JP2017075464A - 土嚢載置構造体及び立体土嚢集合体 - Google Patents
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Abstract
Description
かかる土嚢は、通常、土嚢用袋体の中に、小石、砂利等の中詰め材を充填して使う構成となっている。
そうすると、そこを起点として土砂や水が漏れるばかりか、場合によっては積み上げた土嚢全体が崩れる恐れがある。
また、土嚢用袋体の前面を結束ベルトにより吊りベルトに結び付けて順次結束していくことで形成される土嚢集合体(例えば特許文献3)が提供されている。
また、特許文献3に記載の土嚢集合体は、土嚢の片面である前面をベルトにより結束して連結するので、土嚢を構成する布地を吊ベルトが強く引っ張るため、布地に負担が集中しその強度に耐えられなくなり、極端には破損する場合がある。
すなわち布地の一部に応力が集中するために、破れが生じるのである。
また、結束ベルトが切断しても、グループ内の土嚢に影響が及ぶだけで、他のグループ内の土嚢には影響が全く波及しない。
そして、土嚢グループの周囲が結束ベルト2により結束されているので、布地の一部に応力が集中することが、極力、回避される。
構築された立体土嚢集合体Bも個々の崩れが生じにくいものとなる。
また、立体土嚢集合体Bが階段状にずらして積み上げられると、背面土圧や背面水圧による土嚢の転倒及び前方への滑動を十分に防止することができる。
土嚢1が前方に押され、その結果、結束ベルト2が引っ張られることになっても、上の土嚢がその重みで吊りベルト11を押さえることになるので、吊りベルト11が剥がれ難くなる。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
そして、土嚢載置構造体Aを構成する個々の土嚢1は、土嚢用袋体10の内部に図示しない一定量の中詰め材が充填されてなり、この中詰め材が入った状態では、円筒状となっている。
なお、中詰め材としては例えば、土砂、砂利、石材、コンクリート片等の公知のものが用いられる。
土嚢載置構造体Aは、複数の土嚢1より構成されるもので、中に土砂等が充填されている。
最初に、土嚢載置構造体Aを構成する単位である単独の土嚢1について述べる。
図1は、単独の土嚢を示した概略図であり、(A)は斜視図、(B)は平面図、(C)は底面図である。
図に示すように、本土嚢1は、土嚢用袋体10に中詰め材を充填したものであり、このように中詰め材を目充填した状態では円筒状となっている。
この土嚢用袋体10は布製でその周囲に吊りベルト11が取り付けられており、この吊りベルト11は、その一部が土嚢用袋体10を構成する布地に縫着部11A(縫着部11Aを覆うように縫着部カバー12が取り付けられている)を介して縫着されている。
詳しくは、土嚢用袋体10の側面10Aにおいては、縫着部カバー12の内側が縫着部11Aとなっており、それ以外の部分は土嚢用袋体10に縫着されない非縫着部である。
なお、土嚢用袋体10の周囲において90度の間隔で吊りベルト11が備わっているが、この吊りベルト11は、取り付けた状態ではエンドレス状となる。
そして縫着されていない部分(すなわち非縫着部)においては、袋体の布地と離隔しているため、吊りベルト11はフリーであり自由に動くことができる。
詳しくは吊りベルト11は、土嚢用袋体10の底部10Bにおいて、十字状の吊りベルト11の外周寄りが土嚢用袋体10に縫着された縫着部11A(4カ所)となっており、それ以外の部分は非縫着部となっている。
そして、上述したように、土嚢用袋体10の内部に中詰め材が充填され、その口部を封じることにより円筒状の土嚢1となる。
なお、口部を封じる方法としては、特に限定されないが、例えば、口縛りロープで縛る方法が挙げられる。
これらの中でも、耐久性及びリサイクルのし易さの観点から、ポリプロピレンであることが好ましい。
この場合、紫外線による土嚢用袋体10の劣化を抑制することができる。
なお、反射剤としては、カーボンブラック、酸化鉄、酸化クロム、酸化鉛、酸化亜鉛、酸化マグネシウム、酸化チタン、炭酸カルシウム、硫酸バリウム等が挙げられ、紫外線吸収剤としては、フェニルサリシレート系、ヒドロキシベンゾフェノン系、ベンゾトリアゾール系等の吸収剤が挙げられる。
この場合、背面土圧又は背面水圧により、基布が破れることを十分抑制でき、且つ中詰め材からの応力にも耐えることが可能となる。
これらの中でも、吊りベルト11の材質は、耐久性及びリサイクルのし易さの観点から、ポリプロピレンであることが好ましい。
この場合、紫外線による吊りベルト11の劣化を抑制することができる。
(第1の実施の形態)
次に、上述した土嚢1の複数を結束した土嚢載置構造体Aについて述べる。
図2は、本実施形態の土嚢載置構造体Aを構成する複数土嚢グループを示す斜視図である。
複数土嚢グループXは、単独の土嚢10が複数個集まって、結束ベルト2により列状に結束され一つのグループとして一体化されている。
本願発明においては、このように複数の土嚢1を列設し結束ベルト2により一体化した複数土嚢グループXが土嚢載置構造体Aにおける基本要素となっている。
そして、これらの複数土嚢グループXの二つが結束により一体化して延長されている。
第1複数土嚢グループX1と第2複数土嚢グループX2とが配設され、第1複数土嚢グループX1及び第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1が共通となるように結束ベルト2で周囲が結束されている。
すなわち、第1複数土嚢グループX1の一部の土嚢1と第2複数土嚢グループX2の一部の土嚢1とを共通に結束するのである。
具体的には、例えば、4つの土嚢1よりなる第1複数土嚢グループX1と同じく4つの土嚢1よりなる第2複数土嚢グループX2とを列状に配置し、第1複数土嚢グループX1及び第2複数土嚢グループX2を構成する1つの土嚢1が共通となるように結束ベルト2で周囲を結束する。
そして、結束ベルト2(例えば幅10cm)としては、一定の長さのものを使い、複数の土嚢1を囲んで最終端同士を結べばよい。
結束ベルト2の長さLは連結固定する土嚢1の数によって異なるが、土嚢用袋体10の直径D(例えば1.1m)、土嚢1の個数N(例えば4個)とすると、L=(N−1)×D+Dπ+αとなる。
尚、αは吊りベルト11に固定するため、最終端を結ぶため等に使用する長さである。
この図の場合は、複数土嚢グループXを構成する土嚢1が4つで、共通する土嚢1が1つの場合を示す例である。
第1複数土嚢グループX1を構成する土嚢1は4つであり、第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1も4つである。
そして、第1複数土嚢グループX1を構成する土嚢1のうち右端部に位置する土嚢1と、第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1のうち左端部に位置する土嚢1を共通にするように結束する。
共通する土嚢1においては、第1複数土嚢グループX1を結束した結束ベルト2より、第2複数土嚢グループX2を結束した結束ベルト2の方が上に位置することとなるが、結束ベルト2が上下逆になっても当然よい(以下の実施の形態も同様である)。
以下同様である
図5は、複数土嚢グループを構成する土嚢1が5つで、共通する土嚢1が1つの場合の土嚢載置構造体Aを模式的に示す例である。
第1複数土嚢グループX1を構成する土嚢1は5つであり、第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1も5つである。
具体的には、例えば、第1複数土嚢グループX1を構成する土嚢1を列状に配置し結束し、その後、その延長方向に第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1を列状に配置し、一つの土嚢1(斜線で示す)を共通するように結束する。
図6は、各複数土嚢グループを構成する土嚢1が4つと5つで、共通する土嚢1が2つの場合の土嚢載置構造体Aを模式的に示す例である。
この場合、第1複数土嚢グループX1を構成する土嚢1は4つであり、第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1は5つである。
具体的には、例えば、第1複数土嚢グループX1を構成する土嚢1を列状に配置し結束し、その後、その延長方向に第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1を列状に配置し、2つの土嚢1(斜線で示す)を共通するように結束する。
図7は、各複数土嚢グループを構成する土嚢1がそれぞれ5つと5つで、共通する土嚢1が2つの場合の土嚢載置構造体Aを模式的に示す例である。
この場合、第1複数土嚢グループX1を構成する土嚢1は5つであり、第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1は5つである。
具体的には、例えば、第1複数土嚢グループX1を構成する土嚢1を列状に配置し結束し、その後、その延長方向に第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1を列状に配置し、2つの土嚢1(斜線で示す)を共通するように結束する。
図8は、各複数土嚢グループを構成する土嚢1がそれぞれ4つと4つで、且つ共通する土嚢1が1つで、且つ複数土嚢グループ同士が直角に配列されている場合の土嚢載置構造体Aを模式的に示す例である。
この場合、第1複数土嚢グループX1を構成する土嚢1は4つであり、第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1も4つである。
具体的には、例えば、第1複数土嚢グループX1を構成する土嚢1を列状に配置し結束し、その後、第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1を直角になるように列状に配置し、1つの土嚢1(斜線で示す)を共通するように結束する。
このようにして土嚢載置構造体Aが上方視でL字状に構築される。
図9は、各複数土嚢グループを構成する土嚢1がそれぞれ4つと4つで、且つ共通する土嚢1が1つで、且つ複数土嚢グループ同士が直角に配列されている場合の土嚢載置構造体Aを模式的に示す例である。
この場合、第1複数土嚢グループX1を構成する土嚢1は4つであり、第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1も4つである。
具体的には、例えば、第1複数土嚢グループX1を構成する土嚢1を列状に配置し結束し、その後、第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1を直角になるように列状に配置し、1つの土嚢1(斜線で示す)を共通するように結束する。
このようにして土嚢載置構造体Aが上方視でT字状に構築される。
図10は、各複数土嚢グループを構成する土嚢1がそれぞれ4つと4つで、且つ共通する土嚢1が1つで、且つ複数土嚢グループ同士が中間位置で直角に配列されている場合の土嚢載置構造体Aを模式的に示す例である。
この場合、第1複数土嚢グループX1を構成する土嚢1は4つであり、第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1も4つである。
具体的には、例えば、第1複数土嚢グループX1を構成する土嚢1を列状に配置し結束し、その後、第2複数土嚢グループX2を構成する土嚢1を中間位置で直角になるように列状に配置し、1つの土嚢1(斜線で示す)を共通するように結束する。
このようにして土嚢載置構造体Aが上方視で十字状に構築される。
以上、説明した土嚢載置構造体Aを使って立体土嚢集合体Bを施工することとなるが、次に、その土嚢載置構造体Aが複数配列されてなる立体土嚢集合体Bの一例について述べる。
図11は、その立体土嚢集合体Bの一例を示す概略斜視図である。
この例は、上述の第1実施の形態で述べた土嚢載置構造体A(図2、図3、図4参照)を使って立体土嚢集合体Bを施工したものである。
そして、上段においては、前後2つの土嚢載置構造Aを7カ所で結束しているが、この場合、例えば、前後に載置された土嚢1のそれぞれの口絞りロープを別のベルトを用いて固定する。
これで、崩れが防止されるのである。
この例においても、上述の第1実施の形態(図2、図3、図4参照)で述べた土嚢載置構造体Aを使って立体土嚢集合体Bを施工したものである。
土嚢載置構造体Aが3段積みになっており、下段には4つの土嚢載置構造体Aが水平方向に並設されており、中段には3つの土嚢載置構造体が水平方向に並設されており、上段には2つの土嚢載置構造体が水平方向に並設されている。
この土嚢載置構造体Aが、図11の例と異なるのは、下段の土嚢載置構造体Aと中段の土嚢載置構造体Aとを崩れ落ち防止用の結束ベルト2Aにより結束していることである。
ここで崩れ落ち防止用の結束ベルト2A(例えば幅10cm)は、一定の長さにカットされて両側が自由端となっており、吊りベルト11に対し巻回や結び付けが容易に行える。
また、崩れ落ち防止用の結束ベルト2Aは、その後上方にある第2段目の第4番目の土嚢1の吊りベルト11にも結ばれている。
このように、崩れ落ち防止用の結束ベルト2Aは、V字状に結束された状態、すなわち下にある第1段目の土嚢載置構造体Aの土嚢1の一つに対して、上にある第2段目の土嚢載置構造体Aの土嚢1の二つに結束されていることになり、ズレ止めの応力が分散される。
下にある第1段目の土嚢載置構造体Aの土嚢1の一つに対して、上にある第2段目の土嚢載置構造体Aの土嚢1の二つに結束されることによりV字状となるのであるが、崩れ落ち防止用の結束ベルト2Aの長さは少なくとも、この長さは必要である。
崩れ落ち防止用の結束ベルト2Aによりジグザグ状に多数の土嚢1を上下交互に結束していくには、単位の長さの数倍の長さを必要とすることになる。
また、崩れ落ち防止用の結束ベルト2は、その後上方にある第2段目の第5番目の土嚢1の吊りベルト11にも結ばれている。
この場合も、崩れ落ち防止用の結束ベルト2AはV字状に結束された状態となる。
以下、第1段目と第2段目の土嚢1とは、同様に上下、交互に延長方向に崩れ落ち防止用の結束ベルト2Aにより結束されており、ジグザグ状に延びた状態となっているのが分かる。
また、第2段目と第3段目の土嚢1も、上述した第1段目と第2段目の土嚢1の場合と同様に崩れ落ち防止用の結束ベルト2Aにより結束されている。
この立体土嚢集合体Bも図12の例と同じように、下段の土嚢載置構造体Aと中段の土嚢載置構造体Aとを崩れ落ち防止用の結束ベルト2Aにより結束しているものである。
この場合、崩れ落ち防止用の結束ベルト2Aは、下段の土嚢載置構造体Aの縦方向の吊りベルト11ではなくて、水平方向の結束ベルト2に結束にされている(この場合、結束ベルト2の略中間位置)。
崩れ落ち防止用の結束ベルト2Aは、縦方向の吊りベルト11や水平方向の結束ベルト2に結束にされる場合、結束としては、巻回する方法や、結び付ける方法等がある。
ここで、図示しないが、崩れ落ち防止用の結束ベルト2Aは、吊りベルト11と結束ベルト2との交差点(すなわち下段の土嚢載置構造体Aの縦方向の吊りベルト11と水平方向の結束ベルト2の交差点)に結束されていても当然良い。
この実施の形態の立体土嚢集合体Bは、複数土嚢グループXとして列設した状態で結束することで、個々の土嚢1同士の移動が起きにくくなり動きの自由度をグループごとに押さえることができる。
また、上下方向に連結することで、前方への崩れを防止することができる。
すなわち、第1複数土嚢グループX1と第2複数土嚢グループX2に加え、更に第3複数土嚢グループとして逐次、延長されていくことになる。
例えば、吊りベルト11に結束ベルト2や崩れ落ち防止用の結束ベルト2Aを巻回する場合、一巻でも或いは多数巻きでも可能であり、また吊りベルト11に結束ベルト2や崩れ落ち防止用の結束ベルト2Aを結ぶ場合、 その結び方は容易に解けない限り、その形態は自由である。
また、複数土嚢グループを束ねる結束ベルトは、2重、3重と多重に重ねることも当然可能である。
また、例えば、見掛け上、土嚢用袋体10の側面には4本の吊りベルト11が存在しているが、2本又は3本のベルトであってもよく、5本以上のベルトであってもよい。
そのため、この原理を使用する限り、護岸工事の他、山等の法面の工事を含む工事に広く利用できる。
10A・・・側面
10B・・・底面
10・・・土嚢用袋体
11・・・吊りベルト
11A・・・縫着部
12・・・縫着部カバー
2・・・結束ベルト
2A・・・崩れ落ち防止用の結束ベルト
A・・・土嚢載置構造体
B・・・立体土嚢集合体
X・・・複数土嚢グループ
X1・・・第1複数土嚢グループ
X2・・・第2複数土嚢グループ
Claims (5)
- 複数の土嚢を並べて載置施工する際の、土嚢載置構造体であって、複数の土嚢を列設した第1複数土嚢グループと、複数の土嚢を列設した第2複数土嚢グループとよりなり、第1複数土嚢グループと第2複数土嚢グループとがそれぞれ別々に結束ベルトで周囲を結束されており、且つ第1複数土嚢グループの一部の土嚢と第2複数土嚢グループの一部の土嚢とが共通に結束されていることを特徴とする土嚢載置構造体。
- 一部の土嚢が一個の土嚢であることを特徴とする請求項1記載の土嚢載置構造体。
- 土嚢は土嚢用袋体と 該土嚢用袋体の側面及び底面に一部が縫着部を介して縫着された吊りベルトとよりなるものであることを特徴とする請求項1記載の土嚢載置構造体。
- 結束ベルトが個々の土嚢の吊りベルトに巻回されていることを特徴とする請求項3記載の土嚢載置構造体。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載の土嚢載置構造体が複数配列されていることにより構築された立体土嚢集合体。
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2015
- 2015-10-13 JP JP2015202484A patent/JP6565062B2/ja active Active
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