JP2010172283A - 水田作業機の整地フロート構造 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】整地フロート11の前端に、整地フロート11の上面に圃面上の泥水を誘導する泥水誘導部13Bを形成している。
【選択図】図4
Description
そうすると、圃面上の泥水が波立ち、その波が隣接する条に影響する不都合な状況を招来する虞があった。
また、作業走行時に整地フロートの前端に水の抵抗が作用するために、整地フロートの前端が上下動を激しく繰り返す(バタツキ現象)動作を行うことがある。
この場合に、整地フロートの接地圧に基づく上下変動を利用して、植付高さを一定に維持する植付制御を行う場合に、上記したような整地フロートの前端が上下動を激しく繰り返す動作を行う場合には、植付制御が安定しない。
したがって、整地フロートを植付制御の接地センサとして利用しようとしても、感知不良を招来し易く、制御精度の確保が難しくなる虞もあった。
請求項1に係る発明の特徴構成は、整地フロートの前端に、前記整地フロートの上面に圃面上の泥水を誘導する泥水誘導部を形成している点にあり、その作用効果は次の通りである。
つまり、整地フロートの前端に、泥水誘導部を形成したので、圃面上の泥水が泥水誘導部を介して整地フロートの上面に誘導されて、フロートの後部側に流動する。
これによって、整地フロートが走行につれて、その前端で圃面上の泥水を押し退けることが抑制され、隣接する条への影響が少なくなる。
整地フロートの前端に泥水誘導部を設けるだけの簡単な改造によって、整地フロートの前端による泥水の押し退けをおさえて、隣接する条への影響を抑制できる。このように、隣接する条への影響を抑制できるので、高速での作業走行が可能になり、作業効率の向上を図ることができる。
しかも、整地フロートの前端に掛かる泥水の抵抗を低減できるので、整地フロートの接地圧変動に基づく上下作動をバタツキ無く安定したものにでき、植付制御の安定化を図ることのできる水田作業機の整地フロート構造を提供できるに至った。
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記整地フロートの横側端に立上げ壁体を立設し、前記立上げ壁体の立上げ面を前後向き姿勢に設定してある点にあり、その作用効果は次の通りである。
請求項1に係る発明において、整地フロートの前端に泥水誘導部を形成することによって、その整地フロートの上面へ圃面上の泥水が整地フロートの上面へ誘導されることについて記載した。
この場合に、整地フロートの上面に誘導された泥水が、整地フロートの横側端から流れ出て、隣接する条へ影響を与えることは好ましくない。
整地フロートの前端に泥水誘導部を形成したことによって、泥水を整地フロートの上面に導入する良さを生かしながら、整地フロートの横側端に立上げ壁体を立設することによって、整地フロートの上面に導入された泥水が整地フロートの横側端から流出することを抑制し、泥水誘導部と立上げ壁体との協働で隣接する条への影響を抑えた水田作業機の整地フロート構造を提供できるに至った。
苗植付装置7は、苗のせ台8、苗のせ台8の下方に位置する前後向き姿勢の植付伝動ケース9、植付伝動ケース9の後端部左右に装備されている苗植付機構10、植付伝動ケース9に後支点周りで上下揺動自在に整地フロート11を装備して、構成されている。
前方張出し部13は、フロート本体部12の前端の左右中央位置から前方に向かって張り出されたものであり、植付制御に使用されるセンサフロートとしての機能を有する。
整地フロート11の上面の形状について説明する。図4、図5及び図9に示すように、前方張出し部13において、上面は前端側程上方に位置し緩やかに傾斜する傾斜平坦面13Aに形成してあり、傾斜平坦面13Aの前端から横側方にかけて前方下向きに傾斜する前方下向き傾斜面13Cが形成してある。
より具体的には、下方に凹入する状態で形成されている載置部13Bは、前方張出し部13の前端において前方空間に開放すべく、傾斜平坦面13A及び前方下向き傾斜面13Cの一部が切り欠かれている。このように、載置部13Bは前方空間と連通する状態にあるので、圃面上にある泥水を傾斜平坦面13Aの上に誘導することができる。ここに、載置部13Bを泥水誘導部と称する。
また、前方張出し部13の前端に泥水が走行抵抗となって作用するので、その抵抗のために整地フロート11の上下揺動が安定せず、この整地フロート11の接地圧に基づく上下変動を利用して、植付高さを一定に維持する植付制御が安定しない点を、前記した切り欠きによって泥水の抵抗を軽減して、制御の安定を確保することができる。
取付座14Aが後方張出し部14の後端近傍に設けてあるので、取付座14Aと後方張出し部14の後端とが極近接した位置にある。したがって、整地フロート11が後ブラケット20の後支点a回りで上方に回動しても、後方張出し部14の後端が圃面内に入り込む深さが余り大きくならず、帯状整地部Aが施した整地面を乱すことが少ない。
作溝器28の取付構造については後記する。
このように、横側端12aの端面が推進方向に沿った面に形成してあるので、横側端12aの端面に沿って流れる泥水土が横側方に押し流されることが少なく、隣接する苗を押し倒す等の不都合を抑制できる。
図6及び図11に示すように、前方張出し部13の底面と、フロート本体部12における前方張出し部13の後方に位置する部分の底面とに亘って、中央側泥取り込み凹入部23が形成してある。中央側泥取り込み凹入部23は、側面視で、前方張出し部13の前端位置から上方に凹入するものであり、底面の湾曲状態に沿って略一定の凹入深さを維持しながら、フロート本体部12の後端部近くに至るまで形成されている。
図6及び図8に示すように、側方側取り込み凹入部24は、フロート本体部12の横側部分12Aの前端から開口し、側面視で、側方側取り込み凹入部24の天井面24bは、フロート本体部12の底面(後記する第1整地平坦部26A)の湾曲形状に沿った湾曲形状に形成されて後方に向けて延出してあり、第1整地平坦部26Aの後端部で同一の高さ位置となるように、後端側ほど徐々に浅くなり、第3整地部26Cの水平面26aに段差無く接続されている。 このように、側方側取り込み凹入部24の後端部は、第3整地部26Cと段差なく繋がっており、この後端部を第4傾斜繋ぎ面24Dと称する。
図6〜11に示すように、中央側泥取り込み凹入部23を囲む周囲に底面部26が形成してあり、側面視で、底面部26のうちの前方底面部26Eは前端側程上方に位置する湾曲形状に形成されている。中央側泥取り込み凹入部23の狭幅部分24Bを囲む後方底面部が、整地フロート11全体の底面において最も下方に突出する部分になっている。後方底面部のうち、狭幅部分24Bを左右両側から囲む部分を第2整地平坦部26Bと称し、狭幅部分24Bの後方に位置する部分を第4整地平坦部26Dと称する。
図5、図10及び図11に示すように、第1凹入部27A及び第2凹入部27B共に、フロート本体部12の後端まで形成されており、フロート本体部12の後端近くでは、前記したフランジ部11aの高さに揃えられている。
上記した第1凹入部27Aは、前方張出し部13の周縁部に沿って流れてきた泥水土を取り込み、後方に流動させるべく構成されている。
また、水平部26aの後方側に後方側ほど上方に向けて傾斜する傾斜面26bを形成してあるので、傾斜面26bでの泥の滞留が抑制され、整地フロート11が後支点回りで上下揺動しても、傾斜面26b部分が圃面内に深く沈み込み難く、泥押しも少ない。
図6及び図13,14に示すように、中央側泥取り込み凹入部23の狭幅部分23Bと第2整地平坦部26Bとの境界部位に、横幅方向に沿った第2傾斜繋ぎ面23Cが形成されている。第2傾斜繋ぎ面23Cは、整地フロート11をブロー成形する際に使用される金型の抜け勾配より緩やかな傾斜面に形成されている。
したがって、本願発明においてはこのような段差跡が残り難い構成となっている。
これによって、段差跡が残り難い構成となっており、植付面の凹凸が均されるので、苗の植付姿勢が乱れず、植付深さが安定し、苗の生育が良好になる。
このようにフロート本体部12(整地フロート11)の横側端の底面に上向き傾斜面12bを形成することによって、整地フロート11の横側端部位の圃面内への沈み込みを抑制し、かつ、横側方への泥の押し出しを軽減できるものである。
フロート本体部12の後端部に帯状整地部Aを形成してある。図6に示すように、帯状整地部Aは、フロート本体部12の後端部の底面における横幅方向の全長又は略全長に亘って、横幅方向に沿った帯状を呈する面である。帯状整地部Aは、中央側泥取り込み凹入部23の後端部に形成される第4整地平坦部26D、中央側泥取り込み凹入部23の両横側方に形成される第2凹入部27Bの後端部に形成されている前後向き傾斜面27a及び第2凹入部27Bに隣接する第1凹入部27Aの後端部に形成されている平面27c、平面27cの横側方に隣接する横幅方向に沿って傾斜する第1傾斜繋ぎ面27C、凹入部27の更に横側方に位置する側方側泥取り込み凹入部24の後端に形成されている水平面状の第3整地平坦部26Cとで構成される。第3整地平坦部26Cは、側方側泥取り込み凹入部24からフロート本体部12の横側端部に至る状態で形成されている。
第4整地平坦部26Dは、後方側張出し部14とフロート本体部12における前方側張出し部13の後方に位置する部分とを含む領域内においては、最も下方に位置しかつ水平面を形成するものであり、整地機能の高い部分である。
この取付孔14bは、帯状整地部Aに形成した泥逃がし凹入部27Bの平面27cより上方に大きく凹入する形状に形成してある。これによって、支点としての機能だけを発揮させるものであり、帯状整地部Aによる整地面をこの取付孔14bが乱すことはない。
(1)泥水誘導部としての載置部13Bを、傾斜平坦面13A及び前方下向き傾斜面13Cの一部を切り欠いて形成しているが、前後向きの貫通孔を形成して泥水誘導部を形成してもよい。
つまり、載置部13Bを形成する面から上方に向けて壁を巡らせて、載置部13Bを囲む構成を採り、壁に貫通孔を形成して、壁の前方空間と載置部13Bが設けられている壁の内部空間とを連通状態にして、圃面上の泥水を、貫通孔を通して載置部13B内に誘導し、整地フロート11の後方に誘導する構成を採ってもよい。
立上げ壁体22は、整地フロート11とは別個の部材として構成されるもので、金属材、又は、樹脂材を使用して製造される。
尚、図15及び図16に示す実施態様では、立上げ壁体22を整地フロート11に着脱可能に装着した例を示したが、立上げ壁体22を整地フロート11に一体形成してもよい。
作溝器本体部28Aの前面には、溝切板32が装着してあり、溝切板32を介して作溝器28は整地フロート11に取り付けてある。
整地フロート11の横側端部にフロート端部材を装着することによって、往復植付作業時に未整地を残さず作業を行うことができる。
軟らかい圃場においては、フロート端部材を装着すると横側方への泥押しが大きくなる虞があるので、フロート端部材を取り外すか収納するか折り畳むことができる。このように、フロート端部材を取り外すか収納するか折り畳むことによって、小型化も図れる。
12a 横側端
13B 泥水誘導部
22 立上げ壁体
Claims (2)
- 整地フロートの前端に、前記整地フロートの上面に圃面上の泥水を誘導する泥水誘導部を形成している水田作業機の整地フロート構造。
- 前記整地フロートの横側端に立上げ壁体を立設し、前記立上げ壁体の立上げ面を前後向き姿勢に設定してある請求項1記載の水田作業機の整地フロート構造。
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