JP2010201650A - 印刷機および印刷機の運転方法 - Google Patents

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康紀 田邊
Yukikazu Shoji
幸和 小路
Yoshiaki Kanda
義昭 神田
Shigeo Makino
重雄 牧野
Fumito Kajitani
史人 梶谷
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Abstract

【課題】印刷停止中において印刷機の様々な運転を行うこと。
【解決手段】版胴411の刷版に供給されたインキをブランケット胴412に転写する一対の印刷ユニット部41A,41Bを備え、各ブランケット胴412の間にウェブを挟んで送ることで両面印刷を行える印刷機において、各ブランケット胴412が離隔する離隔位置または対接する対接位置にブランケット胴412を移動させるブランケット胴移動手段と、版胴411がブランケット胴412に対して離隔する離隔位置または対接する対接位置に版胴411を移動させる版胴移動手段と、ブランケット胴412と版胴411とを独立して回転駆動する駆動手段と、を備える。
【選択図】図6

Description

本発明は、印刷機および印刷機の運転方法に関するものである。
両面印刷を行う輪転印刷機における印刷ユニットでは、一対のブランケット胴の間に連続紙であるウェブを挟んで送る。各ブランケット胴には、刷版が巻き付けられた版胴が対接されている。この状態を対接状態という。かかる輪転印刷機では、上記対接状態において、インキ供給装置のインキ着ローラから版胴の刷版にインキが供給され、このインキが刷版の画線部によりブランケット胴に印刷画像として転写されつつ、絵柄としてウェブに転写される。
この種の輪転印刷機では、印刷停止時において、ウェブに対するブランケット胴の接触(ブランケット胴同士の対接)、およびブランケット胴に対する版胴の対接が離隔される離隔状態にできるように構成されている。かかる離隔状態では、ブランケット胴と版胴とを離隔させることで、ブランケット胴の外周に設けられている弾性材料で形成されたブランケットの傷みや凹みを防ぐことができる。
例えば、特許文献1に示される輪転印刷機では、印刷長を変えるため、ブランケット胴および版胴を交換する際に上記離隔状態にしている。
特開2005−81557号公報
しかしながら、印刷停止時の離隔状態では、次の印刷を直ちに行えるようにウェブを取り外さずブランケット胴の間に通しておくことが好ましいが、離隔状態では、ブランケット胴がウェブから離隔しているため、印刷開始の立ち上がり時にウェブに適正なテンションを付与することが難しい。
しかも、印刷停止時の離隔状態では、ブランケット胴がウェブから離隔しているため、複数の印刷ユニットを並設して多色印刷を行う輪転印刷機にあっては、何れかの印刷ユニットを停止させて、その色を印刷しない運転を行おうとしても、停止状態にある印刷ユニットがウェブにテンションを付与しないことから、印刷機全体として適正なテンションを付与することが難しい。また、印刷機全体として適正なテンションを付与するため、印刷停止時の印刷ユニットを対接状態にした場合では、インキが供給されない版胴(刷版)とブランケット胴とが対接しているため、刷版の版面が消耗する問題と、版替えなどの事前段取りが行えない問題とが生じる。
また、印刷停止時の離隔状態では、ブランケット胴やインキ供給装置のインキ洗浄が行われるが、離隔状態によりブランケット胴と版胴とが離隔しており、ブランケット胴とインキ供給装置とが版胴を介して切り離されていることから、ブランケット胴とインキ供給装置とを別にインキ洗浄しなければならないので、個々に洗浄装置を配置して印刷機の大型化をもたらすことになる。
さらに、ブランケット胴のブランケットを交換するには、版胴に対してブランケット胴を対接させてブランケットをブランケット胴に密着させる操作が行われるが、この操作を行うには、ブランケット胴同士が対接することから、ウェブが邪魔になるため、次の印刷を直ちに行えるようにウェブを取り外さずブランケット胴の間に通しておくことはできない。
本発明は、上記に鑑みてなされたものであって、印刷停止中において様々な運転を行うことのできる印刷機および印刷機の運転方法を提供することを目的とする。
上述の目的を達成するために、本発明の印刷機では、版胴の刷版に供給されたインキをブランケット胴に転写する一対の印刷ユニット部を備え、各前記ブランケット胴の間にウェブを挟んで送ることで両面印刷を行える印刷機において、各前記ブランケット胴が離隔する離隔位置または対接する対接位置に前記ブランケット胴を移動させるブランケット胴移動手段と、前記版胴が前記ブランケット胴に対して離隔する離隔位置または対接する対接位置に前記版胴を移動させる各版胴移動手段と、前記ブランケット胴と前記版胴とを独立して回転駆動する駆動手段と、を備えたことを特徴とする。
この印刷機によれば、印刷開始の立ち上がり時にウェブに適正なテンションを付与できる運転、版胴が離隔位置にあれば刷版の版面が消耗する事態を防止できる運転、ウェブをブランケット胴の間に通したままで刷版を交換できる運転、およびウェブをブランケット胴の間に通したままでブランケット胴のブランケットを交換できる運転を行える。
また、本発明の印刷機では、前記版胴の刷版にインキを供給するインキ着ローラが前記版胴に対して離隔する離隔位置または対接する対接位置に前記インキ着ローラを移動させるインキ着ローラ移動手段を備え、前記駆動手段が、前記インキ着ローラを前記版胴と共に回転駆動することを特徴とする。
この印刷機によれば、ウェブをブランケット胴の間に通したままで版胴の刷版にインキの予備供給ができる運転、ウェブをブランケット胴の間に通したままでインキ着ローラを有するインキ供給装置とブランケット胴とを共にインキ洗浄できる運転を行える。
また、本発明の印刷機では、前記版胴の刷版にインキを供給するインキ着ローラが前記版胴に対して離隔する離隔位置または対接する対接位置に前記インキ着ローラを移動させるインキ着ローラ移動手段を備え、前記駆動手段が、前記インキ着ローラを前記版胴と独立して回転駆動することを特徴とする。
この印刷機によれば、ウェブをブランケット胴の間に通したままで版胴の刷版にインキの予備供給ができる運転、ウェブをブランケット胴の間に通したままでインキ着ローラを有するインキ供給装置とブランケット胴とを共にインキ洗浄できる運転を行える。
上述の目的を達成するために、本発明の印刷機の運転方法では、版胴の刷版に供給されたインキをブランケット胴に転写する一対の印刷ユニット部を備え、各前記ブランケット胴の間にウェブを挟んで送ることで両面印刷を行える印刷機の運転方法において、各前記ブランケット胴および各前記版胴の回転を停止させる工程と、次に、前記ウェブを間に置いて各前記ブランケット胴が対接する対接位置に前記ブランケット胴を移動させると共に、前記版胴が前記ブランケット胴に対して離隔する離隔位置に前記版胴を移動させる工程と、次に、少なくとも各前記ブランケット胴を回転させる工程と、を含むことを特徴とする。
この印刷機の運転方法によれば、ブランケット胴の間でウェブを挟んでいることから、印刷開始の立ち上がり時にウェブに適正なテンションを付与できる。しかも、版胴が離隔位置にあるので、刷版の版面が消耗する事態を防止できる。さらに、ウェブをブランケット胴の間に通したままで刷版を交換できる。また、例えば、複数の印刷ユニットを並設して多色印刷を行う印刷機にあっては、何れかの印刷ユニットを停止させて、その色を印刷しない運転を行う場合、停止状態にある印刷ユニットのブランケット胴がウェブにテンションを付与することから、印刷機全体として適正なテンションを付与できる。
また、本発明の印刷機の運転方法では、各前記印刷ユニット部は、前記版胴の刷版にインキを供給するインキ着ローラを備えており、各前記ブランケット胴および各前記版胴の回転を停止させ、かつ前記インキ着ローラの回転を停止させる工程と、次に、前記ウェブを間に置いて各前記ブランケット胴が対接する対接位置に前記ブランケット胴を移動させると共に、前記版胴が前記ブランケット胴に対して離隔する離隔位置に前記版胴を移動させ、かつ前記インキ着ローラが前記版胴に対して対接する対接位置に前記インキ着ローラを移動させる工程と、次に、各前記ブランケット胴、前記版胴および前記インキ着ローラを回転させる工程と、を含むことを特徴とする。
この印刷機の運転方法によれば、ウェブをブランケット胴の間に通したままで版胴の刷版にインキの予備供給を行える。この場合、印刷開始の立ち上がり時に、ブランケット胴に印刷画像が転写され、ウェブへの絵柄の転写が行われつつウェブが送られるので損紙を防ぐことができる。
上述の目的を達成するために、本発明の印刷機の運転方法では、版胴の刷版に供給されたインキをブランケット胴に転写する一対の印刷ユニット部を備え、各前記ブランケット胴の間にウェブを挟んで送ることで両面印刷を行える印刷機の運転方法において、各前記ブランケット胴および各前記版胴の回転を停止させる工程と、次に、前記ウェブを間に置いて各前記ブランケット胴が離隔する離隔位置に前記ブランケット胴を移動させると共に、前記版胴が前記ブランケット胴に対して対接する対接位置に前記版胴を移動させる工程と、次に、少なくとも前記ブランケット胴を回転させる工程と、を含むことを特徴とする。
この印刷機の運転方法によれば、ウェブをブランケット胴の間に通したままでブランケット胴のブランケットを交換できる。
また、本発明の印刷機の運転方法では、各前記印刷ユニット部は、前記版胴の刷版にインキを供給するインキ着ローラを備えており、各前記ブランケット胴および各前記版胴の回転を停止させ、かつ前記インキ着ローラの回転を停止させる工程と、次に、前記ウェブを間に置いて各前記ブランケット胴が離隔する離隔位置に前記ブランケット胴を移動させると共に、前記版胴が前記ブランケット胴に対して対接する対接位置に前記版胴を移動させ、かつ前記インキ着ローラが前記版胴に対して対接する対接位置に前記インキ着ローラを移動させる工程と、次に、前記ブランケット胴、前記版胴および前記インキ着ローラを回転させる工程と、を含むことを特徴とする。
この印刷機の運転方法によれば、ウェブをブランケット胴の間に通したままでインキ着ローラを有するインキ供給装置とブランケット胴とを共にインキ洗浄できる。この場合、ブランケット胴とインキ供給装置とに個々に洗浄装置を配置しなくてもよいため、印刷機の小型化を図ることができる。
本発明によれば、印刷停止中において様々な運転を行うことができる。
図1は、本発明の実施の形態にかかる印刷機の概略構成図である。 図2は、図1に示す印刷ユニットにおける印刷時の概略構成図である。 図3は、図1に示す印刷ユニットにおける印刷停止時の概略構成図である。 図4は、印刷ユニットにおける制御系のブロック図である。 図5は、印刷機の運転方法を示すフローチャート図である。 図6は、印刷機の運転方法を示す概略構成図である。 図7は、印刷機の運転方法を示す概略構成図である。 図8は、印刷機の運転方法を示す概略構成図である。 図9は、印刷機の運転方法を示す概略構成図である。
以下に、本発明にかかる印刷機および印刷機の運転方法の実施の形態を図面に基づいて詳細に説明する。なお、この実施の形態によりこの発明が限定されるものではない。また、下記実施の形態における構成要素には、当業者が置換可能かつ容易なもの、あるいは実質的に同一のものが含まれる。
図1は、本発明の実施の形態にかかる印刷機の概略構成図、図2は、図1に示す印刷機の印刷ユニットにおける印刷時の概略構成図、図3は、図1に示す印刷機の印刷ユニットにおける印刷停止時の概略構成図である。
本発明の実施の形態にかかる印刷機は、図1に示すように、インキを用い、ロール状のウェブ(印刷用シート)Wに印刷を施すオフセット輪転印刷機1である。
このオフセット輪転印刷機1は、給紙装置2と、インフィード装置3と、印刷装置4と、乾燥装置5と、冷却装置6と、ウェブパス装置7と、折り装置8と、排紙装置9とから構成されている。
給紙装置2は、2つの巻取体(ウェブロール)が装着されるリールスタンドを有しており、一方の巻取体から引き出されて走行しているウェブWを、他方の巻取体のウェブに接続することで、連続的にウェブWを供給可能な紙継装置を有している。インフィード装置3は、給紙装置2のウェブWを印刷装置4側に供給するものである。印刷装置4は、4つのインキ色である藍(Cyan)、紅(Magenta)、黄(yellow)、墨(Black)ごとの4個の印刷ユニット41,42,43,44がウェブWの走行方向に沿って並設されて構成されている。乾燥装置5は、印刷装置4により印刷が施されたウェブWのインキを乾燥させるためのものである。冷却装置6は、乾燥装置5での乾燥後の過剰な熱を蓄えるウェブWを適当な温度まで冷却するものである。ウェブパス装置7は、乾燥されて冷却されたウェブWを搬送するものである。折り装置8は、ウェブWを縦折りされた後に裁断し、所定の大きさに折り畳んで折丁を形成するものである。排紙装置9は、折り畳まれた折丁を機外へ搬出するものである。
従って、給紙装置2により巻取体から引き出されたウェブWは、インフィード装置3により印刷装置4に供給され、この印刷装置4にて、各印刷ユニット41,42,43,44により多色印刷が施される。印刷されたウェブWは、乾燥装置5でインキが乾燥され、冷却装置6で冷却され、ウェブパス装置7を経て搬送された折り装置8により折丁が作成され、排紙装置9により搬出される。
本実施の形態のオフセット輪転印刷機1にて、各印刷ユニット41,42,43,44は、ウェブWの表面および裏面に同時に印刷が行えるように、一対の印刷ユニット部を有した両面印刷機を構成している。各印刷ユニット41,42,43,44は、使用するインキの色(藍、紅、黄、墨)が相違するだけで、その構成はほぼ同様のものとなっている。そのため、以下の説明では、1つの印刷ユニット41の第一印刷ユニット部41Aおよび第二印刷ユニット部41Bの構成についてのみ説明する。
第一印刷ユニット部41Aは、図2に示すように、ウェブWの搬送経路における上方に配設されている。この第一印刷ユニット部41Aは、第一版胴411と第一ブランケット胴412とが互いに対接して配置されている。第一版胴411は、回転可能に設けられた胴部の周面に印刷画像を形成するための刷版が装着される。第一版胴411の周囲には、刷版の画線部にインキを供給するための第一インキ供給装置413、および非画線部に湿し水を供給するための第一湿し水供給装置414が配置されている。第一ブランケット胴412は、回転可能に設けられた胴部の周面に弾性材料で形成されたブランケットが装着されている。第一ブランケット胴412は、ブランケットに、第一版胴411の刷版の画線部に供給されたインキが転写されつつ、刷版の印刷画像を絵柄としてウェブWの一方の面(表面)にインキを転写する。なお、ウェブWにインキを転写する場合、第一印刷ユニット部41Aの第一ブランケット胴412と、第二印刷ユニット部41Bの第二ブランケット胴412とが協働してウェブWに所定の印圧をかける。
第一インキ供給装置413は、インキ溜めとしてのインキ壺4131と、回転可能に設けたれた複数のローラからなるインキローラ群4132と、回転可能に設けられ版胴411に対して対接して配置された複数(本実施の形態では3つ)のインキ着ローラ4133とを備える。
インキローラ群4132は、インキ壺4131から版胴411へ向けてインキが供給される上流側から、インキ元ローラ4132a、呼出ローラ4132b、中間インキローラ群4132c、複数の往復ローラ4132d(本実施の形態では2つ)が順に配設され、かつ順に対接して設けられている。また、2つの往復ローラ4132dには、インキ着ローラ4133が対接して設けられている。さらに、各インキ着ローラ4133は、第一版胴411に対接して設けられている。
この第一インキ供給装置413では、インキ元ローラ4132aは、インキ壺4131のインキキー(不図示)により調量されたインキを練り出してその表面にインキ被膜を形成する。呼出ローラ4132bは、インキ元ローラ4132aにより供給されたインキを下流側の中間インキローラ群4132cに受け渡す。中間インキローラ群4132cは、下流側の2つの往復ローラ4132dと協働して、呼出ローラ4132bから供給されたインキを適度に練って3つのインキ着ローラ4133に受け渡す。そして、インキ着ローラ4133に受け渡されたインキが第一版胴411における刷版の画線部に供給される。なお、2つの往復ローラ4132dは、自身の回転軸方向に往復運動することで、インキを練ると共に表面に形成されるインキ被膜を均一にする。
第一湿し水供給装置414は、水舟4141から第一版胴411へ向けて水が供給される上流側から、水元ローラ4142、調量ローラ4143、水着ローラ4144が順に配設され、かつ順に対接して設けられている。また、水着ローラ4144は、第一版胴411および一方の往復ローラ4132dに対接して設けられている。
この第一湿し水供給装置414では、水元ローラ4142により水舟4141から汲み上げられた湿し水が、調量ローラ4143を介して水着ローラ4144に受け渡される。そして、水着ローラ4144に受け渡された湿し水は、第一版胴411における刷版の非画線部、および一方の往復ローラ4132dに供給される。往復ローラ4132dに供給された湿し水は、インキと混ざり合うことによりインキを乳化させる。
第二印刷ユニット部41Bは、図2に示すように、ウェブWの搬送経路における下方に配設されている。なお、第二印刷ユニット部41Bは、第一印刷ユニット部41Aと同じ構成であるため、同等部分には同一符号を付して一部の説明を省略する。
第二印刷ユニット部41Bは、第二版胴411と第二ブランケット胴412とが互いに対接して配置されている。第二版胴411は、回転可能に設けられた胴部の周面に印刷画像を形成するための刷版が装着される。第二版胴411の周囲には、刷版の画線部にインキを供給するための第二インキ供給装置413、および非画線部に湿し水を供給するための第二湿し水供給装置414が配置されている。第二ブランケット胴412は、ブランケットに、第二版胴411の刷版の画線部に供給されたインキが転写されつつ、刷版の印刷画像を絵柄としてウェブWの他方の面(裏面)にインキを転写する。
上述した印刷ユニット41では、通常の印刷時において、図2に示すように、各ブランケット胴412、各版胴411、各インキ着ローラ4133および各水着ローラ4144が、以下のように配置される。第一ブランケット胴412および第二ブランケット胴412は、ウェブWを間に置き、ウェブWに所定の印圧をかけるため、互いにウェブWに接触して挟むように対接する対接位置に配置される。第一版胴411は、刷版の画線部に供給されたインキを第一ブランケット胴412のブランケットに転写するため、第一ブランケット胴412に刷版が接触するように対接する対接位置に配置される。第一インキ供給装置413の各インキ着ローラ4133は、第一版胴411における刷版の画線部にインキを供給するため、第一版胴411に接触するように対接する対接位置に配置される。第一湿し水供給装置414の水着ローラ4144は、第一版胴411における刷版の画線部に湿し水を供給するため、第一版胴411に接触するように対接する対接位置に配置される。また、第二版胴411は、刷版の画線部に供給されたインキを第二ブランケット胴412のブランケットに転写するため、第二ブランケット胴412に刷版が接触するように対接する対接位置に配置される。第二インキ供給装置413の各インキ着ローラ4133は、第二版胴411における刷版の画線部にインキを供給するため、第二版胴411に接触するように対接する対接位置に配置される。第二湿し水供給装置414の水着ローラ4144は、第二版胴411における刷版の画線部に湿し水を供給するため、第二版胴411に接触するように対接する対接位置に配置される。このように、印刷ユニット41では、通常の印刷時において、各ブランケット胴412、各版胴411、各インキ着ローラ4133および各水着ローラ4144が対接位置に配置された対接状態にある。
一方、上述した印刷ユニット41では、印刷を行わない印刷停止時において、図3に示すように、各ブランケット胴412、各版胴411、各インキ着ローラ4133および各水着ローラ4144が、以下のように配置される。第一ブランケット胴412および第二ブランケット胴412は、ウェブWを間に置き、ウェブWから離れるように互いに離隔する離隔位置に配置される。第一版胴411は、第一ブランケット胴412から離隔する離隔位置に配置される。第一インキ供給装置413の各インキ着ローラ4133は、第一版胴411から離隔する離隔位置に配置される。第一湿し水供給装置414の水着ローラ4144は、第一版胴411から離隔する離隔位置に配置される。また、第二版胴411は、第二ブランケット胴412から離隔する離隔位置に配置される。第二インキ供給装置413の各インキ着ローラ4133は、第二版胴411から離隔する離隔位置に配置される。第二湿し水供給装置414の水着ローラ4144は、第二版胴411から離隔する離隔位置に配置される。このように、印刷ユニット41では、印刷停止時において、各ブランケット胴412、各版胴411、各インキ着ローラ4133および各水着ローラ4144が離隔位置に配置された離隔状態にある。かかる離隔状態では、ブランケット胴412と版胴411とを離隔させることで、ブランケット胴412のブランケットの傷みや凹みを防げる。
各ブランケット胴412、各版胴411、各インキ着ローラ4133および各水着ローラ4144の対接位置または離隔位置への移動は、以下の移動手段により行われる。
第一ブランケット胴412は、第一ブランケット胴移動手段(ブランケット胴移動手段)101Aにより対接位置または離隔位置に移動される。また、第二ブランケット胴412は、第二ブランケット胴移動手段(ブランケット胴移動手段)101Bにより対接位置または離隔位置に移動される(図4参照)。ブランケット胴移動手段101A,101Bは、図には明示しないが、例えば、ブランケット胴412の回転軸を支持するアームを揺動可能に設け、このアームをアクチュエータで揺動させることで、ブランケット胴412を上下方向に移動させる揺動機構がある。また、ブランケット胴移動手段101A,101Bは、図には明示しないが、例えば、ブランケット胴412の回転軸を支持する支持部材をレールにスライド移動可能に設け、この支持部材をアクチュエータでスライドさせることで、ブランケット胴412をレールに沿って上下方向に移動させるスライド機構もある。なお、ブランケット胴移動手段101A,101Bは、第一ブランケット胴412と第二ブランケット胴412とにそれぞれ設けられていても、第一ブランケット胴412または第二ブランケット胴412の一方にのみ設けられていてもよい。
第一版胴411は、第一版胴移動手段(版胴移動手段)102Aにより対接位置または離隔位置に配置されるように上下方向に移動される。また、第二版胴411は、第二版胴移動手段(版胴移動手段)102Bにより対接位置または離隔位置に移動される(図4参照)。版胴移動手段102A,102Bは、図には明示しないが、例えば、版胴411を上下方向に移動させる揺動機構やスライド機構がある。
第一インキ供給装置413の各インキ着ローラ4133は、第一インキ着ローラ移動手段(インキ着ローラ移動手段)103Aにより対接位置または離隔位置に配置されるように移動される。また、第二インキ供給装置413の各インキ着ローラ4133は、第二インキ着ローラ移動手段(インキ着ローラ移動手段)103Bにより対接位置または離隔位置に移動される(図4参照)。インキ着ローラ移動手段103A,103Bは、インキ着ローラ4133が往復ローラ4132dに対接した状態を維持できるように、往復ローラ4132dの回転軸の軸心回りにインキ着ローラ4133を回転移動させるもので、図には明示しないが、例えば、上述した揺動機構やスライド機構がある。
第一湿し水供給装置414の水着ローラ4144は、第一水着ローラ移動手段(水着ローラ移動手段)104Aにより対接位置または離隔位置に配置されるように移動される。また、第二湿し水供給装置414の水着ローラ4144は、第二水着ローラ移動手段(水着ローラ移動手段)104Bにより対接位置または離隔位置に移動される(図4参照)。水着ローラ移動手段104A,104Bは、水着ローラ4144が往復ローラ4132dに対接した状態を維持できるように、往復ローラ4132dの回転軸の軸心回りに水着ローラ4144を回転移動させるもので、図には明示しないが、例えば、上述した揺動機構やスライド機構がある。また、水着ローラ移動手段104A,104Bは、水着ローラ4144の移動に際し、水着ローラ4144が対接する調量ローラ4143も対接状態を維持しつつ移動させる。調量ローラ4143は、水着ローラ移動手段104A,104Bにより水着ローラ4144と連動して移動するように構成できる。この場合、水着ローラ移動手段104A,104Bは、調量ローラ4143が水元ローラ4142に対接した状態を維持できるように、水元ローラ4142の回転軸の軸心回りに調量ローラ4143を回転移動させる。
また、上述した印刷ユニット41では、各ブランケット胴412、各版胴411、各インキ着ローラ4133および各水着ローラ4144が、対接位置に配置された対接状態において、ブランケット胴412、版胴411、インキ元ローラ4132a、呼出ローラ4132b、中間インキローラ群4132c、往復ローラ4132d、インキ着ローラ4133、水元ローラ4142、調量ローラ4143、水着ローラ4144は、以下の駆動手段により回駆動転される。これにより、版胴411へのインクおよび湿し水の供給、ブランケット胴412へのインキの転写、ウェブWへの絵柄の転写が行われる。
第一ブランケット胴412は、第一ブランケット胴駆動手段105Aにより回転駆動される。また、第二ブランケット胴412は、第二ブランケット胴駆動手段105Bにより回転駆動される(図2〜図4参照)。ブランケット胴駆動手段105A,105Bは、駆動源であるモータM(図2および図3参照)と、図には明示しないがモータMの出力軸の回転をブランケット胴412に伝達する減速機構とで構成されている。また、ブランケット胴駆動手段105A,105Bは、ブランケット胴412の対接位置または離隔位置への移動に際し、常にブランケット胴412の回転駆動ができるように構成されている。例えば、ブランケット胴駆動手段105A,105Bは、ブランケット胴412と共に移動するように構成されている。なお、図2および図3において、ブランケット胴駆動手段105A,105Bは、第一ブランケット胴412および第二ブランケット胴412を連動して駆動するように1つのモータMを共用して設けられているが、第一ブランケット胴412と第二ブランケット胴412とが独立してモータMにより駆動されてもよい。
第一版胴411は、第一版胴駆動手段106Aにより回転駆動される。また、第二版胴411は、第二版胴駆動手段106Bにより回転駆動される(図2〜図4参照)。版胴駆動手段106A,106Bは、駆動源であるモータM(図2および図3参照)と、図には明示しないがモータMの出力軸の回転を版胴411に伝達する減速機構とで構成されている。また、版胴駆動手段106A,106Bは、版胴411の対接位置または離隔位置への移動に際し、常に版胴411の回転駆動ができるように構成されている。例えば、版胴駆動手段106A,106Bは、版胴411と共に移動するように構成されている。
第一インキ供給装置413において、インキ元ローラ4132aは、第一インキローラ駆動手段107Aにより回転駆動される。また、第二インキ供給装置413において、インキ元ローラ4132aは、第二インキローラ駆動手段107Bにより回転駆動される(図2〜図4参照)。インキローラ駆動手段107A,107Bは、駆動源であるモータM(図2および図3参照)と、図には明示しないがモータMの出力軸の回転をインキ元ローラ4132aに伝達する減速機構とで構成されている。
第一インキ供給装置413の呼出ローラ4132b、中間インキローラ群4132c、往復ローラ4132dおよびインキ着ローラ4133は、第一インキローラ駆動手段107Aにより従動して回転駆動される。インキ着ローラ4133について、第一インキローラ駆動手段107Aは、インキ着ローラ4133の対接位置または離隔位置への移動に際し、常にインキ着ローラ4133の回転駆動ができるように構成されている。例えば、上述したように往復ローラ4132dの回転軸の軸心回りにインキ着ローラ4133を回転移動させ、図には明示しないが往復ローラ4132dの回転軸に設けられた歯車に対し、インキ着ローラ4133の回転軸に設けられた歯車が常に噛み合うように構成されている。
第二インキ供給装置413の呼出ローラ4132b、中間インキローラ群4132c、往復ローラ4132dおよびインキ着ローラ4133は、第二インキローラ駆動手段107Bにより従動して回転駆動される。インキ着ローラ4133について、第二インキローラ駆動手段107Bは、インキ着ローラ4133の対接位置または離隔位置への移動に際し、常にインキ着ローラ4133の回転駆動ができるように構成されている。例えば、上述したように往復ローラ4132dの回転軸の軸心回りにインキ着ローラ4133を回転移動させ、図には明示しないが往復ローラ4132dの回転軸に設けられた歯車に対し、インキ着ローラ4133の回転軸に設けられた歯車が常に噛み合うように構成されている。
なお、インキローラ駆動手段107A,107Bは、インキ元ローラ4132aを回転駆動し、呼出ローラ4132b、中間インキローラ群4132c、往復ローラ4132dおよびインキ着ローラ4133を従動して回転駆動させる構成に限らない。例えば、第一インキローラ駆動手段107Aは、モータMを有さず、第一版胴駆動手段106AのモータMによる第一版胴411の回転駆動に従動してインキ元ローラ4132a、呼出ローラ4132b、中間インキローラ群4132c、往復ローラ4132dおよびインキ着ローラ4133を回転駆動する構成でもよい。この場合、第一版胴駆動手段106Aと第一インキローラ駆動手段107Aとの連結部にクラッチを設けてモータMの回転を断続できるように構成する。同様に、例えば、第二インキローラ駆動手段107Bは、第二版胴駆動手段106Bによる第二版胴411の回転駆動に従動してインキ元ローラ4132a、呼出ローラ4132b、中間インキローラ群4132c、往復ローラ4132dおよびインキ着ローラ4133を回転駆動する構成でもよい。この場合、第二版胴駆動手段106Bと第二インキローラ駆動手段107Bとの連結部にクラッチを設けてモータMの回転を断続できるように構成する。
第一湿し水供給装置414において、水元ローラ4142は、第一水ローラ駆動手段108Aにより回転駆動される。また、第二湿し水供給装置414において、水元ローラ4142は、第二水ローラ駆動手段108Bにより回転駆動される(図2〜図4参照)。水ローラ駆動手段108A,108Bは、駆動源であるモータM(図2および図3参照)と、図には明示しないがモータMの出力軸の回転を水元ローラ4142に伝達する減速機構とで構成されている。
第一湿し水供給装置414の調量ローラ4143および水着ローラ4144は、第一水ローラ駆動手段108Aにより従動して回転駆動される。調量ローラ4143および水着ローラ4144について、第一水ローラ駆動手段108Aは、水着ローラ4144の対接位置または離隔位置への移動およびこれに連動する調量ローラ4143の移動に際し、常に調量ローラ4143および水着ローラ4144の回転駆動ができるように構成されている。例えば、上述したように水元ローラ4142の回転軸の軸心回りに調量ローラ4143を回転移動させ、図には明示しないが水元ローラ4142の回転軸に設けられた歯車に対し、調量ローラ4143の回転軸に設けられた歯車が常に噛み合うように構成されている。また、上述したように水着ローラ4144には、調量ローラ4143が対接した状態を維持できるように水着ローラ4144と連動して移動することから、図には明示しないが調量ローラ4143の回転軸に設けられた歯車に対し、水着ローラ4144の回転軸に設けられた歯車が常に噛み合うように構成できる。
第二湿し水供給装置414の調量ローラ4143および水着ローラ4144は、第二水ローラ駆動手段108Bにより従動して回転駆動される。調量ローラ4143および水着ローラ4144について、第二水ローラ駆動手段108Bは、水着ローラ4144の対接位置または離隔位置への移動およびこれに連動する調量ローラ4143の移動に際し、常に調量ローラ4143および水着ローラ4144の回転駆動ができるように構成されている。例えば、上述したように水元ローラ4142の回転軸の軸心回りに調量ローラ4143を回転移動させ、図には明示しないが水元ローラ4142の回転軸に設けられた歯車に対し、調量ローラ4143の回転軸に設けられた歯車が常に噛み合うように構成されている。また、上述したように水着ローラ4144には、調量ローラ4143が対接した状態を維持できるように水着ローラ4144と連動して移動することから、図には明示しないが調量ローラ4143の回転軸に設けられた歯車に対し、水着ローラ4144の回転軸に設けられた歯車が常に噛み合うように構成できる。
図4は、印刷ユニットにおける制御系のブロック図である。印刷ユニット41,42,43,44は、それぞれ印刷ユニット制御手段(制御手段)100により制御される。なお、各印刷ユニット41,42,43,44の制御手段100は、同様の構成であるため、図4では、1つの印刷ユニット41の制御手段100を示している。
制御手段100は、マイコンなどで構成されている。制御手段100には、RAMやROMなどから構成された記憶部100aが設けられている。また、制御手段100には、キーボードやマウスなどの入力手段である操作部100bが接続されている。さらに、制御手段100には、上述した第一ブランケット胴移動手段101A、第二ブランケット胴移動手段101B、第一版胴移動手段102A、第二版胴移動手段102B、第一インキ着ローラ移動手段103A、第二インキ着ローラ移動手段103B、第一水着ローラ移動手段104A、第二水着ローラ移動手段104B、第一ブランケット胴駆動手段105A、第二ブランケット胴駆動手段105B、第一版胴駆動手段106A、第二版胴駆動手段106B、第一インキローラ駆動手段107A、第二インキローラ駆動手段107B、第一水ローラ駆動手段108Aおよび第二水ローラ駆動手段108Bが接続されている。
制御手段100は、記憶部100aに予め格納したプログラムやデータ、および操作部100bからの操作に従って、各移動手段101A,101B,102A,102B,103A,103B,104A,104B、および各駆動手段105A,105B,106A,106B,107A,107B,108A,108Bを制御する。
上記印刷ユニット41(42,43,44)の動作について、図5のフローチャートおよび図2、図3、図6〜図9の運転方法を示す概略構成図を参照して説明する。
印刷時において(図2参照)、操作部100bにより所望とする運転方法が選択されると(ステップS1)、制御手段100は、運転開始の動作として、まず、各印刷ユニット部41A,41Bの動作を停止させる(ステップS2)。次に、制御手段100は、選択された運転方法に応じて移動手段により各所を移動する(ステップS3)。次に、制御手段100は、選択された運転方法に応じて駆動手段により各所を回転駆動する(ステップS4)。最後に、制御手段100は、運転終了の動作として、駆動手段により各所の回転駆動を停止させる(ステップS5)。なお、ステップS1の運転の選択は、印刷停止時(図3参照)にて行うようにしてもよい。この場合、ステップS2の動作は行わない。また、ステップS5で各所の回転駆動を停止させた後、制御手段100は、印刷ユニットを印刷停止時または印刷時の動作とする。
具体的に、選択される運転方法としは、図6に示すように、ブランケット胴412を対接位置とし、版胴411を離隔位置とし、かつインキ着ローラ4133および水着ローラ4144を離隔位置とする。
かかる運転方法によれば、ブランケット胴412の間でウェブWを挟んでいることから、印刷開始の立ち上がり時にウェブWに適正なテンションを付与することが可能になる。
また、他の運転方法は、図6に示すように、ブランケット胴412を対接位置とし、版胴411を離隔位置とし、かつインキ着ローラ4133および水着ローラ4144を離隔位置として、ブランケット胴412を回転駆動させ、版胴411、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144を回転駆動しない。
かかる運転方法によれば、ブランケット胴412の間でウェブWを挟んで送るが、ブランケット胴412には版胴411からインキが転写されない。したがって、何れかの印刷ユニットを停止させて、その色を印刷しない運転が行え、かつ停止状態にある印刷ユニットのブランケット胴412がウェブWにテンションを付与することから、印刷機全体として適正なテンションを付与することが可能になる。また、版胴411が離隔位置にあるので刷版の版面が消耗する事態を防止することが可能になる。
また、他の運転方法は、図6に示すように、ブランケット胴412を対接位置とし、版胴411を離隔位置とし、かつインキ着ローラ4133および水着ローラ4144を離隔位置として、ブランケット胴412と版胴411とを回転駆動させ、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144を回転駆動しない。
かかる運転方法によれば、上述のように印刷しない印刷ユニットのブランケット胴412によりウェブWにテンションを付与する一方で、版胴411では、刷版の交換を行うことが可能になる。すなわち、印刷機として、他の印刷ユニットで印刷を行っている状態で、印刷を行わない印刷ユニットでは、ウェブWをブランケット胴412の間に通したままで、刷版の交換を行うことが可能になる。
また、他の運転方法は、図7に示すように、ブランケット胴412を対接位置とし、版胴411を離隔位置とし、かつインキ着ローラ4133および水着ローラ4144を対接位置として、ブランケット胴412、版胴411、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144を回転駆動させる。
かかる運転方法によれば、上述のように印刷しない印刷ユニットのブランケット胴412によりウェブWにテンションを付与する一方で、版胴411の刷版に対してインキおよび湿し水の供給を行うことが可能になる。すなわち、印刷機として、他の印刷ユニットで印刷を行っている状態で、印刷を行わない印刷ユニットでは、ウェブWをブランケット胴412の間に通したままで、版胴411の刷版にインキの予備供給を行うことが可能になる。この場合、印刷開始の立ち上がり時に、ブランケット胴412に印刷画像が転写され、ウェブWへの絵柄の転写が行われつつウェブWが送られるので損紙を防ぐことが可能になる。
なお、他の運転方法は、図には明示しないが、第一印刷ユニット部41Aおよび第二印刷ユニット部41Bの各版胴411が離隔位置に配置され、かつ第一印刷ユニット部41Aまたは第二印刷ユニット部41Bの一方では、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144が対接位置に配置され(図7参照)、第一印刷ユニット部41Aまたは第二印刷ユニット部41Bの他方では、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144が離隔位置に配置されていてもよい(図6参照)。この場合、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144が対接位置にある印刷ユニット部では、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144を回転駆動させ、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144が離隔位置にある印刷ユニット部では、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144を回転駆動しない。
かかる運転方法によれば、ウェブWをブランケット胴412の間に通したままで、一方の印刷ユニット部では、インキの予備供給を行え、他方の印刷ユニット部では、刷版の交換を行うことが可能になる。
また、他の運転方法は、図8に示すように、ブランケット胴412を離隔位置とし、版胴411を対接位置とし、かつインキ着ローラ4133および水着ローラ4144を離隔位置として、ブランケット胴412および版胴411を回転駆動させ、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144を回転駆動しない。
かかる運転方法によれば、版胴411に対してブランケット胴412を対接させてブランケットをブランケット胴412に密着させることができるので、ウェブWをブランケット胴412の間に通したままで、ブランケット胴412のブランケットを交換することが可能になる。なお、例えば、ブランケット胴移動手段101Aを第一ブランケット胴412に設けず、ブランケット胴移動手段101Bにより第二ブランケット胴412のみを移動させる構成とした場合、下側の第二ブランケット胴412を移動に伴ってウェブWを下方に弛ませることで、ウェブWが各ブランケット胴412,412から離隔する。これにより、ウェブWをブランケット胴412の間に通したままで、ブランケット胴412のブランケットを交換することが可能になる。
また、他の運転方法は、図9に示すように、ブランケット胴412を離隔位置とし、版胴411を対接位置とし、かつインキ着ローラ4133および水着ローラ4144を対接位置として、ブランケット胴412、版胴411、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144を回転駆動させる。
かかる運転方法によれば、ブランケット胴412とインキ供給装置413とが版胴411を介して繋がっていることから、ウェブWをブランケット胴412の間に通したままで、ブランケット胴412とインキ供給装置413とを共にインキ洗浄することが可能になる。この場合、ブランケット胴412とインキ供給装置413とに個々に洗浄装置を配置しなくてもよいため、印刷機の小型化を図ることが可能になる。なお、例えば、ブランケット胴移動手段101Aを第一ブランケット胴412に設けず、ブランケット胴移動手段101Bにより第二ブランケット胴412のみを移動させる構成とした場合、下側の第二ブランケット胴412を移動に伴ってウェブWを下方に弛ませることで、ウェブWが各ブランケット胴412,412から離隔する。これにより、ウェブWをブランケット胴412の間に通したままで、ブランケット胴412とインキ供給装置413とを共にインキ洗浄することが可能になる。
また、他の運転方法は、図には明示しないが、第一印刷ユニット部41Aまたは第二印刷ユニット部41Bの一方では、版胴411が対接位置に配置され、かつインキ着ローラ4133および水着ローラ4144が対接位置に配置され(図9参照)、第一印刷ユニット部41Aまたは第二印刷ユニット部41Bの他方では、版胴411が対接位置に配置され、かつインキ着ローラ4133および水着ローラ4144が離隔位置に配置されていてもよい(図8参照)。この場合、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144が対接位置にある印刷ユニット部では、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144を回転駆動させ、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144が離隔位置にある印刷ユニット部では、インキ着ローラ4133および水着ローラ4144を回転駆動しない。
かかる運転方法によれば、ウェブWをブランケット胴412の間に通したままで、一方の印刷ユニット部では、ブランケットの交換を行え、他方の印刷ユニット部では、ブランケット胴412とインキ供給装置413とを共にインキ洗浄することが可能になる。
なお、本実施の形態にかかる印刷機は、インキ供給装置413において、複数のローラからなるインキローラ群4132でインキが適度に練られて薄膜を形成した後に、複数のインキ着ローラ4133から版胴411の刷版に供給される。すなわち、油性インキを適用する印刷機である。これに限らず、水性インキを適用する印刷機においても、ブランケット胴、版胴およびインキ着ローラをそれぞれ離隔位置または対接位置に配置して、それぞれを回転駆動するようにして上記運転方法を行えば、同様の効果を得ることができる。また、新聞用オフセット輪転印刷機においても、ブランケット胴、版胴およびインキ着ローラをそれぞれ離隔位置または対接位置に配置して、それぞれを回転駆動するようにして上記運転方法を行えば、同様の効果を得ることができる。
以上のように、本発明にかかる印刷機および印刷機の運転方法は、印刷停止中において様々な運転を行うことに適している。
1 オフセット輪転印刷機(印刷機)
2 給紙装置
3 インフィード装置
4 印刷装置
41,42,43,44 印刷ユニット
41A,41B 印刷ユニット部
411 版胴
412 ブランケット胴
413 インキ供給装置
4131 インキ壺
4132 インキローラ群
4132a インキ元ローラ
4132b 呼出ローラ
4132c 中間インキローラ群
4132d 往復ローラ
4133 インキ着ローラ
414 湿し水供給装置
4141 水舟
4142 水元ローラ
4143 調量ローラ
4144 水着ローラ
5 乾燥装置
6 冷却装置
7 ウェブパス装置
8 折り装置
9 排紙装置
100 制御手段
100a 記憶部
100b 操作部
101A,101B ブランケット胴移動手段
102A,102B 版胴移動手段
103A,103B インキ着ローラ移動手段
104A,104B 水着ローラ移動手段
105A,105B ブランケット胴駆動手段
106A,106B 版胴移動手段
107A,107B インキローラ駆動手段
108A,108B 水ローラ駆動手段
W ウェブ
M モータ

Claims (7)

  1. 版胴の刷版に供給されたインキをブランケット胴に転写する一対の印刷ユニット部を備え、各前記ブランケット胴の間にウェブを挟んで送ることで両面印刷を行える印刷機において、
    各前記ブランケット胴が離隔する離隔位置または対接する対接位置に前記ブランケット胴を移動させるブランケット胴移動手段と、
    前記版胴が前記ブランケット胴に対して離隔する離隔位置または対接する対接位置に前記版胴を移動させる各版胴移動手段と、
    前記ブランケット胴と前記版胴とを独立して回転駆動する駆動手段と、
    を備えたことを特徴とする印刷機。
  2. 前記版胴の刷版にインキを供給するインキ着ローラが前記版胴に対して離隔する離隔位置または対接する対接位置に前記インキ着ローラを移動させるインキ着ローラ移動手段を備え、
    前記駆動手段が、前記インキ着ローラを前記版胴と共に回転駆動することを特徴とする請求項1に記載の印刷機。
  3. 前記版胴の刷版にインキを供給するインキ着ローラが前記版胴に対して離隔する離隔位置または対接する対接位置に前記インキ着ローラを移動させるインキ着ローラ移動手段を備え、
    前記駆動手段が、前記インキ着ローラを前記版胴と独立して回転駆動することを特徴とする請求項1に記載の印刷機。
  4. 版胴の刷版に供給されたインキをブランケット胴に転写する一対の印刷ユニット部を備え、各前記ブランケット胴の間にウェブを挟んで送ることで両面印刷を行える印刷機の運転方法において、
    各前記ブランケット胴および各前記版胴の回転を停止させる工程と、
    次に、前記ウェブを間に置いて各前記ブランケット胴が対接する対接位置に前記ブランケット胴を移動させると共に、前記版胴が前記ブランケット胴に対して離隔する離隔位置に前記版胴を移動させる工程と、
    次に、少なくとも各前記ブランケット胴を回転させる工程と、
    を含むことを特徴とする印刷機の運転方法。
  5. 各前記印刷ユニット部は、前記版胴の刷版にインキを供給するインキ着ローラを備えており、
    各前記ブランケット胴および各前記版胴の回転を停止させ、かつ前記インキ着ローラの回転を停止させる工程と、
    次に、前記ウェブを間に置いて各前記ブランケット胴が対接する対接位置に前記ブランケット胴を移動させると共に、前記版胴が前記ブランケット胴に対して離隔する離隔位置に前記版胴を移動させ、かつ前記インキ着ローラが前記版胴に対して対接する対接位置に前記インキ着ローラを移動させる工程と、
    次に、各前記ブランケット胴、前記版胴および前記インキ着ローラを回転させる工程と、
    を含むことを特徴とする請求項4に記載の印刷機の運転方法。
  6. 版胴の刷版に供給されたインキをブランケット胴に転写する一対の印刷ユニット部を備え、各前記ブランケット胴の間にウェブを挟んで送ることで両面印刷を行える印刷機の運転方法において、
    各前記ブランケット胴および各前記版胴の回転を停止させる工程と、
    次に、前記ウェブを間に置いて各前記ブランケット胴が離隔する離隔位置に前記ブランケット胴を移動させると共に、前記版胴が前記ブランケット胴に対して対接する対接位置に前記版胴を移動させる工程と、
    次に、少なくとも前記ブランケット胴を回転させる工程と、
    を含むことを特徴とする印刷機の運転方法。
  7. 各前記印刷ユニット部は、前記版胴の刷版にインキを供給するインキ着ローラを備えており、
    各前記ブランケット胴および各前記版胴の回転を停止させ、かつ前記インキ着ローラの回転を停止させる工程と、
    次に、前記ウェブを間に置いて各前記ブランケット胴が離隔する離隔位置に前記ブランケット胴を移動させると共に、前記版胴が前記ブランケット胴に対して対接する対接位置に前記版胴を移動させ、かつ前記インキ着ローラが前記版胴に対して対接する対接位置に前記インキ着ローラを移動させる工程と、
    次に、前記ブランケット胴、前記版胴および前記インキ着ローラを回転させる工程と、
    を含むことを特徴とする請求項6に記載の印刷機の運転方法。
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