JP2010209247A - ポリアミド組成物の製造方法、ポリアミド組成物およびポリアミド組成物からなる成形品 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】ポリアミド(I)、カルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物により変性された変性樹脂(II)ならびにニグロシンおよび/またはその誘導体(III)を溶融混練する工程を含むポリアミド組成物の製造方法であって、前記ニグロシンおよび/またはその誘導体(III)を溶融混練する前に前記ポリアミド(I)の少なくとも一部および前記変性樹脂(II)の少なくとも一部を溶融混練して混合物を得、次いで当該混合物と前記ニグロシンおよび/またはその誘導体(III)とをさらに溶融混練するポリアミド組成物の製造方法。
【選択図】なし
Description
このような要求に対し、テレフタル酸と1,6−ヘキサンジアミンを主成分とする半芳香族ポリアミド(6T系ポリアミド)が種々提案され一部は実用化されている(特許文献1〜3などを参照)。また、耐熱性、低吸水性および耐薬品性においてさらに優れた性能を有するポリアミドとして、テレフタル酸をジカルボン酸単位とし、1,9−ノナンジアミンおよび/または2−メチル−1,8−オクタンジアミンをジアミン単位とする半芳香族ポリアミドが知られている(特許文献4および5などを参照)。
[1]ポリアミド(I)、カルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物により変性された変性樹脂(II)ならびにニグロシンおよび/またはその誘導体(III)を溶融混練する工程を含むポリアミド組成物の製造方法であって、前記ニグロシンおよび/またはその誘導体(III)を溶融混練する前に前記ポリアミド(I)の少なくとも一部および前記変性樹脂(II)の少なくとも一部を溶融混練して混合物を得、次いで当該混合物と前記ニグロシンおよび/またはその誘導体(III)とをさらに溶融混練するポリアミド組成物の製造方法、
[2]押出機の上流部供給口より前記ポリアミド(I)の少なくとも一部および前記変性樹脂(II)の少なくとも一部を供給するとともに当該上流部供給口よりも下流にある供給口より前記ニグロシンおよび/またはその誘導体(III)を供給することにより上記溶融混練がなされる上記[1]の製造方法、
[3]前記ポリアミド(I)の末端アミノ基含量([NH2])が10〜60μ当量/gの範囲内にある上記[1]または[2]の製造方法、
[4]前記ポリアミド(I)の末端アミノ基の全モル数(MI)と前記変性樹脂(II)が有するカルボキシル基および酸無水物基の全モル数(MII)との比(MI/MII)が2.0〜9.0の範囲内にある上記[3]の製造方法、
[5]前記ポリアミド(I)の融点が260〜320℃の範囲内である上記[1]〜[4]のいずれか1つの製造方法、
[6]前記ポリアミド(I)がテレフタル酸単位を40〜100モル%含有するジカルボン酸単位と炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とを有する上記[1]〜[5]のいずれか1つの製造方法、
[7]前記炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位が1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位である上記[6]の製造方法、
[8]前記変性樹脂(II)が、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリチオエーテル系樹脂、ポリニトリル系樹脂およびフッ素系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂がカルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物により変性されたものである上記[1]〜[7]のいずれか1つの製造方法、
[9]さらに充填剤(IV)を溶融混練する上記[1]〜[8]のいずれか1つの製造方法、
[10]得られるポリアミド組成物100質量部に対して、前記ポリアミド(I)が20〜90質量部、前記変性樹脂(II)が1〜30質量部、前記ニグロシンおよび/またはその誘導体(III)が0.01〜10質量部ならびに前記充填剤(IV)が5〜70質量部となる割合で溶融混練する上記[9]の製造方法、
[11]押出機の上流部供給口より前記ポリアミド(I)の少なくとも一部および前記変性樹脂(II)の少なくとも一部を供給するとともに当該上流部供給口よりも下流にある中流部供給口より前記ニグロシンおよび/またはその誘導体(III)を供給し、さらに当該中流部供給口よりも下流にある下流部供給口より前記充填剤(IV)を供給することにより、上記溶融混練がなされる上記[9]または[10]の製造方法、
[12]前記充填剤(IV)が下記の群から選ばれる少なくとも1種である上記[9]〜[11]のいずれか1つの製造方法、
繊維状充填剤:ガラス繊維、全芳香族ポリアミド繊維
針状充填剤:チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ワラストナイト、ゾノトライト
粉末状充填剤:タルク、炭酸カルシウム、シリカ
フレーク状充填剤:ガラスフレーク、マイカ、カオリン
[13]さらに導電材(V)を溶融混練する上記[1]〜[12]のいずれか1つの製造方法、
[14]前記導電材(V)が炭素繊維、導電性カーボンブラック、カーボンフィブリルおよびカーボンナノチューブからなる群から選ばれる少なくとも1種である上記[13]の製造方法、
[15]上記[1]〜[14]のいずれか1つの製造方法により得られるポリアミド組成物、
[16]上記[15]のポリアミド組成物からなる成形品、
[17]ホイールキャップ、フェンダー、バックドア、フューエルキャップ、自動車用燃料タンク、フューエルセンダー・モジュール、クイックコネクター、フューエルフィラーネック、ベアリングリテーナー、スライドドアローラーまたは汎用機器用燃料タンクである上記[16]の成形品、
に関する。
本発明のポリアミド組成物の製造方法は、ポリアミド(I)、カルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物により変性された変性樹脂(II)ならびにニグロシンおよび/またはその誘導体(III)を溶融混練する工程を含む。そして、本発明の製造方法においては、当該ニグロシンおよび/またはその誘導体(III)を溶融混練する前にポリアミド(I)の少なくとも一部および変性樹脂(II)の少なくとも一部を溶融混練して混合物を得、次いで当該混合物とニグロシンおよび/またはその誘導体(III)とをさらに溶融混練する。
上記の半芳香族ポリアミドは、さらに、トリメリット酸、トリメシン酸、ピロメリット酸等の多価カルボン酸から誘導される構造単位を溶融成形が可能な範囲内で含んでいてもよい。
末端封止率(%)=[(A−B)/A]×100 (1)
[式中、Aは半芳香族ポリアミドの分子鎖の末端基の総数(これは通常、ポリアミド分子の数の2倍に等しい)を表し、Bは封止されずに残ったカルボキシル基末端およびアミノ基末端の合計数を表す。]
まず、ジカルボン酸、ジアミン等のモノマー成分、および必要に応じて触媒、末端封止剤を混合し、ナイロン塩を製造する。この際、上記の反応原料に含まれる全てのカルボキシル基のモル数(X)と全てのアミノ基のモル数(Y)が下記の式(2)
−0.5≦[(Y−X)/Y]×100≦2.0 (2)
を満足するようにすると、末端アミノ基含量([NH2])が10〜60μ当量/gのポリアミド(I)を製造し易くなり好ましい。次に、生成したナイロン塩を200〜250℃の温度に加熱し、濃硫酸中30℃における極限粘度[η]が0.10〜0.60dl/gのプレポリマーとし、さらに高重合度化することにより、本発明において使用されるポリアミド(I)を得ることができる。プレポリマーの極限粘度[η]が0.10〜0.60dl/gの範囲内であると、高重合度化の段階においてカルボキシル基とアミノ基のモルバランスのずれや重合速度の低下が少なく、さらに分子量分布の小さい、各種性能や成形性に優れたポリアミド(I)が得られる。高重合度化の段階を固相重合法により行う場合、減圧下または不活性ガス流通下に行うことが好ましく、重合温度が200〜280℃の範囲内であれば、重合速度が大きく、生産性に優れ、着色およびゲル化を有効に抑制することができる。また、高重合度化の段階を溶融押出機により行う場合、重合温度は370℃以下であることが好ましく、かかる条件で重合を行うと、ポリアミドの分解がほとんどなく、劣化の少ないポリアミド(I)が得られる。
市販されているニグロシンの例としては、オリヱント化学工業株式会社製のNUBIAN(登録商標) BLACK PA−2800、NUBIAN(登録商標) BLACK PA−9801や、中央合成化学株式会社製の「オイルブラックS」等が挙げられる。
繊維状充填剤:ガラス繊維、全芳香族ポリアミド繊維
針状充填剤:チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ワラストナイト、ゾノトライト
粉末状充填剤:タルク、炭酸カルシウム、シリカ
フレーク状充填剤:ガラスフレーク、マイカ、カオリン
また、カーボンナノチューブとしては、特許第3761561号公報に記載されている多層カーボンナノチューブ等を使用することができる。
本発明の製造方法により得られるポリアミド組成物におけるこれらの他の成分の含有率は、50質量%以下であることが好ましく、20質量%以下であることがより好ましく、5質量%以下であることがさらに好ましい。
ここで、「ポリアミド(I)の少なくとも一部」が示す具体的な割合は、使用されるポリアミド(I)の全質量[これは通常、得られるポリアミド組成物に含まれる全ポリアミド(I)の質量に相当する]に基いて50〜100質量%の範囲内であることが好ましく、80〜100質量%の範囲内であることがより好ましく、95〜100質量%の範囲内であることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。また、「変性樹脂(II)の少なくとも一部」が示す具体的な割合は、使用される変性樹脂(II)の全質量[これは通常、得られるポリアミド組成物に含まれる全変性樹脂(II)の質量に相当する]に基いて50〜100質量%の範囲内であることが好ましく、80〜100質量%の範囲内であることがより好ましく、95〜100質量%の範囲内であることがさらに好ましく、100質量%であることが特に好ましい。
なお、以下の実施例および比較例において採用された、ポリアミドの融点の測定方法;ポリアミドの末端アミノ基含量([NH2])の測定方法;ポリアミドの極限粘度[η]の測定方法;成形品(試験片)の作製方法;成形品の引張り強さ、引張り破断伸びおよび耐衝撃性(ノッチ付きシャルピー衝撃値)の各評価方法;成形品の外観の評価方法を以下に示す。
示差走査熱量分析装置(DSC)を使用して、ポリアミド(試料質量10mg)をDSCの炉の中で、窒素雰囲気下、330℃で5分間加熱して完全に融解させた後、−50℃/分の速度で50℃まで冷却し、再び10℃/分の速度で昇温した時に現れる結晶の融解ピークの位置を測定し、これを融点とした。ピークが複数ある場合は高温側の融点を採用した。
ポリアミド1gをフェノール35mlに溶解し、メタノールを2ml混合し、試料溶液とした。チモールブルーを指示薬とし、0.01規定のHCl水溶液を使用した滴定を実施し、末端アミノ基含量([NH2]、単位:μ当量/g)を測定した。
濃度が0.05g/dl、0.1g/dl、0.2g/dlおよび0.4g/dlであるポリアミドの濃硫酸溶液を調製し、それぞれの濃硫酸溶液について、ウベローデ粘度計を使用して30℃における溶液粘度を測定した。得られた濃度と溶液粘度の関係から濃度0g/dlに外挿した際の溶液粘度を求めて、これを極限粘度[η]とした。
東芝機械株式会社製の射出成形機(型締力:80トン、スクリュ径:φ32mm)を使用して、シリンダ温度320℃および金型温度150℃の条件下で、Tランナー金型を用いて、以下の実施例および比較例で得られたポリアミド組成物(ペレット)からISO多目的試験片A型ダンベルを作製して、引張り強さ評価用試験片とした。また上記ISO多目的試験片A型ダンベルから直方体試験片(寸法:長さ×幅×厚さ=80mm×10mm×4mm)を切り出して、耐衝撃性評価用試験片とした。また、平板(寸法:長さ×幅×厚さ=80mm×80mm×3mm)を作製し、外観評価用試験片とした。
上記の方法で作製した引張り強さ評価用試験片を用いて、ISO527−1に準じて、オートグラフ(株式会社島津製作所製)を使用して、23℃における引張り強さ(引張降伏強度)と引張り破断伸びを測定した。
上記の方法で作製した耐衝撃性評価用試験片を用いて、ISO179/1eAに準じて、シャルピー衝撃試験機(株式会社東洋精機製作所製)を使用して、23℃におけるノッチ付きシャルピー衝撃値を測定して耐衝撃性を評価した。
上記の方法で作製した外観評価用試験片を用いて、デジタル変角光沢計(スガ試験機株式会社製:UGV−4D)を使用して、JIS−Z8741に準じて60度鏡面光沢を測定して外観の指標とした。
半芳香族ポリアミド(PA9T−1)の製造
テレフタル酸4537.7g(27.3モル)、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物[前者/後者=80/20(モル比)]4496.5g(28.4モル)、安息香酸84.4g(0.69モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物9.12g(原料の総質量に対して0.1質量%)および蒸留水2.5リットルを内容積20リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した。100℃で30分間攪拌し、2時間かけてオートクレーブ内部の温度を220℃に昇温した。この時、オートクレーブ内部の圧力は2MPaまで昇圧した。そのまま2時間反応を続けた後230℃に昇温し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2MPaに保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を1MPaまで下げ、さらに1時間反応させて、極限粘度[η]が0.15dl/gのプレポリマーを得た。これを、100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の粒径まで粉砕した。これを230℃、13Pa(0.1mmHg)にて10時間固相重合し、融点が300℃、極限粘度[η]が1.17dl/g、末端アミノ基含量([NH2])が90μ当量/g、末端カルボキシル基含量が4μ当量/g、末端封止率が83%である白色のポリアミドを得た。このポリアミドを「PA9T−1」と略称する。
半芳香族ポリアミド(PA9T−2)の製造
テレフタル酸4601.0g(27.7モル)、1,9−ノナンジアミンと2−メチル−1,8−オクタンジアミンの混合物[前者/後者=80/20(モル比)]4432.1g(28.0モル)、安息香酸116.0g(0.95モル)、次亜リン酸ナトリウム一水和物9.12g(原料の総質量に対して0.1質量%)および蒸留水2.5リットルを内容積20リットルのオートクレーブに入れ、窒素置換した。100℃で30分間攪拌し、2時間かけてオートクレーブ内部の温度を220℃に昇温した。この時、オートクレーブ内部の圧力は2MPaまで昇圧した。そのまま2時間反応を続けた後230℃に昇温し、その後2時間、230℃に温度を保ち、水蒸気を徐々に抜いて圧力を2MPaに保ちながら反応させた。次に、30分かけて圧力を1MPaまで下げ、さらに1時間反応させて、極限粘度[η]が0.17dl/gのプレポリマーを得た。これを、100℃、減圧下で12時間乾燥し、2mm以下の粒径まで粉砕した。これを230℃、13Pa(0.1mmHg)にて10時間固相重合し、融点が300℃、極限粘度[η]が1.22dl/g、末端アミノ基含量([NH2])が8μ当量/g、末端カルボキシル基含量が65μ当量/g、末端封止率が85%である白色のポリアミドを得た。このポリアミドを「PA9T−2」と略称する。
上記製造例1および2で製造したPA9T−1およびPA9T−2をそれぞれ下記の表1に記載した割合で併用した。
EBR:無水マレイン酸変性エチレン−ブテン共重合体(三井化学株式会社製「タフマーMH7010」、酸無水物基の含有量:50μ当量/g)
なお、変性樹脂の酸無水物基の含有量は、該変性樹脂のペレット5gをトルエン170mlに溶解し、さらにエタノールを30ml加えて調製した試料溶液を用いて、フェノールフタレインを指示薬とし、0.1規定のKOHエタノール溶液にて中和滴定することにより求めた。
ニグロシン:中央合成化学株式会社製「オイルブラックS」
GF:ガラス繊維(オーウェンスコーニング社製「CS03JA−FT2A」)
ポリアミドおよび変性樹脂を下記の表1に示す割合で予備混合した後、上流部供給口、中流部供給口および下流部供給口を備えた同方向回転二軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−26SS」)の上流部供給口に一括投入してシリンダ温度320℃の条件下に溶融混練し、中流部供給口からニグロシンを投入して溶融混練し、さらに下流部供給口から充填剤を投入して溶融混練した後にストランド状に押出し、冷却、切断してペレット状のポリアミド組成物を製造した。得られたペレットを用いて、各種物性評価を行った。結果を以下の表1に示した。
ポリアミド、変性樹脂およびニグロシンを下記の表1に示す割合で予備混合した後、上流部供給口、中流部供給口および下流部供給口を備えた同方向回転二軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−26SS」)の上流部供給口に一括投入してシリンダ温度320℃の条件下に溶融混練し、下流部供給口から充填剤を投入して溶融混練した後にストランド状に押出し、冷却、切断してペレット状のポリアミド組成物を製造した。得られたペレットを用いて、各種物性評価を行った。結果を以下の表1に示した。
ポリアミドおよび変性樹脂を下記の表1に示す割合で予備混合した後、上流部供給口、中流部供給口および下流部供給口を備えた同方向回転二軸押出機(東芝機械株式会社製「TEM−26SS」)の上流部供給口に一括投入してシリンダ温度320℃の条件下に溶融混練し、下流部供給口から充填剤を投入して溶融混練した後にストランド状に押出し、冷却、切断してペレット状のポリアミド組成物を製造した。得られたペレットを用いて、各種物性評価を行った。結果を以下の表1に示した。
Claims (17)
- ポリアミド(I)、カルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物により変性された変性樹脂(II)ならびにニグロシンおよび/またはその誘導体(III)を溶融混練する工程を含むポリアミド組成物の製造方法であって、前記ニグロシンおよび/またはその誘導体(III)を溶融混練する前に前記ポリアミド(I)の少なくとも一部および前記変性樹脂(II)の少なくとも一部を溶融混練して混合物を得、次いで当該混合物と前記ニグロシンおよび/またはその誘導体(III)とをさらに溶融混練するポリアミド組成物の製造方法。
- 押出機の上流部供給口より前記ポリアミド(I)の少なくとも一部および前記変性樹脂(II)の少なくとも一部を供給するとともに当該上流部供給口よりも下流にある供給口より前記ニグロシンおよび/またはその誘導体(III)を供給することにより上記溶融混練がなされる請求項1に記載の製造方法。
- 前記ポリアミド(I)の末端アミノ基含量([NH2])が10〜60μ当量/gの範囲内にある請求項1または2に記載の製造方法。
- 前記ポリアミド(I)の末端アミノ基の全モル数(MI)と前記変性樹脂(II)が有するカルボキシル基および酸無水物基の全モル数(MII)との比(MI/MII)が2.0〜9.0の範囲内にある請求項3に記載の製造方法。
- 前記ポリアミド(I)の融点が260〜320℃の範囲内である請求項1〜4のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記ポリアミド(I)がテレフタル酸単位を40〜100モル%含有するジカルボン酸単位と炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位を60〜100モル%含有するジアミン単位とを有する請求項1〜5のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記炭素数4〜18の脂肪族ジアミン単位が1,9−ノナンジアミン単位および/または2−メチル−1,8−オクタンジアミン単位である請求項6に記載の製造方法。
- 前記変性樹脂(II)が、ポリオレフィン系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリチオエーテル系樹脂、ポリニトリル系樹脂およびフッ素系樹脂からなる群から選ばれる少なくとも1種の樹脂がカルボキシル基および/または酸無水物基を有する不飽和化合物により変性されたものである請求項1〜7のいずれか1項に記載の製造方法。
- さらに充填剤(IV)を溶融混練する請求項1〜8のいずれか1項に記載の製造方法。
- 得られるポリアミド組成物100質量部に対して、前記ポリアミド(I)が20〜90質量部、前記変性樹脂(II)が1〜30質量部、前記ニグロシンおよび/またはその誘導体(III)が0.01〜10質量部ならびに前記充填剤(IV)が5〜70質量部となる割合で溶融混練する請求項9に記載の製造方法。
- 押出機の上流部供給口より前記ポリアミド(I)の少なくとも一部および前記変性樹脂(II)の少なくとも一部を供給するとともに当該上流部供給口よりも下流にある中流部供給口より前記ニグロシンおよび/またはその誘導体(III)を供給し、さらに当該中流部供給口よりも下流にある下流部供給口より前記充填剤(IV)を供給することにより、上記溶融混練がなされる請求項9または10に記載の製造方法。
- 前記充填剤(IV)が下記の群から選ばれる少なくとも1種である請求項9〜11のいずれか1項に記載の製造方法。
繊維状充填剤:ガラス繊維、全芳香族ポリアミド繊維
針状充填剤:チタン酸カリウムウィスカー、ホウ酸アルミニウムウィスカー、炭酸カルシウムウィスカー、ワラストナイト、ゾノトライト
粉末状充填剤:タルク、炭酸カルシウム、シリカ
フレーク状充填剤:ガラスフレーク、マイカ、カオリン - さらに導電材(V)を溶融混練する請求項1〜12のいずれか1項に記載の製造方法。
- 前記導電材(V)が炭素繊維、導電性カーボンブラック、カーボンフィブリルおよびカーボンナノチューブからなる群から選ばれる少なくとも1種である請求項13に記載の製造方法。
- 請求項1〜14のいずれか1項に記載の製造方法により得られるポリアミド組成物。
- 請求項15に記載のポリアミド組成物からなる成形品。
- ホイールキャップ、フェンダー、バックドア、フューエルキャップ、自動車用燃料タンク、フューエルセンダー・モジュール、クイックコネクター、フューエルフィラーネック、ベアリングリテーナー、スライドドアローラーまたは汎用機器用燃料タンクである請求項16に記載の成形品。
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