JP2010196488A - 可変動弁装置付エンジン - Google Patents
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Abstract
【解決手段】1つの気筒に第1の吸気バルブ12及び第2の吸気バルブ13を備え、吸気カムシャフト2が第1の吸気バルブ12を駆動する第1の吸気カム10を備えた第1の吸気カムシャフト21と第2の吸気バルブ13を駆動する第2の吸気カム11を備えた第2の吸気カムシャフト22とにより構成されるとともに、第1の吸気カムシャフト21と第2の吸気カムシャフト22との回転位相を可変するカム位相可変機構20を備えた可変動弁装置付エンジンにおいて、第1の吸気カムシャフト21は中空状に形成される一方、第2の吸気カムシャフト22は第1の吸気カムシャフト21に隙間58を持って挿入されて同軸上に配置され、該隙間58を潤滑油通路として用いて第1の吸気カムシャフト21とカムジャーナル23bとの摺動部に連通する。
【選択図】図3
Description
このように複数の吸気バルブのうち一部のみ開閉時期を可変するエンジンは、例えば吸気カムシャフトを2本備え、エンジンの運転状態に基づいてカム位相可変機構により一方の吸気カムシャフトの位相を変化させて一部の吸気バルブの開閉時期を遅角させることで、他方の吸気カムシャフトにより駆動される遅角制御しない吸気バルブと合わせて吸気バルブ全体の開弁時間を延長可能としている(特許文献1)。
このように油路が形成されたカムジャーナルでは、この油路からカムシャフトとの間隙に作動油が浸透することによって、カムシャフトとの摺動面を潤滑させることができる。
本発明の目的は、カム位相可変機構により一部の吸気バルブの開閉時期を可変可能な可変動弁装置エンジンにおいて、吸気カムシャフトの部品構造の複雑化を抑制しつつ吸気カムシャフトの摺動部に潤滑油を供給可能な可変動弁装置付エンジンを提供することにある。
また、請求項3の発明は、請求項1または2において、第1の吸気カムシャフトの一端にはカム位相可変機構が配置されるとともに、第1の吸気カムシャフトの他端を閉塞する閉塞部材を備えたことを特徴とする。
図1は本実施形態の可変動弁装置付エンジン1の概略構成図である。
図1に示すように、本実施形態のエンジン1は、DOHC式の動弁機構を有しており、エンジン1の吸気カムシャフト2及び排気カムシャフト3の前端には、夫々カムスプロケット4、5が接続され、これらのカムスプロケット4、5はチェーン6を介してクランクシャフト7に連結されている。クランクシャフト7の回転に伴ってカムスプロケット4、5と共に吸気カムシャフト2及び排気カムシャフト3が回転駆動され、この吸気カムシャフト2に備えられた吸気カム10、11により吸気バルブ12、13が、排気カムシャフト3に備えられた排気カム14、15により排気バルブ16、17が開閉駆動される。
図2に示すように、吸気カムシャフト2の前端部には、可変動弁装置として、カム位相可変機構20が設けられている。
エンジン1の1つの気筒には、2つの吸気バルブ(第1の吸気バルブ12、第2の吸気バルブ13)と2つの排気バルブ16、17とが設けられている。第1の吸気バルブ12及び第2の吸気バルブ13は燃焼室18の中央部より吸気側にクランク軸方向に前後に並んで配置される一方、2つの排気バルブ16、17は燃焼室18の中央部より排気側にクランク軸方向に前後に並んで配置される。第1の吸気バルブ12は第1の吸気カム10に、第2の吸気バルブ13は第2の吸気カム11によって駆動される。第1の吸気カム10及び第2の吸気カム11は、第1の吸気バルブ12及び第2の吸気バルブ13の配置に伴って、吸気カムシャフト2に交互に配置される。
図3〜5に示すように、吸気カムシャフト2は、中空状の第1の吸気カムシャフト21と第1の吸気カムシャフト21に挿入された第2の吸気カムシャフト22とを備えた2重構造となっている。第1の吸気カムシャフト21及び第2の吸気カムシャフト22は、隙間を有しつつ略同心上に配置され、エンジン1のシリンダヘッドに形成されたカムジャーナル23a、23bに回動可能に支持されている。第1の吸気カムシャフト21には、第1の吸気カム10が固定されている。また、第1の吸気カムシャフト21には回動可能に第2の吸気カム11が支持されている。第2の吸気カム11は、第1の吸気カムシャフト21が挿入される略円筒状の支持部11aと支持部11aの外周から突出し第2の吸気バルブ13を駆動するカム部11bとから構成されている。第2の吸気カム11と第2の吸気カムシャフト22とは固定ピン24により固定されている。固定ピン24は、第2の吸気カム11の支持部11a、第1の吸気カムシャフト21及び第2の吸気カムシャフト22を貫通しており、第2の吸気カムシャフト22に設けられた孔に略隙間なく挿入されるとともに、両端部がかしめられて支持部11aに固定されている。第1の吸気カムシャフト21には固定ピン24が通過する長孔25が周方向に延びて形成されている。
カムジャーナル23aは軸方向に幅広に形成され、軸方向に並んで3つの油路55a〜55cが形成されている。これらの3つの油路55a〜55cのうち、2つの油路55a、55bは第1の吸気カムシャフト21に形成された2つの油路56a、56bを介してカム位相可変機構20の遅角側油室、進角側油室に連通している。一方、油路55cは、第1の吸気カムシャフト21に形成した連通路57を介して、第1の吸気カムシャフト21と第2の吸気カムシャフト22との間の隙間58と連通している。また、第1の吸気カムシャフト21には、カムジャーナル23bに面した位置で開口し隙間58と連通するように連通路59が夫々設けられている。
また、油路55cにも作動油が潤滑油として供給される。
ECU40は、図示しない入出力装置、ROM,RAM等の記憶装置、中央処理装置(CPU)等を備ており、エンジン1の総合的な制御を行う。
ECU40は、図6に示すように、低負荷低回転時には第2の吸気バルブ13の開閉時期を遅角側に制御して吸気バルブの開弁期間を大きくし、高負荷または高回転となるに従って開弁期間が小さくなるようにカム位相可変機構20を作動制御する。
これにより、低負荷低回転時では、第2の吸気バルブ13の閉弁時期を遅角させて開弁期間が大きくなるので、ポンピングロスが大幅に低減され、燃費を大幅に向上させることができる。一方、高負荷または高回転時では、第2の吸気バルブ13の閉弁時期が低負荷低回転時より進角し、例えば圧縮行程の前半、即ちピストンによる吸気の吸気ポートへの押し戻しが生じる付近で第2の吸気バルブ13を閉弁とすることで、吸気の充填効率が高められ、出力を確保することができる。
図7に示すように、本実施形態では、位相角センサ用ターゲット70がカム位相可変機構20の先端に配置され、ボルト32によってベーンロータ31とともに締結されている。一方、第1の吸気カムシャフト21の後端は栓80によって封印されている。
11 第2の吸気カム
12 第1の吸気バルブ
13 第2の吸気バルブ
20 カム位相可変機構
21 第1の吸気カムシャフト
22 第2の吸気カムシャフト
23b カムジャーナル
40 ECU
58 隙間
70 位相角センサ用ターゲット
70a 突出部
Claims (4)
- 1つの気筒に第1の吸気バルブ及び第2の吸気バルブを備え、吸気カムシャフトが前記第1の吸気バルブの駆動用カムを備えた第1の吸気カムシャフトと前記第2の吸気バルブの駆動用カムを備えた第2の吸気カムシャフトとにより構成されるとともに、前記第1の吸気カムシャフトと前記第2の吸気カムシャフトとの回転位相を可変するカム位相可変機構を備えた可変動弁装置付エンジンにおいて、
前記第1の吸気カムシャフトは中空状に形成される一方、前記第2の吸気カムシャフトは前記第1の吸気カムシャフトに隙間を持って挿入されて同軸上に配置され、該隙間は潤滑油通路として用いられ、
前記潤滑油通路は、前記第1の吸気カムシャフトと該第1の吸気カムシャフトを回転可能に支持するカムジャーナルとの摺動部に連通することを特徴とする可変動弁装置付エンジン。 - 前記第2の吸気バルブの駆動用カムは、前記第1の吸気カムシャフトに回転可能に支持され、
前記潤滑油通路は、前記第1の吸気カムシャフトと前記第2の吸気バルブの駆動用カムとの摺動部に連通することを特徴とする請求項1に記載の可変動弁装置付エンジン。 - 前記第1の吸気カムシャフトの一端に前記カム位相可変機構が配置されるとともに、前記第1の吸気カムシャフトの他端を閉塞する閉塞部材を備えたことを特徴とする請求項1または2に記載の可変動弁装置付エンジン。
- 前記閉塞部材は、前記第1の吸気カムシャフトの端部を摺動可能に覆うとともに、前記第2の吸気カムシャフトに固定されて回転し前記第2の吸気カムシャフトの位相角検出用の被検出体を兼ね、
前記潤滑油通路は、前記第1の吸気カムシャフトと前記閉塞部材との摺動部に連通することを特徴とする請求項3に記載の可変動弁装置付エンジン。
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