JP4740952B2 - 光信号解析装置および光信号解析方法 - Google Patents

光信号解析装置および光信号解析方法 Download PDF

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Description

本発明は、光信号解析装置および光信号解析方法に関する。
例えば、"New Concept in Correlator Design", Klaus Sch-tzel, Inst. Phys. Conf. Ser. No. 77, P175, 1985と"Noise on Multiple-Tau Photon Correlation Data", Klaus Sch-tzel, SPIE Vol. 1430, P109, Photon Correlation Spectroscopy: Multicomponent Systems, 1991と"Photon Correlation Measurements at Large Lag Times", Klaus Sch-tzel et al., Journal of Modern Optics, Vol. 35, No.4, P711, 1988は、光信号解析方法を開示している。これらの光信号解析方法において、自己相関関数や相互相関関数などを推定する場合には、一回の測定で一個所だけの測定点から得た蛍光の強度の連続測定データ(連続測定信号)を用いるか、複数の測定点を時間で繰り返し切り替えながら測定した複数点時系列混合データ(複数点時系列混合信号)を用いる。解析アルゴリズムとしては、マルチプルτ方式の計算手法またはテーブル検索方式がある。測定点が一個所だけの場合、一般方式または単一測定点マルチプルτ方式というアルゴリズムを解析に用いる。つまり、単一測定点マルチプルτ方式の計算手法は、チャンネル計算やデータ再構成などのデータ処理過程を経て測定点における自己相関関数または相互相関関数を推定する。また、一回に複数の測定点を測定する場合、一般方式またはテーブル検索方式というアルゴリズムを解析に用いる。つまり、テーブル検索方式は、測定点ごとのデータの時分割、測定点の位置情報をテーブル化した位置情報によるデータ高速処理を経て同時に複数測定点におけるそれぞれの自己相関関数または相互相関関数を推定する。
堀川嘉明、「統計解析を用いた−分子蛍光分析−生体分子間相互作用の解析に向けて」、分光研究、第53巻第3号、158−164、2004年は、フォトカウンティングヒストグラム法を開示している。
間瀬一彦、永園充、田中慎一郎、長岡伸一、「電子−イオン・コインシデンス分光法を用いた表面分子の内殻電子励起に由来するイオン脱離の研究」、放射光、10、375−391、1997年は、コインシデンス解析法を開示している。
しかし、一点の測定点における自己相関関数と相互相関関数の推定は、分子のミクロ領域による比較的小さい拡散速度を有する分子拡散を観察するものである。実際の応用において、例えば分子が細胞の核膜を通過する場合、分子拡散速度は遅く、拡散時間は長い。また、シグナルの伝達、ある方向への分子移動の影響などは、一点のみの観察による自己相関相互相関では観察不可能である。
つまり、従来技術では、観察領域は一点の測定点(コンフォカボリューム)に限定されている。また、二点またはそれ以上の複数点間における分子の移動は観察できない。さらに、遅い分子拡散は観察不可能である。
本発明は、このような実状を考慮して提案したものであり、その目的は、二点間における分子の移動を観察し得る光信号解析装置および光信号解析方法を提供することである。
本発明による光信号解析装置は、試料内の複数の測定点から発せられる光を検出する光検出手段と、前記光検出手段により検出された前記複数の測定点からの光の揺らぎにそれぞれ対応する複数の揺らぎ信号を利用して前記複数の測定点の二つの間における分子相互作用を解析する解析手段とを備えている。前記解析手段は、データの和、データ間の積の和、及び各点に対する積和計算の回数を計算し、更に、各測定点についての計算結果に基づいて、自己相関及び測定点間の相互相関演算を行い、二つの測定点を繰り返し測定して得られた時系列の測定データを、測定点ごとにデータテーブルと重み係数テーブルとに分割し、少なくとも二点間相互相関を推定してこの二点間における分子の移動を観察する。
本発明による光信号解析方法は、試料内の複数の測定点から発せられる光を検出する光検出工程と、前記複数の測定点からの光の揺らぎにそれぞれ対応する複数の揺らぎ信号を利用して前記複数の測定点の二つの間における分子相互作用を解析する解析工程とを有している。前記解析工程は、データの和、データ間の積の和、及び各点に対する積和計算の回数計算を含み、更に、各測定点についての計算結果に基づく自己相関及び測定点間の相互相関演算を含み、二つの測定点を繰り返し測定して得られた時系列の測定データを、測定点ごとにデータテーブルと重み係数テーブルとに分割し、少なくとも二点間相互相関を推定してこの二点間における分子の移動を観察する。
図1は、本発明の第一実施形態による光信号解析装置を概略的に示している。 図2は、図1の装置において得られる測定点P1からの光の揺らぎに対応する揺らぎ信号を示している。 図3は、図1の装置において得られる測定点P2からの光の揺らぎに対応する揺らぎ信号を示している。 図4は、図1のデータ解析部による解析処理のフローチャートを示している。 図5は、チャンネルの構造と値を示している。 図6は、ビンタイムが2μ秒のときのチャンネルの構造と値を示している。 図7は、図2と図3の連続信号における測定点P1と測定点P2のデータ再構成を示している。 図8は、図2と図3の連続信号における測定点P1のデータ間の積和計算を示している。 図9は、図2と図3の連続信号における測定点P1と測定点P2のデータ間の積和計算を示している。 図10は、本発明の第二実施形態による光信号解析装置を概略的に示している。 図11は、図10の装置において得られる測定点P1と測定点P2からの光の揺らぎに対応する揺らぎ信号を含む時系列混在信号を示している。 図12は、図11の時系列混在信号から抽出した測定点P1の時分割信号を示している。 図13は、図11の時系列混在信号から抽出した測定点P2の時分割信号を示している。 図14Aは、図10のデータ解析部による解析処理のフローチャートの一部を示している。 図14Bは、図10のデータ解析部による解析処理のフローチャートの一部を示している。 図15は、図11の時系列混在信号に対応する測定点P1と測定点P2の混合データを示している。 図16は、図12の時分割信号に対応する測定点P1の分割データを示している。 図17は、図16の分割データに対応する測定点P1の分割重み係数を示している。 図18は、測定点P1と測定点P2の分割データを再構成して得たデータテーブルを示している。 図19は、測定点P1と測定点P2の分割重み係数を再構成して得た重み係数テーブルを示している。 図20は、測定点P1のデータ間の積和計算を示している。 図21は、測定点P1と測定点P2のデータ間の積和計算を示している。
以下、図面を参照しながら本発明の実施形態について説明する。
<第一実施形態>
図1は、本発明の第一実施形態による光信号解析装置を概略的に示している。光信号解析装置100は、複数の光照射部L1,L2,・・・,Lnと、複数の光検出部D1,D2,・・・,Dnと、データ解析部32とを備えている。
光照射部L1,L2,・・・,Lnのおのおのは光源12とコリメートレンズ14と集光レンズ16などを有している。光照射部L1,L2,・・・,Lnは、それぞれ、試料S内の異なる測定点P1,P2,・・・,Pnに励起光を連続的に照射する。
光検出部D1,D2,・・・,Dnのおのおのは集光レンズ22とピンホール24と結像レンズ26と光検出器28などを有している。光検出部D1,D2,・・・,Dnは、それぞれ、測定点P1,P2,・・・,Pnから発せられた光を受光する。より詳しくは、ピンホール24は、それぞれ、測定点P1,P2,・・・,Pnと共役な位置に配置されており、結像レンズ26は、それぞれ、ピンホール24の像を光検出器28に投影する。従って光検出器28には、それぞれ、測定点P1,P2,・・・,Pnから発せられた光だけが選択的に入射する。光検出器28は、それぞれ、入射した光の強度を反映した連続測定データすなわち測定点P1,P2,・・・,Pnからの光の揺らぎに対応する揺らぎ信号を出力する。
これまでの説明から分かるように、光検出部D1,D2,・・・,Dnは、試料内の測定点P1,P2,・・・,Pnから発せられる光を検出する光検出手段を構成している。また光照射部L1,L2,・・・,Lnは、測定点P1,P2,・・・,Pnにそれぞれ励起光を連続的に照射する励起光照射手段を構成している。
データ解析部32は例えばパーソナルコンピューターで構成され、複数の光検出器28からそれぞれ出力される複数の揺らぎ信号に対して自己相関関数と相互相関関数を推定する。すなわちデータ解析部32は、測定点P1,P2,・・・,Pnのそれぞれにおける自己相関関数の推定を行なうとともに、測定点P1,P2,・・・,Pnの二つの間の相互相関関数の推定を行なう。つまり、データ解析部32は光検出部D1,D2,・・・,Dnによりそれぞれ検出された測定点P1,P2,・・・,Pnからの光の揺らぎに対応する揺らぎ信号を利用して測定点P1,P2,・・・,Pnの二つの間における分子の移動ベクトルなどの分子相互作用を解析する解析手段を構成している。またデータ解析部32は解析結果を表示したり記憶したりする。点間相関演算に使われるのは、複数の測定点P1,P2,・・・,Pnの連続データ(連続信号)中、独立した二つの測定点の連続データ(連続信号)である。異なる測定点において、それぞれ連続したデータ(信号)を測定し、二点間ベクトル方向の相関関係を直接分子移動の変化から観察する。
以下では、その一例として、測定点P1と測定点P2の二つの測定点についての解析について述べる。図2は測定点からの光の揺らぎに対応する揺らぎ信号を示し、図3は測定点からの光の揺らぎに対応する揺らぎ信号を示している。
以下、データ解析部32による解析処理について図4のフローチャートに沿って説明する。
[ステップS0]
試料についての測定データとして、二つの測定点P1とP2におけるデジタルデータすなわち二つの測定点P1とP2の光の揺らぎ信号を取得する。取得した二つの測定点P1とP2のデジタルデータは直接計算に用いられるが、補間方法により図2と図3に示した通りの連続信号で表示することができる。
[ステップS1]
取得データが存在するか否かを判断し、Yesの場合はステップS2に進み、Noの場合はイメージング判断ステップS14に入る。
[ステップS2]
読み込みデータ数をカウントする。このデータ総数は、チャンネル計算、総合計算などに用いる。
[ステップS3]
マルチプルτ方式のプロットτ値(チャンネル値)とチャンネル数などを計算する。マルチプルτ方式は読み込んだデータの総数によりチャンネル数を決める。具体的な計算方法は図5に示す通りである。つまり、ビンタイムτを基準値として最初の16個のチャンネル値とし、以降の8個ごとのチャンネル値はビンタイムτが2倍に増える値を基準値とする。図5は、ビンタイムτを基準値とする一般的なチャンネル値を示し、図6は、ビンタイムτが2μ秒の場合のチャンネル値を示している。
別の言い方をすれば、最初の16個のチャンネルを0段とし、それ以降、8個のチャンネルごとに1段、2段、・・・と分ける。各段のチャンネル値の増分(基準値)は、段の数をnとして、2τとする。例えば、0段のチャンネル値の増分はτであり、2段のチャンネル値の増分は4τである。
ここでわかるように、相関値計算用のチャンネル数は、ビンタイムと読み込んだデータの総数に基づいて算出される。例えば、ビンタイム2μ秒で32秒間データを測定した場合、計算用の総チャンネル数は約176である。
[ステップS4とS5]
ステップS4では測定点P1のデータ再構成を行ない、ステップS5では測定点P2のデータ再構成を行なう。つまり、基準値(増分)が異なる各チャンネルの最初チャンネルのデータを計算する。測定点P1と測定点P2の測定データIP1とIP2に対して、和計算処理を行なう。チャンネル16以降の遅延時間τは、8チャンネルごとに基準値(増分)を2倍に増しているため(ステップS3を参照)、各チャンネルのデータは基準値(増分)が2倍に増える前の二つのデータ和からなる。具体的なデータの変化は図7の通りである。二つの測定点P1とP2において、それぞれの和計算の処理を行なうことにより、取得データから次々と新しい基準値(増分)を有するチャンネルのデータが形成され、新しいデータ形態が構成される。しかし、実際のデータ再構成処理では、最初チャンネル以外のチャンネルのデータは、最初チャンネルのデータを移動させることで構成される。
別の言い方をすれば、読み込んだすべてのデータの並びを0行目のデータ列とし、そのうちの隣接する二つずつを足し算して、その並びを1行目のデータ列とする。それ以降、同様の操作に繰り返して、2行目のデータ列、3行目のデータ列、・・・を作る。この操作は、チャンネルの段数と同じ行数のデータ列を得るまで続ける。このようにして得られたデータテーブルにおいて、各行のデータは、それぞれ、各段のチャンネルに対応している。例えば、2行0列目のデータは、2段0列目のチャンネルに対応している。
[ステップS6とS7]
データの総和を計算する。つまり、測定点P1と測定点P2の測定データIP1とIP2に対して、マルチプルτ方式の各チャンネル値位置におけるそれぞれ変数のデータ総和を計算する。
[ステップS8とS9]
同じ測定点におけるデータ間の積和計算を行なう。つまり、測定点P1と測定点P2の測定データIP1とIP2に対して、測定点P1の場合、図8に示されるように、同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置のデータと0列目データとの掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、図5に示される各段のチャンネルに対応する測定点P1のデータ列において、最初のデータとほかの各データとの積の和を求める。また、測定点P2に対しても同様な計算処理を行なう。
[ステップS10とS11]
同じ測定点におけるデータ積和計算の回数をカウントする。つまり、データ積和計算の回数のカウントは、ステップS8とS9の計算と同時に行なう。
[ステップS12]
異なる測定点間のデータの積和計算を行なう。つまり、測定点P1の0列目データと測定点P2のデータとの積和計算を行なう。図9に示されるように、測定点P2の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置のデータと測定点P1の0列目のデータとの掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する測定点P1のデータ列と測定点P2のデータ列において、測定点P1のデータ列の最初のデータと測定点P2のデータ列の各データとの積の和を求める。
[ステップS13]
異なる測定点間のデータ積和計算の回数をカウントする。つまり、データ積和計算の回数のカウントは、ステップS12の計算と同時に行なう。
[ステップS14]
演算終了およびイメージング判断を行なう。Yesの場合には総合相関計算のステップS15に入り、Noの場合にはデータ取得判断のステップS1に戻る。
[ステップS15]
データの読み込みが終了した場合(またはステップS14がYesの場合)、上述した諸計算結果に基づいて、二つの測定点P1とP2のそれぞれの自己相関関数の推定と二つの測定点P1とP2の間の点間相互相関関数の推定とを行なう。つまり、P1→P2とP1→P1とP2→P2の各相関方向に対してそれぞれ異なる解析式を用いて相関関数を推定する。
例えば、P1→P1に対しては(S8*S10)/(S60*S6)の計算式を用い、P2→P2に対しては(S9*S11)/(S70*S7)の計算式を用い、P1→P2に対しては(S12*S13)/(S60*S6)の計算式を用いる。ここで、S60とS70はそれぞれ各基準値(増分)チャンネル位置のデータ総和を示す。
これらの解析式はそれぞれ下記の(1)式〜(3)式のように表現できる。
Figure 0004740952
Figure 0004740952
Figure 0004740952
(1)式〜(3)式中、mlF0Sum(τν)は各段0列目データの総和を示し、mlFSum(τν)は各マルチプルτ方式のチャンネルデータの総和を示す。また、mlFSum(τν)は0列目データと各チャンネルデータとの積和計算を示し、mlNPPSum(τν)は積和計算の総回数を示す。ここで、添字のPはP1またはP2であり、計算対象のデータすなわち測定点P1のデータまたは測定点P2のデータに対応している。
[ステップS16]
各最終計算結果に基づいて、点間相互相関関数のカーブ表示などの処理を行なう。
これまでの説明からわかるように、本実施形態の光分析装置では、異なる二つの測定点P1とP2に対して相互相関関数の推定を行なっている。P1→P2への解析結果において、相関が高ければ、同一分子が測定点P1から測定点P2へ移動する確率が高いと推定でき、逆に相関が低ければ測定点P1を通った分子が測定点P2を通る確率が低く、その他方向への分子移動が多いと推定できる。つまり、本実施形態の光分析装置によれば、二つの測定点P1とP2の間における分子の移動を観察できる。また、複数セットの二つの測定点間の相関性を検討することで、分子移動のベクトルを推定することが可能である。
<第二実施形態>
図10は、本発明の第二実施形態による光信号解析装置を概略的に示している。光信号解析装置200は、単一の光照射部Lと、単一の光検出部Dと、データ解析部32とを備えている。
光照射部Lは光源12とコリメートレンズ14と集光レンズ16とスキャナー18などを有している。光照射部Lは、測定点P1,P2,・・・,Pnに励起光を時分割に照射する励起光照射手段であり、スキャナー18により光ビームを間欠的に走査し、試料S内の異なる測定点P1,P2,・・・,Pnに励起光を照射する。
光検出部Dは集光レンズ22とピンホール24と結像レンズ26と光検出器28などを有している。光検出部Dは、試料内の測定点P1,P2,・・・,Pnから発せられる光を時分割に検出する光検出手段であり、測定点P1,P2,・・・,Pnから発せられた光を時系列的に受光する。光検出部Dの構成は、第一実施形態における光検出部D1,D2,・・・,Dnのいずれかと同じである。
データ解析部32は例えばパーソナルコンピューターで構成され、光検出器28から出力される揺らぎ信号に基づいて、測定点P1,P2,・・・,Pnのそれぞれにおける自己相関関数の推定を行なうとともに、測定点P1,P2,・・・,Pnの二つの間の相互相関関数の推定を行なう。つまり、データ解析部32は光検出部Dにより時分割に検出された測定点P1,P2,・・・,Pnからの光の揺らぎに対応する揺らぎ信号を利用して測定点P1,P2,・・・,Pnの二つの間における分子の移動ベクトルなどの分子相互作用を解析する解析手段を構成している。
以下では、その一例として、測定点P1と測定点P2の二つの測定点についての解析について述べる。光照射部Lは、二つの測定点P1とP2に対して、短時間で切り替えながら励起光を照射する。従って、光検出部Dからのデータは、図11に示されるように、二つの測定点P1とP2におけるデータが交互に混在している時系列混在データとなる。図11中のP1とP2はそれぞれ測定点P1と測定点P2のデータ測定範囲を示している。つまり、このデータには、測定点P1と測定点P2のデータが交互に含まれていて、時間で分割することができる。時系列混在データには、実際には、測定点P1と測定点P2のデータ測定範囲のほかに、測定点P1とP2を切り替える間の測定範囲も存在するが、図11では省略している。
この時系列混在データはデータ解析部32に送られ、測定点ごとのデータに分割され処理される。つまり、データ解析部32は、図11の時系列混在データから、図12に示される測定点P1の時分割データと、図13に示される測定点P2の時分割データとを抽出する。測定点P1の時分割データについては、スキャナー18が励起光ビームを測定点P1に静止させている期間の蛍光強度だけを抽出して測定点P1のデータとし、その以外の期間のデータはゼロとする。同様に、測定点P2の信号については、スキャナー18が励起光ビームを測定点P2に静止させている期間の蛍光強度だけを抽出して測定点P2のデータとし、その以外の期間のデータはゼロとする。このようにしてデータ解析部32は、光検出器28から出力される揺らぎ信号に基づいて、測定点P1と測定点P2からのそれぞれの光に対応する二つの擬似信号または擬似データを生成する。この擬似信号または擬似データは、時分割の検出によって発生する信号が欠落する期間が所定値の信号によって補間されている。
つまり、二つの測定点の時系列混在データから、二つの異なる測定点のデータを抽出する。この二つの異なる測定点の抽出データにおいて、従来通りの汎用方式、情報テーブル方式またはマルチプルτ方式を用いて点間相関演算を行なう。
本実施形態では、重み係数を用いたマルチプルτ方式点間相互相関関数のデータ解析において、二つの測定点を繰り返し測定する。測定した測定データを時系列で測定点ごとにデータテーブルと重み係数テーブルに分割することにより、各測定点に相当するデータと重み係数だけを抽出して、自己相関関数の計算を行なう。ここで、抽出した各測定点のデータと重み係数中の二つの測定点のデータと重み係数を用いて自己相関と点間相互相関計算を行ない、計算結果により、同時に二点のそれぞれ細胞反応を観察するだけではなく、細胞の異なる部位(二点)間の相互作用などを観察する。
相関関数の演算を行なう際、データと重み係数の計算用チャンネルはオクターブ方式を用い、データと重み係数の計算を数少ない有限個のチャンネルの結果に制限し、同間隔の計算結果のプロットを実現する。さらに、先に異なるτ領域において、異なる遅延時間相当分のデータ平均値と重み係数平均値を計算する。なお、抽出された測定点のデータと重み係数による諸処理は、1つのデータあるいは重み係数を計算最小単位とする。
以下、具体例として、マルチプルτ方式について、図14Aと図14Bのフローチャートに沿って説明する。
[ステップS0]
試料についての測定データとして、二つの測定点P1とP2における時系列測定データを取得する。取得した時系列混在データの補間方法による連続信号は図11に示した通りである。
[ステップS1]
取得データが存在するか否かを判断し、Yesの場合はステップS2に進み、Noの場合はイメージング判断のステップS18に入る。
[ステップS2]
読み込みデータ数をカウントする。このデータ総数は、チャンネル計算、総合計算などに用いる。
[ステップS3]
マルチプルτ方式のプロットτ値(チャンネル値)とチャンネル数などを計算する。マルチプルτ方式は読み込んだデータの総数によりチャンネル数を決める。具体的な計算方法は第一実施形態の図5に示した通りである。つまり、ビンタイムτを基準値として最初の16個のチャンネル値とし、以降の8個ごとのチャンネル値はビンタイムτが2倍に増える値を基準値とする。
別の言い方をすれば、最初の16個のチャンネルを0段とし、それ以降、8個のチャンネルごとに1段、2段、・・・と分ける。各段のチャンネル値の増分(基準値)は、段の数をnとして、2τとする。例えば、0段のチャンネル値の増分はτであり、2段のチャンネル値の増分は4τである。
ここでわかるように、計算用のチャンネル数は、ビンタイム値と読み込んだデータの総数によって決まる。
[ステップS4とS5]
測定点の識別を行なう。つまり、同時に測定した測定点数と測定点番号を判断する。ステップS4で測定点がP1の場合には、入力データが測定点P1の有効なデータとしてステップS6以降で処理され、測定点P2のデータはステップS5でゼロとして処理される。また、ステップS4で測定点がP2の場合には、入力データが測定点P2の有効なデータとしてステップS6以降で処理され、測定点P1のデータはステップS5でゼロとして処理される。また、測定点P1とP2以外の場合には、同様に測定点P1のデータはステップS5でゼロとして補間処理される。
[ステップS6]
データ抽出を行なう。つまり、測定点ごとにデータを分割する。複数測定点において、測定点を時系列で切り替えながら測定した場合、複数測定点のデータが混在している時系列混在データが得られる。ここで、時系列混在データを測定点ごとのデータに分割する。例えば、測定点P1とP2において、図11のようなP1→P2→P1の順にデータ測定が行われた場合、測定したデータにはP1、P2の二つの測定データが時系列で配列される。このデータを図15のような具体的なデータ表に例え、測定点ごとのデータ分割方法を説明する。測定点P1において、まず、混在データから測定点P1のデータだけを抽出する。次に、そのほかの測定点(測定点P2)に相当する位置にはデータ0を埋め込む。その結果、図16に示される測定点P1の分割データテーブルが作成される。同様に、測定点P2に対して、異なる分割データテーブルを作成する。つまり、光検出器28から出力される揺らぎ信号に基づいて二つの測定点P1とP2からのそれぞれの光に対応する二つの擬似データが生成される。この擬似データは、時分割の検出によって発生する信号が欠落する期間が所定値のデータによって補間されている。その結果、二つの測定点P1とP2に対して、二枚の分割データテーブルが構成される。
[ステップS7]
時分割の検出によって発生する信号またはデータが欠落する期間の解析結果に対する影響を防止するため、信号またはデータが欠落する期間と、それ以外の期間との間で異なる重み付けを行なう。このための重み係数テーブルを作成する。つまり、測定点ごとに重み係数の分割を行なう。複数測定点において、測定点を時系列で切り替えながら測定した場合、測定データには、データの大きさを表す部分のほかにデータの測定点位置を表す部分が含まれている。この部分も測定点ごとに分割するが、複数測定点測定のマルチプルτ方式では重み係数として計算に用いる。二つの測定点P1とP2に対してデータ測定が行われた場合、データ数1個(重み係数=1)で表す。まず、データ信号の分割と同様に、測定点P1に対する重み係数だけを抽出する。次に、その他の測定点に相当する位置には0という重み係数を埋め込む。その結果、図17に示される測定点P1の分割重み係数テーブルが作成される。同様に、測定点P2に対して、それぞれの異なる分割重み係数テーブルを作成する。つまり、二つの測定点P1とP2に対して、二枚の分割重み係数テーブルが構成される。
[ステップS8]
データ再構成を行なう。つまり、基準値(増分)が異なる各チャンネルの最初チャンネルのデータを計算する。測定点P1と測定点P2の分割データテーブルにより、測定点ごとに和計算処理を行なう。チャンネル16以降の遅延時間τは、8チャンネルごとに基準値(増分)を2倍に増しているため(第一実施形態のステップS4とS5を参照)、各チャンネルのデータは基準値(増分)が2倍に増える前の二つのデータ和からなる。具体的なデータの変化は図18の通りである。二つの測定点P1とP2において、それぞれの和計算の処理を行なうことにより、データ分割テーブルから次々と新しい基準値(増分)を有するチャンネルのデータが形成され、新しいデータ形態が構成される。
別の言い方をすれば、読み込んだすべてのデータの並びを0行目のデータ列とし、そのうちの隣接する二つずつを足し算して、その並びを1行目のデータ列とする。それ以降、同様の操作に繰り返して、2行目のデータ列、3行目のデータ列、・・・を作る。この操作は、チャンネルの段数と同じ行数のデータ列を得るまで続ける。このようにして得られたデータテーブルにおいて、各行のデータは、それぞれ、各段のチャンネルに対応している。例えば、2行0列目のデータは、2段0列目のチャンネルに対応している。
[ステップS9]
重み係数再構成を行なう。つまり、基準値(増分)が異なる各チャンネルの最初チャンネルの重み係数を計算する。測定点P1と測定点P2の分割重み係数テーブルにより、測定点ごとに和計算処理を行なう。重み係数テーブルの変化はステップS8と同様に、和計算処理の経過とともに、次々と新しい基準値(増分)を有するチャンネルの重み係数が形成され(図19)、新しい重み係数形態が構成される。
別の言い方をすれば、すべての重み係数の並びを0行目の重み係数列とし、そのうちの隣接する二つずつを足し算して、その並びを1行目の重み係数列とする。それ以降、同様の操作に繰り返して、2行目の重み係数列、3行目の重み係数列、・・・を作る。この操作は、チャンネルの段数と同じ行数の重み係数列を得るまで続ける。このようにして得られた重み係数テーブルにおいて、各行の重み係数は、それぞれ、各段のチャンネルに対応している。
[ステップS10]
測定点P1の抽出データIP1に対して、データ間の積和計算を行なう。つまり、図20に示されるように、測定点P1の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置のデータと0列目データとの掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する測定点P1のデータ列において、最初のデータとほかの各データとの積の和を求める。次に、測定点P2の抽出データIP2に対して、データ間の積和計算を行なう。つまり、同様な処理を測定点P2において行ない、測定点P2の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置のデータと0列目データとの掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する測定点P2のデータ列において、最初のデータとほかの各データとの積の和を求める。
[ステップS11]
測定点P1の抽出重み係数WP1に対して、重み係数間の積和計算を行なう。つまり、測定点P1の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置の重み係数と0列目重み係数との掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する測定点P1の重み係数列において、最初の重み係数とほかの各重み係数との積の和を求める。次に、測定点P2の抽出重み係数WP2に対して、重み係数間の積和計算を行なう。つまり、同様な処理を測定点P2において行ない、測定点P2の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置の重み係数と0列目重み係数との掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する測定点P2の重み係数列において、最初の重み係数とほかの各重み係数との積の和を求める。
[ステップS12]
測定点P1の抽出データIP1と重み係数WP1に対して、0列目データと重み係数との積和計算を行なう。つまり、測定点P1の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置の重み係数と0列目データとの掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する測定点P1のデータ列と重み係数列において、データ列の最初のデータと重み係数列の各重み係数との積の和を求める。次に、測定点P2の抽出データIP2と重み係数WP2に対して、データと重み係数との積和計算を行なう。つまり、同様な処理を測定点P2において行ない、測定点P2の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置の重み係数と0列目データとの掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する測定点P1のデータ列と重み係数列において、データ列の最初のデータと重み係数列の各重み係数との積の和を求める。
[ステップS13]
測定点P1の抽出重み係数WP1とデータIP1に対して、0列目重み係数とデータとの積和計算を行なう。つまり、測定点P1の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置のデータと0列目重み係数との掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する測定点P1のデータ列と重み係数列において、重み係数列の最初の重み係数とデータ列の各データとの積の和を求める。次に、測定点P2の抽出重み係数WP2とデータIP2に対して、重み係数とデータとの積和計算を行なう。つまり、同様な処理を測定点P2において行ない、測定点P2の同じ基準値(増分)を有するチャンネル位置のデータと0列目重み係数との掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する測定点P2のデータ列と重み係数列において、重み係数列の最初の重み係数とデータ列の各データとの積の和を求める。
[ステップS14]
測定点P1と測定点P2の抽出データIP1とIP2に対して、二つの測定点P1とP2のデータ間の積和計算を行なう。つまり、図21に示されるように、同じ基準値(増分)を有する測定点P2のチャンネル位置のデータと測定点P1の0列目データとの掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する測定点P1のデータ列と測定点P2のデータ列において、測定点P1のデータ列の最初のデータと測定点P2のデータ列の各データとの積の和を求める。
[ステップS15]
測定点P1と測定点P2の抽出重み係数WP1、WP2に対して、二つの測定点P1とP2の重み係数間の積和計算を行なう。つまり、同じ基準値(増分)を有する測定点P2のチャンネル位置の重み係数と測定点P1の0列目の重み係数との掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する測定点P1の重み係数列と測定点P2の重み係数列において、測定点P1の重み係数列の最初の重み係数と測定点P2の重み係数列の各重み係数との積の和を求める。
[ステップS16]
測定点P1の抽出データIP1と測定点P2の重み係数WP2に対して、測定点P1の0列目データと測定点P2の重み係数間の積和計算を行なう。つまり、同じ基準値(増分)を有する測定点P2のチャンネル位置の重み係数と測定点P1の0列目のデータとの掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する測定点P1のデータ列と測定点P2の重み係数列において、測定点P1のデータ列の最初のデータと測定点P2の重み係数列の各重み係数との積の和を求める。
[ステップS17]
測定点P1の抽出重み係数WP1と測定点P2の抽出データIP2に対して、測定点P1の0列目重み係数と測定点P2のデータとの積和計算を行なう。つまり、同じ基準値(増分)を有する測定点P2のチャンネル位置のデータと測定点P1の0列目の重み係数との掛け算をし、その和を算出する。言い換えれば、各段のチャンネルに対応する測定点P2のデータ列と測定点P1の重み係数列において、測定点P2のデータ列の最初のデータと測定点P1の重み係数列の各重み係数との積の和を求める。
[ステップS18]
演算終了とイメージングの判断を行なう。Yesの場合には総合相関計算に入り、Noの場合にはデータ取得ステップS1に戻る。
[ステップS19]
データの読み込みが終了した場合(ステップS21がYesの場合)、上述した諸計算結果に基づいて、二つの測定点P1とP2のおのおのの自己相関関数の推定と二つの測定点P1とP2の間の点間相互相関関数の推定とを行なう。つまり、P1→P2とP1→P1とP2→P2の各相関方向に対してそれぞれ異なる解析式を用いて相関関数を推定する。
例えば、P1→P1とP2→P2に対しては(S10*S11)/(S12*S13)の計算式を用い、P1→P2に対しては(S14*S15)/(S16*S17)の計算式を用いる。
これらの解析式はそれぞれ下記の(4)式〜(6)式のように表現できる。
Figure 0004740952
Figure 0004740952
Figure 0004740952
(4)式〜(6)式の各式中、mlFSum(τν)はデータ間の積和計算を示し、mlWSum(τν)は重み係数の積和計算を示す。また、mlFSum(τν)は0列目データと重み係数の積和計算を示し、mlWSum(τν)は0列目重み係数とデータの積和計算を示す。ここで、添字のPはP1またはP2であり、計算対象のデータすなわち測定点P1のデータまたは測定点P2のデータに対応している。また、τν=τ+τで、τは点間の距離による遅延時間τPと点間の測定開始時間差による遅延時間τMからなるもので、τは通常相関演算時の遅延時間である。
(6)式は、下記の(7)式の相互相関解析式に基づいている。また(7)式の相互相関解析式は、(8)式の汎用相互相関関数に対して重み付けを適用することにより導出される。(8)式は、N=N=N12であれば(9)式と表現できる。
Figure 0004740952
Figure 0004740952
Figure 0004740952
[ステップS20]
各最終計算結果に基づいて、点間相互相関関数のカーブ表示などの処理を行なう。
これまでの説明からわかるように、本実施形態の光分析装置では、異なる二つの測定点P1とP2に対して相互相関関数の推定を行なっている。P1→P2への解析結果において、相関が高ければ、同一分子が測定点P1から測定点P2へ移動する確率が高いと推定でき、逆に相関が低ければ測定点P1を通った分子が測定点P2を通る確率が低く、その他方向への分子移動が多いと推定できる。つまり、本実施形態の光分析装置によれば、二つの測定点P1とP2の間における分子の移動を観察できる。また、複数セットの二つの測定点間の相関性を検討することで、分子移動のベクトルを推定することが可能である。
また、計算結果のプロットは1個の読み込みデータを単位とするため、今までの汎用方式のような大量データの計算完了を待つ必要がなく、随時データの読み込み、計算を中止させ、リアルタイムに描画することが可能である。また、各計測データを元に計算した結果を理論式にフィッティングすることにより、分子の並進拡散時間、分子数などのパラメータの値を求めることができる。
さらに、単一の光照射部により光ビームを間欠的に走査して複数の測定点に励起光を照射し、複数の測定点から発生する蛍光を単一の光検出部Dにより検出している。つまり、複数の測定点に対して同一光学系を用いている。このため、測定領域、照射強度、信号伝送システムなどの不一致による誤差がない。また、二つの異なる測定点のデータは同一測定信号から由来するため、測定開始時間誤差がゼロである。さらに、必要なハードウェアが1セットで済むため、高性能で低コストの光信号解析装置が提供される。
加えて、相関関数の計算には、平均した数少ないデータと重み係数だけを用いるため、計算に要する時間が短い。
これまで、図面を参照しながら本発明の実施形態を述べたが、本発明は、これらの実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲において様々な変形や変更が施されてもよい。
例えば、上述した実施形態による光信号解析装置は蛍光を検出しているが、検出対象光は蛍光に限定されるものではなく、ほかの光、例えば燐光や反射光や散乱光や化学発光や生物発光などであってもよい。
また、上述した実施形態では、相関関数解析法を採用しているが、これに代えて、フォトカウンティングヒストグラム法やコインシデンス解析法を適用しもよい。
第二実施形態では、光検出部Dは単一の光検出器28によって試料内の測定点P1,P2,・・・,Pnから発せられる光を時分割に検出しているが、試料内の測定点P1,P2,・・・,Pnから発せられる光をそれぞれ受光する複数の光検出器を有していてもよい。
本発明によれば、二点間における分子の移動を観察し得る光信号解析装置および光信号解析方法が提供される。

Claims (22)

  1. 試料内の複数の測定点から発せられる光を検出する光検出手段と、
    前記光検出手段により検出された前記複数の測定点からの光の揺らぎにそれぞれ対応する複数の揺らぎ信号を利用して前記複数の測定点の二つの間における分子相互作用を解析する解析手段とを具備し、
    前記解析手段は、データの和、データ間の積の和、及び各点に対する積和計算の回数を計算し、更に、各測定点についての計算結果に基づいて、自己相関及び測定点間の相互相関演算を行い、二つの測定点を繰り返し測定して得られた時系列の測定データを、測定点ごとにデータテーブルと重み係数テーブルとに分割し、少なくとも二点間相互相関を推定してこの二点間における分子の移動を観察することを特徴とする光信号解析装置。
  2. 前記光検出手段により検出される光は、蛍光・燐光・反射光・散乱光・化学発光・生物発光のいずれかであることを特徴とする請求項1に記載の光信号解析装置。
  3. 励起光を前記複数の測定点に照射する励起光照射手段をさらに有することを特徴とする請求項1に記載の光信号解析装置。
  4. 前記励起光照射手段は、単一の光照射部で構成されることを特徴とする請求項に記載の光信号解析装置。
  5. 前記光照射部は、前記複数の測定点に励起光を時分割に照射することを特徴とする請求項に記載の光信号解析装置。
  6. 前記光検出手段は、単一の光検出部で構成されることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかひとつに記載の光信号解析装置。
  7. 前記光検出部は、前記複数の測定点からの光を時分割に検出することを特徴とする請求項に記載の光信号解析装置。
  8. 前記解析手段は、前記光検出手段により検出された前記揺らぎ信号に基づいて、前記複数の測定点からの光にそれぞれ対応する複数の擬似信号または擬似データを生成することを特徴とする請求項に記載の光信号解析装置。
  9. 前記解析手段は、前記時分割の検出によって信号またはデータが欠落する期間、前記擬似信号または擬似データを、所定値の信号またはデータによって補間することを特徴とする請求項に記載の光信号解析装置。
  10. 前記解析手段は、前記複数の擬似信号または擬似データの二つの間の相互相関関数を推定することを特徴とする請求項に記載の光信号解析装置。
  11. 前記解析手段は、前記相互相関関数を推定するにあたり、前記時分割の検出によって信号またはデータが欠落する期間の解析結果に対する影響を防止する影響防止手段をさらに有することを特徴とする請求項10に記載の光信号解析装置。
  12. 前記影響防止手段は、前記時分割の検出によって信号またはデータが欠落する期間と、それ以外の期間との間で異なる重み付けを行うことを特徴とする請求項11に記載の光信号解析装置。
  13. 試料内の複数の測定点から発せられる光を検出する光検出工程と、
    前記複数の測定点からの光の揺らぎにそれぞれ対応する複数の揺らぎ信号を利用して前記複数の測定点の二つの間における分子相互作用を解析する解析工程とを有し、
    前記解析工程は、データの和、データ間の積の和、及び各点に対する積和計算の回数計算を含み、更に、各測定点についての計算結果に基づく自己相関及び測定点間の相互相関演算を含み、二つの測定点を繰り返し測定して得られた時系列の測定データを、測定点ごとにデータテーブルと重み係数テーブルとに分割し、少なくとも二点間相互相関を推定してこの二点間における分子の移動を観察することを特徴とする光信号解析方法。
  14. 前記光検出工程において検出される光は、蛍光・燐光・反射光・散乱光・化学発光・生物発光のいずれかであることを特徴とする請求項13に記載の光信号解析方法。
  15. 前記複数の測定点に励起光を照射する励起光照射工程をさらに有することを特徴とする請求項13に記載の光信号解析方法。
  16. 前記励起光照射工程において、前記複数の測定点に励起光を時分割に照射することを特徴とする請求項15に記載の光信号解析方法。
  17. 前記光検出工程において、前記複数の測定点からの光を時分割に検出することを特徴とする請求項15に記載の光信号解析方法。
  18. 前記解析工程において、前記複数の揺らぎ信号に基づいて、前記複数の測定点からの光にそれぞれ対応する複数の擬似信号または擬似データを生成することを特徴とする請求項16または請求項17に記載の光信号解析方法。
  19. 前記解析工程において、前記時分割の検出によって信号またはデータが欠落する期間、前記擬似信号または擬似データを、所定値の信号またはデータによって補間することを特徴とする請求項18に記載の光信号解析方法。
  20. 前記解析工程において、前記複数の擬似信号または擬似データの二つの間の相互相関関数を推定することを特徴とする請求項18に記載の光信号解析方法。
  21. 前記解析工程は、前記相互相関関数を推定するにあたり、前記時分割検出によって信号またはデータが欠落する期間の解析結果に対する影響を防止する影響防止工程をさらに有することを特徴とする請求項20に記載の光信号解析方法。
  22. 影響防止工程は、前記時分割の検出によって信号またはデータが欠落する期間と、それ以外の期間との間で異なる重み付けを行うことを特徴とする請求項21に記載の光信号解析方法。
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