JP2010205354A - ガラスブランクの製造方法、プレス成型装置、情報記録媒体用基板の製造方法、および、情報記録媒体の製造方法 - Google Patents

ガラスブランクの製造方法、プレス成型装置、情報記録媒体用基板の製造方法、および、情報記録媒体の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】より薄肉のガラスブランクを作製する場合でもプレス時の上型へのガラスの貼り付きを抑制する製造方法及びこれを実施する装置を提供する。
【解決手段】ガラスブランクの製造方法は、軟化状態のガラスを下型プレス面上に供給するガラス供給工程と、プレス面上の塊状となったガラスの上面中央部に、冷却用部材を接触させて塊状ガラスを冷却する塊状ガラス冷却工程と、この直後に、塊状ガラスを上型と下型によりプレスするプレス工程とを経て、0.01≦t/d≦0.02、を満たすガラスブランクを作製する(但しtはガラスブランクの厚み(mm)、dはガラスブランクの直径(mm)を表す)。なお、プレス成型装置は上記製造方法を実施する装置であり、情報記録媒体用基板の製造方法および情報記録媒体の製造方法は、上記製造方法を利用する製造方法である。
【選択図】図2

Description

本発明は、ガラスブランクの製造方法、プレス成型装置、情報記録媒体用基板の製造方法、および、情報記録媒体の製造方法に関するものである。
情報記録媒体用基板や光学レンズ等の作製に用いられる板状のガラス半製品(いわゆる「ガラスブランク」)の作製方法として、ダイレクトプレス法が知られている。このダイレクトプレス法では、フィーダーパイプから連続的に流出する溶融ガラスを所定容量毎に下型上に供給した後、下型上の軟化状態のガラス塊(以下、「ガラスゴブ」と称す場合がある)を下型と上型とによりプレスする工程を経てガラスブランクを作製する。
ダイレクトプレス法により作製されたガラスブランクを研削・研磨して光学レンズを作製する場合、研削・研磨時の削り代を小さくするためには、ガラスブランク表面に発生するヒケを抑制することが重要である。このヒケは、プレス成型する際に高温状態のガラス塊の内部と外周部とに温度差が発生し、この温度差により生じたガラス塊内外の熱収縮率に差に起因して発生する。
このような光学ガラス用ガラスブランクのヒケの発生を抑制するために、本出願人は、下型上に供給したガラスゴブの上表面を冷却する工程と、この工程を経た後にガラス塊内外の温度を近づける工程とを実施後にプレスする方法が提案した(特許文献1参照)。この方法では、ガラスゴブの上表面を冷却するために、ガラスゴブの上表面に冷却空気を吹き付けたり、平滑な接触面を備える金属材からなる熱吸収部材をガラスゴブの上表面に押し付けて変形させ、熱吸収部材とガラスゴブの上表面とを面接触させる。これによりガラスゴブ上部側の熱を熱吸収部材側に吸収させる。また、本出願人は、下型上に供給したガラスゴブの内部と外周部との温度を近づけるようにガラスゴブの温度を制御する方法(特許文献2参照)も提案した。この方法でもガラスゴブの上表面を冷却するために、平滑な接触面を備える金属材からなるプレス部材をガラスゴブの上表面に押し付けて変形させ、熱吸収部材とガラスゴブの上表面とを面接触させる。これによりガラスゴブ上部側の熱を熱吸収部材側に吸収させる。
特開2002−68757号公報(請求項1、段落番号0012、0025、図3、図6等)
特開2000−23934号公報(請求項1,5,6,7、段落番号0034等)
ダイレクトプレス法により作製されたガラスブランクは、情報記録媒体用基板(以下、単に「基板」と略す場合がある)を作製するためにも用いられる。この情報記録媒体用基板の作製に用いられるガラスブランクでは、情報記録媒体用基板の更なるコストダウンに対応するために、ガラスブランクを後加工して基板とする際の研磨代を小さくする必要がある。このためには、ガラスブランクの厚み(最終的に基板となり得る領域の厚み)は、基板の厚みに近いほど良い。しかし、ガラスブランク全面の厚みを外径に対してより薄くしようとすると、プレスされたガラスが上型に貼りつき易くなる傾向がある。
本発明は、上記事情に鑑みてなされたものであり、より薄肉のガラスブランクを作製する場合でもプレス時の上型へのガラスの貼り付きを抑制するガラスブランクの製造方法およびこれに用いるプレス成型装置、並びに、当該ガラスブランクの製造方法を利用した情報記録媒体用基板の製造方法および情報記録媒体の製造方法を提供することを課題とする。
上記課題は以下の本発明により達成される。すなわち、
本発明のガラスブランクの製造方法は、軟化状態のガラスを下型のプレス面上に供給するガラス供給工程と、このプレス面上に供給され、塊状となった軟化状態のガラスの上面中央部に、冷却用部材を接触させることで、塊状ガラスを冷却する塊状ガラス冷却工程と、この塊状ガラス冷却工程の直後に、塊状ガラスを上型と下型とによりプレスするプレス工程と、を少なくとも経て、下式(1)を満たすガラスブランクを作製することを特徴とする。
・式(1) 0.01≦t/d≦0.02
〔式(1)中、tは、ガラスブランクの厚み(mm)を表し、dは、ガラスブランクの直径(mm)を表す。〕
本発明のガラスブランクの製造方法の一実施態様は、冷却用部材の形状が柱状であり、塊状ガラス冷却工程が、柱状の冷却用部材の軸方向をプレス面と略直交させた状態で、柱状の冷却用部材を塊状ガラスの上面中央部と接触させることにより実施され、かつ、下式(2)を満たすことが好ましい。
・式(2) 15≦D≦40
〔式(2)中、Dは、柱状の冷却用部材が塊状ガラスの上面中央部と接触する範囲の直径(mm)を表す。〕
本発明のプレス成型装置は、軟化状態の塊状ガラスをプレス成形するプレス面を有する1個の上型および複数個の下型と、この複数個の下型が等間隔で周縁部に配置されると共に、360度を下型の数で割った回転角度毎に一方向へ回転と停止とを繰り返す円形状の回転テーブルと、軟化状態の塊状ガラスを、回転テーブルのいずれか1つの停止位置で停止する下型のプレス面上に供給するガラス供給手段と、いずれか1つの停止位置を基準として、この停止位置に隣接し、かつ、回転テーブルの回転方向下流側の停止位置で停止する下型のプレス面上に配置され、このプレス面に対して略垂直方向に移動可能な冷却用部材と、を少なくとも備え、下型のプレス面上冷却用部材が配置される停止位置を基準として、この停止位置に隣接し、かつ、回転テーブルの回転方向下流側の停止位置で停止する下型のプレス面上に、上型が、当該下型のプレス面に対して垂直方向に移動可能に配置されたことを特徴とする。
本発明のプレス成型装置の一実施態様は、冷却用部材の形状が柱状であり、柱状の冷却用部材がその軸方向に上下に移動可能であり、ガラス供給手段により軟化状態の塊状ガラスが下型のプレス面上に配置された後、この下型が、回転テーブルの回転により冷却用部材の下方に移動して停止した状態において、下式(3)を満たすことが好ましい。
・式(3) 15≦D≦40
〔式(3)中、Dは、柱状の冷却用部材が塊状ガラスの上面中央部と接触する範囲の直径(mm)を表す。〕
本発明の情報記録媒体用基板の製造方法は、本発明のガラスブランクの製造方法により作製されたガラスブランクの少なくとも片面を研削・研磨する研削・研磨工程を少なくとも経て、情報記録媒体用基板を作製することを特徴とする。
本発明の情報記録媒体用基板の製造方法の一実施態様は、ガラスブランクを加熱することにより結晶化させる結晶化工程を有することが好ましい。
本発明の情報記録媒体の製造方法は、本発明の情報記録媒体用基板の製造方法により作製された情報記録媒体用基板の少なくとも片面に情報記録層を形成する情報記録層形成工程を少なくとも経て、情報記録媒体を製造することを特徴とする。
本発明によれば、より薄肉のガラスブランクを作製する場合でもプレス時の上型へのガラスの貼り付きを抑制するガラスブランクの製造方法およびこれに用いるプレス成型装置、並びに、当該ガラスブランクの製造方法を利用した情報記録媒体用基板の製造方法および情報記録媒体の製造方法を提供することができる。
本発明の実施形態に係るガラスブランクの製造方法で製造されるガラスブランクのアスペクト比の定義を説明するための説明図であり、円板状の薄肉部のみからなるガラスブランクの直径方向の断面図を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るガラスブランクの製造方法で製造されるガラスブランクのアスペクト比の定義を説明するための説明図であり、円板状の薄肉部と、この薄肉部の直径方向中央部に薄肉部の片面に凸を成すように設けられた厚肉部とからなるガラスブランクの直径方向の断面図を示す断面図である。 本発明の実施形態に係るガラスブランクの製造方法で製造されるガラスブランクのアスペクト比の定義を説明するための説明図であり、円板状の薄肉部と、この薄肉部の直径方向周縁部に薄肉部の片面に凸を成すように設けられた厚肉部とからなるガラスブランクの直径方向の断面図を示す断面図である。 胴型を用いた従来の非サイドフリープレス方式のダイレクトプレス法の一例を示す説明図である。 本発明の実施形態に係るガラス形成装置を構成する回転テーブルの一例を示す上面模式図である。 本発明の実施形態に係るガラスブランクの製造方法における塊状ガラス冷却工程の一例を示す模式断面図である。
(ガラスブランクの製造方法およびこれに用いるガラス成型装置)
−ガラスブランクの製造方法−
本実施形態のガラスブランクの製造方法は、軟化状態のガラスを下型のプレス面上に供給するガラス供給工程と、プレス面上に供給され、塊状となった軟化状態のガラスの上面中央部に、冷却用部材を接触させることで、塊状ガラスを冷却する塊状ガラス冷却工程と、この塊状ガラス冷却工程の直後に、塊状ガラスを上型と下型とによりプレスするプレス工程と、を少なくとも経て下式(1)を満たすガラスブランクを作製することを特徴とする。
・式(1) 0.01≦t/d≦0.02
ここで、式(1)中、tは、ガラスブランクの厚み(mm)を表し、dは、ガラスブランクの直径(mm)を表す。
これにより、式(1)に示すようなより薄肉のガラスブランクを作製する場合でもプレス時の上型へのガラスの貼り付きを抑制することができる。なお、本発明者らが上記本実施形態のガラスブランクの製造方法を見出した理由は以下の通りである。まず、本発明者は、より薄肉のガラスブランクを作製する場合にプレス時の上型へのガラスの貼り付きが発生する原因について検討した。その結果、貼りつきの原因は、時間経過と共に、この表面粘着が進み、ガラスブランクの自重プラス下型との粘着力に勝るようになってしまうと起こるとの結論に至った。また、貼り付きは、金型との接触面積に対するガラス重量やt/dの値(言い換えれば、断面二次モーメント)が十分大きな光学ガラス用ガラスブランク形状をダイレクトプレス法で作製する場合には非常に起こりにくく、より薄肉の情報記録媒体用ガラスブランクを製造する場合に生じる易い問題であることが判明した。この点や、光学ガラス用ブランクと情報記録媒体基板用ガラスブランクとのプレス時に必要なプレス推力の違いを考慮すると、貼り付きが顕在化するのは、単位面積当たりのプレス推力が、光学ガラス用ブランクよりも情報記録媒体基板用ガラスブランクの方がはるかに大きく、型の表面形状の転写性が上がるためでもあると推定される。
また、本発明者は貼り付きの発生について更に鋭意検討した。その結果、最も高温に加熱されやすい上型プレス面の中央部が、時間の経過と共に温度の上昇だけでなく、徐々に表面酸化が進むことで軟化状態のガラスとの濡れ性が変化し、酸化が進行していないプレス初期と比べてガラスに対する粘着性が向上することも原因のひとつと考えられる。
以上に説明したようなメカニズムを考慮した結果、まず第一に、本発明者は、プレスする前に、下型のプレス面上に位置する塊状ガラスの上表面中央部を冷却することで、塊状ガラスの上表面中央部の粘度を粘着が起こりにくい粘度まで増加させることが重要であると考えた。一方、塊状ガラスの上表面中央部を冷却したとしても、時間と共に、塊状ガラスの中心部の熱が上表面中央部に伝達されて、上表面中央部の温度が再び高温になってしまう。このような状態でプレスを実施すると、塊状ガラスの上表面中央部の粘度が低下しているため、粘着が起こってしまうことになる。それゆえ、第二に、本発明者は、塊状ガラスの上表面中央部を冷却した後、上表面中央部が再び高温に戻る前に速やかにプレスすることが重要であると考えた。このように、以上に説明したいくつかの理由から、本発明者は上述した本実施形態のガラスブランクの製造方法を見出した。
なお、本実施形態のガラスブランクの製造方法では、塊状ガラス冷却工程の直後にプレス工程が実施される。ここで、当該「直後」とは、(1)製造プロセス上、ガラス冷却工程の後に何がしかの後工程を実質的に実施可能なタイミングがn回(但し、nは2以上の整数)あることを前提として、(2)そのn回のタイミングの中で、n=1回目のタイミングでプレス工程が実施されることを意味する。なお、本実施形態のガラスブランクの製造方法では、その製造に際して量産性を確保するために、複数個の下型を所定の循環ライン上を、移動と停止とを交互に繰り返しながら循環させる。そして、下型の停止位置において、ガラス供給工程や、塊状ガラス冷却工程、プレス工程等の所定の工程を実施する。そして下型が停止する位置は、循環ライン上の同じ位置に固定される。したがって、循環ライン上に16個の下型が配置されている場合は、16箇所の下型停止位置が存在することになる。ここで、下型の循環方向に沿って、下型停止位置に1番〜16番の番号を順に付したと仮定すると、たとえば、2番目の下型停止位置で塊状ガラス冷却工程を実施した場合、「塊状ガラス冷却工程の“直後”にプレス工程を実施する」とは、3番目の下型停止位置でプレス工程を実施することを意味する。なお、複数個の下型を所定の循環ライン上を、移動と停止とを交互に繰り返しながら循環させる方法としては、回転可能な円形状テーブルの周縁部に沿って、一定間隔で複数個の下型を配置した回転テーブルを用いる方法が代表例として挙げられるが、これに限定されるものではない。
また、式(1)に示すガラスブランクの直径d(mm)に対するガラスブランクの厚みtの比(t/d)は、アスペクト比を表す。なお、ガラスブランクは、全面が平坦な円板状基板のみならず、部分的に厚肉部を設けたものも存在する。このような厚肉部を部分的に有するガラスブランクでは、ガラスブランクの厚みtは、薄肉部の厚みを基準とする。以下にアスペクト比の定義を図面を用いてより具体的に説明する。図1〜図3は、アスペクト比の定義を説明するための説明図である。ここで、図1は、円板状の薄肉部1のみからなるガラスブランク10の直径方向の断面を示す断面図であり、図2は、円板状の薄肉部1と、この薄肉部1の直径方向中央部に薄肉部1の片面に凸を成すように設けられた厚肉部2とからなるガラスブランク12の直径方向の断面を示す断面図であり、図3は、円板状の薄肉部1と、この薄肉部1の直径方向周縁部に薄肉部1の片面に凸を成すように設けられたリング状の厚肉部3とからなるガラスブランク14の直径方向の断面を示す断面図である。図1〜図3に例示するように、本発明における「アスペクト比」とは、厚肉部2、3の有無に関係無く、ガラスブランク10、12、14の最大径(直径d)と薄肉部1の厚みtとを基準として求められる値を意味する。
なお、貼り付きは、従来のダイレクトプレス法では、式(1)に示すようにアスペクト比(t/d)が0.02以下で発生し易くなる傾向にあり、アスペクト比(t/d)が小さいほどその傾向はより顕著になる。このため、本実施形態のガラスブランクの製造方法では、ガラスブランクのアスペクト比(t/d)は、式(1)に示すように0.02以下であることが好ましい。なお、アスペクト比(t/d)の下限は特に限定されるものではないが、あまりに小さいとガラスブランク自体が作製困難となるなどの実用上の観点からは、0.01以上である。
また、本実施形態のガラスブランク製造方法を用いて作製されるガラスブランクは、図1に示されるように厚肉部を有さない完全な平板状のものであってもよく、図2や図3に一例を示すように、部分的に厚肉部を有するものであってもよい。また、図2や図3に示す例では、厚肉部2、3は、薄肉部1の片面側のみに凸を成すように設けられている。しかし、本実施形態のガラスブランク製造方法を用いて作製されるガラスブランクは、厚肉部が、薄肉部の両面に凸を成すように設けられたものでもよい。
なお、中央部に厚肉部を有するガラスブランクを作製する場合、上型のプレス面中央部に、この厚肉部に対応する凹部を設けることができる。しかしながら、このような上型を用いて、従来の方法によりガラスブランクを作製しようとした場合、上型へのガラスの貼り付きがより顕著に発生し易くなる。この理由は、プレス面中央部に凹部が無い場合と比べて、プレス面中央部に凹部を有する場合の方が、軟化状態のガラスとの接触面積が大きくなることが挙げられる。また、厚肉部を設けたことにより、ガラスが全面平坦なプレス面と接触している場合と比べて、厚肉部部分のガラスと上型との摩擦抵抗が増大するため、より貼り付きを起こり易くしているものと推定される。これに加えて、ガラスブランクの薄肉部から厚肉部へと肉厚が変化し始める部分では、プレス時の薄肉部と厚肉部との熱収縮量の違いに起因して発生する応力が集中しやすいため、この部分がクラック発生の原因となり易い。このように潜在的にクラックが発生しやすい原因を内在している上に、プレス時にガラスと上型との貼り付きがより起こり易くなる。そしてこれらの要因が組み合わせられることにより、上型のプレス面に凹部を設けた場合、従来の方法では、ガラスブランクのクラックの発生を加速するものと推定される。
しかしながら、本実施形態のガラスブランクの製造方法では、上述したようにプレス時の上型のプレス面とガラスとの粘着性が増大するのを抑制することができる。このため、貼り付き自体が殆ど起こらない。その結果、プレス面の中央部に凹部を有する上型を用いて、中央部に厚肉部を有するガラスブランクを作製する場合でも、本実施形態のガラスブランクの製造方法を利用すれば、ガラスブランクのクラックの発生を抑制することができる。
なお、塊状ガラス冷却工程に用いられる冷却用部材の形状としては、塊状ガラスの上面中央部を冷却することができるものであれば特に限定されるものではないが、柱状であることが好ましい。これにより、塊状ガラスの上面中央部のみをより選択的、かつ、効率的に冷却することが容易となる。そして、結果として、塊状ガラスの表面粘度を上げ、貼り付きを抑制できる。一方、ダイレクトプレス法により薄肉のガラスブランクを作製する場合、ガラスブランクの中央部が盛り上がるように変形する盛り上がり変形が発生する場合がある。この、盛り上がり変形の原因は、一般的なダイレクトプレス成形法の特徴としてプレス時に上型プレス面と低粘度のガラスとの間で接触時間が十分確保できず、プレス初期上型温度が十分に低く、接触するガラス表面に対する冷却能力が十分大きい間は起こらないが時間経過と共にガラスとの接触面のうち、特に高温のガラスブランク中央部の表面温度が選択的に上がり、上型表面温度の経時的な上昇により僅かに表面粘着が生じ始めてくるためであると考えられる。しかしながら、柱状の冷却用部材を用いて塊状ガラスの上表面中央部の特定の範囲を選択的に冷却することは、プレス前に下型上に形成される塊状ガラスによる下型中央部の温度上昇に起因するガラスブランク面半径方向の温度分布を上型面側で緩和することになる。それゆえ、このような温度分布改善により中央部の盛り上がり変形も抑制できる。なお、柱状の冷却用部材の断面形状としては特に限定されないが、塊状ガラスの上面中央部を、点対称で対称性良く冷却できる観点では円形状が最も好ましい。
また、柱状の冷却用部材を用いる場合、塊状ガラス冷却工程は、柱状の冷却用部材の軸方向をプレス面と略直交させた状態で、柱状の冷却用部材を塊状ガラスの上面中央部と接触させることにより実施すると共に、かつ、下式(2)を満たすことが好ましい。
・式(2) 15≦D≦40
ここで、式(2)中、Dは、上記柱状の冷却用部材が塊状ガラスの上面中央部と接触する範囲の直径(mm)を表す。当該範囲は、塊状ガラスの粘度にもよるが、プレス前に塊状ガラスが下型表面と接触する範囲に概ね相当する。
なお、「直径D」とは、冷却用部材が塊状ガラスの上面中央部と接触する場合において、その接触面が真円形である場合の直径のみならず、接触面が多角形や楕円など真円形以外の場合において接触面の面積に相当する真円の直径も含む。直径Dが、式(2)を満たすことで、塊状ガラスの上面中央部のみが選択的に冷却でき、ガラス塊の上表面中央部の粘度上昇(温度低下)を促して、貼り付きを確実に抑制できる。これに加えて、塊状ガラス全体を冷却するのと異なり、プレス工程において塊状ガラスを薄く広くプレスするのが困難となるのを防ぐこともできる。また、直径Dを15mm以上とすることにより、プレス前に下型上に形成される塊状ガラスによる下型中央部の温度上昇に起因するガラスブランク面半径方向の温度分布を上型面側でより効果的に緩和できるため、盛り上がり変形も確実に抑制できる。なお、直径Dは20mm以上35mm以下がより好ましい。また、「軸方向をプレス面と略直交」とは、軸方向がプレス面に対して85度〜90度の角度を成すことを意味する。なお、プレス面と軸方向との成す角度は90度が最も好ましい。
なお、柱状の冷却用部材の塊状ガラスと接触する側の端面は、平坦面であってもよいが、凸状面または凹状面であってもよい。この場合、柱状の冷却用部材の塊状ガラスに対するプレス面方向の接触面積を狭く維持したまま、実質的な接触面積をより大きくできる。このため、塊状ガラスの上面中央部のみを選択的、かつ、効率的に冷却することがより容易になる。
また、冷却用部材による冷却効果の向上や、連続プレスする場合の冷却効果の安定性を確保するために、冷却用部材は、空冷式又は液冷式の冷却機構を備えていることが好ましい。この場合、たとえば、冷却用部材の内部に、空気や、水粒子と空気とを混合したガス、水などの冷却媒体を流すための流路を設けておくことで冷却用部材を強制冷却することができる。冷却用部材を構成する材料としては、耐熱性を有する材料であれば特に限定されず、たとえば、ステンレス綱、ニッケル、ニッケル合金等を用いることができる。また、ガラスブランクを量産する場合、冷却用部材は上型と同様の頻度で塊状ガラスと接触するため、塊状ガラスと接触する部分の酸化が起こり易い。このため、塊状ガラスと接触する部分には、酸化クロム、ニッケル合金などの酸化防止膜を設けてもよい。
なお、ダイレクトプレス法では、プレス工程に用いられる成形型として、図4に例示するように、ガラスブランクの両面を形成するために用いる上型38および下型32の他に、プレス時に軟化状態のガラス塊40のプレス面方向への延伸を規制するために胴型36を組み合わせて用いる場合がある。本実施形態のガラスブランクの作製においても、軟化状態のガラス塊のプレス面方向への自由な延伸を規制する胴型36等の規制部材を用いたプレス方式(非サイドフリープレス方式)を採用することも可能であるが、胴型36等の規制部材を用いないプレス方式(サイドフリープレス方式)を採用することがより好ましい。この理由は、サイドフリープレス方式では、プレス時に軟化状態のガラス塊のプレス面方向への自由な延伸が規制されないためである。それゆえ、下型32のプレス面上に供給される軟化状態のガラス塊40の容量が多少変動したとしても、プレス時に上型38および下型32のプレス面間の距離を一定に保ちつつ、ガラス塊40の容量変動を、厚肉部で吸収させることができる。したがって、サイドフリープレス方式を採用した場合、非サイドフリープレス方式を採用した場合よりもガラスブランク間の厚みばらつきを小さくすることができ、結果として後工程である研磨工程の負荷をより小さくすることができる。
また、プレス工程を実施する前に下型のプレス面に窒化ホウ素(BN)などの耐熱性の固体潤滑剤粉末を付着させてもよい。これにより、下型のプレス面上に供給された塊状ガラスとプレス面との潤滑性が向上するため、プレス時に塊状ガラスをより薄くプレスすることが容易になる。なお、固体潤滑剤粉末を用いた場合、カラス塊の下型プレス面に対する粘着力が弱くなる。すなわち、プレス時において、ガラス塊−下型プレス面間の粘着力よりもガラス塊−上型プレス面間の粘着力の方が相対的に強くなる。このため、従来のガラスブランクの製造方法であれば、貼り付きがより起こり易くなる。しかしながら、本実施形態のガラスブランクの製造方法では、既述したようにガラス塊−上型プレス面間の粘着力の増大が抑制されるため、固体潤滑剤粉末を用いたとしても貼り付きの発生を抑制することができる。
プレスに用いる上型および下型としては、ガラスのプレス成型に利用できる成形型であれば公知のものが利用できる。なお、図2や図3に例示したように、部分的に厚肉部を有するガラスブランクを作製する場合は、この厚肉部に対応するようにプレス面に凹部を設けた成形型が利用できる。また、プレス時のプレス面へのガラスの貼り付きをより確実に抑制するために、プレス面には、ダイヤモンドライクカーボンや、酸化クロム、ニッケル合金などの酸化防止膜を設けてもよい。特に上型のプレス面に酸化防止膜を設けた場合、より確実に貼り付きを抑制することができる。
本実施形態のガラスブランクの製造方法により作製されるガラスブランクのガラス組成としては、これを用いて作製される基板や情報記録媒体に応じて適宜選択できるが、たとえば、アルミノシリケートガラス、ソーダライムガラス、ソーダアルミノケイ酸ガラス、アルミノボロシリケートガラス、ボロシリケートガラス、石英ガラス、チェーンシリケートガラスなどを挙げることができる。また、これらのガラスは加熱処理により結晶化する結晶化ガラスであってもよい。
なお、アルミノシリケートガラスとしては、SiOが58質量%以上75質量%以下、Alが5質量%以上23質量%以下、LiOが3質量%以上10質量%以下、NaOが4質量%以上13質量%以下を主成分として含有するアルミノシリケートガラス(ただし、リン酸化物を含まないアルミノシリケートガラス)を用いてよい。たとえば、SiOが62質量%以上75質量%以下、Alが5質量%以上15質量%以下、LiOが4質量%以上10質量%以下、NaOが4質量%以上12質量%以下、ZrOが5.5質量%以上15質量%以下を主成分として含有するとともに、NaO/ZrOの質量比が0.5以上2.0以下、Al/ZrOの質量比が0.4以上2.5以下であるリン酸化物を含まないアモルファスのアルミノシリケートガラスとしてよい。なお、CaOやMgOといったアルカリ土類金属酸化物を含まないガラスであることが望ましい。このようなガラスとしては、HOYA株式会社製のN5ガラス(商品名)を挙げることができる。
−ガラス成型装置−
本実施形態のガラスブランクの製造方法を実施するガラス成型装置としては、塊状ガラス冷却工程の直後に、塊状ガラスを上型と下型とによりプレスするプレス工程を備えることが可能な構成を有するものであれば、その構成は特に限定されない。しかしながら、本実施形態のガラス成型装置は、具体的には以下に示す構成を有することが特に好ましい。すなわち、本実施形態のガラス成型装置は、軟化状態の塊状ガラスをプレス成形するプレス面を有する1個の上型および複数個の下型と、この複数個の下型が等間隔で周縁部に配置されると共に、360度を下型の数で割った回転角度毎に一方向へ回転と停止とを繰り返す円形状の回転テーブルと、軟化状態の塊状ガラスを、回転テーブルのいずれか1つの停止位置で停止する下型のプレス面上に供給するガラス供給手段と、いずれか1つの停止位置を基準として、この停止位置に隣接し、かつ、回転テーブルの回転方向下流側の停止位置で停止する下型のプレス面上に配置され、このプレス面に対して略垂直方向に移動可能な冷却用部材と、を少なくとも備え、下型のプレス面上に冷却用部材が配置される停止位置を基準として、この停止位置に隣接し、かつ、回転テーブルの回転方向下流側の停止位置で停止する下型のプレス面上に、上型が、当該下型のプレス面に対して垂直方向に移動可能に配置された構成を有することが特に好ましい。ここで、冷却用部材が「プレス面に対して略垂直方向に移動可能」とは、冷却用部材の移動方向が、プレス面に対して85度〜90度の角度を成すことを意味する。なお、プレス面と移動方向との成す角度は90度が最も好ましい。
なお、上記実施形態においては、冷却用部材の形状が柱状であり、この柱状の冷却用部材がその軸方向に上下に移動可能であることが好ましい。さらに、ガラス供給手段により軟化状態の塊状ガラスが下型のプレス面上に配置された後、当該下型が、回転テーブルの回転により冷却用部材の下方に移動して停止した状態において、上述した式(2)を満たすことが好ましい。
なお、本実施形態のガラス成型装置は、上型、下型、回転テーブル、ガラス供給手段、冷却用部材の他に、通常は、プレス後のガラスブランクを下型から取り出すガラスブランク取り出し手段を備えることが好ましい。また、必要に応じて、BNなどの耐熱性の固体潤滑剤粉末を下型のプレス面上に付着させるために、固体潤滑剤粉末散布手段を設けてもよい。なお、回転テーブルに配置される下型の数は、ガラスブランクを作製する上で最低限実施することが必要な4つの工程であるガラス供給工程、塊状ガラス冷却工程、プレス工程およびガラスブランクを下型から取り出す取出工程に対応させる意味で、原理的には最低4つあればよい。しかしながら、プレス後から取り出しまでのガラスブランクの冷却期間の確保や、プレス前の下型プレス面の余熱時間の確保なども考慮すると、実用上、下型の数は、16個以上24個以下程度が好ましい。
−ガラスブランク製造の具体例−
次に、本実施形態のガラスブランクの製造方法やこれに用いる本実施形態のガラス成型装置の具体例について、図面を用いてより詳細に説明する。図5は、本実施形態のガラス形成装置を構成する回転テーブルの一例を示す上面模式図である。図5に示す円形状の回転テーブル30は、その周縁部に沿って、16個の下型32が等間隔に配置されている。そして、ガラスブランクを製造する場合、22.5度毎に回転と停止とを交互に繰り返しながら矢印R方向(時計回り方向)に回転する。また、図5中、一点鎖線で示されるラインは、下型32の停止位置を意味する。なお、この停止位置は、下型の数に対応して16あり、図5中では、各々の停止位置に対して、矢印R方向に沿ってP1〜P16の番号が付してある。なお、下型32は、図4に例示したように、胴型36と組み合わせて用いられるものであってもよい。
ここで、図5に示す回転テーブル30を用いてガラスブランクを製造する場合、各々の停止位置P1〜P16にて、たとえば、下記表1に示すように各工程を実施することができる。すなわち、表1に示す例では、停止位置P1でガラス供給工程を実施した後、停止位置P1に隣接する停止位置P2で塊状ガラス冷却工程を実施し、続いて、停止位置P2に隣接する停止位置P3でプレス工程を実施する。その後、プレス工程を終えた下型が、停止位置P4〜P11までを回転と停止とを交互に繰り返しながら移動する間は、プレス直後の高温状態のガラスブランクの全体を均熱化しながら冷却する均熱・冷却工程が実施される。次に、停止位置P12に下型32が移動してきた際に、下型32のプレス面34上に位置するガラスブランクを取り出す。なお、下型32から取り出されたガラスブランクは、その後、徐冷炉に配置され、室温まで徐々に冷却される。続いて、再度のプレスに備えて、下型32が、停止位置P13〜14へと移動、および、これらの位置で停止している際に、プレス面の温度をプレスに適した温度にまで加熱する下型予熱工程を実施する。その後、停止位置P15にて、BN等の固体潤滑剤粉末を下型32のプレス面34に供給して付着させる。
Figure 2010205354
なお、表1に示す例では、塊状ガラス冷却工程を実施する停止位置の隣の停止位置でプレス工程を実施するのであれば、その他の工程を実施する停止位置は、必要に応じて多少前後させることができる。また、固体潤滑剤粉末供給工程は必要に応じて省略してもよい。また、回転テーブル30の回転速度は、適宜選択できるが、量産安定性と生産速度向上とをバランスよく両立させる観点からは、通常、2回転/分〜3回転/分程度とすることが好ましい。また、各停止位置P1〜P16における下型32の停止時間は特に限定されるものではないが、各工程の実施に必要な時間を確保しつつ、生産速度向上も確保する観点から、1秒〜1.7秒が好ましく、1.2秒〜1.5秒が好ましい。
次に、各工程についてより具体的に説明する。まず、ガラス供給工程では、溶融ガラスを下型32のプレス面に流し出す流出ノズルと、この流出ノズルから連続的に流し出された溶融ガラスを切断する切断機とを少なくとも備えたガラス供給手段を用いて、下型32のプレス面上に軟化状態のガラスを供給する。ガラス供給工程は、具体的には以下のように実施される。まず、溶解、清澄、攪拌均一化されたこれらガラス材料からなる溶融ガラスを、流出ノズルから一定の流出速度で連続して排出させ、この溶融ガラス流をシアと呼ばれる切断機によって、常に一定質量の軟化状態のガラス塊が得られるように周期的に切断する。そして、切断された軟化状態のガラス塊は流出ノズル直下で、停止位置P1にて待機している下型32のプレス面上に供給(キャスト)される。流出ノズルから排出される溶融ガラスは、軟化した状態であり、その粘度は0.3〜100Pa・s程度である。そして、この溶融ガラスは、下型32のプレス面上で、表面張力によって丸味を帯びて塊状のガラスとなる。なお、下型32のプレス面の温度はガラス塊の温度よりも低温ではあるが、塊状ガラスが過冷却されることにより、ガラスブランクが割れないように調整される。
上記キャストが終わって軟化状態の塊状ガラスをそのプレス面上に載置した下型32は、停止位置P2へと移動して、停止する。この際、下型32のプレス面上に位置する冷却用部材が降下して、塊状ガラスの上面中央部に接触し、塊状ガラスを冷却する塊状ガラス冷却工程を実施する。この際、冷却用部材を塊状ガラスに接触させる時間は、塊状ガラスの過冷却を防ぎつつ、その上面中央部を選択的、かつ、効率的に冷却するために、0.3秒〜0.8秒程度とすることが好適である。図6は、塊状ガラス冷却工程の一例を示す模式断面図である。図6に示す例では、下型32のプレス面34上に位置する塊状ガラス40の上面中央部に、柱状の冷却用部材50の下端面が接触することで、塊状ガラス40を冷却している。ここで、冷却用部材50の軸方向(図6中の一点鎖線)は、プレス面34と直交した状態となっている。
塊状ガラス冷却工程を終えた後、下型32は、停止位置P2から上型が待機しているプレス位置(停止位置P3)に移動する。そして、下型32のプレス面上に位置する塊状ガラスは、上型及び下型32によりプレス成形される。この際の上型および下型32の温度、プレス圧力、プレス時間は、ガラス転移温度等のガラスの熱物性や、作製するガラスブランクの直径・厚み、サイドフリープレス方式か否か等を考慮して適宜設定する。たとえば、上型の温度を250〜400℃に調整し、下型32の温度を420〜470℃に設定することができる。2.5インチ相当サイズ品プレス時の推力については3〜7トン程度を目安にできるが、特にこの範囲に限定されるものではなく、適宜調整することができる。
プレス成形を終えると、ガラスブランクの形状となった成形品の上面が上型から離型され、プレス直後の高温状態のガラスブランクを載置した下型32は、停止位置P3から、取出工程(テイクアウト)を実施する停止位置P12へと、各停止位置での一時停止を繰り返しながら移動する。そして、停止位置P3から停止位置P12へと下型32が移動する過程で、プレス直後の高温状態のガラスブランクの全体を均熱化すると共に冷却する(均熱・冷却工程)。この均熱・冷却工程は、単に自然放冷を利用してもよいし、必要に応じて、下型32を加温又は冷却するなどによって、ガラスブランクの冷却速度を調整しながら実施してもよい。なお、テイクアウトする際にガラスブランクに加わる外力によって、ガラスブランクが変形しないように、ガラスブランクは、停止位置P12に到達するまでにガラス転移温度付近またはそれ以下の温度にまで冷却される。また、必要に応じて、停止位置P4〜停止位置P11の少なくともいずれかの停止位置にて、下型32上のガラスブランクの上面を押し型で押圧し、ガラスブランクの反りを修正する反り修正工程を実施してもよい。
続いて、停止位置P12にて、下型32からガラスブランクを取り出す取出工程(テイクアウト)が実施される。このテイクアウトはガラスブランクの上面を吸着手段で吸着保持して行うことができる。テイクアウトされたガラスブランクは、大気中で急冷されたのち、除歪するためにアニール炉に入れられてアニールされる。そして、このような一連の工程を経ることでガラスブランクを得ることができる。
なお、取出工程を終えた後の停止位置P12で停止している下型32のプレス面の表面温度は、プレス工程に適さない温度にまで低下している。このため、下型32が、停止位置P15へと移動するまでの間にヒーターを利用して下型32のプレス面の温度が、プレス工程に適した温度となるように、下型32の加熱を行う(下型予熱工程)。
下型予熱工程を終えた後の下型32は、続いて、停止位置P15に移動する。この停止位置P15では、プレス面上に配置された固体潤滑剤粉末付与手段によって、空気などの気体と共に窒化ホウ素(BN)粉末などの耐熱性の固体潤滑剤粉末を噴霧する。これにより固体潤滑剤粉末をプレス面上に付着させる。その後、下型32は、停止位置P15から、次の停止位置P16、P1へと移動し、次のプレス成形が行われる。
(情報記録媒体用基板の製造方法)
上述した本実施形態のガラスブランクの製造方法により作製されたガラスブランクについては、このガラスブランクの少なくとも片面を研削・研磨する研削・研磨工程を少なくとも経て、情報記録媒体用基板を作製する。また、ガラスブランクを構成するガラスが熱処理により結晶化可能なガラス組成を有する場合は、上記工程の他に、ガラスブランクを加熱することにより結晶化させる結晶化工程を組み合わせることもできる。なお、情報記録媒体用基板の製造の一典型例としては、たとえば、(1)第1ラッピング工程、(2)切り出し工程(コアリング、フォーミング)、(3)端面研削工程、(4)第2ラッピング工程、(5)端面研磨工程、(6)主表面研磨工程、(7)化学強化工程および冷却工程、(8)精密洗浄工程、をこの順に実施することできる。以下、これら8つの工程についてより具体的に説明する。なお、基板の直径よりも十分大きな直径を有する円盤状ガラスをプレス成形し、スクライビング加工により前記円盤状ガラスから同心円状の円盤状ガラスを取り出し、取り出した円盤状ガラスを上記(1)から(8)に至る工程によって基板にすることもできる。
(1)第1ラッピング工程
第1ラッピング工程では、ガラスブランクの両主表面をラッピング加工することで、ディスク状のガラス素板を得る。このラッピング加工は、遊星歯車機構を利用した両面ラッピング装置により、アルミナ系遊離砥粒を用いて行うことができる。具体的には、ガラス素板の両面に上下からラップ定盤を押圧させ、遊離砥粒を含む研削液をガラス素板の主表面上に供給し、これらを相対的に移動させてラッピング加工を行うことができる。このラッピング加工により、平坦な主表面を有するガラス素板が得られる。
(2)切り出し工程(コアリング、フォーミング)
次に、ダイヤモンドカッタを用いてガラス素板を切断し、このガラス素板から、円盤状のガラス基板を切り出す。次に、円筒状のダイヤモンドドリルを用いて、このガラス基板の中心部に円孔を形成し、ドーナツ状のガラス基板を得る(コアリング)。
(3)端面研削工程
そして内周端面および外周端面をダイヤモンド砥石によって研削し、所定の面取り加工を施す(フォーミング)。
(4)第2ラッピング工程
次に、得られたガラス基板の両主表面について、第1ラッピング工程と同様に、第2ラッピング加工を行う。この第2ラッピング工程を行うことにより、前工程である切り出し工程や端面研磨工程において主表面に形成された微細な凹凸形状を予め除去しておくことができ、後続の主表面に対する研磨工程を短時間で完了させることができる。
(5)端面研磨工程
次に、ガラス基板の端面について、ブラシ研磨方法により、鏡面研磨を行う。このとき、研磨砥粒としては、酸化セリウム砥粒を含むスラリー(遊離砥粒)を用いることができる。この端面研磨工程により、ガラス基板の端面から、パーティクル等の発塵を防止できる。
(6)主表面研磨工程
主表面研磨工程の前半工程として、まず第1研磨工程を実施する。この第1研磨工程は、前述のラッピング工程において主表面に残留したキズや歪みの除去を主たる目的とする。この第1研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、硬質樹脂ポリッシャを用いて、主表面の研磨を行う。研磨液としては、たとえば、酸化セリウム砥粒を用いることができる。そして、この第1研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄する。
次に、主表面研磨工程の後半工程として、第2研磨工程を実施する。この第2研磨工程は、主表面を鏡面状に仕上げることを目的とする。この第2研磨工程においては、遊星歯車機構を有する両面研磨装置により、軟質発泡樹脂ポリッシャを用いて、主表面の鏡面研磨を行うことができる。研磨液としては、第1研磨工程で用いた酸化セリウム砥粒よりも微細な酸化セリウム砥粒を用いることができる。この第2研磨工程を終えたガラス基板を、中性洗剤、純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して、洗浄する。なお、各洗浄槽には、超音波を印加する。
(7)化学強化工程および冷却工程
情報記録媒体用基板の作製に用いるガラスブランクが、リチウムやナトリウムなどのアルカリ金属を含むガラスからなる場合は、前述のラッピング工程及び研磨工程を終えたガラス基板に、化学強化を施すのが好ましい。化学強化工程を行うことにより、情報記録媒体用基板の表層部に高い圧縮応力を生じさせることができる。このため、情報記録媒体用基板の表面の耐衝撃性を向上させることができる。このような化学強化処理は、情報を記録再生するヘッドが、機械的に情報記録媒体表面に接触する可能性のある磁気記録媒体を作製する上で非常に好適である。
化学強化は、硝酸カリウムと硝酸ナトリウムを混合した化学強化溶液を準備し、この化学強化溶液を加熱しておくとともに、洗浄済みのガラス基板を予熱し、化学強化溶液中に浸漬することによって行う。このように、化学強化溶液に浸漬処理することによって、ガラス基板の表層のリチウムイオン及びナトリウムイオンが、化学強化溶液中のナトリウムイオン及びカリウムイオンにそれぞれ置換され、ガラス基板が強化される。
続いて、化学強化工程を終えたガラス基板を、水槽に浸漬して冷却し、しばらくの間維持する。そして、冷却を終えたガラス基板を、加熱した濃硫酸に浸漬して洗浄を行う。さらに、硫酸洗浄を終えたガラス基板を、純水、IPA(イソプロピルアルコール)の各洗浄槽に順次浸漬して洗浄する。なお、各洗浄槽には超音波を印加する。
(8)精密洗浄工程
次に、研磨剤残渣や外来の鉄系コンタミなどを除去し、ガラス基板の表面をより平滑かつ清浄にするために、精密洗浄工程を実施するのが好ましい。このような精密洗浄工程の実施は、情報を記録再生するヘッドが、機械的に情報記録媒体表面に接触する可能性のある磁気記録媒体を作製する上で非常に好適である。精密洗浄の実施によりヘッドクラッシュやサーマルアスペリティの発生を抑制できるためである。なお、精密洗浄工程としては、アルカリ性水溶液による洗浄の後に、水リンス洗浄、IPA洗浄工程を行うようにしてもよい。
これらの一連の工程を経て作製された情報記録媒体の表面粗さは、Raでサブナノメーターのオーダーとすることができる。なお、表面粗さは、主表面研磨条件や洗浄条件を選択することにより適宜調整することができる。なお、以上、8つの工程を経て得られた情報記録媒体用基板は、公知の磁気記録、光記録、光磁気記録等の公知の各種記録方式を採用した情報記録媒体の作製に用いることができるが、特に磁気記録媒体の作製に用いることが好適である。また、磁気記録媒体用基板ほどに、情報記録媒体用基板表面の清浄性、平滑性、耐衝撃性が要求されない用途の情報記録媒体用基板の場合は、必要に応じて上記8つの工程の一部を実施しなくてもよいし、また、各工程をより簡略化したり、よりラフな条件で実施してもよい。
(情報記録媒体の製造方法)
このようにして得られた情報記録媒体用基板の少なくとも片面に、情報記録層を形成する情報記録層形成工程を少なくとも経ることで、情報記録媒体を製造することができる。なお、磁気記録媒体を作製する場合は、情報記録層として磁気記録層が設けられる。この磁気記録媒体は、水平磁気記録方式および垂直磁気記録方式のいずれであってもよいが、垂直磁気記録方式であることが好ましい。垂直磁気記録方式の磁気記録媒体を作製する場合は、たとえば、情報記録媒体用基板の両面に、Cr合金からなる付着層、FeCoCrB合金からなる軟磁性層、Ruからなる下地層、CoCrPt−TiO合金からなる垂直磁気記録層、水素化炭素からなる保護層、パーフルオロポリエーテルからなる潤滑層を、この順に順次成膜することができる。なお、付着層、軟磁性層、下地層、垂直磁気記録層は、スパッタリング法により成膜することができ、保護層は、スパッタリング法やCVD法(Chemical Vapor Deposition法)により成膜することができ、潤滑層は浸漬塗布法により成膜することができる。また、付着層から保護層までの成膜は、各層の連続成膜が可能なインライン型または枚葉型のスパッタリング装置を用いることができ、潤滑層の成膜は浸漬塗布装置を用いることができる。
以下に、本発明について実施例を挙げてより詳細に説明するが、本発明は以下の実施例にのみ限定されるものではない。
(実施例1)
アルミノシリケートガラスを溶融した溶融ガラスを、下型32のプレス面34上に供給した後、上型と下型32とによりサイドフリー方式でプレスすることにより断面形状が図2に示す形状を有するガラスブランク12(薄肉部1の厚みt=0.9mm、薄肉部1の直径d=70mm、厚肉部2の幅=17mm、厚肉部2の厚み=1.5mm)を連続して10000枚作製した。
なお、このガラスブランク12の作製に際して用いたガラス成型装置は、表1に示すようなプロセスでガラスブランク12が製造できるように構成された装置を用いた。この装置の主要部は、具体的には、図5に示す16個の下型32を備えた回転テーブル30と、停止位置P1の下型32に溶融ガラスを供給するガラス供給手段と、停止位置P2の下型32のプレス面34に配置された軟化状態の塊状ガラス40の上面中央部を冷却するための柱状の冷却用部材50と、停止位置P3の下型32のプレス面34の真上に配置され、かつ、このプレス面の中央部にガラスブランク12の厚肉部2に対応する形状からなる凹部を有する上型と、停止位置P12において下型32のプレス面34上のガラスブランク12を取り出すための吸着手段と、停止位置P12からP15へと下型32が移動する間に下型32を予熱するヒーターと、停止位置P15の下型32のプレス面34上にBN粉末を供給するBN粉末供給手段と、から構成されている。
実施例1においてガラスブランク12を作製する際の、各工程の実施順(製造プロセス)、ガラスブランク12のアスペクト比、および、冷却用部材50の端面の直径(塊状ガラス冷却工程において、冷却用部材50が塊状ガラス40の上面中央部と接触する範囲の直径)は、表2に示す通りとした。また、表2に示した以外の主要な製造条件は以下の通りとした。
・ガラス転移温度Tg:485℃
・ガラスの平均線膨張係数:95×10−7/K(100〜300℃)、98×10−7/K(300〜Tg℃)、37×10−6/K(Tg〜530℃)
・溶融ガラスを下型32のプレス面34上に供給する際のプレス面の温度:500℃
・プレス時の上型プレス面の温度:450℃
・下型32上に投入される溶融ガラスの粘度:40Pa・s
・プレス時間(ガラスに圧力を加える時間):1秒
・上型および下型32のプレス面34を構成する材料:鋳鉄(コーティング処理無し)
・冷却用部材50を構成する材料:ステンレス
・下型32からガラスブランク12をテイクアウトする際のガラスブランク12の温度: 520℃
・テイクアウト後のガラスブランク12の放置環境:常温大気中環境
(実施例2)
実施例1で製造したガラスブランク12に対して、実施例2で製造するガラスブランク12の寸法を薄肉部1の厚みtを1.05mmに変更し、厚肉部2の厚みを1.65mmに変更した。ここで、このガラスブランク12の製造に際しては、ガラスブランク12のアスペクト比を表2に示すように変更し、これに合わせて、プレス時のプレス圧力を変更した以外は、実施例1と同様にしてガラスブランク12を製造した。
(実施例3)
実施例1で製造したガラスブランク12に対して、実施例2で製造するガラスブランク12の寸法を薄肉部1の厚みtを0.8mmに変更し、厚肉部2の厚みを1.4mmに変更した。ここで、このガラスブランク12の製造に際しては、ガラスブランク12のアスペクト比を表2に示すように変更し、これに合わせて、プレス時のプレス圧力を変更した以外は、実施例1と同様にしてガラスブランク12を製造した。
(実施例4〜実施例6)
実施例1のガラスブランク12の作製に際して、表2に示すように端面の直径を変更した冷却用部材50を用いた以外は、実施例1と同様にしてガラスブランク12を製造した。
(比較例1)
実施例1のガラスブランク12の作製に際して、表3に示すように塊状ガラス冷却工程を実施しなかった以外は、実施例1と同様にしてガラスブランク12を製造した。
(参考例1)
比較例1において作製するガラスブランクの形状を厚肉部の無い図1に示す形状に変更すると共に、薄肉部1の厚みを1.6mmに変更したガラスブランク10を作製した。ここで、このガラスブランク10の製造に際しては、ガラスブランク10のアスペクト比を表3に示すように変更し、これに合わせて、プレス時のプレス圧力を変更した以外は、比較例1と同様にしてガラスブランク10を製造した。
<評価>
評価は、連続プレスの初期(1枚目〜1000枚目)、中期(4500枚目〜5500枚目)および後期(9000枚目〜10000枚目)におけるガラスの上型への貼り付き、ガラスブランク12の変形、および、ガラスブランク12のクラックについて評価した。結果を表2および表3に示す。
Figure 2010205354
Figure 2010205354
なお、表2および表3中に示す貼り付き、変形およびクラックの評価方法および評価基準は以下の通りである。
−貼り付き−
貼り付きは、1000枚あたり、何枚貼り付きが発生したかで評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:貼り付きは発生せず。
△:1000枚当たり1枚以上5枚未満の貼り付きが発生。
×:1000枚当たり5枚を超える貼り付きが発生。
−中央部の盛り上がり変形−
盛り上がり変形は、1000枚のサンプルについて、ガラスブランク10、12の中央φ30mm内につき、それより外側が形成する基準面に対する盛り上がり高さをサーフコム(株式会社東京精密製)により直径方向に測定することにより評価した。なお、基準面からの盛り上がり高さが20μmを超えたものを不良品としてカウントした。評価基準は以下の通りである。
◎:不良品は発生せず。
○:1000枚当たり1枚以上20枚未満の不良品が発生
×:1000枚当たり20枚以上の不良品が発生
−肉厚偏差不良−
肉厚偏差不良は、有効面内の肉厚偏差が15μmを超えるものを不良とし、1000枚あたり、何枚不良が発生したかで評価した。評価基準は以下の通りである。
◎:不良は発生せず。
△:1000枚当たり1枚以上5枚未満の不良が発生。
×:1000枚当たり5枚を超える不良が発生。
1 薄肉部
2、3 厚肉部
10、12、14 ガラスブランク
30 回転テーブル
32 下型
34 プレス面
36 胴型
38 上型
40 塊状ガラス
50 柱状の冷却用部材

Claims (7)

  1. 軟化状態のガラスを下型のプレス面上に供給するガラス供給工程と、
    上記プレス面上に供給され、塊状となった上記軟化状態のガラスの上面中央部に、冷却用部材を接触させることで、上記塊状ガラスを冷却する塊状ガラス冷却工程と、
    該塊状ガラス冷却工程の直後に、上記塊状ガラスを上型と上記下型とによりプレスするプレス工程と、を少なくとも経て、
    下式(1)を満たすガラスブランクを作製することを特徴とするガラスブランクの製造方法。
    ・式(1) 0.01≦t/d≦0.02
    〔式(1)中、tは、上記ガラスブランクの厚み(mm)を表し、dは、上記ガラスブランクの直径(mm)を表す。〕
  2. 請求項1に記載のガラスブランクの製造方法において、
    前記冷却用部材の形状が柱状であり、
    前記塊状ガラス冷却工程が、上記柱状の冷却用部材の軸方向を前記プレス面と略直交させた状態で、上記柱状の冷却用部材を前記塊状ガラスの上面中央部と接触させることにより実施され、かつ、下式(2)を満たすことを特徴とするガラスブランクの製造方法。
    ・式(2) 15≦D≦40
    〔式(2)中、Dは、上記柱状の冷却用部材が前記塊状ガラスの上面中央部と接触する範囲の直径(mm)を表す。〕
  3. 軟化状態の塊状ガラスをプレス成形するプレス面を有する1個の上型および複数個の下型と、
    上記複数個の下型が等間隔で周縁部に配置されると共に、360度を上記下型の数で割った回転角度毎に一方向へ回転と停止とを繰り返す円形状の回転テーブルと、
    上記軟化状態の塊状ガラスを、上記回転テーブルのいずれか1つの停止位置で停止する下型のプレス面上に供給するガラス供給手段と、
    上記いずれか1つの停止位置を基準として、当該停止位置に隣接し、かつ、上記回転テーブルの回転方向下流側の停止位置で停止する下型のプレス面上に配置され、当該プレス面に対して略垂直方向に移動可能な冷却用部材と、を少なくとも備え、
    下型のプレス面上に上記冷却用部材が配置される停止位置を基準として、当該停止位置に隣接し、かつ、上記回転テーブルの回転方向下流側の停止位置で停止する下型のプレス面上に、上記上型が、当該下型のプレス面に対して垂直方向に移動可能に配置されたことを特徴とするプレス成型装置。
  4. 請求項3に記載のプレス成型装置において、
    前記冷却用部材の形状が柱状であり、上記柱状の冷却用部材がその軸方向に上下に移動可能であり、
    前記ガラス供給手段により軟化状態の塊状ガラスが下型のプレス面上に配置された後、当該下型が、前記回転テーブルの回転により前記冷却用部材の下方に移動して停止した状態において、下式(3)を満たすことを特徴とする請求項3に記載のプレス成型装置。
    ・式(3) 15≦D≦40
    〔式(3)中、Dは、上記柱状の冷却用部材が前記塊状ガラスの上面中央部と接触する範囲の直径(mm)を表す。〕
  5. 請求項1または2に記載のガラスブランクの製造方法により作製されたガラスブランクの少なくとも片面を研削・研磨する研削・研磨工程を少なくとも経て、情報記録媒体用基板を作製することを特徴とする情報記録媒体用基板の製造方法。
  6. 請求項5に記載の情報記録媒体用基板の製造方法において、
    前記ガラスブランクを加熱することにより結晶化させる結晶化工程を有することを特徴とする情報記録媒体用基板の製造方法。
  7. 請求項5または請求項6に記載の情報記録媒体用基板の製造方法により作製された情報記録媒体用基板の少なくとも片面に情報記録層を形成する情報記録層形成工程を少なくとも経て、情報記録媒体を製造することを特徴とする情報記録媒体の製造方法。
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