JP7348106B2 - 作業車及び作業車のための情報ラベル - Google Patents

Description

本発明は、作業車及び作業車のための情報ラベルに関する。

従来は、一般的な作業車においては、特許文献１の図２に示すように、作業車の前側カバーに情報ラベルが取り付けられ、その情報ラベルの略全面に、操縦者に注意を喚起する警告情報が記載されていた。

特開２０１９－１４４６６号公報

従来の技術では、情報ラベルの略全面に警告情報が記載されていたため、仕様変更等により警告情報の内容を追加する必要がある場合には、文字のサイズを小さくするか、又は情報ラベルのサイズを大きくする必要があった。

しかし、文字のサイズを小さくすれば、操縦者にとって読み難いものとなる。また、情報ラベルのサイズを大きくするには、それに伴い、取付部として形成されていた部分のサイズを大きくする必要があり、ダッシュボードの設計変更を行うこととなる。この場合、ダッシュボードを形成するための金型を変更する必要があり、コストがかかるものであった。

そこで本発明は、上記課題に鑑み、情報ラベルの記載内容を変更する際、情報ラベルに記載された文字の大きさを維持し、且つ、情報ラベルが取り付けられる取付部のサイズを変更する必要のない作業車及び情報ラベルを提供することを目的とする。

本発明の作業車は、操縦者が搭乗する運転部と、前記運転部に設けられ、前記操縦者が着座する運転座席と、前記運転部に設けられ、前記運転座席から前方側に離れた位置に配置された前側カバーと、前記前側カバーの表面に設けられ、前記操縦者に情報を提供する情報ラベルと、が備えられ、前記情報ラベルに、前記操縦者に注意を喚起する警告情報が記載された第一領域が存在する区画と、前記第一領域とは区分けされた第二領域が存在する区画と、が設けられ、前記第二領域は、当該第二領域における区画内面積の大部分が筆記可能に構成された空白欄を有している。

この発明によれば、仕様変更等により警告情報の内容を追加する必要がある場合には、情報ラベルにおいて、第二領域を無くしたうえで、第一領域のサイズを大きくすることにより、警告情報を記載するためのスペースを拡張することができる。したがって、情報ラベル全体のサイズを変更することなく、文字の大きさを維持することができ、且つ、前側カバーにおいて、取付部のサイズを変更する必要がなくなる。その結果、文字の読み易さを維持しつつも、前側カバーの設計変更に伴うコストを削減することができる。

この発明によれば、第二領域が予め文字等が記載されていない空白欄を有することで、第二領域への手書きによる文字等の書き込みや、書かれた文字等の認識を、より好適に行うことができる。

本発明においては、前記前側カバーの表面に、前記情報ラベルの形状に対応する形状の平滑面を有する取付部が設けられ、前記情報ラベルは、前記平滑面に取り付けられていると好適である。

一般に、作業者の運転部の内部に設置されているダッシュボード等は、美感等のため、エンボス加工等が施されており、微小な凹凸を有する。そのため、例えば、情報ラベルを接着剤等で取り付ける場合、微小な凹凸により接着面積が少なくなり、好適に情報ラベルを取り付けることができないことがある。この発明によれば、前側カバーの表面に、平滑面が形成されていることで、微小な凹凸を有する面で構成されている場合と比べ、前側カバーと情報ラベルとの接着面積が増し、より好適に情報ラベルを取り付けることができる。

本発明においては、前記前側カバーに、前記前側カバーの表面よりも凹んだ窪み部が設けられ、前記平滑面は、前記窪み部の底部に設けられていると好適である。

この発明によれば、情報ラベルを取り付ける箇所が明確になり、作業者は情報ラベルの取付作業を容易に行うことができる。

本発明においては、前記運転座席は、前記運転部の左右方向一方側に偏倚する状態に配置され、前記情報ラベルは、前記運転部の左右方向他方側に偏倚する状態に配置されていると好適である。

この発明によれば、前側カバーのうち運転座席とは異なる位置、つまり、ステアリング等の操縦操作具が備えられていない比較的平坦な面が多い位置に、情報ラベルが取り付けられることとなる。その結果、情報ラベルの取付部を大きく確保することができ、情報ラベルのサイズを大きくすることができる。

本発明においては、前記情報ラベルは、略矩形状に構成され、前記第一領域と前記第二領域とは、長手方向に横並び状態に配置されていると好適である。

この発明によれば、仕様変更等により警告情報の記載量を増やす必要がある場合には、第二領域のサイズを小さくし、又は、第二領域を無くしたうえで、第一領域の横幅や形状を変更すればよく、情報ラベルのデザイン変更が容易に行うことができる。

本発明においては、前記第二領域の大部分は、白色系の色で構成されていると好適である。

一般的に利用されている筆記具は、黒色系等の濃い色で筆記を行う筆記具が多く、この発明によれば、このような筆記具を用いて書かれた文字等が認識しやすいものとなる。したがって、第二領域への書き込みには、一般的な筆記具を使用することができ、特殊な筆記具を用意する必要がなくなる。

本発明においては、前記第二領域は、前記第二領域の表面がラミネート加工されているラミネート加工部を有すると好適である。

この発明によれば、手書き用の筆記具としてホワイトボード用マーカー等を用いることが可能となり、第二領域への書き込み内容の変更や書き直しを容易に行うことができる。

本発明においては、前記情報ラベルは、前記前側カバーのうちの上面部の表面に備えられていると好適である。

この発明によれば、机の上で手書きをするのと同じ感覚で手書き作業を行うことができ、第二領域への手書き作業が好適に行うことができる。

本発明においては、前側カバーは、ダッシュボードであると好適である。

この発明によれば、多くの作業車等に備えられているダッシュボードに情報ラベルが取り付けられることとなり、既存の作業車の構成をそのまま利用することができる。

本発明の情報ラベルは、作業車に取り付けられ、操縦者に情報を提供する情報ラベルであって、前記操縦者に注意を喚起する警告情報が記載された第一領域が存在する区画と、前記第一領域とは区分けされた第二領域が存在する区画と、が設けられ、
前記第二領域は、当該第二領域における区画内面積の大部分が筆記可能に構成された空白欄を有している。

この発明によれば、仕様変更等により警告情報の内容を追加する必要がある場合には、情報ラベルにおいて、第二領域を無くしたうえで、第一領域のサイズを大きくすることにより、警告情報を記載するためのスペースを拡張することができる。したがって、情報ラベル全体のサイズを変更することなく、文字の大きさを維持することができ、且つ、前側カバーにおいて、取付部のサイズを変更する必要がなくなる。その結果、文字の読み易さを維持しつつも、前側カバーの設計変更に伴うコストを削減することができる。

この発明によれば、第二領域が予め文字等が記載されていない空白欄を有することで、第二領域への手書きによる文字等の書き込みや、書かれた文字等の認識を、より好適に行うことができる。

本発明においては、略矩形状に構成され、前記第一領域と前記第二領域とは、長手方向に横並び状態に配置されていると好適である。

この発明によれば、仕様変更等により警告情報の記載量を増やす必要がある場合には、第二領域を無くしたうえで、第一領域の横幅を変更すればよく、情報ラベルのデザイン変更が容易に行うことができる。

本発明においては、前記第二領域の大部分は、白色系の色で構成されていると好適である。

一般的に利用されている筆記具は、黒色系等濃い色で筆記を行う筆記具が多く、この発明によれば、このような筆記具を用いて書かれた文字等が認識しやすいものとなる。したがって、第二領域への書き込みには、一般的な筆記具を使用することができ、特殊な筆記具を用意する必要がなくなる。

本発明においては、前記第二領域は、前記第二領域の表面がラミネート加工されているラミネート加工部を有すると好適である。

この発明によれば、手書き用の筆記具としてホワイトボード用マーカー等を用いることが可能となり、第二領域への書き込み内容の変更や書き直しを容易に行うことができる。

ユーティリティビークルの全体を示す平面図である。 第一領域及び第二領域を有する情報ラベルを示す図である。 第一領域のみを有する情報ラベルを示す図である。

以下、本発明の実施の形態を作業車の一例としてのユーティリティビークル（多目的車両）に適用した場合について、図面に基づいて説明する。

〔ユーティリティビークルの全体の構成について〕
以下の説明では、ユーティリティビークルの車体に関し、図１に示される矢印Ｆの方向を「車体前方」、矢印Ｂの方向を「車体後方」、矢印Ｒの方向を「車体右方」、矢印Ｌの方向を「車体左方」とする。

図１に示すように、ユーティリティビークルは、パイプフレーム材などを組み合わせて構成された車体フレーム（図示せず）を有する車体、操向可能かつ駆動可能に車体の前部に装備された左右一対の前車輪１、車体の後部に駆動可能に装備された左右一対の後車輪２が備えられている。車体の前部に、車体フレームの前部などの上方を覆うフロントリッド３が設けられている。車体に、操縦者が搭乗する運転部４が備えられている。

〔運転部の構成について〕
図１に示すように、運転部４に、運転座席５、補助席５ａ、前車輪１を操向操作するステアリングホィール６、及び、ダッシュボードとしての前側カバー７が備えられている。運転座席５は運転部４の左側部分に、補助席５ａは運転部４の右側部分に配置され、運転座席５と補助席５ａとは、車体幅方向に横並びになる状態で配置されている。前側カバー７は、運転座席５及び補助席５ａから前方側に離れた位置に配置されている。前側カバー７には、操縦者に情報を提供する情報ラベル１０が備えられている。

〔前側カバーの構成について〕
前側カバー７の左側部分、つまり、運転座席５に対応する箇所に、ステアリングホィール６等の操縦操作具が備えられている。前側カバー７の右側部分に、情報ラベル１０を取り付けるための取付部８が備えられており、取付部８に平滑面８ａが形成されている。

取付部８は、前側カバー７の上面部の表面に形成されている。取付部８及び平滑面８ａは、情報ラベル１０の形状に対応するように、略矩形形状に形成されている。

〔情報ラベルの構成について〕
図２に示すように、情報ラベル１０に、操縦者に注意を喚起する警告情報が記載された第一領域１０Ａと、筆記可能に構成されている第二領域１０Ｂと、が設けられている。情報ラベル１０は、略矩形状に構成されている。第一領域１０Ａと第二領域１０Ｂとは、それぞれ矩形形状に構成され、情報ラベル１０の長手方向に横並び状態に配置されている。

第一領域１０Ａには、作業車を取り扱う上での危険性や注意点等の説明が記載されている。また、作業車に関する法令等の内容に則した注意点等も記載されることもある。

第二領域１０Ｂは、筆記可能な空白欄を有しており、第二領域１０Ｂの大部分は、筆記具を用いて書き込まれた文字が読み易いように白色系の色で構成されている。また、第二領域１０Ｂの表面はラミネート加工されている。第二領域１０Ｂがラミネート加工部を有することにより、筆記具としてホワイトボード用マーカー等を用いることができ、手書きされた文字の削除等を容易に行うことができる。

第二領域１０Ｂに、例えば「Ｍｅｍｏ」等と記載することにより、第二領域１０Ｂが筆記可能な領域であることを示すことができる。

ここで、作業車の仕様変更や法令の改正等が行われれば、第一領域１０Ａに記載された警告情報の内容の記載量が多くなることがある。この場合には、図３に示すように、第二領域１０Ｂを無くしたうえで、情報ラベル１０の全体を第一領域１０Ａとする。また、その他の対応として、第二領域１０Ｂを小さくしたうえで、第一領域１０Ａを大きくすることもできる。これにより、情報ラベル１０全体のサイズや形状を変更することなく、警告情報の記載量を増加させることができる。逆に、警告情報の記載量が少なくなった場合には、第一領域１０Ａのサイズを小さくし、第二領域１０Ｂのサイズを大きくすることで、情報ラベル１０全体のサイズや形状を変更することなく、第二領域１０Ｂにおける筆記可能領域を増加させることができる。

〔別実施形態〕
以下、上記実施形態に変更を加えた別実施形態を例示する。以下の別実施形態は、矛盾が生じない限り、複数組み合わせて上記実施形態に適用してよい。なお、本発明の範囲は、各実施形態の内容に限定されるものではない。

（１）上記実施形態において、運転座席５が運転部４の左側部分に偏倚し、情報ラベル１０が運転部４の右側部分に偏倚している場合を例に説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではない。運転座席５が運転部４の右側部分に偏倚し、情報ラベル１０が運転部４の左側部分に偏倚していてもよく、また、運転座席５と情報ラベル１０とが、運転部４の幅方向で同じ側に配置されていてもよい。また、情報ラベル１０は、運転部４の幅方向で中央部分に配置されていてもよい。

（２）上記実施形態において、取付部８と平滑面８ａは、前側カバー７の表面と一面に構成されている場合を例に説明したが、前側カバー７に前側カバー７の表面よりも凹んだ窪み部（図示せず）を備え、窪み部の底部に平滑面８ａが備えられている構成としてもよい。この構成により、情報ラベル１０を張り付ける箇所が明確になり、例えば、情報ラベル１０の取付作業等を行う際には、作業者は情報ラベル１０の取付作業を容易に行うことができる。

（３）上記実施形態において、情報ラベル１０は、略矩形状に構成され、第一領域１０Ａと第二領域１０Ｂとは、それぞれ矩形形状に構成され、情報ラベル１０の長手方向に横並び状態に配置されている場合を例に説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではない。例えば、第一領域１０Ａと第二領域１０Ｂとが横並び状態でなくてもよく、また、情報ラベル１０、第一領域１０Ａ、及び第二領域１０Ｂは、それぞれ、楕円形状や台形形状など各種形状で構成されてもよい。

（４）上記実施形態において、第二領域１０Ｂの大部分は、白色系の色で構成されている場合を例に説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではない。手書きされた文字が認識できる色であればよく、黄色系や青色系で構成されていてもよい。

（５）上記実施形態において、第二領域１０Ｂの表面がラミネート加工されている場合を例に説明したが、本発明は上記の実施形態に限られるものではない。第二領域１０Ｂが筆記可能に構成されていればよく、例えば、第二領域１０Ｂがマット加工されている構成としてもよい。

本発明は、ユーティリティビークルに限らず、運搬車、トラクタ、コンバインなど各種の作業車及びその作業車のための情報ラベルに適用できる。

４ 運転部
５ 運転座席
７ 前側カバー
８ 取付部
８ａ 平滑面
１０ 情報ラベル
１０Ａ 第一領域
１０Ｂ 第二領域

Claims (13)

1. 操縦者が搭乗する運転部と、
   前記運転部に設けられ、前記操縦者が着座する運転座席と、
   前記運転部に設けられ、前記運転座席から前方側に離れた位置に配置された前側カバーと、
   前記前側カバーの表面に設けられ、前記操縦者に情報を提供する情報ラベルと、が備えられ、
   前記情報ラベルに、前記操縦者に注意を喚起する警告情報が記載された第一領域が存在する区画と、前記第一領域とは区分けされた第二領域が存在する区画と、が設けられ、
   前記第二領域は、当該第二領域における区画内面積の大部分が筆記可能に構成された空白欄を有している作業車。
2. 前記前側カバーの表面に、前記情報ラベルの形状に対応する形状の平滑面を有する取付部が設けられ、
   前記情報ラベルは、前記平滑面に取り付けられている請求項１に記載の作業車。
3. 前記前側カバーに、前記前側カバーの表面よりも凹んだ窪み部が設けられ、
   前記平滑面は、前記窪み部の底部に設けられている請求項２に記載の作業車。
4. 前記運転座席は、前記運転部の左右方向一方側に偏倚する状態に配置され、
   前記情報ラベルは、前記運転部の左右方向他方側に偏倚する状態に配置されている請求項１から３のいずれか一項に記載の作業車。
5. 前記情報ラベルは、略矩形状に構成され、
   前記第一領域と前記第二領域とは、長手方向に横並び状態に配置されている請求項１から４のいずれか一項に記載の作業車。
6. 前記第二領域の大部分は、白色系の色で構成されている請求項１から５のいずれか一項に記載の作業車。
7. 前記第二領域は、前記第二領域の表面がラミネート加工されているラミネート加工部を有する請求項１から６のいずれか一項に記載の作業車。
8. 前記情報ラベルは、前記前側カバーのうちの上面部の表面に備えられている請求項１から７のいずれか一項に記載の作業車。
9. 前側カバーは、ダッシュボードである請求項１から８のいずれか一項に記載の作業車。
10. 作業車に取り付けられ、操縦者に情報を提供する情報ラベルであって、
    前記操縦者に注意を喚起する警告情報が記載された第一領域が存在する区画と、前記第一領域とは区分けされた第二領域が存在する区画と、が設けられ、
    前記第二領域は、当該第二領域における区画内面積の大部分が筆記可能に構成された空白欄を有している情報ラベル。
11. 略矩形状に構成され、
    前記第一領域と前記第二領域とは、長手方向に横並び状態に配置されている請求項１０に記載の情報ラベル。
12. 前記第二領域の大部分は、白色系の色で構成されている請求項１０又は１１に記載の情報ラベル。
13. 前記第二領域は、前記第二領域の表面がラミネート加工されているラミネート加工部を有する請求項１０から１２のいずれか一項に記載の情報ラベル。

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