撹拌溶解した後、均質化(均質化条件:一段目9.8MPa(100kgf/cm2)、二段目4.9MPa(50kgf/cm2))し、5℃まで冷却し、エージングを行い、チョコレート冷菓ミックスを調製した。
ミックス調製日、エージング1日後、4日後、7日後におけるミックスの粘度を測定した(測定条件: BL型回転粘度計、30rpm、5℃)。結果を図4に示す。
Figure 2010227026
チョコレート冷菓ミックスの固形分、脂肪分
全固形分 35.8%
乳脂肪分 3.1%
植物性脂肪分 4.0%
無脂乳固形分 7.5%
カカオ油脂分 2.1%
Figure 2010227026
カカオ油脂分が2.1%の処方において、ショ糖脂肪酸エステルを使用した実施例4-1は、モノグリセリン脂肪酸エステルを使用した比較例4-1より低粘度にすることができた。
本発明により、製造工程中、チョコレート冷菓ミックスのエージング中における経時的増粘が抑制されることにより、冷菓製造に支障を来すことなく、製造することが可能な、冷菓及び当該冷菓に使用するチョコレート冷菓ミックスが提供できるようになった。

Claims (5)

  1. カカオ油脂分を含有する冷菓において、該冷菓中に、以下の(1)〜(3)の要件を満たすショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とする冷菓;
    (1)HLB5以上である、
    (2)構成脂肪酸が飽和脂肪酸70%以上から構成される、
    (3)モノエステル含量が30%以上である。
  2. 冷菓中にカカオ油脂分を0.3質量%以上含有する請求項1記載の冷菓。
  3. 冷菓中に当該ショ糖脂肪酸エステルを0.03〜0.5質量%含有する請求項1又は2に記載の冷菓。
  4. カカオ油脂分を含有する冷菓の製造方法において、該冷菓中に、以下の(1)〜(3)の要件を満たすショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とする方法。
    (1)HLB5以上である、
    (2)構成脂肪酸が飽和脂肪酸70%以上から構成される、
    (3)モノエステル含量が30%以上である。
  5. カカオ油脂分を含有する冷菓の製造方法において、該冷菓中に、以下の(1)〜(3)の要件を満たすショ糖脂肪酸エステルを含有することを特徴とする製造時における冷菓ミックスの増粘を抑制する方法;
    (1)HLB5以上である、
    (2)構成脂肪酸が飽和脂肪酸70%以上から構成される、
    (3)モノエステル含量が30%以上である。
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