JP5611823B2 - 糞尿処理方法および糞尿処理装置 - Google Patents

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Description

本発明は、災害時等に糞尿を処理する糞尿処理方法および糞尿処理装置に関する。
地震等の災害による長期の停電および断水時等においては、トイレットが使用できなくなり、各家庭では糞尿が大量に溜まってしまう。大量に溜まった糞尿からは悪臭が発散し続け、そのままにしておくと、その臭気により生活環境が著しく悪化してしまう。
このような災害時には、例えば、糞尿をプラスチック製の袋に入れ、密封状態でとりあえず保管しておく方法等が採られているが、プラスチック製の袋は破損し易いため、保管中に破損して糞尿が漏れ出し、周囲に悪臭を発散させてしまう等の問題がある。また、プラスチック製の袋内で糞尿が時間とともに腐敗し、溜まった臭気ガスの圧力で袋内から臭気ガスが漏れ出てしまう等の問題もある。
そこで、ダンボール紙製の組み立て構造体を使い捨ての簡易便器(簡易トイレット)とすること(特許文献1参照)や、木製や紙製等の枠体内にポリエチレン袋等の袋体を内装したものを簡易便器とし、糞尿を受ける袋体を使い捨てること(特許文献2参照)などが提案されている。
また、糞尿を積極的に処理する方法としては、おが屑中に糞尿を導入し、おが屑および糞尿ともども攪拌して、糞尿中の微生物により糞尿を処理する方法(特許文献3参照)や、生石灰の微粒子の表面を高級脂肪酸、その塩およびそのエステルからなる群より選ばれた少なくとも1種の被覆剤で被覆してなる糞尿処理剤、ならびにそれを用いた糞尿の処理方法(特許文献4参照)などが提案されている。
特開2006−296925号公報 特開2006−223725号公報 特開平11−300324号公報 特開2002−210496号公報
ところで、使い捨ての簡易便器を使用しても、そのまま廃棄したのでは臭気を発し、また衛生面から好ましくなく、環境を汚染する虞がある。したがって、特許文献3および4のような糞尿処理方法との併用によって糞尿を処理した後に、簡易便器を廃棄することが好ましい。
しかしながら、特許文献3に記載の処理方法は、微生物による処理であるため、処理能力に限界があり、処理速度も遅い等の問題がある。
また、特許文献4に記載の生石灰の微粒子を含む糞尿処理剤を用いて、その水和反応により糞尿を発熱処理しようとすると、使い捨ての簡易便器(特許文献1,2参照)の場合には、反応熱で焦げて穴が開いたり、引火したりするなどの虞があるという問題がある。またこの場合、普段使い慣れた既存の便器ではない簡易便器に対して直接用を足すことに抵抗感が生じる虞がある。
そこで、本発明は、簡易のトイレパック内に糞尿を受け、発熱処理に対応した処理容器内で糞尿を処理して衛生的に廃棄することができる糞尿処理方法および糞尿処理装置を提供することを目的とする。
前記目的は、下記の手段により達成される。
(1)少なくとも糞尿を受ける部分に断熱性素材を内蔵した耐熱性および撥水性を有するフィルム素材製の容器状のトイレパック内に糞尿を受け、該トイレパック内に受けた糞尿上に糞尿処理剤を散布した後、これらを混合することなく、前記トイレパックごと耐熱性を有するフィルム素材製の処理袋内に投入して、該処理袋内で糞尿を発熱処理し、該処理袋ごと処理後の内容物を廃棄することを特徴とし、前記処理袋は、樹脂層を積層した金属箔素材を袋体状に熱融着接合して成形され、開口部が密封可能に形成されているとともに、通気窓部を有し、該通気窓部には前記処理袋内の臭気ガスを吸着する活性炭、および該活性炭の吸湿を防止する吸水材が装着されていることを特徴とする糞尿処理方法である。
(2)前記トイレパックは、樹脂層を積層した金属箔素材を容器状に熱融着接合して成形され、少なくとも糞尿を受ける部分に断熱性素材が内蔵されていることを特徴とする(1)に記載の糞尿処理方法である。
(3)前記トイレパックを既設の便器内に配置して糞尿を受けることを特徴とする(1)または(2)に記載の糞尿処理方法である。
)前記糞尿処理剤が、少なくとも、疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰および発熱剤を含む粉体剤であることを特徴とする(1)から()のいずれか1つに記載の糞尿処理方法である。
)少なくとも糞尿を受ける部分に断熱性素材を内蔵した耐熱性および撥水性を有するフィルム素材製の容器状のトイレパックと、該トイレパック内に受けた糞尿上に散布される糞尿処理剤と、該糞尿処理剤の散布後に前記トイレパックを投入して糞尿の発熱処理を行う耐熱性を有するフィルム素材製の処理袋と、を備えてなることを特徴とし、前記処理袋は、樹脂をラミネートした金属箔素材を袋体状に熱融着して成形され、開口部が密封可能に形成されているとともに、通気窓部を有し、該通気窓部には前記処理袋内の臭気ガスを吸着する活性炭、および該活性炭の吸湿を防止する吸水材が装着されていることを特徴とする糞尿処理装置である。
)前記トイレパックは、樹脂層を積層した金属箔素材を容器状に熱融着接合して成形され、少なくとも糞尿を受ける部分に断熱性素材が内蔵されていることを特徴とする()に記載の糞尿処理装置である。
)前記トイレパックは、既設の便座開閉式便器の便座によって保持可能な保持部を備えていることを特徴とする()または()に記載の糞尿処理装置である。
)前記糞尿処理剤が、少なくとも、疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰および発熱剤を含む粉体剤であることを特徴とする()から()のいずれか1つに記載の糞尿処理装置である。
本発明によれば、使い捨てのトイレパックを既存の便器に配置して糞尿を受け、例えば疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰および発熱剤を含む糞尿処理剤を用いて、屋外等に配置した処理容器内で糞尿の発熱処理を行うことができる。そして、糞尿を受ける容器状のトイレパックは金属箔製であって撥水性を有し、熱融着により成形されているので、トイレパック内に受けた糞尿の水分が外に漏れ出ることはない。
また、トイレパックは糞尿を受ける部分に断熱性素材が内蔵されており、トイレパック内に受けた糞尿上に糞尿処理剤を散布して、これをトイレパックごと金属箔製の処理袋内に投入するので、糞尿処理剤の発熱反応による反応熱で処理袋に穴が開いたり、着火したりすることはない。
さらに、処理袋は通気窓部を有し、この通気窓部には処理袋内の臭気ガスを吸着する活性炭、および該活性炭の吸湿を防止する吸水材が装着されているので、汚物臭の発生を防止することができる。
そして、糞尿処理後に処理袋ごと発熱処理後の糞尿を廃棄することができ、極めて衛生的である。
本実施形態の糞尿処理装置におけるトイレパックの成形前のフィルム状素材を示す模式図である。 本実施形態のトイレパックの成形手順を示す模式図である。 本実施形態のトイレパックの成形手順を示す模式図である。 本実施形態のトイレパックの成形手順を示す模式図である。 本実施形態のトイレパックの成形手順を示す模式図である。 本実施形態のトイレパックの成形手順を示す模式図である。 本実施形態のトイレパックの成形手順を示す模式図である。 本実施形態のトイレパックの成形手順を示す模式図である。 本実施形態のトイレパックを便器内に配置した状態を示す概略図である。 本実施形態のトイレパックを便座で保持した状態を示す概略図である。 トイレパック内の糞尿上に糞尿処理剤を散布する状態を示す概略図である。 本実施形態の処理袋を示す模式図である。 本実施形態の処理袋にトイレパックごと糞尿を投入する状態を示す概略図である。
以下、本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
(糞尿処理装置)
まず、本発明に係る糞尿処理方法の実施に用いる糞尿処理装置について説明する。
図1は本実施形態の糞尿処理装置におけるトイレパックの成形前のフィルム素材を示す模式図である。図2A〜図2Gは本実施形態のトイレパックの成形手順を示す模式図である。図3は本実施形態のトイレパックを便器内に配置した状態を示す概略図である。図4は本実施形態のトイレパックを便座で保持した状態を示す概略図である。
図1、図2A〜図2Gを参照して、本実施形態の糞尿処理装置1は、容器状のトイレパック10と、このトイレパック10内に受けた糞尿上に散布される糞尿処理剤20(図5参照)と、この糞尿処理剤20の散布後に、糞尿を前記トイレパック10ごと投入して糞尿の発熱処理を行う処理袋30(図6および図7参照)と、を備えている。
トイレパック10は、糞尿を受ける使い捨ての簡易の容器であって、表裏面に樹脂層を積層した耐熱性のフィルム素材を折り畳んで熱融着接合することにより、容器状に成形されている。このトイレパック10は、折り畳んだ状態で保管され、使用時には内部に空間ができるように開口縁部11を拡げて容器状に成形される(図2G、図3参照)。
このトイレパック10のフィルム素材(基材)10Aは、例えば、アルミニウム箔や銅箔等の金属箔で構成されている。金属箔素材あるので、80℃以上450℃以下の温度において耐熱性を有しており、後述する糞尿処理剤20の反応熱に強く、焦げて穴が開いたり、着火したりする虞がない。80℃以上の温度で耐熱性を要求するのは、後述する糞尿処理剤の水和反応により系内が80℃〜95℃に達するからである。450℃以下の温度で耐熱性を要求するのは、後述する糞尿処理剤20が粉体であるため系内で熱が伝達され難く、その水和反応による発熱時に局部的に200℃〜400℃近くに上昇していると推察されるからである。
また、トイレパック10のフィルム素材10Aは金属箔であるので、表裏面の樹脂層の有無に関わらず撥水性を有しているが、本実施形態では、金属箔素材の表裏面に、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の樹脂層をラミネートもしくはコーティングしている。したがって、容器状に成形する際にシーラー(シール装置)を使用して熱融着接合することが可能となり、接合部の密封性に優れている。なお、本実施形態では、金属箔素材の表裏面に樹脂層を積層しているが、これに限定されるものではなく、少なくとも接合面側に樹脂層が積層されていればよい。
さらに、トイレパック10を構成する金属箔素材内には、断熱性素材12が内蔵されている(図2C参照)。この断熱性素材12としては、例えば、耐熱紙、難燃紙、グラスウール等が挙げられるが、これらに限定されない。本実施形態では、断熱性素材12は、トイレパック10の全体に亘って内蔵されているが、これに限定されるものではなく、少なくとも糞尿を受ける部分に内蔵されていればよい。トイレパック10のフィルム素材10Aは金属箔であるので、糞尿を受ける部分に断熱性素材12を内蔵することにより、糞尿上に糞尿処理剤20を添加した際にその反応熱によってトイレパック10の外面に熱が伝わるのを防止することができる。加えて、糞尿を受ける部分に断熱性素材12を内蔵することにより、底部の剛性が増して使用時に容器状に成形する際の座りが良くなる。
次に、図1、図2A〜図2Gを参照して、トイレパック10の折り畳み成形手順を説明する。この折り畳み構造はトイレパック10を容器として折り畳み成形する一例であり、その構造や寸法、成形手順等は限定されない。
トイレパック10のフィルム素材10Aは、例えば、580mm×760mmの長方形のアルミニウム箔であって、表裏面に樹脂ラミネート加工が施されている。このトイレパック10は、図1のような展開した状態で、VSL、FSL、L1、L2の各ラインを想定する。なお、図1において、フィルム素材10Aの左右には、熱融着による接合代10Bが設定されている。
まず、図2Aのように、長方形の横幅方向の中央に位置する縦センターラインVSLを基準として、フィルム素材10Aを内側(上面側)へ折り畳んで横幅の左右両端部の接合代10Bを重ね合わせる。そして、図2Bのように、これら両端部の接合代10B同士を不図示のシーラーにより熱融着接合して筒体状に成形する。次に、図2Cのように、筒体状のアルミニウム箔素材10A内に断熱性素材12として耐熱紙を挿入する。
次に、図2Dのように、フィルム素材10Aの縦幅方向の中央に位置する横センターラインFSLを基準として、耐熱紙12を内蔵した筒体状のフィルム素材10Aを内側(上面側)へ折り畳み、上下の端部を重ね合わせる。
次に、図2E、図2Fのように、上下に折り畳んだ複合素材を横線L1およびL2を基準として、上側部を表側と裏側との相反する方向へそれぞれ折り返す。最後に、図2Gのように、下半側の重なり合った部分の左右両端部を不図示のシーラーにより熱融着接合して容器状に成形する。
トイレパック10は、この状態でも容器状に折り畳まれているが、折り返し部分(以下、「保持部」という。)13、14を指で摘んで開口縁部Fを拡げれば、トイレパック10は簡易容器として成形されることになる(図3参照)。
図3および図4を参照して、このように本実施形態のトイレパック10は、その両側に長方形の羽根状の保持部13、14を備えており、これら保持部13、14を指で摘んで開口縁部11を左右に拡げると共に、該保持部13、14を利用して既設の便座開閉式便器(洋式便器)50の便座51の下に挟んで保持することができる。なお、トイレパック10は既設便器50内に装着することなく単体で用いても構わない。また、既設便器50の便座51へのトイレパック10の保持手順については後述する。
図5はトイレパック内の糞尿上に糞尿処理剤を散布する状態を示す概略図である。
図5を参照して、糞尿処理剤20は、防湿性を有する袋体21内に密封収納されており、袋体21を開封してトイレパック10内に受けた糞尿上に散布される。糞尿処理剤20は、使用の際に計量して用いてもよいが、本実施形態では、利便性を考慮して、1回の排便または数回の排便に見合う使用量が袋体21内に小分け密封されている。糞尿処理剤20は、疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰および発熱剤を含む粉体剤であり、さらに必要に応じて、吸水材および/または添加剤を含有していてもよい。以下、糞尿処理剤20の構成成分について詳述する。
(表面処理される生石灰)
本発明で用いられる表面処理される生石灰(CaO)の形態は、特に限定されないが、大便に対して効果的に分散させるという観点から、粉粒状であることが好ましい。また、その平均粒径は、0.1μm〜5mmの範囲であることが好ましく、0.5μm〜2mmの範囲であることがより好ましく、1μm〜1mmの範囲であることが特に好ましい。前記表面処理される生石灰の平均粒径が0.1μm未満である場合には、製造が困難となり生産コストが高くなる場合がある。一方、5mmより大きい場合には、得られる糞尿処理剤と糞尿との接触面積が減少し、反応効率が低下する場合がある他、糞尿処理時に塊状物が生じ、未反応物が残存する場合がある。また、必要に応じて、前記表面処理される生石灰は、平均粒径の異なる2種以上の生石灰を組み合わせて使用してもよい。なお、本発明において、前記平均粒径は、粒度分布測定装置により測定した値を採用するものとする。
(疎水性の被覆剤)
本発明で用いられる疎水性の被覆剤は、該被覆剤を使用して生石灰の表面を処理した際に、生石灰に対して疎水性を付与することができ、かつ、被覆後の生石灰を粉粒状にし易くする化合物であることが好ましい。
前記被覆剤の具体例としては、例えば、パラフィン、ステアリルアミン、高級脂肪酸、高級脂肪酸の塩、または高級脂肪酸のエステルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物などが挙げられ、これらの中でも、高級脂肪酸、高級脂肪酸の塩、および高級脂肪酸エステルからなる群より選択される少なくとも1種の化合物であることが好ましい。かかる高級脂肪酸としては、炭素数8〜26の一価または多価の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸が好ましく、炭素数8〜24の一価または多価の飽和脂肪酸または不飽和脂肪酸がより好ましく、炭素数10〜20の一価の飽和脂肪酸が特に好ましい。前記高級脂肪酸の具体例としては、カプリル酸、ペラルゴン酸、カプリン酸、ラウリン酸、ミリスチン酸、パルミチン酸、ステアリン酸、アラキン酸、リグノセリン酸、オレイン酸、リノール酸、リノレン酸、アラキドン酸などが挙げられる。前記高級脂肪酸の塩の具体例としては、アンモニウム塩;ナトリウム塩、カリウム塩などのアルカリ金属塩;またはカルシウム塩、マグネシウム塩などの第2族の金属塩などが挙げられる。また、前記高級脂肪酸のエステルの具体例としては、メチルエステル、エチルエステル、n−プロピルエステル、イソプロピルエステル、n−ブチルエステル、sec−ブチルエステル、tert−ブチルエステル、イソブチルエステル、n−ヘキシルエステルなどのアルキルエステル;またはシクロヘキシルエステルなどのシクロアルキルエステルなどが挙げられる。
被覆剤の使用量は、表面処理される生石灰に対し、0.01〜10質量%の範囲であることが好ましく、0.1〜3質量%の範囲であることがより好ましく、0.4〜1.5質量%の範囲であることが特に好ましい。被覆剤の使用量が、0.01質量%未満である場合には、糞尿処理時に、十分な反応遅延効果が得られず、急激に反応が進行し、均一な混合ができないために塊状物が生成する他、反応生成物の疎水性が保たれず、水分の混入等により元の糞尿の形態に戻る虞がある。一方、10質量%を超える場合には、生石灰の活性表面積が減少するため効率的に反応が進行しない虞がある他、コストが高くなる虞がある。
(疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰)
疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰の製造方法は、本発明の糞尿処理剤およびそれを用いた糞尿処理方法に悪影響を及ぼさない限り、特に限定されない。具体的には、例えば、被覆剤の融点よりも高い温度において、生石灰粉末と被覆剤とを混合する方法、または被覆剤の融点より若干低い温度に保持した生石灰粉末に、攪拌下、前記被覆剤の溶融物を噴霧する方法等が好ましく挙げられる。また、前記生石灰は、通常、炭酸カルシウムを焼成して製造されるため、焼成により得られた生石灰を所定の温度まで冷却した後、前記の表面処理方法に付すこともまた好ましい。前記の表面処理した生石灰は、必要に応じて、異なる使用量の被覆剤を用いて表面処理した生石灰を、2種以上組み合わせて使用してもよい。
前記の表面処理した生石灰の形状は、特に限定されないが、粉粒状であることが好ましい。また、その平均粒径は、0.1μm〜5mmの範囲であることが好ましく、0.5μm〜2mmの範囲であることがより好ましく、1μm〜1mmの範囲であることが特に好ましい。
(発熱剤)
本発明で用いられる発熱剤は、本発明の糞尿処理方法において悪影響を及ぼさない限り、特に制限されず、公知の発熱剤を使用することができるが、糞尿処理の系内において、水分、空気、または消石灰(Ca(OH)2)等との反応により発熱し、前記被覆剤の溶融に必要な熱量を供給しうる物質であることが好ましい。かかる発熱剤の具体例としては、例えば、生石灰、粉体アルミニウム、酸化アルミニウム、酸化マグネシウム、または無水塩化マグネシウム等が挙げられる。これらの化合物は単独でもまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
これらの中でも、糞尿処理にも寄与できるという観点から、生石灰を用いることが好ましい。この場合の生石灰の使用量は、前記表面処理した生石灰100質量部に対して、20〜200質量部の範囲であることが好ましい。生石灰の使用量が20質量部未満である場合には、発熱量が少なく、前記表面処理した生石灰の活性化が効率的に行えないために、糞尿処理時間が長くなる虞がる。一方、生石灰の使用量が200質量部を超える場合には、発生する過剰な熱量により、前記表面処理した生石灰が即座に活性化され、塊状物が生じ、未反応物が残存する虞がある。
しかしながら、前記発熱剤の使用量は、前記の発熱剤が生石灰である場合の使用量に制限されず、前記被覆剤の種類および使用量、ならびに発熱剤の種類などに基づき適宜調整可能である。
また、発熱剤として生石灰を用いる場合、形状は特に限定されないが、粉粒状であることが好ましい。また、その平均粒径は0.1μm〜5mmであることが好ましく、0.5μm〜2mmであることがより好ましい。
なお、前記の疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰が、糞尿処理時に水分等との反応による凝集を起こさず、かつ、糞尿処理時の混合条件により効率的に粉砕されうる場合、または前記疎水性の被覆剤の欄で述べたような物理的および/もしくは化学的機構により、被覆剤で表面処理した生石灰の表面から被覆剤が剥離され、活性面が露出した生石灰と糞尿との反応により、本発明で使用される前記表面処理した生石灰の表面に存在する被覆剤溶融に必要な熱量が供給されうる場合等においては、前記の表面処理した生石灰を発熱剤として使用することも可能である。
(吸水材)
本発明の糞尿処理剤は、吸水材をさらに含むことが好ましい。本発明で用いられうる吸水材は、活性な生石灰と糞尿との反応を制御する観点、すなわち、糞尿中に含まれる水分が、一度に生石灰の活性表面と反応して凝集により塊状物を生成し、未反応の糞尿が残存することを抑制する観点から添加されるものである。前記吸水材は、本発明の糞尿処理剤およびそれを用いた糞尿処理方法において悪影響を及ぼさない限り、特に制限はなく、公知の物質を使用することができるが、吸水性を有し、かつ吸水した水分が、生石灰の活性表面との接触において反応しうる物質であることが好ましい。かかる吸水材の例としては、例えば、おが屑、水溶紙、繊維束、不織布、ピートモス、または草炭等が挙げられる。これらは単独でもまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。吸水材の使用量は、吸水材の種類や形状、および被処理物である糞尿中に含まれる水分量などにより適宜調整可能であるが、糞尿処理剤100質量部に対して、1〜10質量部の範囲であることが好ましく、2〜6質量部の範囲であることがより好ましい。
(添加剤)
本発明の糞尿処理剤は、本発明の糞尿処理剤およびそれを用いた糞尿処理方法において悪影響を及ぼさない限り、吸水材に代えてまたは吸水材に加えてその他の添加剤をさらに含有していてもよい。かかる添加剤の例としては、臭気対策の観点から、香料、消臭剤、または脱臭剤;前記表面処理した生石灰の水に対する濡れ性を向上させるという観点から、アルコール等の親水性有機化合物、または界面活性剤;糞尿中の水分含量を制御するという観点から、シリカゲル、無水硫酸ナトリウム等の乾燥剤、吸水性樹脂等の保水剤等が挙げられる。これらの添加剤は、単独でもまたは2種以上を組み合わせて使用してもよい。
前記香料の例としては、例えば、レモンオイル、レモングラス、シナモン油、ラベンダー油、ベチパー等が挙げられる。
前記界面活性剤としては、各種の界面活性剤を使用することができ、その具体的な例としては、例えば、ポリオキシエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンモノ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンジ脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンプロピレングリコール脂肪酸エステル、ポリエチレンソルビタンモノ脂肪酸エステル、グリセリンモノ脂肪酸エステルなどのノニオン系界面活性剤;アルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルスルホサクシネート、アルキルサルフェート、ポリオキシエチレンアルキルサルフェート、アリールスルホネートなどのアニオン系界面活性剤;長鎖第1級アミン塩、ジアルキルジメチルアンモニウム塩、アルキルトリメチルアンモニウム塩、ベンジルトリメチルアンモニウムクロリド、アルキルピリジニウム塩、ベンザルコニウムクロリド、ベンゼトニウムクロリドなどのカチオン系界面活性剤;または塩酸アルキルジアミノエチルグリシン、塩酸アルキルポリアミノエチルグリシンなどの両性系界面活性剤等が挙げられる。
また、糞尿処理剤を糞尿に添加する際に用いられうる、後述の水溶性樹脂からなる包袋、水溶紙からなる包袋、または水解性不織布からなる包袋も、本発明の糞尿処理剤の添加剤として含有されうる。
(糞尿処理剤の調整方法)
本発明の糞尿処理剤の調製方法は、特に制限されず、例えば、疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰、および発熱剤を混合し、必要に応じて、さらに吸水材および/または所望の添加剤を混合する方法等が挙げられる。
前記表面処理した生石灰は、疎水性の被覆剤で被覆されているため、得られる糞尿処理剤の耐湿性が高まるだけではなく、糞尿処理時に糞尿と接触してもすぐには反応を起こさない反応遅延性を有していることから、生石灰の活性表面と直ちに接触して塊状物等を生成することがない。したがって、本発明の糞尿処理剤は糞尿上に均一に散布されうる。しかし、前記被覆剤として高級脂肪酸、特に炭素数が15〜26である高級脂肪酸を使用した場合には疎水性がより高くなる場合がある。このような場合には、界面活性剤等の添加剤または比較的疎水性の低い高級脂肪酸の塩、特に炭素数が8〜14である高級脂肪酸の塩を糞尿処理剤にさらに添加して使用してもよい。
前記糞尿処理剤20を糞尿上に散布する方法としては、特に限定されないが、取り扱いの容易性等の観点から、例えば、前記糞尿処理剤20を予め包袋に入れておき、糞尿処理時に前記包袋をそのまま糞尿上に散布する方法が好ましい。この場合の包袋は、糞尿処理時に糞尿処理剤20が糞尿に効率的に拡散するよう、水溶性樹脂からなる包袋、水溶紙からなる包袋、または水解性不織布からなる包袋であることが好ましい。なお、これらの態様を含め、前記糞尿処理剤20は、耐湿、耐水条件下で保存することが好ましい。
本実施形態では、トイレパック10に受けた糞尿上に前記糞尿処理剤20を散布するだけで、積極的に糞尿との混合(攪拌)は行わない。糞尿処理剤20と糞尿を攪拌しないので、反応温度は緩やかに上昇する。この場合、便自体は粉体にならないが、数日後乾燥した状態の便となり、臭いはしなくなる。
図6は本実施形態の処理袋を示す模式図である。図7は本実施形態の処理袋にトイレパックごと糞尿を投入する状態を示す概略図である。
図6および図7を参照して、本実施形態の処理袋30は、糞尿を発熱処理する使い捨ての簡易袋であって、耐熱性を有するフィルム素材30Aを上下に折り畳んで左右両端部30Bを接合することにより、例えば、390mm×470mmの袋体状に成形されている。この処理袋30は、折り畳んだ状態で保管され、使用時には開口部31を拡げて内部にトイレパック10ごと糞尿および糞尿処理剤20を投入する。
本実施形態では、処理袋30のフィルム素材(基材)は、前記トイレパック10の素材と共材により構成され、例えば、アルミニウム箔や銅箔等の金属箔で構成されている。前記トイレパック10と同様に金属箔素材あるので、80℃以上450℃以下の温度において耐熱性を有し、糞尿処理剤20の反応熱に強く、焦げて穴が開いたり、着火したりする虞がない。
この処理袋30の構成素材は金属箔であるので、表裏面の樹脂層の有無に関わらず撥水性を有しているが、本実施形態では、前記トイレパック10と同様に、金属箔素材の表裏面に、例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ナイロン等の樹脂層をラミネートもしくはコーティングして積層している。したがって、容器状に成形する際にシーラー(シール装置)を使用して熱融着接合することが可能となり、接合部の密封性に優れている。なお、本実施形態では、金属箔素材の表裏面に樹脂層を積層しているが、これに限定されるものではなく、少なくとも接合面に樹脂層が積層されていればよい。
また、処理袋30の開口部31は、密閉可能に形成されている。例えば、処理袋30の開口縁部の内側に、線状凸部と、この線状凸部を挿入保持する線状凹部と、からなる簡単に密閉および開放可能なファスナー32が設けられている。使用者が指でファスナー32を押圧して、線状凹部に線状凸部を挿入することにより、処理袋30の開口部31を容易に密閉することができる。
さらに、処理袋30の開口部近傍には、例えば、50mm×170mmの長方形状の通気窓部33が開口され、この通気窓部33には処理袋30内の臭気ガスを吸着する活性炭42、および該活性炭の吸湿を防止する吸水材41が装着されている。なお、活性炭42および吸水材41の通気窓部33への装着方法は、通気窓部33の開口周縁部において接着、熱融着などによって行われ得る。
吸水材41は、水分を吸収するフィルム状部材であり、通気窓部33の開口形状に合わせて形成され、該通気窓部33に装着されている。吸水材41の材質としては、例えば、不織布や多孔質のアクリル樹脂や高分子吸湿剤等が挙げられる。条件としては、水蒸気の熱で変質しない材質が望ましい。
活性炭42は、例えば、活性炭シートであって吸水材41上に配置されて、通気窓部33を覆うように装着されている。活性炭42は、具体的には、不織布にポリエチレン(PE)またはポリプロピレン(PP)をバインダーにして活性炭繊維を編み込んでシート状に形成したものを使用する。吸水材41および活性炭42は、一体のものであっても、分割されたものであってもよい。なお、通気窓部33や吸水材41および活性炭42の配置は、本実施形態に限定されない。
(糞尿処理方法)
次に、図1から図7を参照して、本発明に係る糞尿処理方法の一実施形態について説明する。
本実施形態の糞尿処理方法は、まず、上述のように、容器状に成形されたトイレパック10内に糞尿を受ける。トイレパック10は、通常時は折り畳んだ状態で収納等されており、災害時に収納場所や災害袋などから取り出される。そして、図3および図4に示すように、トイレパック10の外側両面に位置する長方形状の保持部13、14を指で摘んで、その開口縁部11を左右に拡げて容器状に成形し、これら保持部13、14を利用して既設の便座開閉式便器(洋式便器)50の便座51によって保持する。
具体的には、図3のように、便器50の便座51を上方へ開けた状態で、トイレパック10の容器部分15を便器50内に収容し、指で摘んで左右に張り出させた保持部13、14を該便器50の左右の縁部に載せて配置する。次に、図4のように、便座51を押し下げて閉じれば、該便器50の左右縁部と便座51との間に保持部13、14を挟んで保持することができる。
なお、トイレパック10は、既設便器内に装着することなく、単体での使用も可能であり、又、保持することはできないが、便座を有しない便器(和式便器)内に装着しても構わない。
トイレパック10は、表裏面に樹脂層を積層した金属箔を熱融着接合して成形されており、接合部を含めて全体として撥水性を有するので、トイレパック10内に受けた糞尿の水分が該トイレパック10の外に漏れ出ることはない。
図6に示す処理袋30は、ベランダ、風呂場および軒下等の雨露の凌げる屋外に配置することが好ましい。トイレパック10に糞尿を受けた後、処理袋30の配置場所まで移動し、図5のように、糞尿処理剤20を密封した袋体21を開封して、トイレパック10内の糞尿上に糞尿処理剤20を振り掛ける。なお、糞尿は、大便単独でもよいし、大便と小便との混合物であってもよい。
糞尿処理剤20の使用量は適宜計量してもよいが、使用の簡便性を考慮すると、1回または数回の排便に見合う使用量が袋体21内に小分けして密封されていることが好ましい。具体的には、被処理物である糞尿100質量部に対し、1〜200質量部の範囲であることが好ましく、10〜150質量部の範囲であることがより好ましく、80〜120質量部であることがさらに好ましい。上記使用量が、1質量部未満である場合には、糞尿の吸着処理が十分に行えず、未反応物が残存してしまう虞がある。一方、200質量部より多い場合には、処理効率が悪くなる虞がある。
糞尿処理剤20の散布後、糞尿と糞尿処理剤20を混合(攪拌)することなく、これら内容物をトイレパック10ごと処理袋30内に投入し、この処理袋30内で糞尿を発熱処理する。
処理袋30内に糞尿および糞尿処理剤20をトイレパック10ごと投入した後、ファスナー32により開口部31を閉じて、そのまま放置し、処理袋30内で糞尿と糞尿処理剤20との水和反応(発熱反応)を進行させる。すなわち、発熱剤が糞尿との反応により発熱して、表面処理した生石灰の被覆剤を溶融し生石灰の活性表面を露出させ、生石灰が、さらに糞尿中の水分と反応して発熱すると共に、反応生成物である水酸化カルシウムが糞尿を吸着する。本実施形態では、トイレパック10に受けた糞尿上に前記糞尿処理剤20を散布するだけで、積極的に糞尿との混合(攪拌)を行わないので、反応温度は緩やかに上昇する。具体的には、数分後に約80℃まで上昇し、10分程で常温に近い温度に下降する。この場合、便自体は粉体にならないが、数日後乾燥した状態の便となり、臭いはしなくなる。糞尿処理剤20と糞尿の攪拌を行わないので、へら等が不要であり、混ぜる手間も省ける。処理後の乾燥した便は、被覆剤の効果により疎水性を有し、雨水等の水分の混入等によっても元の糞尿の形態に戻ることはない。また、上記の処理系内は、温度が80℃程度に達し、かつ、強アルカリ性であるため糞尿中の菌をアルカリ殺菌することができ、5〜6ヶ月経過しても処理後の物質の悪臭の発生はないと思われる。
なお、糞尿処理剤20の発熱反応により処理袋30内には蒸気が充満するが、蒸気の発生量が多い場合には処理袋30の開口部を開けて逃せばよく、蒸気の発生が弱まってから処理袋30の開口部31を密封すればよい。
トイレパック10および処理袋30の構成素材は金属箔であるので、80℃以上450℃以下の温度において耐熱性を有しているので、糞尿処理剤20の発熱反応による反応熱で焦げて穴が開いたり、引火したりするのを防止することができる。また、処理袋30の開口部近傍には、処理袋30内で発生した臭気ガスを吸着する活性炭42が装着されている。この活性炭42には吸水材41が組み合わされており、活性炭42の空孔が初期に水蒸気で塞がって臭気ガスの吸着が低下することが防止される。
処理袋30内での発熱処理の完了後に、処理物(処理済みの糞尿等)を廃棄する。実際には、処理袋30内にトイレパック10ごと内容物を投入した後、発熱処理の反応熱は10分程で常温に近い温度に下降するので、廃棄が可能となる。発熱処理済みの糞尿やトイレパック10等を処理袋30に収容したままで、衛生的に処理物(処理済みの糞尿等)を廃棄することができる。
以上のように、本実施形態の糞尿処理装置1および糞尿処理方法によれば、使い捨てのトイレパック10を既存の便器50に配置して糞尿を受け、例えば、疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰および発熱剤を含む糞尿処理剤を用いて、屋外等に配置した処理袋30内で糞尿の発熱処理を行うことができる。そして、糞尿を受ける容器状のトイレパック10は、表裏面に樹脂ラミネートを施した金属箔を熱融着接合して成形されており、全体として撥水性を有するので、トイレパック10内に受けた糞尿の水分が外に漏れ出ることはない。また、トイレパック10は糞尿を受ける部分に断熱性素材12が内蔵されており、トイレパック10内に受けた糞尿上に糞尿処理剤20を散布して、これをトイレパック10ごと金属箔製の処理袋30内に投入するので、糞尿処理剤20の発熱反応による反応熱で焦げて穴が開いたり、着火したりするのを防止することができる。さらに、糞尿の発熱処理後に処理袋30ごと内容物を廃棄することができ、極めて衛生的である。
本発明は、上述した実施形態のみに限定されるものではなく、特許請求の範囲内において、種々改変することができる。例えば、糞尿処理剤としては、上記実施形態のものに必ずしも限定されるものではなく、例えば生石灰から構成された糞尿処理剤等の任意の形態の糞尿処理剤が使用され得る。
また、トイレパック10の折り畳み成形の構造は、本実施形態に限定されず、容器部分15に水平面を有する底部を設ける等して、容器部分15をより広く形成してもよい。
本発明は、トイレットおよび糞尿処理の関連分野に好適に用いられうる。
1 糞尿処理装置、
10 トイレパック、
10A フィルム素材、
12 断熱性素材
13、14 保持部、
20 糞尿処理剤、
30 処理袋、
33 通気窓部、
41 吸水材、
42 活性炭、
50 既設便器、
51 便座。

Claims (8)

  1. 少なくとも糞尿を受ける部分に断熱性素材を内蔵した耐熱性および撥水性を有するフィルム素材製の容器状のトイレパック内に糞尿を受け、
    該トイレパック内に受けた糞尿上に糞尿処理剤を散布した後、
    これらを混合することなく、前記トイレパックごと耐熱性を有するフィルム素材製の処理袋内に投入して、該処理袋内で糞尿を発熱処理し、
    該処理袋ごと処理後の内容物を廃棄することを特徴とし、
    前記処理袋は、樹脂層を積層した金属箔素材を袋体状に熱融着接合して成形され、開口部が密封可能に形成されているとともに、通気窓部を有し、該通気窓部には前記処理袋内の臭気ガスを吸着する活性炭、および該活性炭の吸湿を防止する吸水材が装着されていることを特徴とする糞尿処理方法。
  2. 前記トイレパックは、樹脂層を積層した金属箔素材を容器状に熱融着接合して成形され、少なくとも糞尿を受ける部分に断熱性素材が内蔵されていることを特徴とする請求項1に記載の糞尿処理方法。
  3. 前記トイレパックを既設の便器内に配置して糞尿を受けることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の糞尿処理方法。
  4. 前記糞尿処理剤が、少なくとも、疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰および発熱剤を含む粉体剤であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の糞尿処理方法。
  5. 少なくとも糞尿を受ける部分に断熱性素材を内蔵した耐熱性および撥水性を有するフィルム素材製の容器状のトイレパックと、
    該トイレパック内に受けた糞尿上に散布される糞尿処理剤と、
    該糞尿処理剤の散布後に前記トイレパックを投入して糞尿の発熱処理を行う耐熱性を有するフィルム素材製の処理袋と、を備えてなることを特徴とし、
    前記処理袋は、樹脂をラミネートした金属箔素材を袋体状に熱融着して成形され、開口部が密封可能に形成されているとともに、通気窓部を有し、該通気窓部には前記処理袋内の臭気ガスを吸着する活性炭、および該活性炭の吸湿を防止する吸水材が装着されていることを特徴とする糞尿処理装置
  6. 前記トイレパックは、樹脂層を積層した金属箔素材を容器状に熱融着接合して成形され、少なくとも糞尿を受ける部分に断熱性素材が内蔵されていることを特徴とする請求項5に記載の糞尿処理装置
  7. 前記トイレパックは、既設の便座開閉式便器の便座によって保持可能な保持部を備えていることを特徴とする請求項5または請求項6に記載の糞尿処理装置。
  8. 前記糞尿処理剤が、少なくとも、疎水性の被覆剤で表面処理した生石灰および発熱剤を含む粉体剤であることを特徴とする請求項5から請求項7のいずれか1項に記載の糞尿処理装置。
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