JP2000319288A - 光学活性な1,2−ビス(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体及びその製造方法、並びに該化合物を配位子とするロジウム金属錯体 - Google Patents
光学活性な1,2−ビス(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体及びその製造方法、並びに該化合物を配位子とするロジウム金属錯体Info
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Abstract
て有用な光学活性な1,2−ビス(ジアルキルホスフィ
ノ)ベンゼン誘導体及びその製造方法、並びに不斉水素
化反応の不斉触媒として有用な該化合物を配位子とする
ロジウム金属錯体を提供すること。 【解決手段】 下記一般式(1); 【化1】 (式中、R1 は直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のアル
キル基を示し、アスタリスクは不斉リン原子を示す。)
で表わされる光学活性な1,2−ビス(ジアルキルホス
フィノ)ベンゼン誘導体。
Description
不斉触媒の配位子として有用な光学活性な1,2−ビス
(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体及びその製造
方法、並びに不斉水素化反応の不斉触媒として有用な該
光学活性な1,2−ビス(ジアルキルホスフィノ)ベン
ゼン誘導体を配位子とするロジウム金属錯体に関するも
のである。
研究は、金属触媒を用いる不斉合成反応の研究を大きく
発展させ、ここ30年の間に急速に発展した。それらの
配位子は、不斉中心が炭素骨格上にあり、リン原子を持
ち、リン原子上には2個のアリール基を持つものが大部
分である。その一方で、ジアルキル、トリアルキル基を
持つP−キラルホスフィン配位子は合成が困難なためあ
まり研究されてこなかった。
不飽和αアミノ酸とそれらのエステルを効率的に不斉水
素化することができる下記一般式(3);
ヘキシル基、ter-ブチル基、1,1-ジエチルプロピル基又
は1−アダマソチルを示す。)で表されるp−キラルな
トリアルキル基を持つ1,2−ビス(アルキルメチルホ
スフィノ)エタンを提案した(J.Am.Chem.Soc.1998,12
0,1635 〜1636頁)。
不斉水素化反応の不斉触媒の配位子について有用な光学
活性なホスフィン配位子の開示が望まれている。
の遷移金属触媒の配位子として有用な光学活性な1,2
−ビス(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体及びそ
の製造方法、並びに不斉水素化反応の不斉触媒として有
用な該化合物を配位子とするロジウム金属錯体を提供す
ることにある。
発明者らは鋭意検討を行った結果、本発明を完成するに
至った。すなわち、本発明は、下記一般式(1);
2〜6のアルキル基を示し、アスタリスクは不斉リン原
子を示す。)で表わされる光学活性な1,2−ビス(ジ
アルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体を提供するもので
ある。
1,2−ビス(ジアルキルホスフィノイル)ベンゼンを
光学活性なジベンゾイル酒石酸により光学分割した後、
還元剤により還元する前記の光学活性な1,2−ビス
(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体の製造方法を
提供するものである。
れる光学活性な1,2−ビス(ジアルキルホスフィノ)
ベンゼン誘導体を配位子とするロジウム金属錯体を提供
するものである。
光学活性な1,2−ビス(ジアルキルホスフィノ)ベン
ゼン誘導体の式中、R1 は、直鎖状又は分岐状の炭素数
2〜6のアルキル基であり、具体的には、エチル基、イ
ソプロピル基、n−プロピル基、イソブチル基、n−ブ
チル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、イソ
ヘプチル基、n−ヘプチル基、イソヘキシル基、n−ヘ
キシル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基等が挙
げられる。
(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体の具体的な化
合物を例示すると、(R,R)−1,2−ビス(エチル
メチルホスフィノ)ベンゼン、(S,S)−1,2−ビ
ス(エチルメチルホスフィノ)ベンゼン、(R,R)−
1,2−ビス(イソプロピルメチルホスフィノ)ベンゼ
ン、(S,S)−1,2−ビス(イソプロピルメチルホ
スフィノ)ベンゼン、(R,R)−1,2−ビス(n−
プロピルメチルホスフィノ)ベンゼン、(S,S)−
1,2−ビス(n−プロピルメチルホスフィノ)ベンゼ
ン、(R,R)−1,2−ビス(イソブチルメチルホス
フィノ)ベンゼン、(S,S)−1,2−ビス(イソブ
チルメチルホスフィノ)ベンゼン、(R,R)−1,2
−ビス(n−ブチルメチルホスフィノ)ベンゼン、
(S,S)−1,2−ビス(n−ブチルメチルホスフィ
ノ)ベンゼン、(R,R)−1,2−ビス(sec−ブ
チルメチルホスフィノ)ベンゼン、(S,S)−1,2
−ビス(sec−ブチルメチルホスフィノ)ベンゼン、
(R,R)−1,2−ビス(tert−ブチルメチルホ
スフィノ)ベンゼン、(S,S)−1,2−ビス(te
rt−ブチルメチルホスフィノ)ベンゼン、(R,R)
−1,2−ビス(イソヘプチルメチルホスフィノ)ベン
ゼン、(S,S)−1,2−ビス(イソヘプチルメチル
ホスフィノ)ベンゼン、(R,R)−1,2−ビス(n
−ヘプチルメチルホスフィノ)ベンゼン、(S,S)−
1,2−ビス(n−ヘプチルメチルホスフィノ)ベンゼ
ン、(R,R)−1,2−ビス(イソヘキシルメチルホ
スフィノ)ベンゼン、(S,S)−1,2−ビス(イソ
ヘキシルメチルホスフィノ)ベンゼン、(R,R)−
1,2−ビス(n−ヘキシルメチルホスフィノ)ベンゼ
ン、(S,S)−1,2−ビス(n−ヘキシルメチルホ
スフィノ)ベンゼン、(R,R)−1,2−ビス(シク
ロペンチルメチルホスフィノ)ベンゼン、(S,S)−
1,2−ビス(シクロペンチルメチルホスフィノ)ベン
ゼン、(R,R)−1,2−ビス(シクロヘキシルメチ
ルホスフィノ)ベンゼン、(S,S)−1,2−ビス
(シクロヘキシルメチルホスフィノ)ベンゼン等が挙げ
られる。
る。本発明の一般式(1)で表される光学活性な1,2
−ビス(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体の製造
方法は、例えば、一般式(2)で表される1,2−ビス
(ジアルキルホスフィノイル)ベンゼンを光学活性なジ
ベンゾイル酒石酸を用いて光学分割して、光学活性な
1,2−ビス(ジアルキルホスフィノイル)ベンゼンを
得る第1工程、次いで、得られた光学活性な1,2−ビ
ス(ジアルキルホスフィノイル)ベンゼンを還元剤によ
り還元処理して目的とする一般式(1)で表される光学
活性な1,2−ビス(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン
誘導体を得る第2工程からなるものである。
る一般式(2)で表される1,2−ビス(ジアルキルホ
スフィノイル)ベンゼンの式中、R1 は、一般式(1)
で表される1,2−ビス(ジアルキルホスフィノ)ベン
ゼン誘導体の式中のR1 に相当する基である。かかる一
般式(2)で表される1,2−ビス(ジアルキルホスフ
ィノイル)ベンゼンは、公知の方法で製造され、例え
ば、下記反応式(I);
容易に得ることができる。
ンゼン(化合物(4))は、溶媒中、n−ブチルリチウ
ム、ヨウ化メチルの存在下、−78℃〜室温の温度でメ
チル化され、1,2−ビス(メチルホスフィノ)ベンゼ
ン(化合物(5))となる。次いで、反応容器に化合物
(5)とエチルエーテル及びn−ブチルリチウムを仕込
み、更に臭化アルキルを徐々に滴下し、−10〜0℃の
温度範囲で数時間反応させて1,2−ビス(アルキルメ
チルホスフィノ)ベンゼン(一般式(6))を得る。次
いで、一般式(6)の化合物をメタノールに溶解し、0
℃の温度で過酸化水素と数時間反応させて1,2−ビス
(アルキルメチルホスフィノイル)ベンゼンのラセミ
体、すなわち、一般式(7)のrac体と一般式(8)
のmeso体の混合物を得る。なお、一般式(7)及び
一般式(8)を便宜上、一般式(2)として表すことに
する。
アルキルホスフィノイル)ベンゼンの光学分割剤として
用いる光学活性なジベンゾイル酒石酸は、(−)体,
(+)体のいずれでも使用することができ、その使用量
は、一般式(2)で表される1,2−ビス(ジアルキル
ホスフィノイル)ベンゼンに対して、通常0.5〜1.
2倍モル、好ましくは1.0倍モル程度である。
る1,2−ビス(ジアルキルホスフィノイル)ベンゼン
とジベンゾイル酒石酸を溶解することができ、これらの
化合物に対して不活性で、かつジアステレオマー塩を析
出することができるものであれば特に限定はなく、例え
ばメタノール、エタノール、n−プロパノール等のアル
コール類、アセトン、メチルイソブチルケトン等のケト
ン系溶媒、酢酸エチル等のエステル系溶媒、メチルブチ
ルエーテル、ジオキサン、ジエチルエーテル等のエーテ
ル類、トルエン、キシレン、クロロベンゼン等の芳香族
系溶媒、アセトニトリル等のニトリル系溶媒、これらの
混合物等が挙げられる。これらの有機溶媒は水を含有し
ていてもよい。
(2)で表される1,2−ビス(ジアルキルホスフィノ
イル)ベンゼンと所望の光学活性なジベンゾイル酒石酸
とを溶解することによって、難溶性のジアステレオマー
塩を析出させる。この際、(−)−ジベンゾイル酒石酸
を光学分割剤として用いた場合、(−)−(S,S)−
1,2−ビス(ジアルキルホスフィノイル)ベンゼンと
難溶性のジアステレオマー塩を形成して析出する。一
方、(+)−ジベンゾイル酒石酸を光学分割剤として用
いた場合、(+)−(R,R)−1,2−ビス(ジアル
キルホスフィノイル)ベンゼンと難溶性のジアステレオ
マー塩を形成して析出する。
温度は、使用する溶媒の凝固点から沸点の範囲であり、
通常0〜100℃の範囲である。難溶性のジアステレオ
マー塩の結晶は、濾過、遠心分離等の通常の固液分離法
により容易に反応系から分離することができる。こうし
て得られたジアステレオマー塩は、水性溶媒中又は疎水
性−水性溶媒中で酸又はアルカリで処理し、ジアステレ
オマー塩を分解することにより(−)−(S,S)−
1,2−ビス(ジアルキルホスフィノイル)ベンゼン又
は(+)−(R,R)−1,2−ビス(ジアルキルホス
フィノイル)ベンゼンを得ることができる。また、本発
明では、所望により再結晶法により精製することができ
る。
(−)−(S,S)−1,2−ビス(ジアルキルホスフ
ィノイル)ベンゼン又は(+)−(R,R)−1,2−
ビス(ジアルキルホスフィノイル)ベンゼンと還元剤と
を反応させて、目的とする一般式(1)で表される光学
活性な1,2−ビス(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン
誘導体を得る工程である。かかる反応は、(+)−
(R,R)−1,2−ビス(ジアルキルホスフィノイ
ル)ベンゼンを還元処理すると(S,S)体が得られ、
一方、(−)−(S,S)−1,2−ビス(ジアルキル
ホスフィノイル)ベンゼンを還元処理すると(R,R)
体が得られる。
般にシラン化合物が用いられる。シラン化合物として
は、例えば、トリクロロシラン、ジクロロシラン、メチ
ルジクロロシラン、ジメチルクロロシラン、フェニルジ
クロロシラン、フェニルメチルクロロシラン、ジフェニ
ルクロロシラン、フェニルシラン等が挙げられ、この
中、フェニルシランが好ましく用いられる。
ンゼンに対する還元剤の添加量は、通常5〜10倍モル
である。反応温度は、通常105〜110℃であり、反
応時間は、通常3〜24時間、好ましくは4〜10時間
である。かくして、まったくラセミ化することなく不斉
を維持したまま、光学純度の高い一般式(1)で表され
る光学活性な1,2−ビス(ジアルキルホスフィノ)ベ
ンゼン誘導体が得られる。
ビス(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体は、配位
子として、遷移金属と共に錯体を形成することができ
る。錯体を形成することができる遷移金属としては、例
えば、ロジウム、ルテニウム、イリジウム、パラジウ
ム、ニッケル等が挙げられ、好ましくはロジウム金属で
ある。一般式(1)で表される光学活性な1,2−ビス
(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体を配位子とし
てロジウム金属と共に錯体を形成させる方法としては、
例えば、実験化学講座 第4版(日本化学会編、丸善株
式会社発行 第18巻 327〜353頁)に記載され
ている方法に従えばよく、例えば、本発明の光学活性な
1,2−ビス(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体
と、ビス(シクロオクタン−1,5−ジエン)ロジウム
テトラフルオロホウ酸塩と反応させることにより、ロジ
ウム錯体を製造することができる。
と、Rh((S,S)−(1))Cl、Rh((S,
S)−(1))Br、Rh((S,S)−(1))I、
[Rh((S,S)−(1))(cod)]BF4 、
[Rh((S,S)−(1))(cod)]ClO4 、
[Rh((S,S)−(1))(cod)]PF6 、
[Rh((S,S)−(1))(cod)]BPh4 、
[Rh((S,S)−(1))(nbd)]BF4 、
[Rh((S,S)−(1))(ndb)]ClO4 、
[Rh((S,S)−(1))(ndb)]PF6 、
[Rh((S,S)−(1))(ndb)]BPh4 、
Rh((R,R)−(1))Cl、Rh((R,R)−
(1))Br、Rh((R,R)−(1))I、[Rh
((R,R)−(1))(cod)]BF4 、[Rh
((R,R)−(1))(cod)]ClO4、[Rh
((R,R)−(1))(cod)]PF6 、[Rh
((R,R)−(1))(cod)]BPh4 、[Rh
((R,R)−(1))(nbd)]BF 4 、[Rh
((R,R)−(1))(ndb)]ClO4 、[Rh
((R,R)−(1))(ndb)]PF6 、[Rh
((R,R)−(1))(ndb)]BPh4 等が挙げ
られ、本発明では[Rh((S,S)−(1))(co
d)]BF4 が好ましい。なお、上記のロジウム錯体中
の(1)は、一般式(1)で表される1,2−ビス(ジ
アルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体、codは、1,
5−シクロオクタジエン、nbdは、ノルボルナジエ
ン、Phはフェニルを示す。
説明するが、これは単に例示であって、本発明を制限す
るものではない。 参考例 (第1工程の原料となる(R,R)−1,2−ビス(イ
ソプロピルメチルホスフィノイル)ベンゼンの合成)反
応容器に1,2−ビス(メチルホスフィノ)ベンゼン1
0.5g(61.7mモル)とn−ブチルリチウム8
2.23ml(120.5mモル)及びエチルエーテル
30mlを仕込み、次いで2−ブロモプロパン11.7
ml(125mモル)を除々に滴下し、−10℃で2時
間反応させた。反応終了後、常法によって処理し、生成
物である1,2−ビス(イソプロピルメチルホスフィ
ノ)ベンゼンを蒸留(沸点110℃/0.4mmHg)によ
って単離した(12.4g;収率79%)。
ルメチルホスフィノ)ベンゼン8.5g(46.6mモ
ル)、30%過酸化水素水溶液24ml(200mモ
ル)及びメタノール30mlを加えて、0℃で1時間反
応させて、1,2−ビス(イソプロピルメチルホスフィ
ノイル)ベンゼンの両ラセミ体とメソ体の混合物13.
3gを得、酢酸エチル溶媒中で再結晶して1,2−ビス
(イソプロピルメチルホスフィノイル)ベンゼンのラセ
ミ体1.5g(収率11%)を得た。
ピルメチルホスフィノイル)ベンゼンのラセミ体1.5
g(5.24mモル)と(+)−ジベンゾイル酒石酸
1.97g(5.24mモル)及び酢酸エチル35ml
とを仕込み、難溶性のジアステレオマー塩を析出させ析
出物を採取した。次いで、採取した析出物を酢酸エチル
中で結晶物を仕込み、1MのNaOHを加えて、(R,
R)−1,2−ビス(イソプロピルメチルホスフィノイ
ル)ベンゼン543mg(光学純度99%、収率35
%)を得た。以下に同定データを示す。
6,7.1 Hz,6H) 1.87(d,JHP=12.9 Hz,6H),2.64-2.80(m,2H),7.59-7.65
(m,2H),8.04(br s,2H)13 C NMR (100 MHZ,CDCl3, δ) ;15.1(d,Jcp=5.0Hz),1
6.3(d,Jcp=68.6Hz),28.9(d,Jcp=72.0Hz),130.7,130.8,1
33.631 P NMR(160MHz,CDCl3, δ);48.0 IR(KBr);2970,2880,1300,1190,1170,1120,890 FAB MS;287(M+ +H,100)
6.319(3) ,Å,c=8.505(2),Å,v=1597.4(7), Å3,z=4, d
calc =1.190gcm-3,F(000)=616,μ(Mo,Kα)=2.66cm
-1, λ(Mo,,Kα)=0.71070 Å,2555reflection measur
ed,2440observed(I>3.00σ(I)),163variable,R=0.034,R
w=0.050,GOF1.11measured,2440observed(I>3.00σI)),I
26variable,R=0.0880,Rw=0.107,GOF2.23.Flack paramet
er=0.089(10)
(イソプロピルメチルホスフィノ)ベンゼンの合成)第
1工程で得られた(R,R)−1,2−ビス(イソプロ
ピルメチルホスフィノイル)ベンゼン94.5mg
(0.33mモル)と還元剤のフェニルシラン0.5m
l(5.26mモル)を反応容器に仕込み、6時間、1
10℃で反応させて(S,S)−1,2−ビス(イソプ
ロピルメチルホスフィノ)ベンゼン91.5mg(光学
純度97%)を得た。
−1,2−ビス(イソプロピルメチルホスフィノ)ベン
ゼン200mg(0.75mモル)と[Rh(COD)
2 ]BF4 304mg(0.75mモル)とを1時間、
−20℃で反応させた後、テトラヒドラフラン(−20
〜−10℃)で再結晶処理して(S,S)−1,2−ビ
ス(イソプロピルメチルホスフィノ)ベンゼンロジウム
錯体を得、X線により解析を行って、(S,S)−1,
2−ビス(イソプロピルメチルホスフィノ)ベンゼンロ
ジウム錯体であることを確認した。以下に同定データを
示す。
18 orthorhomic space groupC2221,a=13.35(1),Å,b=16.84
(1),Å,c=10.975(3), Å,v=2467(2), Å,z=4,dcalc=1.4
86g cm-3,F(000)=1136, μ(Mo,Kα)=8.57cm-1, λ
(Mo,,Kα)=0.71070 Å,1159reflection measured,115
7observed(I>1.00σ(I)),I26variable,R=0.0880,Rw=0.1
07,GOF2.23.
施例2で得られた(S,S)−1,2−ビス(イソプロ
ピルメチルホスフィノ)ベンゼンロジウム錯体を下記反
応式(II)のデヒドロアミノ酸メチルエステルの不斉水素
化触媒としてその触媒能を評価した。
あり、番号6と番号7のR2 とR3はこれが結合する炭
素と共に炭素数6又は炭素数5の飽和単環を形成するこ
とを意味する。なお、反応は、一般式(9)で表される
α−アミノ酸メチルエステルに対して触媒を0.2モル
%加えて、水素ガスで反応系内を加圧し、0℃で20〜
180分反応させた後、得られた一般式(10)で表さ
れる化合物の光学純度を求めた。その結果を表1に示し
た。なお、光学純度は、HPLC(Daicel Chiralcel O
J,OD-H)又はGC(Chromapack's Chriral-L-Val Colum
n)で定量分析して求めた。また、それぞれの化合物の
絶対配置はHPLC、GCの溶出順序を文献値(J.Am.C
hem.Chem.Soc.,1998,120,1635 )と比較して求めた。
媒配位子として有用な新規な光学活性な1,2−ビス
(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体を提供するも
のであり、当該化合物を配位子としたロジウム金属錯体
は、不斉水素化反応の不斉触媒として極めて有用であ
る。
Claims (4)
- 【請求項1】 下記一般式(1); 【化1】 (式中、R1 は直鎖状又は分岐状の炭素数2〜6のアル
キル基を示し、アスタリスクは不斉リン原子を示す。)
で表わされることを特徴とする光学活性な1,2−ビス
(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体。 - 【請求項2】 下記一般式(2); 【化2】 (式中、R1 は前記と同義。)で表される1,2−ビス
(ジアルキルホスフィノイル)ベンゼンを光学活性なジ
ベンゾイル酒石酸により光学分割した後、還元剤により
還元することを特徴とする請求項1記載の光学活性な
1,2−ビス(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体
の製造方法。 - 【請求項3】 前記還元剤が、フェニルシランである請
求項2記載の光学活性な1,2−ビス(ジアルキルホス
フィノ)ベンゼン誘導体の製造方法。 - 【請求項4】 請求項1記載の光学活性な1,2−ビス
(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体を配位子とす
ることを特徴とするロジウム金属錯体。
Priority Applications (1)
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---|---|---|---|
JP12826699A JP4201916B2 (ja) | 1999-05-10 | 1999-05-10 | 光学活性な1,2−ビス(ジアルキルホスフィノ)ベンゼン誘導体及びその製造方法、並びに該化合物を配位子とするロジウム金属錯体 |
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Country Status (1)
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