JP4231942B2 - 魚介類を用いた発酵調味料の製造方法及び製品 - Google Patents

魚介類を用いた発酵調味料の製造方法及び製品 Download PDF

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本発明は魚介類を原料とした発酵調味料の製造方法及び製品に関するものである。
魚介類を原料とした発酵調味料には魚醤油(非特許文献1)や魚肉味噌(非特許文献2)がある。これらは、魚介類と食塩、水、場合によっては麹を混合し、発酵させたものである。魚醤油では、魚体全体或いは魚肉を一定期間発酵させた後、濾過を行い骨、皮などの夾雑物を除去し製品となる。また、魚肉味噌では頭、内臓、骨、皮を除去した魚肉を使用し、一定期間発酵を行い製品となる。従来の製品では、魚醤油、魚肉味噌いずれも骨、皮が除去、廃棄される。
このような魚介類を原料とした発酵調味料では、発酵過程において魚介類由来の酵素、微生物及び発酵中に増殖する微生物の影響により、主として魚介類原料に由来するヒスチジンが脱炭酸されヒスタミンが生成される(非特許文献3)。
ヒスタミンはアレルギー様食中毒の原因物質であり、大量に摂取すると食中毒を引き起こす。
「全国水産加工品総覧」(株)光琳、2005年、p.589〜600 「全国水産加工品総覧」(株)光琳、2005年、p.219〜222 「月刊フードケミカル」2005年、p.43〜49
上記のように魚介類原料の発酵調味料製造では骨、皮、一部内臓が廃棄処理されており、魚体全体を利用する発酵調味料やその製法は開発されていない。
魚介類の発酵調味料では、発酵中にヒスタミンが生成される。ヒスタミン含量は製造条件によってバラツキがあるが、ヒスタミンが大量に含まれる場合もあり、極めて重大な問題である。しかし、ヒスタミン生成を効果的に抑制、あるいは制御する方法は今のところ開発されていない。
本発明では、原料となる魚介類を酸類で処理することで、廃棄物を生じずに、ヒスタミン含量を低減した魚介類の発酵調味料とその製造方法を目的とする。
本発明は、上記の課題を解決する為、原料として魚介類の魚体全体又は一部を利用し、これらをそのままか或いは小片化して重量比で2〜5%のクエン酸で処理し、その後、一定期間の発酵を行い、魚介類の発酵調味料を製造するものである。
クエン酸は、溶液又は固体のいずれの状態でも使用可能で、その濃度、処理の時間は任意に調整可能である。使用する魚介類によってクエン酸の濃度、処理時間等を調整することが好ましい。
クエン酸処理の際、溶液を用いることで水分量を調整することができる。最終的な製品形態に応じてクエン酸溶液量を調整することが好ましい。
クエン酸処理によって、骨はカルシウム化合物の大部分が遊離するため脆弱化し微細化する。皮は微細な小片となる。クエン酸処理及び発酵工程中は定期的に撹拌する事が好ましい。
クエン酸処理を発酵調味料の原料に施すことによって、発酵中のヒスタミン生成量が抑制される。
本発明に係る魚介類の発酵調味料の製造工程を下記の図1に示した。
魚介類原料の酸処理工程において、任意の水分に調整可能であることから、魚醤油及び魚味噌いずれの発酵調味料にも応用が可能である。
クエン酸処理により、原料となる魚介類の魚体全体が使用可能となり、廃棄物が殆ど出ない。
クエン酸処理後、そのまま発酵工程に移行するため製造工程が簡便であり、使用したクエン酸も廃棄されない。
骨に含まれるカルシウム化合物、コラーゲン及びその分解物、皮に含まれるコラーゲン及びその分解物が栄養成分として有効利用できる。
ヒスタミン含量が低減されるため製品の安全性が高まる。
発明の実施の形態を実施例にもとづき説明する。
魚介類原料にアジを用いた発酵調味料の製造について説明する。
ミンチにしたアジ(ここでは2kg)に対し重量比で3%のクエン酸粉末を添加し、攪拌する。室温で72時間静置する。その間、24時間毎によく攪拌する。ついで、ミンチにしたアジに対し、重量比40%の米麹と目標塩分が10重量%となる食塩を添加し、攪拌する。ついで、30℃の恒温室で60日間発酵熟成させる。その間、7日間毎によく攪拌する。
図2において、アジをミンチにし、クエン酸粉末で処理(以下、酸処理)後、製造した発酵調味料(発酵10日目)のカルシウムの遊離率を示す。カルシウム遊離率は原料魚であるアジに含まれる全カルシウム量を100%とした場合の遊離カルシウム量の割合を示す。遊離カルシウム量は発酵調味料を約60℃の熱水に溶解後、ろ過し、そのろ液に含まれるカルシウムを原子吸光光度法によって測定した。
図2における酸処理では、クエン酸粉末をアジのミンチに対し重量比3%添加し混合した。その後、室温で72時間静置して酸処理を行った。
酸処理は、原料となる魚介類によって、濃度、処理時間を調整することが必要である。
図2から、酸処理した発酵調味料ではカルシウム遊離率が74%以上となり、未処理のものでは10%未満であった。酸処理によって、発酵10日目の段階で骨のカルシウム化合物の大部分が遊離した事が実証されている。また、一定期間の発酵後、当発酵調味料を食した場合、骨のザラツキ感は全くなく、残存する皮が目視で認められないことを確認した。
上記の結果から、酸処理によって、原料魚の魚体全体を利用した発酵調味料が製造でき、骨、皮が発酵調味料の品質、安全性に影響を与えないと考えられる。
図3において、処理したアジを用いて製造した発酵調味料(発酵60日目)のヒスタミン含量を示した。測定に用いたのは上記で説明したものと同一の発酵調味料である。
図3から、酸処理を施した調味料の発酵期間中のヒスタミン含量は、未処理のものと比較し、明らかに低くなった。このことから酸処理により発酵過程でのヒスタミン生成が抑制されたとものと考えられる。
図4において、酸処理したアジを用いた発酵調味料(発酵60日目)のヒスチジン含量を示した。
図4から、未処理の発酵調味料と比較して、酸処理した発酵調味料では、ヒスチジン含量が高くなっている。このことから、酸処理することで、発酵中、ヒスチジンからヒスタミンへの変換を抑制したと考えられる。
図5において、酸処理したアジを用いた発酵調味料(発酵60日目)のヒドロキシプロリン含量を示した。
図5から、酸処理した発酵調味料中にはヒドロキシプロリンが含まれるが、未処理の発酵調味料には含まれない。ヒドロキシプロリンはコラーゲン、エラスチンに特異的に含まれるアミノ酸である。魚体内における含量はコラーゲンが圧倒的に多い。よって、酸処理することでコラーゲンが骨、皮から溶解し、酸処理した発酵調味料中にコラーゲン或いはその分解物が含まれていることが実証された。また、従来、廃棄される骨、皮のコラーゲンも有効に利用されると同時に、酸処理が骨、皮の脆弱化を促進していることを示唆するものである。
魚介類原料に殻を除去したアワビを用いた発酵調味料の製造について説明する。
殻を除去し、ミンチにしたアワビ(ここでは2kg)に対し重量比で2%のクエン酸粉末を添加し、攪拌する。室温で6時間静置する。ついで、ミンチにしたアワビに対し、重量比50%の米麹と目標塩分が10重量%となる食塩を添加し、攪拌する。ついで、30℃の恒温室で60日間発酵熟成させる。その間、7日間毎によく攪拌する。
魚介類原料に殻を含むアワビを用いた発酵調味料の製造について説明する。
殻は大型のハンマー等で細かく粉砕する。これとミンチにしたアワビの混合物(ここでは合計2kg)に対し重量比で5%のクエン酸粉末を添加し、よく攪拌する。室温で5日間静置する。その間、24時間毎によく攪拌する。ついでアワビ(貝殻含む)に対し、重量比50%の米麹と目標塩分が10重量%となる食塩を添加し、攪拌する。ついで、30℃の恒温室で90日間発酵熟成させる。その間、7日間毎によく攪拌する。
上記3実施例では、発酵熟成の温度条件を30℃恒温としたが、常温でも可能であり、その場合、発酵熟成期間は長くなる。
原料としてあじ類、さば類、いわし類等、その他の魚類や、甲殻類、頭足類、或いは貝類でも同様の方法で発酵調味料が製造可能である。貝類の場合、製品の利用目的に応じては、殻は除去することが好ましい。
上述の発明は、魚介類を原料とした発酵調味料である魚醤油や魚肉味噌の製造方法として利用可能である。
発酵調味料の製造工程の概略を示す図である。 酸処理したアジを用いた発酵調味料中のカルシウム遊離率を示す図である。 酸処理したアジを用いた発酵調味料の発酵期間中のヒスタミン含量の推移を示す図である。単位は水分量の影響を排除するため、原料アジ当たりのppmとした。 酸処理したアジを用いた発酵調味料の発酵期間中のヒスチジン含量を示す図である。単位は水分量の影響を排除するため、原料アジ当たりのmg/100gとした。 酸処理したアジを用いた発酵調味料の発酵期間中のヒドロキシプロリン含量を示す図である。単位は水分量の影響を排除するため、原料アジ当たりのmg/100gとした。

Claims (4)

  1. 原料となる魚介類の魚体全体を重量比で2〜5%のクエン酸で処理し、ついで所定温度にて一定期間、発酵熟成する、骨のザラツキ感がなく、残存する皮が目視で認められないヒスタミン含量を低減した発酵調味料の製造方法。
  2. 原料となる魚介類の貝類あるいは頭足類を重量比で2〜5%のクエン酸で処理し、ついで所定温度にて一定期間、発酵熟成することで、調味料中のヒスタミン含量を低減した発酵調味料の製造方法。
  3. 請求項1および請求項2のいずれかに記載の方法によって製造される発酵調味料。
  4. 魚肉味噌である請求項3記載の発酵調味料。
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