JP2010196487A - 可変動弁装置付エンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】吸気カムシャフト21、22の一端部に設けられ、エンジンのクランクシャフトに対する吸気バルブの駆動用カムの位相を可変するカム位相可変機構20を備えた可変動弁装置付エンジンにおいて、カム位相可変機構20を2個のベーン式油圧アクチュエータ50、51を吸気カムシャフト21、22に軸方向に並べて構成し、第1のベーン式油圧アクチュエータ50のベーンロータ50bと第2のベーン式油圧アクチュエータ51のベーンロータ51bを覆うハウジング51aとを固定し、第1のベーン式油圧アクチュエータ50と第2のベーン式油圧アクチュエータ51とが一体化した構造とする。
【選択図】図6
Description
このように複数の吸気バルブのうち一部の開閉時期を可変するエンジンでは、例えば低負荷時に一部の吸気バルブの開閉時期を遅角させることで、吸気バルブ全体としての開弁期間を増大させポンピングロスを低下させている(特許文献1)。
また、燃焼性を向上させるために、バルブの閉弁時期だけでなく開弁時期についてもエンジンの運転状態に基づいて可変可能にすることが望ましいが、コンパクトな構成でバルブの開弁時期及び閉弁時期の両方を独立して可変可能とすることは困難である。
また、請求項5の発明は、請求項1〜4のいずれかにおいて、第1のベーン式油圧アクチュエータに、特定位相で保持する第1の保持手段を備え、第2のベーン式油圧アクチュエータに、特定位相で保持する第2の保持手段を備え、それぞれの特定位相が遅角側と進角側に異なって設定されたことを特徴とする。
また、請求項7の発明は、請求項1〜6のいずれかにおいて、エンジンの運転状態に基づいて第1のベーン式油圧アクチュエータ及び第2のベーン式油圧アクチュエータを作動制御する制御手段を更に備え、制御手段は、エンジンの運転状態が所定の運転状態である場合に、第1のベーン式油圧アクチュエータを最遅角制御した後に第2のベーン式油圧アクチュエータを遅角制御することを特徴とする。
本発明の請求項7の可変動弁装置付エンジンによれば、第2のベーン式油圧アクチュエータを遅角制御する際に第1のベーン式油圧アクチュエータを最遅角制御した後に行い、同時に作動させないので、作動油の供給不足を防止することができる。
図1は本実施形態の可変動弁装置を備えたエンジン1の概略構成図である。
図1に示すように、エンジン1は、DOHC式の動弁機構を有しており、エンジン1の吸気カムシャフト2及び排気カムシャフト3の前端には、夫々カムスプロケット4、5が接続され、これらのカムスプロケット4、5はチェーン6を介してクランクシャフト7に連結されている。クランクシャフト6の回転に伴ってカムスプロケット4、5と共に吸気カムシャフト2及び排気カムシャフト3が回転駆動され、この吸気カムシャフト2に備えられた吸気カム10、11により吸気バルブ12、13が、排気カムシャフト3に備えられた排気カム14、15により排気バルブ16、17が開閉駆動される。
図2に示すように、吸気カムシャフト2には、可変動弁装置として、前端部にカム位相可変機構20が設けられている。
エンジン1の1つの気筒には、2つの吸気バルブ(第1の吸気バルブ12、第2の吸気バルブ13)と2つの排気バルブ16、17とが設けられている。第1の吸気バルブ12及び第2の吸気バルブ13は燃焼室18の中央部より吸気側にクランク軸方向に前後に並んで配置される一方、2つの排気バルブ16、17は燃焼室18の中央部より排気側にクランク軸方向に前後に並んで配置される。第1の吸気バルブ12は第1の吸気カム10に、第2の吸気バルブ13は第2の吸気カム11に駆動される。第1の吸気カム10及び第2の吸気カム11は、第1の吸気バルブ12及び第2の吸気バルブ13の配置に伴って、吸気カムシャフト2に交互に配置される。
図3〜5に示すように、吸気カムシャフト2は、中空状の第1の吸気カムシャフト21と第1の吸気カムシャフト21に挿入された第2の吸気カムシャフト22とを備えた2重構造となっている。第1の吸気カムシャフト21及び第2の吸気カムシャフト22は、隙間を有しつつ略同心上に配置され、エンジン1のシリンダヘッドに形成されたカムジャーナル23に回動可能に支持されている。第1の吸気カムシャフト21には、第1の吸気カム10が固定されている。また、第1の吸気カムシャフト21には回動可能に第2の吸気カム11が支持されている。第2の吸気カム11は、第1の吸気カムシャフト21が挿入される略円筒状の支持部11aと支持部11aの外周から突出し第2の吸気バルブ13を駆動するカム部11bとから構成されている。第2の吸気カム11と第2の吸気カムシャフト22とは固定ピン24により固定されている。固定ピン24は、第2の吸気カム11の支持部11a、第1の吸気カムシャフト21及び第2の吸気カムシャフト22を貫通しており、第2の吸気カムシャフト22に設けられた孔に略隙間なく挿入されるとともに、両端部がかしめられて支持部11aに固定されている。第1の吸気カムシャフト21には固定ピン24が通過する長孔25が周方向に延びて形成されている。
図6に示すように、カム位相可変機構20は、第1のベーン式油圧アクチュエータ50と第2のベーン式油圧アクチュエータ51とを軸方向に並べて構成されている。
したがって、スプロケットをチェーンにより回転すると、第2のカム位相可変機構のハウジングが回転し、これに伴い第1のカム位相可変機構のベーンロータも回転する。そして、これらの回転に対して、第1の吸気カムシャフトは第1のカム位相可変機構を介して回転する一方、第2の吸気シャフトは第2のカム位相可変機構を介して回転する。
ECU40の入力側には、エンジン1のクランク角を検出するクランク角センサ41、図示しないスロットルバルブの開度を検出するスロットルセンサ42等の各種センサが接続されている。又、ECU40の出力側には、燃料噴射弁43、点火プラグ44等が接続されている。ECU40は、各センサからの検出情報に基づいて点火時期及び燃料噴射量等を決定し、点火プラグ44や燃料噴射弁43を駆動制御する。また、ECU40の出力側には第1のベーン式油圧アクチュエータ50を駆動制御する第1のオイルコントロールバルブ(以下、OCVという)45、第2のベーン式油圧アクチュエータ51を駆動制御する第2のOCV46が接続されている。ECU40は、各センサからの検出情報に基づいて、第1のOCV45及び第2のOCV46を制御する。
高速高負荷時には、図10(B)に示すように、オイルポンプ35からの作動油は、第1のベーン式油圧アクチュエータ50の遅角側油室57aと、第2のベーン式油圧アクチュエータ51の進角側油室58bに導入される。
上記、第1のOCV45及び第2のOCV46の切り換えは、エンジン回転速度N及び負荷Lに応じてマップを用いて、連続的に切り換えられる。
図11に示すように、低負荷時では、第1のベーン式油圧アクチュエータ50は最遅角に制御され、負荷L及びエンジン回転速度Nに応じて第2のベーン式油圧アクチュエータ51が作動制御される(図中D)。一方、高負荷時では、第2のベーン式油圧アクチュエータ51は最進角に制御され、負荷L及びエンジン回転速度Nに応じて第1のベーン式油圧アクチュエータ50が作動制御される(図中E)。この場合、第1のベーン式油圧アクチュエータが最遅角のときにのみ第2のベーン式油圧アクチュエータが可変制御されるため、OCVの油路変更により、OCV45とOCV46の統合も可能となる。
そして、カム位相可変機構20を、2つのベーン式油圧アクチュエータを前後に並べて一体化した構成としているので、カム位相可変機構20を部品点数も少なく、コンパクトな構造にすることができる。さらには、前後方向に各部品が積層する構造とすることができ、加工、組立が容易となり生産性が高い。
また、ECU40は、低負荷時では、第1のベーン式油圧アクチュエータ50を最遅角制御した後に第2のベーン式油圧アクチュエータ51を制御して開弁期間を大にする。このように第1のベーン式油圧アクチュエータ50及び第2のベーン式油圧アクチュエータ51を同時に作動させるのではなく、1つずつ作動制御する場合は、油圧が不足することなく正確な作動制御を行うことができる。また、本実施形態では、カム位相可変機構20を吸気カムシャフト2に設けているが、排気カムシャフト3に設けてもよい。このようにすれば、排気バルブ16、17の開弁時期及び閉弁時期を簡単な構造で独立して制御することができる。
2 吸気カムシャフト
20 カム位相可変機構
21 第1の吸気カムシャフト
22 第2の吸気カムシャフト
23 カムジャーナル
40 ECU
50 第1のベーン式油圧アクチュエータ
51 第2のベーン式油圧アクチュエータ
60 第1のロック装置
61 スプリング
62 第2のロック装置
Claims (7)
- カムシャフトの一端部に設けられ、エンジンのクランクシャフトに対するバルブの駆動用カムの位相を可変するカム位相可変機構を備えた可変動弁装置付エンジンにおいて、
前記カム位相可変機構は、2個のベーン式油圧アクチュエータを前記カムシャフトの軸方向に並べて構成され、
前記2個のベーン式油圧アクチュエータのうち、一方の第1のベーン式油圧アクチュエータのベーンロータと他方の第2のベーン式油圧アクチュエータのベーンロータを覆うカバーとが固定され、前記第1のベーン式油圧アクチュエータと第2のベーン式油圧アクチュエータとが一体化していることを特徴とする可変動弁装置付エンジン。 - 前記エンジンは、1つの気筒に第1の吸気バルブ及び第2の吸気バルブを備えるとともに、
前記第1のベーン式油圧アクチュエータは、前記エンジンのクランク軸に対する前記第1の吸気バルブの駆動用カム及び前記第2の吸気バルブの駆動用カムの位相を可変し、
前記第2のベーン式油圧アクチュエータは、前記第1の吸気バルブの駆動用カムに対する前記第2の吸気バルブの駆動用カムの位相を可変し、
前記第2のベーン式油圧アクチュエータの位相可変する角度を前記第1のベーン式油圧アクチュエータより大きく設定することを特徴とする請求項1記載の可変動弁装置付エンジン。 - 前記エンジンは、1つの気筒に第1の吸気バルブ及び第2の吸気バルブを備えるとともに、
前記カムシャフトは、第1の吸気バルブの駆動用カムが固定された中空状の第1の吸気カムシャフトと、第2の吸気バルブの駆動用カムが固定されるとともに前記第1の吸気カムシャフトに回転可能に挿入された第2の吸気カムシャフトとにより構成され、
前記第1のベーン式油圧アクチュエータのカバーは前記第1の吸気カムシャフトに連結されるとともに、前記第2のベーン式油圧アクチュエータのベーンロータは前記第2の吸気カムシャフトに連結されていることを特徴とする請求項1または2記載の可変動弁装置付エンジン。 - 前記第2のベーン式油圧アクチュエータのカバーに前記エンジンのクランクシャフトから動力が伝達されることを特徴とする請求項3に記載の可変動弁装置付エンジン。
- 前記第1のベーン式油圧アクチュエータに、特定位相で保持する第1の保持手段を備え、
前記第2のベーン式油圧アクチュエータに、特定位相で保持する第2の保持手段を備え、
それぞれの特定位相が遅角側と進角側に異なって設定されたことを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の可変動弁装置付エンジン。 - 前記第2のベーン式油圧アクチュエータに、前記第2の吸気カムシャフトの位相を進角方向に付勢する付勢手段を備えたことを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の可変動弁装置付エンジン。
- 前記エンジンの運転状態に基づいて前記第1のベーン式油圧アクチュエータ及び前記第2のベーン式油圧アクチュエータを作動制御する制御手段を更に備え、
前記制御手段は、前記エンジンの運転状態が所定の運転状態である場合に、前記第1のベーン式油圧アクチュエータを最遅角制御した後に前記第2のベーン式油圧アクチュエータを遅角制御することを特徴とする請求項1〜6のいずれかに記載の可変動弁装置付エンジン。
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