JP2010190730A - 相関分光分析方法及び相関分光分析装置 - Google Patents

相関分光分析方法及び相関分光分析装置 Download PDF

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Abstract

【課題】計測データの信号処理又は演算処理負担を軽減する処理構成を提案する。
【解決手段】電子制御装置50の解析制御系は、処理部50dと、メモリ50eと、時系列データ調製部50fと、有効データ割合調製部50gと、相関関数算出部50hと、判定部50iとを備える。処理部50dは、受光器からの蛍光強度を表す電気信号を受信し、ノイズ除去及び/又はA/D変換を施す。メモリ50eは、ディジタル化された計測値および/またはデータ値を記憶する。時系列データ調製部50fは、メモリの動作と同時進行で、相関関数算出部50hの要求に応じて、時系列データのデータ値Di、Djを計算して出力する。有効データ割合調製部50gは、データ値Di、Djに対応する有効データ割合Ri、Rjを計算して出力する。相関関数算出部50hは、データ値Di、Djと有効データ割合Ri、Rjを用いて相関関数値を算出する。
【選択図】図5

Description

本発明は、試料から発せられる光の強度の時系列データについて、相関関数を用いて光分析を実行する方法及びそのための光分析装置に係る。
分光分析の分野に於いて、物質又は分子の運動・状態・特性に関する情報を取得するための有用な方法又は手段として、試料からの放射光の強度の時系列データの相関関数を算出する「相関分光分析」技術が知られている(例えば、特許文献1および特許文献2)。
特許文献1では、レーザー走査型光学顕微鏡を用いて、一つの試料に於いて複数の異なる観測領域(測定ポイント)の放射光の強度を、逐次計測し、それぞれの測定ポイントの放射光の強度の相関関数を算出する技術が開示されている。
また、励起光波長や光検出装置の受光波長を適宜選択することによって、一つ又は複数の測定ポイントに於ける複数の互いに異なる波長帯域の放射光を計測し相関関数を算出する技術が開示されている。
ここで、相関関数とは、放射光の強度の経時的に計測された時系列データD(t)及びD(t)に於いて、一方の時系列データを他方の時系列データに対して時間τだけずらした場合に、時系列データD(t)とD(t)がどの程度一致しているかを示す指標である。
また、時系列データとは、離散時間t(k=0,1…)に於いて、経時的に、計測されたデータ値の組である。また、kは、データの番号である。時間τとは、遅延時間を意味する。nは、0,1,…で表わされる。従って、遅延時間は、離散時間である。
この場合、相関関数値G(τ)は、式(1)により表わされる。
Figure 2010190730
ここで、N、N、Nijは、それぞれ、総和(Σ)が算出されるD(t)、D(t)及びD(t)・D(t)のデータ数(Σ内の項数)である。なお、N=N=Nijとされる。
式(1)に於いて、時系列データD(t)とD(t)が同じデータ列であれば、自己相関関数となり、時系列データD(t)とD(t)が別のデータ列であれば、相互相関関数となる。
一方、特許文献2では、遅延時間τが大きくなるほど、遅延時間τの増分を大きくする相関関数値を演算する手法(「マルチプルτ方式」)が開示されている。
また、時系列データ中の各データ値に対応して、その値が有効であるか否かの重みを与える重み係数からなる(時系列の)重み係数列W(t)、W(t)を準備し、相関関数値を式(2)より算出することが開示されている。
Figure 2010190730
ここで、重み係数値W(t)、W(t)は、時系列データD(t)及びD(t)に於いて有効なデータである場合には、それぞれ、有意な値、例えば、1が与えられる。
また、時系列データD(t)及びD(t)に於いて無効なデータ(欠損・異常データ)である場合には、それぞれ、0が与えられる。
これにより、時系列データD(t)及びD(t)に於ける無効なデータが相関関数値G(τ)に反映されない。
すなわち、式(2)の分子の積D(t)・D(t)に於いていずれか一方のデータ値に対応する重み係数が低いとき(0のとき)は、分母に於いて他方のデータ値の総和(Σ)演算に於ける寄与が、上記一方の値の低い重み係数が乗ぜられることにより低減される。
また、相関関数値に於いて、考慮すべきデータ値の数Nは、分子の重み係数値W(t)及びW(t)の積和(重み係数列の総和Σ)により与えられる。
ここで、式(2)を用いた相関関数値の演算処理では、時系列データに於けるデータ値のそれぞれに於いて、各データ値が無効な又は異常なデータであるか否かによって付与される重み係数値が準備され、その重み係数列が再構成される。
そして、式(2)を用いた相関関数値の演算が、マルチプルτ方式にて、実行される場合には、重み係数列が相関関数値の時間分解能(即ち、遅延時間τの時間分解能)に対応して、再構成されることとなる。
特開2005−283264公報 特開2006−78377公報 特開2007−93370公報 特開2007−93371公報
"Dual-Color Fluorescence Cross-Correlation Spectroscopy for Multicomponent Diffusional Analysis in Solution", Petra, Schwille et al, Biophysical Journal 1997, 72, 1878-1886 Confocal fluorescence coincidence analysis (CFCA), Winkler et al., Proc. Natl. Acad. Sci. U.S.A. 96: 1375-1378, 1999
しかしながら、特許文献2に記載の演算処理操作は、重み係数列を構成又は再構成するため、変化していく重み係数の処理が複雑で、理解しにくくなる。従って、同時に複数の測定ポイント又は波長帯域についての放射光の測定とともにリアルタイムに相関関数値を取得しようとする場合には不利である。
本発明は上述した事情に鑑みてなされたものであって、複数の測定ポイント又は複数の波長帯域の放射光を計測し相関分光分析を実行する方法又は装置に於いて、常に有効データ数から計算する有効データの割合の数式への導入により、計測データの信号処理又は演算処理負担を軽減することができる処理構成を提案することである。
上記課題を解決するために、本発明は以下の手段を提供する。
本発明は、試料からの放射光の強度を計測し該放射光の時系列データの相関関数を算出する相関分光分析方法であって、前記試料に於ける少なくとも一つの測定ポイントからの放射光の強度を連続した複数の離散時間に於いて計測する過程と、前記少なくとも一つの測定ポイントに於いて計測された前記放射光の強度に基づいて相関関数値を算出する過程とを含み、前記放射光の強度に基づいて相関関数値を算出する過程が、前記放射光の強度の値である計測値からなる時系列データを抽出する過程と、前記時系列データに於いて有効な値を有する有効データ値を決定する過程と、複数の前記計測値を一単位として、前記時系列データを分割する過程と、前記一単位に含まれる前記計測値を合算することによってデータ値を得る過程と、前記データ値から時系列データを再構成する過程と、各々の前記データ値について、該データ値を得るために合算した前記計測値の個数に対する、該計測値の中で前記有効データ値である計測値の個数の割合である有効データ割合を決定する過程と、前記再構成された時系列データと前記有効データ割合に基づいて、前記相関関数値を算出する過程とを含むことを特徴とする。
また、上記の発明は、前記相関関数値を算出した後に、前記一単位に含まれる前記計測値の個数とは、異なる個数の計測値を一単位として、前記時系列データを分割する過程と、該一単位に含まれる前記計測値を合算することによってデータ値を再構成する過程と、前記再構成されたデータ値から時系列データを再構成する過程と、各々の該再構成されたデータ値について、該データ値を得るために合算した前記計測値の個数に対する、該計測値の中で前記有効データ値である計測値の個数の割合である有効データ割合を決定する過程と、該再構成された時系列データと該有効データ割合に基づいて、前記相関関数値を算出する過程とを含むことが好ましい。
また、上記の発明は、前記相関関数値を算出した後に、複数の前記データ値を一単位として、前記再構成された時系列データを分割する過程と、前記複数のデータ値からなる一単位に含まれる、前記データ値を合算することによってデータ値を再構成する過程と、前記再構成されたデータ値から時系列データを再構成する過程と、各々の該再構成されたデータ値について、該データ値を得るために合算した前記計測値の個数に対する、該計測値の中で前記有効データ値である計測値の個数の割合である有効データ割合を決定する過程と、該再構成された時系列データと該有効データ割合に基づいて、前記相関関数値を算出する過程とを含むことが好ましい。
また、上記の発明は、前記相関関数値の遅延時間が大きいときの前記再構成された時系列データに含まれる前記データ値の数が、前記相関関数値の遅延時間が小さいときに比して、小さくされることが好ましい。
また、上記の発明は、前記有効データ値として決定されない前記計測値が0とされることが好ましい。
また、上記の発明は、前記放射光の強度を計測する過程に於いて、複数の前記測定ポイントにて前記放射光の強度が計測され、前記測定ポイントの各々に於ける前記放射光の強度の計測が所定時間毎に順々にあるいは同時に実行されることが好ましい。
また、上記の発明は、前記放射光の強度を計測する過程に於いて、複数の波長帯域の前記放射光の強度が計測され、前記複数の波長帯域の各々に於ける前記放射光の強度の計測が所定時間毎に順々にあるいは同時に実行されることが好ましい。
また、上記の発明は、連続した離散時間として与えられる遅延時間τ(nは正の整数)に於ける前記相関関数値G(τ)が次式で与えられ、
Figure 2010190730
ここに於いて、D(t)及びD(t)が連続した離散時間t(kは、正の整数)に於ける前記計測値またはデータ値であり、R(t)及びR(t)が前記離散時間tに於ける前記有効データ割合である式により算出されることが好ましい。
また、上記の発明は、前記試料からの放射光の強度が光学顕微鏡を用いて計測され、前記測定ポイントが前記光学顕微鏡の対物レンズの焦点領域であることが好ましい。
また、上記の発明は、前記相関関数値が前記時系列データの自己相関関数であることが好ましい。
また、上記の発明は、少なくとも二つの時系列データが構成され、前記相関関数値が前記少なくとも二つの時系列データの相互相関関数であることが好ましい。
また、上記の発明は、前記光学顕微鏡がレーザー走査型共焦点光学顕微鏡の光学系を有し、前記試料に於けるレーザー光を照射した少なくとも一つの部位が前記測定ポイントとされることが好ましい。
また、上記の発明は、一つの前記測定ポイントに於いて複数の波長帯域の放射光が計測され、それぞれの前記波長帯域の前記時系列データが構成されることが好ましい。
また、上記の発明は、前記放射光が蛍光であることが好ましい。
また、上記の発明は、前記光学顕微鏡がレーザー共焦点光学顕微鏡の光学系を有し、複数の波長帯域のレーザー光を順々にあるいは同時に前記試料へ照射することにより、複数の波長帯域の放射光が計測され、それぞれの前記波長帯域の前記時系列データが構成されることが好ましい。
本発明は、試料からの放射光の強度を計測し該放射光の時系列データの相関関数を算出する相関分光分析を実行する光分析装置であって、前記試料に於ける少なくとも一つの測定ポイントからの放射光の強度を連続した複数の離散時間に於いて計測する光計測部と、前記少なくとも一つの測定ポイントに於いて計測された前記放射光の強度に基づいて相関関数値を算出する光分析部とを含み、前記光分析部が、前記放射光の強度の値である計測値からなる時系列データを抽出する手段と、前記時系列データに於いて有効な値を有する有効データ値を決定する手段と、複数の前記計測値を一単位として、前記時系列データを分割する手段と、前記一単位に含まれる前記計測値を合算することによってデータ値を得る手段と、前記データ値から時系列データを再構成する手段と、各々の前記データ値について、該データ値を得るために合算した前記計測値の個数に対する、該計測値の中で前記有効データ値である計測値の個数の割合である有効データ割合を決定する手段と、前記再構成された時系列データと前記有効データ割合に基づいて、前記相関関数値を算出する手段とを含むことを特徴とする。
また、上記の発明は、前記一単位に含まれる前記計測値の個数とは、異なる個数の計測値を一単位として、前記時系列データを分割する手段と、該一単位に含まれる前記計測値を合算することによってデータ値を再構成する手段と、前記再構成されたデータ値から時系列データを再構成する手段と、各々の該再構成されたデータ値について、該データ値を得るために合算した前記計測値の個数に対する、該計測値の中で前記有効データ値である計測値の個数の割合である有効データ割合を決定する手段と、該再構成された時系列データと該有効データ割合に基づいて、前記相関関数値を算出する手段とを含むことが好ましい。
また、上記の発明は、複数の前記データ値を一単位として、前記再構成された時系列データを分割する手段と、前記複数のデータ値からなる一単位に含まれる、前記データ値を合算することによってデータ値を再構成する手段と、前記再構成されたデータ値から時系列データを再構成する手段と、各々の該再構成されたデータ値について、該データ値を得るために合算した前記計測値の個数に対する、該計測値の中で前記有効データ値である計測値の個数の割合である有効データ割合を決定する手段と、該再構成された時系列データと該有効データ割合に基づいて、前記相関関数値を算出する手段とを含むことが好ましい。
また、上記の発明は、前記相関関数値の遅延時間が大きいときの前記再構成された時系列データに含まれる前記データ値の数が、前記相関関数値の遅延時間が小さいときに比して、小さくされることが好ましい。
また、上記の発明は、前記有効データ値を決定する手段が、前記有効データ値として決定されない前記計測値を0に設定することが好ましい。
また、上記の発明は、前記光計測部が複数の前記測定ポイントにて所定時間毎に順々にあるいは同時に前記放射光の強度を計測することが好ましい。
また、上記の発明は、前記光計測部が複数の波長帯域の前記放射光の強度を所定時間毎に順々にあるいは同時に計測することが好ましい。
また、上記の発明は、連続した離散時間として与えられる遅延時間τ(nは正の整数)に於ける前記相関関数値G(τ)が式で与えられ、
Figure 2010190730
ここに於いて、D(t)及びD(t)が連続した離散時間t(kは、正の整数)に於ける前記計測値またはデータ値であり、R(t)及びR(t)が前記離散時間tに於ける前記有効データ割合である式により算出されることが好ましい。
また、上記の発明は、前記光計測部が光学顕微鏡を含み、前記測定ポイントが前記光学顕微鏡の対物レンズの焦点領域であることが好ましい。
また、上記の発明は、前記相関関数値が前記時系列データの自己相関関数であることが好ましい。
また、上記の発明は、前記光分析部が少なくとも二つの時系列データを構成し、前記相関関数値が前記少なくとも二つの時系列データの相互相関関数であることが好ましい。
また、上記の発明は、前記光学顕微鏡がレーザー走査型共焦点光学顕微鏡の光学系を有し、前記試料に於けるレーザー光を照射した少なくとも一つの部位が前記測定ポイントとされることが好ましい。
また、上記の発明は、一つの前記測定ポイントに於いて複数の波長帯域の放射光を計測し、それぞれの前記波長帯域の前記時系列データを構成することが好ましい。
また、上記の発明は、前記放射光が蛍光であることが好ましい。
また、上記の発明は、前記光学顕微鏡がレーザー共焦点光学顕微鏡の光学系を有し、複数の波長帯域のレーザー光を順々にあるいは同時に前記試料へ照射することにより、複数の波長帯域の放射光が計測され、それぞれの前記波長帯域の前記時系列データを構成することが好ましい。
本発明の方法及び装置によれば、複数の測定ポイント又は複数の波長帯域の放射光を計測し相関分光分析を実行する方法又は装置に於いて、計測値またはデータ値の信号処理又は演算処理負担を軽減することができるという効果を奏する。
図1Aは、本発明の一つの好ましい実施形態である相関分光分析を実行する蛍光分光分析装置の光学系(レーザー走査型共焦点光学顕微鏡の光学系)を模式的に表したものである。 図1Bは、蛍光分光分析装置に於いて試料内の複数の測定ポイントをX−Y面内に於いて選択的に設定できることを模式的に示したものである。 図1Cは、蛍光分光分析装置に於いて試料内の複数の測定ポイントをZ軸方向にも選択的に設定できることを模式的に示したものである。 図2Aは、本発明の実施形態に於いて、1つの測定ポイントにて1つの波長帯域の蛍光強度を連続的に計測した場合の蛍光強度Iの時間変化をプロットしたものである。 図2Bは、本発明の実施形態に於いて、複数の測定ポイント或いは複数の波長帯域を所定時間ずつ順々に逐次変更しながら、一つの受光器にて蛍光強度を連続的に計測した場合の蛍光強度Iの時間変化をプロットしたものである。 図2Cは、図2Bの蛍光強度Iの時間変化のプロットを符号毎に分割したものである。 図3Aは、遅延時間τとしたときの時系列データの相関関数値の算出について説明したものである。 図3Bは、典型的な相関関数値(自己相関関数)の変化をグラフの形式にて示したものである。 図4は、時系列の計測値M、Mに於いて、データ欠損領域κ、κが存在する場合の有効データ割合と相関関数値の算出処理について説明する図である。 図5は、図1Aの電子制御装置の構成を制御ブロック図の形式で表したものである。
本実施形態の、相関分光分析方法および相関分光分析装置について説明する。
本実施形態の相関分光分析方法は、試料からの放射光の強度を計測し該放射光の時系列データの相関関数を算出する相関分光分析方法であって、試料に於ける少なくとも一つの測定ポイントからの放射光の強度を連続した複数の離散時間に於いて計測する過程と、上記の少なくとも一つの測定ポイントに於いて計測された放射光の強度に基づいて相関関数値を算出する過程とを含み、放射光の強度に基づいて相関関数値を算出する過程が、放射光の強度の値である計測値からなる時系列データを抽出する過程と、時系列データに於いて有効な値を有する有効データ値を決定する過程と、複数の計測値を一単位として、時系列データを分割する過程と、一単位に含まれる計測値を合算することによってデータ値を得る過程と、データ値から時系列データを再構成する過程と、各々のデータ値について、該データ値を得るために合算した計測値の個数に対する、該計測値の中で有効データ値である計測値の個数の割合である有効データ割合を決定する過程と、再構成された時系列データと有効データ割合に基づいて、相関関数値を算出する過程とを含む。
かかる構成に於いて、計測される「放射光」は、典型的には、蛍光であるが、りん光、化学発光又は生物発光、或いは、散乱光であってもよい。試料からの放射光の強度は、好適には、光学顕微鏡を用いて計測され、光学顕微鏡の対物レンズの焦点領域が、上記の測定ポイントとなる。また、相関関数値は、少なくとも一つの時系列データの自己相関関数又は少なくとも二つの時系列データの相互相関関数のいずれであってもよい。
また、上記の構成に於いて、相関関数値は、好適には、所謂「マルチプルτ方式」にて算出されるようになっていてよい。従って、相関関数値は、必ずしも、その相関関数値の遅延時間の全域に亙って放射光強度の計測値の時間分解能と同一の時間分解能にて算出される必要はない。
また、一単位に含まれる計測値の数を適当に設定することによって、時間分解能が適当に設定された態様にて算出される。
即ち、データ値が一つの計測値に対応して設定される場合には、相関関数値は、計測時と同一の時間分解能にて算出される。一方、データ値が二つ以上の計測値の合算であるときには、相関関数値は、計測時よりも低い時間分解能にて且つ少ない演算量にて算出されることとなる。
このように、一単位に含まれる計測値を合算することによってデータ値を得た上で、複数のデータ値から時系列データを再構成する。
なお、既に触れたように、相関関数値の遅延時間が大きいときには、相関関数値を高い時間分解能にて算出する必要性は低くなる。従って、相関関数値の遅延時間が大きいときの再構成された時系列データに含まれるデータ値の数は、相関関数値の遅延時間が小さいときに比して、小さくされるようになっていてよい。これにより、不必要に高い時間分解能にて相関関数値を算出することが排除され、演算処理を低減することが可能となる。
更に、上記の構成に於いては、時系列データに於いて有効な値を有する有効データ値が決定される。そして、各々のデータ値について、該データ値を得るために合算した計測値の個数に対する、当該計測値の中で有効データ値である計測値の個数の割合が決定される。このように決定された割合が、有効データ割合である。
そして、かかる有効データ割合が相関関数値の算出に於いて考慮される。かかる有効データ割合は、データ値に於ける有効なデータ値の割合を考慮できるようにする数値である。
かかる相関関数の算出に於いては、重み係数値及び重み係数列を準備する過程が排除され、これにより、相関関数値の算出に要する演算処理の低減が図られることとなる。
なお、時系列データに於いて有効な値を有する有効データ値を決定する際に、有効データ値として決定されない計測値が0とされるようになっていてよい。これにより、より精度よく相関関数値が得られることとなる。
相関関数値を算出する式の具体例については、後述する。
かくして、上記の実施形態の構成によれば、従前に比して演算処理量が低減することができる。この際、時系列の計測値又は時系列データに於いて、データ欠損や異常値など有効でない計測値が含まれていても適切に相関関数値が算出される。
また、特許文献2では、欠損データや異常データなどは、真のデータと区別するために、重み係数を用いて表記した上でデータ再構成を行い、かつ、重み係数の再構成を行っている。つまり、相関関数値を算出する際に、それぞれの異なる遅延時間に対して、重み係数は徐々に変化していく。また、重み係数を再構成する際、遅延時間が大きい部分が、遅延時間が小さい部分の結果を継承する。したがって、その処理には時間がかかる上、アルゴリズムが複雑になってしまう。
しかしながら、本実施の形態では、データの再構成が行われたとしても、その再構成されたデータが意味する「有効データ割合」は、常にデータの再構成が行われる前のデータ(元データ:オリジナルデータ)が基準となる。つまり、有効データ割合は、データ再構成による「有効データ割合の再構成」が行われない。これにより、単に元データを基準に(再構成に使われた有効データ数/再構成に使われた全体データ数を)計算することによって、相関関数値を算出することができる。
従って、本実施の形態に於いて、例えば、次の(1)又は(2)の場合など、各測定ポイント又は各波長帯域の放射光の強度の計測が間欠的に為される場合に上記の本実施形態の相関関数値の算出が有利に適用することが可能となる。
(1)放射光の強度を計測する過程に於いて、複数の測定ポイントにて放射光の強度が計測され、測定ポイントの各々に於ける放射光の強度の計測が所定時間毎に順々に実行される場合。
(2)放射光の強度を計測する過程に於いて、一つ又はそれ以上の測定ポイントに於いて複数の波長帯域の放射光の強度が計測され、複数の波長帯域の各々に於ける放射光の強度の計測が所定時間毎に順々に実行される場合。
また、本実施形態の相関関数値を算出するにあたっては、一つの測定ポイントからの放射光の強度を連続的に計測する場合にも適用することが可能である。
また、特に、上記の実施の形態の場合について、放射光の強度がレーザー走査型共焦点光学顕微鏡の光学系を有する光学顕微鏡により計測される場合には、試料に於けるレーザー光を照射した少なくとも一つの部位が測定ポイントとされる。
これにより、測定ポイント毎の時系列データが測定できればよい。或いは、複数の波長帯域のレーザー光を順々に試料へ照射することにより、複数の波長帯域の放射光が計測され、それぞれの波長帯域の時系列データが測定されてもよい。
レーザー走査型共焦点光学顕微鏡の場合、レーザー光の照射部位は、対物レンズの視野内に於いて任意に移動できる。
従って、本実施形態の構成に於いて、レーザー走査型共焦点光学顕微鏡を使用する場合には、対物レンズの視野内に於いて任意の一つの部位又は複数の部位の放射光の強度の相関関数値を取得できる。
また、レーザー走査型共焦点光学顕微鏡の励起光を複数の波長帯域にて選択可能な場合には、対物レンズの視野内に於いて任意の一つの部位又は複数の部位に於ける複数の波長帯域の放射光の強度の自己相関関数値又は相互相関関数値が得られる。
上記の本実施形態の方法は、下記の本実施形態による光分析装置により実行することが可能である。
本実施形態の試料からの放射光の強度を計測し該放射光の時系列データの相関関数を算出する相関分光分析を実行する光分析装置は、試料に於ける一つの測定ポイントからの放射光の強度を連続して計測する光計測部、あるいは少なくも一つ以上の測定ポイントからの放射光の強度を測定ポイントごとに切り替えながら放射光の強度を連続して計測する光計測部と、少なくとも一つの測定ポイントに於いて計測された放射光の強度に基づいて相関関数値を算出する光分析部とを含み、光分析部が、放射光の強度の値である計測値からなる時系列データを抽出する手段と、時系列データに於いて有効な値を有する有効データ値を決定する手段と、複数の計測値を一単位として、時系列データを分割する手段と、一単位に含まれる計測値を合算することによってデータ値を得る手段と、データ値から時系列データを再構成する手段と、各々のデータ値について、該データ値を得るために合算した計測値の個数に対する、該計測値の中で有効データ値である計測値の個数の割合である有効データ割合を決定する手段と、再構成された時系列データと有効データ割合に基づいて、相関関数値を算出する手段とを含む。かかる構成に於いて、放射光は、典型的には、蛍光であってよい。
上記の本実施形態の装置に於ける光分析部にて算出される相関関数値は、本実施形態の方法の場合と同様に、少なくとも一つの時系列データの自己相関関数或いは少なくとも二つの時系列データの相互相関関数のいずれであってもよい。
また、時系列データの再構成については、相関関数値の遅延時間が大きいときの再構成された時系列データに含まれるデータ値の数を、相関関数値の遅延時間が小さいときに比して、小さくしてよい。これにより、相関関数値の演算処理を低減できる。
また、好適には、有効データ値を決定する手段は、有効データ値として決定されない計測値を0に設定する。
本実施形態の光分析装置の光計測部について、光計測部が光学顕微鏡を含む場合、測定ポイントは、光学顕微鏡の対物レンズの焦点領域であってよい。また、本実施形態の装置に於いては、本実施形態の方法の場合と同様に、或る相関関数値を算出する時系列データを構成する放射光の計測値またはデータ値が間欠的であってもよい。
従って、光計測部は、複数の測定ポイントにて所定時間毎に順々に放射光の強度を計測してもよい。或いは、一つ又はそれ以上の測定ポイントに於いて複数の波長帯域の放射光の強度を所定時間毎に順々に計測してもよい。
更に、光計測部がレーザー走査型共焦点光学顕微鏡の光学系を有する光学顕微鏡である場合、試料に於けるレーザー光を照射した少なくとも一つの部位を測定ポイントとしてもよい。或いは、複数の波長帯域のレーザー光を順々に試料へ照射することにより、複数の波長帯域の放射光が計測され、それぞれの波長帯域の上記時系列データを測定してもよい。
本実施形態の構成によれば、放射光の強度の相関関数値を算出する際に、有効データ割合を用いることによって、演算処理量を従前に比して低減した態様にて、放射光の強度の計測値がすべて有効データ値であっても、あるいは、データ欠損や異常なデータが存在していても、その影響を排除して相関関数値を取得することが可能となる。
従って、一つの測定ポイント、または複数の測定ポイント及び/又は複数の波長帯域の放射光の強度の計測を逐次順々に実行して得た間欠的な計測値からでも、精度よく相関関数値を算出することが可能となる。
また、本実施形態の構成によれば、種々の計測パターンにより得られた放射光の強度の相関関数値の取得が可能となり、かかる相関関数値から得られる情報に基づいて、任意の空間的位置のパラメータ評価、比較、イメージングなどを行うことができる。
以下に添付の図を参照しつつ、本発明の幾つかの好ましい実施形態について詳細に説明する。
なお、以下の実施形態に於いては、レーザー走査型共焦点蛍光顕微鏡の光学系を有する蛍光分光分析装置に組み込まれた相関分光分析装置について説明されている。しかしながら、本発明の概念は、その他の形式の光学系を含む光分析装置に適用されてもよく、そのような場合も本発明の範囲に属する。
また、以下の説明に於いては、試料として、蛍光標識された試料が用いられる場合について説明されている。従って、放射光は、励起光が照射されて発せられる蛍光として記載されるが、試料からの放射光は、りん光、散乱光、化学発光、生物発光等であってよい。また、照射光は、それらの放射光を発生又は誘発する光であってよい。
装置の構成
図1Aは、一つの好ましい実施形態によるレーザー走査型共焦点蛍光顕微鏡の光学系を有する蛍光分光分析装置(光分析装置)10の構成を模式的に示したものである。
光分析装置10は、励起光学系と、光検出系と、計測制御系(光計測部)と、分析制御系(光分析部)とを備える。
励起光学系は、蛍光標識された分子を含む試料Sに対して励起光を照射する。光検出系は、試料Sからの蛍光を検出する。計測制御系(光計測部)は、励起光学系及び光検出系の作動制御を行う。分析制御系(光分析部)は、光検出系にて検出された蛍光の解析又は分析を行う。
なお、試料Sは、典型的には、図示していないセル内に注入された溶液あるいは細胞であってよい。
光分析装置10は、多重光照射−多重光検出型で構成されている。すなわち、励起光学系は、複数のレーザー光源La〜nを備え、光検出系は、受光器APDa〜nを備える。複数のレーザー光源La〜nは、複数の互いに異なる波長帯域又は波長特性の励起光を照射する。また、受光器APDa〜nは、複数の互いに異なる波長帯域又は波長特性の放射光を別々に検出する。ただし、光分析装置10は、レーザー光源及び/又は受光器を、それぞれ一つずつで備えていてもよく、多重光照射−多重光検出型に限定されない。
複数のレーザー光源La〜nから出射された励起光は、各々、図示していないビームエキスパンダーを介して拡大され、レンズ12a〜nにて平行光にされる。当該平行光は、その後、ダイクロイックミラー14a〜n、15及びガルバノミラー16を経て、対物レンズ18により、試料S中の或る一つの点領域にて焦点を結ぶ(集光される)。
なお、図1Aでは、2つのレーザー光源が示されているが、その数は、任意であってよい。また、下記の受光器APDの場合も同様である。
かかる励起光が焦点を結ぶ点領域(通常、光の波長程度の幅の領域)は、本実施形態の光分析装置の放射光の計測領域、即ち、測定ポイントとなる。そして、その領域内に蛍光標識された分子が進入すると、蛍光標識が励起光により励起され、蛍光が発せられる。
レーザー光源は、蛍光分光分析の分野に於いて又は共焦点蛍光顕微鏡に於いて、通常使用されている形式のYAGレーザー、アルゴンレーザー、He−Neレーザー等であってよい。また、励起光の波長は、400nm〜600nmの範囲の任意の値であってよい。
また、ダイクロイックミラー14a〜nは、図に於いて、上方から到来する光を透過し、右方から到来する光を反射するよう適宜調製されたものであってよい。
また、ダイクロイックミラー14nは、通常のミラーであってもよい。ダイクロイックミラー15は、図に於いて上方から到来する励起光を反射し、後に説明するように、試料からの蛍光を透過させる。
上記の如く励起光が照射されることにより試料Sから発せられた蛍光(の一部)は、対物レンズ18により集光され、ガルバノミラー16で偏向され、ダイクロイックミラー15を透過した後、レンズ20によりピンホール22にて焦点を結ぶように集光される。
ピンホール22に於いては、そこで結像した光のみ通過し、対物レンズ18の焦点領域(観察領域)以外からの光は遮断されるので、ピンホール22を通過した後の光は、実質的に、焦点領域から発せられた光のみとなる(共焦点顕微鏡の原理)。
かくして、ピンホール22を透過した光は、更にレンズ24を通過した後、ダイクロイックミラー26a〜nとバンドパスフィルタ28a〜nにより、その蛍光の波長に依存して選択的に分割され、受光器APDa〜nへ向けて配向され、受光器APDa〜nの各々の受光面(図示せず)に入射される。
そして、各受光器APDa〜nは、その入射した光の強度に応じた(強度の関数とした)大きさの電気信号Ma〜Mnを生成し、下記に説明される電子制御装置50に送出する。即ち、上記の対物レンズ18から受光器APDまで光学要素が光検出系を構成する。
なお、ここで、各受光器APDa〜nは、各々対応するダイクロイックミラー26a〜nで反射され、バンドパスフィルタ28a〜nを透過する波長を受光することになるので、各受光器は、互いに異なる波長帯域の光を受光する。受光器APDは、典型的には、蛍光分光分析又は共焦点蛍光顕微鏡に於いて、通常使用されているアバランシェフォトダイオードであってよい。
ところで、既に触れたように、光分析装置10の光学系は、所謂「レーザー走査型共焦点光学顕微鏡」の光学系である。従って、ガルバノミラー16の、光軸の位置を自在に変化させることにより、対物レンズの視野内の(X−Y軸方向の)任意の位置にレーザーを集光することが可能である。また、対物レンズ18の光軸方向(Z軸)を移動させることにより、レーザー光源の集光位置、即ち、測定ポイントをZ軸方向にも変更することが可能である。
従って、測定ポイントの位置は、蛍光の計測中に於いて、視野内の任意の位置に設定し且つ変更することができる。
例えば、図1Bに例示されている如く、蛍光の計測中に、励起光の集光位置を、X−Y面内に於いて、α、β、γ、δを順々に変更し、それぞれの位置から発せられる蛍光を順々に計測することとしてよい。
また、図1Cの如く、対物レンズを光軸方向(Z軸)に移動させることにより、測定ポイントをZ軸方向にも変更することが可能である。従って、例えば、試料中の或る細胞に於ける任意の部位α、β、γ、δの蛍光強度を順々に計測することとしてよい。
ガルバノミラー16及び対物レンズのZ軸駆動機構(図示せず)の作動は、公知の任意の形式にて、後に説明する電子制御装置50により制御されてよい。
更に、光分析装置10は、複数のレーザー光源を備えているため、複数の波長帯域の励起光のうちの一つを選択的に試料へ照射し、複数の波長帯域の蛍光のうちの一つを選択的に計測できる。かかる計測される蛍光の波長帯域(つまり、励起光の波長帯域)の選択は、蛍光の計測中に任意のタイミングで実行されてよい。
例えば、蛍光波長帯域λemα、λemβ、λemγ、λemδを計測する場合には、それぞれの波長帯域の蛍光を生じせしめる励起光λexα、λexβ、λexγ、λexδを順々に所定時間ずつ試料に照射する。そして、これに同期して、一つ又は複数の受光器により、蛍光波長帯域λemα、λemβ、λemγ、λemδを計測してよい。
試料に照射する励起光の選択は、電子制御装置50からの制御指令により、レーザー光源La〜nの作動を選択的にon又はoffにしてよい。
また、レーザー光の光路中の各々にシャッタ30a〜nを設けて、かかるシャッタ(例えば、音響光学素子(AOTF)、液晶フィルタ等)を選択的に開閉してよい。
或いは、透過波長の選択可能なAOTFを全ての励起光が合流した後の励起光路に配置し、電子制御装置50の制御指令に基づいて透過波長、即ち、試料Sに到達される光の波長が選択されてよい。受光器APDa〜nの作動についても、励起光の波長選択に同期して電子制御装置50により制御されてよい。
上記の如く、電子制御装置50は、各受光器APDa〜nからの電気信号(検出信号)の受信、測定ポイントの設定・変更、試料に照射する励起光と計測する蛍光の波長の選択制御等を行う。
電子制御装置50は、通常の形式の、コンピュータであってよい。例えば、当該コンピュータは、双方向コモン・バスにより相互に連結されたCPU、ROM、RAM、ハードディスク等の記憶装置、入出力ポート装置及びそれらの駆動回路を有し、ROM又はその他の記憶装置に記憶された制御プログラム(使用者の設定入力が適宜できるようになっていてよい。)に従って動作する。
電子制御装置50は、計測制御系及び解析制御系として機能し、レーザー、シャッタ及び/又は受光器のon/off、ガルバノミラーの角度、対物レンズZ軸駆動機構(不図示)の高さをそれぞれ制御する。
また、電子制御装置50は、受信した複数の電気信号の各々にノイズ除去及び/又はA/D変換処理を施した後、それらの複数の信号を用いて、種々の信号解析・演算処理、例えば、蛍光相関分光分析、蛍光相互相関分光分析に従った相関関数の演算を実行する。
また、光分析装置10には、モニタ52が接続され、モニタ52上には、上記に述べた各種の制御の設定・状態、蛍光強度の計測値またはデータ値、蛍光強度から算出された相関関数値が任意の形式で表示されてよい。
装置の作動と相関分光分析
光分析装置10は、蛍光相関分光分析と蛍光相互相関分光分析が実行可能である。蛍光相関分光分析では、微小の蛍光観察領域をブラウン運動により通過する分子の移動(並進運動)の速さが観測される。
分子の並進運動の速さは、測定された蛍光強度の時間を変数とした自己相関関数の形状に反映される。分子の並進運動の速さの指標としては、測定開始時から自己相関関数の値が半分になるまでの時間の長さ(並進拡散時間)が用いられる。分子の移動は、分子の大きさが大きいほど、遅くなるので、並進拡散時間が長くなる。
一方、蛍光相互相関分光分析では、二つの発光波長の異なる蛍光標識が微小の蛍光観察領域をブラウン運動により通過する際に、各々の標識の蛍光強度の変化から二つの蛍光標識の運動に相関があるか否かを判定することができる。
もし蛍光標識が一つの結合分子に存在する場合には、二つの蛍光強度の変化が一体的に変化するが、蛍光標識が別々の結合分子に存在する場合には、二つの蛍光強度の変化は、独立に変化することとなる。蛍光標識が一つの結合分子に乗っているか否かは、二つの蛍光強度の相互相関関数から判定することができる。
いずれの分析方法の場合も、基本的には、一つ又はそれ以上の測定ポイントに於ける試料からの一つ又はそれ以上の波長帯域の蛍光の強度を、ディジタル化した態様にて、即ち、連続した複数の離散時間に於いて計測する。そして、少なくとも一つの測定ポイントの時系列の計測値を取得し、しかる後に、取得された時系列の計測値を用いて、自己相関関数又は相互相関関数の値が算出される。
以下、かかる本実施形態の装置を用いた試料の蛍光計測と、かかる計測で得られた蛍光強度値の相関関数の算出について説明する。
計測モード
図1Aの光分析装置10に於いて、蛍光強度の計測は、概して、下記の態様(計測モード)にて実行可能である。
(1)1点1波長計測−一つの測定ポイントにて一つの波長帯域の蛍光強度を計測
このモードは、従前と同様の態様であり、レーザー光源La〜nのうちのいずれか一つからの励起光が試料中の一点の測定ポイントに集光される。これにより測定ポイントから発せられる蛍光が受光器APDa〜nのいずれか一つにより受光されて時系列の蛍光強度の計測値が得られる(図2A参照)。
(2)複数点1波長計測−複数の測定ポイント(例えば、2〜4点)にて一つの波長帯域の蛍光強度を計測
この場合には、ガルバノミラー16及び/又は対物レンズZ軸駆動機構(不図示)を作動して、励起光が対物レンズ18の視野内の任意に設定された測定ポイント(α、β、γ、δ)に順々に所定時間ずつ集光される。なお、各測定ポイントに割り当てられる所定時間は、互いに同一であっても異なっていてもよい。以下同様。
そして、各測定ポイントからの蛍光が受光器APDa〜nのいずれか一つにより、逐次、順々に受光され時系列の蛍光強度の計測値が得られる。即ち、時系列の蛍光強度の計測値に於いて、複数の測定ポイントからの蛍光強度値が混在することとなる(図2B参照)。
(3)1点複数波長計測−一つの測定ポイントにて複数の波長帯域の蛍光強度を計測
このモードに於いては、一つの測定ポイントに対して、レーザー光源La〜nのうちの二つ以上からの励起光が、逐次、順々に所定時間ずつ集光される。
そして、一つの測定ポイントからの複数の波長帯域の蛍光が、励起光の切換に同期して逐次、順々に受光器APDa〜nのいずれか一つに又は二つ以上により受光され、時系列の蛍光強度の計測値が得られる。
この場合、一つの受光器で蛍光を受光する場合には、(2)のモードと同様に、時系列の蛍光強度の計測値に於いて、複数の波長帯域の蛍光強度値が混在することとなる。他方、波長帯域毎に別々の受光器を使用する場合には、各受光器で得られた時系列の蛍光強度の計測値に於いて、計測値に欠損が生ずることとなる(図2C参照)。
なお、複数の蛍光波長が完全に分離され重複がないときには(所謂「クロストーク」のない状態)、二つ以上の励起光を同時に試料に照射し、二つ以上の波長帯域の蛍光を別々の受光器により受光してもよい。すなわち、図2Aの如き、データ欠損のない時系列の計測値を二つ以上同時に取得してもよい。その場合、相関関数値は、式(1)にて時系列の計測値をそのまま用いて算出することができる。
(4)複数点複数波長計測−複数の測定ポイント(例えば、2〜4点)にて複数の波長帯域の蛍光強度を計測
このモードに於いては、ガルバノミラー16及び/又は対物レンズZ軸駆動機構を作動させる。これにより、対物レンズ18の視野内の任意に設定された測定ポイント(α、β、γ、δ)に、レーザー光源La〜nのうちの少なくとも二つ以上のレーザー光源からの励起光が、逐次、順々に所定時間ずつ集光される。
そして、各測定ポイントからの各波長帯域の蛍光が、受光器APDa〜nのいずれか一つ又は二つ以上により、逐次、順々に受光され時系列の蛍光強度の計測値が得られる。
この場合、結局、一時に設定される測定ポイントと波長帯域は、それぞれ一つずつである。従って、(2)又は(3)のモードにて参照したように、時系列の蛍光強度の計測値に於いて、複数の測定ポイントからの蛍光強度値の混在、複数の波長帯域の蛍光強度値の混在及び/又は計測値の欠損が生ずる。
図2Aは、(1)1点1波長計測モードにて、蛍光強度を計測した場合に計測される計測値を示したものである。このように、計測値は、連続した態様にて得られる。
ただし、厳密に言えば、計測値は、ディジタル化され、複数の離散時間に於いて再構成された蛍光強度値である。
従って、かかる時系列の計測値から、その値をそのまま用いて、その相関関数が算出される。
相関関数の算出方法については、「背景技術」の欄の式(1)によって示される。なお、時系列の計測値が一つの場合は、自己相関関数であり、二つの異なる時系列の計測値の場合は、相互相関関数である。以下同様である。
図2Bは、(2)から(4)の計測モードにて計測を行った場合であって、特に、一つの受光器で、複数点又は複数の波長の蛍光強度を計測した場合に計測される計測値を示したものである。このように、一つの時系列の計測値に於いて、異なる測定ポイント又は異なる波長帯域の蛍光強度値が混在することになる。
従って、相関関数値を算出するには、異なる測定ポイント又は異なる波長帯域の蛍光強度値を含む時系列の計測値から、図2Cに示されている如く、一つの受光器で取得された時系列の計測値が時分割される。これにより、測定ポイント毎及び波長帯域毎に時系列データを抽出することができる。なお、かかる時分割処理は、任意の形式で実行されてよい。
例えば、予め、測定ポイント毎及び/又は波長帯域毎のメモリ領域を準備しておき、蛍光強度の計測中に、現在の測定ポイントと波長帯域を参照して、(A/D変換後の)取得された計測値を対応するメモリ領域に振り分けてよい。
或いは、蛍光強度の計測中に各受光器にて取得された計測値に現在の測定ポイントと波長帯域を表す符号(例えば、α、β、γ、δ)を付しておき、一連の時系列の計測値の取得が終了した後に、測定ポイントと波長帯域を表す符号により、時系列の計測値を別々のメモリ領域に振り分けてよい。
なお、複数の波長帯域の蛍光強度を計測する際に、波長帯域毎に別々の受光器を使用する場合には、図2Cに例示の如く、各波長帯域に於いて、有効な値を有する計測値のみを有効データ値として決定し、それ以外の計測値には、0を与えてもよい。
相関関数値の算出
[マルチプルτ方式について]
上記の図2A又は図2Cに例示の如く、測定ポイント毎又は波長帯域毎の時系列データが抽出されると、相関関数値が算出される。かかる相関関数値の算出に於いて、本実施形態の光分析装置では、所謂「マルチプルτ方式」を採用して、相関関数値の遅延時間が大きな領域では、相関関数値の時間分解能を落とし、演算処理量の低減が図られる。
図3は、かかるマルチプルτ方式の原理を説明する模式図である。
まず、相関関数値は、自己相関関数であるか相互相関関数であるかによらず、二つの時系列データに於いて、一方の時系列データを他方に対して時間だけずらした場合に、二つの時系列データがどの程度一致しているかを示す指標である。
具体的には、図3Aを参照すると、時系列データの各項D(t)を遅延時間τ後の各項D(t+τ)に乗じた値D(t)・D(t+τ)の時間平均値をτ=0のときのD(t)・D(t)の時間平均値で規格化した値が、相関関数値として与えられる。
時系列データの値のゆらぎが統計的に正負の両側に均等に分散するとの仮定の下では、二つの時系列データの変化のパターンの重なりが大きいほど、上記の積D(t)・D(t+τ)は大きくなる。つまり、かかる相関関数値の大きさを参照することで、二つの時系列データがどの程度一致しているかがわかる。
従って、自己相関関数の場合、即ち、二つの時系列データが同じ時系列データである場合には、値の変化がランダムであれば、図3Bに例示されている如く、遅延時間τが大きくなるほど、データの変化のパターンの重なりが小さくなるので、相関関数値は小さくなる。
また、相互相関関数の場合にも、もし二つの時系列データが同じ挙動をする場合には、自己相関関数の場合と同様に、遅延時間τが大きくなるほど、相関関数値は、小さくなる(二つの時系列データに相関がなければ、相関関数値は、初めから小さい。)。
上記の如く、相関関数値は、遅延時間が大きくなれば、二つの時系列データの変化のパターンの重なりは小さくなるので、遅延時間が大きい領域で細かい時間分解能にて相関関数値の値を取得する必要はない。むしろ、細かい時間分解能で計算すると、演算量が膨大になる。
また、細かい時間分解能で計算すると、偶然に極端に大きい又は小さい値が算出される場合があることから、算出値のばらつきが大きくなる。
そこで、本実施形態の装置に於いては、遅延時間τが大きくなるに連れて、相関関数値の時間分解能を落とすよう、相関関数値の演算が実行される。なお、遅延時間τの間隔が多段階に変化するので、「マルチプルτ方式」と称される。
ここで、相関関数値の演算が実行される際、複数の計測値を一単位として、時系列データが分割される。そして、一単位に含まれる計測値は、隣接する値が合算される。この合算により得られた値が、データ値である。そして、複数のデータ値から、データ値D(t)及びD(t)の時系列データが再構成され、相関関数値の演算に用いられる(データの再構成)。
具体的には、本実施形態の装置の場合、例えば、遅延時間の間隔ΔTの設定と計測値M(t)及びM(t)[p=0,1,…:tpは、計測時の離散時間]からのデータD(t)及びD(t)の構成は、以下の2種類の方法により実行される(図3B参照。以下、データ値については、D(t)のみ表記する。)。なお、Δτは、蛍光計測の時間分解能、即ち、Δτ=t−tp−1である。
方法A(データを再構成する際に、毎回計測値から構成する方法):
(a)0<τ≦16Δτのとき(計測時の時間間隔と同じ)
ΔT=Δτ:(計測時の時間間隔と同じ)
(t)=M(t
(b)16Δτ<τ≦32Δτのとき
ΔT=2Δτ
(t)=M(t2p)+M(t2p+1
(c)32Δτ<τ≦64Δτのとき
ΔT=4Δτ
(t)=ΣM(t2p+q)[総和は、q=0〜3]
(d)64Δτ<τ≦128Δτのとき
ΔT=8Δτ
(t)=ΣM(t2p+q)[総和は、q=0〜7]
(e)128Δτ<τ≦256Δτのとき
ΔT=16Δτ
(t)=ΣM(t2p+q)[総和は、q=0〜15]
(f)256Δτ<τ≦512Δτ
ΔT=32Δτ
(t)=ΣM(t2p+q)[総和は、q=0〜31]
方法Aの場合、一単位に含まれる計測値の個数とは、異なる個数の計測値を一単位として、新たに時系列データが分割される。すなわち、(a)では、一つの計測値が、データ値に対応している。(b)では、二つの計測値を合算した値が、一つのデータ値となる。(c)では、四つの計測値を合算した値が、一つのデータ値となる。このように、データ値を得る際に、一単位に含まれる計測値の個数を異ならせて、データ値を得る。
従って、上記の(a)〜(d)の各設定に於いて、相関関数値の計算回数は、(a)については、16回、その他は、8回となる。また、積和ΣDi(t)・Dj(t+τ)内の項数は、それぞれ、1/1、1/2、1/4、1/8、1/16、1/32となる。これにより、演算量の大幅な低減が図られることとなる。なお、このマルチプルτ方式は、下記の有効データ割合を用いた相関関数値の算出にも用いられる。
方法B(データを再構成する際に、再構成されたデータ値から構成する方法):
(a)0<τ≦16Δτのとき(計測時の時間間隔と同じ)
ΔT=Δτ:(計測時の時間間隔と同じ)
(t)=D0 (t)=M(t
(b)16Δτ<τ≦32Δτのとき
ΔT=2Δτ
(t)=D2 (t)=D0 (t2p)+D0 (t2p+1)=M(t2p)+M(t2p+1
(c)32Δτ<τ≦64Δτのとき
ΔT=4Δτ
(t)=D4 (t)=ΣD2 (t2p+q)[総和は、q=0〜3]
(d)64Δτ<τ≦128Δτのとき
ΔT=8Δτ
(t)=D8 (t)=ΣD4 (t2p+q)[総和は、q=0〜7]
(e)128Δτ<τ≦256Δτのとき
ΔT=16Δτ
(t)=D16 (t)=ΣD8 (t2p+q)[総和は、q=0〜15]
(f)256Δτ<τ≦512Δτ
ΔT=32Δτ
(t)=D32 (t)=ΣD16 (t2p+q)[総和は、q=0〜31]
方法Bの場合、複数のデータ値を一単位として、時系列データが分割される。すなわち、(i)では、方法Aの場合と同様に、一つの計測値が、データ値に対応している。(b)では、(i)によって得られたデータ値をもとに、二つのデータ値を合算した値が、新たな一つのデータ値となる。(c)では、四つのデータ値を合算した値が、新たな一つのデータ値となる。このように、データ値を得る際に、一単位に含まれるデータ値の個数が異ならせて、データ値を得る。
従って、上記の(a)〜(d)の各設定に於いて、相関関数値の計算回数は、(a)については、16回、その他は、8回となる。また、積和ΣDi(t)・Dj(t+τ)内の項数は、それぞれ、1/1、1/2、1/4、1/8、1/16、1/32となる。これにより、演算量の大幅な低減が図られることとなる。なお、このマルチプルτ方式は、下記の有効データ割合を用いた相関関数値の算出にも用いられる。
[有効データ割合を用いた相関関数値の算出]
図2Aの如く、時系列データにデータ欠損領域がない場合には、そのまま、式(1)を用いて、好適には、上記のマルチプルτ方式にて相関関数値を算出することが可能である。
しかしながら、図2Cに例示の如く、時系列データにデータ欠損領域がある場合には、データ欠損領域の寄与が相関関数値から排除されなければならない。そこで、本実施形態に於いては、相関関数値の算出の際、各々のデータ値について、データ値を得るために合算した計測値の個数に対する、該計測値の中で有効データ値である計測値の個数の割合である「有効データ割合」が用いられる。
図4を参照して、データ欠損領域を有する二つの時系列の計測値M、Mからデータ値D、Dを構成して相関関数値を算出する処理について説明する。
ここで、Mは、データ欠損領域κを有する。一方、Mは、データ欠損領域κを有する。
この場合、式(1)中の積和ΣD(t)・D(t+τ)に於いて、M、Mのうち少なくとも一方にデータ欠損領域κ及びκがある範囲に在る計測値の列M、Mを含む項の値が低減されることとなる。何故なら、データ欠損領域の計測値は、0に設定されているためである。
従って、式(1)に於ける分子の、データ値の時間を表す項Nijと、分子を規格化するための分母の二つの項からデータ欠損領域に在る計測値の列M、Mの寄与を排除する必要がある。
このため、本実施形態に於いては、まず、各々のデータ値D(t)、D(t)に於いて、有効データ割合を求める。
ここで、有効データ割合は、データ値を得るために合算した計測値の個数に対する、該計測値の中で有効データ値である計測値の個数の比R(t)=mie/m又はR(t)=mje/mにより求められる。mは、各データ値D(t)、D(t)を得るために合算した計測値の個数であり、mie及びmjeは、それぞれ、D(t)、D(t)を得るために合算した計測値の中で、有効データ値である計測値の個数である。なお、有効データ割合は、データ値を得るために合算した計測値の全てが有効データ値である場合には、R(t)=1又はR(t)=1となり、データ値を得るために合算した計測値の全てが有効データ値でない場合には、R(t)=0又はR(t)=0となる。
かくして、有効データ割合を用いて、式(1)中の積和ΣD(t)・D(t+τ)に於いて、有効な計測値が存在する数の割合は、
Σmie,t=tk・mje,t=tk+τn/m
[総和は、kについて実行される。以下同様。]
により与えられる。
従って、有効な計測値が存在する数の割合は、
ΣR(t)・R(t+τ
となる。
また、或る遅延時間τに於ける相関関数値G(τ)は、
Figure 2010190730
により与えられる。
実際の式(5)を用いた相関関数値の演算に於いて、データ値D、Dの各々は、遅延時間τの大きさに対応して、上記のマルチプルτ方式について説明された方法Aまたは方法Bの(a)〜(f)のうちのいずれかにより与えられる。有効データ割合は、各データ値の算出の際に、そのデータ値を得るために合算された計測値の中で有効データ値である計測値の個数を計数し、その計数値を、該データ値を得るために合算した計測値の個数にて除した値により与えられる。
相関関数値が自己相関関数値であるときには、データ値D、Dは、同一の時系列データから値が取られることとなる。また、相関関数値が相互相関関数値の場合は、データ値D、Dは、別々の時系列データから値が取られることとなる。そして、算出された相関関数値から、任意の形式にて、例えば、「並進拡散時間」などの種々の物質又は分子の運動・状態・特性を表す情報が引き出される。
上記の実施形態に於いて、上記の式(5)は、マルチプルτ方式を用いずに相関関数値を算出する場合、或いは、データ欠損のない時系列データの相関関数値を算出する場合であってもそのまま適用可能である。また、かかる演算処理に於いては、従前の如き予め重み係数列を準備する必要はなく、演算量が低減されることが期待される。
図5は、上記の一連の相関分光分析を実行する光分析装置10の電子制御装置50の処理を制御ブロック図の形式にて表したものである。なお、図示の制御装置の構成及び作動は、電子制御装置50内のCPU等の処理作動に於いて実現される。
上述したとおり、電子制御装置50は、計測制御系及び解析制御系として機能する。計測制御系は、計測モード制御部50aと、波長選択制御部50bと、測定ポイント制御部50cとを備える。
計測モード制御部50aは、使用者の選択に従って、励起光の波長選択制御部50bと測定ポイント制御部50cとのそれぞれに対して、蛍光計測時の波長帯域の選択と測定ポイントの位置の指令を逐次送信する。
励起光の波長選択制御部50bは、励起光路のシャッタ30a〜n又はレーザー本体に対して、on/off信号を送信し、選択された励起光が試料へ照射される。
また、測定ポイント制御部50cは、計測モード制御部50aの指定する位置に測定ポイントが移動するようにガルバノミラーの角度及び対物レンズのZ軸方向の高さを制御する。また、計測モード制御部50aは、逐次、現在、選択されている波長帯域と測定ポイントの位置の情報を符号の形式で、メモリへ送信する。
一方、電子制御装置50の解析制御系は、処理部50dと、メモリ50eと、時系列データ調製部50fと、有効データ割合調製部50gと、相関関数算出部50hと、判定部50iと、を備える。
処理部50dは、既に触れたように、受光器からの蛍光強度を表す電気信号を受信し、ノイズ除去及び/又はA/D変換を施す。
メモリ50eは、ディジタル化された計測値および/またはデータ値を記憶する。
その際、計測モード制御部50aからの選択されている波長帯域と測定ポイントの位置の符号に応じて、受光器からの計測値を測定ポイント毎及び/又は波長帯域毎に別々に保存してよい(時分割)。
また、各測定ポイント及び/又は各波長帯域の計測値として有効でない値は、0に設定される(無効計測値0設定)。
また、かかるメモリの動作と同時進行で、相関関数算出部50hの要求に応じて、時系列データ調製部50fは、マルチプルτ方式に従って、(時系列データの)データ値D、Dを計算して出力する。
また、有効データ割合調製部50gは、データ値D、Dに対応する有効データ割合R、Rを計算して出力する。
そして、相関関数算出部50hは、データ値D、Dと有効データ割合R、Rを用いて、式(5)に従って、相関関数値を算出し、その結果が、任意の各種解析・判定に用いられる(50i)。相関関数算出部50hが如何なる相関関数値を算出するかは、使用者の予めの選択により決定されてよい。
10…光分析装置、12a〜n…レンズ、14a〜n…ダイクロイックミラー、15…ダイクロイックミラー、16…ガルバノミラー、18…対物レンズ、20…レンズ、22…ピンホール、24…レンズ、26a〜n…ダイクロイックミラー、28a〜n…バンドパスフィルタ、30a〜n…シャッタ、50…電子制御装置、50a…計測モード制御部、50b…波長選択制御部、50c…測定ポイント制御部、50d…処理部、50e…メモリ、50f…時系列データ調製部、50g…有効データ割合調製部、50h…相関関数算出部、50i…判定部、52…モニタ、APDa〜n…受光器、La〜n…レーザー光源、Ma〜Mn…電気信号。

Claims (30)

  1. 試料からの放射光の強度を計測し該放射光の時系列データの相関関数を算出する相関分光分析方法であって、
    前記試料に於ける少なくとも一つの測定ポイントからの放射光の強度を連続した複数の離散時間に於いて計測する過程と、
    前記少なくとも一つの測定ポイントに於いて計測された前記放射光の強度に基づいて相関関数値を算出する過程とを含み、
    前記放射光の強度に基づいて相関関数値を算出する過程が、
    前記放射光の強度の値である計測値からなる時系列データを抽出する過程と、
    前記時系列データに於いて有効な値を有する有効データ値を決定する過程と、
    複数の前記計測値を一単位として、前記時系列データを分割する過程と、
    前記一単位に含まれる前記計測値を合算することによってデータ値を得る過程と、
    前記データ値から時系列データを再構成する過程と、
    各々の前記データ値について、該データ値を得るために合算した前記計測値の個数に対する、該計測値の中で前記有効データ値である計測値の個数の割合である有効データ割合を決定する過程と、
    前記再構成された時系列データと前記有効データ割合に基づいて、前記相関関数値を算出する過程とを含むことを特徴とする方法。
  2. 前記相関関数値を算出した後に、
    前記一単位に含まれる前記計測値の個数とは、異なる個数の計測値を一単位として、前記時系列データを分割する過程と、
    該一単位に含まれる前記計測値を合算することによってデータ値を再構成する過程と、
    前記再構成されたデータ値から時系列データを再構成する過程と、
    各々の該再構成されたデータ値について、該データ値を得るために合算した前記計測値の個数に対する、該計測値の中で前記有効データ値である計測値の個数の割合である有効データ割合を決定する過程と、
    該再構成された時系列データと該有効データ割合に基づいて、前記相関関数値を算出する過程とを含む請求項1に記載の方法。
  3. 前記相関関数値を算出した後に、
    複数の前記データ値を一単位として、前記再構成された時系列データを分割する過程と、
    前記複数のデータ値からなる一単位に含まれる、前記データ値を合算することによってデータ値を再構成する過程と、
    前記再構成されたデータ値から時系列データを再構成する過程と、
    各々の該再構成されたデータ値について、該データ値を得るために合算した前記計測値の個数に対する、該計測値の中で前記有効データ値である計測値の個数の割合である有効データ割合を決定する過程と、
    該再構成された時系列データと該有効データ割合に基づいて、前記相関関数値を算出する過程とを含む請求項1または2に記載の方法。
  4. 請求項1から3の方法であって、前記相関関数値の遅延時間が大きいときの前記再構成された時系列データに含まれる前記データ値の数が、前記相関関数値の遅延時間が小さいときに比して、小さくされることを特徴とする方法。
  5. 請求項1から4の方法であって、前記有効データ値として決定されない前記計測値が0とされることを特徴とする方法。
  6. 請求項1から5の方法であって、前記放射光の強度を計測する過程に於いて、複数の前記測定ポイントにて前記放射光の強度が計測され、前記測定ポイントの各々に於ける前記放射光の強度の計測が所定時間毎に順々にあるいは同時に実行されることを特徴とする方法。
  7. 請求項1から6の方法であって、前記放射光の強度を計測する過程に於いて、複数の波長帯域の前記放射光の強度が計測され、前記複数の波長帯域の各々に於ける前記放射光の強度の計測が所定時間毎に順々にあるいは同時に実行されることを特徴とする方法。
  8. 請求項5又は請求項5を引用する請求項6又は7の方法であって、連続した離散時間として与えられる遅延時間τ(nは正の整数)に於ける前記相関関数値G(τ)が次式で与えられ、
    Figure 2010190730
    ここに於いて、D(t)及びD(t)が連続した離散時間t(kは、正の整数)に於ける前記計測値またはデータ値であり、R(t)及びR(t)が前記離散時間tに於ける前記有効データ割合である式により算出されることを特徴とする方法。
  9. 請求項1から8の方法であって、前記試料からの放射光の強度が光学顕微鏡を用いて計測され、前記測定ポイントが前記光学顕微鏡の対物レンズの焦点領域であることを特徴とする方法。
  10. 請求項1から9の方法であって、前記相関関数値が前記時系列データの自己相関関数であることを特徴とする方法。
  11. 請求項1から9の方法であって、少なくとも二つの時系列データが構成され、前記相関関数値が前記少なくとも二つの時系列データの相互相関関数であることを特徴とする方法。
  12. 請求項9又は請求項9を引用する請求項10又は11の方法であって、前記光学顕微鏡がレーザー走査型共焦点光学顕微鏡の光学系を有し、前記試料に於けるレーザー光を照射した少なくとも一つの部位が前記測定ポイントとされることを特徴とする方法。
  13. 請求項1から12の方法であって、一つの前記測定ポイントに於いて複数の波長帯域の放射光が計測され、それぞれの前記波長帯域の前記時系列データが構成されることを特徴とする方法。
  14. 請求項1から13の方法であって、前記放射光が蛍光であることを特徴とする方法。
  15. 請求項9を引用する請求項14の方法であって、前記光学顕微鏡がレーザー共焦点光学顕微鏡の光学系を有し、複数の波長帯域のレーザー光を順々にあるいは同時に前記試料へ照射することにより、複数の波長帯域の放射光が計測され、それぞれの前記波長帯域の前記時系列データが構成されることを特徴とする方法。
  16. 試料からの放射光の強度を計測し該放射光の時系列データの相関関数を算出する相関分光分析を実行する光分析装置であって、
    前記試料に於ける少なくとも一つの測定ポイントからの放射光の強度を連続した複数の離散時間に於いて計測する光計測部と、
    前記少なくとも一つの測定ポイントに於いて計測された前記放射光の強度に基づいて相関関数値を算出する光分析部とを含み、
    前記光分析部が、
    前記放射光の強度の値である計測値からなる時系列データを抽出する手段と、
    前記時系列データに於いて有効な値を有する有効データ値を決定する手段と、
    複数の前記計測値を一単位として、前記時系列データを分割する手段と、
    前記一単位に含まれる前記計測値を合算することによってデータ値を得る手段と、
    前記データ値から時系列データを再構成する手段と、
    各々の前記データ値について、該データ値を得るために合算した前記計測値の個数に対する、該計測値の中で前記有効データ値である計測値の個数の割合である有効データ割合を決定する手段と、
    前記再構成された時系列データと前記有効データ割合に基づいて、前記相関関数値を算出する手段とを含むことを特徴とする装置。
  17. 前記一単位に含まれる前記計測値の個数とは、異なる個数の計測値を一単位として、前記時系列データを分割する手段と、
    該一単位に含まれる前記計測値を合算することによってデータ値を再構成する手段と、
    前記再構成されたデータ値から時系列データを再構成する手段と、
    各々の該再構成されたデータ値について、該データ値を得るために合算した前記計測値の個数に対する、該計測値の中で前記有効データ値である計測値の個数の割合である有効データ割合を決定する手段と、
    該再構成された時系列データと該有効データ割合に基づいて、前記相関関数値を算出する手段とを含む請求項16に記載の装置。
  18. 複数の前記データ値を一単位として、前記再構成された時系列データを分割する手段と、
    前記複数のデータ値からなる一単位に含まれる、前記データ値を合算することによってデータ値を再構成する手段と、
    前記再構成されたデータ値から時系列データを再構成する手段と、
    各々の該再構成されたデータ値について、該データ値を得るために合算した前記計測値の個数に対する、該計測値の中で前記有効データ値である計測値の個数の割合である有効データ割合を決定する手段と、
    該再構成された時系列データと該有効データ割合に基づいて、前記相関関数値を算出する手段とを含む請求項16または17に記載の方法。
  19. 請求項16から18の装置であって、前記相関関数値の遅延時間が大きいときの前記再構成された時系列データに含まれる前記データ値の数が、前記相関関数値の遅延時間が小さいときに比して、小さくされることを特徴とする装置。
  20. 請求項16から19の装置であって、前記有効データ値を決定する手段が、前記有効データ値として決定されない前記計測値を0に設定することを特徴とする装置。
  21. 請求項16から20の装置であって、前記光計測部が複数の前記測定ポイントにて所定時間毎に順々にあるいは同時に前記放射光の強度を計測することを特徴とする装置。
  22. 請求項16から21の装置であって、前記光計測部が複数の波長帯域の前記放射光の強度を所定時間毎に順々にあるいは同時に計測することを特徴とする装置。
  23. 請求項20又は請求項20を引用する請求項21又は22の装置であって、連続した離散時間として与えられる遅延時間τ(nは正の整数)に於ける前記相関関数値G(τ)が次式で与えられ、
    Figure 2010190730
    ここに於いて、D(t)及びD(t)が連続した離散時間t(kは、正の整数)に於ける前記計測値またはデータ値であり、R(t)及びR(t)が前記離散時間tに於ける前記有効データ割合である式により算出されることを特徴とする装置。
  24. 請求項16から23の装置であって、前記光計測部が光学顕微鏡を含み、前記測定ポイントが前記光学顕微鏡の対物レンズの焦点領域であることを特徴とする装置。
  25. 請求項16から24の装置であって、前記相関関数値が前記時系列データの自己相関関数であることを特徴とする装置。
  26. 請求項16から25の装置であって、前記光分析部が少なくとも二つの時系列データを構成し、前記相関関数値が前記少なくとも二つの時系列データの相互相関関数であることを特徴とする装置。
  27. 請求項24又は請求項24を引用する請求項25又は26の装置であって、前記光学顕微鏡がレーザー走査型共焦点光学顕微鏡の光学系を有し、前記試料に於けるレーザー光を照射した少なくとも一つの部位が前記測定ポイントとされることを特徴とする装置。
  28. 請求項16から27の装置であって、一つの前記測定ポイントに於いて複数の波長帯域の放射光を計測し、それぞれの前記波長帯域の前記時系列データを構成することを特徴とする装置。
  29. 請求項16から28の装置であって、前記放射光が蛍光であることを特徴とする装置。
  30. 請求項24を引用する請求項29の装置であって、前記光学顕微鏡がレーザー共焦点光学顕微鏡の光学系を有し、複数の波長帯域のレーザー光を順々にあるいは同時に前記試料へ照射することにより、複数の波長帯域の放射光が計測され、それぞれの前記波長帯域の前記時系列データを構成することを特徴する装置。
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