JP7354749B2 - 分析チップの検査方法、検査装置及び分析チップの製造方法 - Google Patents
分析チップの検査方法、検査装置及び分析チップの製造方法 Download PDFInfo
- Publication number
- JP7354749B2 JP7354749B2 JP2019186962A JP2019186962A JP7354749B2 JP 7354749 B2 JP7354749 B2 JP 7354749B2 JP 2019186962 A JP2019186962 A JP 2019186962A JP 2019186962 A JP2019186962 A JP 2019186962A JP 7354749 B2 JP7354749 B2 JP 7354749B2
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- image
- spot
- substance
- carrier
- deliquescent
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Active
Links
Landscapes
- Apparatus Associated With Microorganisms And Enzymes (AREA)
- Peptides Or Proteins (AREA)
Description
(1)実際のスポット部分を観察していないことから間接的な検査であり確実性に欠けること
(2)蛍光分子や染料をスポット溶液に添加するとそれらが発する蛍光がハイブリダイゼーション後の検出時のノイズとなること
このため、基板上のDNAに代表される選択結合性物質の検出の際のノイズを生じることなく、そのスポット不良(スポット抜け)を確実に検査することが求められる。
本発明の実施の形態にかかる分析チップについて、図1及び図2を参照して説明する。図1は、本発明の一実施の形態にかかる分析チップを模式的に示す平面図である。図2は、図1に示す分析チップのA-A線断面図である。図1及び図2示す分析チップ1は、複数の凹凸部11を有する基板10を備える。基板10は、上述した担体に相当する。基板10は、主面の外縁が矩形をなす平板である。ここで、主面とは、平板を構成する6つの面のうち、面積が最も大きい面のことをいう。基板10の材質は、一般的なスライドガラスや同等の大きさのプラスチックの平滑板が好ましく用いられる。また、基板10は、観察時(撮像時)において基板10からの光の反射を抑制するために、表面が、黒色等、光を吸収する色や素材であることが好ましい。
脂質としては、単純脂質の他、複合脂質であってもよい。
さらに、上記核酸、タンパク質、糖類、脂質以外の抗原性を有する物質を固定化することもできる。また、選択結合性物質として、担体の表面に細胞を固定化してもよい。
これらの選択結合性物質のうち特に好ましいものとして、DNA、RNA、タンパク質、ペプチド、糖、糖鎖、脂質を挙げることができる。
スポット液には、その他バッファー調整用の塩類を含むこともできる。その例としては、リン酸緩衝液、クエン酸緩衝液、クエン酸リン酸緩衝液、ホウ酸緩衝液、酒石酸緩衝液を用いることができる。
また、凹凸部11は、基板10の大きさに応じて複数個配置される。
ウォーターバス132は、設定温度に調整された液体と、ボトル131とを収容する。
基板10に対応する基板を作製した。基板の外形は75.0×25.4×1.0(mm)であり、基板表面には、4か所の凹凸部(凹凸部11に相当)が存在する。各凹凸部には、4×8の凸部群(凸部群12に相当)が存在している。各凸部群には10×10=100個の凸部(凸部13に相当)が存在し、基板全体では、4×4×8×10×10=12800個の凸部がある。各部位のサイズ及び距離を示す数値は、いずれも単位mmによる表示である。基板材料は、カーボンブラックを含有したポリメチルメタクリレート(PMMA)である。本基板の凸部上面に選択結合性物質(核酸)などを固定化する。
10Nの水酸化ナトリウム水溶液に基板を65℃で12時間浸漬した。次いで、純水、0.1N HCl水溶液、純水の順で洗浄した。このようにして、基板表面のPMMAの側鎖を加水分解して、カルボキシル基を生成した。
5’末端がアミノ化されている60merのDNA(選択結合性物質に相当)を合成し、下表1に示す組成のスポット液を調製した。
表1の溶液をスポッティング用ロボットで基板の12800個の凸部の上面全部に塗布した。塗布作業の終了後、顕微鏡で基板を観察したところ、塗布後のスポット液は凸部上面で乾燥していた(温湿度23℃、50%RH)。次いで、基板と少量の水とを密閉したプラスチック容器に入れ、37℃のオーブンに入れ20時間放置した。この間、密閉したプラスチック容器内の湿度は100%RHとなっているため、スポット液は潮解性があるEDC及びNaClの作用により液体となる。この状態において、DNAの5’末端アミノ基と、基板表面のカルボキシル基との縮合反応(架橋反応)が進行し、DNAが基板に固定化される。この際、凸部上面のスポット液の量が多すぎる場合や、凸部に形状の欠陥がある場合、スポット液が凸部の上面からこぼれ落ち、隣の凸部上面のスポット液と混合してしまい不良となる。
37℃で20時間経過後、密閉したプラスチック容器(37℃、100%RH)から23℃、50%RHの雰囲気下に取り出したところ、凸部上面のスポット液は速やかに乾燥した。
実施例1では、図4に例示するような、加湿ユニット130を有するスポット検査装置100を用いてスポット検査を行った。
上述した方法で作製した基板を固定し、基板を青色LED照明で照射し、テレセントリックレンズ(光学倍率2倍、WD66.7)を装着したCMOSイメージセンサ(解像度2M、2048×1088pixel)にての画像を取得した。取得した画像はパーソナルコンピュータに保存した。
これによって、ポンプを稼働させた後に流量調整弁で流量を調整した空気がボトル内の水底に近いエアーストーンから微少な泡として排出され加湿された空気となり、その後700mmのシリコンチューブから吐出することで局所的に目的の場所へ加湿した空気を供給できる加湿装置(加湿ユニット)となった。
実施例2では、実施例1において取得した凸部群(A)の画像(図9参照)を用い、基板の凹凸部(凹凸部11:図1参照)の底面が観察できるように、実施例1よりも二値化に係る閾値を小さく設定して二値化した。図13は、その基板画像の凸部群(A)の二値化画像を示す図である。
図13では、スポット番号59と60との間、79と80との間、及び89と90と99と100との間の凹凸部底面にスポット液の痕跡が確認できた。この結果から、実施例1においてこれらのスポットにスポット液が適切に塗布されていなかったのは、スポット液が塗布された後に凸部からこぼれ落ちたことが原因であると推定された。
比較例1では、加湿ユニットを有さないスポット検査装置を用いてスポット検査を行った。図14は、スポット検査装置200の構成を例示する図である。図14に示すスポット検査装置200は、上述したスポット検査装置100において、加湿ユニット130を有しない点で異なり、これ以外の構成は同じである。
比較例2では、比較例1で取得された基板画像のうち、比較例1(凸部群(B))とは異なる凸部群(B)の画像を切り出した画像を用い、この他は比較例1と同様にしてスポット検査を行った。図19は、当該基板画像を示す図である。スポット番号2、43及び44は、注意深く観察するとNaClの結晶が僅かながら観察されたが、他の凸部上面と比べ色調が薄かったため、目視での検査やコンピュータを用いた画像検査においてスポット溶液が塗布されていないと誤った判断をする可能性がある状態であった。取得した基板画像を十分拡大し観察することで結晶の存在を確認できる場合もあるが、基板1枚に存在する凸部の数が12800個であることを考えると、高頻度で発生した場合には現実的な検査方法にならない。
実施例3では、実施例1で取得された基板画像のうち、実施例1とは異なる凸部群(C)の画像を切り出した画像を用い、この他は実施例1と同様にしてスポット検査を行った。図20は、当該基板画像のデータを二値化して得られた二値化画像を示す図である。図20に示す二値化画像のとおり、基板画像が、NaCl結晶が潮解した状態で撮像されているため、より正確にスポット液の有無を判定することが可能な画像となっていることが分かった。比較例3で述べるように、例えば、スポット番号78においては、スポット液が塗布されていると正しく判定された。
比較例3では、比較例1で取得された基板画像のうち、比較例1(凸部群(A))とは異なる凸部群(C)(実施例3と同じ凸部群)の画像を切り出した画像を用い、この他は比較例1と同様にして、加湿ユニットを有さないスポット検査装置を用いてスポット検査を行った。図21は、当該基板画像のデータを二値化して得られた二値化画像のうち、凸部群(C)の二値化画像を示す図である。図21に示す二値化画像からは、スポット番号78において凸部上面に結晶が見られずスポット液が塗布されていないと判定された。一方、上記の実施例3(図20参照)では、同じスポット番号78にはスポット液が塗布されていると判定されており、両結果が一致しなかった。そこで、この基板を使用して実際にハイブリダイゼーションを実施し蛍光観察したところ、スポット番号78には蛍光が観察され、スポット番号78にはスポット液が塗布されていたことが確認された。すなわち、スポット液の有無について、実施例3では正しく判定されたが、比較例3においては誤判定されたことが明らかになった。
10 基板
11 凹凸部
12 凸部群
13 凸部
100 スポット検査装置(加湿ユニットあり)
110 画像取得ユニット
120 解析ユニット
130 加湿ユニット
200 スポット検査装置(加湿ユニットなし)
Claims (7)
- 選択結合性物質及び潮解性物質を含む化合物の混合試薬を担体表面の必要な領域に配列に塗布し、前記選択結合性物質を固定化した分析チップの検査方法であって、
担体表面上の選択結合性物質の固定化領域に、担体の表面温度における潮解性物質の飽和水溶液の平衡水蒸気圧よりも高い水蒸気圧の空気を供給し、前記潮解性物質を潮解させる潮解ステップと、
画像を取得する画像取得手段によって潮解性物質が潮解した前記固定化領域を含む画像を得る画像取得ステップと、
前記画像取得手段にて取得した前記画像から前記混合試薬が前記必要な領域に存在するか否かを判定する判定ステップと、
を含むことを特徴とする分析チップの検査方法。 - 前記判定ステップは、
前記画像を輝度に対して設定される第1の閾値に基づいて二値化し、
二値化した画像から、一方の値の画素数を第1の計数値として計数し、
前記第1の計数値と、該第1の計数値に対して設定される第2の閾値とを比較して、前記混合試薬が前記必要な領域に存在するか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項1に記載の分析チップの検査方法。 - 前記判定ステップは、
前記第1の閾値よりも小さい第3の閾値に基づいて前記画像を二値化し、
前記固定化領域の間の一方の値の画素数を第2の計数値として計数し、
前記第2の計数値と、該第2の計数値に対して設定される第4の閾値とを比較して、前記混合試薬が前記固定化領域の間に存在するか否かを判定する、
ことを特徴とする請求項2に記載の分析チップの検査方法。 - 前記潮解性物質は、塩類である、
ことを特徴とする請求項1~3のいずれか一つに記載の分析チップの検査方法。 - 前記選択結合性物質は、DNA、RNA又はタンパク質である、
ことを特徴とする請求項1~4のいずれか一つに記載の分析チップの検査方法。 - 選択結合性物質及び潮解性物質を含む化合物の混合試薬を担体表面の必要な領域に配列に塗布し、前記選択結合性物質を固定化した分析チップの検査装置であって、
担体表面上の選択結合性物質の固定化領域に、担体の表面温度における潮解性物質の飽和水溶液の平衡水蒸気圧よりも高い水蒸気圧の空気を供給する加湿ユニットと、
画像を取得する画像取得手段によって、前記固定化領域を含む、加湿された空気が供給された前記担体表面の画像を得る画像取得ユニットと、
前記画像取得手段にて取得した前記画像から前記混合試薬が前記必要な領域に存在するか否かを判定する解析ユニットと、
を備えることを特徴とする分析チップの検査装置。 - 選択結合性物質及び潮解性物質を含む化合物の混合試薬を担体表面の必要な領域に配列に塗布する塗布ステップと、
前記混合試薬中の前記選択結合性物質を前記担体表面の必要な領域に固定する固定ステップと、
前記混合試薬が前記必要な領域に存在するか否かを判定する検査ステップと、
を含み、
前記検査ステップは、
担体表面上の選択結合性物質の固定化領域に、担体の表面温度における潮解性物質の飽和水溶液の平衡水蒸気圧よりも高い水蒸気圧の空気を供給し、前記潮解性物質を潮解させる潮解ステップと、
画像を取得する画像取得手段によって潮解性物質が潮解した前記固定化領域を含む画像を得る画像取得ステップと、
前記画像取得手段にて取得した前記画像から前記混合試薬が前記必要な領域に存在するか否かを判定する判定ステップと、
を含むことを特徴とする分析チップの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019186962A JP7354749B2 (ja) | 2019-10-10 | 2019-10-10 | 分析チップの検査方法、検査装置及び分析チップの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2019186962A JP7354749B2 (ja) | 2019-10-10 | 2019-10-10 | 分析チップの検査方法、検査装置及び分析チップの製造方法 |
Publications (2)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2021061757A JP2021061757A (ja) | 2021-04-22 |
JP7354749B2 true JP7354749B2 (ja) | 2023-10-03 |
Family
ID=75486019
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2019186962A Active JP7354749B2 (ja) | 2019-10-10 | 2019-10-10 | 分析チップの検査方法、検査装置及び分析チップの製造方法 |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP7354749B2 (ja) |
Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20050227358A1 (en) | 2004-04-01 | 2005-10-13 | Mcentee John F | Methods of determining a quality of an array substrate |
US20070072213A1 (en) | 2005-09-27 | 2007-03-29 | The University Of Chicago | Method and apparatus for implementing non-destructive quality control of substrates and printed biological microarrays, and for implementing quality control and visualizing gel-based microarrays prepared by dispensing gel-forming composition on solid surfaces |
-
2019
- 2019-10-10 JP JP2019186962A patent/JP7354749B2/ja active Active
Patent Citations (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
US20050227358A1 (en) | 2004-04-01 | 2005-10-13 | Mcentee John F | Methods of determining a quality of an array substrate |
US20070072213A1 (en) | 2005-09-27 | 2007-03-29 | The University Of Chicago | Method and apparatus for implementing non-destructive quality control of substrates and printed biological microarrays, and for implementing quality control and visualizing gel-based microarrays prepared by dispensing gel-forming composition on solid surfaces |
Also Published As
Publication number | Publication date |
---|---|
JP2021061757A (ja) | 2021-04-22 |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
EP2135626B1 (en) | Strip for multiparametrics assays | |
WO2007029616A1 (ja) | 各種物質保持体、各種物質保持体処理装置、およびその処理方法 | |
KR20180031612A (ko) | 반응과 분석을 포함한 단일 진단칩의 고감도 신속진단방법 | |
JP2007534936A (ja) | 標的分子とプローブ分子の間の相互作用を分析する装置 | |
JP2004354164A (ja) | 微粒子を用いた検体の検査方法及びその検査システム | |
JP5504587B2 (ja) | 分析用チップ | |
WO2004023117A1 (ja) | 生化学的検査用画像処理方法 | |
JP6737177B2 (ja) | 分析用チップ | |
JP7354749B2 (ja) | 分析チップの検査方法、検査装置及び分析チップの製造方法 | |
WO2015147004A1 (ja) | 分析用チップ | |
JP2010513862A (ja) | バイオアッセイ用基板並びにそのような基板を作製する方法及び装置 | |
JP2007285828A (ja) | 検体溶液の撹拌方法 | |
JP5092405B2 (ja) | 選択結合性物質固定化担体 | |
JP2007304094A (ja) | 分析チップ | |
US20050227358A1 (en) | Methods of determining a quality of an array substrate | |
JP2009186220A (ja) | バイオアレイの検出方法 | |
WO2021162028A1 (ja) | バイオチップの製造方法 | |
JP2010210308A (ja) | マイクロアレイ用基板およびマイクロアレイ | |
KR101168166B1 (ko) | 생체물질 검출용 소자 | |
JP2003344401A (ja) | 生体関連物質の検査方法 | |
JP6187259B2 (ja) | 溶液の攪拌方法 | |
JP5145752B2 (ja) | 分析チップ | |
WO2021085454A1 (ja) | バイオチップの製造方法 | |
JP2006078413A (ja) | プレート及び前記プレートを用いた検査方法 | |
US20240044798A1 (en) | Flow cell for analysis of nucleic acid and device for analysis of nucleic acid |
Legal Events
Date | Code | Title | Description |
---|---|---|---|
A621 | Written request for application examination |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621 Effective date: 20220920 |
|
A977 | Report on retrieval |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007 Effective date: 20230728 |
|
TRDD | Decision of grant or rejection written | ||
A01 | Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01 Effective date: 20230822 |
|
A61 | First payment of annual fees (during grant procedure) |
Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61 Effective date: 20230904 |
|
R151 | Written notification of patent or utility model registration |
Ref document number: 7354749 Country of ref document: JP Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R151 |