JP4624938B2 - ふぐの卵巣の処理方法および該処理方法により処理されたふぐの卵巣 - Google Patents

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Description

本発明は、ふぐの卵巣の処理方法、および該処理方法により処理されたふぐの卵巣に関する。
ふぐ料理は、日本人の食用とする約200種類の魚介類のうちで美味とされている代表的な料理として親しまれ、一般的に高級魚として販売され、料理されている。しかし、ふぐの肝臓、精巣、卵巣といった内臓には、テトロドトキシンという毒が含まれており、可食部位が限られている。なかでも、ふぐの卵巣(真子)は、そのままで食べると5、6人の致死量に相当する程のテトロドトキシンが含まれているものであり、通常、廃棄処分されている。この廃棄処分においても、法的規制により、焼却処分することが義務付けられている。このように処理されて廃棄されるふぐの卵巣は、年間4〜5トンとされている。
このように通常廃棄処分されているふぐの卵巣を塩蔵処理することによって、食用にすることができることも知られている。しかし、塩蔵処理のみでは解毒するのに膨大な時間を要するという問題があった。
また、例えば、特許文献1には、ふぐの不可食廃棄部分の可食利用方法について開示されている。しかし、この方法は、頭部両側の鰓と鰓間をつなぐ身肉を利用する方法であり、ふぐの卵巣を調理するものではない。
ふぐの卵巣を調理して食べる方法としては、古くから石川県で製造されている、ふぐの卵巣の糠漬け「ふぐの子糠漬」が知られている。この方法は、ふぐの卵巣を1年間30%の塩水に塩漬けにして、その後、2〜3年糠漬けするものである。しかし、この方法では、ふぐの卵巣の解毒に通常3〜4年を要することになり、処理に時間がかかるものである。
特開平7−313109号公報
本発明は、ふぐ毒を解毒することができる、ふぐの卵巣の処理方法を提供する。また、該処理方法により処理されたふぐの卵巣を提供する。
すなわち、本発明は、ふぐの卵巣を塩蔵する工程、塩蔵後にふぐの卵巣を魚類と共に漬け材料に浸漬して発酵させる工程からなるふぐの卵巣の処理方法に関する。
魚類が、鯖、秋刀魚または鯵であることが好ましい。
漬け材料が、米糠からなる材料であることが好ましい。
また、本発明は、前記処理方法により処理されたふぐの卵巣に関する。
本発明の処理方法は、ふぐの卵巣を塩蔵する工程、塩蔵後にふぐの卵巣を魚類と共に漬け材料に浸漬して発酵させる工程からなることにより、短期間で、安全に食べることができるふぐの卵巣を提供することができる。また、ふぐの卵巣と同時に漬け込んだ魚類は、食用として提供することができる。
本発明は、ふぐの卵巣を塩蔵する工程、塩蔵後にふぐの卵巣を魚類と共に漬け材料に浸漬して発酵させる工程からなるふぐの卵巣の処理方法に関する。
ふぐの卵巣を塩蔵する工程は、通常の魚の塩蔵処理として用いられる条件であればよく、特に限定させるものではないが、たとえば、ふぐの卵巣1kgに対して、50〜1000gの塩にふぐの卵巣を漬け込むことが好ましく、より好ましくは50〜500gの塩であり、さらに好ましくは50〜200gの塩に漬け込むことである。ふぐの卵巣1kgに対して、塩が50g未満であると、充分に塩蔵がおこなわれない傾向があり、塩が1000gをこえても、それ以上の効果が得られるものではなく無駄である。また、塩とふぐの卵巣は、桶に交互に積層して、上から蓋をして重石をすることが好ましい。
塩蔵期間は、10日〜3ヵ月であることが好ましく、1〜2ヵ月であることがより好ましい。塩蔵期間が10日未満であると充分塩蔵できない傾向があり、3ヵ月をこえると、ふぐの卵巣の風味が落ちる傾向がある。
塩蔵終了後はふぐの卵巣を水洗いして、乾燥することがより好ましい。
ふぐの卵巣の毒性は、個々の卵巣により異なるものであるが、前記塩蔵処理をおこなうことにより、それぞれのふぐの卵巣の毒性を均一にすることができるものである。
塩蔵後にふぐの卵巣と共に漬け材料に浸漬する魚類としては、たとえば、鯖、秋刀魚、鯵、鰯などがあげられるが、これらの中でも、ふぐの卵巣の解毒作用が優れている点から、鯖、秋刀魚または鯵であることが好ましく、鯖がより好ましい。
また、塩蔵後にふぐの卵巣と漬け材料に浸漬する魚類は、ふぐの卵巣の解毒作用が優れている点から、開いた状態で浸漬することが好ましい。
魚類の添加量としては、ふぐの卵巣1kgに対して、0.5〜2kgであることが好ましく、より好ましくは0.7〜1.5kgであり、さらに好ましくは0.8〜1.2kgである。ふぐの卵巣1kgに対して、魚類が0.5kg未満であると、ふぐ毒の解毒が充分におこなわれない傾向があり、2kgをこえても、それ以上の効果が得られるものではなく無駄である。
漬け材料としては、特に限定されるものではなく、通常、魚類のへしこを製造する際に用いられる漬け材料であればよいが、得られるふぐの卵巣の風味、材料の入手容易性の点から、米糠からなる材料であることが好ましい。
また、漬け材料とともに、調味料や酒を添加してもよい。調味料としては醤油、味噌、砂糖などがあげられ、酒としては焼酎、日本酒などがあげられる。
調味料や酒の添加量としては、漬け材料1kgに対して、5〜100gであることが好ましく、10〜50gであることがより好ましく、15〜30gであることがさらに好ましい。調味料が5g未満であると、添加効果が得られない傾向があり、100gをこえると得られるふぐの卵巣の風味を損なう傾向がある。
漬け材料に浸漬し発酵させる温度としては、とくに限定されないが、20℃以上でおこなうことが好ましく、25℃以上でおこなうことがより好ましい。また、上限値としては40℃以下であることが好ましい。浸漬し発酵させる温度が、20℃未満であると、ふぐ毒の解毒が充分におこなわれない傾向がある。また、40℃をこえると、糠、ふぐの卵巣、魚類などが腐ってしまう傾向がある。
また、漬け材料に浸漬し発酵させる期間としては、とくに限定されないが、100〜600日が好ましく、150〜400日がより好ましく、150〜300日がさらに好ましい。浸漬し発酵させる期間が、100日未満であると、ふぐ毒の解毒が充分におこなわれない傾向があり、600日をこえても、それ以上の解毒効果が得られないため無駄である。
前記方法により短期間で、余分な塩分とふぐ毒が排出され、粒子感がきわだつ深い味わいのふぐの卵巣を得ることができる。
得られたふぐの卵巣は、薄く切って生で食べることができるものである。
つぎに本発明を実施例をあげて説明するが、本発明はかかる実施例のみに限定されるものではない。
<フグ毒の検出>
財団法人日本食品分析センターに依頼した。
実施例1
桶にふぐの卵巣500kgと塩55kgとを交互に積層し、蓋をして上に重石を置いた状態で1ヶ月塩蔵した。塩蔵終了後、ふぐの卵巣を水洗いし、半日乾燥した。塩蔵したふぐの卵巣に含まれるフグ毒の定量分析を行った。分析後のふぐの卵巣を、500kgの鯖の開きとともに米糠140kg、醤油3.5kgに、25℃で9ヶ月浸漬し発酵させて、ふぐの卵巣のへしこを得た。得られたふぐの卵巣のへしこ、鯖、米糠に含まれるフグ毒の定量分析を行った。
比較例1
未処理のふぐの卵巣に含まれるフグ毒の定量分析を行った。
比較例2
桶にふぐの卵巣500kgと塩55kgとを交互に積層し、蓋をして上に重石を置いた状態で9ヶ月塩蔵した。塩蔵終了後、ふぐの卵巣を水洗いし、半日乾燥した。得られたふぐの卵巣のへしこに含まれるフグ毒の定量分析を行った。
Figure 0004624938

Claims (2)

  1. ふぐの卵巣を塩蔵する工程、塩蔵後にふぐの卵巣を魚類と共に漬け材料に浸漬して発酵させる工程からなり、
    前記塩蔵期間は1〜2ヵ月であり、ふぐの卵巣1kgに対して50〜200gの塩にふぐの卵巣を漬け込み、
    前記魚類が鯖であり、前記魚類は開いた状態で浸漬し、前記魚類の添加量がふぐの卵巣1kgに対して0.8〜1.2kgであり、
    漬け材料が、米糠からなる材料であり、
    漬け材料に浸漬し発酵させる温度が25℃以上40℃以下であり、
    漬け材料に浸漬し発酵させる期間が150〜300日である
    ふぐの卵巣の処理方法。
  2. 請求項記載の処理方法により処理されたふぐの卵巣。
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