JP2010209846A - ターボチャージャ - Google Patents
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Abstract
【解決手段】本発明のターボチャージャ1は、コンプレッサハウジング5の内部に設けられた回転翼8と、回転翼8を囲んで略環状を呈するディフューザ流路41とを備え、少なくともディフューザ流路41のタービンハウジング2と逆側の壁面41aはコンプレッサハウジング5に形成されているターボチャージャ1であって、コンプレッサハウジング5における壁面41a近傍に形成され、回転翼8を囲んで略環状を呈し、かつ、壁面を冷却するための流体を流動させる冷却用流路53を有するという構成を採用する。
【選択図】図1
Description
ターボチャージャは、タービンとコンプレッサとを有している。エンジンから排出された排気ガスがタービンに導入され、タービンの内部に設けられたタービンインペラを回転させる。タービンインペラは、コンプレッサの内部に設けられたコンプレッサインペラと一体的に連結されており、タービンインペラの回転によりコンプレッサインペラが回転する。コンプレッサの吸気口から導入された空気は、コンプレッサインペラが回転することにより圧縮され、該コンプレッサインペラの外側に位置するディフューザ流路に送り出される。圧縮された空気がコンプレッサからエンジンに供給されることで、エンジンの性能が向上する。
ブローバイガスは所定の箇所に集められ、オイルセパレータによって液状のオイル等が除去された後に、上記導入口及び吸気口を介してコンプレッサ内に導入される。ブローバイガスは、空気と共にコンプレッサにより圧縮され、再びエンジンに供給されて燃料と共に燃焼される。
そして、オイル等が堆積することで、ディフューザ流路の幅が縮小してしまい、ターボチャージャの性能や動作特性が変化してしまうという問題があった。
本発明のターボチャージャは、コンプレッサハウジングの内部に設けられた回転翼と、回転翼を囲んで略環状を呈するディフューザ流路とを備え、少なくともディフューザ流路のタービンハウジングと逆側の壁面はコンプレッサハウジングに形成されているターボチャージャであって、コンプレッサハウジングにおける壁面近傍に形成され、回転翼を囲んで略環状を呈し、かつ、壁面を冷却するための流体を流動させる冷却用流路を有するという構成を採用する。
このような構成を採用する本発明では、上記流体が流動することによりディフューザ流路の壁面が冷却され、その温度が低下する。
このような構成を採用する本発明では、上記流体が流動することにより上記壁面の外周縁部が冷却され、その温度が低下する。
このような構成を採用する本発明では、コンプレッサスクロール流路の流路径が狭くなれば冷却用流路の流路径が広がるため、ディフューザ流路の壁面は広い範囲で冷却される。
このような構成を採用する本発明では、周方向に関して冷却用流路が全周に亘り形成されているため、ディフューザ流路の壁面は全周に亘り冷却される。
このような構成を採用する本発明では、ディフューザ流路における壁面が効率よく冷却され、また、上記壁面の温度が周方向に関して均一化される。
本発明によれば、ディフューザ流路の壁面にオイル等が固化して堆積することを防止できるという効果がある。したがって、本発明によれば、ディフューザ流路の流路幅が変化しないことから、ターボチャージャの性能や動作特性を長期に亘り安定化できるという効果がある。
本実施形態に係るターボチャージャ1の構成を、図1及び図2を参照して説明する。
図1は、本実施形態に係るターボチャージャ1の全体構成を示す概略図である。図2は、図1のA−A線視断面図である。上記図内の矢印Fは前方向を示す。
図1に示すように、ターボチャージャ1は、タービンハウジング2と、軸受けハウジング3と、シールプレート4と、コンプレッサハウジング5とが前方より順次配置され一体的に設けられた構成となっている。
インペラ軸6の両端には、回転する翼であるタービンインペラ7及びコンプレッサインペラ(回転翼)8がそれぞれ一体的に連結されている。タービンインペラ7及びコンプレッサインペラ8は、いずれも複数の翼が回転軸周りに等間隔で配設された構成となっている。タービンインペラ7は、タービンハウジング2の略中央部に配置され、コンプレッサインペラ8は、コンプレッサハウジング5の略中央部に配置されている。
タービンスクロール流路21は、エンジンから排出された排気ガスが導入される不図示のガス流入口に連通している。また、タービンスクロール流路21は、タービンインペラ7の設置箇所を介して、タービンハウジング出口22に連通している。タービンハウジング出口22は、不図示の排気ガス浄化装置に接続されている。
シールプレート4とコンプレッサハウジング5との間には、空気を圧縮して昇圧させるディフューザ流路41がコンプレッサインペラ8を囲んで略環状に形成されている。
吸気口51と上記エアクリーナとの間には、エンジン等から排出されるブローバイガスの導入口(図示せず)が設けられている。なお、上記導入口から導入されるブローバイガスは、不図示のオイルセパレータによって液状のオイルが除去されたものである。
冷却用流路53は、ディフューザ流路41に沿いつつ壁面41aの近傍に設けられている。
図2に示すように、冷却用流路53は逆C字状を呈しており、冷却用流路53の2つの端部である第1端部53a及び第2端部53bには、各々図示しない供給用流路及び排出用流路が接続されている。該供給用流路及び該排出用流路には、不凍液等を用いた冷却用の液体(流体)を循環して流動させるための循環装置(図示せず)が接続されている。なお、該循環装置は、上記液体を冷却するための冷却機(図示せず)を有している。
まず、ターボチャージャ1の過給動作、すなわち、不図示のエンジンから排出される排気ガスの運動エネルギーを利用して、エンジンに空気を過給する動作について説明する。
コンプレッサインペラ8の回転により、コンプレッサハウジング5の吸気口51から導入された空気がディフューザ流路41に送り出される。送り出された空気は、ディフューザ流路41内を流動することで昇圧される。昇圧された空気は、コンプレッサスクロール流路52を通り排気口54を介してエンジンに供給される。エンジンに圧縮された空気が供給されることで、エンジンの性能を向上させることができる。
以上で、ターボチャージャ1の過給動作が終了する。
一方、ディフューザ流路41内で空気が圧縮され高温となるために、ディフューザ流路41の壁面41aも高温となる。空気の圧力を高めていくと、ディフューザ流路41内の空気の温度は更に上昇する。
以上で、ターボチャージャ1に導入されるブローバイガス及びブローバイガスに含まれるオイル等の処理が終了する。
本実施形態によれば、ディフューザ流路41の壁面41aにオイル等が固化して堆積することを防止できるという効果がある。したがって、本実施形態によれば、ディフューザ流路41の流路幅が変化しないことから、ターボチャージャ1の性能や動作特性を長期に亘り安定化できるという効果がある。
図3は、本実施形態における冷却用流路53の第1の変形例を示す概略図である。
図3に示すように、冷却用流路53の第1の変形例では、冷却用流路53は少なくとも壁面41aにおける外周縁部41bの近傍に設けられている。ディフューザ流路41内の空気は外周縁部41b側に向かうに従い温度が高まるため、外周縁部41bにおいてオイル等が固化しやすい傾向にある。そこで、この変形例を採用することにより外周縁部41bを冷却することができるため、外周縁部41bにおけるオイル等の固化を防止することができる。
図4は、本実施形態における冷却用流路53の第2の変形例を示す概略図である。
図4に示すように、冷却用流路53の第2の変形例では、冷却用流路53の流路径をコンプレッサスクロール流路52の流路径に応じて変化させ、例えばコンプレッサスクロール流路52の流路径が狭い箇所では冷却用流路53の流路径を広げている。この変形例では、ディフューザ流路41の壁面41a(図1参照)を広い範囲で冷却でき、広い範囲でのオイル等の固化を防止することができる。
図5は、本実施形態における冷却用流路53の第3の変形例を示す概略図である。
図5に示すように、冷却用流路53の第3の変形例では、冷却用流路53はコンプレッサインペラ8の回転軸周りに巻回されて周方向で重ねられている。この変形例では、周方向に関して冷却用流路53が全周に亘り形成されているため、壁面41a(図1参照)は全周に亘り冷却され、オイル等の固化を全周に亘り防止することができる。また、図5に示す冷却用流路53はコンプレッサインペラ8の径方向で重ねられているが、回転軸方向で重ねられていてもよい。
図6は、本実施形態における冷却用流路53の第4の変形例を示す概略図である。
図6に示すように、冷却用流路53の第4の変形例では、冷却用流路53は環形状を複数に分割した形状(第1流路55及び第2流路56)に形成されている。この変形例では、壁面41aを効率よく冷却することができ、壁面41aの温度を周方向に関してより均一化することができる。
Claims (5)
- コンプレッサハウジングの内部に設けられた回転翼と、前記回転翼を囲んで略環状を呈するディフューザ流路とを備え、少なくとも前記ディフューザ流路のタービンハウジングと逆側の壁面は前記コンプレッサハウジングに形成されているターボチャージャであって、
前記コンプレッサハウジングにおける前記壁面近傍に形成され、前記回転翼を囲んで略環状を呈し、かつ、前記壁面を冷却するための流体を流動させる冷却用流路を有することを特徴とするターボチャージャ。 - 前記冷却用流路は、少なくとも前記ディフューザ流路の前記壁面における外周縁部近傍に設けられることを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ。
- 前記冷却用流路の径方向外側には、前記回転翼を中心にして略渦巻状に形成されたコンプレッサスクロール流路が形成されており、
前記冷却用流路の流路径は、前記コンプレッサスクロール流路の流路径に応じて変化していることを特徴とする請求項1に記載のターボチャージャ。 - 前記冷却用流路は、前記回転翼の回転軸周りに巻回されて周方向で重ねられることを特徴とする請求項1から3のいずれか一項に記載のターボチャージャ。
- 前記冷却用流路は、環形状を複数に分割した形状に形成されていることを特徴とする請求項1から4のいずれか一項に記載のターボチャージャ。
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