JP2008263870A - 可視化バイオチップ - Google Patents

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Abstract

【課題】従来のバイオチップを用いたDNA、RNA等の分析を、目で見てわかりやすく改良する可視化バイオチップの提供。
【解決手段】ターゲットとなるDNA等の生体分子が、視覚的に判別できる記号を構成するように、担体上に固定化されてなる生体分子固定化担体に、被検試料を接触させる工程、および固定化された生体分子に被検試料に含まれる生体分子が相互作用した結果、担体上に現れる記号を検出する工程を含む、被検試料を分析する方法。
【選択図】なし

Description

本発明は、生体分子を対象としたバイオチップを用いる試験結果を記号で可視的に検出する方法、およびそのためのバイオチップに関する。
多彩な生物の遺伝子や蛋白質等の生体分子の機能を効率的に解析するための技術開発が進んでおり、その解析手段として、DNAチップやプロテインチップなどのバイオチップが利用されている。バイオチップは通常、スライドガラス等の担体に多数の生体分子を整列固定化させたマイクロアレイの形態にあり、バイオチップに固定化されている生体分子と相互作用する生体分子をバイオチップ上に固定化し、検出する方法に利用される。検出手段としては、生体分子試料に予め結合させた蛍光標識あるいは放射性標識を利用する方法、そして生体分子に取り込まれる蛍光発生基もしくは導電性基を持つインターカレータを利用する方法などが知られている。
また、担体上に固定化したDNAを伸長させ、被検試料に含まれるDNAと相補的な蛍光標識化DNAを増幅させ、これを検出する方法も報告されている(MPEX法:Multiple Primer Extension on a Chip)(特許文献1)。
しかし、上記のような従来のバイオチップにおいては、蛍光スキャナーなどの高価な装置を用いて標識に由来するシグナルを読みとることにより検出が行われており、専門的な機関以外で検出を行うのは困難であった。
また、従来のバイオチップにおいては、生体分子を整列してスポッティングすることにより固定化させるのが通常であり、シグナルがどのスポット位置から得られているかを検出し、その位置にあらかじめ固定化されていた生体分子の情報と照らし合わせることにより、検出が行われていた。従って、シグナル検出位置と固定化生体分子の位置との照らし合わせが必要であり、わかりやすい検出方法とはいえなかった。
WO2006/062009
本発明は、従来のバイオチップを用いた分析を、わかりやすく改良することを目的とする。
本発明者らは、上記課題を解決すべく、鋭意検討を行った結果、記号を構成するように生体分子を担体上に固定化することにより、わかりやすい検出が可能になることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち、本発明は以下の発明を包含する。
(1)生体分子が記号を構成するように担体上に固定化されてなる生体分子固定化担体に、被検試料を接触させる工程、および
固定化された生体分子に被検試料に含まれる生体分子が相互作用した結果、担体上に現れる記号を検出する工程を含む、
被検試料を分析する方法。
(2)プローブDNAが記号を構成するように担体上に固定化されてなるDNA固定化担体に、被検核酸試料を接触させる工程、および
プローブDNAに被検核酸試料に含まれるターゲットDNAまたはターゲットRNAが相互作用した結果、または被検核酸試料に含まれるターゲットDNAまたはターゲットRNAと相互作用したプローブDNAが伸長した結果、担体上に現れる記号を検出する工程を含む、
被検核酸試料を分析する方法。
(3)プローブDNAに相互作用したターゲットDNAもしくはターゲットRNA、または伸長したプローブDNAに標識が付されており、
該標識部分で生じた信号により担体上に記号が現れる、(2)記載の方法。
(4)a)プローブDNAが記号を構成するように担体上に固定化されてなるDNA固定化担体に、被検核酸試料を接触させる工程、
b)さらにDNA伸長用酵素およびヌクレオチドモノマーを含む試料が導入された反応系でDNAの伸長反応を行う工程、
c)ターゲットDNAまたはターゲットRNAとアニールしたプローブDNAが伸長した結果、担体上に現れる記号を検出する工程を含む、
被検核酸試料を分析する方法。
(5)b)の工程におけるヌクレオチドモノマーを含む試料が、少なくとも1種の標識ヌクレオチドモノマーを含み、
c)の工程において、伸長したプローブDNAに取り込まれた標識ヌクレオチドモノマー部分で生じた信号により担体上に記号が現れる、
(4)記載の方法。
(6)担体が、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基板である、(2)〜(5)のいずれかに記載の方法。
(7)基板の第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基のいずれかである、請求項(6)記載の方法。
(8)前記プローブDNAが、所定の着目遺伝子の特徴配列を含む塩基配列の一塩基を他の塩基に置き換えたDNAである、(2)〜(7)のいずれかに記載の方法。
(9)ターゲットDNAが、所定のRNAを逆転写酵素で処理して得られるcDNAである、(2)〜(8)のいずれかに記載の方法。
(10)生体分子が記号を構成するように担体上に固定化されてなる生体分子固定化担体。
(11)生体分子がDNAである(10)記載の固定化担体。
(12)担体が、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基板である、(10)または(11)記載の固定化担体。
(13)基板の第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基のいずれかである、(12)記載の固定化担体。
本発明により、バイオチップを用いた分析が、専門家以外の人にもわかりやすく容易に実施できる。
一実施形態において本発明は、
生体分子が記号を構成するように担体上に固定化されてなる生体分子固定化担体に、被検試料を接触させる工程、および
固定化された生体分子に被検試料に含まれる生体分子が相互作用した結果、担体上に現れる記号を検出する工程を含む、
被検試料を分析する方法に関する。
本明細書において生体分子には、ペプチドおよび核酸が包含される。ペプチドには、蛋白質、ポリペプチドおよびオリゴペプチドが包含される。核酸には、DNAおよびRNAが包含される。DNAには一本鎖DNAおよび二本鎖DNAが包含される。本発明において生体分子は好ましくは核酸である。
本明細書において生体分子が記号を構成するように担体上に固定化されるとは、同種の生体分子が識別可能な図を描くように担体上に固定化されていることをさす。同種の生体分子が、直線上や曲線上に固定化されており、その直線や曲線が記号を描く場合などが包含される。同種の生体分子が複数のスポットに固定化され、それら複数のスポットが集合して記号を構成する場合も包含される。
ここで、同種の生体分子とは、分析の目的において同種であることを意味し、全く同一の種類である場合に限られない。分析の目的において、同種の生体分子と相互作用する生体分子群もまた、同種の生体分子に包含される。分析の目的において、同種の生体分子と相互作用する生体分子群には、例えば、生体分子としてプローブDNAを担体に固定化する場合、同じターゲットDNAまたはRNAとハイブリダイズするプローブDNA群や、同じターゲットDNAまたはRNAとアニールしこれを鋳型として伸長可能なプローブDNA群などが包含される。
固定化のパターンにおいて、担体上における位置でしかそこに固定化されている生体分子の種類、または被検試料に含まれる生体分子が相互作用した生体分子の種類を認識できない場合は、記号を構成している場合に含まれない。すなわち、どの位置にどの種類の生体分子を固定化したかという情報を参照しなければ、特定の位置に固定化されている生体分子の種類、または被検試料に含まれる生体分子が相互作用した生体分子の種類を認識できない場合も、記号を構成している場合に含まれない。例えば、生体分子が単一のスポットとして固定化されている場合、同種の生体分子の複数のスポットが単に整列して固定化されている場合、複数のスポットが単に位置決めされて固定化されているに過ぎない場合などは、記号を構成しているとはいえない。
異なる種類の生体分子とは、蛋白質と核酸のような種類が異なることをさすというよりは、上記のとおり、分析の目的において異なる種類であることを意味する。従って、検出対象として区別したい生体分子の種類が異なることを意味する。あるいは、固定化される各生体分子が検出対象とする生体分子が、分析の目的において区別されるものであることを意味する。例えば、結合対象が異なる蛋白質や、ハイブリダイズする塩基配列が異なる核酸などをさす。
生体分子の複数のスポットが整列して固定化されている場合であっても、上記の意味において異なる種類の生体分子がそれぞれ整列して担体上に固定化されており、固定化のパターンにおいて担体上における位置以外の要素によって、そこに固定化されている生体分子の種類を認識できる場合は、それぞれのスポット群が記号を構成しているとみなすことができる。例えば、生体分子の種類によって整列する形態、例えば整列する密度や形状が異なっている場合が挙げられる。また、例えば、同種の生体分子が複数の整列したスポットとして固定化されており、それと別種の生体分子が単一のスポットとして固定化されている場合なども、それぞれが記号を構成しているとみなすことができる。
複数種の生体分子が担体上に固定化されている場合においては、異なる種類の生体分子は同一の担体上に固定化されていてもよいし、別々の担体上に固定化されていてもよい。本発明において固定化される生体分子の種類は担体上の位置によって識別されるものではないため、異なる担体上に固定化されていても認識可能だからである。
記号には、文字および数字も包含される。文字としては、特に制限されないが、アルファベット、ひらがな、カタカナ、漢字、およびその他の外国文字が包含される。数字としては、アラビア数字、漢数字、およびその他の外国数字が包含される。記号の具体例としては、例えば、○、●、◎、×、△、▲、▽、▼、□◇、*、+、−、/、※、☆、♪、←、↑、→、∽、♯などが挙げられるが、その他あらゆるものが包含される。生体分子を固定化することから、アラビア数字、○、▽、△、□◇、×、+、/および−などの簡易な記号であることが好ましい。上記のとおり、これらの記号がスポットの集合として、すなわち点線として形成されていてもよい。
被検試料としては、分析対象となる生体分子を含みうるものであれば特に制限されず、動物由来の試料も植物由来の試料も包含される。例えば、動物の体液(例えば、尿、涙、血液、血漿、血清、腹水、汗、リンパ液、髄液);動物および植物の組織および組織破砕物;動物および植物の細胞培養物、細胞懸濁液、細胞破砕物および細胞培養上清;これらの抽出物、例えば核酸抽出物および蛋白質抽出物;ならびにこれらから調製した核酸増幅産物(例えばPCR産物)等が挙げられる。
固定化された生体分子と被検試料に含まれる生体分子との相互作用としては、特に制限されないが、例えば、蛋白質間の相互作用、蛋白質とペプチドの相互作用、核酸間の相互作用、蛋白質と核酸の相互作用などが包含される。より具体的には、核酸相補鎖間のハイブリダイゼーション、抗原と抗体またはその断片との反応、酵素と基質または阻害剤の結合反応、リガンドとレセプターの結合反応、アビジンとビオチンの結合反応、核酸と転写因子の結合反応、細胞接着因子の結合反応、糖鎖と蛋白質の結合反応、脂肪鎖と蛋白質の結合反応、リン酸基と蛋白質の結合反応、補欠因子と蛋白質の結合反応などが挙げられ、好ましくは核酸間のハイブリダイゼーションである。核酸相補酸間のハイブリダイゼーションには、プローブ核酸とターゲット核酸とのハイブリダイゼーションおよびプライマーと鋳型核酸とのアニーリングが含まれる。
被検試料の分析は、特に制限されないが、被検試料に対象の生体分子が含まれるか否かの検出、対象生体分子の定量、ならびに生体分子間の相互作用の有無の検出および定量が包含される。
生体分子の相互作用の結果、担体上に表される記号を検出するとは、担体上に記号を構成するように固定化された生体分子に、被検試料に含まれる生体分子が結合した結果、または結合したことによって何らかの反応が起こった結果、担体上に当該固定化された生体分子が構成していた記号が確認できるようになることをさす。
本発明において、好ましくは、担体上に固定化される生体分子はプローブDNAであり、被検試料は、ターゲットDNAまたはターゲットRNAを含みうる被検核酸試料であり、生体分子間の相互作用は、核酸相補鎖間のハイブリダイゼーションである。被検核酸試料は、上記のような被検試料であって核酸を含むものをさし、好ましくは核酸増幅産物、例えばPCR産物である。ターゲットDNAには、所定のRNAを逆転写酵素で処理して得られるcDNAが含まれる。
従って一実施形態において本発明は、
プローブDNAが記号を構成するように担体上に固定化されてなるDNA固定化担体に、被検核酸試料を接触させる工程、および
プローブDNAに被検核酸試料に含まれるターゲットDNAまたはターゲットRNAが相互作用した結果、または被検核酸試料に含まれるターゲットDNAまたはターゲットRNAと相互作用したプローブDNAが伸長した結果、担体上に現れる記号を検出する工程を含む、
被検核酸試料を分析する方法に関する。
プローブDNAに被検核酸試料に含まれるターゲットDNAまたはターゲットRNAが相互作用した結果、担体上に現れる記号を検出する場合は、プローブDNAに、通常標識が付されたターゲットDNAまたはターゲットRNAがハイブリダイズし、標識が、プローブDNAが構成していたのと同じ記号を構成することにより、標識部分からの信号に基づき当該記号が検出できるようになる。ターゲットDNAまたはターゲットRNAにおける標識は、5'末端や3'末端に付されたものでもよいし、増幅の過程で標識ヌクレオチドモノマーが取り込まれることにより鎖中に付されたものでもよい。
被検核酸試料に含まれるターゲットDNAまたはターゲットRNAと相互作用したプローブDNAが伸長した結果、担体上に現れる記号を検出する場合は、プローブDNAにターゲットDNAまたはターゲットRNAが鋳型としてハイブリダイズ(アニールとも称する)し、DNA伸長用酵素によってプローブDNAが伸長する過程で、通常標識が付されたヌクレオチドモノマーが取り込まれ、標識が、プローブDNAが構成していたのと同じ記号を構成することにより、標識部分からの信号に基づき当該記号が検出できるようになる。すなわち、ここでプローブDNAはプライマーとして機能することになる。
本発明において標識としては、当技術分野で通常用いられるものを使用できるが、好ましくは最終的に目視で確認できる標識方法を用いる。例えば、標識が存在する部分において目視で確認できる信号、例えば、発色反応、発光反応または蛍光反応、好ましくは発色反応が生じるような標識方法を用いる。そのような標識方法としては、標識に信号を生じる物質を結合させて複合体を形成させ、信号を生じさせる方法が挙げられる。または、信号を生じる物質を標識として用いてもよい。
信号を生じる物質としては、酵素、例えば発色反応、発光反応または蛍光反応を生じさせるための酵素が挙げられる。例えば発色反応を生じさせる酵素の例としてアルカリホスファターゼ、β−ガラクトシダーゼ、ペルオキシターゼ等が用いられ、発光反応を生じさせる酵素として、ルシフェラーゼ、ペルオキシダーゼ等が挙げられ、また蛍光反応を生じさせる酵素としてはアルカリホスファターゼ、ペルオキシダーゼ、エステラーゼ等が挙げられる。これらの酵素の検出のためには、酵素の種類に対応して比色基質、発光基質、蛍光基質等が使用される。検出のための酵素、基質、検出反応等は常法に従って行うことができる。信号を生じる物質、例えば上記のような酵素に、標識と結合する物質を付しておくことにより、標識に信号を生じる物質を結合させることができる。例えば、標識がビオチンである場合、信号を生じさせる物質にアビジンやストレプトアビジンを付すことにより、信号を生じさせる物質を標識に結合させることができる。信号を生じさせる物質として、好ましくは、発色反応を生じさせる酵素、より好ましくはアルカリホスファターゼを用いる。信号を生じさせる物質として発色反応を生じさせる酵素を用いることにより、蛍光スキャナーなどの高価な装置を用いることなく、担体上の記号を目視で検出することが可能になる。本発明における標識方法は、これらに限定されるものではない。
また、一実施形態において本発明は、以下の工程:
a)プローブDNAが記号を構成するように担体上に固定化されてなるDNA固定化担体に、被検核酸試料を接触させる工程、
b)さらにDNA伸長用酵素およびヌクレオチドモノマーを含む試料が導入された反応系でDNAの伸長反応を行う工程、および
c)ターゲットDNAまたはターゲットRNAとアニールしたプローブDNAが伸長した結果、担体上に現れる記号を検出する工程を含む、
被検核酸試料を分析する方法に関する。
好ましくは、b)の工程におけるヌクレオチドモノマーを含む試料は、少なくとも1種の標識ヌクレオチドモノマーを含み、c)の工程において、伸長したプローブDNAに取り込まれた標識ヌクレオチドモノマー部分で生じた信号により担体上に記号が現れる。
例えば、dTTPの塩基の3位を標識したdUTPをヌクレオチドモノマーとして含ませることで、ターゲットDNAのアデニン(A)に対応する伸長(プライマー、すなわちプローブDNA)側の位置に標識dUTPが挿入される。これにより、伸長反応が生じたプローブDNAから形成されるDNAが標識されて、このDNAの検出を行うことができるようになる。なお、他のヌクレオチドモノマーを標識してもよく、また複数の種類の標識ヌクレオチドモノマーを含ませてもよい。
標識、信号および記号等については、既に述べたとおりであるが、ビオチン化またはジゴキシゲニン(DIG:ステロイド系天然物)を結合した核酸(例えば、ビオチン-dUTP、DIG−dUTP)を使用してプローブDNAを伸張させた後、アルカリホスファターゼまたは蛍光標識アルカリホスファターゼで処理し、ニトロブルーテトラゾリウム(NBT)と5−ブロモ−4−クロロ−3−インドリルリン酸(BCIP)液中で数時間反応させることによってDNAを検出する標識方法が好ましい。
プローブDNAにターゲットDNAがアニールする場合、DNA伸長用酵素は、DNAポリメラーゼまたはDNAリガーゼのいずれかを用いることができ、またプローブDNAにターゲットRNAがアニールする場合、DNA伸長用酵素は、逆転写酵素、またはDNAリガーゼおよび逆転写酵素の組合せのいずれかを用いることができる。また、DNAポリメラーゼの中でも、特に耐熱性細菌に由来するDNAポリメラーゼであるTaqDNAポリメラーゼ、TthDNAポリメラーゼ、PfuDNAポリメラーゼなどを用いることができる。
上記のようにプローブDNAを伸長する態様において、所定の着目遺伝子の特徴配列を含む塩基配列と相補的な配列を完全マッチ配列とするとき、プローブDNAをこの完全マッチ配列の一塩基を他の塩基に置き換えることで、SNP解析を行うことが可能になる(Martin Huber et al., Analytical Biochemistry 303, 25-33, 2002)。なお、プローブDNAは25塩基以内の長さを有するものを用いることが好ましい。
すなわち、ある着目遺伝子の特徴配列と一塩基だけミスマッチとなるDNAをプローブDNAとして担体の表面に固定化する。このとき、プローブDNAを、配列の種類によって異なる記号を構成するように区別して固定化する。この特徴配列を含むDNAをターゲットDNAとして用いて被検試料を接触させ、変性処理を行って、続いてアニール処理を行う。アニール処理によりターゲットDNAと二本鎖を形成したプローブDNAにだけ伸長反応が起こる。また、伸長反応を、標識されたヌクレオチドモノマーの存在下で行うことで、プローブDNAからの伸長反応により得られるDNAが標識され、洗浄後の基板に残った標識部分に生じた信号を検出することができる。そして、固定化されたプローブDNAの配列によって構成していた記号が把握されていることから、プローブDNAの配列およびアニールしたターゲットDNAを知ることができる。伸長反応が起こったプローブDNAの塩基配列に基づき、前記着目遺伝子の特徴配列を含むターゲットDNAに対する一塩基多型を解析することが可能になる。
生体分子を固定化する担体は、特に制限されず、当技術分野で公知のものを使用できる。例えば、白金、白金黒、金、パラジウム、ロジウム、銀、水銀、タングステンおよびそれらの化合物などの貴金属、およびグラファイト、カ−ボンファイバ−に代表される炭素などの導電体材料;単結晶シリコン、アモルファスシリコン、炭化ケイ素、酸化ケイ素、窒化ケイ素などに代表されるシリコン材料、SOI(シリコン・オン・インシュレータ)などに代表されるこれらシリコン材料の複合素材;ガラス、石英ガラス、アルミナ、サファイア、セラミクス、フォルステライト、感光性ガラスなどの無機材料;ポリエチレン、エチレン、ポリプロビレン、ポリイソブチレン、ポリエチレンテレフタレート、不飽和ポリエステル、含フッ素樹脂、ポリ塩化ビニル、ポリ塩化ビニリデン、ポリ酢酸ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルアセタール、アクリル樹脂、ポリアクリロニトリル、ポリスチレン、アセタール樹脂、ポリカーボネート、ポリアミド、フェノール樹脂、ユリア樹脂、エポキシ樹脂、メラミン樹脂、スチレン・アクリロニトリル共重合体、アクリロニトリル・ブタジエンスチレン共重合体、ポリフェニレンオキサイドおよびポリスルホンなどの有機材料等が挙げられる。担体の形状は、通常、基板状、フィルム状、またはシート状である。
生体分子を担体に固定化する方法は、特に制限されず、担体の種類および生体分子の種類に応じて、当業者であれば好適な方法を選択できる。固定化する生体分子がペプチドまたは蛋白質である場合には、担体表面にポリリジン等の高分子を塗布して固定化する方法、担体上で固相合成を実施することによりペプチド鎖を伸長する方法などを利用できる。固定化する生体分子が核酸である場合には、ポリ陽イオン(ポリリシン、ポリエチレンイミン等)で表面処理した担体表面に試料をスポッティングして、核酸の荷電を利用して担体上に静電結合させる方法が一般的に利用される。また、担体表面の処理方法として、アミノ基、アルデヒド基、エポキシ基等を有するシランカップリング剤を用いる方法も利用されている。この場合には、アミノ基、アルデヒド基等は、共有結合により担体表面に導入されるため、ポリ陽イオンによる場合と比較して安定に担体表面に存在する。
また、担体表面に生体分子と反応性の官能基を導入し、該官能基と生体分子との間で共有結合を形成させることにより、強固に固定化することもできる。このような官能基は、当業者であれば生体分子に応じて適宜選択することができ、特に制限されないが、例えば、アミノ基、カルボキシル基、ホルミル基、ヒドロキシル基、メルカプト基、カルボジイミド基、エポキシ基、活性エステル基、スルホ基、イミド基等が挙げられる。また、ニッケルキレート、コバルトキレート等の金属キレートを導入することも有効である。
生体分子としてプローブDNAを担体上に固定化し、これに被検核酸試料を接触させる態様において、担体は、好ましくはリン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基板である。
上記第一単位と第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基板は、発色反応を生じさせる酵素によって生じた色素を吸着する効果が高いことから、高感度の検出が可能になる。特に目視で確認する場合においては、多くの色素を吸着して発色が増大することは有利である。
また、上記第一単位と第二単位とを含む高分子物質は、DNAの非特異的吸着を抑制する性質とDNAを固定化する性質とを有する。特に、第一単位に含まれるリン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基はDNAの非特異的吸着を抑制する役割を果たし、第二単位に含まれるカルボン酸誘導基はプローブDNAを化学的に固定化する役割を果たす。すなわち、プローブDNAは、この高分子物質からなるコーティング層のカルボン酸誘導基の部位で共有結合して、当該基板の表面に固定化される。
第一の単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、好ましくはホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基である。
ホスホリルコリン基を含む第一単位は、例えば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホリルコリン基;2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン基および10−メタクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルコキシアルキルホスホリルコリン基;アリルホスホリルコリン基、ブテニルホスホリルコリン基、ヘキセニルホスホリルコリン基、オクテニルホスホリルコリン基、およびデセニルホスホリルコリン基等のアルケニルホスホリルコリン基;等の基を有し、ホスホリルコリン基がこれらの基中に含まれている構成とすることができる。
また、これらの基のうち、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。第一単位が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを有する構成とすることにより、基板表面におけるDNAまたはRNAの非特異的吸着をより一層確実に抑制することができる。
なお、ここでは基本骨格として下記式(a)に示すホスホリルコリン基である例を挙げたが、このホスホリルコリン基を下記式(b)のホスホリルエタノールアミン基、下記式(c)のホスホリルイノシトール基、下記式(d)のホスホリルセリン基、下記式(e)のホスホリルグリセロール基、下記式(f)に示したホスファチジルホスホリルグリセロール基などのリン酸基に置き換えてもよい(以下についても同様)。
Figure 2008263870
カルボン酸誘導体は、カルボン酸のカルボキシル基が活性化されたものであり、C=Oを介して脱離基を有するカルボン酸である。カルボン酸誘導体は、具体的には、アルコキシル基よりも電子求引性の高い基がカルボニル基に結合して求核反応が活性化された化合物である。カルボン酸誘導基は、アミノ基、チオール基、水酸基等に対する反応性を有する化合物である。
カルボン酸誘導体として、さらに具体的には、カルボン酸であるアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基が、酸無水物、酸ハロゲン化物、活性エステル、活性化アミドに変換された化合物が挙げられる。カルボン酸誘導基は、こうした化合物に由来する活性化された基であり、たとえば、p−ニトロフェニル基やN−ヒドロキシスクシンイミド基等の活性エステル基;−Cl、−F等のハロゲン;等の基を有することができる。
また、カルボン酸誘導基は、下記式(1)に示される基とすることができる。
Figure 2008263870
(ただし、上記式(1)において、Aは水酸基を除く脱離基である。)
上記式(1)に示される一価の基は、たとえば下記式(p)または式(q)から選択されるいずれかの基とすることができる。
Figure 2008263870
(ただし、上記式(p)および式(q)において、RおよびRは、それぞれ独立して、一価の有機基であり、直鎖状、分岐状、および環状のいずれであってもよい。また、上記式(p)において、RはCとともに環を形成する二価の基であってもよい。また、上記式(q)において、RはNとともに環を形成する二価の基であってもよい。)
上記式(p)に示される基として、たとえば下記式(r)、(s)、および(w)に示される基が挙げられる。また、上記式(q)に示される基として、たとえば下記式(u)に示される基が挙げられる。
上記式(1)に示される基は、たとえば下記式(r)、式(s)等に示される酸無水物由来の基;下記式(t)に示される酸ハロゲン化物由来の基;下記式(u)、式(w)に示される活性エステル由来の基;または下記式(v)に示される活性化アミド由来の基とすることができる。
Figure 2008263870
カルボン酸誘導基のうち、活性エステル基は、穏やかな条件における反応性に優れるため、好ましく用いられる。穏やかな条件としては、たとえば中性またはアルカリ性の条件、具体的にはpH7.0以上10.0以下、さらに具体的にはpH7.6以上9.0以下、さらにまた具体的にはpH8.0とすることができる。
また、本明細書において規定するところの「活性エステル基」は、その定義について厳密な規定はなされていないが、慣用の技術表現としては、エステル基のアルコール側に酸性度の高い電子求引性基を有して求核反応を活性化するエステル群、すなわち反応活性の高いエステル基を意味するものとして、各種の化学合成、たとえば高分子化学、ペプチド合成等の分野で慣用されているものである。なお、ペプチド合成の分野においては、泉屋信夫、加藤哲夫、青柳東彦、脇道典著、「ペプチド合成の基礎と実験」、1985年発行、丸善、に記載されているように、活性エステル法はアミノ酸またはペプチドのC末端を活性化する方法の一つとして用いられている。
実際的には、エステル基のアルコール側に、電子求引性の基を有し、アルキルエステルよりも活性化されたエステル基である。活性エステル基は、アミノ基、チオール基、水酸基等の基に対する反応性を有する。さらに具体的には、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、シアノメチルエステル、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等がアルキルエステル等に比べてはるかに高い活性を有する活性エステル基として知られている。
ここでは、高分子物質中の活性化カルボン酸誘導体基が活性エステル基である場合を例に、説明する。活性エステル基としては、たとえばp−ニトロフェニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5−ノルボルネン−2,3−ジカルボキシイミド基等が挙げられるが、たとえばp−ニトロフェニル基が好ましく用いられる。
表面にプライマーが固定化される基板の場合、第一単位と第二単位のさらに具体的な構成の組合せとして、たとえば、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を含む第一単位が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基を有し、活性エステル基がp−ニトロフェニル基である構成とすることができる。
また、本実施形態の基板のコーティング層に使用される高分子物質は、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基およびカルボン酸誘導基以外に他の基を含んでもよい。また、高分子物質は共重合体とすることができる。具体的には、高分子物質がブチルメタクリレート基を含む共重合体であることが好ましい。こうすることにより、高分子物質を適度に疎水化し、この高分子物質の基板表面への吸着性をさらに好適に確保することができる。
具体的には、高分子物質を、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)基を有する第一単量体と、p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート(NPMA)基を有する第二単量体と、ブチルメタリレート(BMA)基を有する第三単量体との共重合体とすることができる。これらの共重合体であるpoly(MPC−co−BMA−co−NPMA)(PMBN)は、模式的に下記一般式(2)で示される。
Figure 2008263870
ただし、上記一般式(2)において、a、b、およびcは、それぞれ独立して、正の整数である。また、上記一般式(2)において、第一〜第三単量体がブロック共重合していてもよいし、これらの単量体がランダムに共重合していてもよい。
上記一般式(2)で示される共重合体は、高分子物質の適度な疎水化と、ターゲットDNAまたはRNAの非特異吸着を抑制する性質と、プローブDNAを固定化する性質とのバランスとに、より一層優れた構成である。このため、このような共重合体を用いることにより、基板表面をより一層確実に高分子物質で被覆するとともに、高分子物質がコーティングされた基板上へのターゲットDNAまたはRNAの非特異的吸着を抑制しつつ、プローブDNAをさらに確実に共有結合により固定化して基板上に導入することができる。
なお、上記一般式(2)で示される共重合体は、MPC、BMA、およびNPMAの各単量体を混合し、ラジカル重合等の公知の重合方法により得ることができる。上記一般式(2)で示される共重合体をラジカル重合により作製する場合、たとえば、Ar等の不活性ガス雰囲気にて、30℃以上90℃以下の温度条件で溶液重合を行うことができる。
溶液重合に使用される溶媒は適宜選択されるが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールや、ジエチルエーテル等のエーテル、クロロホルム等の有機溶媒を単独でまたは複数混合して用いることができる。具体的には、ジエチルエーテルとクロロホルムを体積比で8対2とした混合溶媒とすることができる。
また、ラジカル重合反応に使用されるラジカル重合開始剤としては、通常使用されるものを用いることができる。たとえば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系開始剤;過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシピバレート等の油溶性の有機過酸化物;などが用いられる。
さらに具体的には、ジエチルエーテルとクロロホルムを体積比で8対2とした混合溶媒およびAIBNを用い、Ar中、60℃にて2〜6時間程度重合を行うことができる。
なお、本実施形態では、高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を有する例を説明したが、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を含む第一単位とカルボン酸誘導基を含む第二単位とを有する高分子物質を第一の高分子物質とし、これに加えて、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を含む第一単位とブチルメタクリレート基を含む第三単位とを有する第二の高分子物質を含んでいてもよい。
なお、上記第一の高分子物質の第一単位と上記第二の高分子物質の第一単位とは同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。また、上記第一の高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を含むとき、この第一の高分子物質の第三単位と上記第二の高分子物質の第三単位とは同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
このような第二の高分子物質は、ターゲットDNAまたはRNAの非特異的吸着を抑制するポリマーとして用いられる。このようなポリマーとしては、たとえばホスホリルコリン基が30モル%、ブチルメタクリレート基が70モル%の割合で含まれているものであるMPCポリマー(日本油脂社製)を用いることができる。
なお、高分子物質が上記第一の高分子物質、第二の高分子物質からなる場合、これらの高分子物質が混合されている構成とすることができる。各々の高分子物質のポリマーは、たとえばエタノール溶液に溶解できるため、それぞれのポリマー溶液を混合することにより容易に混合ポリマーを得ることができる。
以上のような高分子物質からなるコーティング層を表面に含む基板は、所定の形状に加工された基板の表面に高分子物質を含む液体を塗布し、乾燥することにより得られる。また、高分子物質を含む液体中に基板を浸漬し、乾燥してもよい。
また、基板として、プラスチック材料を用いた場合には、形状やサイズの変更に対する柔軟性が確保される上に、ガラス基板のものに比べて安価で提供することができるという観点から好ましい。このようなプラスチック材料としては、表面処理の容易性および量産性の観点から、熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、蛍光発生量の少ないものを用いることができる。蛍光発生量の少ない樹脂を用いることにより、DNAの検出反応におけるバックグランドを低下させることができるため、検出感度をさらに向上させることができる。蛍光発生量の少ない熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の直鎖状ポリオレフィン;環状ポリオレフィン;含フッ素樹脂;等を用いることができる。上記樹脂の中でも、飽和環状ポリオレフィンは、耐熱性、耐薬品性、低蛍光性、透明性および成形性に特に優れるため、光学的な分析に好適であり、基板の材料として好ましく用いられる。
ここで、飽和環状ポリオレフィンとは、環状オレフィン構造を有する重合体単独または環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体を水素添加した飽和重合体を指す。前者の例としては、たとえばノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセンに代表されるノルボルネン系モノマー、および、これらのアルキル置換体を開環重合して得られる重合体を水素添加して製造される飽和重合体である。後者の共重合体はエチレンやプロピレン、イソプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィンと環状オレフィン系モノマーのランダム共重合体を水素添加することにより製造される飽和重合体である。共重合体では、エチレンとの共重合体が最も好ましい。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種類またはそれ以上の共重合体あるいは混合物であってもよい。また、環状オレフィン構造を有する単量体が開環重合して得られる飽和環状ポリオレフィンだけでなく、環状オレフィン構造を有する単量体の付加重合により得られる飽和環状ポリオレフィンを用いることもできる。
以上のような高分子物質を表面に含むプラスチック材料からなる基板は、所定の形状に加工された基板の表面に高分子物質を含む液体を塗布し、乾燥することにより得られる。また、高分子物質を含む液体中に基板を浸漬し、乾燥してもよい。
なお、基板の材料をプラスチックとした場合、形状は板状には限られず、たとえばフィルム状やシート状であってもよい。具体的には、基板を可とう性のプラスチックフィルムとすることもできる。また、基板は、一つの部材から構成されていてもよいし、複数の部材から構成されていてもよい。
次に、基板の表面へのプローブDNAの固定化方法の一実施形態について説明する。
例えば、(i)基板上の高分子物質に含まれる複数の活性エステル基のうち、少なくとも一部の活性エステル基とプローブDNAとを反応させて共有結合を形成させることにより、基板表面でプローブDNAを固定化し、続いて(ii)プローブDNAを固定化した以外の基板表面の活性エステル基を不活性化する、すなわち残りの活性エステル基を不活性化することにより、プローブDNAを基板の表面に固定することができる。以下、それぞれの工程について説明する。
上記工程(i)において、プローブDNAを基板上に固定化する際には、プローブDNAを溶解または分散した液体を点着する方法が好ましい。高分子物質に含まれる活性エステル基の一部がプローブDNAと反応して、プローブDNAの間で共有結合が形成される。
このプローブDNAを溶解または分散した液体は、例えば中性からアルカリ性、例えばpHが7.6以上とすることができる。
また、点着後、基板表面に固定化されなかったプローブDNAを除去するため、純水や緩衝液で洗浄してもよい。
また、上記工程(ii)に示したように、洗浄後はプローブDNAを固定化した以外のプラスチック基板表面の活性エステルの不活性化処理をアルカリ化合物、あるいは一級アミノ基を有する化合物で行う。
アルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸ナトリウム、水酸化リチウム、リン酸カリウムなどを用いることができる。
一級アミノ基を有する化合物としては、グリシン、9−アミノアクアジン、アミノブタノール、4−アミノ酪酸、アミノカプリル酸、アミノエタノール、5−アミノ−2,3−ジヒドロ−1,4−ペンタノール、アミノエタンチオール塩酸塩、アミノエタンチオール硫酸、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、リン酸二水素2−アミノエチル、硫酸水素アミノエチル、4−(2−アミノエチル)モルホリン、5−アミノフルオレセイン、6−アミノヘキサン酸、アミノヘキシルセルロース、p−アミノ馬尿酸、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、5−アミノイソフタル酸、アミノメタン、アミノフェノール、2−アミノオクタン、2−アミノオクタン酸、1−アミノ−2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、3−アミノプロペン、3−アミノプロピオニトリル、アミノピリジン、11−アミノウンデカン酸、アミノサリチル酸、アミノキノリン、4−アミノフタロニトリル、3−アミノフタルイミド、p−アミノプロピオフェノン、アミノフェニル酢酸、アミノナフタレンなどを用いることができる。これらのうち、アミノエタノール、グリシンを用いることが好ましい。
また、基板に固定化するプローブDNAには、活性エステル基との反応性を高めるため、アミノ基を導入しておくことが好ましい。アミノ基は活性エステル基との反応性に優れるため、アミノ基が導入されたプローブDNAを用いることにより、効率よくかつ強固に基板の表面上にプローブDNAを固定化することができる。アミノ基の導入位置はプローブDNAの分子鎖末端あるいは側鎖であってもよいが、分子鎖末端に導入されていることが、ターゲットDNAまたはRNAとのアニーリングをより一層効率よく行うことができるという観点からは、好ましい。
以上により、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基板と、基板の表面に固定化されたプローブDNAとを含むDNA固定化担体が得られる。
上記のようなリン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基板に、プローブDNAを固定化させて、このプローブDNAにターゲットDNAをアニールさせて、あるいはターゲットRNAをハイブリダイズさせて、DNA伸長反応を行うと、反応後の熱変性処理にて基板上で二本鎖となっているDNAからターゲットDNAまたはRNAが外れて、プローブDNAから伸長した一本鎖DNAが基板上で残るようになり、ターゲットDNAまたはRNAは次のアニール処理で未反応のプローブDNAと二本鎖を形成して、次のDNA伸長を行うことができる。これを繰り返すことにより、MPEC法によるDNA増幅反応およびDNAとしての伸長反応を行うことができる。プローブDNAの伸長反応においては、DNA増幅反応をより効率的に実施するため、さらなるプライマーを添加してもよい。
従来ではアニール処理した後で伸長反応の前に、二本鎖を組まなかったDNAまたはRNAを除くための洗浄処理が必要であったが、基板上に非特異的に吸着するDNAまたはRNAがないため、およびそれによいDNA伸長にかかる酵素反応が有効に行われると推測され、伸長反応の前に基板の洗浄処理が不要になる。
また、従来において、ハイブリダイゼーション、洗浄、および酵素およびモノマー添加伸長の各処理を行っていたように、ハイブリダイゼーションと伸長反応とを別々の液相で行っていたのを、ハイブリダイゼーションと伸長反応とを同じ液相で行うことが可能になる。
本発明は、ガン予後予測チップ、医薬品開発(臨床・創薬)用チップ、健康食品開発用チップなどの診断・臨床用カスタムチップへの適用;
微生物限度試験や食品飲料水中の微生物検査などの薬品・食品製造工程、およびう蝕・歯周病関連菌の検出、日和見感染菌の検出などの歯科領域の臨床検査、および食品工場・厨房施設環境検査、飲料・公衆浴場、井戸水などの水質検査における環境検査、および感染症・食中毒の予防、会社従業員の衛生管理などの保健衛生、および耐性菌を含む一般細菌同定、肝炎ウイルス、ヘリコバクターピロリ、肝炎クラミジア菌、エイズウイルス、SARSウイルス、ウエストナイルウイルス、ノロウイルス(生カキ由来の食中毒)、インフルエンザウイルス、真菌・カビなどの臨床検査などの微生物同定検査キットへの適用;
などが考えられる。
実施例1:スポッティング
プローブDNAとしての5'末端アミノ化オリゴ(40μM/15μl)4種類がそれぞれ入った0.5mlエッペンチューブ中に、スポッティング溶液(15μl)を混合し20μMの5'末端アミノ化オリゴスポット溶液(30μl)を4種類作成した。続いて、各5'末端アミノ化オリゴスポット溶液を、384プレートに、1ウエルあたり10μlで所定の位置に配置した。この384プレートおよびスポッター(MARS-I、高電工業)を用いて、担体としてのS-BIO基板(住友ベークライト社製品)上に、プローブDNAをスポットした。スポットした5'末端アミノ化オリゴの塩基配列は下記の通りである(当該プローブDNAの塩基配列については特許出願されている:特願2004-64683)。
5AA:5'TTTCCCTCTCCTTGTAGGGAGCAAA 3'(配列番号1)
5AG:5'TTTCCCTCTCCTTGTAGGGAGCAAG 3'(配列番号2)
3AT:5'AGGAATCTGATTGCTCAGGCGTTTAT 3'(配列番号3)
3AC:5'AGGAATCTGATTGCTCAGGCGTTTAC 3'(配列番号4)
なお、担体として用いたS-BIO基板は、プラスチック基板を、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート(NPMA)共重合体(各基は、モル%で25:74:1)の0.5重量%エタノール溶液に浸漬することにより、基板表面にホスホリルコリン基と活性エステル基とを有する高分子物質を導入したものである。
また、基板上のスポット配置は下記の通りとした(図1a)。
Figure 2008263870
プローブDNAとしての5AGと3ACが同一のターゲットDNAを検出対象としており、プローブDNAとしての5AAと3ATとが同一のターゲットDNAを検出対象としている。すなわち、同一のターゲットDNAを検出対象とし本発明における同種のプローブDNAに該当する5AGと3ACとが、記号×を構成するように基板上に固定化されており、同様に本発明における同種のプローブDNAに該当する5AAと3ATとが、記号◇を構成するように基板上に固定化されていることになる。
実施例2:オリゴヌクレオチドの固定化
タイトボックスの中にろ紙を入れ、300mMリン酸水素二ナトリウム水溶液(400ml)で湿らせた。溶液が付かないように実施例1でプローブDNAを固定化したS-BIO基板を入れ、タイトボックスに蓋をして密閉した後、室温、暗所にて、16時間放置した。
実施例3:基板のマスキング
基板を、5×ブロッキング溶液(住友ベークライト社製品)を純水で5倍希釈した溶液(200ml)に5分間、室温で浸漬した。続いて沸騰水(500ml)の中に2分間浸漬した。続いて、室温で純水(200ml)に2分間浸漬して、700rpmで2分間遠心乾燥をおこなった。
実施例4:FTAカードによるターゲットDNAの精製
ニワトリの血液をFTAカード(Whatman社製品)に染み込ませ、1.2 mm径のパンチ(Whatman社製品)でFTAカードを切り取り、1.5mlエッペンチューブに入れた。FTA精製試薬(Whatman社製品)200μlをエッペンチューブに加え、室温で5分間インキュベートした後、FTA精製試薬のみ取り出し破棄した。この作業をさらに2回繰り返した。続いて、TEバッファー(10 mM Tris-HCl、0.1 mM EDTA、pH 8)200μlをエッペンチューブに加え、室温で5分間インキュベートした後、TEバッファーのみ取り出し破棄した。この作業をさらに2回繰り返した。続いて、エッペンチューブをデシケーターに入れ減圧乾燥を30分行い、FTAカードを乾燥させた。
実施例5:PCRによるターゲットDNAの増幅
実施例4で精製乾燥したFTAカードを0.2 ml PCRチューブに移し変えた。続いて、10×HotStar Taq PCR buffer(QIAGEN社製品)(8μl)、5 units/μl_HotStar Taq DNA Polymerase(QIAGEN社製品)(1μl)、50 μM プライマー1および2(それぞれ各0.8μl)、5×Q-solution(QIAGEN社製品)(8μl)、滅菌水(17.4μl)、2 mM dNTP(Amersham Biosciences社製品)(4μl)をPCRチューブに加えた。
PCRチューブをPCR装置にセットし、80℃/5分加熱後95℃/6分加熱を行い、95℃/60秒加熱→60℃/75秒加熱→72℃/90秒加熱の工程を30サイクル繰り返した。続いて、4℃で放置した。
上記で用いたプライマー1および2の配列は下記の通りである。
プライマー1:5'CTTCATGATCTTCCTGGAGTTAAATAGTTTATTTC 3'(配列番号5)
プライマー2:5'ACCTTCAGCCTGTTTTTTCTTCTTTTAGGA 3'(配列番号6)
実施例6:PCR産物の精製および確認
QIAquick PCR Purification Kitを用いて精製した。実施例5で増幅したPCR産物に5倍量のBuffer PBを入れ混和した。続いてQIAquickスピンカラムに混和したPCRサンプルを入れ室温にて1,300rpmで1分間遠心した。続いて、Buffer PE(750μl)を加え室温にて1,300rpmで1分間遠心し、ろ液を取り除き、さらに1,300rpmで1分間遠心した。QIAquickスピンカラムを新しい1.5 mlエッペンチューブに装着し、Buffer EB(50μl)を加えて1分間室温で放置した後1,300rpmで1分間遠心し、精製したPCRサンプル50μlを得た。続いて、0.5 mlエッペンチューブに精製したPCR産物から1μl、6×loading buffer(CAMBREX社製品)1μl、滅菌水4μlを入れ混和した。別途、DNAマーカー(50-1000bp, CAMBREX社製品)5μlと6×loading buffer(CAMBREX社製品)1μlを混和したサンプルを調製した。上記2種類のサンプルを2%アガロースゲル用いて電気泳動し、目的であるPCR産物ができているか確認した。さらに、ナノドロップ(スクラム社製品)を用いてPCR産物量も確認した。
実施例7:On Chip PCRによる基板上のプローブDNAの伸長反応
0.5mlエッペンチューブに実施例6のPCR産物(8μl)、1 mM Biotin-dUTP(PerkinElmer社製品)(2μl)、0.5% BSA(Roche社製品)(1μl)、10×HotStar Taq PCR buffer(QIAGEN社製品)(2μl)、5 units/μl_HotStar Taq DNA Polymerase(QIAGEN社製品)(1μl)、2×Self-Seal Reagent(MJ Research社製品)(2.5μl)、50μM プライマー1および2(それぞれ各0.2μl)、5×Q-solution(QIAGEN社製品)(2μl)、2.5 mM dNTP Mixture(タカラバイオ社製品)(0.8)、5μg/nl BSA滅菌水(0.3μl)を入れ混和した後、実施例3で作成した基板上のプローブDNAが固定化された部位に上記の溶液を全量垂らし、その上にカバーガラスを置いた。続いて、PCR ExpressII(サーモエレクトロン社製品)に基板を置きPCRサイクルをかけ反応させた。PCRサイクルは、80℃/5分加熱後95℃/6分加熱し、続いて95℃/60秒加熱→60℃/75秒加熱→72℃/90秒加熱の工程を10サイクル繰り返した。続いて、0.1×SSC-0.1%SDS水溶液が入っている50mlチューブの中に反応が終了した基板を入れ10分間、室温で軽く揺すり、カバーガラスを外した後、95℃にした1×SSC-0.1%SDS水溶液に2分間浸した。続いて、0.01%SSC水溶液中でリンスして、700rpmで2分間遠心乾燥した。
実施例8:アルカリホスファターゼ(AP)標識ストレプトアビジンとの反応
滅菌水(34μl)、10×PBS(4μl)、2%BSA(1μl)、1 mg/ml AP標識ストレプトアビジン(PerkinElmer社製品)(1μl)を0.5mlエッペンチューブに入れ混和した。続いて、実施例7の基板に上記の溶液を20μl垂らし、その上にカバーガラスを置いて保湿箱に入れ37℃で30分間インキュベートした。
その後、洗浄液A(住友ベークライト社製品)を用いて室温で1分間放置した後、洗浄液B(住友ベークライト社製品)を用いて室温で1分間放置し、最後に洗浄液C(住友ベークライト社製品)を用いて室温で1分間放置した後700rpmにて2分間遠心乾燥した。
実施例9:可視化反応
実施例8の基板に、5-ブロモ-4-クロロ-3-インドリルリン酸/ニトロブルーテトラゾリウム(BCIP/NBT)(PerkinElmer社製品)(30μl)を垂らし、その上にカバーガラスを置いて保湿箱に入れ37℃で10分間インキュベートした。続いて、洗浄液C(住友ベークライト社製品)を用いて室温で1分間洗浄し、700rpmにて2分間遠心乾燥した後に目視で測定した。結果を図1に示す。
トリインフルエンザヘテロサンプルを用いて上記の実験例で実験した場合、図1bに示すように、スポットしてある全てのプローブに対して伸長反応が進んで全てのオリゴプローブで色素沈着した結果、サイコロの6のような記号が確認された。一方トリインフルエンザ耐性なしサンプルで同様の実験を行った場合、図1cに示すように対角線上のオリゴに対してのみ伸長反応が進んで色素沈着した結果、サイコロの5のような記号が確認された。さらに、トリインフルエンザ耐性ありサンプルを用いた場合、図1dに示すように各辺の中央のオリゴに対してのみ伸長反応が進んで色素沈着した結果、◇の記号が確認された。
実施例9で得られた結果を示す写真である。

Claims (13)

  1. 生体分子が記号を構成するように担体上に固定化されてなる生体分子固定化担体に、被検試料を接触させる工程、および
    固定化された生体分子に被検試料に含まれる生体分子が相互作用した結果、担体上に現れる記号を検出する工程を含む、
    被検試料を分析する方法。
  2. プローブDNAが記号を構成するように担体上に固定化されてなるDNA固定化担体に、被検核酸試料を接触させる工程、および
    プローブDNAに被検核酸試料に含まれるターゲットDNAまたはターゲットRNAが相互作用した結果、または被検核酸試料に含まれるターゲットDNAまたはターゲットRNAと相互作用したプローブDNAが伸長した結果、担体上に現れる記号を検出する工程を含む、
    被検核酸試料を分析する方法。
  3. プローブDNAに相互作用したターゲットDNAもしくはターゲットRNA、または伸長したプローブDNAに標識が付されており、
    該標識部分で生じた信号により担体上に記号が現れる、請求項2記載の方法。
  4. a)プローブDNAが記号を構成するように担体上に固定化されてなるDNA固定化担体に、被検核酸試料を接触させる工程、
    b)さらにDNA伸長用酵素およびヌクレオチドモノマーを含む試料が導入された反応系でDNAの伸長反応を行う工程、
    c)ターゲットDNAまたはターゲットRNAとアニールしたプローブDNAが伸長した結果、担体上に現れる記号を検出する工程を含む、
    被検核酸試料を分析する方法。
  5. b)の工程におけるヌクレオチドモノマーを含む試料が、少なくとも1種の標識ヌクレオチドモノマーを含み、
    c)の工程において、伸長したプローブDNAに取り込まれた標識ヌクレオチドモノマー部分で生じた信号により担体上に記号が現れる、
    請求項4記載の方法。
  6. 担体が、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基板である、請求項2〜5のいずれか1項記載の方法。
  7. 基板の第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、
    ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基のいずれかである、請求項6記載の方法。
  8. 前記プローブDNAが、所定の着目遺伝子の特徴配列を含む塩基配列の一塩基を他の塩基に置き換えたDNAである、請求項2〜7のいずれか1項記載の方法。
  9. ターゲットDNAが、所定のRNAを逆転写酵素で処理して得られるcDNAである、請求項2〜8のいずれか1項記載の方法。
  10. 生体分子が記号を構成するように担体上に固定化されてなる生体分子固定化担体。
  11. 生体分子がDNAである請求項10記載の固定化担体。
  12. 担体が、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する基板である、請求項10または11記載の固定化担体。
  13. 基板の第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基のいずれかである、請求項12記載の固定化担体。
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