JP2010190823A - マイクロアレイ用基板およびマイクロアレイ - Google Patents

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【課題】 ハイブリダイゼーションにおける信頼性と再現性を確保するとともに、サンプル溶液および試薬溶液の使用量を抑制し、かつ操作性にすぐれたマイクロアレイ用基板を提供すること。
【解決手段】検体捕獲部に検体となる溶液を接触させ、検出目的とする生物由来物を捕獲してその有無を判定するマイクロアレイの作製に用いるプラスチック製の基板であって、検体捕獲部は平面であり、検体捕獲部の外周全体をとりまく溝を有し、検体捕獲部、溝、及び溝の外周を含む所定位置にカバー設置範囲を有し、カバー設置範囲において、溝の外周でカバーと接触する面の溝底部からの高さをA、検体捕獲部の溝底部からの高さをBと場合、B<Aであり、カバー設置範囲にカバーを設置した場合に検体捕獲部とカバーとの間に一定の間隙を形成するマイクロアレイ用プラスチック基板。
【選択図】 図1

Description

本発明は、生化学分野にて用いられる、DNAマイクロアレイ等のマイクロアレイに用いられるマイクロアレイ用基板に関するものである。
ゲノムの解析が進み、遺伝子の発現状況を一度に観る方法として、スライドガラス状基板に高密度にDNA断片を配列点着し、このDNA断片と検体からのDNA断片とをハイブリダイズさせて遺伝子の発現をみるDNAマイクロアレイが用いられるようになった。
DNAマイクロアレイによる遺伝子の発現をみる操作として、検体となるDNAに蛍光標識を施し、このDNA溶液をDNAマイクロアレイに接触させ、DNAマイクロアレイ上に固定されているDNA鎖とハイブリダイズさせ、蛍光標識されたDNAのハイブリダイズの状況を見ることによって、それぞれの遺伝子の発現状況をみるという操作が行なわれる。この蛍光における測定にて必要なことは、操作における測定誤差を小さくすることである。現在DNAマイクロアレイでの遺伝子の発現状状況の測定での測定結果のばらつきの要因の一つは、ハイブリダイズにおけるばらつきに起因している。ハイブリダイズにおけるばらつきは操作上の不適確によるものが多い。ハイブリダイズ操作において重要なことは、DNAが固定されているエリアに均一に検体となるDNA溶液を接触させることである。そのためには、DNAが固定されているエリアが明確に判る必要がある。そのため、従来からDNAマイクロアレイには、基板上のDNA固定エリアの判別がし易いように、基板上に枠が印刷されているものが多数市販されている。
ハイブリダイズにおけるばらつきの大きな要因は、検体となるDNA溶液の、不均一さに起因する。不均一さとは、検体となるDNA溶液の厚みの不均一性であり、濃度の不均一性である。DNAマイクロアレイでのハイブリダイズ操作は、DNAが固定されているエリア内に検体となるDNA溶液を滴下しその上にカバーガラスを覆うことにより、DNAが固定されているエリア全体に検体となるDNA溶液を行き渡らせる。この際DNA溶液の厚みに偏りが生じ、DNAのハイブリダイズ反応量がDNAエリア内で偏ることとなる。このようなDNA溶液の厚みを均一化するために、カバーガラスに下駄の歯のように突起部を設け、DNAマイクロアレイのDNA固定化表面との間隙を一定にする、ハイブリダイゼーション用カバーガラスが市販されている。しかし、このようなカバーガラスを用いた場合でも、操作中にカバーガラスがずれてしまうという不都合が生じる。
また、このようなカバーガラスはカバーガラスに下駄の歯状にガラスを貼りあわせて作製される。ガラスは割れ易く薄いカバーガラスにガラスを貼りあわせる作業は大変な手間である。
上記のようなカバーガラス法での不都合を解決する方法として、特許文献1には、基板本体とカバーの両方に突起部を設けることにより、検体捕獲部表面とカバーの間に一定の間隙を確保する方法が開示されている。この方法では操作中のカバーガラスのずれが防止できかつ、捕獲反応時の溶液の厚みを均一にし、検体捕獲部内での捕獲反応および捕獲反応後の検出のための反応時の均一化を図る上で効果がある。
しかし、この方法では基板本体とカバーガラスの両方に突起を設ける必要があり、基板側での突起は、スキャナーでの検出の際、スキャナーによっては、基板に設けられた突起が邪魔になり、検出が出来ないという不都合が出てくる可能性がある。また、特許文献1に記載されている方法では、基板専用のカバーが必要になり、カバーの作製又はカバーの調達におけるコストが嵩むこととなる。
また、近年大規模なマイクロアレイによる解析が進み、検出対象の遺伝子を絞りこんだDNAマイクロアレイが、臨床検査をはじめとする検査用マイクロアレイとして実用化されはじめてきている。検査用マイクロアレイにおいては、検査コスト削減が必要なことから、使用サンプル液の削減、使用検査試薬液を削減することが必要であり、検体捕獲部に限定的に、必要最小限の試薬を供給でき、さらに操作性の簡便なマイクロアレイが所望される。
特開2004−177345号公報
本発明の目的は、従来のガラス製マイクロアレイ用基板でみられる、ハイブリダイゼーションにおけるDNA溶液の厚みの不均一を解消し、ハイブリダイゼーションにおける信頼性と再現性を確保するとともに、サンプル溶液および試薬溶液の使用量を抑制し、かつ操作性にすぐれた検査用マイクロアレイにも適用できるDNAマイクロアレイをはじめとする、各種マイクロアレイ用基板を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、マイクロアレイにおける検体捕獲部の周囲に溝を設け、さらに、カバーで覆った際に検体捕獲部に一定間隙を確保する構造によって、検体捕獲部に限定的にサンプル溶液および各種検出用試薬溶液を貯留させることができ、かつ検体捕獲部内の反応が均一かつ操作性が簡便であることを見出し、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明は、以下の通りである。
(1)生物由来物を捕獲する物質を基板表面の所定範囲に点着固定した検体捕獲部を形成し、検体捕獲部に検体となる溶液を接触させ、検出目的とする生物由来物を捕獲してその有無を判定するマイクロアレイの作製に用いるプラスチック製の基板であって、検体捕獲部(1)は平面であり、検体捕獲部(1)の外周全体をとりまく溝(2)を有し、検体捕獲部(1)、溝(2)、及び溝の外周を含む所定位置にカバー設置範囲(3)を有し、カバー設置範囲(3)において、溝(2)の外周でカバーと接触する面(4)の溝底部(5)からの高さをA、検体捕獲部(1)の溝底部(5)からの高さをBとした場合、B<Aであり、カバー設置範囲にカバーを設置した場合に検体捕獲部とカバーとの間に一定の間隙を形成することを特徴とするマイクロアレイ用プラスチック基板。
(2)C=A−Bとした場合、C≦B<Aである(1)記載のマイクロアレイ用プラスチック基板。
(3)Cが10〜200μm、かつB/Cが2〜10である(1)又は(2)記載のマイクロアレイ用プラスチック基板。
(4)カバー設置範囲(3)が、基板表面より一段低くすることにより設置され、カバーがその中に納まる(1)〜(3)いずれか記載のマイクロアレイ用プラスチック基板、
(5)(1)〜(4)いずれか記載のマイクロアレイ用プラスチック基板の検体捕獲部に、生体由来物又は生体由来物と親和性を有する化合物を固定化していることを特徴とするマイクロアレイ。
本発明によるマイクロアレイ用プラスチック基板により、検査試薬の削減と操作性を向上させたマイクロアレイの供給が可能となり、臨床検査をはじめとする検査用途に適用できる。
本発明のマイクロアレイ用プラスチック基板の第一の実施形態の概略平面図である。 図1のX−X’線切断部の端面の拡大模式図である。 図1の基板にカバーを被せた際のX−X’ 線切断部の端面の拡大模式図である。 本発明のマイクロアレイ用プラスチック基板の第二の実施形態の概略平面図である。 図4のY−Y’ 線切断部の端面の拡大模式図である。 図4の基板にカバーを被せた際のY−Y’ 線切断部の端面の拡大模式図である。 本発明のマイクロアレイ用プラスチック基板の第三の実施形態の概略平面図である。 図7のZ−Z’ 線切断部の端面の拡大模式図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
まず、本発明のマイクロアレイ用プラスチック基板に使用するプラスチックの材質であるが、DNAマイクロアレイをはじめとして、検体の検出方法には蛍光を用いることが主流となっているため、検出に蛍光を用いる場合には、自己蛍光を発しないものが好ましい。
また、DNAマイクロアレイによっては、操作過程で沸騰水中に浸漬するなどの加熱操作が必要なものもある。自己蛍光がなく耐熱性を有する樹脂としては、環状ポリオレフィンやETFEなどのフッ素樹脂が挙げられる。
また、近年はマイクロアレイにおいては、蛍光を用いず可視化で検出するタイプもあり、また、操作工程において高熱での加熱を必要としない検出方法もあり、そのような場合は、汎用性樹脂を用いることができる。汎用性樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリプロピレン、アクリル樹脂などが挙げられる。
次に、本発明のマイクロアレイ用プラスチック基板の全体の形状について記載する。基板の全体の形状としては、現在マイクロアレイ用スキャナーに適合する形として、スライドガラスと同じ形状が好適である。最大厚みは、0.8〜1.2mmが好ましく、1mm程度が好適である。厚みが上限値を超えたり、下限値未満ではマイクロアレイ用スキャナーでの読み取りが困難となる場合がある。
次に、図によりさらに詳細な説明を行う。
図1は本発明のマイクロアレイ用プラスチック基板の第一の実施形態の構造を示す平面概略図である。図2は、図1のX−X’線切断部の端面の拡大模式図であり、図3は図1においてカバーで覆った際のX−X’線切断部の端面の拡大模式図である。
マイクロアレイ用プラスチック基板には、DNAや抗体などを固定する部位となる検体捕獲部(1)を有する。この検体捕獲部には検査対象となるサンプル溶液や検出用試薬が供給される部位となる。この検体捕獲部は平面であることが必要であり、基板表面と平行な面であることが好適である。面積や形状は特に制限はないが、DNAや抗体などの捕獲部物のスポット数や、スポットの大きさにより適宜設定される。ただし、後に被せるカバーに収まる必要がある。
検体捕獲部の外周全体には検体捕獲部から一段下がった溝(2)が検体捕獲部を完全に取り囲んだ形状で導入される。溝の幅は0.5mm〜3mmが好適である。さらに検体捕獲部、溝、及び溝の外周を含んだ範囲にカバー設置範囲(3)を設定する。カバー設置範囲内の溝の外側の部分はカバーと接触する面(4)となり、カバーと接触する面(4)の溝底部(5)からの高さAが検体捕獲部(1)の溝底部(5)からの高さBより大きくすることにより、図3のようにカバーと検体捕獲部との間に間隙(7)を形成することとなる。
この間隙(7)の大きさ(C=A−B)を適度に設定することにより、毛管現象により、検体捕獲部に供給されたサンプル液や試薬等の溶液は、優先的に検体捕獲部にとどまることになる。検体捕獲部への溶液供給量を定めておけば、確実に検体捕獲部のみに一様に溶液を行き渡すことが出来る。
間隙(7)の大きさCは10〜200μmが好適であり、下限値未満ではカバーの剛性やカバーの厚みの精度により、均一な溶液層の厚みの確保が困難になる。上限値を超えると必要な検体捕獲部全体へ供給するのに必要な溶液量が多くなり、必要以上のサンプル溶液と検出反応時の試薬量が必要となる。
また、溝の深さの確保も必要であり、溝の深さが浅いと、検体捕獲部に供給された溶液が溝の内に流入する、さらには溝を越えてカバーと接触する部位に達することとなり、所定の溶液量を検体捕獲部に供給しているにもかかわらず、検体捕獲部全体に溶液が伸展しないこととなる。検体捕獲部(1)の溝底部(5)からの高さBは、間隙(7)の大きさC以上であることが好ましい。更にBはCの2倍以上であることが好ましく、また基板の厚みと強度を考慮すると10倍以内に留めることが好ましい。
図4は、本発明のマイクロアレイ用プラスチック基板の第二の実施形態の構造を示す概略平面図である。図5は、図4のY−Y’線切断部の端面の拡大模式図であり、図6は図4においてカバーで覆った際のY−Y’線切断部の端面の拡大模式図である。
図4の基板は、カバー設置範囲(3)が、基板表面より一段低くなっており、カバーがその中に納まる構造となっている。この構造により、カバーを被せた際のカバーの固定をより確実にすることができ、カバーのズレを防止することが出来る。
図7は、本発明のマイクロアレイ用プラスチック基板の第三の実施形態の構造を示す概略平面図である。図8は、図7のZ−Z’線切断部の端面の拡大模式図である。
図7のマイクロアレイ用プラスチック基板は、図4のマイクロアレイ用プラスチック基板にピンセット挿入部(8)と通気溝(9)を導入したものである。
検体捕獲部には、DNA鎖や抗体等の検体捕獲物を固定化するための表面処理が施される。固定化の表面処理の例としては、アミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基等と反応する官能基を有するポリマーをコートしたり、基板表面にアミノ基、カルボキシル基、チオール基、アルデヒド基等と反応する官能基を導入したりする方法などが挙げられる。
検体捕獲部は親水化処理がなされていることが好ましく、検体捕獲部のみに限定的に親水性を有していることが好ましく、親水性を有することにより、溶液を供給しカバーを被せた際の検体捕獲部での溶液の伸展が迅速に行え、かつ溶液量の均一化への効果が大きい。検体捕獲部の親水化の度合いは、水による接触角で70°以下が好適である。親水化処理としては、コロナ放電処理や低温プラズマ処理などの表面酸化処理が挙げられる。親水化処理を検体捕獲部に限定し、かつ検体捕獲物を固定化する官能基を導入する方法としては、親水基および官能基を有するポリマーをコートする方法がある。上記のようなポリマーとして、ポリエチレングリコールやMPC(メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン)等の親水性基を有する化合物と活性エステル基を有する共重合ポリマーなどが挙げられる。これらのポリマーは、DNAやタンパク質などの生体由来物の非特異的な吸着が少なく、検体捕獲部のコートに用いるポリマーとして好適である。
検体捕獲部へ、生体由来物や、生体由来物と親和性のある化合物を固定化することによりマイクロアレイが作製できる。生体由来物としては、DNA、RNAなどの核酸鎖、タンパク質、ペプチド、糖鎖、抗体、酵素、細胞などが挙げられる。生体由来物と親和性のある化合物として、核酸鎖、タンパク質、ペプチド、糖鎖、抗体、酵素、細胞等と親和性のある化合物であり、生体からの抽出物、合成物のいずれかより選択される。これらの生体由来物や生体由来物と親和性のある化合物の固定にあたっては、マイクロアレイヤー等により、固定化対象物を点着する。
《実施例1》
図7に示す基板をデザインとし、射出成形用金型を作製し、ポリスチレン樹脂により射出成形により基板の成形品を得た。基板全体の大きさは、縦25mm、横75mm、厚さ1mmのスライドガラス形状であり、検体捕獲部(1)は平面であり、鏡面とし、大きさは縦10mm、横14mmである。検体捕獲部外周全体をとりまく溝(2)の幅は2.5mm〜3mm、カバーと接触する面(4)の溝底部(5)からの高さAは300μmであり検体捕獲部の溝底部(5)からの高さBは200μmで、カバーで覆うことにより検体捕獲部に形成される間隙Cは100μmであった。次に、検体捕獲部(1)へ、DNA鎖固定のための表面処理を行った。2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン‐ブチルメタクリレート‐p‐ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(poly(MPC-co-BMA-coNPMA)(PMBN)溶液を調製し、本溶液を検体捕獲部にコートすることによりDNA鎖固定化のための処理を行った。
《比較例1》
ポリスチレン樹脂により射出成形により基板の成形品を得た。基板全体の大きさは縦25mm、横75mm、厚さ1mmのスライドガラス形状であり、基板表面全体は一面で形成されているものである。基板表面にDNA鎖固定のための表面処理を行った。2-メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン‐ブチルメタクリレート‐p‐ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(poly(MPC-co-BMA-coNPMA)(PMBN)溶液を調製し、本溶液を検体捕獲部にコートすることによりDNA鎖固定化のための処理を行った。
(基板の性能評価用マイクロアレイの作製)
上記で作製したマイクロアレイ用プラスチック基板にDNAプローブを固定した。末端に5‘末端がアミノ基で修飾された、配列TGTAAACTCCCGGATTGCGCTCCCT(配列番号1)のDNAプローブ(25塩基)を0.25M炭酸バッファ(pH9.0)を用いて溶解し、10μMのDNAプローブ溶液を調製した。この溶液をピン方式スポッター(日立ソフトウェアエンジニアリング製MarksI)を用いて、500μm径のクロスカットピンで、それぞれの基板にスポットした。DNAプローブをスポットした後、アレイヤーによりピン方式でスポットし固定化した。実施例1のマイクロアレイ用プラスチック基板では、検体捕獲部(1)全体に30スポット固定化をおこない、一方の比較例1のマイクロアレイ用プラスチック基板では、基板の中央のたて10mm、横14mmの範囲に合計30点のスポット固定化を行った。DNAプローブの固定化の後、ブロッキング処理を行い、以下評価実験に供した。
(溶液量の比較評価)
上記性能評価用に作製したマイクロアレイを用いて、5‘末端にビオチンが導入された、配列AAGGCGGGAGGGAGCGCAATCCGGGAGTTTACAAA(配列番号2)の上記DNAプローブに相補配列を有する35塩基のDNA断片溶液を調製し、上記にて作製した各マイクロアレイのDNAプローブ固定化した検体捕獲部にDNA断片溶液を滴下し、ポリスチレン製のカバー(寸法:縦21mm、横30mm、厚さ0.7mm)を被せ、DNAプローブスポット部全体に溶液がいきわたらせた。その際に安定して溶液をいきわたらせるのに必要な溶液量は、実施例1のマイクロアレイ用プラスチック基板により作製したマイクロアレイでは22μlであったのに対し、比較例1のマイクロアレイ用プラスチック基板により作製したマイクロアレイでは、70μlであった。
(シグナルのバラつきの評価)
上記にてハイブリダイゼーションを行った後、アルカリホスファターゼ標識したアビジン溶液をDNAプローブスポット部に供給し、上記と同様にポリスチレン製のカバーを被せてアビジン溶液をいきわたらせ放置した後、カバーを外し、洗浄用緩衝液で洗浄したのち、乾燥させた。次にBCIP/NBT溶液を供給し、上記と同様にポリスチレン製カバーで覆い放置し、発色反応を行い、各DNAプローブスポットにおける発色度合いを画像処理により数値化し、発色度合いのバラつきを比較した。実施例1のマイクロアレイ用プラスチック基板では、バラつきを示すCV値は8%〜12%であったが、比較例1のマイクロアレイ用プラスチック基板では、CV値は15%〜22%であった。
本発明のマイクロアレイ用プラスチック基板を用いて作製されたマイクロアレイは、サンプル溶液および検出用試薬の使用量を抑制および検出バラつきを抑制することが可能であり、かつ操作性も良好である。これを臨床検査をはじめとする各種検査用マイクロアレイに展開することにより、高い信頼性の確保と低コストを実現したマイクロアレイによる検査の実現を図ることが出来る。
1 検体捕獲部
2 溝
3 カバー設置範囲
4 カバーと接触する面
5 溝底部
6 カバー
7 間隙
8 ピンセット挿入部
9 通気用溝

Claims (5)

  1. 生物由来物を捕獲する物質を基板表面の所定範囲に点着固定した検体捕獲部を形成し、検体捕獲部に検体となる溶液を接触させ、検出目的とする生物由来物を捕獲してその有無を判定するマイクロアレイの作製に用いるプラスチック製の基板であって、検体捕獲部(1)は平面であり、検体捕獲部(1)の外周全体をとりまく溝(2)を有し、検体捕獲部(1)、溝(2)、及び溝の外周を含む所定位置にカバー設置範囲(3)を有し、カバー設置範囲(3)において、溝(2)の外周でカバーと接触する面(4)の溝底部(5)からの高さをA、検体捕獲部(1)の溝底部(5)からの高さをBとした場合、B<Aであり、カバー設置範囲にカバーを設置した場合に検体捕獲部とカバーとの間に一定の間隙を形成することを特徴とするマイクロアレイ用プラスチック基板。
  2. C=A−Bとした場合、C≦B<Aである請求項1記載のマイクロアレイ用プラスチック基板。
  3. Cが10〜200μm、かつB/Cが2〜10である請求項1又は2記載のマイクロアレイ用プラスチック基板。
  4. カバー設置範囲(3)が、基板表面より一段低くすることにより設置され、カバーがその中に納まる請求項1〜3いずれか記載のマイクロアレイ用プラスチック基板。
  5. 請求項1〜4いずれか記載のマイクロアレイ用プラスチック基板の検体捕獲部に、生体由来物又は生体由来物と親和性を有する化合物を固定化していることを特徴とするマイクロアレイ。
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