JP2010208993A - 2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物及びその製造方法並びに該化合物を配位子とする金属錯体 - Google Patents

2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物及びその製造方法並びに該化合物を配位子とする金属錯体 Download PDF

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Abstract

【課題】様々な不斉合成反応の触媒等として有用な金属錯体を形成し得る新規なホスフィン化合物及びその製造方法並びに該化合物を配位子とした金属錯体を提供する。
【解決手段】2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物は、ジアルキル(2−ハロゲノフェニル)ホスフィン−ボラン化合物をカップリング反応に付して、ジホスフィン−ボラン中間体を得た後、該中間体を脱ボラン化反応に付すことにより得ることができる。さらに、このビフェニル化合物を配位子とする金属錯体は、不斉合成反応の触媒として用いた場合に高いエナンチオ選択性及び反応活性を示し、各種不斉合成反応に幅広く適用することができる。ビフェニル化合物を配位子とし、金、銀及び銅からなる群から選ばれる遷移金属原子(好ましくは金)と共に形成された金属錯体は、抗癌剤にも有用である。また、癌転移を抑制するためにも使用されることができる。
【選択図】なし

Description

本発明は、2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物及びその製造方法に関する。該ビフェニル化合物は、不斉合成触媒や抗癌剤として有用な金属錯体の配位子として使用することができる。また、本発明は、該ビフェニル化合物を配位子とする金属錯体に関する。
リン原子上に不斉中心を有する光学活性なホスフィン配位子は、遷移金属錯体を用いる触媒的不斉合成反応において重要な役割を果たしている。リン原子上に不斉中心を有する光学活性なホスフィン配位子としては、特許文献1に、1,2−ビス(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体が提案されている。
特許文献2には、2,3−ビス(ジアルキルホスフィノ)ピラジン誘導体が提案されている。このピラジン誘導体は、ピラジン骨格に由来して電子求引性が極めて高く、またそれによってホスフィン部位のリン原子の電子密度が低くなっているという特徴を有する。このピラジン誘導体を配位子とした金属錯体は、このような特徴が活かされる反応の触媒として用いるのが効果的である。
一方、リン原子上に不斉中心を有する光学活性なホスフィン配位子を用いた金属錯体は、不斉合成反応の触媒としてのみならず、抗癌剤としても有用であることが知られている(例えば特許文献3参照)。
特開2000−319288号公報 特開2007−56007号公報 国際公開第2007/139176号パンフレット
本発明は、従来知られていたホスフィン配位子を用いた場合よりさらに有用な金属錯体を形成し得るホスフィン化合物、及びその製造方法、並びに該ホスフィン化合物を配位子とした金属錯体を提供するものである。
本発明は、下記一般式(A−1)で表されることを特徴とする2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物を提供するものである。
Figure 2010208993
(式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、置換されてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。R3は一価の置換基を示す。nは0〜4の整数を示す。)
また、本発明は、前記2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物の好ましい製造方法であって、下記一般式(A−2)で表されるジアルキル(2−ハロゲノフェニル)ホスフィン−ボラン化合物をカップリング反応に付して、下記一般式(A−3)で表されるジホスフィン−ボラン中間体を得た後、該ジホスフィン−ボラン中間体を脱ボラン化反応に付すことを特徴とする2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物の製造方法を提供するものである。
Figure 2010208993
(式中、R1、R2、R3及びnは前記一般式(A−1)と同じ。Xはハロゲン原子を示す。)
Figure 2010208993
(式中、R1、R2、R3及びnは前記一般式(A−1)と同じ。)
また、本発明は、前記2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物を配位子とすることを特徴とする金属錯体を提供するものである。
本発明によれば、不斉合成反応の触媒や抗癌剤として有用な金属錯体を形成し得る新規な2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物を提供することができる。また、本発明の製造方法によれば、このビフェニル化合物を容易に製造することができる。さらに、このビフェニル化合物を配位子とする金属錯体は、不斉合成反応の触媒として用いた場合に高いエナンチオ選択性及び反応活性を示し、各種不斉合成反応に幅広く適用することができる。
前記の一般式(A−1)で表される本発明のビフェニル化合物において、R1及びR2は、置換されていてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。一般式(A−1)における二つのR1は、互いに同一でもよく或いは異なっていてもよい。二つのR2についても同様である。アルキル基としては、非環式アルキル基と脂環式アルキル基が挙げられる。
非環式アルキル基には、直鎖状アルキル基と分岐状アルキル基がある。直鎖状アルキル基としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、n−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基等の炭素数1〜10のものが挙げられる。分岐状アルキル基としては、イソプロピル基、イソブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソヘプチル基、イソヘキシル基、1,1,3,3−テトラメチルブチル基等の炭素数3〜10のものが挙げられる。
脂環式アルキル基には、単環式アルキル基と複環式アルキル基がある。単環式アルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等の炭素数3〜10のものが挙げられる。複環式アルキル基としては、アダマンチル基等の炭素数4〜10のものが挙げられる。
これらのアルキル基は、少なくとも一個の一価の置換基で適宜置換されていてもよい。置換基としては、フッ素、塩素、臭素等のハロゲン原子等が挙げられる。
一般式(A−1)で表される本発明のビフェニル化合物において、R3は、一価の置換基を示す。R3が複数ある場合は、それらは互いに同一でもよく或いは異なっていてもよい。R3で表される一価の置換基の例としては、電子供与基が挙げられる。電子供与基の具体例としては、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基等のアルコキシ基、ジメチルアミノ基等のアミノ基等が挙げられる。
3で表される一価の置換基の例としては、置換されていてもよい炭素数1〜6のアルキル基も挙げられる。該アルキル基の具体例としては、R1及びR2として例示したもののうちの炭素数1〜6のものが挙げられる。これらのアルキル基も、少なくとも一個の一価の置換基で適宜置換されていてもよい。置換基としては、R1及びR2の置換基として前記に例示したものが挙げられる。
前記一般式(A−1)で表される本発明のビフェニル化合物には、下記一般式(1)で表されるリン原子上に不斉中心を有し光学活性を示すものが含まれるほか、R1とR2とが同一で光学活性を示さないもの、R1とR2とが異なるがラセミ体であるため見かけ上は光学活性を示さないものも含まれる。中でも、下記一般式(1)で表されるものは、不斉合成触媒として用いられる金属錯体の配位子として優れた性能を発揮する。
Figure 2010208993
(式中、R1は、置換されてもよい炭素数2〜10のアルキル基を示す。R2は、R1よりも炭素数の少ない、置換されてもよいアルキル基を示す。R3は一価の置換基を示す。nは0〜4の整数を示す。)
一般式(1)において、特にR1は、立体障害性を有する嵩高い置換基であることが好ましい。この観点から、R1が非環式のアルキル基の場合、一級アルキル基よりも二級アルキル基が好ましく、二級アルキル基よりも三級アルキル基が好ましい。また、R1が脂環式のアルキル基であることも好ましい。好ましいアルキル基としてはtert−ブチル基やアダマンチル基が挙げられる。
一方、一般式(1)においてR2は、R1よりも炭素数の少ない、置換されていてもよいアルキル基を示す。R1とR2の炭素数の差は少なくとも1であることが必要である。一般式(1)で表されるビフェニル化合物を、不斉合成触媒用金属錯体の配位子として用いた場合、高度な不斉空間が形成されることを考慮すると、R1とR2の立体障害性に大きな差があることが好ましい。つまり、R1が立体障害性を有する嵩高い置換基、つまり極大基であるのに対して、R2は極小基であることが好ましい。従ってR1とR2は炭素数の差は大きいほど好ましい。具体的には、R1とR2の炭素数の差は2以上、特に3以上、とりわけ4以上であることが好ましい。R2が極小基であることに鑑みれば、R2は同じ炭素数の脂環式アルキル基と非環式アルキル基では、非環式アルキル基の方が好ましい。さらに、同じ炭素数の非環式アルキル基の中では、分岐状アルキル基より直鎖状アルキル基の方が好ましい。最終的には、R2として最も好ましい基はメチル基であると言える。しかし、一般的には、R2として用い得る基はR1との関係で相対的に決定される。R1とR2の好ましい組み合わせとしては、例えばR1=tert−ブチル基、R2=メチル基の組み合わせが挙げられる。
また、一般式(1)におけるR3は電子供与基であることが、より好ましい。R3を持たないビフェニル骨格に対してR3を導入すると、ビフェニル化合物のベンゼン環、さらにはリン原子の電子密度が変化する。これによって、ビフェニル化合物を金属錯体にして不斉合成触媒として用いたときの反応活性をさらに増大させることができる。R3は、通常はジアルキルホスフィノ基に対してオルト位及び/又はパラ位、好ましくはパラ位に導入される。
一般式(1)で表されるビフェニル化合物の特に好ましい具体例としては、以下の化合物が挙げられる。
(R,R)−2,2’−ビス(t−ブチルメチルホスフィノ)ビフェニル、(S,S)−2,2’−ビス(t−ブチルメチルホスフィノ)ビフェニル、(R,R)−2,2’−ビス(アダマンチルメチルホスフィノ)ビフェニル、(S,S)−2,2’−ビス(アダマンチルメチルホスフィノ)ビフェニル、(R,R)−2,2’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルメチルホスフィノ)ビフェニル、(S,S)−2,2’−ビス(1,1,3,3−テトラメチルブチルメチルホスフィノ)ビフェニル
一般式(A−1)で表される本発明の2,3−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物の好ましい製造方法について以下に説明する。尚、以下では、一般式(1)で表されるビフェニル化合物に基づいて説明する。
本発明の製造方法においては、先ず、下記一般式(2)で表されるジアルキル(2−ハロゲノフェニル)ホスフィン−ボラン化合物を用意する。
Figure 2010208993
(式中、R1、R2、R3及びnは前記一般式(1)と同じ。Xはハロゲン原子を示す。)
一般式(2)においてXで表されるハロゲン原子の具体例としては、例えば、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素が挙げられる。一般式(2)で表されるホスフィン−ボラン化合物は、例えば下記反応式(i)に従って合成することができる。
Figure 2010208993
反応式(i)においては、先ず出発物質である2−ハロゲノアニリンをジアゾ化してジアゾニウム塩とする。この出発物質としては市販品を使用することができる。ジアゾ化の反応は、常法に従って行うことができ、例えば亜硝酸ナトリウムの存在下で行われる。このジアゾニウム塩は、テトラフルオロホウ酸塩として単離することができる。次に、得られたジアゾニウム塩をジアルキルホスフィン−ボランと反応させる。
ジアゾニウム塩と反応させるジアルキルホスフィン−ボランは、特開2001−253889号公報に記載の方法等の公知の方法によって調製することができる。ジアルキルホスフィン−ボランは、テトラヒドロフラン等の不活性溶媒中で脱プロトン化する。脱プロトン化には、例えばブチルリチウムが用いられる。脱プロトン化された状態のジアルキルホスフィン−ボランを、前記のジアゾニウム塩に作用させる。この反応は、極低温環境下ないし室温下で速やかに進行する。この反応によって、反応系内には一般式(2)で表されるホスフィン−ボラン化合物が生成する。
尚、反応式(i)においては、一般式(2)で表されるホスフィン−ボラン化合物として、一般式(2)におけるnが0のもの(即ち置換基R3を持たないもの)を示した。nが1〜4のもの(即ち置換基R3を1〜4個持つもの)の場合、R3は出発物質の段階で容易に導入することができる。R3の導入は常法に従って行うことができる。
本発明の製造方法においては、上述の一般式(2)で表されるホスフィン−ボラン化合物をカップリング反応に付して、下記一般式(3)で表されるジホスフィン−ボラン中間体を得る。
Figure 2010208993
(式中、R1、R2、R3及びnは前記一般式(1)と同じ。)
カップリング反応は、例えば、従来知られている銅化合物を用いたベンゼン化合物のカップリング反応を応用して行うことができる。銅化合物としては塩化銅、
臭化銅等を用いることができる。銅化合物は一般式(2)で表されるホスフィン−ボラン化合物1モルに対して通常1〜3モルの範囲で用いられる。カップリング反応は、例えば、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン等の有機溶媒中、sec−ブチルリチウム、n−ブチルリチウム等の塩基の存在下で行われる。反応時間は1〜50時間とすることができる。反応温度は−100〜100℃とすることができる。
次に、一般式(3)で表されるジホスフィン−ボラン中間体を脱ボラン化反応に付して、一般式(1)で表される本発明のビフェニル化合物を得る。
脱ボラン化反応は、例えば、トルエン、キシレン、ヘキサン等の有機溶媒中、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン、N−メチルモルホリン、トリエチルアミン、ピロリジン、ジエチルアミン等の塩基の存在下で行うことができる。反応時間は1〜24時間とすることができる。反応温度は0〜100℃とすることができる。
以上、本発明の2,3−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物の好ましい製造方法について、一般式(1)で表されるビフェニル化合物に基づいて説明した。以上の説明に準じ、一般式(2)で表される化合物に代えて前記一般式(A−2)で表される化合物を用い、前記一般式(A−3)で表される中間体を経れば、一般式(A−1)で表される本発明のビフェニル化合物を得ることが可能である。
前記一般式(A−1)で表される本発明のビフェニル化合物は、配位子として、遷移金属と共に錯体を形成することができる。本発明のビフェニル化合物の中でも前記一般式(1)で表されるものを配位子とした金属錯体は、不斉合成触媒として有用なものである。不斉合成としては、例えば不斉水素化反応、有機ボロン酸を用いた電子不足オレフィンへの不斉1,4−付加反応、不斉ヒドロシリル化反応、不斉マイケル反応等が挙げられる。
一般式(1)で表されるビフェニル化合物は、ビフェニル骨格の2つのベンゼン環が有するそれぞれのホスフィン部位のリン原子上に不斉中心を有する。さらに、該ビフェニル化合物は、ジアルキルホスフィノ基の嵩高さに起因する立体障害によって、フェニル基間の単結合の回転が制限されるという軸不斉の要素も有する。このように、一般式(1)で表されるビフェニル化合物は、リン原子上に不斉中心を有し且つ軸不斉の要素を有することに特徴がある。この特徴によって、該ビフェニル化合物を配位子として有する遷移金属錯体を触媒として用いると高いエナンチオ選択性を実現することができる。これに対し、不斉合成触媒の配位子として従来知られているホスフィン化合物(例えば特許文献1及び2参照)は、リン原子上の不斉中心のみを有し、軸不斉の要素は持っていない。また、不斉水添触媒に用いる配位子として、ビナフチル骨格のBINAPが広く知られている(例えば特開昭55−61937号公報参照)ところ、BINAPは軸不斉であるが、リン原子上に不斉中心を持っていない。
一般式(1)で表されるビフェニル化合物は、ビフェニル骨格に起因して剛直性の高いものとなり、2つのホスフィン部位と遷移金属とで形成される挟角が大きくなる。その結果、該ビフェニル化合物を配位子として有する遷移金属錯体を触媒として用いると、還元的脱離を容易に進行させることができる。
また、一般式(1)で表されるビフェニル化合物は、ビフェニル骨格に置換基R3を有することができる。本発明の製造方法によれば、様々なR3を容易に導入することができる。不斉合成反応の基質に応じて適宜なR3を導入して、ビフェニル化合物におけるベンゼン環及びリン原子の電子密度を変化させることにより、不斉合成触媒に用いたときに適切な触媒活性を示すようにコントロールすることができる。これによって、一般式(1)で表されるビフェニル化合物を配位子として有する金属錯体は、幅広い種類の不斉合成反応へ適用することができる。
錯体を形成することができる遷移金属としては、例えば、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウム、ニッケル、鉄等が挙げられる。好ましい金属はロジウムである。一般式(A−1)で表される2,3−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物を配位子として用い、ロジウムと共に錯体を形成させる方法としては、例えば実験化学講座第4版(日本化学会編、丸善株式会社発行 第18巻327〜353頁)に記載されている方法に従えばよい。具体的には、一般式(1)で表される2,3−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物と、ビス(シクロオクタ−1,5−ジエン)ロジウムテトラフルオロホウ酸塩と反応させることにより、ロジウム錯体を製造することができる。
以下に得られるロジウム錯体を具体的に例示する。尚、以下の具体例において、(1)は一般式(1)で表されるビフェニル化合物を示し、codは1,5−シクロオクタジエン、nbdはノルボルナジエンを示す。
[Rh((S,S)−(1))(cod)]BF4、[Rh((R,R)−(1))(cod)]BF4、[Rh((S,S)−(1))(nbd)]BF4、[Rh((R,R)−(1))(nbd)]BF4、[Rh((S,S)−(1))(cod)]PF6
[Rh((R,R)−(1))(cod)]PF6
また、前記一般式(A−1)で表される本発明のビフェニル化合物を配位子とし、金、銀及び銅からなる群から選ばれる遷移金属原子(好ましくは金)と共に形成された金属錯体は、抗癌剤にも有用である。この金属錯体は、本発明のビフェニル化合物をLで表したとき、〔ML2+-で表される。
本発明のビフェニル化合物を配位子として用いた抗癌剤が適用される癌の種類は、特に限定されるものではなく、例えば、悪性黒色腫、悪性リンパ腫、消化器癌、肺癌、食道癌、胃癌、大腸癌、直腸癌、結腸癌、尿管腫瘍、胆嚢癌、胆管癌、胆道癌、乳癌、肝臓癌、膵臓癌、睾丸腫瘍、上顎癌、舌癌、口唇癌、口腔癌、咽頭癌、喉頭癌、卵巣癌、子宮癌、前立腺癌、甲状腺癌、脳腫瘍、カポジ肉腫、血管腫、白血病、真性多血症、神経芽腫、網膜芽腫、骨髄腫、膀胱腫、肉腫、骨肉腫、筋肉腫、皮膚癌、基底細胞癌、皮膚付属器癌、皮膚転移癌、皮膚黒色腫等が挙げられ、さらに悪性腫瘍ばかりでなく良性腫瘍にも適用され得る。また、この抗癌剤は、癌転移を抑制するために使用されることができ、特に、術後の癌転移抑制剤としても有用である。
本発明のビフェニル化合物を配位子として用いた抗癌剤の使用においては、種々の形態でヒトまたは非ヒト動物に、本発明の抗癌剤を投与することができ、投与形態としては、経口投与でもよいし、静脈内、筋肉内、皮下または皮内等への注射、直腸内投与、経粘膜投与等の非経口投与でもよい。経口投与に適する製剤形態としては、例えば、錠剤、丸剤、顆粒剤、散剤、カプセル剤、液剤、懸濁剤、乳剤、シロップ剤などを挙げることができ、非経口投与に適する医薬組成物としては、例えば、注射剤、点滴剤、点鼻剤、噴霧剤、吸入剤、坐剤、あるいは、軟膏、クリーム、粉状塗布剤、液状塗布剤、貼付剤等の経皮吸収剤等が挙げられる。さらに、製剤形態としては、埋め込み用ペレットや公知の技術により持続性製剤が挙げられる。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、あくまで例示であって、本発明の適用範囲はこれらに限定されない。
〔製造例1〕(R)−2−(ボラナト(t−ブチル)メチルホスフィノ)ブロモベンゼンの合成
下記反応式に従い以下の手順で(R)−2−(ボラナト(t−ブチル)メチルホスフィノ)ブロモベンゼンを合成した。
Figure 2010208993
200mLの4つ口フラスコに濃塩酸9.5mL、純水65mL、2−ブロモアニリン6.0g(35mmol)を仕込み、加熱して溶解させた。0℃に冷却した後、予め純水7.5mLに溶解させた亜硝酸ナトリウム2.46g(35.1mmol)の水溶液を約10分かけて滴下した。初め、粥状であった反応液は30分攪拌を行うことで淡黄色透明液となった。次いで、42質量%HBF4水溶液12.5g(59.8mmol)を約5分かけて滴下したところ、直ちに淡黄色結晶が析出した。30分攪拌した後、グラスフィルターにてろ過、純水30mLで洗浄し、さらにメタノール8mlとエーテル32mlの混合溶液にて洗浄した。その後、減圧乾燥を行い2−ブロモベンゼンジアゾニウムテトラフルオロホウ酸塩4.5gを白色結晶として得た(収率48%)。
よく乾燥した30mLシュレンク管に(S)−t−ブチルメチルホスフィン−ボラン236mg(2.00mmol)を仕込み、Ar置換した後に脱水THF6mLを加え攪拌して溶解させた。−78℃に冷却した後、n−BuLiのヘキサン溶液(1.6mol/L)1.5mL(2.4mmol)をゆっくり加えた。20分攪拌した後、前記の2−ブロモベンゼンジアゾニウムテトラフルオロホウ酸塩650mg(2.40mmol)を少量づつ添加した。暗赤紫色透明液を2時間かけて室温へ昇温し、さらに室温で2時間攪拌を行った。食塩水と酢酸エチルを加えて有機層を分液し、食塩水で洗浄した。MgSO4で乾燥した後、溶媒を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製を行い、(R)−2−(ボラナト(t−ブチル)メチルホスフィノ)ブロモベンゼンを60mgを白色結晶として得た(収率11%)。得られた化合物の分析結果を以下に示す。
(分析結果)
融点 90〜92℃
[α]25 D -28.7 (c 0.515, CHCl3)
1H NMR (500 MHz, CDCl3) δ: 0.20-1.05 (m, 3H), 1.19 (d, J=14.3 Hz, 9H), 1.91 (d, 9.7 Hz, 3H), 7.32 (t, 8.7 Hz, 1H), 7.40 (t, 7.5 Hz, 1H), 7.64 (d, 9.0 Hz, 1H), 8.06 (dd, 12.6,12.9 Hz, 1H)
31P NMR (202 MHz, CDCl3) δ:38.3
APCI-MS:m/z 275, 273 (M++H)
〔実施例1〕(R,R)−2,2’−ビス(t−ブチルメチルホスフィノ)−1,1’−ビフェニルの合成
下記反応式に従い以下の手順で(R,R)−2,2’−ビス(t−ブチルメチルホスフィノ)ビフェニルを合成した。
Figure 2010208993
よく乾燥した10mLシュレンク管に、製造例1で得られた(R)−2−(ボラナト(t−ブチル)メチルホスフィノ)ブロモベンゼン231mg(0.85mmol)を仕込み、Ar置換した後に脱水テトラヒドロフラン4mlを加え攪拌して溶解させた。−78℃へ冷却した後、sec−BuLiのヘキサン溶液(1.0mol/L)0.85mlをゆっくり加えた。30分後CuCl2180mg(1.34mmol)を加えて30分攪拌した後、茶褐色のスラリー溶液を2時間かけて室温へ昇温し、さらに室温で終夜攪拌を行った。純水を加えて反応を停止させ、エーテル、28質量%アンモニア水を加えて分液した。水層にエーテルを加えて分液した後、得られた有機層を合わせて純水、食塩水で洗浄を行った。MgSO4で乾燥した後、溶媒を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィーにより精製し、(R,R)−2,2’−ビス(ボラナト(t−ブチル)メチルホスフィノ)ビフェニル57mgを無色の結晶として得た(収率35%)。得られた化合物の分析結果を以下に示す。
(分析結果)
融点 152〜153℃
1H NMR(500 MHz, CDCl3) δ:-0.70-0.40 (m, 6H), 1.07 (d, J=13.2 Hz, 18H), 1.67 (d, 8.9 Hz, 6H), 7.22-7.24 (m, 2H), 7.39-7.47 (m, 4H), 7.54-7.56 (m, 2H)
31P NMR (202 MHz, CDCl3) δ:25.0
APCI-MS:m/z 386 (M+)
よく乾燥した10mLシュレンク管に、前記の(R,R)−2,2’−ビス(ボラナト(t−ブチル)メチルホスフィノ)ビフェニル39mg(0.10mmol)、1,4−ジアザビシクロ[2.2.2]オクタン(DABCO)33mg(0.30mmol)を仕込み、Ar置換した後に脱水トルエン0.5mLを加え攪拌して溶解させた。次いで、60℃で2時間攪拌し、TLCにて原料の消失を確認した後、溶液を濃縮した。残存した白色固体に脱気したヘキサンを3mL加えて、可溶成分を別に用意したAr置換済みの20mLシュレンク管へ移した。同じ操作をさらに数回行い、得られたヘキサン溶液を濃縮した。残存した白色固体をメタノールより再結晶をおこない、目的物である(R,R)−2,2’−ビス(t−ブチルメチルホスフィノ)ビフェニル25mgを白色結晶として得た(収率70%)。得られた化合物の分析結果を以下に示す。
(分析結果)
融点 106〜108℃
1H NMR(500 MHz, CDCl3) δ: 0.74 (m, 18H), 1.25 (s, 6H), 7.15 (m, 2H), 7.34 (m, 4H), 7.50 (m, 2H)
31P NMR (202 MHz, CDCl3) δ:-23.9
〔実施例2〕(S,S)−(2,2’−ビス(t−ブチルメチルホスフィノ)ビフェニル)(1,5−シクロオクタンジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレートの合成
下記反応式に従い以下の手順で(S,S)−(2,2’−ビス(t−ブチルメチルホスフィノ)ビフェニル)(1,5−シクロオクタンジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレートを合成した。
Figure 2010208993
実施例1で得られた(R,R)−2,2’−ビス(t−ブチルメチルホスフィノ)ビフェニル27.6mg(0.077mmol)と、[Rh(COD)2]BF428.4mg(0.07mmol)を添加した後、脱気したTHF0.5mLを加えた。室温で30分攪拌を行うと、オレンジ色の結晶が析出した。溶媒を濃縮した後、エーテル3mLを加え、ろ過を行った。少量のエーテルで洗浄した後に、減圧乾燥を行い、(S,S)−(2,2’−ビス(t−ブチルメチルホスフィノ)ビフェニル)(1,5−シクロオクタンジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート42.3mgのオレンジ色の結晶を得た(収率92%)。
(分析結果)
1H NMR (500MHz, CDCl3) δ:0.84 (d, J=14.6 Hz, 18H), 1.65 (d, 6.0 Hz, 6H), 2.22-2.26 (m, 4H), 2.46-2.51 (m, 4H), 4.73-4.74 (m, 2H), 5.40-5.42 (m, 4H), 7.18-7.20 (m, 2H), 7.46-7.47 (m, 2H), 7.52-7.59 (m, 4H)
31P NMR (202 MHz, CDCl3) δ:17.20 (d, 141 Hz)
〔実施例3〕デヒドロアミノ酸の不斉還元
下記反応式に従い、実施例2で得られた(S,S)−(2,2’−ビス(t−ブチルメチルホスフィノ)ビフェニル)(1,5−シクロオクタンジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレートを不斉水添触媒として用い、以下の手順でデヒドロアミノ酸の不斉還元反応を行った。
Figure 2010208993
100mLのガラス製オートクレーブにデヒドロアミノ酸〔2−(N−アセチルアミノ)−3−フェニル−2−プロペン酸メチルエステル〕218mg(0.994mmol)、不斉水添触媒として実施例2で得られた(S,S)−(2,2’−ビス(t−ブチルメチルホスフィノ)ビフェニル)(1,5−シクロオクタンジエン)ロジウム(I)テトラフルオロボレート6.63mg(0.001mmol)を仕込み、窒素置換を3回行い、予め脱気した脱水メタノール2mLを加え攪拌して溶解させた。次いで、水素で5回置換し、水素圧を2気圧として反応を開始した。室温で2時間攪拌を行ったところ、容器内の水素の消費が停止したため反応終了とした。反応液を濃縮した後、残存した白色結晶を酢酸エチルに溶解して、シリカゲルカラムに通した。得られた溶出液についてHPLCにて分析を行ったところ、(R)−2−(N−アセチルアミノ)−3−フェニル−2−プロピオン酸メチルエステルが93%の鏡像異性体過剰率(ee)で得られていることが判った。また、1H NMRによって分析を行ったところ、化学収率は99%以上であった。尚、HPLC分析の条件は以下の通りである。
Daicel Chiralcel OJ,1.0ml/min,ヘキサン:2−プロパノール=9:1
各エナンチオマーの保持時間:(R体)t1=13.3min,(S体)t2=19.3min

Claims (7)

  1. 下記一般式(A−1)で表されることを特徴とする2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物。
    Figure 2010208993
    (式中、R1及びR2は、それぞれ独立して、置換されてもよい炭素数1〜10のアルキル基を示す。R3は一価の置換基を示す。nは0〜4の整数を示す。)
  2. 下記一般式(1)で表される請求項1記載の2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物。
    Figure 2010208993
    (式中、R1は、置換されてもよい炭素数2〜10のアルキル基を示す。R2は、R1よりも炭素数の少ない、置換されてもよいアルキル基を示す。R3は一価の置換基を示す。nは0〜4の整数を示す。)
  3. 1がt−ブチル基であり、R2がメチル基である請求項2記載の2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物。
  4. 請求項1記載の2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物の製造方法であって、
    下記一般式(A−2)で表されるジアルキル(2−ハロゲノフェニル)ホスフィン−ボラン化合物をカップリング反応に付して、下記一般式(A−3)で表されるジホスフィン−ボラン中間体を得た後、
    該ジホスフィン−ボラン中間体を脱ボラン化反応に付すことを特徴とする2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物の製造方法。
    Figure 2010208993
    (式中、R1、R2、R3及びnは前記一般式(A−1)と同じ。Xはハロゲン原子を示す。)
    Figure 2010208993
    (式中、R1、R2、R3及びnは前記一般式(A−1)と同じ。)
  5. 請求項2記載の2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物の製造方法であって、
    下記一般式(2)で表されるジアルキル(2−ハロゲノフェニル)ホスフィン−ボラン化合物をカップリング反応に付して、下記一般式(3)で表されるジホスフィン−ボラン中間体を得た後、
    該ジホスフィン−ボラン中間体を脱ボラン化反応に付すことを特徴とする2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物の製造方法。
    Figure 2010208993
    (式中、R1、R2、R3及びnは前記一般式(1)と同じ。Xはハロゲン原子を示す。)
    Figure 2010208993
    (式中、R1、R2、R3及びnは前記一般式(1)と同じ。)
  6. 請求項1記載の2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物を配位子とすることを特徴とする金属錯体。
  7. 前記2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物が請求項2記載の2,2’−ビス(ジアルキルホスフィノ)ビフェニル化合物であり、不斉合成触媒として用いられる請求項6記載の金属錯体。
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