JP2019183751A - コンプレッサの冷却制御装置 - Google Patents
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Abstract
Description
過給機が有するコンプレッサに供給される冷却液の供給を制御するためのコンプレッサの冷却制御装置であって、
前記コンプレッサの出口における圧縮空気の温度の計測値である計測温度を取得する計測温度取得部と、
前記圧縮空気の温度の推定値である推定温度を前記コンプレッサの作動状態に基づいて演算する推定温度演算部と、
前記推定温度と前記計測温度との比較結果に基づいて、前記冷却液の供給を制御する制御命令を生成する制御命令生成部と、を備える。
前記制御命令生成部は、
前記冷却液により前記圧縮空気が冷却されているか否かを判定するために、前記推定温度と前記計測温度とを比較する温度比較部と、
前記温度比較部の比較結果に基づいて、前記制御命令の内容を決定する命令内容決定部と、を有する。
上記(2)の構成によれば、圧縮空気の推定温度と計測温度との比較を通してなされる、冷却液によって圧縮空気が冷却されているか否かの判定を通して、制御命令の命令内容が決定される。これによって、コンプレッサにより生成された圧縮空気の冷却を適切に行うことができる。
前記制御命令生成部は、前記推定温度が前記計測温度よりも低い場合には、前記冷却液の温度を、前記計測温度の計測時の前記冷却液の温度よりも低温にする前記制御命令を生成する。
上記(3)の構成によれば、圧縮空気の推定温度が計測温度よりも低い場合(推定温度<計測温度)には、冷却液の温度をより低温にする。上記の条件が成立する場合は、既に説明した通り、冷却すべき圧縮空気が冷却液によって逆に温められている状態と判定できる。よって、冷却液の温度をより低温にするなどにより、圧縮空気が冷却液によって温められるような状態の解消を図り、コンプレッサにより生成される圧縮空気の冷却が冷却液によって適切に行われるように図ることができる。
前記制御命令生成部は、前記推定温度が前記計測温度よりも高い場合には、前記冷却液の温度を、前記計測温度の計測時の前記冷却液の温度よりも高温にする。
上記(4)の構成によれば、圧縮空気の推定温度が計測温度よりも高い場合(推定温度>計測温度)には、冷却液の温度をより高温にする。上記の条件が成立する場合は、既に説明した通り、冷却すべき圧縮空気が冷却液によって冷却されている状態と判定できる場合ではあるが、冷却液の温度をより高温にすることにより、圧縮空気の冷却を過度に行うことを防止しつつ、コンプレッサにより生成される圧縮空気の冷却が冷却液によってより適切に行われるように図ることができる。
前記コンプレッサには、
相対的に高温の前記冷却液である高温冷却液を前記コンプレッサに循環させるための高温冷却液循環管であって高温流量制御手段が設けられた高温冷却液循環管と、
相対的に低温の前記冷却液である低温冷却液を前記コンプレッサに循環させるための低温冷却液循環管であって低温流量制御手段が設けられた低温冷却液循環管と、が接続されており、
前記制御命令は、前記高温冷却液循環管を流れる前記高温冷却液、または前記低温冷却液循環管を流れる前記低温冷却液のいずれか一方を前記コンプレッサに供給するように切り替えるための命令である。
上記(5)の構成によれば、制御命令を流量制御弁に送信することによって、高温冷却液循環管または低温冷却液循環管のいずれか一方の冷却液をコンプレッサに循環させるように制御することができる。これによって、コンプレッサに供給する冷却液の温度を制御することができる。
前記高温冷却液循環管には、エンジンを冷却するためのエンジン冷却水が供給される。
上記(6)の構成によれば、コンプレッサにエンジン冷却水を供給するように構成することによって、高温側冷却液による圧縮空気の冷却を行うことができる。
前記低温冷却液循環管には、エアコン用冷媒が供給される。
上記(7)の構成によれば、冷凍サイクルによって低温化されたエアコン用冷媒をコンプレッサに供給するように構成することによって、低温冷却液による圧縮空気の冷却を行うことができる。
前記推定温度演算部は、前記過給機を搭載する車両の運転パターンを含む車両側条件から前記推定温度を推定するための機械学習モデルを用いて、前記推定温度を演算する。
上記(8)の構成によれば、車両の運転パターンに応じて、コンプレッサ作動点がどのように移動するかを予測/学習し、エンジンの制御に応じて制御命令を決定する。例えば、車両のスロットル開度を急開した場合、コンプレッサ圧力比が上昇し、コンプレッサ出口温度が上昇するなど、圧縮空気の推定温度と車両側条件との間には相関関係が存在する。よって、機械学習によりこの相関関係を導出した機械学習モデルを用いることで、機械学習に基づいて、コンプレッサに供給する冷却液の温度を適切に制御することができる。
過給機が有するコンプレッサに供給される冷却液の供給を制御するためのコンプレッサの冷却制御方法であって、
前記コンプレッサの出口における圧縮空気の温度の計測値である計測温度を取得する計測温度取得ステップと、
前記圧縮空気の温度の推定値である推定温度を前記コンプレッサの作動状態に基づいて演算する推定温度演算ステップと、
前記推定温度と前記計測温度との比較結果に基づいて、前記冷却液の温度または流量を制御する制御命令を生成する制御命令生成ステップと、を備える。
前記制御命令生成ステップは、
前記冷却液により前記圧縮空気が冷却されているか否かを判定するために、前記推定温度と前記計測温度とを比較する温度比較ステップと、
前記温度比較ステップの比較結果に基づいて、前記制御命令の内容を決定する命令内容決定ステップと、を有する。
上記(10)の構成によれば、上記(2)と同様の効果を奏する。
前記制御命令生成ステップは、前記推定温度が前記計測温度よりも低い場合には、前記冷却液の温度を、前記計測温度の計測時の前記冷却液の温度よりも低温にする前記制御命令を生成する。
上記(11)の構成によれば、上記(3)と同様の効果を奏する。
前記制御命令生成ステップは、前記推定温度が前記計測温度よりも高い場合には、前記冷却液の温度を、前記計測温度の計測時の前記冷却液の温度よりも高温にする。
上記(12)の構成によれば、上記(4)と同様の効果を奏する。
前記コンプレッサには、
相対的に高温の前記冷却液である高温冷却液を前記コンプレッサに循環させるための高温冷却液循環管であって高温流量制御手段が設けられた高温冷却液循環管と、
相対的に低温の前記冷却液である低温冷却液を前記コンプレッサに循環させるための低温冷却液循環管であって低温流量制御手段が設けられた低温冷却液循環管と、が接続されており、
前記制御命令は、前記高温冷却液循環管を流れる前記高温冷却液、または前記低温冷却液循環管を流れる前記低温冷却液のいずれか一方を前記コンプレッサに供給するように切り替えるための命令である。
上記(13)の構成によれば、上記(5)と同様の効果を奏する。
前記高温冷却液循環管には、エンジンを冷却するためのエンジン冷却水が供給される。
上記(14)の構成によれば、上記(6)と同様の効果を奏する。
前記低温冷却液循環管には、エアコン用冷媒が供給される。
上記(15)の構成によれば、上記(7)と同様の効果を奏する。
前記推定温度演算ステップは、前記過給機を搭載する車両の運転パターンを含む車両側条件から前記推定温度を推定するための機械学習モデルを用いて、前記推定温度を演算する。
上記(16)の構成によれば、上記(8)と同様の効果を奏する。
例えば、「ある方向に」、「ある方向に沿って」、「平行」、「直交」、「中心」、「同心」或いは「同軸」等の相対的或いは絶対的な配置を表す表現は、厳密にそのような配置を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の角度や距離をもって相対的に変位している状態も表すものとする。
例えば、「同一」、「等しい」及び「均質」等の物事が等しい状態であることを表す表現は、厳密に等しい状態を表すのみならず、公差、若しくは、同じ機能が得られる程度の差が存在している状態も表すものとする。
例えば、四角形状や円筒形状等の形状を表す表現は、幾何学的に厳密な意味での四角形状や円筒形状等の形状を表すのみならず、同じ効果が得られる範囲で、凹凸部や面取り部等を含む形状も表すものとする。
一方、一の構成要素を「備える」、「具える」、「具備する」、「含む」、又は、「有する」という表現は、他の構成要素の存在を除外する排他的な表現ではない。
他の幾つかの実施形態では、出口側フランジ部75には、冷却液Wの入口用および出口用の2つの貫通孔76が形成されており、入口用の貫通孔76を介して複数の冷却液Wが供給され、出口用の貫通孔76を介して複数の冷却液Wが排出されるように構成されても良い。つまり、入口用または出口用の貫通孔76の少なくとも一方には、高温冷却液供給管81uおよび低温冷却液供給管82u(高温冷却液排出管81dおよび低温冷却液排出管82d)の両方が接続された配管(共有管)の端部が接続される。この場合には、流量制御手段83は、共有管から分岐される2つの配管(81u及び82uまたは81d及び82d)の両方に設けられても良い。
コンプレッサの冷却制御装置1(以下、単に、冷却制御装置)は、過給機7が有するコンプレッサ7cに供給される冷却液Wの供給を制御するため装置であり、車両などに搭載される。そして、図5に示すように、冷却制御装置1は、計測温度取得部2と、推定温度演算部3と、制御命令生成部4と、を備える。これらの冷却制御装置1が備える機能部について、それぞれ説明する。
幾つかの実施形態では、制御命令生成部4は、推定温度Etが計測温度Mtよりも低い場合(Et<Mt)には、冷却液Wの温度を、計測温度Mtの計測時の冷却液Wの温度よりも低温にする制御命令Iを生成する。上記の場合(Et<Mt)は、圧縮空気Acは、計測時に用いられている冷却液Wによって昇温されている状態と判定できる場合である。
幾つかの実施形態では、コンプレッサ出口における圧縮空気Acの推定温度Etを、コンプレッサ7cの入口および出口における圧力比(吐出圧力Peと吸入圧力Piとの比)と、コンプレッサ7cの入口における空気Aの空気温度(以下、コンプレッサ入口温度Ti)と、コンプレッサ効率ηcとに基づいて、コンプレッサ出口温度Teを演算(推定)しても良い。より詳細には、コンプレッサ出口における圧縮空気Acの推定温度Et(コンプレッサ出口温度Teの推定温度Et)は、コンプレッサ7cの入口における空気Aの給気流量Q、コンプレッサ入口温度Ti、吸入圧力Pi、吐出圧力Pe、および、コンプレッサ7cの回転数Nの各々の計測値、およびコンプレッサマップMp(記憶装置mに記憶)から得られる計測値に対応するコンプレッサ効率ηcを用いて、理論式により算出することが可能である。
m 記憶装置
12 出口温度センサ
2 計測温度取得部
3 推定温度演算部
4 制御命令生成部
41 温度比較部
42 命令内容決定部
5 制御命令送信部
7 過給機
7c コンプレッサ
7s 回転軸
71 案内筒
71f 入口側フランジ部
72 スクロール部
72p 渦形通路
73 渦形通路形成部材
74 コンプレッサカバー
75 出口側フランジ部
76 貫通孔
76e 冷却液出口孔部
76ec 低温出口孔部
76eh 高温出口孔部
76i 冷却液入口孔部
76ic 低温入口孔部
76ih 高温入口孔部
81 高温冷却液循環管
81d 高温冷却液排出管
81u 高温冷却液供給管
82 低温冷却液循環管
82d 低温冷却液排出管
82u 低温冷却液供給管
83 流量制御手段
83h 高温流量制御手段
83c 低温流量制御手段
91 エンジン
92 吸気管
92d 下流側吸気管
92u 上流側吸気管
9e エンジン冷却系統
93 ラジエータ
94 配管
9a 車載エアコン
95 エアコン用コンプレッサ
96 凝縮器
97 蒸発器
98 配管
A 空気
Ac 圧縮空気
W 冷却液
Wc 低温冷却液
Wh 高温冷却液
S 内部間隙
Te コンプレッサ出口温度
Ti コンプレッサ入口温度
Mt 計測温度(圧縮空気)
Et 推定温度(圧縮空気)
I 制御命令
M 機械学習モデル
Claims (9)
- 過給機が有するコンプレッサに供給される冷却液の供給を制御するためのコンプレッサの冷却制御装置であって、
前記コンプレッサの出口における圧縮空気の温度の計測値である計測温度を取得する計測温度取得部と、
前記圧縮空気の温度の推定値である推定温度を前記コンプレッサの作動状態に基づいて演算する推定温度演算部と、
前記推定温度と前記計測温度との比較結果に基づいて、前記冷却液の供給を制御する制御命令を生成する制御命令生成部と、を備えることを特徴とするコンプレッサの冷却制御装置。 - 前記制御命令生成部は、
前記冷却液により前記圧縮空気が冷却されているか否かを判定するために、前記推定温度と前記計測温度とを比較する温度比較部と、
前記温度比較部の比較結果に基づいて、前記制御命令の内容を決定する命令内容決定部と、を有することを特徴とする請求項1に記載のコンプレッサの冷却制御装置。 - 前記制御命令生成部は、前記推定温度が前記計測温度よりも低い場合には、前記冷却液の温度を、前記計測温度の計測時の前記冷却液の温度よりも低温にする前記制御命令を生成することを特徴とする請求項2に記載のコンプレッサの冷却制御装置。
- 前記制御命令生成部は、前記推定温度が前記計測温度よりも高い場合には、前記冷却液の温度を、前記計測温度の計測時の前記冷却液の温度よりも高温にすることを特徴とする請求項2または3に記載のコンプレッサの冷却制御装置。
- 前記コンプレッサには、
相対的に高温の前記冷却液である高温冷却液を前記コンプレッサに循環させるための高温冷却液循環管であって高温流量制御手段が設けられた高温冷却液循環管と、
相対的に低温の前記冷却液である低温冷却液を前記コンプレッサに循環させるための低温冷却液循環管であって低温流量制御手段が設けられた低温冷却液循環管と、が接続されており、
前記制御命令は、前記高温冷却液循環管を流れる前記高温冷却液、または前記低温冷却液循環管を流れる前記低温冷却液のいずれか一方を前記コンプレッサに供給するように切り替えるための命令であることを特徴とする請求項3または4に記載のコンプレッサの冷却制御装置。 - 前記高温冷却液循環管には、エンジンを冷却するためのエンジン冷却水が供給されることを特徴とする請求項5に記載のコンプレッサの冷却制御装置。
- 前記低温冷却液循環管には、エアコン用冷媒が供給されることを特徴とする請求項5または6に記載のコンプレッサの冷却制御装置。
- 前記推定温度演算部は、前記過給機を搭載する車両の運転パターンを含む車両側条件から前記推定温度を推定するための機械学習モデルを用いて、前記推定温度を演算することを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載のコンプレッサの冷却制御装置。
- 過給機が有するコンプレッサに供給される冷却液の供給を制御するためのコンプレッサの冷却制御方法であって、
前記コンプレッサの出口における圧縮空気の温度の計測値である計測温度を取得する計測温度取得ステップと、
前記圧縮空気の温度の推定値である推定温度を前記コンプレッサの作動状態に基づいて演算する推定温度演算ステップと、
前記推定温度と前記計測温度との比較結果に基づいて、前記冷却液の温度または流量を制御する制御命令を生成する制御命令生成ステップと、を備えることを特徴とするコンプレッサの冷却制御方法。
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