JP2010207114A - アレイ用基板 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】溶液不溶性かつ溶液不透過性の担体表面に検出対象物質を捕捉する物質を固定化し、該検対象物質を含む検体溶液を添加し、固定化した捕捉する物質に捕捉させ、その捕捉の状態を発色による可視化により検出する際に用いるアレイ用基板であって、基板全体又は、捕捉物質が固定化された部位が白色であるアレイ用基板。
【選択図】なし
Description
一方、DNAマイクロアレイによる遺伝子検出においては、検出には高価な蛍光試薬を使用しなければならず、また検出にマイクロアレイ専用の高価な検出装置を必要とし、使用も研究分野の一部の研究機関に限られ、臨床の検査分野や、食品検査等の分野ではなかなか使用されるまでいたっていない。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)溶液不溶性かつ溶液不透過性の担体表面に検出対象物質を捕捉する物質を固定化し、該検対象物質を含む検体溶液を添加し、固定化した捕捉する物質に捕捉させ、その捕捉の状態を発色による可視化により検出する際に用いるアレイ用基板であって、基板全体又は、捕捉物質が固定化された部位が白色であることを特徴とするアレイ用基板。
(2)前記基板が白色顔料を含有するガラス又はプラスチックである(1)記載のアレイ用基板。
(3)前記白色顔料の含有量が、0.2〜25重量%である(2)記載のアレイ用基板。
(4)前記白色顔料が酸化チタンである(2)又は(3)記載のアレイ用基板。
(5)前記基板の材質が、熱可塑性樹脂である(1)〜(4)いずれか記載のアレイ用基板。
(6)前記熱可塑性樹脂が、ポリスチレンである(5)記載のアレイ用基板。
(7)発色による可視化検出が、還元酵素を導入し、酸化又は還元反応により発色する基質を加え、該基質を発色させるものである(1)〜(6)いずれか記載のアレイ用基板。
(8)前記還元酵素が、アルカリホスファターゼである(7)記載のアレイ用基板。
(9)前記基質が、ブロモクロロインドリルりん酸(BCIP)である(7)記載のアレイ用基板。
(10)前記基板の表面に含水性ポリマー層を有し、該ポリマー層に捕捉物質が固定化されるものである(1)〜(9)いずれか記載のアレイ用基板。
(11)前記含水性ポリマーが、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質、またはポリエチレングリコール残基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質、のいずれかである(10)記載のアレイ用基板。
(12)前記含水性ポリマー層の厚さが、1〜100nmである(10)または(11)記載のアレイ用基板。
(13)(1)〜(12)いずれか記載のアレイ用基板の検体捕獲部に、検出対象物質を捕捉する物質として生体由来物又は生体由来物と親和性を有する化合物を固定化したアレイ。
本発明に使用する基板は、溶液不溶性かつ溶液不透過性の担体表面を有する必要がある。基板の材質としてはガラス又はプラスチックであることが好ましく、量産性を考慮するとプラスチックがより好適である。プラスチックの材質としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル樹脂などの汎用性樹脂がコスト面から好適である。
酵素としては、生物化学の分野で検出に広く使用されているアルカリホスファターゼなどを用いることができる。発色基質としては、ウェスタンブロット等において使用されるブロモクロロインドリルりん酸(BCIP)を用いることが出来る。
ポリスチレン樹脂に白色顔料である酸化チタンを0.3重量%配合したものを射出成形することにより、縦75mm、横25mm、厚さ1mmのスライドガラス形状の白色基板成形品を得た。白色基板の表面に縦30mm×横15mmの大きさで検体捕獲部を設定し、この設定した検体捕獲部に、次のように表面にポリマーコート処理を施した。まず、2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン‐ブチルメタクリレート‐p‐ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(poly(MPC-co-BMA-coNPMA)(PMBN)溶液を調製し、本溶液を検体捕獲部にコートを行い、乾燥させた。乾燥状態でのポリマーコートの厚みは、エリプソメーターにより測定を行ったところ、5〜20nmであった。以上のように作製したアレイ用基板を、発色による可視化検出評価に供した。
酸化チタンの配合量を1.5重量%にした樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、アレイ用基板を作製した。
酸化チタンの配合量を5重量%にした樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、アレイ用基板を作製した。
酸化チタンの配合量を20重量%にした樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、アレイ用基板を作製した。
酸化チタンを配合しない樹脂を用いた以外は実施例1と同様にして、アレイ用基板を作製した。
上記で作製したアレイ用基板の検体捕獲部にDNAプローブを固定した。先ず、5’末端をアミノ基で修飾した、配列TGTAAACTCCCGGATTGCGCTCCCT(配列番号1)のDNAプローブ(25塩基)を0.25M炭酸バッファ(pH9.0)を用いて溶解し、10μMのDNAプローブ溶液を調製した。この溶液をマイクロアレイ作製装置(日立ソフトウェアエンジニアリング製MARKS−1)を用いて、600μm径のピンで、それぞれの基板の検体捕獲部にスポットし固定化した。検体捕獲部に30スポット固定化をおこない、DNAプローブの固定化の後、ブロッキング処理を行い、アレイを作製し、以下評価実験に供した。
上記DNAプローブに相補配列を有し、5‘末端にビオチンが導入された、配列AAGGCGGGAGGGAGCGCAATCCGGGAGTTTACAAA(配列番号2)の35塩基のDNA断片溶液をDNA濃度0.2μMに調製した。
上記にて作製した各アレイのDNAプローブ固定化した検体捕獲部にDNA断片溶液を滴下し、ポリスチレン製のカバー(寸法:縦50mm、横25mm、厚さ0.7mm)を被せ、DNAプローブスポット部全体に溶液をいきわたらせ、ハイブリダイゼーションを行った。
Claims (13)
- 溶液不溶性かつ溶液不透過性の担体表面に検出対象物質を捕捉する物質を固定化し、該検対象物質を含む検体溶液を添加し、固定化した捕捉する物質に捕捉させ、その捕捉の状態を発色による可視化により検出する際に用いるアレイ用基板であって、基板全体又は、捕捉物質が固定化された部位が白色であることを特徴とするアレイ用基板。
- 前記基板が白色顔料を含有するガラス又はプラスチックである請求項1記載のアレイ用基板。
- 前記白色顔料の含有量が、0.2〜25重量%である請求項2記載のアレイ用基板。
- 前記白色顔料が酸化チタンである請求項2又は3記載のアレイ用基板。
- 前記基板の材質が、熱可塑性樹脂である請求項1〜4いずれか記載のアレイ用基板。
- 前記熱可塑性樹脂が、ポリスチレンである請求項5記載のアレイ用基板。
- 発色による可視化検出が、還元酵素を導入し、酸化又は還元反応により発色する基質を加え、該基質を発色させるものである請求項1〜6いずれか記載のアレイ用基板。
- 前記還元酵素が、アルカリホスファターゼである請求項7記載のアレイ用基板。
- 前記基質が、ブロモクロロインドリルりん酸(BCIP)である請求項7記載のアレイ用基板。
- 前記基板の表面に含水性ポリマー層を有し、該ポリマー層に捕捉物質が固定化されるものである請求項1〜9いずれか記載のアレイ用基板。
- 前記含水性ポリマーが、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質、またはポリエチレングリコール残基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質、のいずれかである請求項10記載のアレイ用基板。
- 前記含水性ポリマー層の厚さが、1〜100nmである請求項10または11記載のアレイ用基板。
- 請求項1〜12いずれか記載のアレイ用基板の検体捕獲部に、検出対象物質を捕捉する物質として生体由来物又は生体由来物と親和性を有する化合物を固定化したアレイ。
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