JP4692390B2 - 苗植機の防波装置 - Google Patents

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この発明は、苗植機のフロート滑走によって押し寄せられる泥水波が、隣接植付苗条へ直接流入しないように遮断する防波装置に関し、防波板の接地推進抵抗を軽減するものである。
苗植装置のフロートの前部外側に回転自在の防波ディスや、防波板を設ける技術(例えば、特許文献1参照)が知られている。
特開2006ー75074号公報(第2頁、図1)。 実用新案登録第2509649号公報(第3頁、図1)。
苗植機の防波板は、サイドフロートの前部外側に沿って設けるが、前後に長い形態として、防波効果の有効を図ろうとすると、接地抵抗が大きくなり易い。とくに、硬い土塊や、わら屑等があると、防波板がこれらを押したり、乗り越えるようにして推進するために、接地抵抗が大きくなり、苗植装置も曲進し易く、操向性が悪くなる。
請求項1に記載の発明は、苗植土壌面を滑走するフロート1の前部外側に、前端部に回転自在の防波ディスク2を有した防波板3を設け、前記防波板3を苗植装置14に対して上下動可能に設けたことを特徴とする苗植機の防波装置の構成とする。苗植機の苗植装置やフロート1等と一体的に推進する防波ディスク2が、土壌面に対する接地抵抗を受けて回転しながら、この土壌面を切り込むようにして推進して切込溝部を形成する。この切込溝部、乃至切込溝の形成された付近を後側の防波板3が推進する。このため、防波板3が土壌面を摺動推進するときの接地抵抗が小さくなる。又、防波作用域は、これら防波ディスク2と防波板3との前後長域にわたって長く形成することができ、防波効果を高める。また、防波ディスク2や、防波板3は、下縁を土壌面上に接近させることによって、この土壌面上に盛り上がって流動しようとする泥水波の、横側隣接の植付苗条に対して直接の流れ込みを防止する。このため、苗植装置14の深さや、植付深さ等によっては、これら防波板3等の土壌面に対する作用深さが、深過ぎたり、浅すぎたりすることがある。このようなときは、これら防波ディスク2や、防波板3を一体として苗植装置14に対して上下に移動調節して、接地抵抗を小さくして、しかも、有効な防波機能を維持させる。
請求項1に記載の発明は、防波板3は、前部の防波ディスク2の回転によって切込まれた土壌面の切り込み溝後近傍部を摺動推進するため、土壌面に硬い土塊や、わら屑等があっても、この前側の防波ディスク2の回転によって容易に切り込んで割ったり、切り分けたり、更には土壌面下深くに押し込むこと等ができるため、このきり込み溝跡近くを後続推進する防波板3の推進抵抗を軽減することができ、しかも、これら防波ディスク2から防波板3の前後長にわたる防波域を長く形成して、防波効果を有効に働かせる。また、これら防波ディスク2と防波板3を一体的に上下動して、これらの推進抵抗を小さくして、圃場の土上面等の条件に応じた、的確で、円滑な防波作用を行わせることができる。
図例に基づいて、苗植機車体6は、ステアリングハンドル7で操向する前輪8と、後輪9を有し、運転席10を搭載のシートカバー11下に配置のエンジン12によって伝動駆動して走行する乗用四輪走行形態の構成とし、この後部に平行リンク13を介して苗植装置14を装着し、リフトシリンダ15の伸縮によって昇降可能に構成する。苗植装置14は、平行リンク13後端のリンクヒッチ16に対してローリング軸17周りにローリング自在にして連結の苗植フレーム18の下側に、左右幅方向中央部のセンタフロート4と、この両側部のサイドフロート1を配置し、土壌面に滑走支持する。この苗植フレーム18の上方には、マット状形態に育苗した苗収容して後部下方へ繰り出す多条植え形態の苗タンク20を左右往復移動可能に設け、後端部には、楕円形状の植付軌跡線Dを描いて苗植付作動する植付爪21を設けて、、各対応の苗タンク20から繰りだされる苗を分離保持して土壌面へ挿植する多条植え形態に構成している。該苗タンク20の後端下部には、横方向に沿うタンクガイド22を設け、各苗タンク20の下端口部を摺動案内すると共に、各苗タンク20毎に各植付爪21を作用させる苗取口23を形成する。
前記各フロート1、4の支持構成について、苗植フレーム18のフロート支軸24から後方下部に向けてフロートアーム25を突出させて、このフロートアーム25をフロート支軸24周りに上下回動調節可能に設ける。このフロートアーム25の後端部に横方向のフロート軸26を設けて、各フロート1、4のブラケット27を回動自在に支持し、各フロート1、4は滑走時の土壌抵抗を受けて前端部が上下回動自在となるように支持する。このセンタフロート4の上下回動によって、前記リフトシリンダ15の油圧制御弁を切替て、このリフトシリンダ15を伸縮し、苗植装置14全体を昇降させることにより、苗植付爪21による苗植付深さを一定に維持するように構成している。植付作用中に土壌面が深くなりセンタフロート4が上動すると、苗植装置14を上昇させ、又、逆に土壌面が浅くなりセンタフロート4が下動すると、苗植装置14を下降させて、苗植付深さを一定にするように制御する。この苗植深さを変更するために、前記フロート支軸24周りに回動可能の操作レバー28を設け、この操作レバー28の回動位置を、苗植フレーム18と一体のラックレバーガイド29に係合させることによって、上下回動操作位置を係止することができると共に、前記フロートアーム25を上下回動させて、苗植フレーム18に対するフロート1、4の支持位置を上下調節して植付深さを調節する。
前記各フロート1、4は、前半部分のフロート幅を広く張出形成して、均平部32を形成し、全体として平面視略T字状形態に構成し、植付爪21をこの各フロート1、4の左右両側の均平部32の後側に作動させるように配置する。苗タンク20の各苗取口23から分離した苗を均平された土壌面に挿植する。
ここにおいて、この発明にかかる防波装置は、苗植土壌面を滑走するフロート1の前部外側に、前端部に回転自在の防波ディスク2を有した防波板3を設けたことを特徴とする苗植機の防波装置の構成とする。苗植機の苗植装置やフロート1等と一体的に推進する防波ディスク2が、土壌面に対する接地抵抗を受けて回転しながら、この土壌面を切り込むようにして推進して切込溝部を形成する。この切込溝部、乃至切込溝の形成された付近を後側の防波板3が推進する。このため、防波板3が土壌面を摺動推進するときの接地抵抗が小さくなる。又、防波作用域は、これら防波ディスク2と防波板3との前後長域にわたって長く形成することができ、防波効果を高める。
又、前記防波板3を苗植装置14に対して上下動可能に設けたことをを特徴とする。防波ディスク2や、防波板3は、下縁を土壌面上に接近させることによって、この土壌面上に盛り上がって流動しようとする泥水波の、横側隣接の植付苗条に対して直接の流れ込みを防止する。このため、苗植装置14の深さや、植付深さ等によっては、これら防波板3等の土壌面に対する作用深さが、深過ぎたり、浅すぎたりすることがある。このようなときは、これら防波ディスク2や、防波板3を一体として苗植装置14に対して上下に移動調節して、接地抵抗を小さくして、しかも、有効な防波機能を維持させる。
前記防波板3は、フロート1、4の底面より深い位置からこの上面、乃至上面よりも高い位置にわたる高さに形成すると共に、前端縁部をソリ状傾斜縁30を形成し、サイドフロート1の前端部よりも前方位置からこのフロート1の均平部32位置にわたって垂直板形態に形成される。この防波板3を、サイドフロート1の外側方適宜間隔位置において前後方向にわたる長さにして設け、この防波板3の前端部の外側にディスク軸5によって防波ディスク2を回転自在に設ける。この防波ディスク2は、スプロケット円盤形態に形成し、回転径を防波板3の下端縁31よりも下位に深く突出し、該防波ディスク2の前端を防波板3の前端縁よりも前側に位置させて回転可能に構成する。
このような防波板3の苗フレーム18に対する取付けは、苗植フレーム18の外側部に取付ブラケット36を介して苗タンクガード37を取付けると共に、前後方向に沿う取付杆38を構成し、この取付杆38の前後端部の回動軸40周りに前後回動自在の平行状吊下ロッド39を設け、この前後一対の吊下ロッド39の下端部に防波板3の前後上縁部を吊下ピン41周りに回動自在に取付ける。前記操作レバー28とこの防波板3との間をワイヤー42で連結して、この操作レバー28を上下回動することによって、防波板3を前後に回動して、上下高さを変更調節することができる。この防波板3の上下動は、前後一対の平行リンク形態の吊下ロッド39を介して行われるため、平行状態を維持して行われる。操作レバー28を上下方向A、Bへ回動することによって、フロートアーム25を下側、上側に回動して、このフロート1、4による苗植フレーム18の支持高さを高、低に移動させて、苗植付爪21による苗植付深さを浅、深に変更調節することができる。これに伴って防波板3は、植付深さを浅くA調節すると下動し、植付深さを深くB調節すると上動するように連動される。
苗植機の走行推進によって、苗植装置14の各フロート1、4が泥土面を滑走して、苗植装置14自体の重量を支持して均平部32で土壌面を均平し、この均平土壌面に植付爪21が苗タンク20から分離保持した苗を植付ける。このとき左右両側部のサイドフロート1の外側部では、防波板3及び防波ディスク2が、このサイドフロート1の前部外側部に沿って土壌面に浅く切込まれて推進し、これらサイドフロート1や、センターフロート2等によって、推進方向へ押し寄せられる泥水波を外側の隣接既植付苗条側へ直接流出させないように仕切って、後方側へ流動案内させる。この泥水波を案内する場合に、防波板3の下端縁31が土壌面を切込推進するとき、この前端部の防波ディスク2がディスク軸5周りに摩擦回転されながら土壌面に切込まれるため、硬い土塊や、わら屑等があっても、破砕されたり、切断、乃至土壌面に押込まれる等によって、後続の防波板3の切込推進抵抗を少なくし、円滑に推進されて、防波効果を高める。
前記防波ディスク2付きの防波板3を前後一対の吊下ロッド41の略直下位置から後方上部に向けて逃がすように回動させることによって、土壌面に対する切込抵抗を小さくするように構成している。又、これら吊下ロッド41の回動支点である回動軸40はサイドフロート1前部よりも上方部に位置させている。又、前記タンクガード37は取付ブラケット36に対する取付基部43を横方向へ移動調節可能に設けている。このタンクガード37の外側への移動調節と共に、このタンクガード37に一体構成として、防波ディスク2付きの防波板3をも一体的に横方向へ移動調節可能の構成にしている。
前記防波ディスク2付きの防波板3を、吊下ロッド39を介して上下に移動調節可能の構成としているが、同様の機構を介して前後方向に移動可能の構成として、防波作用位置をサイドフロート1に対して前後方向に変更可能にして、隣接植付条苗に対する泥土流の影響を少くするように構成することもできる。又、前記防波ディスク2を防波板3の外側に取付けたが、逆に、防波板3の内側に取付ける形態とすることもできる。
前記苗タンク20を、苗植フレーム18と一体に設けた左右横方向のスライドレール19上に摺動自在に支持するが、この苗タンク20の後下端底面とスライドレール19上面との間に給油する給油口50を、苗タンク20の裏面部で、各苗タンク20毎の左右一対の繰出ベルト51間の間隔部52に設け、この間隔部52の後上部に沿ってビニールチューブ等からなる給油チューブ53を延長して、フック54で取付けて、この苗タンク20の裏側から給油ホース57等に連結して、給油経路を短縮し、簡単にする。該スライドレール19の後下端に沿って苗取口23を形成したタンクガイド22を立設している。又、左右の各タンク仕切壁55部を有した各タンク20の後下部で、この底部には、左右二条毎の繰出ベルト51を、前後一対のプーリ56に掛け渡し、苗タンク20が左右横端に移動する毎に所定量間歇的回動して、苗タンク20に収容のマット苗をタンクガイド22側へ向けて繰りだすことができる。
又、前記車体6の底部には、接地センサ60を設け、深い圃場での苗植作業で、接地センサ60が土壌面を検出することによって、警報を発し、又は表示するように構成して、作業の継続の可、否を判別させるものである。又、この接地センサ60の検出によってエンジン12を停止制御するように構成することもできる。このエンジン12を停止させるときは、圃場からの脱出のために、接地センサ60の検出によるエンジン12の停止を行わせないように切替える切替装置を設けることもできる。
前記苗植機のダッシュボード65等のメータパネル66に、温度計67を有したラベル68を貼り付けて、例えば、低温時は所定の運転操作等を行うことを促す形態とすることが簡単にできる。温度計67をラベル68(注意書きラベル69を含むこともできる)と一体として、モニタ等適宜の場所に簡単に貼付ることができる。
苗植装置部の側面図。 その平面図。 防波板部の斜視図。 苗植機の側面図。 その平面図。 苗タンク一部の平面図。 温度計ラベルの平面図。
符号の説明
1 サイドフロート
2 防波ディスク
3 防波板
4 センタフロート
5 ディスク軸
14 苗植装置

Claims (1)

  1. 苗植土壌面を滑走するフロート(1)の前部外側に、前端部に回転自在の防波ディスク(2)を有した防波板(3)を設け、前記防波板(3)を苗植装置(14)に対して上下動可能に設けたことを特徴とする苗植機の防波装置。
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