JP2010183849A - 鯖魚醤及びその製造法 - Google Patents

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Abstract

【課題】鯖のへしこ製造の際に廃棄されている鯖の内臓等の部分を有効利用する方法を提供する。
【解決手段】鯖魚肉、例えば鯖のへしこ製造の際に廃棄されている鯖の内臓や身の部分に食塩を5重量%以上になるように加え、5℃から60℃にて、3日以上保存して自己消化させた後、60℃以上の温度で10分以上殺菌し、ろ過して清澄液を得ることにより、好ましくはグルタミン酸を1g/L以上含む魚醤を得る。
【選択図】なし

Description

本発明は、魚醤及びその製造法に関し、詳しくは、鯖魚肉を原料として、鯖魚肉のタンパク質を分解することにより得られる調味液を生産しようとするものである。
魚醤に関しては、古くから知られており、タイのナンプラー、ベトナムのヌックナムや日本のしょっつる、いしりなどが知られている(非特許文献1)が、鯖魚肉あるいは内臓あるいはその両方を含む肉を原料としたものは知られていない。
北陸では古くから鯖の保存食として糠漬け(へしこ)が盛んである。へしこは、魚の内臓を取り除き、塩漬にした後、米糠等に浸けて発酵、熟成させることにより製造されるが、取除かれた内臓及びそれに伴う身は未利用のまま処分されている。
小泉武夫、中公新書「発酵」、中央公論社、1989年、第143頁
本発明は、鯖のへしこ製造の際に廃棄されている鯖の内臓等の部分を有効利用する方法を提供することを課題とする。
本発明者は、上記課題を解決するために鋭意検討を行った結果、鯖のへしこ製造の際に廃棄されていた内臓等の部分は、魚醤製造の原料として適していることを見出し、本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、以下のとおりである。
(1)食塩と混合した鯖魚肉を自己消化させてグルタミン酸を1g/L以上となるように遊離せしめた液、又はそれをろ過して得られた清澄液からなる魚醤。
(2)鯖魚肉に食塩を5重量%以上になるように加え、5℃から60℃にて、3日以上保存して自己消化させた後、60℃以上の温度で10分以上殺菌し、ろ過して清澄液を得ることを特徴とする、魚醤の製造法。
(3)鯖魚肉が、鯖のへしこの製造の際に魚体から除去される内臓肉及び/又は身である、前記方法。
本発明により、鯖を原料とする新規な魚醤、及びその製造法が提供される。本発明の魚醤は、調味料として適している。また、本発明によれば、従来へしこ製造の際に廃棄されていた内臓やその回りの身を、有効利用することができる。
さらに、通常の魚醤では発酵に半年から一年程度要するが、本発明の鯖魚肉を用いた魚醤は、1〜3ヶ月程度で製造できる。発酵期間が短いので、変色が少なく、薄い色の魚醤が得られることが多い。また、好ましい形態においては、従来の魚醤よりも芳ばしい香が得られる。
以下、本発明を詳細に説明する。
本発明の魚醤は、鯖を原料とする。
使用される鯖は、特に種類は制限されず、例えばマサバ及びゴマサバが挙げられる。ま
た、国産及び海外産のものを問わず、また、生鮮魚あるいは冷凍保存存されたものでもよい。
本発明において使用される鯖魚肉は、鯖の魚体の全体又はその一部である限り特に制限されないが、身(筋肉)、内臓、頭部等のいずれでもよい。好ましくは内臓もしくは身又はこれらの両方であり、内臓を含むことがより好ましい。特に好ましいのは、へしこ製造の際に魚体から取除かれる内臓及びその周囲の身である。
鯖の魚肉を食塩と混合し、適当な条件で保存することにより、魚肉中のタンパク質が自己消化され、アミノ酸が遊離する。鯖の自己消化酵素は、主に、胃及び腸などの内臓部位に存在するので、これらの部位に含まれる消化酵素を有効に利用するが、外部より、タンパク分解酵素であるプロテアーゼやペプチダーゼの酵素 標品あるいはそれらを生産する麹菌のようなものを添加して自己消化を促進させてもよい。
鯖魚肉に、食塩濃度5%以上、通常には5−30%(以下、特記しない限り、濃度%は重量%(終濃度)である。)になるように食塩を添加し、5℃以上、好ましくは10℃以上、特に好ましくは20℃以上の環境で3日以上、望ましくは一ヶ月以上発酵させる。尚、必要に応じて、水を加えてもよい。発酵の環境の温度と発酵時間は、使用した鯖のもつ消化酵素の強さによって多少の変動があるので、生成してくるアミノ酸を分析しながら発酵の進捗を確認するとよい。又、発酵環境の温度が高くなれば発酵時間は短縮される。しかしながら、温度が高すぎると消化酵素が失活することがあるので、60℃以下、好ましくは50℃以下、より好ましくは40℃以下、さらに好ましくは30℃以下であることが好ましい。通常は、発酵は3ヶ月程度で十分である。鯖魚肉は、ミンサーによって細かくしてもよいが、そのまま漬けることもできる。発酵途中で、攪拌してもしなくてもよい。
上記工程において、自然に混入する、又は人為的に添加する微生物の作用によって、タンパク質の消化がされてもよい。しかし、本発明において「発酵」とは、必ずしも微生物の作用を必要とするものではなく、タンパク質の分解が実質的に自己消化又は添加した酵素の作用のみによるものであってもよい。
食塩濃度が薄い場合は、長期間発酵を続けると、一旦生成したアミノ酸が分解し始めることがあるので、上記範囲が好ましい。
発酵終了後、60℃以上の温度で、10分以上、望ましくは30分以上、特に望ましくは60分程度加熱する。100℃に加熱した場合は20分程度でよい。この加熱の目的は、未分解のたんぱく質を不溶化させることと、殺菌することにある。加熱時間は、加熱温度に応じて適宜設定することができる。加熱処理後、室温又はそれ以下、望ましくは4℃前後の低温環境に数時間から一週間程放置することにより、不溶性たんぱく質を十分に析出させる。不溶物に油が含まれる場合には、沈殿せずに上部に浮遊するが、品質には影響ない。
不溶物は、必要に応じてろ過ないし遠心分離等によって除いてもよい。さらに、これらの手段により除いた後、セライトを使用して濾過して、透明なろ液を得てもよい。
本発明の方法により得られる魚醤には、比較的高濃度のアミノ酸、例えばグルタミン酸が含まれている。グルタミン酸の濃度としては、好ましくは1g/L以上、より好ましくは3g/L以上、特に好ましくは5g/L以上である。グルタミン酸の濃度の上限は特に制限されないが、通常、本発明の方法により得られる魚醤では、10g/L以下である。
以下、実施例にて詳細に説明する。
〔実施例1〕
へしこ生産過程で副生してきた鯖の内臓20kgを、ミキサーにて細かく粉砕した後に、5kgづつ樽に移し、食塩を添加して、各々5%、10%、20%、30%となるように調合した。各々の樽を30℃に調節された培養室に移し、発酵させた。
グルタミン酸濃度を測定しながら発酵の状態を観察した。
食塩5%濃度のものは、7日目でグルタミン酸濃度がピークに達し、以後、低下傾向を示した。食塩10%のものは10日目でグルタミン酸濃度はピークに達し、以後、減少し始めた。食塩20%濃度のものは4週間でピークに達し、以後、グルタミン酸の減少は殆ど認められなかった。食塩30%濃度のものは、8週間でグルタミン酸の濃度がピークに達し、その後は殆ど変化しなかった。
したがって、工程の安定性・経済性を考えると、20%濃度に調合すると良いことがわかった。
〔実施例2〕
へしこ生産過程で副生してきた内蔵20kgに食塩をまぶしながら食塩濃度が20%となるように、漬け込み樽を用いて調合した。30℃の培養室に移し、1−3ヶ月、時々攪拌しながら発酵させた。経時的にサンプルをとり、グルタミン酸の遊離を分析することにより発酵の進捗を確認し、グルタミン酸の遊離が止まった時点から1―4週間熟成させ、100℃で20分間加熱し、熱にて不溶性となったたんぱく質を析出させた。冷却後、布にてろ過し、6日間4℃の低温環境に放置することによって、不溶たんぱく質の析出を促進させた。得られた冷却液を、目の細かいろ紙およびセライトを用いてろ過を行い、清澄液15kgを得た。
このろ液に含まれるグルタミン酸の濃度は約5g/Lであった。
他のアミノ酸分析含量は以下のとおりであった。
Figure 2010183849
〔実施例3〕
鯖加工品製造工程で出てきた内臓と鯖魚肉含有部位を合計15kg混合し、食塩をまぶしながら食塩濃度が30%になるように漬け込み樽の中で調合した。30℃に調整された培養室に放置し、時々攪拌しながら発酵させた。経時的にサンプルを採取し、グルタミン酸濃度が4.5g/Lに達したときから2週間熟成させた後、布にてろ過し、100℃で30分間過熱した。冷却後、1週間4℃に調節された低温室に保管し、不溶性のタンパク質を析出させた。不溶性タンパク質は、目の細かいろ紙およびセライトにてろ過し、清澄な液を約10kgを得た。グルタミン酸の濃度は、4.5g/Lであり、内臓だけのもの
と殆ど変わりはなかった。アミノ酸組成についても殆ど同じであった。
Figure 2010183849

Claims (3)

  1. 食塩と混合した鯖魚肉を自己消化させてグルタミン酸を1g/L以上となるように遊離せしめた液、又はそれをろ過して得られた清澄液からなる魚醤。
  2. 鯖魚肉に食塩を5重量%以上になるように加え、5℃から60℃にて、3日以上保存して自己消化させた後、60℃以上の温度で10分以上殺菌し、ろ過して清澄液を得ることを特徴とする、魚醤の製造法。
  3. 鯖魚肉が、鯖のへしこの製造の際に魚体から除去される内臓肉及び/又は身である、請求項2に記載の方法。
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