JP2008134189A - プローブ固相化反応アレイおよび該アレイの製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明の目的は、区画間の液漏れ状況を判定し、個々の検査結果の健全性を保証することができるプローブ固相化反応アレイを提供することにある。より詳しくは、各区画を区切る仕切りとバイオチップが接する領域にもプローブをスポットし、そのプローブを液漏れ検知プローブとして利用することで液漏れを検知することができるアレイに関する。
【解決手段】本発明の一つの態様において、プローブ固相化反応アレイであって、基板と区画区切り基材によって形成された流路と、前記基板上の流路に固相化された検出プローブと、前記基板上の基板と区画区切り基材との付着面に固定化された液漏れ検知プローブとを備えていることを特徴とするプローブ固相化反応アレイを提供する。
【選択図】 図3

Description

本発明は、プローブ固相化反応アレイに関する。より詳細には、核酸およびタンパク質などの解析に使用するためのプローブ固相化反応アレイに関する。
近年、バイオチップと呼ばれる特定のバイオ分子や細胞等を大量かつ同時並行的に解析する手法が注目を浴びている。バイオチップとは、DNA、タンパク質、糖鎖糖のバイオ分子、あるいは細胞等を支持体上に固定化し、固定化されたバイオ分子等(プローブと称する)と、バイオ分子あるいはそれ以外の化合物(ターゲットと称する)とを接触させ、生じた特異的な相互作用を検出する生化学的な手法の中で、特に相互作用を大量かつ同時並行的に行うことによりハイスループットな検出/解析を可能にしたものである。具体的には、すでに遺伝子解析分野で広く利用されるようになってきた基板上に核酸を高密度に固定化し、ハイブリダイゼーションにより相補的な配列の存在を検出するDNAチップ(DNAマイクロアレイとも)や、今後利用の期待されるタンパク質を固定化し相互作用を検出するタンパク質チップ(プロテイン・チップ)などがある。
バイオチップのタイプとしては、プローブの固定される支持体の形状で、平板状、ビーズ、キャピラリー/ファイバなどに分かれるが、これらの要素を組み合わせる(平板が区画に分かれている、平板に溝が切られている、ビーズが平板の所定の位置に固定されている、ビーズがキャピラリーの内部あるいは先端に固定されている、キャピラリーが束ねられている、あるいはさらに横断面でスライスされ平板状に加工されている等)ことも可能である。また微細加工技術を利用したmicrofluidic deviceと組み合すこともできる。この他、アレイ化した電極から構成されている、さらに記憶素子/発信装置等の機能を組み込んだエレクトロニクスデバイス化されているものもある。また多孔性の基体にプローブを固定し3次元的に相互作用を行うシステムも研究されている。プローブの種類としては、核酸、(ポリ)ペプチド、糖などが代表的である。
近年、このようなバイオチップを臨床、治験、創薬、検診などで用いようとする試みがなされている。Roche Molecular Systems社は2004年12月23日、DNAチップを使った初の臨床検査に対するFDA(米国食品医薬品局)の認可を得た。このバイオチップ「AmpliChip P450」はAffymetrix社製で18merから22merの8000種類以上のプローブが固定されている。このバイオチップを用いてシトクロムP450のうち、CYP2D6(34種類)とCYP2C19(2種類)の多型を調べることが可能である。
このように、研究段階で用いられていたバイオチップがより完成された形で臨床、治験、創薬、検診などで用いられるようになりつつあり、それにともない、より対象を絞ったフォーカス・アレイが求められるようになってきている。
フォーカス・アレイは数を絞ったアレイであり、今まで用いられていたような広域のスクリーニングを対象としたアレイとは異質なものである。しかしながら、検出系の都合などによりアレイの大きさは従来のものと同じであることが大半で、無駄な部分が多く、また価格もあまり下がらないのが現実である。
バイオチップとターゲットを含む溶液(ハイブリダイゼーション溶液)とを反応させる方法として、伝統的にはスペーサーを持ったカバーガラスを置き、カバーガラスとバイオチップとの間に毛細管現象を利用してターゲット溶液を注入し、ハイブリダイゼーションを行う方法がある。また、バイオチップを直接ターゲット溶液につけ、ハイブリダイゼーションを行う方法(例えば、ハイブリ君、日立ソフトウェアエンジニアリング)や、バイオチップ上に空間を持ったシールを貼り付け、その空間へターゲット溶液を流し込み、ハイブリダイゼーションを行う方法もある(例えば、ハイブリダイゼーション用チャンバー HybriWell Sealing System、フナコシ)。しかしこれらの方法は、基本的には1枚のバイオチップを使って1検体を検査する方法であり、実際に検査等に用いる場合、検体数は多いが見たい分子は数十種類というのが大半である。このような状況に対し、非常に多数のプローブが並んだアレイを用いるのは無駄が多い。また、プローブ数を絞ったフォーカスアレイを作製したとしても、既存の測定装置やハイブリダイゼーション装置を用いるなら、バイオチップの大きさはそのままであることが望ましい。このような場合、バイオチップの大半の部分が使われないので、資源の浪費を招き、さらに省コスト化の妨げとなってしまう。
このような方法に代わるものとして、1枚のバイオチップを仕切りで区切り、それぞれの空間に異なるサンプルを流し込んでハイブリダイゼーション反応を行う方法が提案されている。例えば、Affymetrix社のバイオチップを格子状に区切りものや(Zarrinkar, P. et al., Arrays of Arrays for High-Throughput Gene Expression Profiling. Genome Research 1256 (2001))、オリンパス社の溝状、つまりキャピラリ構造を持つ区切り(特許文献1,OLYMPUS)などが提案されている。このような区切りを使ってバイオチップを区切ることで、1枚のバイオチップを有効に利用することができ、省資源化やコストダウンに大いに貢献する。
このような区切りは粘着性のシールや、PDMS(polydimethylsiloxan)素材(やわらかく、自己吸着性があるシリコン・ポリマー)などでできており、ハイブリダイゼーション反応が終了した後、容易にはがせるような形態のものがほとんどである。しかしながら、容易にはがせるようにしているため、ハイブリダイゼーション時に溶液がもれ出てしまうこともある。例えその確率が低いものであっても、液漏れが生じるような系では臨床検査等に用いることは困難である。
1枚のバイオチップを複数の領域に区画し、利用することはバイオチップを有効活用する上で非常に重要であるが、いくらそのような利点があってもより高い精度や安全性が求められる臨床検査等で液漏れが生じうる系を採用することはない。
特開平11-75812号公報
本発明の目的は、区画間の液漏れ状況を判定し、個々の検査結果の健全性を保証する方法を提供することにある。より詳しくは、各区画を区切る仕切りとバイオチップが接する領域にもプローブをスポットし、そのプローブを液漏れ検知プローブとして利用することで液漏れを検知することができるアレイに関する。さらに詳しくは、その液漏れ検知プローブとしてはそのプローブと最も近い検出プローブを用いる液漏れ検知アレイに関する。
本発明の一つの態様において、プローブ固相化反応アレイであって、
基板と区画区切り基材によって形成された流路と、
前記基板上の流路に固相化された検出プローブと、
前記基板上の基板と区画区切り基材との付着面に固定化された液漏れ検知プローブと、
を備えていることを特徴とするプローブ固相化反応アレイを提供する。
また、上記プローブ固相化反応アレイであって、前記プローブは、基板に直接固定化されていることを特徴とするプローブ固相化反応アレイを提供する。
さらに、上記プローブ固相化反応アレイであって、前記プローブは、基板に間接的に固定化されていることを特徴とするプローブ固相化反応アレイを提供する。
さらに、プローブ固相化反応アレイであって、前記プローブは、核酸、タンパク質、抗体または抗原からなるプローブ群から選択される一以上のプローブであることを特徴とするプローブ固相化反応アレイを提供する。
さらに、プローブ固相化反応アレイであって、前記プローブは、核酸プローブであることを特徴とするプローブ固相化反応アレイを提供する。
さらに、プローブ固相化反応アレイであって、前記液漏れ検知プローブは、前記流路に固相化された検出プローブと同じプローブであり、かつ固定化された検出プローブと最も近い位置で、基板と区画区切り基材との付着面に固定化されていることを特徴とするプローブ固相化反応アレイを提供する。
本発明のプローブ固相化反応アレイは、プローブ固相化反応アレイであって、基板と区画区切り基材によって形成された流路と、記基板上の流路に固相化された検出プローブと、基板上の基板と区画区切り基材との付着面に固定化された液漏れ検知プローブとを備えていることを特徴とする。
以下、本発明の一態様にかかるプローブ固相化反応アレイについて、反応部がキャピラリー形状のアレイを例にしてその一実施形態を説明する(図1)。
図1に示すように、本発明のプローブ固相化反応アレイは、基板101に対し、実際の検査に用いる検査プローブ群103と、液漏れ検知に用いる液漏れ検知プローブ群104とを、互いに並行してスポットしてある。これら2種類のプローブ群には、スポットされている位置以外に差はない。
ここで、本明細書において使用される「プローブ」は、解析する項目により、プローブとしてDNA、RNA等の核酸だけでなく、タンパク質およびその他の物質をプローブとして使用することができる。たとえば、ペプチド、抗原または抗体、あるいはその組み合わせを使用することができる。その場合、検出すべき標的物質に特異的に結合する物質をプローブとして使用する。たとえば、抗原をプローブと使用したときは、その抗原に特異的に結合する抗体を検出することができる。解析する項目により、キャピラリー毎に使用するプローブを変更し、所望のプローブを所望の配置で基板に固定すればよい。使用するプローブは、当業者であれば解析項目に応じて容易に選択することが可能であろう。好ましいプローブは、核酸プローブである。
本明細書において使用される「核酸」の語は、天然に存在する種々のDNAおよびRNA、並びにペプチド核酸、モルホリノ核酸、メチルフォスフォネート核酸およびS-オリゴ核酸などの人工的に合成された核酸類似体などを指す。
また、上記「標的物質」の語は、プローブにより検出されるべき物質をいう。たとえば、核酸、タンパク質などが含まれ、より詳細には、ペプチド、抗原および抗体なども含まれる。一般的に、核酸プローブであれば、標的核酸に相補的な塩基配列を有するように設計される。また、標的物質が抗原であれば、該抗原に特異的に結合可能な抗体がプローブとして使用される。被検試料に含まれる被検核酸が標的配列が有する塩基配列を有している場合には、核酸プローブと標的配列の間にハイブリダイゼーションが生じる。したがって、このハイブリダイゼーションを検出することにより被検試料に含まれる核酸を解析することが可能である。ハイブリダイゼーションの検出はそれ自身公知の手段により行ってよい。
また、上記「被検試料」の語は、生物個体から採取した細胞、組織、臓器、血液、血清、リンパ液、組織、毛髪および耳垢などの生物試料を所望に応じて調製した試料や、人工的に合成または製造した物質を含む試験に供したい試料をいう。また、「被検試料」は必要に応じて、生物試料をホモジネートおよび抽出などの必要な任意の前処理を行って得た試料であってもよい。このような前処理は、対象となる生物試料に応じて当業者によって選択され得るであろう。
上記「個体」の語は、ヒト、イヌ、ネコ、ウシ、ヤギ、ブタ、ヒツジ、及びサルを含む任意の哺乳動物、並びに植物および昆虫など哺乳動物以外の生物を示す。 解析項目の種類としては、プローブと標的物質のハイブリダイゼーションまたは結合を検出することによって解析を行うものであれば、どのような解析であってもよい。たとえば遺伝子発現頻度解析、遺伝子多型解析、タンパク質発現頻度解析またはこれらを組み合わせた解析などがあげられる。
また、検査プローブおよび液漏れ検知プローブは、用途に合わせて種々の大きさに設定することができるが、実用的には幅が10μm〜数mm、深さ1μm〜500μm、長さ数mm〜100mm、キャピラリー間隔10μm〜数mm程度で充分である。
また、液漏れ検知プローブの数としては、ハイブリダイゼーションに用いられる区画にスポットされている全プローブを用いることが望ましいが、手間やコスト、面積の問題などから数種類のもに代表させてもよい。例えば、001から100までの100種類のプローブが直線状にスポットされているようなバイオチップにおいては、001、010、020、…、100と11種類のプローブで十分である(ただしこのとき、バイオチップはスライドグラス程度の大きさであるとする)。
また、例えば、前述した直線状に100種類のプローブが並行して4列スポットしたものを同じく溝を掘った仕切りで区画するような場合、全体で7列同様の直線状スポットを行えば、そのうち3本を液漏れ検知プローブとして用いることができる(図3および4を参照)。このとき、液漏れ検知プローブとして100種類すべてを使用してもよいが、多くのスポッティング装置の場合、001から順番に1列ずつスポットするようなことはせず、001を7点、次に002を7点と同じプローブを繰り返しスポットしていく。また、スポッティングのパターンは、プローブごとに変えるよりも同じものを用いたほうが、装置の処理上の面倒がなく間違いも少ない。一見ムダに多く液漏れ検知プローブをスポットしているように見えても、バイオチップ作製上こちらのほうが有利である。
また、上記液漏れ検知プローブは、ハイブリダイゼーションに用いられる区画にスポットされているものを利用しているが、これは新たに別のプローブを用意する手間やコストを下げるためである。このような手間やコストを惜しまないのであれば、別途検出プローブを用意しても構わない。
基板に対するプローブのスポッティングは、たとえば、Stanford方式のバイオチップにおいてオリゴDNAを用いる一般的な方法として、アミノ基で修飾されたオリゴDNAを基板上に固定化する方法がある。アミノ基で修飾されたオリゴDNAを結合できる基板は数多く市販されている(例えば、TaKaRa-Hubble Slide Glass,TaKaRa)。この基板に対して専用のスポッティング・バッファーに希釈されたアミノ基修飾オリゴDNAをスポットするだけでよい。スポッティングは室温で行われる。スポッティング後、基板に固相化されなかった余剰のオリゴDNAを洗浄除去し、スポットされた部分以外にターゲットが付着しないようにブロッキングを行う。
スポット方法としては、さまざまな様式があるがピンなどにスポッティング溶液を付着させて基板に接触させることでスポットを行う方式(SPBIO 2000、日立ソフトウェアエンジニアリング)や、インクジェットを用いて非接触でスポットを行う方式(Piezorray,PerkinElmer)などがある。これらの方法はStanford方式でのバイオチップ作製方法であるが、半導体製造技術に用いるフォトリソグラフィックな手法などを用いて基板上で逐次プローブを合成していくAffymetrix方式でのバイオチップ作製方法もある。どちらの方式を用いてバイオチップを作製しても構わない。
一方、スポットは、プローブ群103、104の列に直行して順に行得ことが好ましい。例えば、プローブ(001)102をスポットし、続けてプローブ(002)、プローブ(003)、…とスポットすることができる。このようにスポットすることで、プローブ交換時の洗浄などによる手間が大幅に削減されるであろう。この際、液漏れ検知プローブ群104は、図2に示す区画区切り基材110の仕切り部分のバイオチップに密着する部分、すなわち液漏れ検知エリア109(区画区切り基材105のうち、キャピラリ・レーン108以外の部分)に配置される。
また、プローブを固定する手段は、上記の方法に限定されず、当業者に既知のいずれの方法を使用することもできる。たとえば、基板には、プローブを固相化するために適切な表面処理、たとえば、ポリLリジン処理、アミノシラン処理および酸化膜処理等の表面処理を行うことが可能である。
さらに、固定化するプローブは、ビーズにあらかじめ固定化されたプローブを使用するなど、間接的に固定化されてもよい。この場合、プローブが固定化されたビーズを基板に固定化することとなる。このようなビーズに所望の核酸プローブを固相するためのプローブ供給手段は、基体の材料により、それ自身公知の何れかの手段を使用することができる。公知の手段を、立体状基体または粒状基体の曲面、特に球面に適用し得るように改良することが可能である。たとえば、曲面体に加工を施した基体上に核酸プローブを配するためには、光固相方式および点着方式の2つの手法を適宜組み合わせて用いることによって曲面の部分領域に対して定量的に核酸プローブを固相することが可能となる。上記ビーズを線上に固定する手段は、上記の方法に限定されず、当業者に既知のいずれの方法を使用することもできる。たとえば、上記線状スポッティング装置によって、プローブの代わりにプローブが固定化されたビーズを使用して固定化することができる。
次に、本発明のプローブ固相化反応アレイの区画区切り基材105および110には、流路が形成されている。図2は、本発明のプローブ固相化反応アレイの断面図であるが、図2には、検査レーン108として示してある。アレイに形成される流路は、どのような形状(たとえば、長さ、向き、および形状)で形成されていてもよいが、プローブ基板101に固相化された検査プローブ群103に対応するように配置される。また、流路108は、キャピラリー形状に形成することができる。流路のサイズは、用途に合わせて種々の大きさに設定することができるが、実用的には幅が10μm〜数mm、深さ1μm〜500μm、長さ数mm〜100mm、キャピラリー間隔10μm〜数mm程度で充分である。ただし、反応の効率性を考えると、測定対象となるmRNA、またはmRNAから合成または逆転写したcDNAなどの核酸の拡散速度は毎秒数μmと遅いので、流路の空間の断面形状は、幅を広くしても深さは浅くするような扁平構造をとることにより、反応時間の短縮、試料の微量化、観察視野の増加等が期待できる。また、区画区切り基材105は、基板上の液漏れ検知プローブが固定された部分(液漏れ検知エリア)を基板との接触面とするように構成される。画区切り基材105の構造は、基板に対する検査プローブ群および液漏れ検知プローブ群に応じて、当業者であれば適切な形状に作製することができるであろう。
また、区画区切り基材105は、たとえば図3に示したように、流路に溶液入出口106として開口部を設けおくことが好ましく、通常、開口部は流路の末端に設けられることが好ましい。
以下、本発明のプローブ固相化反応アレイをその製造方法と共にさらに詳細に説明する。
本発明のプローブ固相化反応アレイは、たとえば図2に示したように、区画区切り基材110を使用して、該区画区切り基材110に溝を形成することによって作製することができる。すなわち、基板101と同じ大きさの区画区切り基材110を用意し、区画区切り基材110にエッチングにより溝を形成する。次いで、基板101と区画区切り基材110を接合することによって、アレイに流路を形成することができる(図2)。
一方、区画区切り基材110の流路を形成する方法を以下に説明する。
区画区切りによる分画
チップ上を区切る区切りとしていくつか提案されている。Affymetrixのバイオチップ(Stanford方式のバイオチップにも適応可能)を格子状に区切るものがいくつか提案されているし(Zarrinkar、P. et al.、Arrays or Arrays for High-Throughput Gene Expression Profiling。 Genome Research 1256 (2001))、溝状に加工された区切りも多く提案されている(特開平11-75812)。
例えば後者の溝状に加工された区切りは、PDMS(polydimethylsiloxan)素材により作製されたもので、PDMS素材の特徴としてはやわらかく、自己吸着性があり、特殊な接合プロセスを必要としないことがあげられる。このような素材でできた流路は、通常のガラス・スライドやシリコン基板上にスポットされたバイオチップに貼り付けるだけでよく、特殊な接合が必要ないため、容易に利用可能である。
PDMS素材の他にも、シリコンや金属、ガラス、プラスチック等でできた流路を接着剤などを用いて基板上に接合して流路を形成してもよい。また、くぼみを持ったシールを貼ることで流路を形成させることも可能である。ガラスやシリコンウエハ様の基板では、たとえば、フォトリソ−エッチングなどの技術により溝および貫通穴を形成することが可能である。また、プラスチック樹脂やゴムなどの場合には機械加工やモールド加工などにより溝および貫通穴を形成することが可能である。
さらに、本発明のプローブ固相化反応アレイは、上記基板101に区画区切り基材105の区画区切りを貼り付けることによって作製される。このとき、検査プローブが基板101と区画区切り基材110の溝によって形成された検査レーンに配置されるように貼り付ける。また、基板上の液漏れ検知プローブが固相化された部分が、区画区切り基材110との付着面となるように貼り付ける。特に、キャピラリー形状のアレイであれば、図2に示したように、キャピラリー形状の区画区切り基材110を、キャピラリ・レーン107が検査プローブ群103と重なるように基板101へ密着・設置させる。こうして完成された検査チップが完成される。この検査チップ(図4)にはサンプル(ターゲット)溶液を注入し、検査を行う検査レーン108と各検査レーン108の溶液が漏れ出していないかどうかを検知するための液漏れ検知エリア109があり、両者により健全な検査が行われる仕組みになっている。
上記の例では、区画区切り基材105に溝を形成したが、基板101に形成してもよいし基板101と区画区切り基材105の両方に溝を形成していてもよい。また、基板の材料として、プローブを固相化する基板101にはガラス製基板を使用し、溝を形成する区画区切り基材105にはPDMS素材を使用したが、これに限定されるものではなく、蓋として用いる基板にシリコン基板を使用し、溝を形成する基板にガラス製基板を使用してもよい。また、使用される2枚の基板を同じ材質としてもよい。また、観察の方向に透過性部材が配置されるように、使用する部材を決定してもよい。あるいは、プラスチック樹脂やゴムなどで形成された基板を使用してもよい。また、これらの材質、ガラス、シリコン、プラスチック樹脂およびゴムなどの材質で形成された基板を組み合わせて使用してもよい。また、上記の例では基板として板状の基板を使用しているが、これに限定されるものではない。
このように形成したプローブ固相化反応アレイを使用して、それぞれの反応部に具備されるプローブに適した反応条件でハイブリダイゼーションが行われる。ハイブリダイゼーション条件は、たとえば、それぞれのキャピラリー毎に温度管理をしてもよい。また、全ての反応部を一定の温度に維持してイオン濃度および塩濃度によって至適反応条件を得てもよい。
本発明のプローブ固相化反応アレイは、Affymetrix方式およびStanford方式のバイオチップと同様に使用することができる。たとえば、本発明のプローブ固相化反応アレイを使用して、以下の実施例に示したように、ハイブリダイゼーションを検出することができる。
以下、本発のプローブ固相化反応アレイの使用方法の一態様について説明する。
ハイブリダイゼーション
ハイブリダイゼーションの手法は非常に多数あるが、そのうち既にサンプル(ターゲット)がラベリングされているものをハイブリダイズさせる方法がよく用いられる。この方法では、サンプル(ターゲット)をあらかじめ蛍光色素などでラベリングし、その溶液をさらにハイブリダイゼーションに適したハイブリダイゼーション・バッファーに希釈する。このようにしてできたハイブリダイゼーション溶液を区画区切り基材105上の溶液入出口106のどちらか一方から検査レーン108へと注入する。注入後、加温・攪拌などを行った後、検査レーン108内もしくは区画区切り基材105をはがして洗浄液による洗浄を行い乾燥させる。これにより、サンプル(ターゲット)は特異的にプローブと結合する。
アレイスキャナーによる検出
アレイスキャナー(例えば、GenePix 4000B,Axon)による検出は検査プローブ群103、および液漏れ検知プローブ群104の双方に対して行われる。蛍光色素で修飾されたサンプル(ターゲット)を検出する場合には蛍光色素に適した波長の光で励起し、蛍光を観察することでスポット画像を検出する。1枚の電子画像で取得されたものに対し、スポットの検出を行い、その輝度を数値化する。もし、液漏れが生じていれば液漏れ検知プローブ群104のスポットが検出される。
検出結果の健全性確認
アレイスキャナーで検出された結果をもとに、検査結果の健全性を確認する。その方法としては液漏れ検知エリア109内のスポット輝度がバックグラウンド・ノイズよりも高い(〜2倍以上)場合、液漏れが起こっていると判定し、その両端の検査レーン108の検査結果を信頼なしとして破棄する。もし、検査レーン108の隣り合う液漏れ検知エリア109の両方のスポット輝度がバックグラウンド・ノイズより有意に高くない(2倍未満)なら、液漏れは生じておらず検査レーン108は汚染されていないと判定され、検査結果は健全として採用される。
以下、本発明のプローブ固相化反応アレイを作成する方法およびその使用態様の一例を実施例によって説明する。
プローブ固相化反応アレイの作製
オリゴDNAマイクロアレイの基板としてはHubble Slide Glass (TaKaRa)を用い、この基板に対するスポット推奨バッファーであるSolution I (TaKaRa)を用いてアミノ化オリゴ(プローブ・オリゴ)(SIGMA Genosis)を適正濃度へ希釈し、スポットを行った。スポット溶液の組成詳細を以下に示す。
スポット溶液
5'−アミノ化オリゴ (23mer、100μM) 1μl (final conc. 10μM)
Solution I (×4) 2.5μl
MilliQ 6.5μl
total 10μl
スポット方法としては、上記スポット溶液を市販の糸ようじに含ませ、ガラス基板上に押し付ける形でスポッティングを行った。湿度は〜40%程度で、含ませたスポット溶液が乾燥しないように手早くスポッティングを行った。
スポット後の後処理は、Hubble Slide Glass (TaKaRa)の標準プロトコルに従った。以下にHubble Slide Glassの標準プロトコルの一部を示す。
Hubble Slide Glass − DNAの固定化処理例
1. チップ作製装置にてアミノ基を付加したDNAをスライドガラスにスポットする。
2. スライドガラスを0.2% SDSで2分間洗浄する。
3. ミリQ水で2回洗浄する。
4. 0.3N NaOHで5分間洗浄する。
5. ミリQ水で2回洗浄する。
6. 沸騰水(ミリQ水)中で2分間煮沸する。
7. 冷エタノール(4℃)に3分間浸漬する。
8. 遠心または圧縮窒素ガス等で水分を除去し乾燥する。
後処理の終わったマイクロアレイに、キャピラリ・カバー(図4参照、OLYMPUS)を付着させ(図1参照).ハイブリダイゼーション溶液をキャピラリ・レーンへ流し込み,ハイブリダイゼーションを行った.マイクロアレイは事前に加熱(50℃)しておき、ハイブリダイゼーション溶液も加熱(50℃)してある。ハイブリダイゼーションのインキュベーション条件は50℃-30分で,乾燥を防ぐために水を含まれた吸湿紙とともに,密閉可能な容器に入れインキュベーションを行った.ハイブリダイゼーション溶液の詳細な組成は以下のとおりである.
ハイブリダイゼーション溶液
5'−Cy3修飾オリゴ (46mer、10nM) 1μl (10fmol)
5'−Cy5 修飾オリゴ (23mer、10nM) 1μl (10fmol)
2×SSC、0。4% SDS Buffer 10μl
MilliQW 9μl
total 20μl
上記Cy3、Cy5修飾オリゴは、スポットされたプローブ・オリゴと特異的にハイブリダイゼーションするターゲット・オリゴである。
ハイブリダイゼーション反応の後、ハイブリダイゼーション溶液を吸引除去し、キャピラリ・ラバーをはがし、すばやく50℃に加温しておいた大過剰の洗浄溶液中に浸し、穏やかに5分間すすぐ。洗浄溶液の組成は以下のとおりである。
洗浄溶液
0.1×SSC、0.1% SDS Buffer 大過剰 (50℃)。
続いて洗浄溶液を取り除くために、大過剰のMilliQW (室温) 中で穏やかに1分間すすいだ。MilliQWから取り出した後、遠心または圧縮窒素ガス等で水分を除去した。乾燥後、マイクロアレイ・スキャナー(GenePix 4000B (AXON))を用いて検出した。PMTレンジは励起波長635nmでは700V、励起波長532nmでは600Vに設定した。
図6は、本発明のプローブ固相化反応アレイによる結果である。図6では、検査レーン301内のスポットが検出されている.液漏れ検知エリア(液漏れなし)303ではスポットが検出できない。従って、隣り合う検査レーンの溶液が漏れていない(もしくは,影響がない程度)ことが分かる。逆に液漏れ検知エリア(液漏れあり)302ではスポットが検出され、隣り合うどちらかの検査レーンから液漏れが生じ、これら検査レーンの検査結果が信頼できないと言える。設定されたスキャナーの感度で液漏れ検知エリアのスポットが少しでも検出されれば、隣り合う検査レーンの検査結果を破棄することが望ましい。
本発明のプローブ固相化反応アレイの一態様のプローブ固相化位置を示す図。 図1のプローブ固相化反応アレイの断面を示す図。 本発明のプローブ固相化反応アレイの一態様を示す図。 本発明のプローブ固相化反応アレイの一態様を示す図。 20連キャピラリ・ラバーを用いた本発明のプローブ固相化反応アレイの一態様を示す図。 8連キャピラリ・ラバーを用いた本発明のプローブ固相化反応アレイによる結果。
符号の説明
101・・・基板
102・・・プローブ(001)
103・・・検査プローブ群
104・・・液漏れ検知プローブ群
105、110・・・区画区切り基材(キャピラリ・カバー)
106・・・溶液入出口
107・・・キャピラリ・レーン
108、301・・・検査レーン(流路)
109・・・液漏れ検知エリア
302・・・液漏れ検知エリア(液漏れあり)
303・・・液漏れ検知エリア(液漏れなし)

Claims (6)

  1. プローブ固相化反応アレイであって、
    基板と区画区切り基材によって形成された流路と、
    前記基板上の流路に固相化された検査プローブと、
    前記基板上の基板と区画区切り基材との付着面に固定化された液漏れ検知プローブと、
    を備えていることを特徴とするプローブ固相化反応アレイ。
  2. 請求項1に記載のプローブ固相化反応アレイであって、前記プローブは、基板に直接固定化されていることを特徴とするプローブ固相化反応アレイ。
  3. 請求項1に記載のプローブ固相化反応アレイであって、前記プローブは、基板に間接的に固定化されていることを特徴とするプローブ固相化反応アレイ。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載のプローブ固相化反応アレイであって、前記プローブは、核酸、タンパク質、抗体または抗原からなるプローブ群から選択される一以上のプローブであることを特徴とするプローブ固相化反応アレイ。
  5. 請求項4に記載のプローブ固相化反応アレイであって、前記プローブは、核酸プローブであることを特徴とするプローブ固相化反応アレイ。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載のプローブ固相化反応アレイであって、前記液漏れ検知プローブは、前記検査プローブと同じプローブであり、かつ該検査プローブと最も近い位置で、基板と区画区切り基材との付着面に固定化されていることを特徴とするプローブ固相化反応アレイ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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CN113324813A (zh) * 2021-05-27 2021-08-31 江西烈冰生物科技有限公司 一种基于高密度点阵的生物探针点样方法及工艺

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