JP2010168898A - 注意喚起用具および注意喚起用具の折りたたみ方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】現地への運搬作業を容易に行うことができる注意喚起用具を提供する。
【解決手段】複数の環状部材2の外周端部が隣接する態様で連結され、道路上に敷設してこの道路を通過する車両の運転者に振動で注意を喚起する注意喚起用具であって、隣り合って配置される環状部材2の間に隙間Lを設け、これらの環状部材2を屈曲可能な連結部材3で連結した。
【選択図】図1

Description

本発明は、道路上に一時的に敷設し、適当な段差を設けることにより車両通過時に振動を与え、車両運転者に対して注意を喚起するための注意喚起用具およびこの注意喚起用具の折りたたみ方法に関する。
従来、道路上に敷設する注意喚起用具100としては、図12に示すように、円環状に形成された環状部材102を互い違いに千鳥状に並べてその外周端部を強固な連結部材103によって連結したものが知られている。このような環状部材102を使用したものは、帯板状の注意喚起用具と比較して、通過する車両の運転手に複数回(環状部材102に乗り上げる回数分)の振動を与えて十分な注意喚起が可能になり、かつ、濡れた路面にも粘着材を使用せずに十分な設置力を得ることができる点で優れている(例えば、特許文献1参照)。
特開2006−2430号公報
また、このような一時的に敷設する注意喚起用具は、道路自体に凹凸などの段差を設ける恒久的なものとは異なり、必要な箇所に注意喚起用具を運搬可能な点でメリットがある。しかしながら、上述した千鳥に並べた構造では、この注意喚起用具を道路に敷設する状態のままで現地に運搬しなければならなかった。そのため、荷姿が大きく運搬作業が煩わしいと共に、運搬台(荷台)のスペースも広く確保しなければならなかった。また、注意喚起用具の収納スペースも広く確保しなければならなかった。
本発明は、上述した事情を鑑みてなされたものであり、現地への運搬作業を容易に行うことができる注意喚起用具を提供するためのものである。また、本発明は、この注意喚起用具を容易に折りたたむことができる注意喚起用具の折りたたみ方法を提供するためのものである。
上述課題を解決するため、本発明は、複数の環状部材の外周端部が隣接する態様で連結され、道路上に敷設してこの道路を通過する車両の運転者に振動で注意を喚起する注意喚起用具であって、隣り合って配置される前記環状部材の間に隙間を設け、これらの環状部材を屈曲可能な連結部材で連結したことを特徴とする。
これによれば、隣り合う環状部材を連結部材の部分で屈曲させて折りたたむことができるようになる。
また、複数の環状部材の外周端部が隣接する態様で連結され、道路上に敷設してこの道路を通過する車両の運転者に振動で注意を喚起する注意喚起用具であって、前記環状部材を分割して構成し、この分割した部分の間に隙間を設け、これらの分割した部分を屈曲可能な連結部材で連結したことを特徴とする。
また、前記環状部材の間または前記環状部材を分割した部分の間の隙間は、前記環状部材の厚みの2倍以上になるように形成することもできる。
これによれば、隣り合う環状部材同士の面を合わせて、完全に2つ折りにして折りたたむことができるようになる。
さらに、前記連結部材は隣り合う前記環状部材に向かって長尺に形成されており、この長尺方向と略直角な方向の折れ線に沿って屈曲させることもできる。
これによれば、連結部材を容易に屈曲させることができるようになる。
また、複数の前記連結部材を、折れ線が同一線となるように配置することもできる。
これによれば、複数の連結部材同士の一方の屈曲動作が他方の屈曲動作の抵抗とならないようになる。
さらにまた、複数の前記環状部材を、碁盤目状に並べるように配置してもよい。
これによれば、連結部材の折れ線が長尺方向と略直角になると共に、連結部材が複数設けられる場合であっても、折れ線が同一線となる。
他方、複数の環状部材の外周端部が隣接する態様で連結され、隣り合って配置される前記環状部材または前記環状部材を分割した部分の間に隙間を設け、これらの環状部材または分割した部分を屈曲可能な連結部材で連結した注意喚起用具の折りたたみ方法であって、複数の前記環状部材を重ね合わせる態様で互い違いに折りたたむことを特徴とする。
これによれば、折りたたむ作業が容易に行え、かつ折りたたむための作業スペースも大きく確保する必要がなくなる。
本発明に係る注意喚起用具によれば、隣り合って配置される前記環状部材の間に隙間を設け、これらの環状部材を屈曲可能な連結部材で連結したり、或いは前記環状部材を分割して構成し、この分割した部分の間に隙間を設け、これらの分割した部分を屈曲可能な連結部材で連結したりしているので、隣り合う環状部材を連結部材の部分で屈曲させて折りたたむことによって、運搬時の荷姿をコンパクトにすることができる。その結果、折りたたまない場合と比較して、注意喚起用具の現地への運搬作業を容易に行うことができる。また、運搬のための運搬台のスペース、または収納スペースも広く確保する必要がなくなるため、利便性を有する。
また、本発明に係る注意喚起用具の折りたたみ方法によれば、複数の前記環状部材を重ね合わせる態様で互い違いに折りたたむようにしているので、運搬時の注意喚起用具をコンパクトにまとめることができる。また、互い違いに折りたたむ作業が、あたかも布団を折りたたむように容易に行えるため、作業者の敷設作業の負荷を軽減することができる。
本発明の実施の形態に係る注意喚起用具の平面図である。 図1のA部(環状部材)の拡大図である。 図2のB−B線で切断した断面図である。 本発明に使用する連結部材であって、(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は(A)のC−C線で切断した断面図である。 本発明の実施の形態に係る注意喚起用具を折りたたむ前の状態(使用状態)を示す外観斜視図である。 図5の状態から注意喚起用具の端部を上側に持ち上げた状態を示す外観斜視図である。 図6の状態から注意喚起用具の端側3段を折りたたんだ状態を示す外観斜視図である。 図7の状態から折りたたんだ端側3段を上側に持ち上げた状態を示す外観斜視図である。 図8の状態から注意喚起用具の全5段を折りたたんだ状態(運搬状態)を示す外観斜視図である。 本発明の他の実施形態であって、(A)は、6角形の環状部材の並べ方を示す平面図、(B)は、その折りたたんだ状態(運搬状態)を示す平面図である。 本発明の他の実施形態であって、(A)は、3角形の環状部材の並べ方を示す平面図、(B)は、その折りたたんだ状態(運搬状態)を示す平面図である。 本発明の他の実施形態であって、環状部材を分割して連結部材で連結した平面図である。 従来の注意喚起用具を示す平面図である。
以下、本発明の実施の形態に係る注意喚起用具1について、図面を用いて詳細に説明する。図1は、本発明の注意喚起用具1の平面図である。なお、図1に示す注意喚起用具1には、矢印Sの方向から車両が走行して来て注意喚起用具1に乗り上げるものとする。また、以下の説明で記載する「前後方向」、「幅方向」の方向は、図1における車両の運転者から見た方向をいうものとする。また、「上下方向」の方向は、図1における紙面手前側を上方向、紙面奥側を下方向(道路に敷設される方向)とする。
注意喚起用具1は、図1に示すように、10個の環状部材2を備えている。これらの環状部材2は、ほぼ円形に形成されており、隣り合う環状部材2の外周側部が互いに隣接する態様で並べられている。より詳細には、環状部材2が、幅方向に5列、前後方向に2行と、前後方向および幅方向に略碁盤目状に並べて構成されている。また、この隣り合う環状部材2同士は、その隣接する部分で連結部材3によってそれぞれ連結されている。
なお、注意喚起用具1の環状部材2の個数は、10個に限定されるものではなく、幅方向及び前後方向に略碁盤目状に配列されるものであれば、何個であっても構わない。この個数は、上述した連結部材3を用いた連結を追加または解除することによって、任意に変えることができる。また、上述した行および/または列の数も、敷設する道路幅などに合わせて任意に増減させることができる。
図2は、図1の注意喚起用具1のA部(環状部材2)の拡大図である。また、図3は、図2のB−B線で切断した断面図である。
環状部材2は、図2に示すように、4つの同芯環(詳細には、内側から第1同芯環2a、この外側に第2同芯環2b、このさらに外側に第3同芯環2c、このさらに外側(一番外側)に第4同芯環2d)を備えている。この4つの同芯環2a〜2dの円の中心はほぼ一致しており、これにより、環状部材2が全体として円形になるように形成されている。
環状部材2には、円周方向に約90度の間隔を開けて、上述した連結部材3を取り付けるための連結部材取付部4が形成されている。この連結部材取付部4は、図3に示すように、円環の法線方向に延在し、第1同芯環2a〜第3同芯環2cまでを連結している(第4同芯環2dは連結されていない。この詳細は後述する)。
また、この連結部材取付部4の間には、約30度の間隔を開けて、連結部5が設けられている。この連結部5は、円環の法線方向に延在し、第1同芯環2a〜第4同芯環2dの全てを連結する態様で形成されている。
これらの第1同芯環2a〜第4同芯環2d、連結部材取付部4、および連結部5は、それぞれ樹脂成型によって一体に形成されている。これにより、第1同芯環2a〜第4同芯環2dは、注意喚起用具1の上を通過する車両に振動を与える機能を果たし、連結部材取付部4および連結部5は、この環状部材2の連結強度を高めるための機能を果たしている。
また、環状部材2の樹脂材料は、車両が走行中に乗り上げたときの反発力が小さく、路面との接地力が高く、かつ、摩耗のし難い硬質の合成樹脂が好ましい。すなわち、この環状部材2自体で折り曲げて変形するような軟質な材料を使用するのは好ましくない。
連結部材取付部4は、図3に示すように、その上面側が平坦に形成された平坦部6と、連結部材3を把持するための把持部7とを備えている。
平坦部6は、上述した連結部材3を組み付ける際または組み付けた状態で、連結部材3が円環の法線方向へと摺動して移動可能なように形成されている。
把持部7は、平坦部6の上側に突出する態様で形成されており、その内部に円環の法線方向に貫通する貫通穴8が形成されている。この貫通穴8に連結部材3を挿通させることにより、把持部7が連結部材3を把持するようになっている。なお、この把持部7は、図2および図3に示すように、第1同芯環2a〜第2同芯環2cの上側に形成された第1把持部7aと、第4同芯環2dの上側に形成された第2把持部7b(対応する貫通穴8も、第1貫通穴8a、第2貫通穴8bで示す)との2つで構成されている。
図4は、連結部材3を単品で示したものであり、図4(A)は平面図、(B)は側面図、(C)は(A)のC−C線で切断した断面図である。
連結部材3は、長手方向を有する平板状に形成されたものであり、樹脂材料で成型されたものである。この樹脂材料は、柔らかく可撓性を有する素材が使用されており、詳細は後述するが、隣り合って接続された環状部材2同士を折りたたむ際に、連結部材3が自由に屈曲または伸展して折りたためるようなものである。
また、連結部材3は、環状部材2の材料よりも強度が弱くなるように形成されている。例えば、注意喚起用具1が車両に引きずられるようなことがあったとしても、環状部材2が壊れるのではなく、この連結部材3が切断されて壊れるようになっている。
連結部材3は、隣り合う環状部材2を連結した状態において、これらの隣り合う環状部材2に向かって長尺な方向が向くように組み付けられる。
連結部材3は、その先端側3a(図4(A)の紙面右端側)に位置する第1係止部11と、反対の後端側3b(図4(A)の紙面左端側)に位置する第2係止部12と、長手方向と略直交する線に沿って折り曲げ可能な折り曲げ部13とで構成されている。この連結部材3は、長手方向に沿って貫通穴8a、8bに挿通させ易いように、先端側3aが略円形に面取りされている。
第1係止部11には、図4(A)、図4(B)に示すように、その上面から上側に突出する係止爪11aが幅方向(長手方向と直交する方向)に亘って形成されている。
一方、第2係止部12には、その後端部に上面および下面からそれぞれ突出する態様で係止爪12aが幅方向に亘って形成されている。
また、折り曲げ部13は、長手方向と直交する線を折り線40(図6および図8参照)として折り曲げ可能なように形成されている。この折り曲げ部13の幅方向の両端には、補強用のリブ13a、13aがそれぞれに形成されている。このリブ13a、13aは、折り曲げたときにこの両端部から亀裂等が発生しないようにするためのものである。
折り曲げ部13の内側に位置する平板部13bは、連結部材3の折り曲げが容易にできる厚さに形成されている。より具体的には、連結部材3で環状部材2を連結した状態で、隣り合う環状部材2同士を作業者が容易に重ね合わせるように折り曲げることができるような厚さに形成されている(詳細は後述する)。
この連結部材3の取付は、図3に示すように、紙面右側に位置する環状部材2の貫通穴8a、8bに連結部材3を先端側3aから挿通させた後に、紙面左側の環状部材2の貫通穴8b、8aに挿通させることにより行われる。このとき、連結部材3の先端側3aの係止爪11aが、左側の環状部材2の第1把持部7aを通過し、第1把持部7aの縁部に係止するまで押し込む。また、連結部材3の後端側3bの係止爪12aも紙面右側の環状部材2の第1把持部7aの縁部に係止される。これにより、隣り合う環状部材2同士を連結部材3を用いて連結することができる。
係止爪11a、12aが第1把持部7aの縁部とそれぞれ当接した状態(図3に示す状態)では、隣り合う環状部材2同士の間に隙間Lが形成されるようになっている。この隙間Lの長さは、環状部材2を重ね合わせて折りたたみ易い長さが確保されている。より好ましくは、環状部材2の厚みTの2倍以上の長さにしている。
また、連結部材3は、平坦部6の上を自由に摺動して移動できるようになっている。すなわち、連結した状態で環状部材2同士が互いに近づく方向へ押し込めば、連結部材3が平坦部6上を摺動移動し、この隙間Lが小さくなるように(環状部材2同士が密着した状態にすることもできる)調整できるようにしている。
次に、本発明の実施の形態に係る注意喚起用具1の作用および折りたたみ方法について、図5〜図9を用いて説明する。なお、図5〜図9において、説明を容易にするために、環状部材2の列(5列)に符号を付けて、右側から第1列21、第2列22、第3列23、第4列24、第5列25と表示する。
注意喚起用具1は、第1列21から第5列25までを互い違いに折り返すことによってコンパクトに折りたたむことができる。図5は注意喚起用具1を折りたたむ前の状態であって、路面に敷設する使用状態を示している。この図5の状態から、図6に示すように、第1列21を上方向30へと持ち上げる。これにより、第1列21と第2列22とを連結する連結部材3は、山折りされた状態になる一方、第2列22と第3列23とを連結する連結部材3は、谷折りされた状態になる。
この折り曲げは、前後方向に配置された2つの連結部材3が、この連結部材3の長手方向と略直交する方向(環状部材2の環の接線方向)に延びる折れ線40(図6および図8参照)を有し、かつ、この2つの折れ線が一つの直線上にある(2つの直線が一致している)。そのため、第1列21と第2列22とを折り曲げようとしたときに、2つの連結部材3が同じ折れ線40に沿って同方向に折れ曲がることにより、折り曲げ易くなっている。
図6の状態から第1列21を第3列23の上に置くようにすることで、第1列21〜第3列23までが、隣り合う列とそれぞれ互い違いに折り返され、重ね合わせられるようになる。このとき、隙間Lは、環状部材2の厚みTの2倍以上が確保されているので、隣り合う環状部材2の上面および下面同士が完全に密着するまで重ね合わせられるようになる。
また、折り曲げ易さは、連結部材3の可撓性によるところが大きいが、本実施例の構造では、その他に、連結部材取付部4によって第4同芯環2dが他の第1〜第3同芯環2a〜2cと連結されていない構造になっているため、この部分の第4同芯環2dが変形し易く、第4同芯環2dが折り曲げ方向に撓み易い。これにより、折りたたむ際に、隣り合う環状部材2同士がより折り曲げ易くなるようにしている。
同様に、図8に示すように、重ね合わせた第1列21〜第3列23を上方向31へと持ち上げ、第5列25の上に置くようにする。これにより、図9に示すように、第1列21から第5列までが重ね合わせられ、運搬または収納時のコンパクトな荷姿に折りたたむことができる。
本発明の実施の形態に係る注意喚起用具1によれば、隣り合って配置される環状部材2の間に隙間Lを設け、これらの環状部材2を屈曲可能な連結部材3で連結しているので、隣り合う環状部材2を連結部材3の部分で屈曲させて折りたたむことによって、運搬時の注意喚起用具1の荷姿をコンパクトにすることができる。その結果、折りたたまない場合と比較して、注意喚起用具1の現地への運搬作業を容易に行うことができる。また、運搬のための運搬台のスペース、または収納スペースも広く確保する必要がなくなるため、利便性を有する。
また、環状部材2の間の隙間Lは、環状部材2の厚みの2倍以上になるように形成されているので、隣り合う環状部材2同士の面を合わせて、完全に2つ折りにして折りたたむことによって、さらに注意喚起用具1の荷姿をコンパクトにすることができる。その結果、注意喚起用具1の運搬作業の負荷を軽減することができる。
さらに、連結部材3は隣り合う環状部材2に向かって長尺に形成されており、この長尺方向と略直角な方向の折れ線40に沿って屈曲させているので、連結部材を容易に屈曲させることができ、作業者の折りたたみ作業の負荷を軽減することができる。
さらにまた、複数の連結部材3を、折れ線40が同一線となるように配置しているので、注意喚起用具1の使用時(折りたたんでいない状態)の形状を一定に保つことができると共に、折りたたみ時に作業者の折りたたみ作業を容易に行えるようにすることができる。
また、複数の前記環状部材を、碁盤目状に並べているので、複数の連結部材同士の一方の屈曲動作が他方の屈曲動作の抵抗とならないようになり、注意喚起用具1の折りたたみ作業を容易に行えるようになる。また、折りたたんだ状態で、注意喚起用具1をコンパクトにまとめることができる。
他方、本発明の実施の形態に係る注意喚起用具1の折りたたみ方法によれば、複数の環状部材2を重ね合わせる態様で互い違いに折りたたんでいるので、運搬時の注意喚起用具1をコンパクトにまとめることができる。また、注意喚起用具1を折りたたむ作業が、あたかも布団を折りたたむように容易に行えるため、作業者の敷設作業の負荷を軽減することができる。
以上、本発明の実施の形態に係る注意喚起用具について述べたが、本発明は既述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の技術思想に基づいて各種の変形および変更が可能である。
例えば、本実施の形態では、環状部材2の形状を円形にしているが、折りたたむことが容易な形状であれば、円形に限られない。また、環状部材2を碁盤目状に配置しているが、これも折りたたむことが容易な配置であれば、この配置に限定するものではない。
例えば、図10(A)に示す注意喚起用具50は、略6角形の環状部材52を略千鳥状に並べて、連結部材3を用いて連結したものである。この場合であっても、隣り合う環状部材52の間に、少なくとも環状部材52の厚みの倍以上の隙間を設けることにより、環状部材52を互い違いに折りたたんで、図10(B)に示すようなコンパクトな荷姿にすることができる。また、このような構造では、連結部材3の折れ線が、連結部材3の長手方向と略直交するようにできると共に、6角形状の辺と平行になるようにすることができるので、折り曲げ易く構成することができる。
また、図11(A)に示す注意喚起用具60は、略3角形の環状部材62の上下を交互に逆にして一列に並べて、連結部材3を用いて連結したものである。この場合であっても、隣り合う環状部材62の間に、少なくとも環状部材62の厚みの倍以上の隙間を設けることにより、環状部材62を互い違いに折りたたんで、図11(B)に示すようなコンパクトな荷姿にすることができる。また、このような構造では、連結部材3の折り曲げの際の折れ線が、連結部材3の長手方向と略直交するようにできると共に、3角形状の辺と平行になるようにすることができるので、折り曲げ易く構成することができる。
一方、図12(従来図)に示すように、円環状の環状部材102を千鳥状に配置する場合であっても、隣り合う環状部材102同士の間に十分な隙間を設けること、および、可撓性を有する連結部材3で連結することにより、折りたたむことができる。しかしながら、連結する2つの環状部材102の連結点が、環状部材102の中心を基点にして約120度の角度で存在してしまうため、連結部材3の折り曲げの際の折れ線を連結部材3の長手方向と略直交するようにできず、かつ、これらの折れ線が一致した直線上にあるようにすることができない。そのため、折り曲げるには連結部材3を斜めに折り曲げることになる。ゆえに、注意喚起用具を折りたたむための環状部材102の配置としてはあまり好ましくない。
また、本実施の形態における連結部材3は、一体成型された可撓性のある樹脂材料で形成されているが、例えば、キャタピラのように、連結部材の構造的に屈曲または伸展が可能なものであっても構わない。すなわち、隣り合う環状部材2同士を折りたたむ際に、連結部材がこの折り曲げに追従し、容易に折りたたむことができるもの或いは構造であれば、本発明に使用することができる。
さらに、本実施の形態では、全ての連結部材3に可撓性のあるものを使用しているが、折りたたむのに必要な箇所にだけ可撓性のある連結部材3を使用して、折りたたまない部分には、剛性の高い連結部材を使用することもできる。例えば、図1における前後方向に隣り合って配置される環状部材2同士は、剛性の高い連結部材を使用して連結したとしても、図9に示す折りたたみ形状にまとめることができる。これにより、折りたたみ形状や車両が注意喚起用具に乗り上げる負荷方向などを考慮して、より使用状況に適した剛性の高い注意喚起用具を提供することもできる。
さらにまた、本実施の形態では、折りたたむための折れ線40が隣り合う環状部材2の接線とほぼ同じ線となる(折れ線40と接線とがほぼ重なる)ように構成しているが、構造によってはこの折れ線40の位置をずらすこともできる。図12は、本発明の他の実施形態であって、環状部材2を分割して連結部材3で連結した状態を示す平面図である。
この図12に示す注意喚起用具70は、環状部材72を半円形状に分割した半円状部材73、73で構成し、この分割した部分に隙間をあけ、かつこの分割した部分を弾性を有する屈曲可能な連結部材3で連結したものである。この連結部材3を用いた連結構造は、本実施の形態と同じ構造であるため、その詳細説明については省略する。また、隣り合う環状部材72同士は、剛性のある屈曲しない連結部材74で強固に連結している。なお、連結部材74は、半円状部材73と一体に形成してもよい。
このような構成では、注意喚起用具70を折りたたむための折れ線40は、2つの連結部材3を繋いだ線と同じ線になる。この折れ線40を基準に互い違いに折りたたむことによって、注意喚起用具70を容易に折りたたむことができ、かつ、コンパクトにまとめることができる。さらに、折れ線40上に2つの連結部材3が存在するようになるため、さらに連結強度を向上させることができる。
なお、連結部材74の代わりに弾性を有する連結部材3で連結し、この部分でも折りたたむことができるようにすることもできる。このように構成すれば、さらに折りたたみ形状をコンパクトにすることができる。
1、50、60、70 注意喚起用具
2、52、62、72 環状部材
2a 第1同芯環
2b 第2同芯環
2c 第3同芯環
2d 第4同芯環
3 連結部材
4 連結部材取付部
4a 先端側
4b 後端側
5 連結部
6 平坦部
7 把持部
7a 第1把持部
7b 第2把持部
8 貫通穴
8a 第1貫通穴
8b 第2貫通穴
11 第1係止部
11a 係止爪
12 第2係止部
12a 係止爪
13 折り曲げ部
13a 補強リブ
13b 平板部
21 第1列
22 第2列
23 第3列
24 第4列
25 第5列
30、31 上方向
40 折れ線
73 半円状部材
74 連結部材
L 隙間
T 環状部材の厚み
S 車両走行方向

Claims (7)

  1. 複数の環状部材の外周端部が隣接する態様で連結され、道路上に敷設してこの道路を通過する車両の運転者に振動で注意を喚起する注意喚起用具であって、
    隣り合って配置される前記環状部材の間に隙間を設け、これらの環状部材を屈曲可能な連結部材で連結したことを特徴とする注意喚起用具。
  2. 複数の環状部材の外周端部が隣接する態様で連結され、道路上に敷設してこの道路を通過する車両の運転者に振動で注意を喚起する注意喚起用具であって、
    前記環状部材を分割して構成し、この分割した部分の間に隙間を設け、これらの分割した部分を屈曲可能な連結部材で連結したことを特徴とする注意喚起用具。
  3. 前記環状部材の間または前記環状部材を分割した部分の間の隙間は、前記環状部材の厚みの2倍以上になるように形成されていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の注意喚起用具。
  4. 前記連結部材は隣り合う前記環状部材に向かって長尺に形成されており、この長尺方向と略直角な方向の折れ線に沿って屈曲させたことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1つに記載の注意喚起用具。
  5. 複数の前記連結部材を、折れ線が同一線となるように配置したことを特徴とする請求項4に記載の注意喚起用具。
  6. 複数の前記環状部材を、碁盤目状に並べたことを特徴とする請求項1から請求項5のいずれか1つに記載の注意喚起用具。
  7. 複数の環状部材の外周端部が隣接する態様で連結され、隣り合って配置される前記環状部材の間または前記環状部材を分割した部分の間に隙間を設け、これらの環状部材または分割した部分を屈曲可能な連結部材で連結した注意喚起用具の折りたたみ方法であって、
    複数の前記環状部材を重ね合わせる態様で互い違いに折りたたむことを特徴とする注意喚起用具の折りたたみ方法。
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