JP2010183925A - 物品加熱装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】 発熱特性(温度の立ち上がり、あるいは、上昇温度、上昇温度継続時間)をさらに向上させた発熱体を使用した物品加熱装置を提供する。
【解決手段】 物品加熱装置は、容器に加熱される物品とともに発熱体1を入れ、さらに反応用の水を加え、発熱体から発生した熱で物品を加熱する物品加熱装置である。発熱体1は、多数の針孔15が開けられた包材からなる袋体10を有し、袋体10内に、40〜70重量%のアルミニウム粉末、5〜40重量%の消石灰粉末、及び、5〜40重量%の生石灰粉末からなる発熱剤と、発熱剤に0.1〜30重量%添加された、ホウ酸塩粉末、硫酸塩粉末、亜硫酸塩粉末、安息香酸塩粉末、及び、クエン酸塩粉末からなる群から選択された一つ以上の粉末からなる添加物と、を含む粉末20が封入されている。発熱剤にこのような添加物を添加すると、良好な発熱特性が得られるので、比較的高価なアルミニウム粉末の量を従来のものより減らしても発熱特性を維持又は向上できる。
【選択図】 図1

Description

本発明は、水と反応して発熱する発熱体を使用して食品(レトルト食品や缶入り飲料等の調理済み食品など)や化粧品を加熱する物品加熱装置に関する。特には、温度の立ち上がりが早いとともに、十分な高温を所定時間維持できる物品加熱装置に関する。
水と反応して発熱する発熱体としては、従来より、アルミニウム粉末と生石灰(酸化カルシウム)粉末とを混合したものが知られている(例えば、特許文献1参照)。そして、このような発熱体を使用して日本酒や駅弁を温めたり、非常時にレトルト食品などの調理済み食品を再加熱する食品加熱装置も一般的に用いられている。
この発熱体においては、生石灰を水と反応させて発熱させるとともに、この反応によって生成した消石灰(水酸化カルシウム)とアルミニウム粉末とを発熱反応させるものである。このような一連の反応により、食品などの物品を加熱するための十分な発熱量を短時間で得ることができる。
一方、本発明者らは、アルミニウム粉末と生石灰粉末に、消石灰粉末を加えた発熱剤を使用するとともに、発熱剤が封入される袋体の通水性にも着目した食品加熱装置を提案した(特許文献2参照)。この食品加熱装置においては、発熱剤が消石灰を含むことによって、反応させる水の温度が低い場合でも、良好な温度特性が得られる。
また、発熱剤に添加物として炭酸ナトリウムや塩化マグネシウムを加えたものも従来より使用されている(例えば、特許文献3、特許文献4参照)
特許第3467729号 特許第3921550号 特公平05−27672 特開2006−241418
本発明は、発熱特性(温度の立ち上がり、あるいは、上昇温度、上昇温度継続時間)をさらに向上させた発熱体を使用した物品加熱装置を提供することを目的とする。
本発明の物品加熱装置は、 容器に加熱される物品とともに発熱体を入れ、さらに反応用の水を加え、前記発熱体から発生した熱で物品を加熱する物品加熱装置であって、 前記発熱体が、 通水性を有する包材からなる袋体と、 該袋体に封入された、40〜70重量%のアルミニウム粉末、5〜40重量%の消石灰粉末、及び、5〜40重量%の生石灰粉末からなる発熱剤と、 該発熱剤に0.1〜30重量%添加された、ホウ酸塩粉末、硫酸塩粉末、亜硫酸塩粉末、安息香酸塩粉末、及び、クエン酸塩粉末からなる群から選択された一つ以上の粉末からなる添加物、を含むことを特徴とする。
本発明によれば、発熱剤にホウ酸塩粉末、硫酸塩粉末、亜硫酸塩粉末、安息香酸塩粉末、又は、クエン酸塩粉末からなる添加物を添加すると、後述の実施例のように良好な発熱特性が得られる。その結果、比較的高価なアルミニウム粉末の量を従来のものより減らしても発熱特性を維持又は向上できる。このような添加物を加えることにより発熱特性が改善される理由は、正確には不明であるが、以下と推定している。
アルミニウムと水酸化カルシウムの反応で、水酸化アルミニウムカルシウムが生成され、反応が終息すると考えられる。この生成物の発生を抑制することにより、アルミニウムを効率よく発熱反応させることができると考えられる。
本発明においては、 前記添加物が、硫酸ナトリウム又は亜硫酸ナトリウムの粉末であることが好ましい。
添加物のホウ酸塩粉末、硫酸塩粉末、亜硫酸塩粉末、安息香酸塩粉末又はクエン酸塩粉末としては、ホウ酸ナトリウム、ホウ酸カリウム、硫酸ナトリウム、硫酸カルシウム、亜硫酸ナトリウム、亜硫酸カリウム、硫酸カリウム、硫酸水素ナトリウム、硫酸アンモニウム、硫酸アルミニウム、硫酸アルミニウムカリウム、硫酸鉄、亜硫酸水素ナトリウム、亜硫酸アンモニウム、亜硫酸鉄、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、クエン酸ナトリウム、クエン酸カリウムなどを挙げることができる。これらの内で、食品添加物として使用可能な、硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムが安全上好ましい。
硫酸ナトリウムは、以下のようなものを用いることが好ましい。
粒度分布:〜53μm;40%、53〜125μm;30〜50%、125〜300μm;10〜30 %、+300μm;0%。
亜硫酸ナトリウムは、以下のようなものを用いることが好ましい。
粒度分布:〜53μm;40%、53〜125μm;30〜50%、125〜300μm;10〜30 %、+300μm;0%。
本発明においては、 前記添加物の添加量が0.5〜3重量%であることが好ましい。
添加量は、さらに好ましくは0.8〜2重量%である。添加量が0.5重量%より少ないと、温度の持続性が悪くなる。上記範囲内では、添加量が多いほど比較的良好な発熱特性が得られるが、3重量%より多いと、温度の立ち上がりが遅くなる。
本発明においては、 前記袋体の包材が、不織布に防水層を付けたベース布に多数の針孔を開けたものであること好ましい。
さらに、この場合、前記包材の透水速度が、以下のア)〜エ)の条件で、1cm2当り13〜821ミリリットル/分であることが特に好ましい、
ア)使用水23±3℃のイオン交換水、
イ)水頭27±0.95cm、
ウ)包材サンプルの透水面積2.85cm2
エ)単位時間あたりの透水量の安定した後(10秒間に連続して計測された透水量のバラツキが少なくとも3回以上5%内となった後)、1分間以上測定し、任意の1分間に計測された量を、イオン交換水の比重1.000(g/cm3)として換算し透水量(ミリリットル)とする。
上記条件下での透水速度が1cm2当り13〜821ミリリットル/分であると、発熱剤の漏れを防ぎつつ、良好な発熱特性を得られる。
また、本発明の発熱剤及び不織布の材質や物性としては、以下のようなものを挙げることができる。
本発明の袋体の不織布の材質は、コットンやパルプ羊毛などの天然繊維、ビスコース(レーヨン)やキュプラなどの再生繊維、または、6−ナイロン、6,6−ナイロンなどのポリアミド、ポリエチレンテレフタレート、ポリトリメチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリ乳酸、ポリグリコール酸をはじめとする直鎖又は分岐の炭素数20までのポリエステル類、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン類、アクリルなどの合成繊維などを用いることができる。これらは2種類以上の素材のものを複合して使用してもよい。また、不織布の製造方法は、スパンレース法、スパンボンド法などによることができる。
不織布の物性は、目付(秤量)(g/m2);40〜70、厚さ(μm);170〜460、縦引張強度(N/5cm);35〜380、横引張強度(N/5cm);13〜165、縦引張伸度(%);80以下、横引張伸度(%);120以下のものなどを用いることができる。
また、防水層は、例えば、合成樹脂フィルムをラミネート加工することにより形成することができる。合成樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、ポリプロピレンなどのポリオレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリ塩化ビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、共重合ポリアミド系樹脂、共重合ポリエステル系樹脂、エチレン−酢酸ビニル系樹脂、エストラマーなど、あるいは、それらの二種類以上の混合樹脂からなる単層フィルムや積層フィルムを用いることができる。合成樹脂フィルムの厚さは、0.01〜0.3mm、好ましくは、0.02〜0.1mmである。
さらに、アルミニウムの粒度分布は、例えば、〜45μm;70〜95%、45〜63μm;5〜20%、63〜75μm;0〜5%、+75μm;0〜5%のものを使用できる。
消石灰の粒度分布は、〜45μm;0〜10%、45〜75μm;0〜30%、75〜150μm;20〜 45%、+150μm;30〜78%のものを使用できる。
生石灰粉末の粒度分布は、〜75μm;5〜25%、75〜150μm;20〜40%、+150μm;45〜65%のものや、〜75μm;25〜90%、75〜150μm;5〜70%、+150μm;0〜15%のものを使用できる。
加熱される物品の例としては、レトルト食品や缶入り飲料、ゆで卵、お弁当などの食品や化粧品を挙げることができる。
また、容器の形状としては、袋、箱や鍋を挙げることができる。容器からは、発熱剤の上記発熱反応により発生したH2やH2Oが排出される。その排出口の大きさや数は、保温性を確保しつつ容器の膨張や破壊を防止できるように選択する。
以上の説明あるいは後述の実施例などから明らかなように、本発明によれば、添加物を発熱剤に添加することにより、特に上昇温度の持続性を向上させることができるので、良好な発熱特性を有する物品加熱装置を提供できる。また、添加物を添加することにより、比較的高価なアルミニウム粉末の重量を従来の物より減らしても良好な発熱特性を得られるので、物品加熱装置の低コスト化を図ることができる。
発明を実施するための形態
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら詳細に説明する。
まず、袋体の透水性について説明する。
袋体基材に種々の径で針穴を開けたサンプルを用意し、各サンプルの透水性(透水速度)を計測した。
(1)袋体基材
袋体の基材としては、非撥水性の不織布(100%レーヨン、MR−50/PP40、国光製紙社製)を使用した。同不織布の物性は、目付(秤量)(g/m2);50、厚さ(μm);400、縦引張強度(N/25mm);41、横引張強度(N/25mm);9.5、縦引張伸度(%);27以下、横引張伸度(%);120以下、である。今回使用した不織布はスパンレース法で作製されている。スパンレース法とは、高圧の水流を柱状に噴射して繊維を絡ませる製法で、柔軟でドレープ性に富み、羽毛立ちのない不織布を製造できる。この方法で製造された不織布は、主にオムツや医療資材、食品用や掃除用の生活資材に使用されている。不織布の一面には防水層(PP製)が押出しラミネート加工により設けられている。その他に、加熱貼りあわせなどによることもできる。防水層の厚さは40μmである。
(2)針穴
上記基材に、針穴装置を使用して、種々の径で針穴を開けた。今回使用した針穴装置は、表面に、針が横方向に3.0mm間隔、縦方向に約2.9mm間隔で立設されたローラと、このローラに対向する基材支持ローラを有する。なお、針を加熱して針に触れたラミネートフィルムの部分を溶融して穴を開ける方式のものもある。上述の基材支持ローラに基材を固定し、両ローラを反対方向に回転させて、基材の全面に、針穴をほぼ一様な密度で形成した。そして、ローラの接触深さを変えることによって、針穴の径(0.05〜0.4mm)を変えた基材を6個準備した。針穴の密度は、1150個/100cm2である。なお、針穴の径が大きくなると、粒径の小さい発熱剤粒子が袋体から外に漏れやすくなり、好ましくない状況が起こる場合もあり得るので、発熱特性が得られる範囲で、より小さい径(0.05〜0.4mm)とした。
この基材を50mm×50mmの寸法に裁断したものをサンプルとした。
(3)透水性
一般的に、布等の透水性を示す標準となる公的な規格は存在しない。そこで、有孔フィルムの透水速度を測定する方法を基にして、以下に説明する透水速度計測方法により各サンプルの透水性を測定した。
図3は、今回使用した透水速度測定方法を説明する図である。
まず、ステンレス製の測定用タンク51(内寸335×535×178mm)を用意し、同タンクに23±3℃のイオン交換水を満たす。タンク51の側面下方にはイオン交換水が流入する流入管53が設けられており、同管の上方には流出管55が設けられている。各管はコック54、56で開閉可能である。イオン交換水は、流入管53からタンク51に入れられて、流出管55から排出される。
タンク51の底面には、下方に延びる流出管57(径;19.05mm)が設けられている。流出管57はコック58で開閉可能である。流出管57の出口に、サンプルSを、防水加工面を上側にして輪ゴム59で仮止めし、シーリングテープで完全に出口を覆うように巻き付けた後、不透水性のPP粘着テープで周囲を固定する。流出管57の出口と流出管55と間の高さ(水頭)Hは、270±9.5mmである。そして、この出口の下方に採取容器61を設置する。採取容器61は重量はかり(図示されず)(GF−3000、A&D社製)上に載置されている。
両コック54、56を開いてタンク51をオーバーフロー状態に維持し、流出管57のコック58を開いて採取容器61で採取された水の量(ミリリットル)を計測する。この際、単位時間あたりの透水量の安定した後(10秒間に連続して計測された透水量のバラツキが少なくとも3回以上5%内となった後)、1分間以上測定し、任意の1分間に計測された量を透水量(ミリリットル)とする。そして、1分間のサンプル1cm2当りの透水量を透水速度(ミリリットル/min/cm2)に換算する。イオン交換水の比重は1.000(g/cm3)とした。
次に、計測された透水度と、公知の通気度との関連を調べた。というのは、透水度の試験は手間がかかるので、もし通気度との相関があれば、通気度の試験で代用することができるからである。
通気度は、ガーレ式デンソメータ(RANGE;300ml、TIMER;s、t<1、測定部直径;30mm、株式会社東洋精機製作所製、JIS P8117準拠)を使用して計
測した。測定された値(sec/300ml)を、通気速度(ミリリットル/min/cm2)に換算した。
上記の方法で作製した、異なる針穴径の6個のサンプルについて、上記の方法で透水度を計測し、ガーレ式デンソメータを使用して通気度を計測した。
表1は、各サンプルの通気度と透水度の測定値及び同測定値から換算した通気速度と透水速度を示す。
Figure 2010183925
図4は、透水速度と通気速度の関係を表すグラフである。縦軸は、本例で計測した透水度から換算した透水速度を示し、横軸は、ガーレ式デンソメータで計測した通気度から換算した通気速度を示す。
グラフに示すように、透水速度と通気速度は一次関数で近似される。この近似式から、本例の袋体材料においては、透水速度:通気速度≒1:5.5の関係が得られた。
透水速度の測定は上述のように手間がかかるため、サンプルの透水速度を容易に推定できる通気速度に置き換えて以降の実験を進める。なお、透水速度(ミリリットル/min/cm2)は、通気速度(ミリリットル/min/cm2)/5.5で求めることとする。
(4)通気速度
発熱体の発熱特性(温度の立ち上がり、上昇温度、上昇温度維持時間)と袋体からの発熱剤の漏れを考慮した結果、袋体の包材の透水速度は、1cm2当り13〜821ミリリットル/分が最も好ましいことが確認された。
次に、発熱剤に添加する添加物の種類と、添加重量が発熱温度に与える影響について説明する。
(1)発熱剤組成
上記の透水性測定に使用した発熱剤の各成分と同じ物性を有するアルミニウム粉末、消石灰粉末、生石灰粉末を用いて発熱剤サンプル(全重量60g)を作製した。重量比は、アルミニウム:消石灰:生石灰=50:35:15である。
(2)添加物の種類
添加物として硫酸ナトリウム粉末(鹿1級、関東化学社製)と亜硫酸ナトリウム粉末(鹿1級、関東化学社製)を準備した。
硫酸ナトリウムの粒度分布は、〜53μm;40%、53〜125μm;30%、125〜300μm;30%、+300μm;0%である。亜硫酸ナトリウムの粒度分布は、〜53μm;40%、53〜125μm;30%、125〜300μm;30%、+300μm;0%である。
(3)添加物重量
前述の組成の発熱剤に、上記の硫酸ナトリウム粉末、亜硫酸ナトリウム粉末の各々を以下の重量添加したサンプルを作製した。
硫酸ナトリウム粉末;0.1重量%、1重量%、2重量%、
亜硫酸ナトリウム粉末;0.1重量%、1重量%、2重量%、3重量%。
なお、比較例として添加物を添加しないサンプルも作製した。
(4)発熱体
上記の発熱剤サンプルを、透水性の実験に使用した袋体(非撥水性の不織布の一面に防水層を設けたもの)に封入して発熱体サンプルを作製した。袋体の透水速度は約400ミリリットル/min/cm2である。なお、この値は、ガーレ式デンソメータで計測した通気速度から換算したものである。
(4)発熱温度計測方法
図5は、温度計測方法を説明する図である。
排気口32を有する加熱袋31に、発熱体サンプル1、食品(レトルトご飯1個とレトルトカレー1個)D、水W130gを入れた。この例では、開口部が密閉可能に開閉される加熱袋31に、径が5mmの排気口32を2個設けた。温度が20℃に保たれた恒温室内において、加熱袋31を、断熱材71上に設置したステンレス容器73内に保持し、発熱開始から25分間、加熱袋31内の雰囲気温度(蒸気温度)T1、発熱体1の表面の温度T2を計測装置Dで計測した。
(5)計測結果
計測結果を図6〜図9のグラフに示す。各グラフにおいて、横軸は測定時間(分)、縦軸は食品温度(℃)を示す。また、線の種類は添加物の重量を示す。
図6は、添加物として硫酸ナトリウムを使用した発熱体の蒸気温度(T1)と測定時間の関係を示すグラフである。
図7は、添加物として硫酸ナトリウムを使用した発熱体の発熱体表面温度(T2)と測定時間の関係を示すグラフである。
図8は、添加物として亜硫酸ナトリウムを使用した発熱体の蒸気温度(T1)と測定時間の関係を示すグラフである。
図9は、添加物として亜硫酸ナトリウムを使用した発熱体の発熱体表面温度(T2)と測定時間の関係を示すグラフである。
(6.1.1)硫酸ナトリウム(蒸気温度T1)
図6のグラフより、硫酸ナトリウムを添加すると、いずれの添加量においても、蒸気温度の温度持続性が改善されていることが分かる。つまり、反応開始から約2分後に90℃以上に達しているとともに、その後の温度低下は、図の太破線で示す添加物なしに比べて緩やかである。また、添加量が多いほど良好な温度持続性を示している。
硫酸ナトリウムの添加により温度持続性が向上するのは以下の理由によると考えられる。
まず、生石灰と水で以下のような反応が起こる。
CaO+H2O→Ca(OH)2
次に、以下の反応が起こる。
2Al+Ca(OH)2+6H2O→Ca[Al(OH)4]2+3H2
ここに硫酸ナトリウムを加えることでカルシウムイオンと硫酸イオンが反応し、硫酸カルシウムが生成する。これによりアルミニウムと反応するカルシウムイオンの量を減らすことができ、アルミニウムが効率よく発熱反応し、温度持続性が向上すると考えられる。
また、添加量が多いほど温度持続性が良好なのは、添加量が多いほどカルシウムイオンの量を減らすことができるためと考えられる。
また、反応開始後温度が急上昇した後、いったん低下し、その後また急上昇している。この理由は、まず初めに生石灰と水の反応で一度温度が上昇し、この反応で得たアルカリ性水溶液によってアルミニウムの反応が開始するためと考えられる。ただし、このような温度変化は実用上問題はない。
(6.1.2)硫酸ナトリウム(発熱体表面温度T2)
図7のグラフより、硫酸ナトリウムの添加により、発熱体表面温度も、添加物なしの場合に比べて良好な温度持続性を示している。
(6.2.1)亜硫酸ナトリウム(蒸気温度T1)
図8のグラフより、亜硫酸ナトリウムを添加した場合も、温度の温度持続性が改善されていることが分かる。また、添加量が多いほど、温度の立ち上がり特性は悪いが、温度持続性は良好である。例えば、図のプロット付き実線で示す添加量が3%の場合は、反応開始から5分後に90℃まで上昇しないが、約10分後に90℃以上に上昇し、20分後にも90℃以上を維持している。
亜硫酸ナトリウムの添加により温度持続性が向上する理由、添加量が多いほど温度持続性が良好な理由は、前述の硫酸ナトリウムの場合と同様と考えられる。
また、反応開始後温度が急上昇した後、いったん低下し、その後また急上昇している理由も、硫酸ナトリウムの場合と同様であり、実用上問題はない。
(6.2.2)亜硫酸ナトリウム(発熱体表面温度T2)
図9のグラフにより、亜硫酸ナトリウムの添加により、発熱体表面温度も、添加物なしの場合に比べて良好な温度持続性を示している。
今回の実験結果から以下のことがわかる。
(1)硫酸ナトリウム、亜硫酸ナトリウムを添加すると、添加しない場合に比べて、蒸気温度及び発熱体表面温度とも温度持続性が向上する。
(2)添加物の量は多いほど良好な温度持続性が得られる。好ましい添加量は、0.1〜30重量%であり、特には0.5〜3重量%が好ましい。
(3)温度の立ち上がり特性は、硫酸ナトリウムが好ましく、温度の持続性は亜硫酸ナトリウムが好ましい。
図1は、本発明の実施の形態に係る物品加熱装置に使用される発熱体の構造を説明する図であり、図1(A)は平面図、図1(B)は断面図である。
この発熱体1は、袋体10と、同袋体10に封入された、発熱剤と添加物からなる粉末20とを備える。
袋体10は、非撥水性の不織布11(100%レーヨン、MR−50/PP40、国光製紙社製)で作製される。不織布11の一面には防水層(PP製)13が押出しラミネート加工により設けられている。袋体10には、全面にほぼ一様な密度で針孔15が開けられている。針穴15の径は、0.1〜0.3mmである。上記に説明した測定方法(図3参照)で測定した、袋体10の透水速度は約400ミリリットル/min/cm2である。なお、この値は、ガーレ式デンソメータで計測した通気速度から換算できる。袋体10の寸法は、70mm×170mmである。
発熱剤は、アルミニウム粉末(♯280A、ミナルコ社製)、消石灰粉末(特選、田源石灰製)、生石灰粉末(田源石灰製)を混合した混合粉末である(アルミニウム、消石灰、生石灰の重量比;50:35:15、全重量60g)。この発熱剤と、添加物として、2重量%の亜硫酸ナトリウム(鹿1級、関東化学社製)を混合した粉末20して袋体10に収容し、発熱体1を製造した。
図2は、本発明の実施の形態に係る物品加熱装置を示す図である。この例は、レトルトご飯1個とレトルトカレー1個を加熱する装置を示す。
物品加熱装置30は、排気口32を有する加熱袋(容器)31と、図1に示す発熱体1と、反応用の水Wとを備える。この例では、径が5mmの円形の排気口32を2個設けた。排気口32としては、径が3〜7mmの孔を2〜4個設けることができる。なお、容器によっては、径が10〜15mmの孔を1〜2個、あるいは、径が1〜2mmの孔を8〜10個設けてもよい。また、排気口の形状は、円形でなくても水蒸気や水素を逃がすことのできるものであれば可能である。さらに、三方シール袋の場合は、開口部を折り返したものでもよい。
なお、発熱体1は空気中の水分との反応を防ぐため、保管時には気密性の外袋に入れられている。
外袋から取り出した発熱体1と、レトルトご飯1個とレトルトカレー1個Dを加熱袋(容器)31に入れ、重量130gの水Wを加えて同容器31を密封した。発熱体1は発熱反応を起こし、同容器31に入れたレトルトご飯1個とレトルトカレー1個Dが加熱された。発熱反応により発生した蒸気やガスは、加熱袋31の排気口32から排出された。その結果、25分後にご飯は76℃、カレーは85℃に加熱され、粉末20の漏れも起こらなかった。
本発明の実施の形態に係る物品加熱装置に使用される発熱体の構造を説明する図であり、図1(A)は平面図、図1(B)は断面図である。 本発明の実施の形態に係る物品加熱装置を示す図である。 今回使用した透水速度測定方法を説明する図である。 透水速度と通気速度の関係を表すグラフである。 温度計測方法を説明する図である。 添加物として硫酸ナトリウムを使用した発熱体の蒸気温度(T1)と測定時間の関係を示すグラフである。 添加物として硫酸ナトリウムを使用した発熱体の発熱体表面温度(T2)と測定時間の関係を示すグラフである。 添加物として亜硫酸ナトリウムを使用した発熱体の蒸気温度(T1)と測定時間の関係を示すグラフである。 添加物として亜硫酸ナトリウムを使用した発熱体の発熱体表面温度(T2)と測定時間の関係を示すグラフである。
符号の説明
1 発熱体 10 袋体
11 不織布 13 防水層
15 針孔 20 発熱用粉末
30 物品加熱装置 31 加熱袋
32 排気口

Claims (5)

  1. 容器に加熱される物品とともに発熱体を入れ、さらに反応用の水を加え、前記発熱体から発生した熱で物品を加熱する物品加熱装置であって、
    前記発熱体が、
    通水性を有する包材からなる袋体と、
    該袋体に封入された、40〜70重量%のアルミニウム粉末、5〜40重量%の消石灰粉末、及び、5〜40重量%の生石灰粉末からなる発熱剤と、
    該発熱剤に0.1〜30重量%添加された、ホウ酸塩粉末、硫酸塩粉末、亜硫酸塩粉末、安息香酸塩粉末、及び、クエン酸塩粉末からなる群から選択された一つ以上の粉末からなる添加物、
    を含むことを特徴とする物品加熱装置。
  2. 前記添加物が、硫酸ナトリウム又は亜硫酸ナトリウムの粉末であることを特徴とする請求項1記載の物品加熱装置。
  3. 前記添加物の添加量が0.5〜3重量%であることを特徴とする請求項1又は2記載の物品加熱装置。
  4. 前記袋体の包材が、不織布に防水層を付けたベース布に多数の針孔を開けたものであることを特徴とする請求項1、2又は3記載の物品加熱装置。
  5. 前記包材の透水速度が、以下のア)〜エ)の条件で、1cm2当り13〜821ミリリットル/分であることを特徴とする請求項4記載の物品加熱装置、
    ア)使用水23±3℃のイオン交換水、
    イ)水頭27±0.95cm、
    ウ)包材サンプルの透水面積2.85cm2
    エ)単位時間あたりの透水量の安定した後(10秒間に連続して計測された透水量のバラツキが少なくとも3回以上5%内となった後)、1分間以上測定し、任意の1分間に計測された量を、イオン交換水の比重1.000(g/cm3)として換算し透水量(ミリリットル)とする。
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