JP2010213245A - 撮像装置および電子回路部品装着機 - Google Patents

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Abstract

【課題】CMOSイメージセンサにおいて、単位セルの増幅器ごとの増幅率のばらつきに基づく固定パターンノイズを低減させる。
【解決手段】CMOSイメージセンサ120を、単位セル存在エリア124が撮像エリア126とオプティカルブラックエリア128とを含むものとし、オプティカルブラックエリア128からの遮光撮像データの集合である基準出力パターンを出力パターン記憶部172に、撮像エリアからの有効撮像データに基づく固定パターンノイズ関連情報を特異点情報記憶部176に、CMOSイメージセンサの複数の温度の各々に対応付けて記憶させておく。撮像対象の撮像時における現出力パターンの、複数の基準出力パターンとの類似性に基づいて、CMOSイメージセンサの温度を温度推定部180で推定し、その推定温度に対応する固定パターンノイズ関連情報に基づいて、撮像データ補正部144において、撮像対象の撮像データを補正する。
【選択図】図6

Description

本発明は、CMOSイメージセンサを備えた撮像装置、およびその撮像装置を備えた電子回路部品装着機に関するものである。
下記特許文献1には、CCDイメージセンサを備えた撮像装置により遮光状態で撮像を行って、CCDイメージセンサの単位セル毎に暗電流に起因する固定ノイズを求めてメモリに記憶させておき、非遮光状態での撮像時に得られた各画素に対応する撮像データから固定ノイズを減算して除去する技術が記載されている。固定ノイズは、撮像時におけるCCDイメージセンサの温度等の撮像条件により変化するため、固定ノイズ取得のための撮像時と、非遮光状態での撮像時との撮像条件の違いに基づいて固定ノイズを補正した補正固定ノイズが使用される。CCDイメージセンサの温度は温度センサにより検出される。
また、下記特許文献2には、CCDイメージセンサの暗電流に基づいてそのイメージセンサの温度を推定する技術が記載されている。さらに、暗電流の検出にオプチカルブラック部を利用することや、推定した温度に基づいてCCDイメージセンサにより取得される撮像出力の処理を変更することが記載されている。その変更の例として、CCDイメージセンサからのアナログ信号の増幅ゲインを変更することや、CCDイメージセンサの固定パターンノイズを低減することが記載されている。
特開2006−345458 特開2005−130045
本発明は、上記事情を背景として、CMOSイメージセンサを撮像素子とし、固定ノイズが低減されるなど、従来より実用性に富んだ撮像装置を得ること、ならびにその撮像装置を備えた電子回路部品装着機を得ることを課題としてなされたものである。
本発明によって、(a)撮像エリアに形成されてそれぞれ光電変換を行う複数の単位セルの各々が増幅器を有するCMOSイメージセンサと、(b)そのCMOSイメージセンサに撮像対象の撮像を行わせて撮像出力を取得する撮像出力取得部と、(c)CMOSイメージセンサの複数の温度の各々における、そのCMOSイメージセンサの前記複数の単位セルの前記増幅器の増幅率のばらつきに起因して生じる前記撮像エリアの固定パターンノイズの情報と、その固定パターンノイズを補正するための情報とのいずれかである複数種類の固定パターンノイズ関連情報を記憶している固定パターンノイズ関連情報記憶部と、(d)CMOSイメージセンサにより撮像対象の撮像が行われる際のそのCMOSイメージセンサの温度を取得するセンサ温度取得部と、(e)そのセンサ温度取得部により取得された温度と、前記固定パターンノイズ関連情報記憶部に記憶されている前記複数種類の固定パターンノイズ関連情報とに基づいて、前記撮像出力取得部により取得された撮像出力における固定パターンノイズを補正により低減させる固定パターンノイズ低減部とを含む撮像装置が得られる。
また、本発明によって、(i)回路基板を保持する基板保持装置と、(ii)その基板保持装置に保持された回路基板に装着されるべき電子回路部品を供給する部品供給装置と、(iii)その部品供給装置から、部品保持具により電子回路部品を受け取り、前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、(iv)部品保持具に保持された電子回路部品を撮像する部品撮像装置と、(v)その部品撮像装置により撮像された電子回路部品の像を表す撮像出力を処理して前記部品保持具による電子回路部品の保持位置誤差を取得する画像処理装置と、(vi)その画像処理装置により取得された前記保持位置誤差を補正して前記基板保持装置に保持された回路基板に装着させるように前記装着装置を制御する装着制御部とを含む電子回路部品装着機であって、部品撮像装置が上記本発明に係る撮像装置により構成されたものが得られる。
本発明に係る撮像装置は、CMOSイメージセンサの複数の単位セル各々の増幅器の増幅率のばらつきに起因して生じる撮像エリアの固定パターンノイズの情報と、その固定パターンノイズを補正するための情報とのいずれかである複数種類の固定パターンノイズ関連情報を記憶している固定パターンノイズ関連情報記憶部を含んでおり、その固定パターンノイズ関連情報としては、CMOSイメージセンサの複数の温度に対応した複数のものが記憶されている。そして、CMOSイメージセンサの、撮像対象の撮像が行われる際における温度がセンサ温度取得部により取得され、その取得された温度と、固定パターンノイズ関連情報記憶部に記憶されている複数の温度に対応した複数種類の固定パターンノイズ関連情報とに基づいて、固定パターンノイズ低減部により、撮像出力取得部により取得された撮像出力における固定パターンノイズが補正により低減させられる。
したがって、CMOSイメージセンサの複数の単位セル各々の増幅器の増幅率のばらつきに起因して生じ、しかも、CMOSイメージセンサの温度の変化に伴って変化する固定パターンノイズが良好に低減させられ、安価なCMOSイメージセンサを使用しながら、環境温度の変化にかかわらず良好な撮像出力の取得が可能な撮像装置が得られる。
その上、本発明に係る撮像装置においては、CMOSイメージセンサの複数の温度に対応した複数セットの固定パターンノイズ関連情報が、固定パターンノイズ関連情報記憶部に記憶されているため、撮像出力取得部による撮像対象の撮像出力の取得時には、CMOSイメージセンサの温度さえ取得すれば、固定パターンノイズ低減部により固定パターンノイズを低減させることができ、撮像出力の取得毎に固定パターンノイズ取得のための撮像を行う必要がなく、固定パターンノイズが低減された良好な撮像出力を短時間で取得することができる。
また、本発明に係る電子回路部品装着機によれば、比較的大きな温度変化が生じ易い環境下において、比較的安価なCMOSイメージセンサを備えた撮像装置を使用しながら、部品保持具による電子回路部品の保持位置誤差を高精度で取得し、回路基板に高精度で装着することが可能となる。
発明の態様
以下に、本願において特許請求が可能と認識されている発明(以下、「請求可能発明」という場合がある。請求可能発明は、少なくとも、請求の範囲に記載された発明である「本発明」ないし「本願発明」を含むが、本願発明の下位概念発明や、本願発明の上位概念あるいは別概念の発明を含むこともある。)の態様をいくつか例示し、それらについて説明する。各態様は請求項と同様に、項に区分し、各項に番号を付し、必要に応じて他の項の番号を引用する形式で記載する。これは、あくまでも請求可能発明の理解を容易にするためであり、請求可能発明を構成する構成要素の組み合わせを、以下の各項に記載されたものに限定する趣旨ではない。つまり、請求可能発明は、各項に付随する記載,実施例の記載,従来技術等を参酌して解釈されるべきであり、その解釈に従う限りにおいて、各項の態様にさらに他の構成要素を付加した態様も、また、各項の態様から構成要素を削除した態様も、請求可能発明の一態様となり得るのである。
なお、以下の各項において、(2)項が請求項1に相当し、(3)項が請求項2に、(4)項が請求項3に、(5)項が請求項4に、(6)項が請求項5に、(7)項が請求項6に、(8)項が請求項7に、(9)項が請求項8に、(11)項が請求項9に、(14)項が請求項10に、それぞれ相当する。
(1)撮像エリアに形成されてそれぞれ光電変換を行う複数の単位セルの各々が増幅器を有するCMOSイメージセンサと、
そのCMOSイメージセンサに撮像対象の撮像を行わせて撮像出力を取得する撮像出力取得部と、
その撮像出力取得部による撮像出力の取得時と前記CMOSイメージセンサの温度が等しく、かつ、そのCMOSイメージセンサへの入光状態が一律である状態において、そのCMOSイメージセンサの前記複数の単位セルの前記増幅器の増幅率のばらつきに起因して生じる前記撮像エリアの固定パターンノイズの情報を取得する固定パターンノイズ情報取得部と、
その固定パターンノイズ情報取得部により取得された固定パターンノイズの情報に基づいて、前記撮像出力取得部により取得された前記撮像出力における固定パターンノイズを低減させる固定パターンノイズ低減部と
を含む撮像装置。
本明細書において、「撮像対象」は物体全体でもよく、物体の一部分でもよいものとする。そして、前者を撮像対象物と称し、後者を撮像対象部と称することとする。
また、「撮像出力」には、CMOSイメージセンサから出力されるアナログ信号である撮像信号も、その撮像信号がデジタル化された撮像データも包含されるものとする。
「固定パターンノイズ情報取得部」は、次項における「固定パターンノイズ関連情報記憶部」から固定パターンノイズ関連情報を読み出して取得するものでもよく、後述の(9)項における「固定パターンノイズ情報取得部」のように、CMOSイメージセンサへの入光状態が一律である状態でそのCMOSイメージセンサに撮像を行わせ、実際に固定パターンノイズの情報を取得するものでもよい。本項に係る発明は、 (2)項に係る発明と(9)項に係る発明との上位概念の発明なのである。
上記「CMOSイメージセンサへの入光状態が一律である状態」には、例えば、光放射面から均一な明るさの光を放射する均一光放射体を撮像する場合のように、均一な光がCMOSイメージセンサに入光させられる状態と、CMOSイメージセンサへの入光がない遮光状態とが含まれる。前者は、明るい画像中に他より暗い点が現れる、いわゆる黒点の固定パターンノイズに関する情報を取得する場合に採用され、後者は、暗い画像中に他より明るい点が現れる、いわゆる白点ないし白きずの固定パターンノイズに関する情報を取得する場合に作用される。
さらに、上記「CMOSイメージセンサの温度が等しい」とは、CMOSイメージセンサの撮像エリアの固定パターンノイズを同一とみなして差し支えない程度に温度が等しいということであり、例えば、温度差が10℃以下、5℃以下、あるいは2.5℃以下であれば、撮像出力取得時と固定パターンノイズ取得時とにおけるCMOSイメージセンサの温度が等しいと言い得る。
本項に係る発明によれば、CMOSイメージセンサの複数の単位セル各々の増幅器の増幅率のばらつきに起因して生じ、しかも、CMOSイメージセンサの温度の変化に伴って変化する固定パターンノイズが良好に低減させられ、安価なCMOSイメージセンサを使用しながら、環境温度の変化にかかわらず良好な撮像出力の取得が可能な撮像装置が得られる。
(2)撮像エリアに形成されてそれぞれ光電変換を行う複数の単位セルの各々が増幅器を有するCMOSイメージセンサと、
そのCMOSイメージセンサに撮像対象の撮像を行わせて撮像出力を取得する撮像出力取得部と、
前記CMOSイメージセンサの複数の温度の各々における、そのCMOSイメージセンサの前記複数の単位セルの前記増幅器の増幅率のばらつきに起因して生じる前記撮像エリアの固定パターンノイズの情報と、その固定パターンノイズを補正するための情報とのいずれかである複数種類の固定パターンノイズ関連情報を前記温度の各々と対応付けて記憶している固定パターンノイズ関連情報記憶部と、
前記CMOSイメージセンサにより撮像対象の撮像が行われる際のそのCMOSイメージセンサの温度を取得するセンサ温度取得部と、
そのセンサ温度取得部により取得された温度と、前記固定パターンノイズ関連情報記憶部に記憶されている前記複数種類の固定パターンノイズ関連情報とに基づいて、前記撮像出力取得部により取得された撮像出力における固定パターンノイズを補正により低減させる固定パターンノイズ低減部と
を含む撮像装置。
固定パターンノイズの低減はすべての単位セルに対して行ってもよく、次項におけるように、平均レベルからの逸脱の程度が特に大きいものについてのみ行ってもよい。
(3)前記固定パターンノイズ関連情報記憶部が、前記複数種類の固定パターンノイズ関連情報として、前記CMOSイメージセンサの複数の温度の各々と対応付けられた、(A)それら複数の温度の各々に対して前記複数の単位セルのうちで前記増幅器の増幅率がそれら複数の単位セルの増幅率の平均値から設定程度以上逸脱している単位セルである逸脱単位セルの(i)逸脱の程度を表すデータである逸脱データと(ii)逸脱を是正するためのデータである是正データとのいずれか一方と、(B)前記逸脱単位セルの位置の情報との組である複数種類の逸脱パターンノイズ関連データを記憶している逸脱パターンノイズ関連データ記憶部を含む(2)項に記載の撮像装置。
本項に係る撮像装置においては、(A)複数の単位セルのうちの逸脱単位セルについての逸脱データと是正データとのいずれか一方と、(B)前記逸脱単位セルの位置の情報との組である複数種類の逸脱パターンノイズ関連データが、複数の温度の各々と対応付けられて、逸脱パターンノイズ関連データ記憶部に記憶されており、固定パターンノイズ低減部は、その逸脱パターンノイズ関連データに基づいて、固定パターンノイズの補正を行う。逸脱単位セルについては固定パターンノイズの補正を行うが、非逸脱単位セルについては補正を行わないため、短時間で効果的に固定パターンノイズを低減させ得る。
上記「単位セルの位置の情報」としては単位セルの座標値や、撮像データが格納されたメモリ空間のアドレス値が好適である。
(4)前記逸脱パターンノイズ関連データ記憶部が、前記逸脱データとして、前記逸脱単位セルの各々からの撮像出力を、前記複数の単位セルからの撮像出力の平均値で除した値を記憶している(2)項または(3)項に記載の撮像装置。
本項に記載の特徴によれば、逸脱単位セルの逸脱の程度を簡単にかつ的確に表し得る。また、逸脱を是正するためには、記憶されている値の逆数を逸脱単位セルのデータに掛ければよいため、逸脱の是正も容易に行い得る。
なお、一律の入光状態における各単位セルからの撮像出力は各単位セルの増幅器の増幅率に比例すると考えることができるため、各逸脱単位セルからの撮像出力を、複数の単位セルからの撮像出力の平均値で除した値は、各逸脱単位セルの増幅率を複数の単位セルの増幅率の平均値で除した値と考えることもできる。
(5)前記逸脱パターンノイズ関連データ記憶部が、前記是正データとして、前記逸脱単位セルの各々からの撮像出力を、前記複数の単位セルからの撮像出力の平均値で除した値の逆数を記憶している(2)項または(3)項に記載の撮像装置。
各逸脱単位セルの撮像出力に是正データを掛ければ逸脱を是正することができる。
(6)前記CMOSイメージセンサの前記単位セルが存在するエリアである単位セル存在エリアが、前記撮像エリアと共にオプティカルブラックエリアを含み、前記センサ温度取得部が、
前記CMOSイメージセンサの前記複数の温度に対応した前記オプティカルブラックエリアの出力パターンを複数種類の基準出力パターンとして、複数の温度の各々と対応付けて記憶している基準出力パターン記憶部と、
前記撮像出力取得部による前記撮像出力の取得時における前記オプティカルブラックエリアの出力パターンである現出力パターンと、前記基準出力パターン記憶部に記憶されている複数種類の基準出力パターンの各々との類似性に基づいて、前記撮像対象の撮像時におけるCMOSイメージセンサの温度を推定するセンサ温度推定部と
を含む(2)項ないし(5)項のいずれかに記載の撮像装置。
オプチカルブラックエリアからの出力の平均値は、CMOSイメージセンサの温度に対応して変化するため、この平均値をセンサ温度の推定に使用することも可能である。
しかし、オプチカルブラックエリアの単位セルの中にも逸脱単位セルが存在する可能性があり、オプチカルブラックエリアに属する単位セルの数を多くするほどその確率が高くなる。また、逸脱単位セルほどではなくても、各単位セルの増幅器の増幅率にはばらつきがあり、そのばらつきに基づいて単位セル毎の出力値が異なり、かつ、その異なり方がCMOSイメージセンサの温度の変化に伴って変わる。オプチカルブラックエリアの出力パターンの方が、出力の平均値よりCMOSイメージセンサの温度に関する情報が濃いのであり、したがって、出力パターンの類似性に依拠する方が、平均値に依拠するよりCMOSイメージセンサの温度の推定結果の信頼性が高い。
オプチカルブラックエリアの出力パターンの類似性に基づいてCMOSイメージセンサの温度を推定する方法は色々ある。例えば、撮像出力取得部による撮像出力取得時に得られた現出力パターンと、段階的に変化する温度のそれぞれに対応付けて記憶されている複数種類の基準出力パターンの各々との差を取り、その差の積分値の絶対値が最も小さい記憶出力パターンに対応する温度がCMOSイメージセンサの温度であると推定することができる。この推定手段は次項の撮像装置における推定手段の一例であり、簡単に温度の推定を行い得る利点がある。
上記「差の積分値」の絶対値が小さい記憶出力パターンを2つ選択すれば、一方の積分値は正、他方の積分値は負になるのが普通であり、2つの積分値の絶対値の比に基づいて、上記2つの記憶出力パターンに対応する2つの温度の中間の温度を、CMOSイメージセンサの温度であると推定することもでき、さらに複雑な統計的手法を用いて温度の推定を行うこともできる。
(7)前記センサ温度推定部が、前記基準出力パターン記憶部に記憶されている複数種類の基準出力パターンのうちで、前記撮像対象の撮像が行われた際の前記現出力パターンと最も近似しているものと対応付けられている温度を、前記撮像対象の撮像が行われた際の前記CMOSイメージセンサの温度と推定するものである(6)項に記載の撮像装置。
(8)前記固定パターンノイズ低減部が、前記撮像対象の撮像時における前記撮像エリアからの撮像出力がデジタル化されて撮像データとされた後に、その撮像データにおける固定パターンノイズを是正するものである(1)項ないし(7)項のいずれかに記載の撮像装置。
本項の特徴は、前記(3)項の特徴と組み合わせて採用する場合に特に有効であり、固定パターンノイズの低減に要する時間を効果的に短縮し得る。
(9)撮像エリアに形成されてそれぞれ光電変換を行う複数の単位セルの各々が増幅器を有するCMOSイメージセンサと、
そのCMOSイメージセンサに撮像対象の撮像を行わせて撮像出力を取得する撮像出力取得部と、
その撮像出力取得部による撮像出力の取得時点に対して予め設定された時間範囲以内において、前記CMOSイメージセンサへの入光状態が一律である状態でそのCMOSイメージセンサに撮像を行わせ、そのCMOSイメージセンサの前記撮像エリアの前記複数の単位セルの前記増幅器の増幅率のばらつきに起因して生じる固定パターンノイズの情報を取得する固定パターンノイズ情報取得部と、
その固定パターンノイズ情報取得部により取得された固定パターンノイズの情報に基づいて、前記撮像出力取得部により取得された前記撮像出力における固定パターンノイズを低減させる固定パターンノイズ低減部と
を含む撮像装置。
上記「予め設定された時間範囲」を、撮像出力取得部による撮像出力の取得時と、固定パターンノイズ情報取得部による固定パターンノイズ情報の取得時とにおけるCMOSイメージセンサの温度が等しいと言い得る時間範囲に設定しておけば、前記(1)項における「その撮像出力取得部による撮像出力の取得時と前記CMOSイメージセンサの温度が等しく、」との、固定パターンノイズ情報取得部についての条件が満たされる。
撮像出力取得部による撮像出力の取得のための撮像の直前または直後に、固定パターンノイズ情報取得部による固定パターンノイズの取得のための撮像が行われる態様が、本項の撮像装置の典型的な態様である。
前記(3)項ないし(5)項,(8)項に記載の特徴は本項に係る発明にも適用可能である。
(10)さらに、固定パターンノイズ情報取得部により取得された前記固定パターンノイズの情報と、その固定パターンノイズを補正するための情報とのいずれかである固定パターンノイズ関連情報を記憶する固定パターンノイズ関連情報記憶部を含み、前記固定パターンノイズ低減部が、その固定パターンノイズ関連情報記憶部から固定パターンノイズ関連情報を読み出し、その読み出した固定パターンノイズ関連情報に基づいて前記撮像出力取得部により取得された前記撮像出力における固定パターンノイズを低減させる(9)項に記載の撮像装置。
(11)撮像エリアに形成されてそれぞれ光電変換を行う複数の単位セルの各々が増幅器を有するCMOSイメージセンサと、
そのCMOSイメージセンサに撮像対象の撮像を行わせて撮像出力を取得する撮像出力取得部と、
前記CMOSイメージセンサへの入光状態が一律である状態でそのCMOSイメージセンサに撮像を行わせ、そのCMOSイメージセンサの前記撮像エリアの前記複数の単位セルの前記増幅器の増幅率のばらつきに起因して生じる固定パターンノイズの情報を取得する固定パターンノイズ情報取得部と、
その固定パターンノイズ情報取得部により取得された前記固定パターンノイズの情報と、その固定パターンノイズを補正するための情報とのいずれかである固定パターンノイズ関連情報を記憶する固定パターンノイズ関連情報記憶部と、
その固定パターンノイズ関連情報記憶部に記憶された前記固定パターンノイズ関連情報に基づいて、前記撮像出力取得部により取得された前記撮像出力における固定パターンノイズを低減させる固定パターンノイズ低減部と
を含み、かつ、前記CMOSイメージセンサの前記単位セルが存在するエリアである単位セル存在エリアが、前記撮像エリアと共にオプティカルブラックエリアを含み、当該撮像装置が、さらに、
前記撮像出力取得部により前記撮像出力の取得が行われた際の前記オプティカルブラックエリアからの出力のパターンの一つを基準出力パターンとして記憶する基準出力パターン記憶部と、
その基準出力パターン記憶部への前記基準出力パターンの記憶後に、前記撮像出力取得部により前記撮像出力の取得が行われる際に得られる現出力パターンと前記基準出力パターンとの相違状態が設定状態以上になった場合に、その現出力パターンを前記基準出力パターンと置換することにより基準出力パターンを更新する基準出力パターン更新部と、
その基準パターン更新部により基準パターンの更新が行われる場合に、固定パターンノイズ情報取得部を作動させて新たな固定パターンノイズ情報を取得させ、前記固定パターンノイズ関連情報記憶部の前記固定パターンノイズ関連情報を更新する固定パターンノイズ関連情報更新部と
を含む撮像装置。
CMOSイメージセンサの温度は、一般的にはそれほど急激には変化しない。したがって、現出力パターンと基準出力パターンとの相違状態が設定状態以上になることはそれほど頻繁に発生するわけではない。そのため、固定パターンノイズ関連情報更新部による固定パターンノイズ関連情報の更新のための撮像はそれほど頻繁には行われず、撮像出力取得部の作動の度に固定パターンノイズ情報取得部が作動させられる場合に比較して、固定パターンノイズ低減のために要する時間を短縮することができる。
(12)前記CMOSイメージセンサの全単位セルに関して、前記CMOSイメージセンサの温度変化に伴う前記増幅器の増幅率の補正を行う全体補正部を含む(1)項ないし(11)項のいずれかに記載の撮像装置。
CMOSイメージセンサの単位セルの増幅器の増幅率はCMOSイメージセンサの温度の変化に伴って変化する。したがって、CMOSイメージセンサの温度変化にかかわらず、同一の撮像条件による同一の撮像対象の撮像については同一の撮像出力が得られるようにする上で、本項に記載の特徴を採用することが望ましい。
(13)前記全体補正部が、
前記CMOSイメージセンサの前記複数の単位セルの少なくとも一部である複数の単位セルに共通に設けられた少なくとも1つの共通増幅器と、
その少なくとも1つの共通増幅器の増幅率を前記CMOSイメージセンサの温度変化に伴って変更する共通増幅器制御部と
を含む(12)項に記載の撮像装置。
共通増幅器は、CMOSイメージセンサの全単位セルに共通に設けられても、全単位セルが複数群に分けられ、各群に対して1つずつの共通増幅器が設けられてもよい。いずれにしても、上記共通増幅器と共通増幅器制御部とによれば、(12)項の全体補正部を容易に実現することができる。
(14)回路基板を保持する基板保持装置と、
その基板保持装置に保持された回路基板に装着されるべき電子回路部品を供給する部品供給装置と、
その部品供給装置から、部品保持具により電子回路部品を受け取り、前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、
前記部品保持具に保持された電子回路部品を撮像する部品撮像装置と、
その部品撮像装置により撮像された電子回路部品の像を表す撮像出力を処理して前記部品保持具による電子回路部品の保持位置誤差を取得する画像処理装置と、
その画像処理装置により取得された前記保持位置誤差を補正して前記基板保持装置に保持された回路基板に装着させるように前記装着装置を制御する装着制御部と
を含む電子回路部品装着機であって、
前記部品撮像装置が(1)項ないし(13)項のいずれかに記載の撮像装置により構成されたことを特徴とする電子回路部品装着機。
(15)回路基板を保持する基板保持装置と、
その基板保持装置に保持された回路基板に装着されるべき電子回路部品を供給する部品供給装置と、
その部品供給装置から、部品保持具により電子回路部品を受け取り、前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、
基準マークを撮像する基準マーク撮像装置と、
その基準マーク撮像装置により撮像された基準マークの像を表す撮像出力を処理して、その基準マークと基準マーク撮像装置との相対位置に関する情報である相対位置情報を取得する画像処理装置と、
その画像処理装置により取得された前記相対位置情報に基づいて前記装着装置を制御する装着制御部と
を含む電子回路部品装着機であって、
前記基準マーク撮像装置が(1)項ないし(14)項のいずれかに記載の撮像装置により構成されたことを特徴とする電子回路部品装着機。
電子回路部品装着機においては、種々の物に基準マークが設けられ、その基準マークと基準マーク撮像装置との相対位置情報に基づいて、装着装置や電子回路部品装着機の制御が行われることにより、(a)電子回路部品の回路基板への装着位置精度の向上と、(b)装着装置による電子回路部品の部品供給装置からの受取ミスの低減と、(c)装着装置による電子回路部品の回路基板への装着ミスの低減と、(d)電子回路部品装着機の誤動作の防止との少なくとも1つが図られる。上記(a)や(c)のためには、例えば、回路基板に基準マークが設けられ、上記(b)のためには、例えば、電子回路部品を供給する部品供給具(フィーダやトレイ)に基準マークが設けられ、それら基準マークと基準マーク撮像装置との相対位置情報としてそれらの相対位置誤差が取得される。上記(d)のためには、例えば、電子回路部品を保持する吸着ノズル等の部品保持具や、部品保持具を保持する保持具保持部等、電子回路部品装着機の構成要素に基準マークが設けられ、その基準マークと基準マーク撮像装置との相対位置が予定の相対位置とは異なる場合には、電子回路部品装着機を停止させて誤動作が防止される。
請求可能発明の一実施形態である電子回路部品装着機としての装着モジュールを複数備えた電子回路部品装着システムを示す斜視図である。 上記装着モジュールの一部のものについて、基板搬送装置等を示す斜視図である。 上記装着モジュールの装着装置の装着ヘッドおよびヘッド移動装置を示す斜視図である。 上記装着ヘッドを示す斜視図であり、図4(a)はノズルホルダを1つ備えた装着ヘッドを示す図であり、図4(b)はノズルホルダを12個備えた装着ヘッドを示す図である。 上記ノズルホルダを12個備えた装着ヘッドをカバーを外して示す斜視図である。 上記装着モジュールの部品撮像装置の構成を概念的に示すブロック図である。 上記部品撮像装置のCMOSイメージセンサの一部を概念的に示す図である。 上記CMOSイメージセンサの単位セル存在エリアの一単位セルの等価回路図である。 上記単位セル存在エリアを概念的に示す図である。 ブラックエリア出力パターンの一例を示す図表である。 上記部品撮像装置の撮像対象の一例を概念的に示す図である。 上記CMOSイメージセンサの撮像エリアの固定パターンノイズがCMOSイメージセンサの温度の変化に伴って変化する状況を概念的に示す図である。 別の実施形態における制御プログラムの一部を示すフローチャートである。 さらに別の実施形態における固定パターンノイズ低減の状態を示す図である。
以下、請求可能発明の実施形態を、上記各図を参照しつつ説明する。なお、請求可能発明は、下記実施形態の他、上記〔発明の態様〕の項に記載した態様を始めとして、当業者の知識に基づいて種々の変更を施した態様で実施することができる。
図1に、電子回路部品装着システムの外観を示す。本装着システムは、複数の装着モジュール10が、共通で一体のベース12上に、互いに隣接して1列に配列されて固定されることにより構成されている。複数の装着モジュール10はそれぞれ、請求可能発明の一実施形態である電子回路部品装着機に相当し、回路基板への電子回路部品の装着を分担し、並行して行う。
装着モジュール10については、例えば、特開2004−104075公報に詳細に記載されており、本請求可能発明に関係する部分以外の部分については簡単に説明する。
各装着モジュール10はそれぞれ、図2に示すように、モジュール本体18,基板搬送装置20,基板保持装置22,部品供給装置24,装着装置26,基準マーク撮像装置28(図3参照),請求可能発明の一実施形態である部品撮像装置30および制御装置32を備えている。
基板搬送装置20は、図2に示すように、2つの基板コンベヤ34,36を備え、モジュール本体18を構成する基台38の装着モジュール10の前後方向の中央部に設けられ、回路基板40を複数の装着モジュール10が並ぶ方向と平行な方向であって、水平な方向に搬送する。基板保持装置22は2つの基板コンベヤ34,36の各々について設けられ、それぞれ、図示は省略するが、回路基板40を下方から支持する支持部材および回路基板40の搬送方向に平行な両側縁部をそれぞれクランプするクランプ部材を備え、回路基板40をその電子回路部品が装着される装着面が水平となる姿勢で保持する。基板搬送装置20による回路基板40の搬送方向をX軸方向、基板保持装置22に保持された回路基板40の装着面に平行な平面であって、水平面内においてX軸方向と直交する方向をY軸方向とする。
部品供給装置24は、基台38の基板搬送装置20に対してY軸方向の一方の側であって、装着モジュール10の正面側に設けられている。部品供給装置24は、例えば、部品フィーダの一種であるテープフィーダ(以後、フィーダと略称する)46により電子回路部品を供給するものとされ、複数のフィーダ46と、それらフィーダ46が取り付けられるフィーダ支持台(図示省略)とを含む。複数のフィーダ46はそれぞれ、多数の電子回路部品をテープにより保持した状態で供給し、それぞれ異なる種類の電子回路部品を保持した複数のフィーダ46が、各々の部品供給部がX軸方向に沿って並ぶ状態でフィーダ支持台に取り付けられる。部品供給装置はトレイによって電子回路部品を供給する装置としてもよい。
装着装置26は、図2および図3に示すように、作業ヘッドたる装着ヘッド60と、その装着ヘッド60を移動させるヘッド移動装置62とを備えている。ヘッド移動装置62は、図3に示すように、X軸方向移動装置64およびY軸方向移動装置66を備えている。Y軸方向移動装置66は、モジュール本体18を構成するビーム68に、部品供給装置24の部品供給部と基板保持装置22とに跨って設けられたリニアモータ70を備え、可動部材としてのY軸スライド72をY軸方向の任意の位置へ移動させる。X軸方向移動装置64はY軸スライド72上に設けられ、Y軸スライド72に対してX軸方向に移動させられるとともに、互いにX軸方向に相対移動させられる第1,第2X軸スライド74,76と、それらスライド74,76をそれぞれ、X軸方向に移動させるX軸スライド移動装置78(図3には第1X軸スライド74を移動させる移動装置のみが図示されている)とを備えている。2つのX軸スライド移動装置はそれぞれ、例えば、駆動源たる電動回転モータの一種であるサーボモータと、ボールねじおよびナットを含む送りねじ機構とを含むものとされ、X軸スライド74,76をX軸方向の任意の位置へ移動させる。
装着ヘッド60は、第2X軸スライド76に着脱自在に搭載され、ヘッド移動装置62により、部品供給装置24の部品供給部と基板保持装置22とに跨る移動領域である装着作業領域内の任意の位置へ移動させられる。装着ヘッド60は、部品保持具の一種である吸着ノズル86によって電子回路部品を保持するものとされており、吸着ノズル86を保持し、保持具保持部を構成するノズルホルダの数を異にする複数種類の装着ヘッド60が用意され、電子回路部品が装着される回路基板40の種類に応じて選択的に第2X軸スライド76に取り付けられる。
例えば、図4(a)に示す装着ヘッド60aはノズルホルダ88aを1つ備え、吸着ノズル86aが1つ保持され、図4(b)に示す装着ヘッド60bはノズルホルダ88bを複数、例えば3個以上(図示の例では12個)備え、吸着ノズル86bが最大12個保持され得る。吸着ノズル86は吸着管90および背景形成板92を備え、吸着管90の部品吸着面の直径と、平面視の形状が円形を成す背景形成板92の直径との少なくとも一方を異にする複数種類の吸着ノズル86があり、吸着する電子回路部品の種類に応じて使い分けられる。吸着ノズル86aは吸着ノズル86bより部品吸着面および背景形成板92aの各直径が大きく、大形の電子回路部品の装着に使用される。
装着ヘッド60aにおいてノズルホルダ88aは、図示は省略するが、ヘッド本体に軸線方向であって鉛直方向に移動可能かつ自身の軸線まわりに回転可能に設けられ、ヘッド本体に設けられた移動装置である昇降装置および回転装置により昇降および回転させられる。装着ヘッド60bは、図5に示すように、ヘッド本体96に鉛直な回転軸線のまわりに回転可能に設けられた回転体100と、回転体100を正逆両方向に任意の角度回転させる回転体回転装置102とを備えた回転型ヘッドである。回転体100には、その回転軸線を中心とする一円周上に適宜の間隔、本装着ヘッド60bでは等角度を隔てた12の位置にそれぞれ、ノズルホルダ88bが回転体100の回転軸線に平行な方向に相対移動可能かつ自身の軸線まわりに回転可能に設けられ、それぞれ回転体100からの突出端部(装着ヘッド60が第二X軸スライド76に取り付けられた状態では下端部)において吸着ノズル86bを着脱可能に保持する。
12個のノズルホルダ88bは、回転体100の回転により、回転体100の回転軸線のまわりに旋回させられ、12個の停止位置の1つである部品吸着装着位置へ順次移動させられ、ヘッド本体96の部品吸着装着位置に対応する位置に設けられた移動装置である昇降装置104によって昇降させられる。ノズルホルダ88bはさらに、ヘッド本体96に設けられたホルダ回転装置106により、自身の軸線まわりに回転させられる。なお、前記基準マーク撮像装置28は、図3に示すように、第二X軸スライド76に搭載され、ヘッド移動装置62により装着ヘッド60と共に移動させられる。
前記部品撮像装置30は、図2に示すように、基台38の基板搬送装置20と部品供給装置24との間の部分に設けられ、吸着ノズル86により吸着された電子回路部品を照明装置116により下方から照明し、カメラ118により撮像する。本部品撮像装置30は、図6に概念的に示すように、カメラ118を主体とし、カメラ118はCMOSイメージセンサから成る撮像素子120と、撮像素子コントローラ122とを備えている。撮像素子120の単位セル存在エリア124は、図7に示すように、撮像エリア126とオプティカルブラックエリア128とを含んでいる。単位セル存在エリア124には、図8の等価回路で表される単位セル130が、図9に示すように格子状に配列されている。この点は撮像エリア126においてもオプティカルブラックエリア128においても同じであるが、オプティカルブラックエリア128においては1列以上の設定列(本実施形態においては複数列)分の単位セル130への入光がマスクにより阻止されており、単位セル存在エリア124に一定時間の露光が行われ、その露光時間分の有効撮像信号が撮像エリア126から出力されるとき、オプティカルブラックエリア128からは同じ露光時間分の遮光撮像信号が出力される。なお、本実施形態におけるカメラ118はメカニカルシャッタも絞りも備えておらず、上記「露光」は各単位セル130から前の撮像信号が出力されてから次の撮像信号が出力されるまでの「電荷の蓄積」を意味し、「露光時間」は「電荷蓄積時間」を意味する。
単位セル存在エリア124からの出力信号は共通増幅器132により増幅された後、撮像データ処理部140へ供給される。撮像データ処理部140は、図6の機能ブロックで表される各処理部を備えており、増幅された撮像信号は撮像データ取得部142へ供給され、ここにおいてアナログ信号である撮像信号からデジタルデータである撮像データに変換される。撮像データは、本実施形態においては256階調のグレー値データである。
最初にオプティカルブラックエリア128からの遮光撮像信号が撮像データ取得部142へ供給され、ブラックエリア出力パターン(以下、出力パターンと略称する)が取得される。この出力パターンは、その一例を図10に示すように、オプティカルブラックエリア128からの遮光撮像データが単位セル130の位置(座標)と対応付けて並べられたものである。
続いて、撮像エリア126から有効撮像信号が撮像データ取得部142へ供給され、256階調のグレー値データである有効撮像データに変換される。この有効撮像データは撮像データ補正部144へ供給され、補正が行われた後、通信制御部150を経て画像処理装置としての画像処理コンピュータ152へ供給され、画像処理が行われる。この画像処理によって、吸着ノズル86による電子回路部品の保持位置誤差が取得され、その情報が、前述の装着モジュール10の制御装置32に設けられた装着制御コンピュータ154に供給され、保持位置誤差が修正された上で、回路基板40に装着される。例えば、モジュール10に、図4(b)に示す装着ヘッド60bが取り付けられている場合には、12個の吸着ノズル86に、原則として、図11に示すように12個の電子回路部品156が保持されるのであり、これら12個の電子回路部品156が本部品撮像装置30により一括して撮像され、各電子回路部品156の保持位置誤差がそれぞれ修正されて、回路基板40に装着されるのである。
上記撮像データ補正部144においては種々の補正が行われる。例えば、有効撮像データのすべてに一定値を加算して明るさを増すブライトネスや、ルックアップテーブルを使用して、有効撮像データの各々に、個々に異なる変更を加える補正が行われたりするのであるが、それと共に、固定パターンノイズを除去する補正が行われる。以下、この固定パターンノイズ除去の補正について説明する。
単位セル存在エリア124に存在する各単位セル130は、図8に示すように、受光量に応じた電荷を蓄積するフォトダイオード160に蓄積された電荷に対応する電圧を増幅する増幅器162を備えているが、現在の技術ではこの増幅器162の増幅率にばらつきが生じることを避け得ない。そのため、例えば、本カメラ118により暗い背景を撮像すると、図12に概念的に示すように、画像内の特定の位置に明るい点(白点,白きず等と称される。以下、白点と称することとする)が現れる固定パターンノイズが発生する。そして、この白点164は、撮像素子120の温度が上昇するに従って増加する。この白点164は、特に、電子回路部品156の像が明るい像として取得されている場合に、電子回路部品156の位置誤差の取得に悪影響を与え易く、除去することが望まれる。
この固定パターンノイズは各カメラ118に固有のものであるため、カメラ118が装着モジュール10に取り付けられる前に、固定パターンノイズの検出が行われる。前述のように、白点164は撮像素子120の温度上昇に伴って増加するため、複数の温度に対して、それぞれ固定パターンノイズを検出することが必要であり、検出は恒温槽を使用して行われる。すなわち、カメラ118を恒温槽に入れ、恒温槽の温度を一定温度きざみ(例えば5℃きさみ)で上昇させ、カメラ118の温度が各温度に安定した状態で固定パターンノイズを検出することが行われるのである。勿論、白点164の固定パターンノイズを検出する際には、カメラ118に光が入光しないように暗い環境で撮像が行われる。なお、固定パターンノイズの現れ方は、撮像素子120の温度のみならず、共通増幅器132の増幅率,露光時間等の撮像条件の変化に伴って変化するため、カメラ118への入光状態以外は、固定パターンノイズの除去が必要な有効撮像データの取得時と同じ撮像条件で固定パターンノイズの検出が行われることが望ましい。
固定パターンノイズの検出時においても、単位セル存在エリア124からの撮像信号は、オプティカルブラックエリア128からのものが最初に出力され、撮像データ取得部142において遮光撮像データに変換され、撮像データ処理制御部170のブラックエリア出力パターン記憶部172(以下、出力パターン記憶部と略称する)に、その出力パターンの取得時における撮像素子120の温度と対応付けて記憶させられる。
オプティカルブラックエリア128からの出力に続いて撮像エリア126からの出力が行われ、撮像データ取得部142において有効撮像データに変換され、固定パターンノイズ検出部174に供給される。固定パターンノイズ検出部174においては、有効撮像データ全部の平均値が取得され、その平均値により有効撮像データの各々を割った商δが求められる。そして、各商δが予め設定されている第1しきい値と比較され、しきい値より大きい場合には、その商δに対応する有効撮像データを出力した単位セル130の座標値と対応付けて、特異点情報記憶部176に記憶させられる。本実施形態においては、上記商δがしきい値より大きい場合に、有効撮像データの平均レベルからの逸脱の程度が特に大きい逸脱単位セルとされ、その逸脱単位セルの位置(座標)と逸脱の程度を表す値である商δとが対応付けられて、固定パターンノイズ出現テーブルの形式で、固定パターンノイズ関連情報として、特異点情報記憶部176に記憶させられるのである。本実施形態においては、0℃から60℃まで5℃きざみで固定パターンノイズの検出が行われるため、13組の温度と出力パターンとの組合わせが出力パターン記憶部172に、13組の温度と固定パターンノイズ関連情報との組合わせが特異点情報記憶部176に記憶させられる。なお、出力パターンは、遮光撮像データのすべてが単位セル130の位置(座標)と対応付けられて記憶させられてもよく、個々の遮光撮像データを全ての遮光撮像データの平均値で割った商が第2しきい値を超えるもののみが、単位セル130の位置(座標)と対応付けられて記憶させられてもよい。本実施形態においては前者とされている。
これら出力パターン記憶部172に記憶させられたオプティカルブラックエリア128の出力パターンである基準出力パターン、および特異点情報記憶部176に記憶させられた固定パターンノイズ関連情報は、カメラ118が装着モジュール10に取り付けられた後に次のように使用されて、撮像対象の撮像によって取得された現撮像データの固定パターンノイズである現パターンノイズの是正が行われる。
撮像対象の撮像が行われると、まずオプティカルブラックエリア128からの出力が行われ、この出力が撮像データ取得部142においてデジタル化された遮光撮像データの集合が表す現出力パターンが、温度推定部180において、上記出力パターン記憶部172に記憶させられている13の基準出力パターンと比較され、それら基準出力パターンのうちで最も近似している基準出力パターンに対応する温度が撮像素子120の温度と推定される。そして、その推定された温度に対応する固定パターンノイズ関連情報がノイズ是正用の情報として選定され、撮像データ補正部により、特異点情報記憶部176から読み出される。
オプティカルブラックエリア128からの出力に続いて撮像エリア126からの出力が行われ、撮像データ取得部142においてデジタル化され、現撮像データが取得されて、撮像データ補正部144へ供給される。撮像データ補正部144においては、これら現撮像データのうち、上記のように特異点情報記憶部176から撮像データ補正部により読み出される固定パターンノイズ関連情報が表す逸脱単位セルからの現撮像データに、前述の商δの逆数を掛けることにより、固定パターンノイズの是正が行われる。固定パターンノイズが是正された補正撮像データは通信制御部150を経て画像処理コンピュータ154に供給される。
さらに、本実施形態においては、温度推定部180において推定された温度の情報が、制御データ供給部182により撮像素子コントローラ122に供給され、その温度の情報に基づいて共通増幅器132が制御されることにより、撮像素子120の温度の変化に伴う撮像信号の大きさの変化が低減させられるようになっている。
撮像素子120の温度が上昇すると、単位セル130の同じ受光量に対する撮像信号の大きさが増大するのが普通であり、本実施形態においては、この撮像信号の大きさの増大が共通増幅器132の増幅率を減少させることによって抑制されるようになっているのである。そのため、撮像素子120の温度変化にかかわらず、受光量に対する撮像信号の大きさの変化が抑制され、温度変化の影響の少ない撮像信号が得られる。
制御データ供給部182は、上記推定された温度の情報以外にも、撮像素子120を制御する上で必要な種々のデータを撮像素子コントローラ122に供給する。また、温度推定部180は、図示は省略するが、推定した温度の情報を撮像データ補正部144へも供給し、撮像データ補正部144はその温度の情報に基づいて、特異点情報記憶部176から、撮像素子120の温度に対応する固定パターンノイズ関連情報を読み出し、有効撮像データの補正に使用する。
以上の説明から明らかなように、制御データ供給部182,撮像素子コントローラ122および撮像データ取得部142により撮像出力取得部が構成されている。また、特異点情報記憶部176により、固定パターンノイズ関連情報記憶部の一例としての逸脱パターンノイズ関連データ記憶部が構成され、出力パターン記憶部172および温度推定部180によりセンサ温度取得部が、また撮像データ補正部144により固定パターンノイズ低減部が、出力パターン記憶部172により基準出力パターン記憶部がそれぞれ構成されている。
また、逸脱単位セルの逸脱の程度を表す値である商δが逸脱データに相当する。商δの逆数が是正データに相当するが、本実施形態においては是正データは特異点情報記憶部176には記憶させられない。
本実施形態においては、撮像信号がデジタル化されて撮像データとされた後に、固定パターンノイズの是正が行われるが、デジタル化される前の撮像信号の状態において固定パターンノイズの是正が行われるようにすることも可能である。
例えば、特異点情報記憶部176から、温度推定部180による推定温度に対応する固定パターンノイズを表す前記商δまたはその逆数1/δが、逸脱単位セルの座標値と共に撮像素子コントローラ122に供給され、その商δまたは逆数1/δに基づいて撮像素子コントローラ122により共通増幅器132の増幅率が制御されることによって、撮像素子120から撮像データ取得部142に供給される撮像信号に含まれる固定パターンノイズが是正されるようにすることができる。
このように、固定パターンノイズは、撮像信号の状態において是正されるようにすることも、撮像データに変換された後に是正されるようにすることも可能なのであり、特許請求の範囲における「撮像出力」には「撮像信号」も「撮像データ」も含まれる。
もっとも、上記「撮像信号」はアナログ撮像データであり、上記「撮像データ」はデジタル撮像データであるから、両者を広義の「撮像データ」と考えることも可能である。
また、前記実施形態においては、固定パターンノイズ関連情報が、カメラ118が装着モジュール10に取り付けられる前に恒温槽を利用して取得され、特異点情報記憶部176に記憶させられるが、これは不可欠ではなく、カメラ118が装着モジュール10に取り付けられた後に、固定パターンノイズ関連情報が取得されるようにすることも可能である。以下、その一実施形態を、図13に基づいて説明する。
本実施形態においても、電子回路部品装着システムおよび部品撮像装置30の構成は、前記実施形態と同じであり、それらの制御の仕方が異なる。装着モジュール10の制御装置32には、電子回路部品装着システムおよび部品撮像装置30を制御するための制御プログラムが格納されているが、その制御プログラムのうち、撮像出力の固定パターンノイズを低減させるための部分のみを取り出して示したのが図13に示すフローチャートである。
このフローチャートにより表される制御プログラムは、装着モジュール10において電子回路部品の装着が行われるうち、制御装置26において繰り返し実行される。
まず、S1において、出力パターン記憶部172,特異点情報記憶部176のクリアやカウンタのリセット等の初期処理が実行される。次に、S2において非入光状態の撮像が行われる。例えば、装着ヘッド60a,bがカメラ118の上方に位置しない状態において、照明装置116を消した状態で撮像が行われる。カメラ118は、被写界深度が浅いものであるため、カメラ118が装着ヘッド60a,bと対向していない状態で撮像を行えば、ほぼ均一な撮像信号が得られ、その上、照明装置116を消した状態で撮像を行えば、暗く、均一で、黒い背景形成板92を有する吸着ノズル86に電子回路部品156を保持させた場合の背景と同じ撮像信号が得られる。
この撮像信号のうち、オプティカルブラックエリア128からのものに基づいてS3が実行され、基準出力パターンが取得されて出力パターン記憶部172に記憶させられる。また、撮像エリア126からの撮像信号に基づいてS4が実行され、固定パターンノイズ関連情報が取得されて特異点情報記憶部176に記憶させられる。
続いて、S5において照明装置116により下方から照明して撮像対象たる電子回路部品156の撮像が行われ、S6において撮像データの取得が行われる。オプティカルブラックエリア128からの遮光撮像データ(出力パターン)の取得と、撮像エリア126からの有効撮像データの取得とが行われ、図示を省略するRAMに一時的に記憶されるのである。そして、S7において、取得された撮像データにおける固定パターンノイズの是正が、S4において取得された固定パターンノイズ関連情報に基づいて、前記実施形態におけると同様に行われる。その後、S8において予定の電子回路部品156の撮像(予定の電子回路部品156の装着)が終了したか否かが判定され、通常は判定結果がNOであるため、S10以降が実行される。
上記S2における非入光状態撮像とS5における撮像対象撮像とは引き続いて行われるため、その間に撮像素子120の温度が変化することはなく、「非入光状態撮像時(固定パターンノイズ情報取得部による固定パターンノイズ情報の取得時)と撮像対象撮像時(撮像出力取得部による撮像出力の取得時)とにおいて撮像素子120(CMOSイメージセンサ)の温度が等しい」という前記〔発明の態様〕における(1)項に記載の条件が満たされており、S10〜S14が省略され、S8の判定結果がNOの場合にプログラムの実行がS2に戻る態様が(1)項に記載の発明の一実施形態であることになる。
また、非入光状態撮像と撮像対象撮像とが引き続いて行われるようにされているということは、撮像出力取得部による撮像出力の取得時点に対して、ごく短く設定された時間範囲以内において固定パターンノイズ情報取得部による固定パターンノイズ情報の取得が行われるということであり、S10〜S14が省略され、S8の判定結果がNOの場合にプログラムの実行がS2に戻るようにすれば、その態様が前記 (9)項に記載の発明の実施形態であると考えることもできる。
ただし、図13に記載の実施形態においては、S8の判定結果がNOの場合には、S10においてカウンタのカウント値nがインクリメントされ、S11において、カウント値nが設定カウント値N以上であるか否かが判定されるが、最初は判定結果がNOであるため、プログラムの実行はS5に戻る。S5〜S11が繰り返し実行され、やがてS11の判定結果がYESになり、S12においてカウント値が0にリセットされ、S13において差の積分の絶対値│ΣΔ│が取得される。先に取得されて出力パターン記憶部172に記憶されている基準出力パターンと、S6において取得されてRAMに一時的に記憶されている現出力パターンとの差の積分の絶対値│ΣΔ│が取得されるのである。この差の積分の絶対値│ΣΔ│が設定値Sより大きい場合には、基準出力パターンと現出力パターンとの間に、比較的大きな相違が生じたことを意味するため、プログラムの実行はS2に戻り、基準出力パターンと固定パターンノイズ関連情報との更新が行われる。
上記差の積分の絶対値│ΣΔ│は、撮像素子120の、実用上許容される限度の温度変化に対応する値よりやや小さく設定され、また、設定カウント値Nは、S14の判定結果がYESになるまでに、S11の判定結果が少なくとも1回、望ましくは複数回、YESになる値に設定されている。本実施形態によれば、撮像素子120の温度変化が実用上許容される限度を超えることがないことが保証されるとともに、前記S10〜S14が省略され、電子回路部品156の撮像毎に、基準出力パターンと固定パターンノイズ関連情報との取得が行われる実施形態に比較して、基準出力パターンと固定パターンノイズ関連情報との取得の回数が減少し、電子回路部品156の装着作業能率が向上する効果が得られる。
なお、上記設定カウント値Nが小さい値に設定されるほど、撮像素子120の温度変化が実用上許容される限度を超えることがないことが確実に保証されるが、基準出力パターンと固定パターンノイズ関連情報との更新が頻繁に行われて、電子回路部品156の装着作業能率が低下する。一方、設定カウント値Nが大きすぎれば、撮像素子120の温度変化が実用上許容される限度を超えることがないことの保証の程度が低くなる。差の積分の絶対値│ΣΔ│についても同様のことが言い得る。したがって、設定カウント値Nと差の積分の絶対値│ΣΔ│とは、上記事情を考慮して適切に設定されるべきである。
以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、制御装置32のS2およびS4を実行する部分と、撮像素子コントローラ122および撮像データ取得部142とにより、固定パターンノイズ情報取得部が構成され、特異点情報記憶部176により固定パターンノイズ関連情報記憶部が構成されている。また、制御装置32のS5およびS6を実行する部分と、撮像装置コントローラ122および撮像データ取得部142とにより撮像出力取得部が構成され、制御装置32のS7を実行する部分と、撮像データ補正部144とにより、固定パターンノイズ低減部が構成され、出力パターン記憶部172により基準出力パターン記憶部が構成され、制御装置32のS13,S14,S2およびS3を実行する部分により基準出力パターン更新部が構成され、制御装置32のS14の判定結果がYESとなった後にS2およびS4を実行する部分により固定パターンノイズ関連情報更新部が構成されている。
また、上記実施形態において、ステップS10ないしS12の実行は、設定時間が経過したか否かの判定と考えることができ、S13およびS14を省略して、S12の実行後、プログラムの実行がS2ステップに戻るようにすれば、その態様は正に前記 (9)項に記載の発明の実施形態となる。
その場合、制御装置32のS2およびS4を実行する部分と、撮像素子コントローラ122および撮像データ取得部142とにより、固定パターンノイズ情報取得部が構成され、制御装置32のS5およびS6を実行する部分と、撮像素子コントローラ122および撮像データ取得部142とにより、撮像出力取得部が構成され、制御装置32のS7を実行する部分と、撮像データ補正部144とにより固定パターンノイズ低減部が構成される。
図13に示した実施形態においては、S7における固定パターンノイズの是正が、前記実施形態におけると同様に行われるのであるが、S4における固定パターンデータの取得および記憶を、非入光状態撮像によって取得された非入光撮像データのすべてを固定パターンデータ記憶部に記憶させるものとし、S7における固定パターンノイズの是正を、撮像データの各々から、対応する非入光撮像データの各々を減算するものとすることも可能である。この方法による固定パターンノイズの低減の様子の一例を図14に示す。図14(a)が非入光撮像データに対応する画像を示し、図14(b)が撮像データに対応する画像を示し、図14(c)が固定パターンノイズが是正された補正撮像データに対応する画像を示す。図14(c)の画像においては、図14(b)の画像に存在する白点がほぼ消滅させられていることが解る。
以上は、固定パターンノイズがいわゆる白点である場合について説明したが、請求可能発明は、固定パターンノイズがいわゆる黒点である場合にも適用可能である。明るい背景の中に撮像対象の暗い像が取得される場合、すなわちシルエット像の取得時には、明るい背景の中に他の部分に比較して暗い、いわゆる黒点が固定ノイズとして現れることがある。この黒点ノイズの除去は、例えば、明るい背景のみを、撮像対象を撮像する場合と同じ撮像条件で撮像して取得された背景像データ、あるいはイメージセンサ全体に明るい均一な光を入光させた状態で撮像対象を撮像する場合と同じ撮像条件で撮像して取得された入光状態撮像データの何れか一方であるノイズ除去用データから、撮像対象のシルエット像を表す撮像データを差し引けば、黒点ノイズが低減させられるとともに、暗い背景の中に明るい撮像対象の像が存在する状態、すなわち実際に取得された画像の明暗が反転させられたものを表す撮像データが得られる。この撮像データ自体を撮像対象の位置,寸法等の評価に使用することもできる。しかし、この撮像データを、一様に明るい画像を表す撮像データから差し引けば、実際に取得された画像から黒点ノイズが除去された状態のノイズ除去撮像データを取得することができる。
また、前記実施形態におけると同様に、ノイズ除去用データの平均値によって、個々のノイズ除去用データを割り、その商が他の商と著しく異なるものを逸脱単位セルとして、逸脱単位セルについてのみ固定パターンノイズの是正を行うようにすることによっても黒点の固定パターンノイズの低減を図ることができる。その場合、固定パターンノイズの是正は上記実施形態におけるように、ノイズ除去用データから撮像データを差し引く等の減算によることも、逸脱単位セルからの撮像データに上記商の逆数を掛ける乗算によることも可能である。
以上の実施形態においては、撮像データ補正部144,出力パターン記憶部172、固定パターンノイズ検出部174,特異点情報記憶部176,温度推定部180等がカメラ118の内部に設けられていたが、これらの少なくとも一部がカメラ外部のコンピュータに設けられてもよい。これらをカメラの外部に設けることとすれば、汎用のカメラを使用することが可能となる。
また、上記実施形態においては、逸脱単位セルの撮像データはすべてその撮像データ自体の補正によって逸脱が是正されるようにされていたが、逸脱の程度があまりに大きいものについては、その単位セルの撮像データは使用せず、周辺の複数の単位セルの撮像データを用いた補間により逸脱が是正されるようにしてもよい。逸脱の程度があまりに大きい単位セルは破損している可能性が高く、それの撮像データは受光量に比例しない場合が多いからである。
さらに、上記実施形態においては、オプティカルブラックエリア128の出力パターンに基づいて撮像素子120の温度が取得されるようにされていたが、カメラ118の内部、特に撮像素子120に近い部分に温度センサを設け、温度を検出してもよい。
10:装着モジュール 28:基準マーク撮像装置 30:部品撮像装置 32:制御装置 60a,b:装着ヘッド 86:吸着ノズル 88:ノズルホルダ 90:吸着管 92:背景形成板 116:照明装置 118:カメラ 120:撮像素子(CMOSイメージセンサ) 122:撮像素子コントローラ 124:単位セル存在エリア 126:撮像エリア 128:オプティカルブラックエリア 130:単位セル 132:共通増幅器 140:撮像データ処理部 142:撮像データ取得部 144:撮像データ補正部 150:通信制御部 152:画像処理コンピュータ 156:電子回路部品 160:フォトダイオード 162:増幅器 164:白点 170:撮像データ処理制御部 172:ブラックエリア出力パターン記憶部(出力パターン記憶部) 174:固定パターンノイズ検出部 176:特異点情報記憶部 180:温度推定部 182:制御データ供給部

Claims (10)

  1. 撮像エリアに形成されてそれぞれ光電変換を行う複数の単位セルの各々が増幅器を有するCMOSイメージセンサと、
    そのCMOSイメージセンサに撮像対象の撮像を行わせて撮像出力を取得する撮像出力取得部と、
    前記CMOSイメージセンサの複数の温度の各々における、そのCMOSイメージセンサの前記複数の単位セルの前記増幅器の増幅率のばらつきに起因して生じる前記撮像エリアの固定パターンノイズの情報と、その固定パターンノイズを補正するための情報とのいずれかである複数種類の固定パターンノイズ関連情報を前記温度の各々と対応付けて記憶している固定パターンノイズ関連情報記憶部と、
    前記CMOSイメージセンサにより撮像対象の撮像が行われる際のそのCMOSイメージセンサの温度を取得するセンサ温度取得部と、
    そのセンサ温度取得部により取得された温度と、前記固定パターンノイズ関連情報記憶部に記憶されている前記複数種類の固定パターンノイズ関連情報とに基づいて、前記撮像出力取得部により取得された撮像出力における固定パターンノイズを補正により低減させる固定パターンノイズ低減部と
    を含む撮像装置。
  2. 前記固定パターンノイズ関連情報記憶部が、前記複数種類の固定パターンノイズ関連情報として、前記CMOSイメージセンサの複数の温度の各々と対応付けられた、(A)それら複数の温度の各々に対して前記複数の単位セルのうちで前記増幅器の増幅率がそれら複数の単位セルの増幅率の平均値から設定程度以上逸脱している単位セルである逸脱単位セルの(i)逸脱の程度を表すデータである逸脱データと(ii)逸脱を是正するためのデータである是正データとのいずれか一方と、(B)前記逸脱単位セルの位置の情報との組である複数種類の逸脱パターンノイズ関連データを記憶している逸脱パターンノイズ関連データ記憶部を含む請求項1に記載の撮像装置。
  3. 前記逸脱パターンノイズ関連データ記憶部が、前記逸脱データとして、前記逸脱単位セル各々からの撮像出力を、前記複数の単位セルからの撮像出力の平均値で除した値を記憶している請求項2に記載の撮像装置。
  4. 前記逸脱パターンノイズ関連データ記憶部が、前記是正データとして、前記逸脱単位セル各々からの撮像出力を、前記複数の単位セルからの撮像出力の平均値で除した値の逆数を記憶している請求項2に記載の撮像装置。
  5. 前記CMOSイメージセンサの前記単位セルが存在するエリアである単位セル存在エリアが前記撮像エリアと共にオプティカルブラックエリアを含み、前記センサ温度取得部が、
    前記CMOSイメージセンサの前記複数の温度に対応した前記オプティカルブラックエリアの出力パターンを複数種類の基準出力パターンとして、複数の温度の各々と対応付けて記憶している基準出力パターン記憶部と、
    前記撮像出力取得部による前記撮像出力の取得時における前記オプティカルブラックエリアの出力パターンである現出力パターンと、前記基準出力パターン記憶部に記憶されている複数種類の基準出力パターンの各々との類似性に基づいて、前記撮像対象の撮像時におけるCMOSイメージセンサの温度を推定するセンサ温度推定部と
    を含む請求項1ないし4のいずれかに記載の撮像装置。
  6. 前記センサ温度推定部が、前記ブラックエリア出力パターン記憶部に記憶されている複数種類の基準出力パターンのうちで、前記撮像対象の撮像が行われた際の前記現出力パターンと最も近似しているものと対応付けられている温度を、前記撮像対象の撮像が行われた際の前記CMOSイメージセンサの温度と推定するものである請求項5に記載の撮像装置。
  7. 前記固定パターンノイズ低減部が、前記撮像対象の撮像時における前記撮像エリアからの撮像出力がデジタル化されて撮像データとされた後に、その撮像データにおける固定パターンノイズを是正するものである請求項1ないし6のいずれかに記載の撮像装置。
  8. 撮像エリアに形成されてそれぞれ光電変換を行う複数の単位セルの各々が増幅器を有するCMOSイメージセンサと、
    そのCMOSイメージセンサに撮像対象の撮像を行わせて撮像出力を取得する撮像出力取得部と、
    その撮像出力取得部による撮像出力の取得時点に対して、予め設定された時間範囲以内において、前記CMOSイメージセンサへの入光状態が一律である状態でそのCMOSイメージセンサに撮像を行わせ、そのCMOSイメージセンサの前記撮像エリアの前記複数の単位セルの前記増幅器の増幅率のばらつきに起因して生じる固定パターンノイズの情報を取得する固定パターンノイズ情報取得部と、
    その固定パターンノイズ情報取得部により取得された固定パターンノイズの情報に基づいて、前記撮像出力取得部により取得された前記撮像出力における固定パターンノイズを低減させる固定パターンノイズ低減部と
    を含む撮像装置。
  9. 撮像エリアに形成されてそれぞれ光電変換を行う複数の単位セルの各々が増幅器を有するCMOSイメージセンサと、
    そのCMOSイメージセンサに撮像対象の撮像を行わせて撮像出力を取得する撮像出力取得部と、
    前記CMOSイメージセンサへの入光状態が一律である状態でそのCMOSイメージセンサに撮像を行わせ、そのCMOSイメージセンサの前記撮像エリアの前記複数の単位セルの前記増幅器の増幅率のばらつきに起因して生じる固定パターンノイズの情報を取得する固定パターンノイズ情報取得部と、
    その固定パターンノイズ情報取得部により取得された前記固定パターンノイズの情報と、その固定パターンノイズを補正するための情報とのいずれかである固定パターンノイズ関連情報を記憶する固定パターンノイズ関連情報記憶部と、
    その固定パターンノイズ関連情報記憶部に記憶された前記固定パターンノイズ関連情報に基づいて、前記撮像出力取得部により取得された前記撮像出力における固定パターンノイズを低減させる固定パターンノイズ低減部と
    を含み、かつ、前記CMOSイメージセンサの前記単位セルが存在するエリアである単位セル存在エリアが前記撮像エリアと共にオプティカルブラックエリアを含み、当該撮像装置が、さらに、
    前記撮像出力取得部により前記撮像出力の取得が行われた際の前記オプティカルブラックエリアからの出力のパターンの一つを基準出力パターンとして記憶する基準出力パターン記憶部と、
    その基準出力パターン記憶部への前記基準出力パターンの記憶後に、前記撮像出力取得部により前記撮像出力の取得が行われる際に得られる現出力パターンと前記基準出力パターンとの相違状態が設定状態以上になった場合に、その現出力パターンを前記基準出力パターンと置換することにより基準出力パターンを更新する基準出力パターン更新部と、
    その基準パターン更新部により基準パターンの更新が行われる場合に、前記固定パターンノイズ情報取得部を作動させて新たな固定パターンノイズ情報を取得させ、前記固定パターンノイズ関連情報記憶部の前記固定パターンノイズ関連情報を更新する固定パターンノイズ関連情報更新部と
    を含む撮像装置。
  10. 回路基板を保持する基板保持装置と、
    その基板保持装置に保持された回路基板に装着されるべき電子回路部品を供給する部品供給装置と、
    その部品供給装置から、部品保持具により電子回路部品を受け取り、前記基板保持装置に保持された回路基板に装着する装着装置と、
    前記部品保持具に保持された電子回路部品を撮像する部品撮像装置と、
    その部品撮像装置により撮像された電子回路部品の像を表す撮像出力を処理して前記部品保持具による電子回路部品の保持位置誤差を取得する画像処理装置と、
    その画像処理装置により取得された前記保持位置誤差を補正して前記基板保持装置に保持された回路基板に装着させるように前記装着装置を制御する装着制御部と
    を含む電子回路部品装着機であって、
    前記部品撮像装置が請求項1ないし9のいずれかに記載の撮像装置により構成されたことを特徴とする電子回路部品装着機。
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