JP2010177060A - 電池負極用バインダー組成物 - Google Patents

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Abstract

【課題】
負極薄膜作成時に負極活物質をスラリー中に均一に分散させ、且つ負極活物質と集電体との高い結着性を誘起し、且つ可撓性に優れる負極薄膜を作成可能なリチウムイオン二次電池負極用バインダー組成物を提供する。
【解決手段】
OH基を持つ水溶性高分子に、カルボキシル基を有するアニオン性単量体が必須として含まれる水溶性単量体(混合物)をグラフト(共)重合させることで得られるリチウムイオン二次電池負極用バインダー組成物によって解決できる。

【選択図】 なし

Description

本発明は、負極薄膜作成時に負極活物質をスラリー中に均一に分散させ、負極活物質と集電体との高い結着性を誘起し、且つ可撓性の優れた負極薄膜を提供可能なリチウムイオン二次電池負極用バインダー組成物に関するものである。
近年、電子機器の小型化、ポータブル化が進み、その電源としてエネルギー密度の高い電池の開発が強く要望されており、特に二次電池の開発が精力的に行われている。従来の二次電池としては、鉛蓄電他、ニッケル−カドミウム電池等が挙げられるが、高エネルギー密度の電池という点ではまだ不十分である。そこで、これらの電池に替わるものとして、近年、エネルギー密度を大幅に向上できるリチウムイオン二次電池が開発され、急速に普及してきた。
リチウムイオン二次電池は、銅箔等の集電体上にリチウムイオンを吸蔵・放出できる負極活物質をバインダーと共に薄膜化したものを負極としている。これらの負極活物質に用いるものとしては、天然黒鉛、人造黒鉛、ハードカーボン等の炭素材料やシリコンなどが挙げられる。これらの負極活物質とバインダーを溶媒と共に混練し、負極活物質を分散させてスラリーとする。このスラリーをドクターブレード法等によって集電体上に塗布し乾燥して薄膜化することにより、リチウムイオン二次電池の負極を形成する。
リチウムイオン二次電池負極用バインダーとして最も広範に用いられているのが、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)に代表されるフッ素系樹脂である。
フッ素系樹脂をバインダーとして用いた場合、可撓性を有する負極薄膜を作成可能な一方で、集電体と負極活物質の結着性が劣るため、電池製造工程時に負極活物質の一部又は全部が集電体から剥離・脱落する恐れがある。また、電池の充放電が行われる際、負極活物質内ではリチウムイオンの挿入・放出が繰り返され、それに伴い負極活物質の膨張・収縮が起こる。その場合も、集電体から負極活物質の剥離・脱落の問題が起こりうる。
フッ素系樹脂以外のバインダーとしてスチレン−ブタジエンラバー(SBR)を使用する場合があるが、スラリー中での負極活物質の安定性が著しく劣り、活物質の沈降が起こりやすい。この為、セルロース系増粘剤や界面活性剤などの添加が必要となるが、セルロース系増粘剤は乾燥過程の熱でそれ自身が分解し、水分が発生してしまう問題がある。
その他にも、高い結着性と分散性を示すバインダーを求めて、ポリアクリル酸を使用する提案もなされている(特許文献1、特許文献2)。ポリアクリル酸をバインダーとして使用すると優れた電池特性を示すが、それ自体が剛直な性質を持っている為、ロールプレス機で圧縮成型する過程や電池を捲回する過程において電極が剥離してしまう問題がある。
特開平11−354125号公報 特開2000−348730号公報
本発明の課題は、負極薄膜作成時に負極活物質をスラリー中に均一に分散させ、且つ負極活物質と集電体との高い結着性を誘起し、且つ可撓性に優れる負極薄膜を作成可能なリチウムイオン二次電池負極用バインダー組成物を提供することにある。
上記課題の解決は、OH基を持つ水溶性高分子に、カルボキシル基を有するアニオン性単量体を主成分とする水溶性単量体をグラフト(共)重合させ、製造したバインダー組成物を用いることにより達成できることを見出し、本発明に到達した。
OH基を持つ水溶性高分子に、カルボキシル基を有するアニオン性単量体を主成分とする水溶性単量体をグラフト(共)重合させ、製造したバインダー組成物は、負極作成時の負極活物質、バインダー、溶媒を混錬しスラリーを作成する過程において、負極活物質を均一に分散させることができる。さらに、負極活物質と集電体を強固に結着させるため、剥離・脱落し難い負極薄膜を得ることができる。加えて、本発明品を用いて作成した負極薄膜は、優れた可撓性を示すことが特徴である。
以下、本発明をさらに記述する。
本発明の電池負極用バインダー組成物は、OH基を持つ水溶性高分子に、カルボキシル基を有するアニオン性単量体が必須として含まれる水溶性単量体(混合物)をグラフト(共)重合させることで得られる。
本発明で用いるOH基を持つ水溶性高分子のうち、合成高分子としては、ポリビニルアルコール、ポリエチレングリコール、ポリヒドロキシエチルメタアクリレート等を用いることができるが、特にポリビニルアルコールが好ましい。
本発明で用いるOH基を持つ水溶性高分子のうち、多糖類、及び多糖類誘導体としては、セルロース、澱粉類、グアーガム、ローカストビーンガム、キサンタンガム、キトサン、カラギーナン、ジュランガム、プルラン、マンナン、フェヌグリーク、セリシン、カルボキシメチルセルロース、メチルセルロース、エチルセルロース、イソプロピルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、ヒドロキシプロピルメチルセルロース、シアノエチルセルロース、エチル−ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシエチルグアーガム、ヒドロキシプロピルグアーガム等が挙げられるが、特にヒドロキシエチルセルロースが好ましい。
OH基を持つ水溶性高分子の分子量は、5千〜50万が好ましい。50万以上になると、反応溶液が粘調になり過ぎ重合反応が効率よく進行しない。また、5千以下になると、得られるバインダー組成物の分子量が低下する。そのため、より好ましくは7千〜30万である。
OH基を持つ水溶性高分子とカルボキシル基を有するアニオン性単量体を必須として含む水溶性単量体(混合物)との質量比は、5:95〜95:5が好ましく、この範囲外では本発明品の特徴が発揮されない。また、より好ましくは20:80〜80:20である。
カルボキシル基を有するアニオン性単量体の例としては、(メタ)アクリル酸、マレイン酸、無水マレイン酸、イタコン酸、フマル酸、クロトン酸等が挙げられ、特にアクリル酸とイタコン酸が好ましい。これらのアニオン性単量体のうち、一種、もしくは複数種用いてもよい。これらは、未中和、部分中和、全中和のいずれの中和状態を用いることもできる。
本発明のリチウムイオン二次電池負極用バインダー組成物は、グラフト(共)重合させる場合、カルボキシル基を有するアニオン性単量体の他、非イオン性単量体を共重合することができる。そのような非イオン性単量体の例としては、(メタ)アクリルアミド、ジメチルアクリルアミド、ジエチルアクリルアミド、イソプロピルアクリルアミド、ヒドロキシエチルアクリルアミド、ビニルピロリドン、ビニルホルムアミド、ビニルアセトアミド等が挙げられ、重合反応の容易さからアクリルアミドが最も好ましい。これらの水溶性単量体のうち、一種もしくは複数種用いてもよい。
アニオン性単量体と、それと共重合する水溶性単量体とのモル比は、100:0〜51:49の範囲である。しかしながら、本発明のバインダー組成物中にアニオン性単量体由来のカルボキシル基が少なすぎると、集電体に対する負極活物質の結着性が低下する。そのため、100:0〜70:30が好ましい。さらにより好ましくは100:0〜90:10である。
グラフト(共)重合反応は、水媒体中にて溶解状態で行うが、反応に必要ならば水媒体中に少量のアルコール等水溶性有機溶媒を混在させることも可能である。反応濃度としては、OH基を持つ水溶性高分子とカルボキシル基を有するアニオン性単量体を主成分とする水溶性単量体の合計の濃度として10重量%〜50重量%であるが、好ましくは10重量%〜30重量%である。反応時の温度は、OH基を持つ水溶性高分子が反応溶媒に充分に溶解する温度が必要で、使用するOH基を持つ水溶性高分子によって異なるが、通常30〜100℃の範囲で行う。
重合開始はラジカル重合開始剤を使用する。これら開始剤は、アゾ系、レドックス系、過酸化物系いずれでも重合することが可能である。水溶性アゾ系開始剤の例としては、2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩化水素化物、2、2’−アゾビス〔2−(2−イミダゾリン−2−イル)プロパン〕二塩化水素化物、4、4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)などが挙げられる。またレドックス系の例としては、過硫酸アンモニウムと亜硫酸ナトリウム、亜硫酸水素ナトリウム、トリメチルアミン、テトラメチルエチレンジアミンなどとの組み合わせがあげられる。さらに過酸化物の例としては、過硫酸アンモニウムあるいはカリウム、過酸化水素などを挙げることができる。効率的にグラフト(共)重合をさせるにはアゾ系が好ましい。
本発明は、溶解したOH基を持つ水溶性高分子に、カルボキシル基を有するアニオン性単量体を必須として含む水溶性単量体(混合物)をグラフト(共)重合させる。その際、複数の水溶性単量体を一括して仕込み、重合開始剤を添加して重合させても良いが、水溶性単量体の一部あるいは全量を重合開始剤の添加後、少量ずつ連続的あるいは逐次的に添加しても良い。
グラフト(共)重合体の重量平均分子量は、5千〜300万が好ましい。300万以上になると、負極作成時の負極活物質、バインダー、溶媒を混錬する過程において、スラリーが粘調になり過ぎ扱い難くなる。また5千以下では粘性が出ず、負極薄膜を作成し難い。そのため、さらに好ましくは1万〜100万である。分子量を調整するために重合時に必要に応じた連鎖移動剤を加えることもできる。
本発明のグラフト(共)重合体を用いて負極薄膜を作成するには、負極活物質、バインダー、溶媒を混錬しスラリーを作成する過程、次いで得られたスラリーを集電体上に塗布し乾燥する過程が必要となる。このとき用いる負極活物質の具体例としては、ハードカーボン、フッ化カーボン、グラファイト、天然黒鉛、メソフェーズカーボンマイクロビーズ(MCMB)、ポリアクリロニトリル(PAN)系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維などの炭素質材料;ポリアセンなどの導電性高分子;LiNなどのチッ化リチウム化合物;リチウム金属、リチウム合金などのリチウム系金属;SiB4、SiB6、Mg
Si、MgSn、NiSi、TiSi2、MoSi2、CoSi2、NiSi2、CaSi
、CrSi2、CuSi、FeSi2、MnSi2、NbSi2、TaSi2、VSi、WSi2、ZnSi2、SiC、Si
、SiO、SiO(0<a≦2)、SnO(0<b≦2)、SnSiO3、LiSiOあるいはLiSnOなどのケイ素またはスズの化合物、及びケイ素またはスズの単体;TiS、LiTiSなどの金属化合物;NbO、FeO、FeO、Fe、CoO、Co、Coなどの金属酸化物;AxMyNzO(但
し、AはLi、PおよびBから選択された少なくとも一種、MはCo、NiおよびMnから選択された少なくとも一種、NはAlおよびSnから選択された少なくとも一種、Oは酸素原子を表わし、x、y、zは、それぞれ1.10≧x≧0.05、4.00≧y≧0.85、2.00≧z≧0の範囲の数である)で表わされる複合金属酸化物またはその他の金属酸化物;などが例示される。
電極作製時に使用する溶媒は、常圧での沸点が80℃以上であるものが好ましく、より好ましくは100℃以上である。沸点が低過ぎると、本発明のスラリーを電極製造に用いるときに集電体への塗布が困難なことがあり、また、スラリーを集電体に塗布した後の乾燥工程でポリマー粒子が移動して電極表面に集中する現象が発生し、電極の強度が低下する、あるいは結着力が低下するなどの問題が生じやすい。ただし、電極作製時の乾燥工程では、集電体を劣化させない条件以下に溶媒分子を除去する必要があることから、沸点は300℃以下であることが好ましい。溶媒の具体例としては、水、もしくはメチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノン等のケトン類;ジメチルホルムアミド、N−メチル−2−ピロリドンなどの鎖状または環状のアミド類;ブチルアルコール、アミルアルコール、ヘキシルアルコール等のアルコール類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸ブチル、酢酸ブチル、安息香酸メチル等のエステル類;等、各種の極性液状物質が挙げられる。取り扱いの容易さ、安全性等を考慮し、特に水が好ましい。
集電体は、ある程度の強度があり、導電率が高い材料により構成されていることが好ましく、例えば、銅(Cu)、ステンレス、ニッケル、チタン(Ti)、タングステン(W)、モリブデン(Mo)およびアルミニウムからなる群のうちの少なくとも1種を含むことが好ましい。特に好ましくは銅である。形状も特に制限されないが、通常、厚さ0.001〜0.5mm程度のシート状のものである。
スラリーの集電体への塗布方法は特に制限されない。例えば、ドクターブレード法、ディップ法、リバースロール法、ダイレクトロール法、グラビア法、エクストルージョン法、浸漬方、ハケ塗りなどによって塗布される。塗布する量も特に制限されないが、溶媒を乾燥等の方法によって除去した後に形成される活物質層の厚さが0.005〜5mm、好ましくは0.01〜2mmになる量が一般的である。乾燥方法も特に制限されず、例えば温風、熱風、低湿風による乾燥、真空乾燥、(遠)赤外線や電子線などの照射による乾燥が挙げられる。乾燥条件は、応力集中によって活物質層に亀裂が入る、あるいは活物質層が集電体から剥離する問題が生じない程度の速度範囲の中で、できるだけ早く溶媒が除去できるように調整する。更に、乾燥後の集電体をプレスすることにより負極活物質の密度を高めてもよい。プレス方法は、金型プレスやロールプレスなどの方法が挙げられる。
(実施例)
以下、合成例・実施例によって本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下の合成例・実施例に制約されるものではない。
(合成例1)
攪拌機、還流冷却管、単量体滴下口、および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水150.87g、60%アクリル酸水溶液7.0g、ギ酸ナトリウム0.40gを加え、均一な混合溶液とした。攪拌しながらポリビニルアルコール(重合度300)20.00gを加え、窒素導入管より窒素を導入し、恒温水槽により70℃に内部温度を調整した。窒素導入30分後、10%2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩化水素化物1.00gを添加し重合を開始させた。一方で、ギ酸ナトリウム0.40gに60%アクリル酸水溶液26.33gを加え、混合液を調整した。この混合液を、反応開始直後から5時間かけて系内に滴下しながら重合を行った。5時間後再度10%2、2’−アゾビス(2−メチルプロピオンアミジン)二塩化水素化物1.00gを添加し、さらに17時間重合を継続し反応を終了した。GPC-MALSにて分子量測定を行ったところ、重量平均分子量30万を示した。これをグラフト共重合体1とする。
(合成例2)
攪拌機、還流冷却管、単量体滴下口、および窒素導入管を備えた4つ口500mlセパラブルフラスコに脱イオン水150.87g、50%アクリルアミド水溶液2.0g、イタコン酸19.00g、ギ酸ナトリウム0.80gを加え、均一な混合溶液とした。攪拌しながらヒドロキシエチルセルロース20.00gを加え、窒素導入管より窒素を導入し、恒温水槽により70℃に内部温度を調整した。窒素導入30分後、10%過硫酸アンモニウム水溶液1.00gを添加し重合を開始させた。5時間後再度10%過硫酸アンモニウム水溶液1.00gを添加し、さらに17時間重合を継続し反応を終了した。GPC-MALSにて分子量測定を行ったところ、重量平均分子量10万を示した。これをグラフト共重合体2とする。
実施例及び比較例中の評価条件は以下の通りである。
(1)スラリーの混合性
バインダーと負極活物質に溶媒を添加したとき、均一に混合できたものをA、少し不均一な部分があったものをB、ほぼ不均一になったものをCと評価した。
(2)スラリーの保存安定性
作製した負極電極用スラリー状態のまま密封して室温下で3日間保存し、スラリーの状態に変化がみられなかったものをA、一部変化がみられたものをB、大部分が変化したものをCと評価した。
(3)スラリーの集電体への塗布性
作製した負極電極用スラリーを、ドクターブレードを用いて厚さ200μmになるように銅箔上に塗布した。このとき、均一に塗布できたものをA、均一に塗布するのに数回の操作が必要だったものをB、均一に塗布できなかったものをCと評価した。
(4)乾燥後の負極電極の表面状態
作製した負極電極用スラリーを、ドクターブレードを用いて厚さ200μmになるように銅箔上に塗布し、溶媒に水を使用したものは80℃、溶媒にN−メチル−2−ビロリドンを使用したものは120℃で1時間乾燥させた。乾燥後の負極電極表面が、均一であるものをA、一部不均一な部分があるものをB、大部分が不均一となったものをCと評価した。
(5)折り曲げ試験
長さ80mm、幅20mmの負極電極片を20枚作製し、負極電極片の活物質層を外側にして、直径15mmのガラス棒を芯にして電極面が接するまで折り曲げた。その後、同じ折り曲げ部分を、負極電極片が内側になるようにして同様に折り曲げた。この操作を3回繰り返した後に、活物質層にヒビが生じたもの、もしくは活物質が集電体から剥離したものの負極電極片の枚数を数えた。ヒビや剥離した枚数が一枚もないものをA、5枚以下のものをB、それ以外のものをCと評価した。
(6)負極活物質と集電体の結着性試験
作製した負極電極の表面にセロハンテープを一定の大きさで貼り付け、一定の速度で剥がしたときに、銅箔から剥がれた負極活物質の様子を観察した。銅箔上に結着している負極活物質がほとんど剥がれなかったものをA、部分的に剥がれてしまったものをB、銅箔部分からほとんど剥がれてしまったものをCと評価した。
上記グラフト共重合体1(濃度20wt%)をバインダーとして25重量部、天然黒鉛(LF−18A)を負極活物質として95重量部の割合で混合し、更に水を加えてスラリー中の全固形分が25%になるまで水を加えて十分攪拌し、負極電極用スラリーを得た。得られたスラリーを銅箔上にドクターブレード法によって均一に塗布し、80℃に調整した乾燥機で1時間乾燥した。さらに真空乾燥機にて100℃減圧乾燥をした後、ロールプレスによって圧縮し、活物質層の厚さ100μmの負極電極を得た。各種評価結果を表1に示す。
上記グラフト共重合体2(濃度20wt%)をバインダーとして25重量部、天然黒鉛(LF−18A)を負極活物質として95重量部の割合で混合し、更に水を加えてスラリー中の全固形分が25%になるまで水を加えて十分攪拌し、負極電極用スラリーを得た。得られたスラリーを銅箔上にドクターブレード法によって均一に塗布し、80℃に調整した乾燥機で1時間乾燥した。さらに真空乾燥機にて100℃減圧乾燥をした後、ロールプレスによって圧縮し、活物質層の厚さ100μmの負極電極を得た。各種評価結果を表1に示す。
(比較例1)
バインダーとしてPVDF(KF−1100)を5重量部、天然黒鉛(LF−18A)を95重量部の割合で混合し、更に水を加えてスラリー中の全固形分が30%になるまでN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を加えて十分攪拌し、負極電極用スラリーを得た。得られたスラリーを銅箔上にドクターブレード法によって均一に塗布し、120℃に調整した乾燥機で1時間乾燥した。さらに真空乾燥機にて150℃減圧乾燥をした後、ロールプレスによって圧縮し、活物質層の厚さ100μmの負極電極を得た。各種評価結果を表1に示す。
(比較例2)
バインダーとしてポリビニルアルコール(重合度=300)を5重量部、天然黒鉛(LF−18A)を95重量部の割合で混合し、更に水を加えてスラリー中の全固形分が25%になるまで水を加えて十分攪拌し、負極電極用スラリーを得た。得られたスラリーを銅箔上にドクターブレード法によって均一に塗布し、80℃に調整した乾燥機で1時間乾燥した。さらに真空乾燥機にて100℃減圧乾燥をした後、ロールプレスによって圧縮し、活物質層の厚さ100μmの負極電極を得た。各種評価結果を表1に示す。
(比較例3)
バインダーとしてポリアクリル酸(和光純薬工業製、重量平均分子量1,000,000)を使用した以外は比較例2と同様にして負極電極を得た。各種評価結果を表1に示す。







(表1)
これらの結果から、OH基を持つ水溶性高分子に、カルボキシル基を有するアニオン性単量体を主成分とする水溶性単量体をグラフト(共)重合させることで得られる電池負極用バインダー組成物(合成例1・2)は、負極薄膜作成時に負極活物質をスラリー中に均一に分散させ、負極活物質と集電体との高い結着性を誘起し、且つ可撓性の優れた負極薄膜を提供可能な電池負極用バインダー組成物であることがわかった。

Claims (6)

  1. OH基を持つ水溶性高分子に、カルボキシル基を有するアニオン性単量体が必須として含まれる水溶性単量体(混合物)をグラフト(共)重合させることで得られるリチウムイオン二次電池負極用バインダー組成物。
  2. 前記OH基を持つ水溶性高分子と、カルボキシル基を有するアニオン性単量体が必須として含まれる水溶性単量体(混合物)の質量比が、5:95〜95:5であることを特徴とする請求項1のリチウムイオン二次電池負極用バインダー組成物。
  3. グラフト(共)重合させる前記カルボキシル基を有するアニオン性単量体と、前記カルボキシル基を有するアニオン性単量体と共重合する非イオン性水溶性単量体とのモル比が、100:0〜51:49であることを特徴とする請求項1のリチウムイオン二次電池負極用バインダー組成物。
  4. 前記OH基を持つ水溶性高分子が、ポリビニルアルコールであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のリチウムイオン二次電池負極用バインダー組成物。
  5. 前記OH基を持つ水溶性高分子が、ヒドロキシエチルセルロースであることを特徴とする請求項1あるいは2に記載のリチウムイオン二次電池負極用バインダー組成物。
  6. 前記カルボキシル基を有するアニオン性単量体が、アクリル酸およびイタコン酸から選択される一種以上であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載のリチウムイオン二次電池負極用バインダー組成物。
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