JP2011049177A - 二次電池電極用スラリー、電池用電極および二次電池 - Google Patents

二次電池電極用スラリー、電池用電極および二次電池 Download PDF

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Abstract

【課題】機能阻害の小さい活物質を多量に電極基体に固定することができ、初期電気容量が大きく、しかも、充放電繰返し後も活物質が電極基体から剥離し難く、良好な電気容量を維持するリチウムイオン二次電池の電極の製造に有用なスラリーを提供する。
【解決手段】ポリマー粒子が有機分散媒中に分散されてなるバインダー組成物と活物質粒子を含むリチウムイオン二次電池電極用スラリーにおいて、ポリマー粒子が、ホモポリマーとしたときエラストマーとなるエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体と、他のエチレン性不飽和単量体(共役ジエン系単量体を除く)との共重合体からなり、ホモポリマーとしたときエラストマーとなる上記単量体と、該他のエチレン性不飽和単量体との割合(重量比)が1:0〜1:5であり、ポリマー粒子の平均粒径と該活物質粒子の平均粒径との比が1/500〜1/5の範囲であり、ポリマーのゲル含量が50重量%以上であるリチウムイオン二次電池電極用スラリー。
【選択図】なし

Description

本発明は、ポリマー粒子が有機分散媒中に分散されてなるバインダー組成物と活物質粒子を含むリチウムイオン二次電池電極用スラリー、該スラリーを用いて製造されたリチウムイオン二次電池電極、および該電極を具えてなるリチウムイオン二次電池に関する。
電池は、正極および負極の電極を構成要素として含んでいる。電極は、電気化学反応をする活物質、電極基体および必要により導電性粒子などを含む各種要素から構成されている。電極は、活物質などをバインダー組成物などと混合して電池用スラリー組成物とし、電極基体に塗布乾燥して作製されている。電池用スラリー組成物は、バインダーポリマーおよび溶媒や分散媒を含有するバインダー組成物に、活物質を加えて作製されている。
従来、電池用のバインダー組成物としては、有機溶媒系のもの、水系溶媒のものの両者が知られている。これらバインダー組成物は、それぞれ目的とする電池に適合するものが選ばれて使用されている。非水系電解液を用いるリチウム系電池では電極から水を極力除く必要があるが、製造の効率から通常有機溶媒系のバインダー組成物が用いられる。有機溶媒系バインダー組成物としては、通常、極性有機溶媒であるN−メチルピロリドンにポリビニリデンフルオライドを均一に溶解させた溶液状バインダー組成物が多用されている(例えば、特許文献1など)。このバインダー組成物は集電体との接着性および電極塗膜の強度に不満があった。
また、スチレン・1,3−ブタジエン共重合体を有機溶媒に溶解し、この溶液に電子線架橋性モノマーを加えてなるバインダー組成物が提案されている(特許文献2など)。このバインダー組成物は集電体との接着性および電極塗膜の強度は改善されている。しかしながら、スチレン・1,3−ブタジエン共重合体の溶液から形成された均一な膜は電極活物質の表面全体を被覆してしまい、電池の高容量化が望まれる現状では、活物質の表面を被覆し、電解液と直接接触する活物質の表面の面積を小さくすることとなり好ましくない。
特開平4−249860号公報 特開平8−124560号公報
本発明の目的は、活物質の機能の阻害の程度を小さくし、かつ電極基体に多量の活物質を固定することを可能にして初期電気容量が大きく、しかも、充放電を繰返した後も活物質が電極基体から剥離し難く、良好な電気容量を維持するリチウムイオン二次電池の電極の製造に有用なスラリーを提供することにある。
本発明の他の目的は、そのような二次電池電極用スラリーを用いて製造されたリチウムイオン二次電池電極;および該電極を具えてなるリチウムイオン二次電池を提供することにある。
本発明者らは、ポリマー粒子が有機分散媒中に分散されてなるバインダー組成物と活物質粒子を含むスラリーから製造された電極は、そのポリマーが特定の組成を有する共重合体であってゲル含量が大きく、そのポリマー粒子の平均粒径と活物質粒子の平均粒径との比が一定の範囲にあるときに、バインダーは良好な結着性および結着持続性を示すこと、さらに、この電極を具えたリチウムイオン二次電池は初期電気容量が大きく、充放電を繰返した後も大きな電気容量を維持することを見出した。
かくして本発明によれば、ポリマー粒子が有機分散媒中に分散されてなるバインダー組成物と活物質粒子を含んでなるリチウムイオン二次電池電極用スラリーにおいて、該ポリマー粒子を構成するポリマーが、ホモポリマーとしたときエラストマーとなるエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体と、共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体(共役ジエン系単量体を除く)との共重合体であって、 ホモポリマーとしたときエラストマーとなる上記単量体と、該他のエチレン性不飽和単量体との割合(重量比)が1:0〜1:5であり、該ポリマー粒子の平均粒径と該活物質粒子の平均粒径との比が1/500〜1/5の範囲であり、該ポリマーのゲル含量が50%以上であることを特徴とするリチウムイオン二次電池電極用スラリーが提供される。
さらに本発明によれば、(1)上記の二次電池電極用スラリーを用いて製造されたリチウムイオン二次電池電極;および(2)正極および負極の少くとも一方に、上記の二次電池電極を具えてなるリチウムイオン二次電池が提供される。
ポリマーバインダーと活物質とを含む電極形成用スラリーにおいて、ポリマーバインダー粒子と活物質粒子の平均粒子径の比を所定範囲とすることによって、活物質の機能の阻害の程度が小さく、かつ電極基体に多量の活物質を固定することが可能である。このスラリーを用いて製造される電極を少くとも一方の電極として具えたリチウムイオン二次電池は、初期電気容量が大きく、しかも、充放電を繰返した後も活物質が電極基体から剥離し難く、良好な電気容量を維持することができる。
ポリマーバインダー
本発明でバインダーとして使用されるポリマー粒子の形状については特に制限はないが、その粒子径は、電極活物質の粒子径との間に一定の相関を有する。すなわち、ポリマーバインダー粒子の平均粒径と電極活物質粒子の平均粒径との比が1/500〜1/5の範囲でなければならない。この比が1/5より大きいと、ポリマー粒子は電極活物質粒子と接触し難くなり、電極の内部抵抗が増大する。上記の比が1/500より小さいと、バインダー所要量が大きくなり過ぎ、ポリマーが活物質の表面を被覆してしまうため活物質の機能が阻害され、二次電池の電気容量が低下する。好ましいポリマー平均粒径/活物質平均粒径比は1/100〜1/10、より好ましくは1/60〜1/20である。
本発明でバインダーとして使用されるポリマーは、格別限定されるものではないが、ゲル含量が好ましくは50%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上であることが好ましい。このようにゲル含量の高いポリマーの中でも、特に単量体を単独で重合して、ホモポリマーとしたとき、エラストマー、すなわち、Tgが30℃以下のゴム弾性を有する柔軟なポリマーを生成することのできる単量体を主原料として重合したポリマーが好ましく、更にこのような単量体の中でも、共役ジエン系単量体やエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体を使用し、重合したものが好ましい。
重合機構は通常のラジカル重合またはイオン重合であり、重合方法は、乳化重合、懸濁重合、溶液重合など任意の方法でよい。
本発明で用いる好ましいポリマーは、共役ジエン系単量体またはエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体の単独重合体であってもよいし、共役ジエン系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体との共重合体であってもよい。これらの単量体成分を用いることにより、ポリマーが部分的に、または全体的にエラストマー的な性質を有することが可能となる。ここで、エラストマー的な性質とは、接着性や柔軟性などのことであり、特に、二次電池の電極用バインダー用組成物として用いる際は、電極上での電極基体との接着性や、充放電に伴う活物質の体積変化に対応する柔軟性(伸びや永久伸び)が重要な性質となる。
さらに、ホモポリマーとしたときエラストマーとなるエチレン性不飽和単量体に加えて、他のエチレン性不飽和単量体、例えば、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体;スチレン系単量体;ニトリル基含有単量体;アクリルアミド系単量体;メタクリルアミド系単量体;グリシジル基含有単量体;スルホン酸基含有単量体;アミノ基含有単量体などを用いることができる。ホモポリマーとしたときエラストマーとなる共役ジエン系単量体の具体例としては、1,3−ブタジエン、イソプレン、2,3−ジメチル−1,3−ブタジエン、1,3−ペンタジエン、ピペリレンなどが挙げられる。
ホモポリマーとしたときエラストマーとなるエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体の具体例としては、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−アミル、アクリル酸イソアミル、アクリル酸n−ヘキシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−ヒドロキシエチル、アクリル酸ヒドロキシプロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸n−アミル、メタクリル酸イソアミル、メタクリル酸n−ヘキシル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ヒドロキシプロピル、アクリル酸ラウリル、メタクリル酸ラウリル、クロトン酸メチル、クロトン酸エチル、イソクロトン酸エチルなどが挙げられる。
ホモポリマーとしたときエラストマーとなる上記の単量体と共重合される単量体として、(1)エチレン性不飽和カルボン酸系単量体の具体例としては、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸2−ヒドロキシエチルなどの、ホモポリマーとしたときエラストマーにならないエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体;アクリル酸、メタクリル酸などの不飽和モノカルボン酸系単量体;マレイン酸、フマル酸、シトラコン酸、メタコン酸、グルタコン酸、イタコン酸、テトラヒドロフタル酸、クロトン酸、イソクロトン酸、ナジック酸などの不飽和ジカルボン酸系単量体;マレイン酸モノオクチル、マレイン酸モノブチル、イタコン酸モノオクチルなどのエチレン性不飽和カルボン酸のモノエステルが挙げられ、(2)スチレン系単量体の具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、β−メチルスチレン、p−t−ブチルスチレン、クロロスチレンなどが挙げられ、(3)ニトリル基含有単量体の具体例としては、たとえば、アクリロニトリルやメタアクリロニトリルが挙げられ、(4)アクリルアミド系単量体の具体例としては、アクリルアミド、N−メチロールアクリルアミド、N−ブトキシメチルアクリルアミドなどが挙げられ、(5)メタクリルアミド系単量体の具体例としては、メタクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド、N−ブトキシメチルメタクリルアミドなどが挙げられ、(6)グリシジル基含有単量体の具体例としては、アクリル酸グリシジル、メタクリル酸グリシジル、アリルグリシジルエーテルなどが挙げられ、(7)スルホン酸基含有単量体の具体例としては、スチレンスルホン酸ソーダ、アクリルアミドメチルプロパンスルホン酸などが挙げられ;(8)アミノ基含有単量体の具体例としては、メタクリルジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチルなどが挙げられる。
これらの共重合される単量体の中では、エチレン性不飽和カルボン酸系単量体、スチレン系単量体およびニトリル基含有単量体が好ましい。
ホモポリマーとしたときエラストマーとなる単量体に加えて、他のエチレン性不飽和単量体を共重合すると、電池用バインダー組成物として使用する際に、電極基体などの金属との接着力を高めることができるので好ましい。また、不飽和ジカルボン酸系単量体やニトリル基含有単量体を使用すると、N−メチルピロリドンなどを有機分散媒として使用した場合に、ポリマーを分散させやすくなる。不飽和ジカルボン酸系単量体やニトリル基含有単量体の使用割合は、全単量体中1重量%以上、より好ましくは5重量%以上、60重量%以下、好ましくは45重量%以下、より好ましくは30重量%以下である。使用量が多すぎるとポリマーの柔軟性が低下するので、電池用バインダー組成物として使用する場合に、電極活物質が脱落しやすくなることがある。概して、ホモポリマーとしたときエラストマーとなる単量体と、共重合される単量体との割合は重量比で1:0〜1:10、好ましくは1:0.1〜1:5、より好ましくは1:0.5〜1:5である。
バインダー用ポリマーの具体例としては、共役ジエン系単量体の単独重合体または共重合体、共役ジエン系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体との共重合体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体の単独重合体または共重合体、共役ジエン系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体とスチレン系単量体との共重合体、共役ジエン系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体と不飽和ジカルボン酸系単量体とスチレン系単量体との共重合体、共役ジエン系単量体とエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体と不飽和ジカルボン酸系単量体とスチレン系単量体とニトリル基含有単量体との共重合体、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体と不飽和カルボン酸系単量体と不飽和カルボン酸系エステル系単量体とスチレン系単量体との共重合体などが例示される。具体例としては、ポリ1,3−ブタジエン、ポリイソプレン、スチレン−1,3−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−1.3−ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン−イタコン酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン−メタクリル酸メチル−イタコン酸共重合体、2−エチルヘキシルアクリレート−アクリロニトリル−メタクリル酸共重合体、スチレン−アクリロニトリル−1,3−ブタジエン−メタクリル酸メチル−フマル酸共重合体、ポリスチレン−ポリ1,3−ブタジエンブロック共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、ポリエチルアクリレート、ポリブチルアクリレート、アクリレート−アクリロニトリル共重合体、アクリル酸2−エチルヘキシル−アクリル酸メチル−アクリル酸−メトキシポリエチレングリコールモノメタクリレートなどのアクリレート系ポリマー;などが挙げられる。
これらの中でも、共役ジエン系単量体として1,3−ブタジエン、エチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体としてアクリル酸ブチル、不飽和モノカルボン酸系単量体としてアクリル酸、不飽和ジカルボン酸系単量体としてイタコン酸やフマル酸、不飽和カルボン酸エステル系単量体としてメタクリル酸メチル、スチレン系単量体としてスチレン、ニトリル基含有単量体としてアクリロニトリルを用いたものが好ましい。
本発明で用いるポリマーは、有機分散媒に分散する粒子であって、その粒径(分散媒乾燥後、電子顕微鏡で100個の粒子の長径と短径とを測定し、その平均値をとる)は、通常0.005〜1000μm、好ましくは0.01〜100μm、より好ましくは0.05〜10μmである。粒径が大きすぎると電池用バインダー組成物として使用する場合に、電極活物質と接触しにくくなり、電極の内部抵抗が増加する。小さすぎると必要なバインダーの量が多くなりすぎ、活物質の表面を被覆してしまう。
ゲル含量の高いポリマーを得るためには通常、架橋が行われる。架橋は熱、光、放射線、電子線などによる自己架橋であってもよいし、架橋剤を用いて架橋構造を導入するものであってもよく、またこれらの組み合わせであってもよい。
架橋剤としては、ベンゾイルペルオキシド、ジクロルベンゾイルペルオキシド、ジクミルペルオキシド、ジ−tert−ブチルペルオキシド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(ペルオキシドベンゾエート)ヘキシン−3,1,4−ビス(tert−ブチルペルオキシイソプロピル)ベンゼン、ラウロイルペルオキシド、tert−ブチルペルアセテート、2,5−ジメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキシン、3,2,5−トリメチル−2,5−ジ(tert−ブチルペルオキシ)ヘキサン、tert−ブチルペルベンゾエート、tert−ブチルペルフェニルアセテート、tert−ブチルペルイソブチレート、tert−ブチルペル−sec−オクトエート、tert−ブチルペルピバレート、クミルペルピバレート、tert−ブチルペルジエチルアセテートなどのパーオキサイド系架橋剤やアゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾイソブチレートなどのアゾ化合物;エチレンジグリコールジメタクリレート、ジエチレンジグリコールジメタクリレートなどのジメタクリレート化合物;トリメチロールプロパントリメタクリレートなどのトリメタクリレート化合物;ポリエチレングリコールアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレートなどのジアクリレート化合物;トリメチロールプロパントリアクリレートなどのトリアクリレート化合物;ジビニルベンゼンなどのジビニル化合物;などの架橋性モノマーなどが例示されるが、架橋剤としてはエチレンジグリコールジメタクリレートなどのジメタクリレート化合物やジビニルベンゼンなどのジビニル化合物などの架橋性モノマーが好ましい。
有機分散媒の具体例としては、アセトン、メチルエチルケトン、メチルプロピルケトン、エチルプロピルケトン、シクロペンタノン、シクロヘキサノン、シクロヘプタノンなどのケトン類;メチルエチルエーテル、ジエチルエーテル、ジプロピルエーテル、ジイソプロピルエーテル、ジブチルエーテル、ジイソブチルエーテル、ジn−アミルエーテル、ジイソアミルエーテル、メチルプロピルエーテル、メチルイソプロピルエーテル、メチルブチルエーテル、エチルプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、エチルn−アミルエーテル、エチルイソアミルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサンなどのエーテル類;γ−ブチロラクトン、δ−ブチロラクトン、カプロラクトンなどのラクトン類;β−ラクタム、カプロラクタムなどのラクタム類;シクロペンタン、シクロヘキサン、シクロヘプタン、デカリンなどの環状脂肪族類;ベンゼン、トルエン、o−キシレン、m−キシレン、p−キシレン、エチルベンゼン、プロピルベンゼン、イソプロピルベンゼン、ブチルベンゼン、イソブチルベンゼン、n−アミルベンゼンなどのなどの芳香族炭化水素類;ヘプタン、オクタン、ノナン、デカンなどの非環状脂肪族炭化水素類;ジメチルホルムアミド、N−メチルピロリドンなどの鎖状・環状のアミド類;乳酸メチル、乳酸エチル、乳酸プロピル、乳酸ブチル、安息香酸メチルなどのエステル類;アニリン、フラン、フルフラールなどの複素環化合物;ジメチルスルホキシドなどの含硫黄化合物;アセトニトリルなどのニトリル類;後述する電解液となる液状物質;などが例示される。これらのうち、ポリマーの分散性、取り扱いの容易さ、安全性、合成の容易さなどのバランスから、鎖状・環状のアミド類、ケトン類、エステル類、芳香族炭化水素類のうち、常圧での沸点が100〜250℃のものが特に好ましい。
例えば水系分散媒中で製造されたポリマー・水分散液を分散媒交換して有機分散媒に分散することにより得られる。この方法では水を除去する必要がある。用いる有機分散媒の沸点が水より高い場合は、有機分散媒を加えてエバポレーターなどを用いて水を蒸発させて除去すればよい。有機分散媒が水と共沸するものである場合は、有機分散媒を加えて水と共沸させてエバポレーターなどによってある程度水の量を減らした後にモレキュラーシーブなどの吸水剤を用いたり、逆浸透膜を用いて水分を除去すればよい。
ポリマーバインダー組成物の別の製造方法としては、水系分散媒中で製造されたポリマーをいったん凝固乾燥した後、粉砕し、有機分散媒に分散させる方法や凝固乾燥したポリマーを有機分散媒と混合し、これを粉砕する方法などもある。分散は、通常のボールミル、サンドミルなどの分散機;超音波分散機;ホモジナイザーなどを使用して行うことができる。さらに有機分散媒系においてポリマーを製造し、塊状のポリマーを得た場合には、ボールミル、サンドミルなどの分散機を使用して粉砕することによって、有機分散媒に分散されたポリマー分散組成物を得ることもできる。
ポリマーバインダー組成物には、各種の添加剤を添加することが可能である。例えば、電池用バインダー組成物に、さらに粘度調節剤を加えて容易に所望の厚さに塗布することができるようにしてもよい。このような粘度調節剤としては、ポリビニルピロリドン、ポリアクリル酸、ポリメタクリル酸、ポリアクリルアミド、ポリ−N−イソプロピルアクリルアミド、ポリ−N,N−ジメチルアクリルアミド、ポリエチレンイミン、ポリオキシエチレン、ポリ(2−メトキシエトキシエチレン)、ポリビニルアルコール、ポリ(3−モルフィリニルエチレン)、ポリビニルスルホン酸、ポリビニリデンフルオライド、アミロース、アミロペクチン、スターチなどの多糖類、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース、カルボキシエチルメチルセルロースなどのセルロース系化合物が挙げられる。
電池用バインダー組成物において、有機分散媒中に分散されているポリマーの濃度は通常0.1〜70重量%、好ましくは1〜60重量%、より好ましくは2〜50重量%である。ポリマーの濃度が低すぎると電池用スラリー組成物とした場合、電極基体に塗布しやすい濃度に調整しにくく、高すぎると有機分散媒中でポリマーが凝集しやすくなる。
電池用スラリー組成物
本発明のリチウムイオン二次電池用スラリー組成物は、上記の電池用バインダー組成物に電極活物質を配合して調製される。活物質としては、通常の電池で使用されるものを用いることができる。例えば、リチウムイオン二次電池では、負極活物質として、フッ化カーボン、グラファイト、天然黒鉛、MCMBなどのPAN系炭素繊維、ピッチ系炭素繊維などの炭素質材料、ポリアセンなどの導電性高分子、Li3 Nなどのチッ化リチウム化合物;リチウム金属、リチウム合金などのリチウム系金属;TiS2 、LiTiS2 などの金属化合物;Nb25 、FeO、Fe25 、Fe34 、CoO、Co23 、Co34 などの金属酸化物;AxMyNzO2 (但し、AはLi、MはCo、NiおよびMnから選択された少なくとも一種、NはAlおよびSnから選択された少なくとも一種、Oは酸素原子を表し、x、y、zは、それぞれ1.10≧x≧0.05、4.00≧y≧0.85、2.00≧z≧0の範囲の数である)で表される複合金属酸化物;などが例示される。また、正極活物質として、マンガン、モリブデン、バナジウム、チタン、ニオブなどの酸化物・硫化物・セレン化物;リチウムマンガン酸化物、リチウムコバルト酸化物、リチウムニッケル酸化物、リチウム鉄酸化物などのリチウム含有複合酸化物などの無機化合物;TiS2 、TiS3 、非晶質MoS3 、Cu223 、非晶質V25 −P25 、MoO3 、V23 、V613、AxMyNzOp(ただし、AはLi、MはCo、NiおよびMnから選択された少なくとも一種、NはAlおよびSnから選択された少なくとも一種、Oは酸素原子を表し、x、y、z、pは、それぞれ1.10≧x≧0.05、4.00≧y≧0.85、2.00≧z≧0、5.00≧p≧1.5の範囲の数である)で表される複合金属酸化物;ポリアセチレン、ポリ−p−フェニレンなどの導電性高分子;などが例示される。
活物質粒子の大きさは、ポリマーバインダー粒子の平均粒径の平均粒径と活物質粒子の平均粒径との比が前記の規定を満足するようにすべきである。活物質粒子の大きさは、通常0.1〜200μm、好ましくは1〜100μm、より好ましくは5〜80μmの範囲である。
電池用スラリー組成物中の活物質量も特に限定されないが、通常、ポリマー量に対して重量基準で1〜1000倍、好ましくは5〜1000倍、より好ましくは10〜1000倍、とりわけ好ましくは15〜100倍になるように配合する。活物質量が少なすぎると、電極基体に形成された活物質層に不活性な部分が多くなり、電極としての機能が不十分になることがある。また、活物質量が多すぎると活物質が電極基体に十分に固定されずに脱落しやすくなる。なお、電池用スラリー組成物に有機分散媒を追加して電極基体に塗布しやすい濃度として使用してもよい。
電極
本発明のリチウムイオン二次電池電極は、上記の電池用スラリー組成物を電極基体に塗布し、水分、有機液体および有機分散媒などの液状物質(以下、「液状物質」ということがある)を除去して、電極基体表面に形成されたマトリックス中に活物質を固定したものである。電極基体は導電性材料からなるものであれば特に限定されないが、通常、鉄、銅、アルミニウムなどの金属製のものを用いる。形状も特に限定されないが、通常、厚さ0.01〜0.5mm程度のシート状のものを用いる。
電池用スラリー組成物の電極基体への塗布方法も特に限定されない。たとえば、浸漬、ハケ塗りなどによって塗布される。塗布する量も特に限定されないが、液状物質を除去した後に形成される活物質層の厚さが0.01〜5mm、好ましくは0.1〜2mmになる程度の量である。液状物質を除去する方法も特に限定されないが、通常は応力集中が起こって活物質層に亀裂がはいったり、活物質層が電極基体から剥離しない程度の速度範囲のなかで、できるだけ早く液状物質が揮発するように減圧の程度、加熱の程度を調整して除去する。
電池
本発明の電池は、上記の電極を正極または負極の少なくとも一方に使用し、かつ非水系電解液を用いたリチウムイオン二次電池である。リチウムイオン二次電池の電解液は特に限定されず、負極活物質、正極活物質の種類に応じて、電池としての機能を発揮するものを選択すればよい。例えば、電解質としては、LiClO4 、LiBF4 、CF3 SO3 Li、LiI、LiAlCl4 、LiPF6 などリチウムイオン二次電池で常用される電解液の電解質が挙げられ、電解液の溶媒としては、エーテル類、ケトン類、ラクトン類、ニトリル類、アミン類、アミド類、硫黄化合物類、塩素化炭化水素類、エステル類、カーボネート類、ニトロ化合物類、リン酸エステル系化合物類、スルホラン系化合物類などが例示され、一般的には、エチレンカーボネートやジエチルカーボネートなどのカーボネート類が好適である。
以下、実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例によって限定されるものではない。実施例および比較例中、ポリマーバインダー粒子および活物質粒子の粒子径は、透過型電子顕微鏡写真で粒子20個の粒子の径を測定し、その平均値として求めた。
実施例1
(ポリマーの製造)
撹拌機付き耐圧オートクレーブに、モノマーとしてアクリル酸2−エチルヘキシル400重量部、スチレン200重量部、メチルメタクリレート350重量部、エチレングリコールジメタクリレート10重量部、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム30重量部、イオン交換水1800重量部、重合開始剤として過硫酸アンモニウム3重量部を入れ、十分撹拌した後、80℃に加温し重合した。モノマー消費量が98%になった時点で冷却し反応を止めラテックスポリマー粒子aを得た。ポリマー粒子aの粒子径は0.15μmであった。
(バインダー組成物の製造)
ポリマー粒子aのラテックス100重量部に、N−メチルピロリドン500重量部を加え、混合撹拌しながら加熱減圧し、水分を除去した。得られたポリマー粒子aのN−メチルピロリドン分散体の固形分濃度は7.0重量%であった。該分散体にヒドロキシメチルセルロースの10重量%N−メチルピロリドン溶液をポリマー粒子aの固形分に対して重量比で、1:1となるように添加し、バインダー組成物Aを得た。
(スラリーの製造)
カーボン(関西熱化学社製「NC−CL」平均粒径8.8μm)94重量部にバインダー組成物Aを6重量部(固形分重量)加え、十分に混合して負極用スラリーを得た。ここで、バインダー粒子と活物質粒子の径は1:59である。
(負極の製造)
該スラリーを幅8cm、長さ20cm、厚さ18μmの銅箔に塗布、乾燥した後、得られたフィルムをロールプレスして厚さ75μmの負極電極Aを得た。JIS Z6050に規定するセロハンテープを用いてJIS K6854により180度剥離試験を行った。その結果、負極電極Aの集電体(銅箔)と活物質層との接着剥離強さは1.4N/cmであった。
(電池の製造)
先に得た負極を4cm2 の正方形に切断し、正極である金属リチウム板との間に厚さ25μmのポリプロピレン製セパレーターを挟み、これを、エチレンカーボネートとジエチルカーボネートの1:2.5(体積比)混合液にLiPF6 を1mol/リットルの濃度となるように溶解させた電解液中に入れた電池5セルを作製した。
(電池性能の評価)
電池容量の測定は、5セルの電池をそれぞれ定電流法(電流密度:0.5mA/gカーボン)で1.2Vに充電し、0.0Vまで放電する充放電を繰り返し、電池容量を測定した。その平均値を評価結果とした。この結果、放電容量は、5サイクル終了時で317mAh/g、10サイクル終了時で314mAh/g、50サイクルで308mAh/gと高い電池容量が得られ、また容量の低下は極めて少ないものであった。
実施例2
(スラリーの製造)
実施例1のカーボンを、分級機を用いて粒子径2μm以下の粒子を分別して取り出した。該粒子の径は1.6μmであった。該カーボン粒子94重量部にバインダー組成物Aを6重量部(固形分重量)加え、十分に混合して負極用スラリーを得た。ここで、バインダー粒子と活物質粒子の径は1:11である。得られたスラリーを用いて実施例と同様の方法で負極電極Bを得た。この負極電極Bの集電体(銅箔)と活物質層の剥離接着強さは3.2N/cmであった。
(電池性能の評価)
実施例1と同様に電池容量を測定した。放電容量は、5サイクル終了時で312mAh/g、10サイクル終了時で302mAh/g、50サイクルで297mAh/gと高い電池容量が得られ、また容量の低下は極めて少ないものであった。
比較例1
(スラリーの製造)
実施例1のカーボンを、分級機を用いて粒子径0.6μm以下の粒子を分別して取り出した。該粒子の径は0.3μmであった。該カーボン粒子94重量部にバインダー組成物Aを6重量部(固形分重量)加え、十分に混合して負極用スラリーを得た。ここで、バインダー粒子と活物質粒子の径は1:2である。
(電池性能の評価)
実施例1と同様に電池容量を測定した。放電容量は、5サイクル終了時で225mAh/g、10サイクル終了時で185mAh/g、50サイクルで110mAh/gであった。初期の容量は低く、またサイクルの進行に伴い急激に容量が低下した。
比較例2
(ポリマーの製造)
実施例1で得られたラテックスaをスチーム凝固したのち、真空乾燥し隗状のポリマーを得た。該塊状ポリマーを液体窒素で冷却しながら粉砕し、引き続き液体窒素で冷却しながら分級した。分画範囲10〜50μmとした時に得られたポリマー粒子は、平均粒径が22μmであった。ここで、バインダー粒子と活物質粒子の径は1:0.4である。
(バインダー組成物の製造)
該ポリマー粒子を、N−メチルピロリドンに分散させて、バインダー組成物Bを得た。
(電池の製造)
実施例1と同様にスラリーおよび電極を作製した。得た電極を切断する際、切断部でカーボンの剥離が観察された。
比較例3
(ポリマーの製造)
撹拌機付き耐圧オートクレーブに、モノマーとしてアクリル酸2−エチルヘキシル400重量部、スチレン200重量部、メチルメタクリレート150重量部、エチレングリコールジメタクリレート10重量部、界面活性剤としてドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム30重量部、イオン交換水3800重量部、重合開始剤として過硫酸アンモニウム500重量部を入れ、十分撹拌した後、80℃に加温し重合した。モノマー消費量が59%になった時点で冷却し反応を止めラテックスポリマー粒子bを得た。ポリマー粒子bの粒子径は0.06μmであった。実施例1と同様にバインダー組成物Bを作製した。
(スラリーの製造)
実施例1のカーボンを、分級機を用いて粒子径60μm以上の粒子を分別して取り出した。該粒子の径は84μmであった。該カーボン粒子94重量部にバインダー組成物Bを6重量部(固形分重量)加え、十分に混合して負極用スラリーを得た。ここで、バインダー粒子と活物質粒子の径は1:1400である。
(電池の製造)
実施例1と同様にスラリーおよび電極を作製した。得た電極を切断する際、切断部でカーボンの剥離が観察された。
比較例4
(スラリーの製造)
比較例3のカーボン85重量部にバインダー組成物Bを15重量部(固形分重量)加え、十分に混合して負極用スラリーを得た。
(電池性能の評価)
実施例1と同様に電池を作製し電池容量を測定した。電池は作製できたが、放電容量は、5サイクル終了時で15mAh/gであり、ほとんど容量を示さなかった。
発明の好ましい実施態様
(1)ポリマー粒子が有機分散媒中に分散されてなるバインダー組成物と活物質粒子を含んでなるリチウムイオン二次電池電極用スラリーにおいて、該ポリマー粒子を構成するポリマーが、ホモポリマーとしたときエラストマーとなるエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体と、共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体(共役ジエン系単量体を除く)との共重合体であって、 ホモポリマーとしたときエラストマーとなる上記単量体と、該他のエチレン性不飽和単量体との割合(重量比)が1:0〜1:5であり、該ポリマー粒子の平均粒径と該活物質粒子の平均粒径との比が1/500〜1/5の範囲であり、該ポリマーのゲル含量が50%以上であることを特徴とする本発明のリチウムイオン二次電池電極用スラリー;(2)この二次電池電極用スラリーを用いて製造されたリチウムイオン二次電池電極。;ならびに、(3)正極および負極の少くとも一方として、この二次電池電極を具えてなるリチウムイオン二次電池の好ましい実施態様をまとめると以下のとおりである。
(1)ポリマー粒子の平均粒径と活物質粒子の平均粒径との比が1/00〜1/10、より好ましくは1/60〜1/20の範囲である。
(2)ポリマー粒子の平均粒径が0.005〜1000μm、より好ましくは0.01〜100μm、特に好ましくは0.05〜10μmの範囲である。
(3)ポリマーのゲル含量は50%以上、より好ましくは75%以上、さらに好ましくは80%以上である。
(4)バインダー組成物中のポリマーは、単独で重合したときガラス転移点Tgが30℃以下のホモポリマーを与えることのできる共役ジエン系単量体またはエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体のホモポリマーもしくはコポリマー、またはこれらの単量体と、共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体とのコポリマーである。
(5)前項(4)の共役ジエン系単量体および/またはエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体と、他のエチレン性不飽和単量体との割合は重量比で1:0〜1:10、より好ましくは1:0.5〜1:5である。
(6)前項(4)および(5)において、共役ジエン系単量体が1,3−ブタジエンであり、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単量体がアクリル酸ブチルであり、共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体がアクリル酸、イタコン酸、フマル酸、メタクリル酸メチル、スチレン、アクリロニトリルの中から選ばれた少くとも一種である。
(7)ポリマーは、架橋性単量体が共重合されたものである。
(8)有機分散媒は、常圧での沸点が80℃以上、より好ましくは100℃以上であり、また、より好ましくは常圧での沸点が300℃以下である。
(9)有機分散媒は常圧での沸点が100〜250℃であるアミド類、ケトン類、エステル類および芳香族炭化水素類の中から選ばれる。
(10)バインダー組成物中のポリマー濃度は0.1〜70重量%、より好ましくは1〜60重量%、さらに好ましくは2〜50重量%である。
(11)リチウムイオン二次電池電極用スラリーは、ポリマー重量に基づき1〜1000倍、より好ましくは5〜1000倍、さらに好ましくは10〜1000倍、とりわけ好ましくは15〜100倍の活物質を含む。
本発明のスラリーを用いて製造される電極を少くとも一方の電極として具えたリチウムイオン二次電池は、初期電気容量が大きく、しかも、充放電を繰返した後も活物質が電極基体から剥離し難く、良好な電気容量を維持することができる。

Claims (4)

  1. ポリマー粒子が有機分散媒中に分散されてなるバインダー組成物と活物質粒子を含んでなるリチウムイオン二次電池電極用スラリーにおいて、該ポリマー粒子を構成するポリマーが、ホモポリマーとしたときエラストマーとなるエチレン性不飽和カルボン酸エステル系単量体と、共重合可能な他のエチレン性不飽和単量体(共役ジエン系単量体を除く)との共重合体であって、 ホモポリマーとしたときエラストマーとなる上記単量体と、該他のエチレン性不飽和単量体との割合(重量比)が1:0〜1:5であり、該ポリマー粒子の平均粒径と該活物質粒子の平均粒径との比が1/500〜1/5の範囲であり、該ポリマーのゲル含量が50重量%以上であることを特徴とするリチウムイオン二次電池電極用スラリー。
  2. 該ポリマーが、架橋性モノマーとしてジメタクリレート化合物またはジビニル化合物を用いて、架橋構造を導入したものである請求項1に記載のリチウムイオン二次電池電極用スラリー。
  3. 請求項1または2に記載の二次電池電極用スラリーを用いて製造されたリチウムイオン二次電池電極。
  4. 正極および負極の少くとも一方に請求項3に記載の二次電池電極を具えてなるリチウムイオン二次電池。
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