JP2015116135A - ノンアルコール液体調味料の製造方法 - Google Patents

ノンアルコール液体調味料の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】本発明は、原材料及び製造工程においてもアルコールが生じることのないアルコールを含まない醤油様の液体調味料の製造方法を提供することを目的とするものである。
【解決手段】本発明は、アルコールを含まない無塩魚醤及びアミノ酸液を混合することにより、醤油らしい風味を有し、かつ、魚醤風味を併せ持つ配合方法について鋭意検討の結果完成させたものである。魚介類を、食塩無添加で、40℃以上で1時間以上発酵させて得られたアルコールを含有しない魚醤と、植物蛋白質を酸により加水分解した後中和して得られたアルコールを含有しないアミノ酸液とを、魚醤が10重量%以上となる配合割合で混合することで、アルコールを含まない醤油様の液体調味料が得られる。
【選択図】なし

Description

本発明は、アルコールを含まない醤油様の液体調味料の製造方法に関する。
近年、ラーメン等の麺類や寿司といった日本が発祥地であるファーストフードが世界的に受け入れられてきており、それに伴って様々な和食が諸外国で提供されるようになってきている。そのため、和食に用いられる食材や調味料が輸出されるようになっている。
和食に用いられる代表的な調味料である醤油は、通常、大豆と小麦の混合物に麹菌を接種培養して醤油麹とし、これを食塩水に仕込んで発酵熟成させた後濾過して得られる。発酵熟成工程での腐敗を防止するために、高濃度の食塩水に仕込むが、このような食塩水を用いることにより、製品としての醤油は通常15重量%〜18重量%の食塩濃度となる。
食塩は重要な化合物であるが、その過剰摂取は、高血圧、腎臓病等の疾病を引き起こすリスクを高めると考えられており、食塩摂取量、特にナトリウム摂取量を低減することが望まれている。そのため、醤油の食塩濃度を低下させる方法が検討されており、例えば、通常の方法で得られた食塩濃度15重量%〜18重量%の醤油を電気透析や膜処理等により脱塩し、減塩醤油を製造する方法などが実施されている。
しかしながら、こうした従来の減塩醤油の製造方法では、食塩含有量を低下させることができても、塩分以外の呈味性有効成分が低減し、風味の低下を招くことになる。そのため、大豆醤油と無塩魚醤とを混合して食塩濃度を2〜15%に調製した魚醤含有低食塩醤油の製造法が提案されている(特許文献1参照)。無塩魚醤については、サバの加工製品、例えばサバのへしこ製造の際に廃棄されているサバの内臓や身の部分を、食塩無添加で、40℃以上で1時間以上発酵させ、加熱処理を行い、濾過して清澄液を得ることにより短期間で製造できることが知られている(特許文献2参照)。
特開2013−138654号公報 特開2011−182663号公報
上述した特許文献に記載されているように、用途に合せて従来の醤油に対して様々な加工が施されているが、和食の世界的な拡がりとともに、和食に用いる醤油について地域の特性に合せたものが望まれている。特に、イスラム圏では、宗教上の理由から摂取できる飲食物に制約があり、例えば、アルコール飲料やそれを含む保存料、調味用みりん、料理酒等の調味料を使用した飲食物を摂取することが禁じられている。
そのため、「イスラムの定める原料を適正な方法で処理、加工された食品である」と証明された製品には、ハラル(HALAL)認定マークが表示されるようになっており、ハラル認定マークは、原材料、製造工程、製品品質等を認定団体が審査し、イスラム法上適合製品であることが承認された製品のみに表示することができる。従来の醤油については、発酵段階でアルコールが生じるため、最終製品にアルコールが含まれていなくてもハラル認定マークを取得することができない。そのため、イスラム圏では、醤油を使用した和食の提供を行うことができない、といった課題がある。
また、イスラム圏以外の地域に居住するイスラム信徒も、ハラル認定マークのない飲食物を避けるため、例えば、日本国内を観光旅行するイスラム信徒が食事する際に、和食の代表的な調味料である醤油を使用した食事をすることができない、といった課題がある。
そこで、本発明は、原材料及び製造工程においてもアルコールが生じることのないアルコールを含まない醤油様の液体調味料の製造方法を提供することを目的とするものである。
本発明は、アルコールを含まない魚醤及びアミノ酸液を混合することにより、醤油らしい風味を有し、かつ、魚醤風味を併せ持つ配合方法について鋭意検討の結果完成させたものである。魚介類を40℃以上で1時間以上発酵させて得られたアルコールを含有しない魚醤と、植物蛋白質を酸により加水分解した後中和して得られたアルコールを含有しないアミノ酸液とを、魚醤が10重量%以上となる配合割合で混合することで、アルコールを含まない醤油様の液体調味料が得られる。
本発明では、高価な特殊な装置は一切不要で、アミノ酸液及び魚醤を混合するだけで製造でき、容易にしかも低コストで目的とする醤油様のノンアルコール液体調味料の製造が可能となる。また、アミノ酸液及び魚醤の混合比率は、任意に変えることができ、食塩を含むアミノ酸液及び無塩魚醤を用いた場合には、それに応じた食塩濃度を含むノンアルコール液体調味料が調製される。使用する魚醤は、ノンアルコールであればいずれでもよく、食塩を含んでいてもよい。最終食塩濃度は、使用目的によって変えることが可能であるが、呈味性や保存性の観点から、5重量%〜25重量%が好ましく、8重量%〜15重量%がより好ましい。そして、本発明のノンアルコール液体調味料の香りは、さわやかな芳香を有し、一般に嫌われている魚醤特有の魚臭さがほとんど感じられない液体調味料を提供することができる。
無塩サバ魚醤のアミノ酸含量を示すグラフである。 市販のアミノ酸液のアミノ酸含量を示すグラフである。 速醸ナンプラーのアミノ酸含量を示すグラフである。 ニシン魚醤のアミノ酸含量を示すグラフである。 イワシ魚醤のアミノ酸含量を示すグラフである。
以下、本発明について詳しく説明する。本発明では、アルコールが含まれていない魚介類を食塩無添加で高温発酵させて得られた魚醤と、大豆蛋白質、小麦蛋白質等の植物蛋白質を酸により加水分解した後中和して得られるアミノ酸液とを混合して液体調味料を製造する。
本発明において使用する魚醤は、アルコールが含まれていない。また、アルコールが含まれていない魚介類を原材料とし、その発酵過程では、食塩を添加することなく40℃以上の高温で行われるため、原材料及び製造工程においても、酵母の生育が認められず、アルコールが生じることはない。
なお、得られる魚醤を、単独でノンアルコール液体調味料として使用する場合には、発酵終了後に食塩を添加することもできる。この場合、食塩の添加量は、食塩濃度が5重量%〜25重量%となるように設定することが好ましい。また、食塩を添加した魚醤を使用してアミノ酸液に混合することもできる。
原材料として用いる魚介類としては、従来の魚醤に使用されているものは一般にアルコールが含まれておらず、魚醤に使用されていないものでもアルコールが含まれていないものであれば用いることができ特に制限されないが、サバ魚肉が好ましい。サバは、特に種類は制限されず、例えばマサバ及びゴマサバが挙げられる。また、国産及び海外産のものを問わず、また、生鮮魚あるいは冷凍保存されたものでもよい。魚介類としては、サバに系統の近い魚類にこだわらず、例えば、イワシ、アジ、アンチョビ、マグロ、イカ、タイ、サケ、カツオ、及びニシン等が挙げられる。
また、サバ魚肉は、サバの魚体の全体又はその一部である限り特に制限されないが、身(筋肉)、内臓、及び頭部等のいずれでもよく、好ましくは内臓若しくは身又はこれらの両方であり、内臓を含むことがより好ましい。特に好ましいのは、サバの加工製品製造の際に魚体から取り除かれる内臓及びその周囲の身である。こうしたサバ魚肉は、ミンサー等によって細かくしてから用いることもできる。
サバ魚肉の場合、適当な条件で発酵させることにより、魚肉中の蛋白質が分解され、アミノ酸が遊離する。分解は自己消化によるものであってよく、サバの自己消化酵素は、主に、幽門膵などの内臓部位に存在するので、これらの部位に含まれる消化酵素を有効に利用するのが好ましい。また、発酵工程において自然に混入する、又は人為的に添加する微生物又は酵素の作用によって、蛋白質が分解されるようにすることもできる。すなわち、プロテアーゼやペプチダーゼ等の蛋白質分解酵素、又はこれらの酵素を産生する微生物、例えば麹菌を外部より添加し、発酵を促進させることもできる。
魚醤の製造工程における発酵過程では、発酵温度は40℃以上であり、好ましくは45℃以上であり、より好ましくは50℃以上である。また、酵素の失活を防止する観点から、発酵温度は70℃以下であることが好ましい。また、消化効率の観点から、発酵温度は約55℃であることが好ましい。発酵時間は1時間以上であり、好ましくは1〜96時間であり、より好ましくは1〜48時間であり、特に好ましくは約15時間である。そして、こうした発酵過程においてアルコールを生じることはない。また、発酵過程では、食塩を添加することなく行われるが、必要に応じて食塩を添加することもできる。
なお、発酵過程では、雑菌の増殖が起こらないのが好ましい。雑菌とは、本発明の魚醤の生産過程において、魚醤の生産を行う者の意図に反して増殖するあらゆる微生物を含む。すなわち、雑菌とは、人為的に添加したあるいは外部から自然に混入した発酵の促進に寄与する微生物以外のあらゆる微生物を含む。発酵は96時間程度継続させることもできるが、発酵温度によっては、発酵が長時間に及ぶと雑菌が増殖する可能性が高まるため、雑菌が増殖しているかの判断が困難な場合には、48時間程度を目処に発酵を終了させるのが好ましく、15時間程度を目処に発酵を終了させるのがより好ましい。
発酵過程では、必要に応じて、水を加えてもよい。また、発酵途中で、攪拌してもよく、攪拌しなくてもよい。
発酵の進捗は、使用したサバ魚肉のもつ消化酵素の強さ、添加する酵素若しくは微生物の強さ、又は発酵温度等に依存する。そのため、発酵の進捗は、生成してくるアミノ酸(特にグルタミン酸)の発酵液中の濃度を測定することにより確認するのが好ましい。発酵が満足に進行した場合のグルタミン酸濃度は、好ましくは3g/L以上であり、特に好ましくは5g/L以上である。
発酵終了後、加熱処理を行う。加熱温度は60℃以上であり、80℃以上であることが好ましい。加熱時間は、加熱温度に応じて適宜設定することができるが、好ましくは10分以上であり、より好ましくは20分以上であり、約60分であってもよい。加熱温度が80℃である場合は、加熱時間は、好ましくは約30分である。加熱温度が100℃である場合は、加熱時間は約20分でよい。この加熱処理の目的としては、未分解のタンパク質を不溶化させること、及び殺菌することが挙げられる。加熱処理後、室温又はそれ以下、好ましくは4℃前後の低温環境に数時間から3日程放置することにより、不溶性タンパク質を十分に析出させることができる。
不溶物に油が含まれる場合には、沈殿せずに上部に浮遊するが、好ましくは除去した方がよいが、除去しなくてもよい。除去する場合には、例えば吸引器によって除去してもよい。また、不溶物は、必要に応じて濾過ないし遠心分離等によって除いてもよい。さらに、これらの手段により除いた後、例えば、セライト(登録商標)を使用して濾過することにより、透明な濾液を得ることができる。こうして得られた濾液を、本発明に用いる魚醤とすることができる。
本発明に用いるアミノ酸液は、大豆蛋白質、小麦蛋白質等の植物蛋白質を塩酸等の酸により加水分解した後、水酸化ナトリウム等のアルカリ性溶液で中和して得ることができ、食塩が含まれているため防腐効果を備えている。こうしたアミノ酸液としては、特に限定されないが、例えば、大豆蛋白質を塩酸で加水分解した市販品を使用することができる。本発明においては、アミノ酸液を用いることで魚の香りをマイルドにすることができ、特に、大豆蛋白質を塩酸で加水分解した後、水酸化ナトリウム溶液で中和したものがより好ましい。こうしたアミノ酸液は、食塩が含まれているため、無塩魚醤と混合することで、食塩濃度が低いノンアルコール液体調味料を容易に調製することができる。そして、こうしたアミノ酸液としては、グルタミン酸濃度が20g/L以上のものを用いることで、魚醤と混合して得られた液体調味料のグルタミン酸濃度を高めて風味を向上させることができる。
アミノ酸液は、アルコールが含まれていない植物原料を酸により加水分解するため、原材料及び製造工程においてアルコールが生じることはない。例えば、大豆蛋白質を塩酸で加水分解してアミノ酸液を製造する場合、原材料としては、脱脂大豆を用いており、アルコールが含まれることはない。また、製造工程では、強塩酸にて加水分解後、水酸化ナトリウム溶液で中和し、濾過することにより製造される。そのため、製造工程においてもアルコールは一切生じることはない。
本発明に用いるアミノ酸液は、本発明に用いる魚醤が得られた直後に添加することが好ましい。配合割合は、魚醤が10重量%以上となるように設定することが好ましい。特に、大豆蛋白質を塩酸で加水分解したアミノ酸液を用いる場合、アミノ酸液の配合割合が50重量%を超えると、魚醤の風味が弱くなる。また、混合後の食塩濃度は、5重量%〜25重量%に調整することが好ましく、より好ましくは8重量%〜15重量%であり、雑菌の増殖を抑制する効果が期待される。アミノ酸液の食塩濃度が高い場合には、魚醤の配合割合を増加させて食塩濃度を調整すればよい。また、混合後の食塩濃度が低い場合には、適宜食塩を添加して食塩濃度を添加することもできる。
以下、実施例により、本発明をさらに詳細に説明するが、本発明の範囲は以下の実施例に限定されるものではない。
<実施例1>
サバの加工製品生産過程で副生してきたサバの内臓20kgを細かく粉砕した後に、ガスクロマトグラフィーによりアルコールの有無をチェックし、アルコールが含まれていないことを確認した。サバの内臓に食塩を添加せずに、55℃に調節された培養器にサバの内臓を移し、時々撹拌しながら15時間発酵させた。発酵終了後、発酵液をYPD培地(酵母エキス1%、ポリペプトン2%、グルコース5%、寒天2%)上に塗布し、30℃にて72時間培養したが、アルコールを生成する酵母は検出されなかった。
その後、80℃以上で15分間加熱処理を行い、室温に放置することによって冷却した。そして、布により濾過を行った後、4℃の低温環境に放置することによって、不溶性タンパク質の析出を促進させた。得られた冷却液を、目の細かい濾布及びセライトを用いて濾過し、魚醤として清澄液12kgを得た。得られた魚醤について、ガスクロマトグラフィーによりアルコールの有無をチェックし、アルコールが含まれていないことを確認した。得られた魚醤のアミノ酸含量に関する分析結果を図1に示す。図1に示すグラフの数値の単位はmg/100gである。
アミノ酸液は、脱脂大豆を強塩酸にて加水分解後、水酸化ナトリウム溶液で中和し、濾過することにより得られたものを用いた。アミノ酸液の食塩濃度は約18重量%で、アミノ酸含量は、図2に示すとおりである。図2に示すグラフの数値の単位はmg/100gである。また、使用したアミノ酸液について、ガスクロマトグラフィーによりアルコールの有無をチェックし、アルコールが含まれていないことを確認した。使用したアミノ酸液は、上述したように、原材料として脱脂大豆を用い、塩酸により加水分解後水酸化ナトリウム溶液により中和して製造されているので、原材料及び製造工程においてアルコールが生じることはない。
得られた魚醤を3kgずつ3つの容器に移し、それぞれの容器に、アミノ酸液を3.0kg、1.5kg、0.75kgずつ添加して撹拌し、魚醤の配合割合が50重量%、67重量%、80重量%の液体調味料を調製した。調製した各液体調味料の食塩濃度及びアミノ酸含量は、表1に示すとおりである。表1に示すリストの数値の単位はmg/100gである。
Figure 2015116135
調製された調味料は、いずれもさわやかな香気がするとともに、グルタミン酸の濃度が高く旨味が良好で、魚醤の風味を強く味わうことができた。なお、魚醤の発酵終了後に、発酵液に食塩を濃度が5重量%〜25重量%になるように添加することで、単独でノンアルコール液体調味料として使用することもできる。
<比較例>
実施例1で得られた魚醤1kgを容器に移し、実施例1で使用したアミノ酸液を9kg添加して撹拌し、魚醤の配合割合が10重量%の液体調味料を調製した。グルタミン酸の濃度が高く旨味が良好であるものの、アミノ酸液の風味が強くなって魚醤の風味がほとんど失われていた。
<実施例2>
アンチョビ(カタクチイワシ)を10kg粉砕し、食塩を添加しないで、55℃に調節した培養器内で72時間発酵した。発酵終了後、発酵液をYPD培地(酵母エキス1%、ポリペプトン2%、グルコース5%、寒天2%)上に塗布し、30℃にて72時間培養したが、アルコールを生成する酵母は検出されなかった。発酵液に食塩を15重量%になるように添加後、80℃以上の温度で15分間加熱処理した。その後、布により濾過を行い、4℃の低温環境に放置することによって、不溶性のタンパク質を析出させた。得られた冷却液を目の粗い濾布およびセライトを用いてろ過し、清澄な魚醤(速醸ナンプラー)を6.3kg得た。得られた速醸ナンプラーをガスクロマトフラフィーにて分析し、アルコールが含まれていないことを確認した。得られた速醸ナンプラーのアミノ酸含量に関する分析結果を図3に示す。図3に示すグラフの数値の単位はmg/100gである。
<実施例3>
ニシンの加工製品生産過程で副生してきたニシンの内臓10kgを細かく粉砕した後に、食塩を添加せずに、55℃に調節された培養器にニシンの内臓を移し、時々撹拌しながら48時間発酵させた。発酵終了後、発酵液をYPD培地(酵母エキス1%、ポリペプトン2%、グルコース5%、寒天2%)上に塗布し、30℃にて72時間培養したが、アルコールを生成する酵母は検出されなかった。発酵液に食塩を15重量%になるように添加後、80℃以上で15分間加熱処理を行い、室温に放置することによって、不溶性となったタンパク質を析出させた。布により濾過を行い、4℃の低温環境に放置することによって、不溶性タンパク質の析出を促進させた。得られた冷却液を、目の細かい濾布及びセライトを用いて濾過し、魚醤として清澄液5.5kgを得た。得られた魚醤について、ガスクロマトグラフィーによりアルコールの有無をチェックし、アルコールが含まれていないことを確認した。得られた魚醤のアミノ酸含量に関する分析結果を図4に示す。図4に示すグラフの数値の単位はmg/100gである。
<実施例4>
イワシの加工製品生産過程で副生してきたイワシの内臓10kgを細かく粉砕した後に、食塩を添加せずに、55℃に調節された培養器にイワシの内臓を移し、時々撹拌しながら24時間発酵させた。発酵終了後、発酵液をYPD培地(酵母エキス1%、ポリペプトン2%、グルコース5%、寒天2%)上に塗布し、30℃にて72時間培養したが、アルコールを生成する酵母は検出されなかった。発酵液に食塩を15重量%になるように添加後、80℃以上で15分間加熱処理を行い、室温に放置することによって、不溶性となったタンパク質を析出させた。布により濾過を行い、4℃の低温環境に放置することによって、不溶性タンパク質の析出を促進させた。得られた冷却液を、目の細かい濾布及びセライトを用いて濾過し、魚醤として清澄液7.2kgを得た。得られた魚醤について、ガスクロマトグラフィーによりアルコールの有無をチェックし、アルコールが含まれていないことを確認した。得られた魚醤のアミノ酸含量に関する分析結果を図5に示す。図5に示すグラフの数値の単位はmg/100gである。
実施例2から4において得られた魚醤は、単独でノンアルコール液体調味料として用いることができ、また、実施例1と同様に、発酵液に食塩を添加せずに無塩魚醤を調製してアミノ酸液と混合することで、さわやかな香気が醸し出され、グルタミン酸の濃度が高く旨味が良好で、魚醤の風味の強いノンアルコール液体調味料が得られる。
本発明において得られる醤油様のノンアルコール液体調味料は、大豆醤油と同様に使用することができる。大豆醤油と同様の風味を有するにもかかわらず、ハラル認証が可能な調味料として、イスラム圏や国内のイスラム信徒に対して和食を提供する際に醤油の代わりに制約を受けることなく使用することが可能となる。例えば、通常の食塩濃度を有する醤油と同様に、刺身、天ぷら、漬物用等に付け醤油の代わりの調味料として、納豆、豆腐等に掛け醤油の代わりの調味料として、また麺つゆ、たれ、ドレッシング、ラーメン用スープ等の素材用醤油の代わりの調味料として利用可能である。また、佃煮、水産練り製品などの加工用醤油の代わりの調味料としても利用可能である。

Claims (5)

  1. 魚介類を、食塩無添加で、40℃以上で1時間以上発酵させて得られたアルコールを含有しない魚醤と、植物蛋白質を酸により加水分解した後中和して得られたアルコールを含有しないアミノ酸液とを、魚醤が10重量%以上となる配合割合で混合する工程を含むノンアルコール液体調味料の製造方法。
  2. 前記アミノ酸液は、大豆蛋白質を塩酸により加水分解した後水酸化ナトリウム溶液により中和して得られる請求項1に記載のノンアルコール液体調味料の製造方法。
  3. 前記魚醤及び前記アミノ酸液を食塩濃度が5重量%〜25重量%となるように混合する請求項1又は2に記載のノンアルコール液体調味料の製造方法。
  4. 魚介類を、40℃以上で1時間以上、アルコールを生成する酵母が生育しない状態で発酵させる工程と、発酵液に食塩濃度が5重量%〜25重量%になるように食塩を添加する工程とを含むノンアルコール液体調味料の製造方法。
  5. 請求項1から4のいずれかに記載の製造方法により製造されたノンアルコール液体調味料。
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