JP5341976B2 - 水田作業機の整地フロート - Google Patents
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Description
請求項1に係る発明の特徴構成は、全条に相当する横幅を有するフロート本体部の底部における後縁部に当該後縁部における横幅方向の全長又はほぼ全長に亘って、前記横幅方向に沿った帯状を呈する帯状整地部が形成され、
前記帯状整地部と前記帯状整地部の前側の部分とに亘って、後方に泥土を誘導すべく上方に凹入する泥逃がし凹入部が形成されており、
前記帯状整地部の前側に位置する前記泥逃がし凹入部の前部が前側ほど上方に位置する前上がり状に形成され、前記泥逃がし凹入部の後部の平面が前記泥逃がし凹入部のうちの最下位部分であり且つ前記帯状整地部の一部である。
つまり、全条に亘る横幅を備えているフロート本体部に帯状整地部を設けているので、複数個のフロート部で全条をカバーするフロート構造を採るものに比べて、各フロート部の横側端部が圃面内に沈み込んで形成するフロート通過跡を少なくできるものである。
また、この帯状整地部で全条分の圃面を均して、その均した圃面上に例えば苗を植え付けることができるので、植付条が見栄え良く形成される。
これに対して、本願発明においては、帯状整地部の一部に上方に凹入する泥逃がし凹入部(泥逃がし凹入部の後部の平面)を形成してあるので、泥逃がし凹入部を介して泥土を整地フロートの後方に流すことができ、帯状整地部の前端における泥土の滞留や隣接する条への影響を抑制することができる。
全条に亘る横幅で帯状整地部を設けているので、フロートを複数個設けるものに比べて整地状態が全条に亘って一定したものにでき、複数個の整地フロートを有するものに比べて、フロート通過跡も付き難いという効果に加えて、次のような特有の効果を奏することができる。
帯状整地部の一部に泥逃がし凹入部を形成する改善を施すことによって、帯状整地部の前端における泥土の滞留や隣接する条への影響を抑制することができる水田作業機の整地フロートを提供できるに至った。
(構成)
請求項2に係る発明の特徴構成は、前記帯状整地部の前側に位置する前記泥逃がし凹入部の前部が、前側の横幅よりも後側の横幅が広い後広がり状に形成されている。
(構成)
請求項3に係る発明の特徴構成は、前記フロート本体部の底部における前記帯状整地部の前方であって左右の車輪のそれぞれに対応する位置に泥土を取り込む泥取り込み凹入部が形成されている。
(構成)
請求項4に係る発明の特徴構成は、前記泥逃がし凹入部と前記泥取り込み凹入部とが前記横幅方向において隣接して配置されている。
請求項5に係る発明の特徴構成は、前記フロート本体部の前記横幅方向におけるそれぞれの端部における底面に、前記横幅方向に沿い、且つ、前記横幅方向における端部に近接するほど上方に位置する傾斜面が形成されている。
つまり、整地フロートの横幅方向の端部の圃面内への沈み込みが大きいと、泥押しが発生して整地フロートの横側方に位置する例えば植付作業時に既植え苗を押し倒すといった事態や、横幅方向の端部の跡が圃面上に形成されるといったことがある。
これに対して、本願発明においては、フロート本体部の横幅方向におけるそれぞれの端部における底面に、横幅方向に沿い、且つ、横幅方向における端部に近接するほど上方に位置する傾斜面が形成してあるので、整地フロートの横幅方向の端部に形成した傾斜面で泥土が均されて、フロート通過跡として残ることが少ない。
苗植付装置7は、苗のせ台8、苗のせ台8の下方に位置する前後向き姿勢の植付伝動ケース9、植付伝動ケース9の後端部左右に装備されている苗植付機構10、植付伝動ケース9に後支点周りで上下揺動自在に整地フロート11を装備して、構成されている。
前方張出し部13は、フロート本体部12の前端の左右中央位置から前方に向かって張り出されたものであり、植付制御に使用されるセンサフロートとしての機能を有する。
整地フロート11の上面の形状について説明する。図4、図5及び図9に示すように、前方張出し部13において、上面は前端側程上方に位置し緩やかに傾斜する傾斜平坦面13Aに形成してあり、傾斜平坦面13Aの前端から横側方にかけて前方下向きに傾斜する前方下向き傾斜面13Cが形成してある。図4及び図11、図12に示すように、前方下向き傾斜面13Cの前端近くに、下方に凹入する載置面13Bを設けてある。載置面13Bには、整地フロート11を機体フレーム側に吊り下げ支持する前ブラケット15を取り付けてある。
また、前方張出し部13の前端に泥水が走行抵抗となって作用するので、その抵抗のために整地フロート11の上下揺動が安定せず、この整地フロート11の接地圧に基づく上下変動を利用して、植付高さを一定に維持する植付制御が安定しない点を、前記した切り欠きによって泥水の抵抗を軽減して、制御の安定を確保することができる。
取付座14Aが後方張出し部14の後端近傍に設けてあるので、取付座14Aと後方張出し部14の後端とが極近接した位置にある。したがって、整地フロート11が後ブラケット20の後支点a回りで上方に回動しても、後方張出し部14の後端が圃面内に入り込む深さが余り大きくならず、帯状整地部Aが施した整地面を乱すことが少ない。
このように、横側端12aの端面が推進方向に沿った面に形成してあるので、横側端12aの端面に沿って流れる泥水土が横側方に押し流されることが少なく、隣接する苗を押し倒す等の不都合を抑制できる。
図6及び図11に示すように、前方張出し部13の底面と、フロート本体部12における前方張出し部13の後方に位置する部分の底面とに亘って、中央側泥取り込み凹入部23が形成してある。中央側泥取り込み凹入部23は、側面視で、前方張出し部13の前端位置から上方に凹入するものであり、底面の湾曲状態に沿って略一定の凹入深さを維持しながら、フロート本体部12の後端部近くに至るまで形成されている。
図6及び図8に示すように、側方側泥取り込み凹入部24は、フロート本体部12の横側部分12Aの前端から開口し、側面視で、側方側泥取り込み凹入部24の天井面24bは、フロート本体部12の底面(後記する第1整地平坦部26A)の湾曲形状に沿った湾曲形状に形成されて後方に向けて延出してあり、第1整地平坦部26Aの後端部で同一の高さ位置となるように、後端側ほど徐々に浅くなり、第3整地平坦部26Cの水平面26aに段差無く接続されている。このように、側方側泥取り込み凹入部24の後端部は、第3整地平坦部26Cと段差なく繋がっており、この後端部を第4傾斜繋ぎ面24Dと称する。
図6〜11に示すように、中央側泥取り込み凹入部23を囲む周囲に底面部26が形成してあり、側面視で、底面部26のうちの前方底面部26Eは前端側程上方に位置する湾曲形状に形成されている。中央側泥取り込み凹入部23の狭幅部分23Bを囲む後方底面部が、整地フロート11全体の底面において最も下方に突出する部分になっている。後方底面部のうち、狭幅部分23Bを左右両側から囲む部分を第2整地平坦部26Bと称し、狭幅部分23Bの後方に位置する部分を第4整地平坦部26Dと称する。
図5、図10及び図11に示すように、第1凹入部27A及び第2凹入部27B共に、フロート本体部12の後端まで形成されており、フロート本体部12の後端近くでは、前記したフランジ部11aの高さに揃えられている。
また、水平面26aの後方側に後方側ほど上方に向けて傾斜する後上がり傾斜面26bを形成してあるので、後上がり傾斜面26bでの泥の滞留が抑制され、整地フロート11が後支点a回りで上下揺動しても、後上がり傾斜面26b部分が圃面内に深く沈み込み難く、泥押しも少ない。
図6及び図13,14に示すように、中央側泥取り込み凹入部23の狭幅部分23Bと第2整地平坦部26Bとの境界部位に、横幅方向に沿った第2傾斜繋ぎ面23Cが形成されている。第2傾斜繋ぎ面23Cは、整地フロート11をブロー成形する際に使用される金型の抜け勾配より緩やかな傾斜面に形成されている。
したがって、本願発明においてはこのような段差跡が残り難い構成となっている。
これによって、段差跡が残り難い構成となっており、植付面の凹凸が均されるので、苗の植付姿勢が乱れず、植付深さが安定し、苗の生育が良好になる。
このようにフロート本体部12(整地フロート11)の横側端12aの底面に上向きの傾斜面12bを形成することによって、整地フロート11の横側端12aの圃面内への沈み込みを抑制し、かつ、横側方への泥の押し出しを軽減できるものである。
フロート本体部12の後端部に帯状整地部Aを形成してある。図6に示すように、帯状整地部Aは、フロート本体部12の後端部の底面における横幅方向の全長又は略全長に亘って、横幅方向に沿った帯状を呈する面である。帯状整地部Aは、中央側泥取り込み凹入部23の後端部に形成される第4整地平坦部26D、中央側泥取り込み凹入部23の両横側方に形成される第2凹入部27Bの後端部に形成されている前後向き傾斜面27a及び第2凹入部27Bに隣接する第1凹入部27Aの後端部に形成されている平面27c、平面27cの横側方に隣接する横幅方向に対して傾斜する第1傾斜繋ぎ面27C、凹入部27の更に横側方に位置する側方側泥取り込み凹入部24の後端に形成されている水平面状の第3整地平坦部26Cとで構成される。第3整地平坦部26Cは、側方側泥取り込み凹入部24からフロート本体部12の横側端12aに至る状態で形成されている。
第4整地平坦部26Dは、後方張出し部14とフロート本体部12における前方張出し部13の後方に位置する部分とを含む領域内においては、最も下方に位置しかつ水平面を形成するものであり、整地機能の高い部分である。
この取付孔14bは、帯状整地部Aに形成した第2凹入部27Bの平面27cより上方に大きく凹入する形状に形成してある。これによって、支点としての機能だけを発揮させるものであり、帯状整地部Aによる整地面をこの取付孔14bが乱すことはない。
(1)帯状整地部Aにおいて左右一対の第2凹入部27Bを形成したが、第2凹入部27Bの個数または形状、幅等については任意に設けることができる。
また、設ける位置は、前方張出し部13の横側方に限定されない。
12 フロート本体部
12b 傾斜面
24 側方側泥取り込み凹入部(泥取り込み凹入部)
27A 第1凹入部(泥逃がし凹入部)
27b 湾曲面(帯状整地部の前側に位置する泥逃がし凹入部の前部)
27c 泥逃がし凹入部の後部の平面
A 帯状整地部
L 横幅
Claims (5)
- 全条に相当する横幅を有するフロート本体部の底部における後縁部に当該後縁部における横幅方向の全長又はほぼ全長に亘って、前記横幅方向に沿った帯状を呈する帯状整地部が形成され、
前記帯状整地部と前記帯状整地部の前側の部分とに亘って、後方に泥土を誘導すべく上方に凹入する泥逃がし凹入部が形成されており、
前記帯状整地部の前側に位置する前記泥逃がし凹入部の前部が前側ほど上方に位置する前上がり状に形成され、前記泥逃がし凹入部の後部の平面が前記泥逃がし凹入部のうちの最下位部分であり且つ前記帯状整地部の一部である水田作業機の整地フロート。 - 前記帯状整地部の前側に位置する前記泥逃がし凹入部の前部が、前側の横幅よりも後側の横幅が広い後広がり状に形成されている請求項1に記載の水田作業機の整地フロート。
- 前記フロート本体部の底部における前記帯状整地部の前方であって左右の車輪のそれぞれに対応する位置に泥土を取り込む泥取り込み凹入部が形成されている請求項1又は2に記載の水田作業機の整地フロート。
- 前記泥逃がし凹入部と前記泥取り込み凹入部とが前記横幅方向において隣接して配置されている請求項3に記載の水田作業機の整地フロート。
- 前記フロート本体部の前記横幅方向におけるそれぞれの端部における底面に、前記横幅方向に沿い、且つ、前記横幅方向における端部に近接するほど上方に位置する傾斜面が形成されている請求項1〜4の何れか一項に記載の水田作業機の整地フロート。
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