JP4450824B2 - 孔付メッシュシート - Google Patents
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Description
これらのメッシュシートの素材としては、柔軟性や追従性が要求されるため、これらに優れると共に強度にも優れた繊維が一般に用いられている。
そのため、例えば、上記格子状シートを用いる場合は、この格子状シートに孔空け加工を施している。
このため、上記孔付メッシュシートは、十分な強度を有するものとなる。
これにより、上記孔付メッシュシートは、様々な用途に適用可能となる。
なお、上記孔付メッシュシートにおいては、孔空け工程が不要であるので、製造コストも低減できる。
また、経ストランドを編み込む際に、同時に緯ストランドを形成できることから、本発明の孔付メッシュシートを効率よく製造できる。
したがって、上記孔付メッシュシートは、上記経ストランドの長さ方向及び緯ストランドの長さ方向のみならず、孔付メッシュシートの面方向全てに対する強度に優れるものとなる。
また、経ストランドを編み込む際に、同時に橋架け部を形成できることから、本発明の孔付メッシュシートを効率よく製造できる。
なお、図面中、同一要素には同一符号を付すこととし、重複する説明は省略する。
また、上下左右等の位置関係は、特に断らない限り、図面に示す位置関係に基づくものとする。
更に、図面の寸法比率は図示の比率に限られるものではない。
図1は、本発明に係る孔付メッシュシートの第1実施形態を示す平面図である。
図1に示すように、本実施形態に係る孔付メッシュシート10は、長さ方向が平行となるように複数並べられた帯状の経ストランド11,51と、隣合う経ストランド11,51間に架設された緯ストランド12と、経ストランド11,51及び緯ストランド12により形成される空隙部Gの対角線上に設けられた橋架け部13と、を備える。
このように第1の経ストランド11及び第2の経ストランド51は編地であるため、本実施形態に係る孔付メッシュシート10は、編地特有の伸縮性及び弾力性を有する。
なお、これらは1種類を単独で用いてもよく、複数を混合して用いてもよい。
また、ウェール11aと連結糸とは同一の繊維であってもよく、異なる繊維であってもよい。
また、第1の経ストランド11及び第2の経ストランド51の幅は、強度及び施工時の作業性の観点から、1〜500mmであることが好ましい。
さらに、上記孔付メッシュシート10は、複数架設された緯ストランド12同士の間隔と、複数配列された第1の経ストランド11及び第2の経ストランド51の間隔とは略同じになっていることが好ましい。
すなわち、空隙部Gが正方形であることが好ましい。
この場合、特に強度に優れるものとなる。
さらにまた、第1の経ストランド11及び第2の経ストランド51の長さ方向の引張り強度は、1〜100kNであることが好ましい。
またさらに、第1の経ストランド11及び第2の経ストランド51の厚みは、1〜50mmであることが好ましい。
この場合、上記孔付メッシュシート10を地盤用補強グリッドに用いると、土壌中における引き抜け抵抗を十分に発揮させることができる。
ここで、本発明において、引張り強度及び伸度は、JIS L 1096に準拠し、測定した値である。
例えば、繊維がポリエステル繊維、ポリエチレン繊維、ポリプロピレン繊維、ナイロン繊維のいずれかである場合、上記材質としては、炭素繊維、ビニロン繊維、アラミド繊維等が挙げられる。
これらの中でも、アラミド繊維であることが好ましい。
例えば、繊維と同じ材質を用い、繊維の繊度に対して、強化繊維の繊度を2〜10倍とすればよい。
具体的には、強化繊維の繊度は1000〜10000dtexであることが好ましい。
伸度が20%を超えると、伸度が上記範囲内にある場合と比較して、十分な強度が得られない傾向にある。
強度が500Nmm2未満であると、引張り強度が上記範囲内にある場合と比較して、面方向に対する強度が不十分となる傾向にある。
この場合、上記孔付メッシュシート10は、面方向に対する強度により優れるものとなる。
すなわち、本実施形態に係る孔付メッシュシート10は格子構造となっている。
このため、緯ストランド12の長さ方向に引張られたとしても、緯ストランド12から第1の経ストランド11及び第2の経ストランド51に伝わる力が、均等に分散されるので、孔付メッシュシート10の強度がより優れるものとなる。
この場合、上記孔付メッシュシート10は、十分大きな空隙部Gを有するため、より軽量であり、より取扱い性に優れる。
したがって、この場合、第1の経ストランド11及び第2の経ストランド51と、緯ストランド12とが強固に結合され、強度がより優れるものとなる。
また、第1の経ストランド11又は第2の経ストランド51を編み込む際に、同時に緯ストランド12を形成できることから、本実施形態に係る孔付メッシュシート10を効率よく製造できる。
なお、ここでいう繊維とは、上述したウェール11aにおける繊維と同義である。
この場合、孔付メッシュシート20は、橋架け部13を備えることにより、空隙部Gの対角線方向に対する強度がより優れるようになる。
すなわち、第1の経ストランド11と緯ストランド12との交差部に矩形状の孔(以下便宜的に「第1の孔」という。)15aが設けられ、第1の経ストランド11の緯ストランド12とは交差しない部分に矩形状の孔(以下便宜的に「第2の孔」という。)15bが設けられている。
したがって、上記孔付メッシュシート10は、第1の孔15a及び第2の孔15bが第1の経ストランド11の編成と同時に形成されたものであるので、第1の経ストランド11が複数の第1の孔15a及び複数の第2の孔15bを有するにもかかわらず、強度が低下しない。
これにより、上記孔付メッシュシート10は、様々な用途に適用可能となる。
なお、上記孔付メッシュシート10においては、孔空け工程が不要であるので、製造コストも低減できる。
この場合、孔付メッシュシート10の第1の孔15a及び第2の孔15bにイルミネーションランプや留め具を容易かつ確実に取付けることができる。
また、留め具により孔付メッシュシート10を地盤に取付ける場合は、第1の孔15a及び第2の孔15bに留め具を取付けることにより、孔付メッシュシート10を確実に固定できる。
なお、第2の孔15bについても同様である。
また、第1の孔15aと第2の孔15bとは内径が同一であっても、異なっていてもよい。
図2は、本実施形態に係る孔付メッシュシートの第1の経ストランドにおける第2の孔の編成状態を説明するための説明図である。
次に、隣合うウェール11aそれぞれの輪の中に連結糸11bを連続して通すことにより、隣合うウェール11a同士が連結される。
このような方法を経ることにより、中央に位置する隣合うウェール11a,11a'同士の間に第2の孔15bが形成される。
そうすると、内側のウェール11a,11a’がそれぞれ外側に引張られることになるため、更に大きく開いた孔15bが製造できる。
すなわち、第1の孔15aは、図3に示すように、第2の孔15bが設けられた状態から、これに挿入糸12aを編成させることにより、緯ストランド12と橋架け部13とを設ける。
この操作を繰り返すことにより、緯ストランド12が形成される。
なお、この緯ストランド12を編成する操作を所定の位置で繰り返すことにより、空隙部Gが形成される。
また、メッシュシート10を格子状とするためには、等間隔で緯ストランド12を形成すればよい。
すなわち、このときの一方の緯ストランド12と、他方の緯ストランド12との引張り具合を調整することにより、第1の孔15aの形状を調整できる。
なお、上述した一方の経ストランド11における緯ストランド12の編成は、他方の経ストランド51においても同様に行なわれる。
また、経ストランドを編み込む際に、同時に緯ストランドを形成できることから、本発明の孔付メッシュシートを効率よく製造できる。
すなわち、橋架け部13は、第1の経ストランド11を編成する過程において、所定の位置で上記ウェール11aを隣合う第1の経ストランド11から第2の経ストランド51に、上記空隙部Gの対角線上を通るように挿入糸12aを入り込ませて編成させ、次いで、第1の経ストランド51を第2の経ストランド51の長さ方向に所定位置まで編成された後、第2の経ストランド51から第1の経ストランド11に、上記空隙部Gの対角線上を通るように入り込ませて編成させ、そして、第1の経ストランド11を第1の経ストランド11の長さ方向に所定位置まで編成することにより得られる。
かかる操作を複数回繰り返すことにより橋架け部13が編成される。
なお、上述した一方の経ストランド11における橋架け部13の編成は、他方の経ストランド51においても同様に行なわれる。
このため、面方向に対する強度がより優れる。
また、経ストランドを編み込む際に、同時に橋架け部を形成できることから、孔付メッシュシート10を効率よく製造できる。
図4は、本実施形態に係る孔付メッシュシートにおける第2の経ストランドと、該第2の経ストランドの所定位置で編成された緯ストランドと、の交差部の編成状態を説明するための説明図である。
そして、中央の強化繊維11cが編成されているウェール11aの所定位置において、一方側の緯ストランド12と他方側の緯ストランド12とが互いに連結している。
すなわち、孔付メッシュシート10の表面全体が、樹脂により被覆されている。
この場合、孔付メッシュシート10は伸縮性が損なわれるものの、面方向に対する強度に極めて優れるものとなる。
図5に示すように、上記孔付メッシュシート10をコンクリート吹付けのり面に施工されるシートに用いた場合、孔付メッシュシート10の第1の孔15aに留め具31を通し、固定することにより、孔付メッシュシート10を確実に固定できる。
このように孔付メッシュシート10をコンクリート吹付けのり面に施工されるシートとしても用いると、シートをバランスよくのり面に固定できるという利点を有する。
また、このとき複数の第1の孔15a及び第2の孔15bが等間隔に配置されているので、施工面の面積取りを第1の孔15a及び第2の孔15bを基準点として、容易に行うことができる。
図6に示すように、上記孔付メッシュシート10をイルミネーションネットに用いた場合、第1の孔15aに、リード33に接続されたイルミネーションランプ32を取付けることにより、イルミネーションネットとして用いることができる。
この場合、第1の孔15a及び第2の孔15bが等間隔に配置されているので、イルミネーションランプを取付ける場合、第1の孔15a及び第2の孔15bを基準点として、イルミネーションランプの間隔の設定が極めて容易となる。
その結果、美しいイルミネーションを演出できる。
また、イルミネーションランプの取り付けや施工が容易となる。
また、地盤に敷設する場合、孔付メッシュシート10は、空隙部Gを有するので、地盤に比較的大きな突起物があった場合でも、それを避けて施工することができる。
さらに、緯ストランド12が紐状であると、相互の紐間に一定の間隙を生ずるので、細かい突起物を逃がすことができる。
したがって、上記孔付メッシュシート10は、長期間用いた場合であっても、十分な補強効果を発揮することができ、破損も抑制される。
このため、上記孔付メッシュシート10のインターロッキング効果(孔付メッシュシート10の長さ方向への引抜き抵抗)が増大され、地震等による土壌の変位がより抑制されるという利点を有する。
図7は、本発明に係る孔付メッシュシートの第2実施形態を示す平面図である。
図7に示すように、本実施形態に係る孔付メッシュシート20は、第1の経ストランド11と緯ストランド12との交差部に矩形状の第1の孔15aが設けられているが、第1の経ストランド11の緯ストランド12とは交差しない部分に矩形状の第2の孔が設けられていない点で第1実施形態に係る孔付メッシュシート10とは異なる。
この場合、挿入糸は、緯ストランド12のみを形成し、それ以外の部分においては、連結糸11bと同様なルートでウェール11aに編成される。
なお、橋架け部13についても同様である。
すなわち、任意の位置に孔を設けることが出来る。
なお、経ストランドにおけるウェールの本数は1〜10本であることが好ましい。
孔を設ける経ストランドのウェールが偶数本であると、経ストランドの最内側の2本ウェールにそれぞれ緯ストランドを編成させ、これらの緯ストランドを経ストランドから離れる方向に引張ることにより、所定形状の孔を経ストランドの中央に形成させることができる。
一方、孔を設けない経ストランドのウェールが奇数本であると、経ストランドの中央にウェールが位置することになるため、これに緯ストランド同士を連結させることができる。
なお、経ストランドと橋架け部とについても同様である。
11・・・第1の経ストランド
11a,11a'・・・ウェール
11b,11b'・・・連結糸
11c・・・強化繊維
12・・・緯ストランド
12a・・・挿入糸
13・・・橋架け部
15a・・・第1の孔
15b・・・第2の孔
31・・・留め具
32・・・イルミネーションランプ
33・・・リード
51・・・第2の経ストランド
A・・・方向
G・・・空隙部
Claims (7)
- 長さ方向が平行となるように複数並べられた帯状の経ストランドと、
隣合う前記経ストランド間に架設された緯ストランドと、を備え、
前記緯ストランドが前記経ストランドの組織の一部として編成されており、
前記経ストランドが複数の孔を有し、
該孔が前記経ストランドの編成と同時に、該経ストランドの所定位置で編成された緯ストランドとの交差部に形成されたものであることを特徴とする孔付メッシュシート。 - 前記経ストランドが等間隔に配設された複数の孔を有することを特徴とする、請求項1記載の孔付メッシュシート。
- 前記経ストランド及び前記緯ストランドにより形成される空隙部の対角線上に設けられた橋架け部を更に備えることを特徴とする、請求項1記載の孔付メッシュシート。
- 前記橋架け部が前記経ストランドの組織の一部として編成されていることを特徴とする、請求項3記載の孔付メッシュシート。
- 前記経ストランドが、鎖編で縦方向に複数本形成されウェールと、複数の前記ウェールを連結する連結糸と、により編成された編地であることを特徴とする、請求項1記載の孔付メッシュシート。
- 前記緯ストランドが、複数の紐であることを特徴とする、請求項1記載の孔付メッシュシート。
- 前記経ストランドが樹脂加工されていることを特徴とする、請求項1記載の孔付メッシュシート。
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