JP2007037473A - 遺伝子配列の検出方法 - Google Patents

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兼久 横山
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Abstract

【課題】 従来のドットブロット法等による遺伝子検出法における課題である検出感度を
向上させ、オートラジオグラフィーを使用しなくても測定が可能な遺伝子検出方法を提供すること。
【解決手段】 リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する不溶性担体を用いて、不溶性担体表面に検体由来のRNA鎖又はDNA鎖を固定化し、既知配列のDNA鎖を含有する溶液を不溶性担体表面に接触させてアニーリングし、ハイブリダイズされた状態を検出することによる検体の遺伝子配列の検出方法。
【選択図】 なし

Description

本発明は、検体由来のRNA鎖又はDNA鎖中の特定配列の有無を検出する、遺伝子配列の検出方法に関する。
目的の遺伝子がどの組織で、どの時期に、どれくらいの量発現しているか知ることは、その遺伝子の機能を考えるうえで重要であり、また逆に遺伝子の発現状況をみることは、その組織(あるいは細胞)のおかれている状況を把握する手段となる。
発現している遺伝子を転写のレベルで検出する方法としては、ドットブロット法、ノーザンブロット法、RNアーゼプロテクションアッセイ法、RT(Reverse Transcription)−PCR法などがある。
ドットブロット法は、メンブレンに直接RNAをブロットして、プローブDNA鎖をハイブリダイズさせて目的のRNA量を定量する方法である。他の方法に比較してサンプル数を多く処理できる利点があるが、検出感度や定量性が若干劣るという欠点がある。また
ラジオアイソトープを使用する必要があり、実施場所について制限がある。
ノーザンブロット法は、サンプルRNAの中に含まれる遺伝子のサイズや量を定性的かつ定量的に調べる方法である。RNアーゼプロテクションアッセイ法と比べ、ノーザンブロット法では相同性が比較的低いmRNAも検出可能であるが、検出感度という点では若干劣る。ノーザンブロット法は全RNAまたはmRNAを電気泳動して大きさごとに分け、次いでこれをナイロンメンブレンなどに転写し、放射ラベルした過剰量のDNAプローブとメンブレン上のRNAをハイブリダイズさせ、目的のバンドをオートラジオグラフィーで検出する方法である。検出にオートラジオグラフィーを用いることから、実施において、実施できる機関に制限が出てくる。
RNアーゼプロテクションアッセイ法は、RNアーゼが1本鎖RNAを特異的に分解し、2本鎖RNAは分解しないという性質を利用した方法である。放射標識したRNAプローブとサンプルRNAをハイブリダイズさせ、RNアーゼによりハイブリダイズしなかったRNAを分解する。そしてハイブリダイズしたRNAのみを電気泳動で検出するものである。前記ノーザンブロットと同様にオートラジオグラフィーを使用しなければならず、
実施できる機関にも制限が出てくる。
また、ノーザンブロット法、RNアーゼプロテクションアッセイ法では電気泳動を行うことから検出が終了するまでに多くの時間と手間を有する。
上記の、ドットブロット法、ノーザンブロット法、RNアーゼプロテクションアッセイ法は、オートラジオグラフィーを用いるが、微量なmRNAの検出は困難であった。微量のmRNAの解析法として、RT−PCR法が挙げられる。RT−PCRは、特定の遺伝子の発現が微量な際に、組織や細胞のタイプあるいは発生の時期によって異なるmRNAの存在を検出するための有効な手法である。RT−PCRは通常のノーザンブロット法に比較し1000倍程度感度がよいと言われているが、遺伝子の増幅に時間と手間を要する。
また、近年、DNAチップによるRNAの存在の検出法も行われてきている。DNAチップによるRNAの存在の検出は、網羅的な遺伝子の検出には適するが、目的とする特定の遺伝子発現の有無を確認するには適さない。また、前処理としてRT−PCRによる遺伝子増幅も必要であり、前処理に時間とコストがかかる。
本発明は、従来のドットブロット法等による遺伝子検出法における課題である検出感度を向上させ、オートラジオグラフィーを使用しなくても測定が可能な遺伝子検出方法を提供することを目的とする。
本発明者等は、鋭意検討の結果、表面に所定の高分子物質を配した不溶性担体にRNA鎖又はDNA鎖を固定化することにより、RNA鎖又はDNA鎖にアミノ基のような固定化のための官能基の導入をすることなくRNA又はDNA鎖の固定化効率が高いこと、および、固定化されたRNA鎖又はDNA鎖のハイブリ効率が高いこと、非特異的なポリヌクレオチドの吸着を防止できることを見出し、本発明の完成に至った。
即ち、本発明は、
(1)リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する不溶性担体を用いて、
(a)前記不溶性担体表面に検体由来のRNA鎖又はDNA鎖を固定化する工程、
(b)既知配列のDNA鎖を含有する溶液を不溶性担体表面に接触させる工程、
(c)不溶性担体表面に固定化された前記検体由来のRNA鎖又はDNA鎖と前記既知配列を有するDNA鎖とをアニーリングする工程、
(d)前記検体由来のRNA鎖又はDNA鎖と前記既知配列を有するDNA鎖とがハイブリダイズされた状態を検出する工程、を含むことを特徴とする検体の遺伝子配列の検出方法、
(2)前記基体の第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、及びホスファチジルホスホリルグリセロール基から選ばれる少なくとも1つの基である(1)記載の遺伝子配列の検出方法、
(3)工程(d)において、検出方法が蛍光、発光、又は発色の何れかの方法である(1)又は(2)記載の遺伝子配列の検出方法、
(4)前記既知配列のDNA鎖が、10〜100塩基のヌクレオチドを含む(1)〜(3)いずれか記載の遺伝子配列の検出方法、
(5)工程(b)又は工程(c)において、前記既知配列のDNA鎖を含有する溶液中にDNA2本鎖の内部に結合(インターカレート)して蛍光を発する蛍光色素を含み、工程(d)において蛍光によりハイブリダイズされた状態を検出するものである(1)〜(4)いずれか記載の遺伝子配列の検出方法、
(6)工程(b)又は工程(d)において、前記既知配列を有するDNA鎖に標識が修飾され、工程(d)において前記標識の量を検出することによりハイブリダイズされた前記既知配列を有するDNA鎖を検出するものである(1)〜(4)いずれか記載の遺伝子配列の検出方法、
(7)前記標識が酵素、蛍光色素、及び特定蛋白質と特異的に結合する化合物から選ばれる少なくとも一つである(6)記載の遺伝子配列の検出方法、
(8)前記不溶性担体の形状が板状であり、担体表面に検体由来のRNA鎖又はDNA鎖をスポット状に点着固定化する(1)〜(7)いずれか記載の遺伝子配列の検出方法、
(9)1つ以上の検体由来のRNA鎖又はDNA鎖をスポット状に固定化する(8)記載の遺伝子配列の検出方法、
(10)前記不溶性担体がマイクロタイタープレートを含む(1)〜(7)いずれか記載の遺伝子配列の検出方法、
(11)前記マイクロタイタープレートが少なくとも二つのウェルを有し、そのウェル各
々に相異なる検体由来のRNA鎖又はDNA鎖を固定化する(10)記載の遺伝子配列
の検出方法、
(12)前記不溶性担体がプラスチック製である(1)〜(11)いずれか記載の遺
伝子配列の検出方法、
である。
本発明は、リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する不溶性担体に、検体サンプルから調製したRNA鎖又はDNA鎖を固定化させ、既知の配列を有するDNA鎖とをハイブリダイズし、ハイブリダイズの状態をみることによって、固定化させた検体由来のRNA鎖又はDNA鎖中の、特定な塩基配列の有無を把握することを特徴とする。
本発明によれば、検出にオートラジオグラフィーを用いることがないため、実施場所の制限を受けず実施できる。また、電気泳動などの煩わしい操作がないため、短時間に簡便に、遺伝子の検出ができる、また、蛍光、吸光あるいは、可視等検出における制限の少ない遺伝子の検出方法を提供できる。
以下、本発明の実施形態について詳細に説明する。
まず、担体の表面に検体から調製したRNA鎖又はDNA鎖を固定する不溶性担体について記載する。
ここで使用される不溶性担体の表面には、ホスホリルコリン基に代表されるリン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位とカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質が存在するようになっている。
ホスホリルコリン基に代表されるリン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位とカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質は、DNA鎖の非特異的吸着を抑制する性質とRNA鎖およびDNA鎖を固定化する性質とを併せ持つポリマーである。特に、第一単位に含まれるホスホリルコリン基に代表されるリン脂質の親水部を構成するリン酸エステル基は鋳型DNA断片の非特異的吸着を抑制する役割を果たし、第二単位に含まれるカルボン酸誘導基はRNA鎖又はDNA鎖を化学的に固定化する役割を果たす。例えば、DNA鎖は、前記このコーティング層の活性エステル基の部位で共有結合して、当該基板の表面に固定化される。
第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、ホスファチジルホスホリルグリセロール基が挙げられ、特にホスホリルコリン基が好適であり。ホスホリルコリン基として、たとえば、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基、6−メタクリロイルオキシヘキシルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルキルホスホリルコリン基;
2−メタクリロイルオキシエトキシエチルホスホリルコリン基および10−メタクリロイルオキシエトキシノニルホスホリルコリン基等の(メタ)アクリロイルオキシアルコキシアルキルホスホリルコリン基;
アリルホスホリルコリン基、ブテニルホスホリルコリン基、ヘキセニルホスホリルコリン基、オクテニルホスホリルコリン基、およびデセニルホスホリルコリン基等のアルケニルホスホリルコリン基;
等の基が挙げられる。
また、これらのホスホリルコリン基のうち、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンが好ましい。第一単位が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリンを有する構成とすることにより、担体表面におけるDNA鎖の非特異的吸着をより一層確実に抑制することができる。
第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、下記式(a)に示すホスホリルコリン基である例を挙げたが、このホスホリルコリンを下記式(b)のホスホリルエタノールアミン基、下記式(c)のホスホリルイノシトール基、下記式(d)のホスホリルセリン基、下記式(e)のホスホリルグリセロール基、下記式(f)に示したホスファチジルホスホリルグリセロール基などのリン酸基に置き換えてもよい。
Figure 2007037473
カルボン酸誘導体は、カルボン酸のカルボキシル基が活性化されたものであり、C=Oを介して脱離基を有するカルボン酸である。カルボン酸誘導体は、具体的には、アルコキシル基よりも電子求引性の高い基がカルボニル基に結合して求核反応が活性化された化合物である。カルボン酸誘導基は、アミノ基、チオール基、水酸基等に対する反応性を有する化合物である。
活性化されたカルボン酸誘導体として、さらに具体的には、カルボン酸であるアクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、マレイン酸、フマル酸などのカルボキシル基が、酸無水物、酸ハロゲン化物、活性エステル、活性化アミドに変換された化合物が挙げられる。カルボン酸誘導基は、こうした化合物に由来する活性化された基であり、たとえば、p−ニトロフェニル基やN−ヒドロキシスクシンイミド基等の活性エステル基;
―Cl、−F等のハロゲン;
等の基を有することができる。
また、カルボン酸誘導基は、下記式(1)に示される基とすることができる。
Figure 2007037473
(ただし、上記式(1)において、Aは水酸基を除く脱離基である。)
上記式(1)に示される一価の基は、たとえば下記式(p)または式(q)から選択されるいずれかの基とすることができる。
Figure 2007037473
(ただし、上記式(p)および式(q)において、R1およびR2は、それぞれ独立して、一価の有機基であり、直鎖状、分岐状、および環状のいずれであってもよい。また、上記式(p)において、R1はCとともに環を形成する二価の基であってもよい。また、上記式(q)において、R2はNとともに環を形成する二価の基であってもよい。)
上記式(p)に示される基として、たとえば下記式(r)、(s)、および(w)に示
される基が挙げられる。また、上記式(q)に示される基として、たとえば下記式(u)
に示される基が挙げられる。
上記式(1)に示される基は、たとえば下記式(r)、式(s)等に示される酸無水物由来の基;
下記式(t)に示される酸ハロゲン化物由来の基;
下記式(u)、式(w)に示される活性エステル由来の基;または
下記式(v)に示される活性化アミド由来の基とすることができる。
Figure 2007037473
カルボン酸誘導基のうち、活性エステル基は、穏やかな条件における反応性に優れるため、好ましく用いられる。穏やかな条件としては、たとえば中性またはアルカリ性の条件、具体的にはpH7.0以上10.0以下、さらに具体的にはpH7.6以上9.0以下、さらにまた具体的にはpH8.0とすることができる。
また、本明細書において規定するところの「活性エステル基」は、その定義について厳密な規定はなされていないが、慣用の技術表現としては、エステル基のアルコール側に酸性度の高い電子求引性基を有して求核反応を活性化するエステル群、すなわち反応活性の高いエステル基を意味するものとして、各種の化学合成、たとえば高分子化学、ペプチド合成等の分野で慣用されているものである。なお、ペプチド合成の分野においては、泉屋信夫、加藤哲夫、青柳東彦、脇道典著、「ペプチド合成の基礎と実験」、1985年発行、丸善、に記載されているように、活性エステル法はアミノ酸またはペプチドのC末端を活性化する方法の一つとして用いられている。
実際的には、エステル基のアルコール側に、電子求引性の基を有し、アルキルエステルよりも活性化されたエステル基である。活性エステル基は、アミノ基、チオール基、水酸基等の基に対する反応性を有する。さらに具体的には、フェノールエステル類、チオフェノールエステル類、N−ヒドロキシアミンエステル類、シアノメチルエステル、複素環ヒドロキシ化合物のエステル類等がアルキルエステル等に比べてはるかに高い活性を有する活性エステル基として知られている。
ここでは、高分子物質中の活性化カルボン酸誘導体基が活性エステル基である場合を例に、説明する。活性エステル基としては、たとえばp−ニトロフェニル基、N−ヒドロキシスクシンイミド基、コハク酸イミド基、フタル酸イミド基、5−ノルボルネン-2,3-ジカルボキシイミド基等が挙げられるが、たとえばp−ニトロフェニル基が好ましく用いられる。
表面にRNA鎖又はDNA鎖が固定化される基板の場合、第一単位と第二単位のさらに具体的な構成の組み合わせとして、たとえば、ホスホリルコリン基を含む第一単位が2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン基を有し、活性エステル基がp−ニトロフェニル基である構成とすることができる。
また、本実施形態の基板のコーティング層に使用される高分子物質は、ホスホリルコリン基およびカルボン酸誘導基以外に他の基を含んでもよい。また、高分子物質は共重合体とすることができる。具体的には、高分子物質がブチルメタクリレート基を含む共重合体であることが好ましい。こうすることにより、高分子物質を適度に疎水化し、この高分子物質の担体表面への吸着性をさらに好適に確保することができる。
具体的には、高分子物質を、2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン(MPC)基を有する第一単量体と、p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート(NPMA)基を有する第二単量体と、ブチルメタリレート(BMA)基を有する第三単量体との共重合体とすることができる。これらの共重合体であるpoly(MPC−co−BMA−co−NPMA)(PMBN)は、模式的に下記一般式(2)で示される。
Figure 2007037473
ただし、上記一般式(2)において、a、b、およびcは、それぞれ独立して、正の整数である。また、上記一般式(2)において、第一〜第三単量体がブロック共重合していてもよいし、これらの単量体がランダムに共重合していてもよい。
上記一般式(2)で示される共重合体は、高分子物質の適度な疎水化と、DNA断片の非特異吸着を抑制する性質と、検体サンプル由来のRNA鎖又はDNA鎖を固定化する性質とのバランスとに、より一層優れた構成である。このため、このような共重合体を用いることにより、担体表面をより一層確実に高分子物質で被覆するとともに、高分子物質がコーティングされた担体上へのDNA断片の非特異的吸着を抑制しつつ、検体のRNA鎖またはDNA鎖を確実に共有結合により固定化して基板上に導入することができる。
なお、上記一般式(2)で示される共重合体は、MPC、BMA、およびNPMAの各単量体を混合し、ラジカル重合等の公知の重合方法により得ることができる。上記一般式(2)で示される共重合体をラジカル重合により作製する場合、たとえば、Ar等の不活性ガス雰囲気にて、30℃以上90℃以下の温度条件で溶液重合を行うことができる。
溶液重合に使用される溶媒は適宜選択されるが、たとえば、メタノール、エタノール、イソプロパノール等のアルコールや、ジエチルエーテル等のエーテル、クロロホルム等の有機溶媒を単独でまたは複数混合して用いることができる。具体的には、ジエチルエーテルとクロロホルムを体積比で8対2とした混合溶媒とすることができる。
また、ラジカル重合反応に使用されるラジカル重合開始剤としては、通常使用されるものを用いることができる。たとえば、アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)、アゾビスバレロニトリル等のアゾ系開始剤;
過酸化ラウロイル、過酸化ベンゾイル、t−ブチルペルオキシネオデカノエート、t−ブチルペルオキシピバレート等の油溶性の有機過酸化物;
などが用いられる。
さらに具体的には、ジエチルエーテルとクロロホルムを体積比で8対2とした混合溶媒およびAIBNを用い、Ar中、60℃にて2〜6時間程度重合を行うことができる。
なお、本実施形態では、高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を有する例を説明したが、ホスホリルコリン基を含む第一単位とカルボン酸誘導基を含む第二単位とを有する高分子物質を第一の高分子物質とし、これに加えて、ホスホリルコリン基を含む第一単位とブチルメタクリレート基を含む第三単位とを有する第二の高分子物質を含んでいてもよい。
なお、上記第一の高分子物質の第一単位と上記第二の高分子物質の第一単位とは同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。また、上記第一の高分子物質がブチルメタクリレート基を含む第三単位を含むとき、この第一の高分子物質の第三単位と上記第二の高分子物質の第三単位とは同一構造であってもよいし、異なる構造であってもよい。
このような第二の高分子物質は、鋳型DNA断片の非特異的吸着を抑制するポリマーとして用いられる。このようなポリマーとしては、たとえばホスホリルコリン基が30モル%、ブチルメタクリレート基が70モル%の割合で含まれているものであるMPCポリマー(日本油脂社製)を用いることができる。
なお、高分子物質が上記第一の高分子物質、第二の高分子物質からなる場合、これらの高分子物質が混合されている構成とすることができる。各々の高分子物質のポリマーは、たとえばエタノール溶液に溶解できるため、それぞれのポリマー溶液を混合することにより容易に混合ポリマーを得ることができる。
また、担体として、プラスチック材料を用いた場合には、形状やサイズの変更に対する柔軟性が確保される上に、ガラス基板のものに比べて安価で提供することができるという観点から好ましい。このようなプラスチック材料としては、表面処理の容易性および量産性の観点から、熱可塑性樹脂を用いることができる。
熱可塑性樹脂としては、蛍光発生量の少ないものを用いることができる。蛍光発生量の少ない樹脂を用いることにより、DNA鎖の検出反応におけるバックグランドを低下させることができるため、検出感度をさらに向上させることができる。蛍光発生量の少ない熱可塑性樹脂としては、たとえば、ポリエチレン、ポリプロピレン等の直鎖状ポリオレフィン;
環状ポリオレフィン;
含フッ素樹脂;
等を用いることができる。上記樹脂の中でも、飽和環状ポリオレフィンは、耐熱性、耐薬品性、低蛍光性、透明性および成形性に特に優れるため、光学的な分析に好適であり、基板の材料として好ましく用いられる。
ここで、飽和環状ポリオレフィンとは、環状オレフィン構造を有する重合体単独または環状オレフィンとα−オレフィンとの共重合体を水素添加した飽和重合体を指す。前者の例としては、たとえばノルボルネン、ジシクロペンタジエン、テトラシクロドデセンに代表されるノルボルネン系モノマー、及び、これらのアルキル置換体を開環重合して得られる重合体を水素添加して製造される飽和重合体である。後者の共重合体はエチレンやプロピレン、イソプロピレン、1−ブテン、3−メチル−1−ブテン、1−ペンテン、3−メチル−1−ペンテン、1−ヘキセン、1−オクテン等のα−オレフィンと環状オレフィン系モノマーのランダム共重合体を水素添加することにより製造される飽和重合体である。共重合体では、エチレンとの共重合体が最も好ましい。これらの樹脂は単独で用いてもよく、2種類またはそれ以上の共重合体あるいは混合物であってもよい。また、環状オレフィン構造を有する単量体が開環重合して得られる飽和環状ポリオレフィンだけでなく、環状オレフィン構造を有する単量体の付加重合により得られる飽和環状ポリオレフィンを用いることもできる。
以上のような高分子物質を表面に含むプラスチック材料からなる担体は、所定の形状に加工された担体の表面に高分子物質を含む液体を塗布し、乾燥することにより得られる。また、高分子物質を含む液体中に担体を浸漬し、乾燥してもよい。
なお、担体の材料をプラスチックとした場合、96穴や384穴に代表されるマイクロタイタープレートの形状、スライドグラスに代表される基板状のもの、またビーズ状のもの、あるいはシート状のもの等が挙げられる。複数のスポットを蛍光でスキャナーで読み取る場合は、基板形状のものが好ましい。液相で発色基質を発色させ、吸光度によりハイブリ状況を検出する場合には、96穴や384穴に代表されるマイクロタイタープレートの形状のものが好適である。
次に、担体の表面へのRNA鎖又はDNA鎖の固定化工程について説明する。
例えば、(i)担体上の高分子物質に含まれる複数の活性エステル基のうち、少なくとも一部の活性エステル基とを反応させて共有結合を形成させることにより、担体表面でRNA鎖又はDNA鎖を固定化し、続いて(ii)RNA鎖又はDNA鎖を固定化した以外の基板表面の活性エステル基を不活性化する、すなわち残りの活性エステル基を不活性化する。以下、それぞれの工程について説明する。
上記工程(i)において、担体形状が、基板状の場合は、RNA鎖又はDNA鎖を基板上に固定化する際には、RNA鎖又はDNA鎖を溶解または分散した液体を点着する方法が好ましい。
担体形状が、マイクロタイタープレートの場合は、ウェル中にRNA鎖又はDNA鎖を溶解または分散した液体を分注する。
高分子物質に含まれる活性エステル基の一部がRNA鎖又はDNA鎖と反応して、RNA鎖又はDNA鎖の間で共有結合が形成される。
この検体からのRNA鎖又はDNA鎖を溶解または分散した液体は、例えば中性からアルカリ性、例えばpHが7.6以上とすることができる。
また、点着後、基板表面に固定化されなかったRNA鎖又はDNA鎖を除去するため、純水や緩衝液で洗浄してもよい。
また、上記工程(ii)に示したように、洗浄後はRNA鎖又はDNA鎖を固定化した以外の担体表面の活性エステルの不活性化処理をアルカリ化合物、あるいは一級アミノ基を有する化合物で行う。
アルカリ化合物としては、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、炭酸水素ナトリウム、リン酸水素二ナトリウム、水酸化カルシウム、水酸化マグネシウム、ホウ酸ナトリウム、水酸化リチウム、リン酸カリウムなどを用いることができる。
一級アミノ基を有する化合物としては、グリシン、9−アミノアクアジン、アミノブタノール、4−アミノ酪酸、アミノカプリル酸、アミノエタノール、5−アミノ2,3−ジヒドロー1,4−ペンタノール、アミノエタンチオール塩酸塩、アミノエタンチオール硫酸、2−(2−アミノエチルアミノ)エタノール、リン酸二水素2−アミノエチル、硫酸水素アミノエチル、4−(2−アミノエチル)モルホリン、5-アミノフルオレセイン、6−アミノヘキサン酸、アミノヘキシルセルロース、p−アミノ馬尿酸、2−アミノ−2−ヒドロキシメチル−1,3−プロパンジオール、5−アミノイソフタル酸、アミノメタン、アミノフェノール、2−アミノオクタン、2−アミノオクタン酸、1−アミノ2−プロパノール、3−アミノ−1−プロパノール、3−アミノプロペン、3−アミノプロピオニトリル、アミノピリジン、11−アミノウンデカン酸、アミノサリチル酸、アミノキノリン、4−アミノフタロニトリル、3−アミノフタルイミド、p−アミノプロピオフェノン、アミノフェニル酢酸、アミノナフタレンなどを用いることができる。これらのうち、アミノエタノール、グリシンを用いることが好ましい。
以上により、担体の表面上に検体由来のRNA鎖又はDNA鎖が固定化される。
次に、基体の表面に固定化されたRNA鎖又はDNA鎖にアニールさせる既知配列のDNA鎖を含む溶液を担体表面に接触させる。
ここで固定化された検体由来のRNA鎖又はDNA鎖と既知の配列DNA鎖がハイブリダイズすれば検体由来のRNA鎖またはDNA鎖中に既知の配列部分が存在していることが確認できる。
アニーリングは、基板状の担体においては、基板上に既知配列のDNA鎖を含む溶液を
分注し、スライドガラス等で覆い所定の温度で放置する。放置した後、界面活性剤を含む
緩衝液や純水等で洗浄する。
ハイブリダイズの確認はオートラジオグラフィーを用いることなく、蛍光、発色又は発光により行う。本発明で用いる担体表面はRNA鎖およびDNA鎖の固定化効率が高いこと、DNA鎖とのハイブリ効率が高いこと、非特異的なDNA鎖の吸着が高いことから
幅広い検出方法を選択することができる。
ハイブリダイズの検出方法について記載する。検出には既知配列のDNA鎖に標識導入しておき、標識の量をみることによりハイブリ量をみる方法、又は二重鎖の形成量を見る方法の二つの方法がある。
二重鎖の形成量を見る方法としては、核酸鎖の二重鎖中に取り込まれ蛍光性もつ色素を
用いる、このような色素をアニーリングの際、溶液中に添加しておくことにより、ハイブリダイズにより二重鎖が形成されれば蛍光を発することになる。蛍光シグナルは蛍光スキャナーにより読み取ることができる。核酸鎖の二重鎖中に取り込まれ蛍光を発する色素として、サイバーグリーン等が挙げられる。本方法は、既知配列DNA鎖の塩基数が50以上と長いDNAである方が検出感度の上から好ましい。
既知配列のDNAに標識を用いる方法について記載する。標識は既知配列DNAの5‘又は3’末端に導入するのが、ハイブリダイズを妨げない点から好ましい。標識としては蛍光色素、酵素、ビオチン等に代表される特定蛋白質と特異的に結合する化合物を用いる。蛍光色素は特に制限はないが、DNAマイクロアレイに従来より使用されているCye3やCye5を用いることができる。
既知配列のDNA鎖を複数用い、各々別々の蛍光色素を標識することにより、検体由来のRNA鎖又はDNA鎖中の複数の遺伝子配列について検出が可能となる。蛍光は蛍光スキャナーを用いて検出する。
標識にペルオキシダーゼやアルカリフォスファターゼを用いれば、発色基質により発色を行い、発色の度合いをみることによりハイブリ量を検出することが出来る。
蛍光色素又は酵素は、分子サイズが大きくハイブリダイゼーションにおいて妨げになる
ため、短い既知配列DNAを用いる場合は、ビオチン等の分子量の小さい(嵩の小さい)化合物を用いるのが良い。ビオチンを標識し、アニールの後、酵素や蛍光色素を標識した
アビジンにより蛍光や酵素を標識し、蛍光シグナルや発色の度合いによりハイブリダイズを検出することが出来る。
本発明に用いる担体表面は、ハイブリ効率が高いのに加え酵素反応効率が高く、酵素反応による発色効率が高くなり、高感度化が可能となる。基板状担体を用いる場合、例えば
酵素にアルカリフォスファターゼを用い、発色気質としてBCIP/NTBを用いることにより、スポット部分を可視化による確認も可能である。
本発明のもうひとつの実施形態例として、不溶性皿、好ましくはマイクロタイタープレートに検体より調製したRNA鎖又はDNA鎖を固定化する。マイクロタイタープレートを用いることにより、酵素と発色基質による発色の度合いを吸光度により測定することが出来る。吸光度は、マイクロタイタープレート用のプレートリーダーを用いることができる。例を上げるならば、酵素にペルオキシダーゼを用い、発色基質としてOPDやTMBZなどを用いることが出来る。
次に、本方法の適用についていくつか記載する。
本方法は、菌の同定に用いることができる。
同定したい菌の16sあるいは23sリボゾームDNAから、菌特異的配列を有する領域をPCR等により切り出し、PCR産物を含む溶液を、基板状担体上に点着する。同定したい菌特異の塩基配列のDNAを含む溶液を検体(菌)からのPCR産物を点着固定した
担体上に分注しアニーリングをおこなう。ハイブリダイズ確認できれば、同定対象となる菌であることが同定できる。
本方法は、遺伝子の欠損(ディレーション)の検出にも有効である。
検体から、欠損部分を含む遺伝子部分をPCRで切り出し、切り出したPCR産物を本発明の担体となる基板上に点着し、固定する。欠損部分の配列よりなるDNA鎖を含む液相を接触させ、この配列のDNA鎖のハイブリダイゼーションの有無を確認する。ハイブリダイゼーションが確認できなければ、検体から切り出したDNA鎖中に欠損があることを示し、ハイブリダイゼーションが観察されれば、欠損部分がないことになる。
また、癌組織のように、欠損が起きていない正常な細胞と欠損のある癌細胞が混在する場合、欠損を有する癌細胞の存在量に応じてハイブリ量が減少していくことになる。この欠損部に由来するシグナルの現象量をみるために、欠損部分にあたらない配列を有するDNA鎖と欠損部の配列よりなるDNA鎖をCye3とCye5のような別の蛍光色素で修飾しておき、両方のDNA鎖を含有する溶液を接触させ、アニールを行い、欠損部DNA配列のDNA鎖のハイブリシグナル量と、非欠損部のDNA配列を有するDNA鎖のハイブリシグナル量を相対的に比較することにより、欠損部を有する細胞の存在量を検出することができる。
(プラスチック基板の作製)
飽和環状ポリオレフィン樹脂(5−メチル−2ノルボルネンの開環重合体の水素添加物(MFR(Melt flow rate):21g/10分、水素添加率:実質的に100%、熱変形温度123℃)を用い、射出成形によりスライドガラス形状の基板を得た。基板を2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(各基は、モル%で25:74:1)の0.5重量%エタノール溶液に浸漬することにより、基板表面にホスホリルコリン基と活性エステル基とを有する高分子物質を導入して、プラスチック基板を得た。
(96穴マイクロタイタープレートの作製)

5−メチル−2ノルボルネンの開環重合体の水素添加物(MFR:21g/10分、水素添加率:実質的に100%、熱変形温度温度:123℃)を用い、射出成形により96穴マイクロタイタープレートを成形した。この成形物ウェル中に2−メタクリロイルオキシエチルホスホリルコリン−ブチルメタクリレート−p−ニトロフェニルオキシカルボニルポリエチレングリコールメタクリレート共重合体(各基は、モル%で25:74:1)の0.5重量%エタノール溶液を分注し、コート溶液を回収し、ウェル底面にホスホリルコリン基と活性エステル基とを有する高分子物質を導入して、固定化用96穴マイクロタイタープレートを作製した。
(菌の培養)
以下に掲げる菌株の培養を行った。
使用した菌株名
黄色ブドウ球菌:Staphylococcus aureus ATCC 25923
大腸菌:Escherichia coli ATCC 25922
緑膿菌:Pseudomonas aeruginosa ATCC 27853
サルモネラ菌:
Salmonella enterica subsp. enterica serovar Typhimurium ATCC 14028
Salmonella enterica subsp. enterica serovar Enteritidis IID 604
寒天培地を用い、37℃、一昼夜(14-18時間)行なった。培地はインスタント培地である"普通ブイヨン栄研"を用い、液体培地は" 普通ブイヨン栄研"の指示量を脱塩水に溶かし、寒天培地はそれに1.6%の寒天を加え、それぞれオートクレーブ後、使用した。
(23SリボゾームDNAの抽出)

上記菌培養における1つのコロニーを、200μlのPBS(−)中に分散させ、DNA抽出キット(Invitrogen)を用い、3μlのDNA抽出液を得た。
(PCRによる23SリボゾームDNA鎖増幅反応)
23SリボゾームDNAのユニバーサルプライマーを用い、PCR反応により23SリボゾームDNAの増幅をおこなった。
PCRによる増幅に使用プライマーの配列を下記に示す。
プライマー配列:
センス :5‘−GACAGCCAGGATGTTGGCTTAGAAGCAGC
アンチセンス:下記を同量混合したものを用いた。
5‘−GGAATTTCGCTACCTTAGGACCGTTATAGTTACG
5‘−GGAATTTCGCTACCTTAGGATGGTTATAGTTACC
25μL中に上記プライマー各々を12.5pmol、200μMのdATP、dCTP、dGTP、dTTP、0.5UのDNAポリメラーゼ(タカラバイオ株式会社製Ex Taq)をPCRバッファー中に溶解させ、サーマルサイクラーにより、熱変性95℃1分、アニーリング75℃2分、DNA鎖の伸長反応72℃5分のヒートサイクルで、10サイクル行い、PCR産物を得た。
(固定化用検体DNA溶液の調製)
上記各々の菌から調製したPCR産物を、表1のような組み合わせで等量づつ混合しPCR産物固定化用溶液として調製した。
Figure 2007037473
(検出用DNA溶液の作製)
各々の菌に特異的な配列を有するDNAを合成し、3‘末端にビオチンを修飾した。
各菌種の検出に用いたDNA配列及び記号を以下に示す下記に示す。
菌名 DNA配列 記号
黄色ブドウ球菌: CTAAGGGCGTTGAAGCATGATCGTA SA−1
AGTAGGATAGGCGAAGCGTGCGATT SA−2
大腸菌: CCCGGTTTAAGCGTGTAGGCTGGT ECO−1
AGTCGCTTCACCTACATATCAGCGTGC ECO−2
CTGATATGTAGGTGAAGCGACTTGCTCG ECO−4
緑濃菌: GTTAATCGACGCAGGGTTAGTCGGTT PA−1
サルモネラ菌: TGTGTGTTCCAGGTAAATCCGGTTC SAL−1
ポジティブコントロール: GACAGCCAGGATGTTGGCTTAGAAGCAGC POS
(実験例1)
プラスチック基板を用いた。固定化する溶液として溶液A、B、C、Dを選択した。
基板5枚にディスペンサーにより固定する溶液2μlとり、1枚あたり各々の溶液を所定
の位置に4点づつスポットした。スポットした各基板を、0.25Mリン酸バッファ(p
H8.5)で内部を湿らせた密閉容器(10cm×15cm×3cm)中で一昼夜放置し
て、各菌から調製したPCR産物DNA鎖を固定化させた。固定化の後、ECO−1(大
腸菌)、SA−1(黄色ブドウ球菌)、SAL−1(サルモネラ菌)、PA−1(緑膿菌)、
POS(ポジティブコントロール)の既知配列DNA鎖溶液を、各々PCR産物を固定化
した基板状に分注し、カバーガラスで覆い、湿度を保った容器中で60℃で一晩放置した
。カバーガラスを外し、洗浄を行い、アルカリフォスファターゼ標識アビジン溶液を基板
上分注し、カバーガラスで覆い30分放置した後、洗浄を行い、BICP/NBT発色試
薬中に基板を浸漬し、スポット部分を発色させた。最後にスキャナーにより発色像を得て
、スポットの発色度合いをデンシトメーターにより数値化した。4点のシグナル値の平均
を表2に示す。
Figure 2007037473
表2に示したように各々の菌についての遺伝子配列について検出が可能であった。
(実験例2)
上記で作製した96穴マイクロタイタープレートを用いた。各々のウェルに各々PCR産物溶液を5μl分注し、直径6mmに打ち抜いたのETFE製シートを被せ、約3時間放置した後、純水で洗浄しPCR産物(DNA鎖)を固定化した。各々の菌検出用DNA
溶液を調製した。菌検出用DNA溶液をウェルに10μlを分注し、直径6mmに打ち抜いたETFEシートを被せ、約12時間放置した。アニーリングの後、洗浄を行い、ペルオキシダーゼ標識アビジン溶液を各ウェルに分注し、30分放置した後、洗浄を行い、OPD発色試薬(住友ベークライト製)により発色させ、プレートリーダーにより吸光度を測定した。各ウェルについて、固定化に用いたPCR産物溶液と検出に用いた菌検出用DNA溶液の各組み合わせについて、吸光度の数値を表3に示す。
Figure 2007037473
表3に示したように各々の菌についての遺伝子配列について検出が可能であった。また、複数の菌からのPCR産物の混合溶液に混合割合に対応したシグナル(吸光度)を得ることが出来た。











Claims (12)

  1. リン脂質の親水部を構成するリン酸エステルより誘導される基を有する第一単位と電子求引性の置換基がカルボニル基に結合してなるカルボン酸誘導基を有する第二単位とを含む高分子物質を表面に有する不溶性担体を用いて、
    (a)前記不溶性担体表面に検体由来のRNA鎖又はDNA鎖を固定化する工程、
    (b)既知配列のDNA鎖を含有する溶液を不溶性担体表面に接触させる工程、
    (c)不溶性担体表面に固定化された前記検体由来のRNA鎖又はDNA鎖と前記既知配列を有するDNA鎖とをアニーリングする工程、
    (d)前記検体由来のRNA鎖又はDNA鎖と前記既知配列を有するDNA鎖とがハイブリダイズされた状態を検出する工程、を含むことを特徴とする検体の遺伝子配列の検出方法。
  2. 前記基体の第一単位に含まれるリン酸エステルより誘導される基は、ホスホリルコリン基、ホスホリルエタノールアミン基、ホスホリルセリン基、ホスホリルイノシトール基、ホスホリルグリセロール基、及びホスファチジルホスホリルグリセロール基から選ばれる少なくとも1つの基である請求項1記載の遺伝子配列の検出方法。
  3. 工程(d)において、検出方法が蛍光、発光、又は発色の何れかの方法である請求項1又は2記載の遺伝子配列の検出方法。
  4. 前記既知配列のDNA鎖が、10〜100塩基のヌクレオチドを含む請求項1〜3いずれか記載の遺伝子配列の検出方法。
  5. 工程(b)又は工程(c)において、前記既知配列のDNA鎖を含有する溶液中にDNA2本鎖の内部に結合(インターカレート)して蛍光を発する蛍光色素を含み、工程(d)において蛍光によりハイブリダイズされた状態を検出するものである請求項1〜4いずれか記載の遺伝子配列の検出方法。
  6. 工程(b)又は工程(d)において、前記既知配列を有するDNA鎖に標識が修飾され、工程(d)において前記標識の量を検出することによりハイブリダイズされた前記既知配列を有するDNA鎖を検出するものである請求項1〜4いずれか記載の遺伝子配列の検出方法。
  7. 前記標識が酵素、蛍光色素、及び特定蛋白質と特異的に結合する化合物から選ばれる少なくとも一つである請求項6記載の遺伝子配列の検出方法。
  8. 前記不溶性担体の形状が板状であり、担体表面に検体由来のRNA鎖又はDNA鎖をスポット状に点着固定化する請求項1〜7いずれか記載の遺伝子配列の検出方法。
  9. 1つ以上の検体由来のRNA鎖又はDNA鎖をスポット状に固定化する請求項8記載の遺伝子配列の検出方法。
  10. 前記不溶性担体がマイクロタイタープレートを含む請求項1〜7いずれか記載の遺伝子配列の検出方法。
  11. 前記マイクロタイタープレートが少なくとも二つのウェルを有し、そのウ
    ェル各々に相異なる検体由来のRNA鎖又はDNA鎖を固定化する請求項10記載の遺伝
    子配列の検出方法。
  12. 前記不溶性担体がプラスチック製である請求項1〜11いずれか記載の遺
    伝子配列の検出方法。
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