JP2010154794A - 作物引抜収穫機 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】作物の茎葉掻込装置1と、従動プーリ18、駆動プーリ19、左右一対の第一搬送無端帯2a,2bからなる第一伝動機構(18,19,2a,2b)を備え、掻込装置1から茎葉を挟持し搬送して作物を引き抜き、一定以上の挟持力により第一搬送無端帯2a,2bが左右に移動する引抜搬送装置2と、引抜搬送装置2で搬送中の茎葉の切断装置Kと、切断後の茎葉を挟持し、引抜搬送装置2から引き継ぎ左右一側に排出する茎葉搬送装置5と、これらの装置の駆動力供給用エンジン15とを設けた作物引抜収穫機であって、引抜搬送装置2に駆動プーリ19から従動プーリ18に動力を伝達する第二伝動機構(40,41,42)を設ける。従動プーリ18に伝動される駆動力が大きくなるため第一搬送無端帯2a,2bが外れることを防止できる。
【選択図】図4
Description
そして、左右の搬送ベルトを内側から張圧するテンションローラの張圧力は、引抜搬送装置に大きな負荷がかかり、搬送ベルトが機体外側に移動すると張圧力が弱まってしまうので、この時に搬送ベルトが撓んで外れてしまうこともある。
そこで、本発明の課題は、引抜搬送装置の搬送ベルト等の搬送帯が外れることを防止して、搬送作業性を高め、作業能率を向上させる作物引抜収穫機の提供である。
請求項1記載の発明は、左右一対の走行装置(13,14)と、該走行装置(13,14)上に設けられた車体フレーム(4a)と、前記走行装置(13,14)の前部に設けた圃場に植生する作物の茎葉を掻き込む掻込装置(1)と、該掻込装置(1)の後方で且つ前記車体フレーム(4a)上に、機体前部の左右一対の従動回転体(18,18)と後部の左右一対の駆動回転体(19,19)と該左右一対の従動回転体(18,18)及び左右一対の駆動回転体(19,19)にそれぞれ左右一対の第一搬送無端帯(2a,2b)を巻回して構成する第一伝動機構(18,19,2a,2b)を備え、該左右一対の第一搬送無端帯(2a,2b)により前記掻込装置(1)から掻き込まれた茎葉を挟持し後方に搬送して作物を引き抜き、一定以上の挟持力がかかると前記第一搬送無端帯(2a,2b)が前記走行装置(13,14)の前進方向に向かって左右方向に移動する構成の引抜搬送装置(2)と、該引抜搬送装置(2)の下部に設ける搬送中の作物の茎葉部分を切断する切断装置(K)と、該切断装置(K)で切断された茎葉を前記引抜搬送装置(2)の搬送終端部から引き継ぎ挟持して前記走行装置(13,14)の前進方向の左右一側に排出する茎葉搬送装置(5)と、前記走行装置(13,14)、掻込装置(1)、引抜搬送装置(2)、切断装置(K)及び茎葉搬送装置(5)に駆動力を供給する駆動源(15)とを設けた作物引抜収穫機において、前記引抜搬送装置(2)に前記第一伝動機構(18,19,2a,2b)と前記駆動回転体(19)から従動回転体(18)に動力を伝達する第二伝動機構(40,41,42)を設けた作物引抜収穫機である。
また、第一伝動機構(18,19,2a,2b)の他に、第二伝動機構(40,41,42)によっても従動回転体(18)が駆動力を受けて回転することによって、例えば引抜搬送装置(2)の従動回転体(18)の軸から駆動力を受ける構成の掻込装置(1)の場合は、掻込装置(1)に伝動される力が大きくなるため、作物の茎葉を確実に掻込装置(1)から引抜搬送装置(2)の搬送始端部に案内することができるので、作物を確実に圃場から引き抜けることで作業能率が向上する。
また、作物の茎葉を挟持する部分の挟持力を強めることによって、作物の茎葉を挟持した際に第一搬送無端帯(2a,2b)が撓むことが防止されるので、第一搬送無端帯(2a,2b)が駆動回転体(19)や従動回転体(18)から外れることが防止され、第一搬送無端帯(2a,2b)を巻き掛け直す作業が省略されて作業能率が向上する。
また、突起部材(65)が駆動回転体(19)や従動回転体(18)から着脱可能であることによって、条件に合わせて突起部材(65)の数や配置を変更することができるので、様々な作業条件に対応することができ、作業能率が向上する。
図1には本発明の実施の形態の作物引抜収穫機の全体平面図を示し、図2には図1の作物引抜収穫機の全体側面図を示す。また、図3には、図1の作物引抜収穫機の引抜搬送装置の要部拡大平面図を示し、図4には図3の引抜搬送装置の側断面図を示している。なお、図1及び図2では分かりやすいように図3及び図4に示す構成を一部省略している。
また、本明細書では特に断りがない限り、作物引抜収穫機の前進方向を前方向、後退方向を後方向、前進方向に向かって左、右をそれぞれ左、右方向といい、左右方向を幅方向ともいう。
そして、左右の後輪14,14は、ミッション装置17に設けられたサイドクラッチによって旋回等の操向操作ができる構成である。
引抜搬送装置2は、前側の掻込装置1から受け継いだ圃場に植生する作物を、挟持状態で後方に搬送しながらその過程で上方に引上げ作用ができるように、図2に示すように側面視で後部側を高くした傾斜姿勢に配置している。
そして、図3に示すように、前記引抜搬送装置2の左右他方の搬送体2L(図3の例では左側)の無端帯2bは、機体左右方向に揺動自在な揺動支持板25に軸架されている複数の自動テンションローラ(押圧回転体)8群によって、内側から張圧状態で後方に案内される。この場合、揺動支持板25は、図3に示すように、左側の車体フレーム4aに設けた取付板27に配置した複数の案内ピン28にそれぞれ調節長孔29を係合して無端帯2bに対して、長孔の範囲内において進退可能に(左右方向に)移動できる構成である。そして、前記揺動支持板25は、前部外側から張圧力を調節可能にしたテンションスプリング26を設けて無端帯2b側に張圧する構成としている。
したがって、引抜搬送装置2は茎葉の供給量が少なくても脱落させることなく、多くても装置側に無理な力を及ぼさずに、適確に挟持しながら後方へ搬送することができる。
上記構成により、左右一方の搬送体2Rの複数の定位置案内ローラ7と左右他方の搬送体2Lの複数の自動テンションローラ8によって第一搬送無端帯2a,2b間の搬送作用域Sで該第一搬送無端帯2a,2bは機体左右方向の内側に押圧されており、第一搬送無端帯2a,2b間に一定以上の挟持力がかかると、左右他方の搬送体2Lの自動テンション機構側の無端帯2bが左右方向外側に適度に移動して作物の茎葉を挟持しながら後方へ搬送する。
引抜搬送装置2の下方かつ引抜搬送装置2の後部側に、挟持搬送中の作物の茎葉部分を切断する左右一対の第一切断装置Kを取り付ける。そして、該第一切断装置Kの分割刃3a,3bを伝動軸31に軸架し、前記主伝動機構20を経由してチェーン33から伝動されるスプロケット32により伝動軸31を回転させることで、分割刃3a,3bが回転する。この場合、第一切断装置Kは、図2に示すように、そのすぐ下側には前記伝動軸31に装着したスプロケット32が配置され、少し外側下方には車体フレーム4aが位置している。そして、前記第一切断装置Kは、図5に示すように、二つの分割刃3a,3bを回転取付板30にねじで着脱自由に組み合わせて取り付け、円盤切刃に構成している。
規制板10は、図6に示すように、左右一対からなり、前記引抜搬送装置2の左右の第一搬送無端帯2a,2bを案内している各ローラ(定位置案内ローラ7と自動テンションローラ8)の下側に着脱自在に支持して設けている。そして、規制板10は、茎葉の通路を挟んで両側に配置し、第一搬送無端帯2a,2bの下側で終端部分が第一切断装置Kの刃縁に沿うように、分割刃3a,3bのすぐ上側に配置している。更に、左右の規制板10は、左右の間隔と前後位置とが調節可能である。
このように、茎葉搬送装置5は、図2に示すように、引抜搬送装置2の終端部から受け継ぐ葉の先端部を高い位置で挟持して搬送し、終端部に達すると、円盤カッター6a,6aによって再度短く切断して圃場面に排出する。
伝動装置として、例えば駆動プーリ19の駆動回転軸19aの下部に伝動回転体である第一伝動スプロケット40を設け、従動プーリ18の従動回転軸18aの下部に伝動回転体である第二伝動スプロケット41を設けて、第一伝動スプロケット40と第二伝動スプロケット41との間に伝動チェーン42を巻き掛けるような構成とすれば良い(図18)。なお、図4によれば、駆動回転軸19aには、主伝動機構20から第一伝動スプロケット40を介して動力が伝達される構成であるが、第一伝動スプロケット40とは別の回転体(プーリ、スプロケット、ギアなど)から動力が伝達される構成でもよい。
そして、このように引抜搬送装置2の駆動回転体である駆動プーリ19を2個から更に左右の第一伝動スプロケット40を加えて合計4個にすることで引抜搬送装置2の駆動力が向上する。
引抜搬送装置2の従動プーリ18の張力が小さいと、搬送始端側に茎葉を挟持する挟持力がかかった際に、第一搬送無端帯2a,2bを張圧することがほぼできないので、第一搬送無端帯2a,2bが撓んで外れてしまうことがある。
また、上述の例では、引抜搬送装置2の駆動プーリ19と従動プーリ18の下部に第一伝動スプロケット40と第二伝動スプロケット41の合計4個のスプロケットを設けた例を示しているが、前側の第二伝動スプロケット41を片方省略して、左右どちらか一側の従動プーリ18の従動回転軸18aの下部にのみ第二伝動スプロケット41を設けて、左右の駆動プーリ19,19下部の第一伝動スプロケット40,40と左右一方の第二伝動スプロケット41の合計3個としても引抜搬送装置2の駆動力が向上する。すなわち、引抜搬送装置2の駆動回転体は、駆動プーリ19,19と左右一側の第一伝動スプロケット40の合計3個となる。
しかし、このように自動テンション機構によって移動する側の無端帯2bの駆動力を大きくすることで、引抜搬送装置2の茎葉の挟持力を大きくすることができ茎葉をスムーズに後方へ搬送できる。第一伝動スプロケット40の主な目的は掻込装置1への強い駆動力の供給であるが、同時に引抜搬送装置2の搬送始端側の駆動力の強化にもなる。
また、伝動プーリ50を伝動スプロケット、受動プーリ51を受動スプロケットとして伝動スプロケットと受動スプロケットとの間に伝動チェーンを無端状に巻き掛けても良いし、伝動プーリ50を伝動ギア、受動プーリ51を受動ギアとし、伝動ギアと受動ギア間に更に伝動ギアを噛合させるような構成でも良い。
また、図11に示すように、両搬送体2R,2Lに、伝動プーリ50、受動プーリ51、第二搬送無端帯52などを設けると、作物の茎葉を挟持する部分の挟持力を強める効果が高まり、作業能率が向上する。
引抜搬送装置2の左右の第一搬送無端帯2a,2bの左右外側の非搬送作用域Nには、第一搬送無端帯2a,2bを左右方向の外側から内側に押圧する第二押圧回転体(テンションローラ、テンションプーリなど)53を設けても良い。図12には、左右両側の搬送体2R,2Lに第二押圧回転体53,53を設けた例を示している。
そこで、更に、車体フレーム4a上に基部が連結し、端部が第二押圧回転体53に連結して長さ調節が可能なロッド部材57を設け、ロッド部材57によって押圧回転体53が設定距離以上に移動することを防止すれば、第一搬送無端帯2a,2bにかかる押圧力を保つことができ、第一搬送無端帯2a,2bが駆動プーリ19や従動プーリ18から外れることが防止できる。
その場合に、自動テンションローラ8を備えた搬送体2Lの第一搬送無端帯2b側(移動する側)に設けると、ロッド部材57は自動テンション機構による第一搬送無端帯2bの移動に合わせて長さも変動し、第一搬送無端帯2a,2bにより作物の茎葉量に応じて茎葉を適確に挟持しながら後方へ搬送することができる。
図27(a)には、従来の引抜搬送装置の(無端帯を装着した)駆動プーリや従動プーリの簡略平面図を示し、図27(b)には、図27(a)の駆動プーリや従動プーリの側断面図を示す。
そこで、図13に示すように、従動プーリ18と駆動プーリ19の第一搬送無端帯2a,2bとの接触面(作用面)にそれぞれ複数の孔18b,19bを設け、該複数の孔18b,19bに着脱可能な突起部材65を取り付ける。前記複数の孔18b,19bは、ランダムに設けても規則的に設けても良い。また、複数の孔18b,19bや突起部材65は従動プーリ18又は駆動プーリ19の片方のプーリに設けるだけでも良い。
そして、突起部材65は孔18b,19bへの取付が可能なように六角及び四角形状とすると良い。六角及び四角形状であれば、レンチなどで容易に外すことができる。
また、突起部材65自体の高さ(突出長さ)も調節ができるようにすれば、様々な作業条件への適応性が向上する。例えば、突起部材65を弾性体で構成すれば、孔18b,19bへの押し込み度合いによって突出長さが変更できる。
更に、突起部材65は丸形状としても良い。丸形状では対応する工具が専門的になるが、図13の拡大部分にあるように、四角や六角形状に丸形状部を加えたものにすれば、丸型のままでも良く、また、突起部材65を丸ネジにすれば、四角や六角形状でなくてもドライバーで外せる。
したがって、突起部材65の着脱や突出長さを変更しやすくするために四角・六角部を形成し、第一搬送無端帯2a,2bに接触する部分は丸形状とすると着脱・調節が容易であり、第一搬送無端帯2a,2bの外れを防止できるとともに、第一搬送無端帯2a,2bの傷付きが防止できる突起部材65となる。
突起部材65は従動プーリ18や駆動プーリ19の外周中央部に設けられたV字溝18c,19cを挟んで上下に設置すると、上方突起部材65aと下方突起部材65bは第一搬送無端帯2a,2bの上下で接触して水気や土砂等の夾雑物による滑りを効率的に防止することができる。
一方、突起部材65の径が大きいと、第一搬送無端帯2a,2bとの接触面が大きくなって擦れることで第一搬送無端帯2a,2bに傷が付くことも考えられるが、突起の径を3mm以下と小さくすることで、第一搬送無端帯2a,2bに傷が付くことはない。
これら従動プーリ18や駆動プーリ19の作用面(第一搬送無端帯2a,2bとの接触面)に縦リブ18d,19dを設けても良い。また、縦リブ18d,19dを図16(a)に示すように斜めに設置しても良いし、図16(b)に示すように側面視で矢印形状としても良い。従動プーリ18や駆動プーリ19に縦リブ18d,19dを設けることで第一搬送無端帯2a,2bとの作用面が凹凸状になり、第一搬送無端帯2a,2bが凹凸部分に適度に引っかかり摩擦抵抗がかかることで、第一搬送無端帯2a,2bの滑りを防止できる。
そして、従動プーリ18や駆動プーリ19の作用面に縦リブ18d,19dを設けた場合も、従動プーリ18と駆動プーリ19の第一搬送無端帯2a,2bとの接触面(作用面)に突起部材65を設け、V字溝18c,19cの上下で突起部材65の位相を同じとしても良い。または上方突起部材65aと下方突起部材65bの位相をずらすように設けても良い。
図1から図12には、第一切断装置Kを引抜搬送装置2の下方に設けた例を示しているが、図17に示すように、第一切断装置Kを引抜搬送装置2の上方に設けても良い。
また、第一切断装置Kの左右一対の切断刃3,3や茎葉搬送装置5の搬送始端部は、大量の茎葉を噛み込んだり異物を挟んだときに、挟持した茎葉や異物を取り除くためにカバー等の部材を外す必要があり、メンテナンス性が悪い、という問題があった。
本構成を採用することにより、第一切断装置Kの切断刃3,3の何れかに過負荷がかると、左右両側の切断刃3,3が左右方向の外側に動くことで、チェーン33が外れるおそれがなく、一種の安全装置として働く。また、チェーン33が外れたり、破損することが防止できるので、作業能率が向上する。
第一切断装置Kの切断刃3,3の何れかに過負荷がかると、スプリング73による付勢力に打ち勝って切断刃アーム73aは駆動回転軸19aを支点として矢印Q方向(図17)に回動し、その動きに連動して切断刃3,3は左右外側方向に移動する。切断刃3の伝動軸31の下端が車体フレーム4a等に連結していると切断刃3は移動できないが、本構成では切断刃3を回動自在な切断刃アーム73aに取り付けているので、切断刃3を左右方向の外側に移動させることができる。また、切断刃アーム73a及び切断刃3の回動支点を駆動プーリ19の駆動回転軸19aに設けることで、切断刃3の移動機構が簡単、容易になる。
例えば、移動側の搬送体2Lの切断刃3にのみ上記移動機構を設けた場合は、切断刃3の左側への最大移動時に固定側の搬送体2Rの切断刃3と平面視で重複しない位置まで動くように、スプリング73の付勢力を調整すると良い。すなわち、切断刃3,3の左右外側への最大移動時には、左右の切断刃3,3間に隙間が空くようにスプリング73の付勢力を調整する。
また、負荷のない状態(作業前の基本位置)の切断刃3の中心(伝動軸31)は、切断刃アーム73a及び切断刃3の回動支点と左右方向で同じ位置か、それよりも機体内側寄りになるように、スプリング73の付勢力を調整しても良い。負荷のない状態では、作物の茎葉量が少ないことから、左右の切断刃3,3間の隙間を狭めることによって、作物の茎葉を挟み込んで切断することができるので、茎葉が効率よく処理されて作業能率が向上する。
図19に示すように、右側の搬送帯2Rの駆動回転体19aに伝動スプロケット70と駆動スプロケット71とチェーン33を内装した切断刃アーム73aを回動自在に取り付け、該切断刃アーム73aの下方に切断刃アーム73aを機体内側方向に付勢するトルクスプリング80を軸着し、切断刃アーム73aに第一切断装置Kの切断刃3を取り付ける。そして、前記車体フレーム4aに切断刃アーム73aの機体内側方向への移動を制限する内側ストッパ軸82bを切断刃3よりも下方位置で取り付け、該ストッパ軸82bよりも機体外側方向で且つ機体後方に切断刃アーム73aの機体外側方向への移動を制限する外側ストッパ軸82aを取り付ける構成としても良い。
さらに、切断刃アーム73aの機体外側方向への移動を制限する外側ストッパ82aを設けたことによって、過負荷を受けた際に機体外側方向に切断刃アーム73aが移動しすぎることを防止できるので、左右一方、あるいは左右両方の切断刃3,3が茎葉を切断しなくなることが防止されて作業能率が向上する。
そして、切断刃アーム73aの外側ストッパ82a及び内側ストッパ82bの位置を調整自在とすることによって、切断刃3の押圧力を調整できる。したがって、作物の茎葉量に応じて適切な切断作業が可能となる。
このように、第一切断装置Kの切断刃3,3の何れかに過負荷がかると、左右両側の切断刃3,3が左右方向の外側に動くことで、チェーン33が外れるおそれがなく、一種の安全装置として働く。また、チェーン33が外れたり、破損することが防止できるので、作業能率が向上する。
茎葉搬送装置5の始端部も左右方向に開閉可能にすることで、茎葉搬送装置5に引き継がれる際に茎葉や異物が詰まった場合でも異物等を取り除くことが容易となる。
図21に示すように、茎葉搬送装置5の挟持ベルト5a,5aは前方プーリ90、中央プーリ91、後方プーリ93の3種類のプーリに巻回して構成されており、中央プーリ91は駆動プーリ19の駆動回転軸19aの上部に固着していることで、動力が伝達されて挟持ベルト5a,5aが回転する。
そして、支持体96の上面と下面を連結する側面の外側には棒体101の一端が固着し、棒体101の他端は車体フレーム4aの上部に設けられた支柱99内に挿入して、棒体101は支柱99内を左右方向(矢印R方向)に移動可能な構成である。
また、圃場に設置してある金属製の支柱等の異物は、その上下方向の長さが長いため、引抜搬送装置2、茎葉搬送装置5の両方で挟持することが多いが、このような異物の取り除き作業も効率よく行うことができる。
図22には、引抜搬送装置2の駆動プーリ19に付着した泥水や異物等を取り除くためのワイパースクレーパ107とスクレーパ105とを引抜搬送装置2に設置した場合の図を示している。ワイパースクレーパ107は主に水(液体)を取り除くためのものであり、スクレーパ105は雑物(固体)を取り除くためのものである。
駆動プーリ19が回転すると、ワイパースクレーパ107とスクレーパ105の先端部は駆動プーリ19と共に回転しようとするが、ワイパースクレーパ107とスクレーパ105の基部が車体フレーム4a上に固定されていることから、移動が制限されて固定位置に留まる。したがって、駆動プーリ19のV字溝19c内に溜まった水や異物等はワイパースクレーパ107とスクレーパ105の先端部に当たって掻き出され、除去される。
例えば、図22に示すように搬送体2L側(左側)の無端帯2bの駆動プーリ19が矢印U方向(時計回り)に回転する場合は、左側(外側)にスクレーパ105を設け、右側(内側)にワイパースクレーパ107を設置する。このように設置すると、無端帯2bから離れた直後の駆動プーリ19のV字溝19cに、まずスクレーパ105が接触して異物等の固形物を除去した後、ワイパースクレーパ107が接触して水などの液体を除去する。 無端帯2bから離れた駆動プーリ19のV字溝19cに、先にゴムやスポンジ等の軟質材で構成するワイパースクレーパ107を接触させると、ワイパースクレーパ107は茎葉や土塊等の夾雑物に接触する際の抵抗で屈曲してしまい、夾雑物や水を除去できない可能性がある。
しかし、V字溝19cに溜まった異物を先に金属や硬質樹脂で構成するスクレーパ105で取り除くことで茎葉や土塊等の夾雑物がV字溝19cから取り除かれるので、ワイパースクレーパ107はV字溝19cに溜まった水を確実に排除することができるので、効率的に駆動プーリ19に付着した水や異物等の除去が可能となる。
上記のように構成することによって、機体の前後長さを短くすることができるので、機体がコンパクトになり、圃場の行き帰りの軽トラック等への積み込みが容易になると共に圃場端等での旋回径が小さくなるので旋回動作がしやすく、作業能率が向上する。
なお、第一切断装置K,Kの切断刃3,3を支柱規制ディスク113,113よりも側面視で上側になるように配置すると、刃こぼれや錆等で頻繁に交換する必要のある第一切断装置K,Kの切断刃3,3を容易に取り外すことができるので、作業能率及びメンテナンス性が向上する。
2 引抜搬送装置 2a,2b 左右第一搬送無端帯
2L,2R 左右搬送体 3 切断刃
3a,3b 分割刃 4 車体
4a 車体フレーム 5 茎葉搬送装置
5a 挟持ベルト 6 第二切断装置
6a 円盤カッター 7 定位置案内ローラ
7a,8a 回転軸 8 自動テンションローラ
9 支持板 9a 固定腕
10 規制板 13 前輪
14 後輪 15 エンジン
16 後部ハンドル 17 ミッション装置
18 従動プーリ 18a 従動軸
18b,19b 孔 18c,19c V字溝
18d,19d 縦リブ 19 駆動プーリ
19a 駆動軸 20 主伝動機構
21 プーリ 23 ロック装置
24 ロックレバー 25 揺動支持板
26 弾性部材(テンションスプリング)
27 取付板 28 案内ピン
29 長孔 30 取り付け板
31 伝動軸 32 スプロケット
33 チェーン 40 第一伝動スプロケット
41 第二伝動スプロケット
42 伝動チェーン 43 第三伝動スプロケット
50 伝動プーリ(伝動回転体)
51 受動プーリ(受動回転体)
52 第二搬送無端帯 53 第二押圧回転体
53a 回転軸 55 スプリング
57 ロッド部材 60 プーリ
60a プーリ軸 63 アーム
65 突起部材 65a 上方突起部材
65b 下方突起部材 70 伝動スプロケット
71 駆動スプロケット 73 スプリング
73a 切断刃アーム 80 トルクスプリング
82a,82b ストッパ軸
90 前方プーリ 90a 回転軸
91 中央プーリ 93 後方プーリ
95 スプリング 96 支持体
97 カバープレート 99 支柱
101 棒体 103 規制板
105 スクレーパ 105a 突起部分
107 ワイパースクレーパ
109 連結部材 110 支柱規制装置
111 規制軸 113 支柱規制ディスク
K 第一切断装置
Claims (4)
- 左右一対の走行装置(13,14)と、該走行装置(13,14)上に設けられた車体フレーム(4a)と、前記走行装置(13,14)の前部に設けた圃場に植生する作物の茎葉を掻き込む掻込装置(1)と、該掻込装置(1)の後方で且つ前記車体フレーム(4a)上に、機体前部の左右一対の従動回転体(18,18)と後部の左右一対の駆動回転体(19,19)と該左右一対の従動回転体(18,18)及び左右一対の駆動回転体(19,19)にそれぞれ左右一対の第一搬送無端帯(2a,2b)を巻回して構成する第一伝動機構(18,19,2a,2b)を備え、該左右一対の第一搬送無端帯(2a,2b)により前記掻込装置(1)から掻き込まれた茎葉を挟持し後方に搬送して作物を引き抜き、一定以上の挟持力がかかると前記第一搬送無端帯(2a,2b)が前記走行装置(13,14)の前進方向に向かって左右方向に移動する構成の引抜搬送装置(2)と、該引抜搬送装置(2)の下部に設ける搬送中の作物の茎葉部分を切断する切断装置(K)と、該切断装置(K)で切断された茎葉を前記引抜搬送装置(2)の搬送終端部から引き継ぎ挟持して前記走行装置(13,14)の前進方向の左右一側に排出する茎葉搬送装置(5)と、前記走行装置(13,14)、掻込装置(1)、引抜搬送装置(2)、切断装置(K)及び茎葉搬送装置(5)に駆動力を供給する駆動源(15)とを設けた作物引抜収穫機において、
前記引抜搬送装置(2)に前記第一伝動機構(18,19,2a,2b)と前記駆動回転体(19)から従動回転体(18)に動力を伝達する第二伝動機構(40,41,42)を設けたことを特徴とする作物引抜収穫機。 - 前記引抜搬送装置(2)の少なくとも左右一側の駆動回転体(19)の回転軸(19a)の上部に伝動回転体(50)を設け、
更に前記引抜搬送装置(2)の左右の第一搬送無端帯(2a,2b)間の搬送作用域Sで、該左右の第一搬送無端帯(2a,2b)を左右方向の内側に押圧する複数の第一押圧回転体(7,8)を前記伝動回転体(50)と同じ側に設けると共に、該複数の第一押圧回転体(7,8)の各回転軸(7a,8a)の上部にそれぞれ受動回転体(51)を複数設け、
前記伝動回転体(50)と複数の受動回転体(51)に第二搬送無端帯(52)を巻回したことを特徴とする請求項1記載の作物引抜収穫機。 - 前記引抜搬送装置(2)の左右の第一搬送無端帯(2a,2b)の左右外側の非搬送作用域Nに少なくとも左右一方の第一搬送無端帯(2a,2b)を左右方向の外側から内側に押圧する第二押圧回転体(53)を設け、
更に、前記車体フレーム(4a)上に基部が連結し、端部が第二押圧回転体(53)の回転軸(53a)に連結して長さ調節が可能なロッド部材(57)を設け、
該ロッド部材(57)の長さを調節することで第二押圧回転体(53)により第一搬送無端帯(2a,2b)を左右方向の外側から内側に押圧する構成としたことを特徴とする請求項1又は2記載の作物引抜収穫機。 - 前記従動回転体(18,18)と駆動回転体(19,19)の第一搬送無端帯(2a,2b)との接触面にそれぞれ複数の孔(18b,19b)を設け、該複数の孔(18b,19b)に対応する個数の着脱可能な突起部材(65)を取り付けたことを特徴とする請求項1から3のいずれか1項に記載の作物引抜収穫機。
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