JP2000139417A - 水産加工食品及びその製造方法 - Google Patents

水産加工食品及びその製造方法

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JP2000139417A
JP2000139417A JP10313065A JP31306598A JP2000139417A JP 2000139417 A JP2000139417 A JP 2000139417A JP 10313065 A JP10313065 A JP 10313065A JP 31306598 A JP31306598 A JP 31306598A JP 2000139417 A JP2000139417 A JP 2000139417A
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sodium
salt
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shellfish
processed
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Akihito Wakasugi
昭仁 若杉
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MARUHA HASHIMOTO SHOKAI KK
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MARUHA HASHIMOTO SHOKAI KK
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 多量の食塩を用いなくても、冷凍又は冷蔵を
要せず日持がする等、保存性が良好で、しかも、嗜好性
の多様化に対応した水産加工食品を提供することを課題
とする。 【解決手段】本発明にかかる水産加工食品は、有機酸又
はその塩類、及び食塩が添加された魚介身が、加熱され
た後、細砕されてなることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、サケ、マス、イワ
シ、アジ、サバ、エビ、カニ、イカ、タコ、ウニ、白身
魚(タラ等)等の魚介身を用いた水産加工食品及び水産
加工食品の製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来、この種の水産加工食品としては、
魚身の冷凍すり身や魚の落とし身に調味料や野菜等の具
材を混ぜ合わせてなるものが公知である。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】ところで、魚身の冷凍
すり身や落とし身等は、付着する雑菌の数が多く、ま
た、雑菌の非常に繁殖しやすいものであるので、上記水
産加工食品は、繁殖する雑菌数が非常に多く、日持ちの
しないものであった。
【0004】また、繁殖する雑菌が多いため、冷凍又は
冷蔵による保管、流通を余儀なくされ、保管、流通に費
用がかかるという経済上の問題もあり、更には、品質管
理能力の充分でない中小製造業者、流通業者及び消費者
に於いては、雑菌汚染や腐敗等による重大な事故が起こ
る懸念もあり、食品衛生上問題となっていた。これに対
し、多量の食塩を添加し、保存性を向上させる方法も考
えられるが、近年の健康食品ブームや成人病予防の観点
から、減塩化は、余儀なくされるものである。
【0005】一方、冷凍すり身は、蒲鉾や竹輪等の練り
製品に利用されるものが大半であるが、サケ等の冷凍す
り身を蒲鉾等に加工すると、非常に硬くボソボソとした
食感となる。また、近年の嗜好性の多様化から、種々の
食し方のできる新たな食品が案出されることは好ましい
ことである。
【0006】そこで、本発明は、上記従来の問題点等に
鑑みなされたもので、多量の食塩を用いなくても、冷凍
又は冷蔵を要せず日持がする等、保存性が良好で、しか
も、嗜好性の多様化に対応した水産加工食品を提供する
ことを課題とする。
【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題を解決すべく、
本発明にかかる水産加工食品は、有機酸又はその塩類、
及び食塩が添加された魚介身が、加熱された後、細砕さ
れてなることを特徴とする。また、上記課題を解決すべ
く、本発明にかかる水産加工食品の製造方法は、有機酸
又はその塩類、及び食塩を魚介身に添加する第1工程
と、該第1工程により処理された魚介身を加熱する第2
工程と、さらに該第2工程により処理された魚介身を細
砕する第3工程とを経ることを特徴とする。
【0008】上記構成からなる水産加工食品及び水産加
工食品の製造方法にあっては、魚介身が有機酸又はその
塩、及び食塩が添加されてなるので、魚介身に付着した
雑菌は、減少するとともに、食塩により魚介身の肉質は
引き締められて細砕が行いやすくなるという利点も有す
る。しかも、有機酸又はその塩類を使用するため、食塩
のみを使用する場合に比して、食塩の添加量を下げるこ
とができる。さらに、食塩等が添加された魚介身は、加
熱されることにより、十分な殺菌処理が行われるととも
に、凝固化して解れやすくなり、細砕が可能となるので
ある。そして、加熱された魚介身は、細砕されるので、
繊維状、粒状、薄片状又は粉状等に細裂されて、フレー
ク状、ペースト状又は粉末状等の水産加工食品が得られ
ることになる。
【0009】本発明に於いて、細砕された魚介肉は、粒
又は薄片等の一つ一つが5g以下で、好ましくは1g以
下の大きさであることが望ましい。
【0010】また、本発明に使用される有機酸の塩類
は、特に限定されるものではないが、請求項2又は4記
載の如く、リンゴ酸ナトリウム、乳酸ナトリウム、フマ
ル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酒石酸ナトリウム、
クエン酸ナトリウムの群より選ばれる1種又は2種以上
であることが好ましい。これらの塩類によれば、魚介身
本来の色が退色しづらく、又、魚介身本来の風味が維持
されることになる。
【0011】また、本発明に於いて、有機酸等及び食塩
の添加は、直接振りかけても良く、又、有機酸等及び食
塩が溶解された溶液に浸漬することにより行っても良
い。直接振りかける場合、添加量は、特に限定されるも
のではないが、0.1重量%〜5重量%が好ましい。添
加量が5重量%を超えると、有機酸の味が濃くなり、逆
に0.1より少ないと殺菌の効果が薄れ、味も足りなく
なるからである。添加後は、食塩等を魚介身に十分なじ
ませるため、15℃以下で24時間程度放置しておくこ
とが好ましい。
【0012】さらに、本発明に於いては、加熱の方法も
特に限定されるものではないが、ボイル、又はスチーミ
ングによるのが好適である。ボイルする場合には、有機
酸又はその塩類、及び食塩を含有する溶液でボイルする
のが好ましい。ボイル時に、有機酸又はその塩類及び食
塩が溶けだしてこれらを添加したことによる効果の減少
を防止するためである。また、加熱は、中心温度が63
℃以上で30分以上、好ましくは、中心温度が約80℃
以上で30分以上行うことが望ましい。さらに、細砕の
方法も特に限定されるものではなく、サイレントカッタ
ー(フードカッター)、ジューサー又はチョッパー等の
機械により細かくカッティングする方法を例示できる。
但し、均一に細砕できるものであることが好ましい。
尚、細砕時、又は細砕後には、調味料の混合を行っても
良い。
【0013】また、本発明にかかる水産加工食品の製造
方法にあっては、請求項5記載の如く、細砕後に、再加
熱しても良い。再加熱することにより、繁殖する雑菌を
さらに減少することができ、保存性の優れた水産加工食
品となる。細砕された魚介身は、通常、瓶等の容器に充
填されて出荷されるが、容器に充填した後に再加熱する
ことがより好ましい。容器に充填した後に再加熱するこ
とにより、容器に付着した雑菌等も減少させることがで
き、保存性がより優れることになる。
【0014】尚、再加熱も、中心温度が63℃以上で3
0分以上、好ましくは、中心温度が90℃以上で30分
以上行うこが望ましい。
【0015】また、本発明に於いて、魚介身とは、魚
類、貝類、甲殻類等の海産動物の身のことであるが、魚
類、貝類、甲殻類等の種類については、特に限定される
ものではない。
【0016】
【実施例】以下、本発明の実施例について詳述する。ま
ず、本発明にかかる水産加工食品の製造方法について説
明する。
【0017】まず、原魚としてサケを用い、該サケから
骨、皮、ヒレ等を取り除き、骨等が殆ど含まれない魚身
を準備した。次いで、準備された魚身に、リンゴ酸ナト
リウムを2重量%(魚身に対して)、食塩を2重量%
(魚身に対して)添加し、その後、15℃以下で24時
間放置した(第1工程)。
【0018】次に、食塩2重量%及びリンゴ酸ナトリウ
ム2重量%を含有する溶液を80℃に加熱し、該溶液中
に、第1工程により処理された魚身を投入し、溶液を8
0℃に保ちつつ、30分間維持した(第2工程)。
【0019】次に、第二工程により処理された魚身に水
(魚身100重量部に対して70重量部)を加え、カッ
ターにより細砕し、ペースト状の魚身を得た(第3工
程)。そして、該ペースト状の魚身に下記配合にて調味
料を加え、十分に混練した後、瓶に充填し、さらに、9
0℃、30分の条件で、再加熱し、本実施形態の水産加
工食品を得た。
【0020】調味料の配合 魚身と水100重量部に対して ACS(商品名「アスコルビンサンソーダ」、武田薬品工業(株)社製) 0.2重量部 ホワイトペッパー(商品名「ホワイトペッパー末」、高砂香料(株)社製) 0.1重量部 食塩(商品名「精製塩」、JT社製) 0.5重量部 キサンタンガム(台糖海藻(株)社製) 0.3重量部 サラダ油(商品名「サラダ油」、日清製油(株)社製)1.0重量部 (尚、サラダ油は最後に添加した。)
【0021】得られた水産加工食品は、薄ピンク色をし
た、ペースト状のものであった。
【0022】次に、本実施例により得られた水産加工食
品50gをガラス瓶に詰めて密閉し、初発、3日後、7
日後に生息する細菌数を測定した。尚、保存温度は30
℃で行った。その結果を表1に示す。
【0023】
【表1】
【0024】尚、本発明にかかる水産加工物及び水産加
工物の製造方法は、必ずしも上記実施例に限定されるも
のではなく、適宜設計変更可能である。
【0025】
【発明の効果】如上のように、本発明によれば、魚介身
が有機酸及びその塩類を含有する塩水に浸漬され、しか
も、加熱されてなるので、浸漬後に多量の食塩を用いな
くても、冷凍又は冷蔵を要せず日持がする等、保存性が
良好な水産加工食品を得ることができる。しかも、加熱
によりほぐれやすくなった魚介身を細砕することによ
り、フレーク状、ペースト状又は粉末状等の水産加工食
品を得ることができる。従って、パンに塗ったり、ご飯
に振り掛ける等、用途が著しく多様化し、嗜好性の多様
化に対応した水産加工食品を提供することができる。

Claims (5)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 有機酸又はその塩類、及び食塩が添加さ
    れた魚介身が、加熱された後、細砕されてなることを特
    徴とする水産加工食品。
  2. 【請求項2】 前記塩類がリンゴ酸ナトリウム、乳酸ナ
    トリウム、フマル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酒石
    酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムの群より選ばれる1
    種又は2種以上である請求項1記載の水産加工食品。
  3. 【請求項3】 有機酸又はその塩類、及び食塩を魚介身
    に添加する第1工程と、該第1工程により処理された魚
    介身を加熱する第2工程と、さらに該第2工程により処
    理された魚介身を細砕する第3工程とを経ることを特徴
    とする水産加工食品の製造方法。
  4. 【請求項4】 前記塩類がリンゴ酸ナトリウム、乳酸ナ
    トリウム、フマル酸ナトリウム、酢酸ナトリウム、酒石
    酸ナトリウム、クエン酸ナトリウムの群より選ばれる1
    種又は2種以上である請求項3記載の水産加工食品の製
    造方法。
  5. 【請求項5】 前記第3工程の後、再加熱する請求項3
    又は4記載の水産加工食品の製造方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
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KR102490663B1 (ko) 2022-08-08 2023-01-27 김건일 육가공장치

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* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
KR20230004381A (ko) 2022-08-08 2023-01-06 김태영 육가공장치
KR20230004382A (ko) 2022-08-08 2023-01-06 김태영 육가공장치
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