JP2010142483A - 内視鏡用可撓管 - Google Patents

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Abstract

【課題】操作性能が高く、かつ、患者の体腔内に挿入しやすい内視鏡用可撓管を提供することにある。
【解決手段】可撓管14では、また、内層網状管20A及び外層網状管20Bは螺旋管2に比べ変形しやすいため、屈曲時にその屈曲形状に倣いやすい。また、網状管20では螺旋管2に発生する曲げ方向の動きを阻害する力が発生しにくい。可撓管14の湾曲時の状態を維持しようする現象が生じないため、可撓管14を湾曲させた場合に元の位置に戻りやすくなる。また、網状管20を内層網状管20Aと外層網状管20Bの2層構造にすることにより、網状管が1層の場合に比べ、網状管20全体の剛性が高くなる。このため、操作部13の軸回り方向の回転操作に対する挿入部12全体の回転追従性が向上する。これにより、内視鏡11の検査時に挿入部12を軸回り方向に回転操作する際の操作性が向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管14を提供することができる。
【選択図】図5

Description

本発明は内視鏡の挿入部の一部を構成する内視鏡用可撓管に関するものである。
内視鏡検査時に内視鏡用可撓管は、例えば、胃、十二指腸、小腸あるいは大腸等の体腔内の深部まで湾曲しながら挿入される。このため、内視鏡用可撓管は可撓性(柔軟性)を高くすることにより、操作性の向上を図り、患者の検査時の負担を軽減させる必要がある。
図16(a)に示すように、従来の内視鏡用の可撓管1は、内層側から金属製の螺旋管2(フレックス)、網状管(ブレード)3、樹脂製の外皮4を組み合わせて形成される。網状管3は1層構造となっている。螺旋管2は金属製の帯状部材を所定の間隔で螺旋状に旋回することで形成され、網状管3に比べ硬くなっている。
特許文献1では、金属ワイヤで形成した網状管と、樹脂繊維で形成した網状管とを組み合わせた多層構造の網状管を使用した内視鏡用可撓管が示されている。
特許文献2では、螺旋管をなくした構造の内視鏡用可撓管が示されている。
特開昭58−50931号公報 特公昭64−1136号公報
図16(a)(b)において、C点は螺旋管2上の所定の点、例えば、螺旋管2の1つのリング要素2aの縦断面の中央位置の点であり、D点はリング要素2aと隣接する他のリング要素2bの縦断面の中央位置の点である。dは可撓管1を湾曲させていない状態でのC点とD点の間の距離である。従来の可撓管1を湾曲させると、湾曲時に湾曲の内側部分では全体が圧縮され、外側部分は延伸される。このため、湾曲の内側部分では図16(b)中に矢印で示すように、リング要素2aとリング要素2bの間の間隔が狭まる方向に変形する。これにより、湾曲の内側部分で湾曲時に可撓管1が最も湾曲する部分である湾曲中心部5に向かって螺旋管2が移動する。このため、図16(a)(b)に示すように、湾曲時においての螺旋管2のC点とD点との間の間隔dは、湾曲させていない場合の間隔dに比べ狭くなる。つまり、湾曲の内側部分では、可撓管1の湾曲中心部5の周辺で螺旋管2の各点の間隔が湾曲させていない場合に比べ狭くなっている。各点の間隔が狭くなることで、湾曲中心部5の周辺で硬質体である螺旋管2が圧縮される状態で密集するため、螺旋管2は可撓管1の湾曲時の状態を維持しようとし、元の位置に戻りにくくなる現象が生じる。このため、可撓管1の操作性は低下し、可撓管1を患者の体腔内に挿入しにくくなる。
上記特許文献1の内視鏡用可撓管では、管の径方向への潰れを防止する金属製の螺旋管が存在する。螺旋管が存在することにより、可撓管を湾曲させると湾曲の内側部分では湾曲中心部の周辺で硬質体である螺旋管が圧縮された状態で密集し、螺旋管は可撓管の湾曲時の状態を維持しようとする現象が生じるため、可撓管を湾曲させた場合に元の位置に戻りにくくなる。このため、可撓管を患者の体腔内に挿入しにくく、可撓管の操作性は低下する。
上記特許文献2の内視鏡用可撓管では、網状管と外皮の2層構造であるが、螺旋管を設けていないため、可撓管の剛性は低下する。このため、内視鏡の挿入部を体腔内に挿入させた状態で操作部を挿入部の軸回り方向に回転操作することにより、挿入部全体を軸回り方向に回転させる操作時に、操作部で捻った際の回転角度を挿入部に伝達する場合、若干の遅れが発生していた。これにより、操作部の軸回り方向の回転操作に対する挿入部全体の回転追従性は低下するため、挿入部を軸回り方向に回転させる際の操作性は低下する。この問題を回避するため、上記特許文献2では網状管の素材に穴を空けて外皮と網状管との密着度を向上させている。しかし、網状管を形成する素線に穴を空けると、素線の剛性が低下するため、網状管自体が変形しやすくなる。このため、操作部を捻った際の回転角度の挿入部への伝達効率を向上させるに至っていない。
本発明は上記課題に着目してなされたものであり、その目的とするところは、操作性能が高く、かつ、患者の体腔内に挿入しやすい内視鏡用可撓管を提供することにある。
上記目的を達成するため、請求項1の発明は、素線又は複数の前記素線を平行に並べた素線束を、内視鏡の挿入方向に対し斜めに交差する方向に複数編み込むことで形成される網状管と、前記網状管の外周に被覆される外皮と、からなる内視鏡用可撓管であって、前記網状管は複数の層を有することを特徴とする内視鏡用可撓管である。
そして、本請求項1の発明の内視鏡可撓管では、金属製の螺旋管を設けないことにより、可撓管の湾曲時に、湾曲の内側部分で螺旋管が湾曲時に最も湾曲する部分である湾曲中心部に向かって移動することで、従来発生したような、湾曲中心部の周辺に硬質体である螺旋管が圧縮された状態で密集するのを防止する。これにより、可撓管の操作性は向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管を提供することができる。
また、網状管を複数の層状構造にして、網状管の剛性を高くすることにより、操作部の軸回り方向の回転操作に対する挿入部全体の回転追従性を向上させることができる。これにより、挿入部を軸回り方向に回転させる際の操作性が向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管を提供することができる。
請求項2の発明は、前記網状管の少なくとも1つの前記層は、扁平部分を有する素線を内視鏡の挿入方向に対し斜めに交差する方向に複数編みこむことで形成されること特徴とする請求項1に記載の内視鏡用可撓管である。
そして、本請求項2の発明の内視鏡可撓管では、網状管が扁平部分を有する素線で形成されることにより、断面が円形の素線を平行に並べた素線束から網状管を形成する場合に比べ、湾曲時の素線の径方向への潰れを抑制することができる。
請求項3の発明は、前記網状管は、前記素線の編み込み密度が前記層ごとに異なることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用可撓管である。
そして、本請求項3の発明の内視鏡可撓管では、網状管の素線の密度を層ごとに変化させることにより、可撓管の軟らかさを任意に変更することができる。
請求項4の発明は、前記網状管の少なくとも1つの前記層は、前記素線の編み込み密度が前記内視鏡の操作部側で高く、先端部側で低くなっていることを特徴とする請求項1の内視鏡用可撓管である。
そして、請求項4の発明の内視鏡可撓管では、内視鏡の操作部側と先端部側とで素線の編み込み密度を変化させることにより、先端部側は軟らかくなり、操作部側は硬くなる。これにより、可撓管の操作性は向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管を提供することができる。
請求項5の発明は、前記網状管は金属製の素線、樹脂製の素線又は金属及び樹脂を組み合わせた素線のうち少なくともいずれか1つから形成されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用可撓管である。
請求項6の発明は、前記網状管の少なくとも1の前記層は、一部又は全部が樹脂製の素線又は金属及び樹脂を組み合わせた素線から形成されることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡用可撓管である。
そして、請求項6の発明の内視鏡可撓管では、網状管の一部又は全部が樹脂製の素線又は金属および樹脂を組み合わせた素線で形成されていることにより、全部が金属製の素線で形成された網状管に比べ可撓性が大きい。これにより、可撓管の操作性を向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管を提供することができる。
請求項7の発明は、前記網状管の少なくとも1つの前記層は、前記素線に樹脂がコーティングされ、前記コーティングが溶解して前記外皮に溶着していることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用可撓管である。
請求項8の発明は、前記網状管の少なくとも1つの前記層は、前記素線に前記外皮と同種の材質のコーティングが施されていることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡用可撓管である。
そして、請求項7及び請求項8の発明の内視鏡可撓管では、樹脂のコーティングが施されていることにより、コーティングが外皮に溶着し、網状管と外皮が一体化することにより、外皮と網状管が剥離しにくくなる。これにより、耐久性の高い可撓管を提供することができる。
請求項9の発明は、前記網状管は、前記素線に減摩剤が塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用可撓管である。
そして、請求項9の発明の内視鏡用可撓管では、減摩剤により湾曲時の負荷抵抗を小さくすることにより、より小さい力で可撓管を湾曲することができる。これにより、可撓管の操作性が向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管を提供することができる。
本発明によれば、操作性能が高く、かつ、患者の体腔内に挿入しやすい内視鏡用可撓管を提供することができる。
本発明の第1の実施形態について図1から図5(a)(b)を参照して説明する。
図1は内視鏡11全体の構成を示す図である。図1に示すように、内視鏡11は体腔内に挿入する細長い挿入部12と、この挿入部12の基端側に接続された操作部13とを有する。挿入部12は、細長く可撓性を有する可撓管14と、この可撓管14の先端側に接続された湾曲部15と、この湾曲部15の先端側に接続された先端部16から構成されている。操作部13には湾曲部15の湾曲操作を行う操作ノブ17等が設けられている。
図2は可撓管14の構成を示す図であり、図3は可撓管14の内部構造を示す図である。図2及び図3に示すように、可撓管14は管状の網状管20と、網状管20の外周に被覆した樹脂製の外皮21から構成されている。網状管20は内層網状管20Aと外層網状管20Bの2層構造となっている。外皮21は加熱処理を行うことで、網状管20と溶着する。すなわち、外皮21は外層網状管20Bの外周に押出成形、又は、被覆によって形成された後、外皮21の外周より加熱することで外皮21の外層網状管20B側、すなわち内周面が外層網状管20Bの素線間の隙間に入り込み、外皮21と外層網状管20Bとが密着する。なお、本実施形態では網状管20は2層構造となっているが、複数の層状構造であれば、3層構造であっても4層構造であってもよい。
ここで、内層網状管20A及び外層網状管20Bの製法について説明する。予め複数(本実施形態では4つ)の断面が円形の金属製の素線30を平行に並べて束ねることで素線束31が形成される。そして、図2及び図4に示すように複数(本実施形態では2つ)の素線束31を内視鏡11の挿入方向に対して斜めに交差する複数の方向(素線束31が2つの場合は2方向)にブレーダを用いて編み込むことで内層網状管20Aが形成される。外層網状管20Bについても、内層網状管20Aと同様である。なお、素線束31を形成せずに、複数の素線30を内視鏡11の挿入方向に対して斜めに交差する複数の方向にブレーダを用いて編み込むことで内層網状管20A及び外層網状管20Bの2層構造を形成してもよい。
次に、上記構成の可撓管14の作用について図5(a)(b)を参照して説明する。図5(a)(b)において、A点は内層網状管20A上の所定の点、例えば、内層網状管20Aの1つの素線束要素31aの縦断面の中央位置の点であり、B点は素線束要素31aに隣接する他の素線束要素31bの縦断面の中央位置の点である。dは可撓管14を湾曲させていない状態でのA点とB点の間の距離である。
本実施形態の可撓管14では、金属製の螺旋管2を設けないことにより、可撓管14の湾曲時に、従来発生したような、湾曲の内側部分で螺旋管2が湾曲時に最も湾曲する部分である湾曲中心部に向かって移動することで、湾曲中心部の周辺に硬質体である螺旋管が圧縮された状態で密集するのを防止する。また、可撓管14の最も内層側の内層網状管20Aは素線束31を編み込んで形成しているため、内層網状管20Aは従来例の螺旋管2に比べ軟らかい。このため、可撓管14を湾曲させて、湾曲の内側部分で素線束要素31aと素線束要素31bの間の間隔が狭まる方向に変形しても、元の状態に戻ろうとする力を阻害する要因がない。これにより、可撓管14が最も湾曲する部分である湾曲中心部33に向かって内層網状管20Aは移動しない。このため、図5(a)(b)に示すように、湾曲時においての内層網状管20AのA点とB点との間の間隔dは、湾曲させていない場合の間隔dと略同一である。つまり、可撓管14を湾曲させた場合、内層網状管20Aの曲げ角度θは変化するが、湾曲の内側部分では湾曲中心部33の周辺で内層網状管20Aの各点の間隔が湾曲させていない場合に比べほとんど狭くならない。このことは、外層網状管20Bについても同様である。各点の間隔がほとんど狭くならないため、湾曲の内側部分では内層網状管20A及び外層網状管20Bが湾曲中心部33の周辺に圧縮した状態で密集しない。これにより、可撓管14の湾曲時の形状を維持しようとする現象が生じないため、可撓管14を湾曲させた場合でも元の位置に戻りやすくなる。
また、網状管20を内層網状管20Aと外層網状管20Bの2層構造にすることにより、網状管が1層の場合に比べ、網状管20全体の剛性が高くなる。このため、操作部13の軸回り方向の回転操作に対する挿入部12全体の回転追従性が向上する。これにより、内視鏡11の検査時に挿入部12を軸回り方向に回転させる際の操作性が向上する。
そこで、上記構成の可撓管14では以下の効果を奏する。すなわち、可撓管14では、金属製の螺旋管2を設けないことにより、湾曲中心部の周辺に硬質体である螺旋管2が圧縮された状態で密集するのを防止する。また、内層網状管20A及び外層網状管20Bは螺旋管2に比べ1本の素線が細く変形しやすいため、可撓管14が屈曲した際、その屈曲形状に倣いやすい。螺旋管2は可撓管14がある曲げ半径以下になると、隣接する素線と重なり合って、可撓管14の曲げ方向の動きを阻害する力が発生するが、網状管20では螺旋管2に発生する曲げ方向の動きを阻害する力が発生しにくい。屈曲した臓器形状に倣いやすいので、可撓管14の操作性は向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管14を提供することができる。
また、網状管20を内層網状管20Aと外層網状管20Bの2層構造にすることにより、網状管が1層の場合に比べ、網状管20全体の剛性が高くなる。このため、操作部13の軸回り方向の回転操作に対する挿入部12全体の回転追従性を向上させることができる。これにより、内視鏡11の検査時に挿入部12を軸回り方向に回転操作する際の操作性が向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管14を提供することができる。
次に、第2の実施形態に係る可撓管40について図6から図8を参照して説明する。本実施形態では第1の実施形態の可撓管14の構成を次の通り変更したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図6は可撓管40の構成を示す図であり、図7は可撓管40の内部構造を示す図である。図6及び図7に示すように、可撓管40は管状の網状管41と、網状管41の外周に被覆した樹脂製の外皮21から構成されている。網状管41は内層網状管41Aと外層網状管41Bの2層構造となっている。なお、本実施形態では網状管41は2層構造となっているが、複数の層状構造であれば、3層構造であっても4層構造であってもよい。
ここで、内層網状管41A及び外層網状管41Bは、図6及び図8に示すように、複数(本実施形態では2つ)の断面が略楕円の金属製の素線45を、内視鏡の挿入方向に対して斜めに交差する複数の方向(素線45が2つの場合は2方向)に編み込むことで形成される。素線45は断面が円形の素線を圧延することで形成される。なお、素線45の断面は長方形等の扁平部分を有する形状であればよい。
また、本実施形態では内層網状管41A及び外層網状管41Bの両方が、断面が略楕円の素線45から形成されているが、内層網状管41A又は外層網状管41Bのいずれか一方が素線45から形成され、他方は断面が円形の素線30の素線束31から形成されてもよい。また、網状管41が3層以上の層状構造である場合は、網状管41の少なくともいずれか1層が素線45から形成されていればよい。
次に、上記構成の可撓管40の作用について説明する。
本実施形態の可撓管40では、内層網状管41A及び外層網状管41Bが、断面が略楕円の扁平部分を有する素線45から形成されている。内層網状管41Aは素線45を平行に束ねることなく編み込んで形成しているため、可撓管40の湾曲時に素線45同士の間で径方向に潰れることはない。つまり、可撓管40では、内層網状管41Aが扁平部分を有する素線45で形成されることにより、断面が円形の素線を平行に並べた素線束から網状管を形成する場合に比べ、湾曲時の素線45の径方向への潰れを抑制することができる。このことは、外層網状管41Bについても同様である。
そこで、上記構成の可撓管40では以下の効果を奏する。すなわち、可撓管40では、金属製の螺旋管2を設けないことにより、湾曲中心部の周辺に硬質体である螺旋管2が圧縮された状態で密集するのを防止する。また、内層網状管41A及び外層網状管41Bは螺旋管2に比べ1本の素線が細く変形しやすいため、可撓管40が屈曲した際、その屈曲形状に倣いやすい。螺旋管2は可撓管40がある曲げ半径以下になると、隣接する素線と重なり合って、可撓管40の曲げ方向の動きを阻害する力が発生するが、網状管41では螺旋管2に発生する曲げ方向の動きを阻害する力が発生しにくい。屈曲した臓器形状に倣いやすいので、可撓管40の操作性は向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管40を提供することができる。
また、網状管41を内層網状管41Aと外層網状管41Bの2層構造にすることにより、網状管が1層の場合に比べ、網状管41全体の剛性が高くなる。このため、操作部の軸回り方向の回転操作に対する挿入部全体の回転追従性を向上させることができる。これにより、内視鏡の検査時に挿入部を軸回り方向に回転操作する際の操作性が向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管40を提供することができる。
さらに、内層網状管41A及び外層網状管41Bが、断面が略楕円の扁平部分を有する素線45を平行に束ねることなく編み込んで形成しているため、可撓管40の湾曲時に素線45同士の間で径方向に潰れることはない。これにより、断面が円形の素線を平行に並べた素線束31から網状管を形成する場合に比べ、湾曲時の素線45の径方向への潰れを抑制することができる。
次に、第3の実施形態に係る可撓管50について図9を参照して説明する。本実施形態では第1の実施形態の可撓管14の構成を次の通り変更したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図9は可撓管50の内部構造を示す図である。図9に示すように、可撓管50は管状の網状管51と、網状管51の外周に被覆した樹脂製の外皮21から構成されている。網状管51は内層網状管51Aと外層網状管51Bの2層構造となっている。なお、本実施形態では網状管51は2層構造となっているが、複数の層状構造であれば、3層構造であっても4層構造であってもよい。
内層網状管51A及び外層網状管51Bは、第1の実施形態の内層網状管20A及び外層網状管20Bと同様に複数(本実施形態では4つ)の断面が円形の素線30を平行に並べて素線束31を形成して、複数(本実施形態では2つ)の素線束31を内視鏡の挿入方向に対して斜めに交差する複数の方向(素線束31が2つの場合は2方向)に編み込むことで形成される。ここで、内層網状管51Aの素線束31の編み込み密度は外層網状管51Bの編み込み密度に比べ高くなっている。
なお、本実施形態では内層網状管51Aの素線束31の編み込み密度が外層網状管51Bの編み込み密度に比べ高くなっているが、内層網状管51Aの素線束31の編み込み密度が外層網状管51Bの編み込み密度に比べ低くなっていてもよい。また、網状管51が3層以上の層状構造である場合は、網状管51の層ごとに素線束31の編み込み密度が異なっていればよい。
次に、上記構成の可撓管50の作用について説明する。
本実施形態の可撓管50では、内層網状管51Aと外層網状管51Bとでは素線束31の編み込み密度が異なっている。内層網状管51A及び外層網状管51Bの素線束31の編み込み密度を変化させることにより、可撓管50の軟らかさを任意に変更することができる。
そこで、上記構成の可撓管50では以下の効果を奏する。すなわち、可撓管50では、金属製の螺旋管2を設けないことにより、湾曲中心部の周辺に硬質体である螺旋管2が圧縮された状態で密集するのを防止する。また、内層網状管51A及び外層網状管51Bは螺旋管2に比べ1本の素線が細く変形しやすいため、可撓管50が屈曲した際、その屈曲形状に倣いやすい。螺旋管2は可撓管50がある曲げ半径以下になると、隣接する素線と重なり合って、可撓管50の曲げ方向の動きを阻害する力が発生するが、網状管51では螺旋管2に発生する曲げ方向の動きを阻害する力が発生しにくい。屈曲した臓器形状に倣いやすいので、可撓管50の操作性は向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管50を提供することができる。
また、網状管51を内層網状管51Aと外層網状管51Bの2層構造にすることにより、網状管が1層の場合に比べ、網状管51全体の剛性が高くなる。このため、操作部の軸回り方向の回転操作に対する挿入部全体の回転追従性を向上させることができる。これにより、内視鏡の検査時に挿入部を軸回り方向に回転操作する際の操作性が向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管50を提供することができる。
さらに、可撓管50では、内層網状管51Aと外層網状管51Bとでは素線束31の編み込み密度が異なっている。これにより、可撓管50の軟らかさを任意に変更することができる。
次に、第4の実施形態に係る可撓管60について図10を参照して説明する。本実施形態では第1の実施形態の可撓管14の構成を次の通り変更したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図10は可撓管60の内部構造を示す図である。図10に示すように、可撓管60は管状の網状管61と、網状管61の外周に被覆した樹脂製の外皮21から構成されている。網状管61は内層網状管61Aと外層網状管61Bの2層構造となっている。なお、本実施形態では網状管61は2層構造となっているが、複数の層状構造であれば、3層構造であっても4層構造であってもよい。
内層網状管61A及び外層網状管61Bは、第1の実施形態の内層網状管20A及び外層網状管20Bと同様に複数(本実施形態では4つ)の断面が円形の素線30を平行に並べて素線束31を形成して、複数(本実施形態では2つ)の素線束31を内視鏡の挿入方向に対して斜めに交差する複数の方向(素線束31が2つの場合は2方向)に編み込むことで形成される。ここで、内層網状管61Aの素線束31の編み込み密度は内視鏡の先端部16側で低く、操作部13側で高くなっている。すなわち、先端部16側での各素線束31の間隔aが、操作部13側での各素線束31の間隔bよりも大きくなっている。
なお、本実施形態では内層網状管61A及び外層網状管61Bの双方の編み込み密度が内視鏡の先端部16側と操作部13側とで異なっているが、内層網状管61A又は外層網状管61Bの少なくともいずれか一方が内視鏡の先端部16側と操作部13側とで素線束31の編み込み密度が異なっていればよい。また、網状管61が3層以上の層状構造である場合は、網状管61の少なくともいずれか1層が内視鏡の先端部16側と操作部13側とで素線束31の編み込み密度が異なっていればよい。
次に、上記構成の可撓管60の作用について説明する。
本実施形態の可撓管60では、内層網状管61Aの素線束31の編み込み密度が内視鏡の先端部16側では低く、操作部13側では高くなっている。内視鏡の先端部16側と操作部13側とで素線束31の編み込み密度を変化させることにより、内層網状管61Aの先端部16側は軟らかくなり、操作部13側は硬くなる。これにより、可撓管60の湾曲時の曲げRを内視鏡の先端部16側と操作部13側とで変化させることができる。
そこで、上記構成の可撓管60では以下の効果を奏する。すなわち、可撓管60では、金属製の螺旋管2を設けないことにより湾曲中心部の周辺に硬質体である螺旋管2が圧縮された状態で密集するのを防止する。また、内層網状管61A及び外層網状管61Bは螺旋管2に比べ1本の素線が細く変形しやすいため、可撓管60が屈曲した際、その屈曲形状に倣いやすい。螺旋管2は可撓管60がある曲げ半径以下になると、隣接する素線と重なり合って、可撓管60の曲げ方向の動きを阻害する力が発生するが、網状管61では螺旋管2に発生する曲げ方向の動きを阻害する力が発生しにくい。屈曲した臓器形状に倣いやすいので、可撓管60の操作性は向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管60を提供することができる。
また、網状管61を内層網状管61Aと外層網状管61Bの2層構造にすることにより、網状管が1層の場合に比べ、網状管61全体の剛性が高くなる。このため、操作部の軸回り方向の回転操作に対する挿入部全体の回転追従性を向上させることができる。これにより、内視鏡の検査時に挿入部を軸回り方向に回転操作する際の操作性が向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管60を提供することができる。
さらに、内層網状管61Aの素線束31の編み込み密度が内視鏡の先端部16側では低く、操作部13側で高くすることにより、内層網状管61Aの先端部16側は軟らかくなり、操作部13側は硬くなり、可撓管60の湾曲時の曲げRを内視鏡の先端部16側と操作部13側とで変化させることができる。これにより、可撓管60の操作性は向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管60を提供することができる。
次に、第5の実施形態に係る可撓管70について図11及び図12を参照して説明する。本実施形態では第1の実施形態の可撓管14の構成を次の通り変更したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図11は可撓管70の内部構造を示す図である。図11に示すように、可撓管70は管状の網状管71と、網状管71の外周に被覆した樹脂製の外皮21から構成されている。網状管71は内層網状管71Aと外層網状管71Bの2層構造となっている。なお、本実施形態では網状管71は2層構造となっているが、複数の層状構造であれば、3層構造であっても4層構造であってもよい。
ここで、内層網状管71A及び外層網状管71Bの製法について説明する。予め1つ以上の(本実施形態では2つ)の断面が円形の金属製の素線30及び1つ以上(本実施形態では2つ)の樹脂製の素線75を平行に並べ束ねることで素線束76が形成される。そして、図11及び図13に示すように、複数(本実施形態では2つ)の素線束76を内視鏡の挿入方向に対して斜めに交差する複数の方向(素線束76が2つの場合は2方向)にブレーダを用いて編み込むことで内層網状管71Aが形成される。外層網状管71Bについても、内層網状管71Aと同様である。なお、素線75は全部が樹脂製である必要はなく、金属及び樹脂を組み合わせて形成される素線であってもよい。また、素線束76は複数の樹脂製の素線75のみを平行に並べて形成されてもよい。
また、本実施形態では内層網状管71A及び外層網状管71Bが、金属製の素線30及び樹脂製の素線75を平行に並べた素線束76から形成されるが、内層網状管71A又は外層網状管71Bのいずれか一方を素線束76から形成し、他方を複数の金属製の素線30のみを平行に並べた素線束31から形成されてもよい。また、網状管71が3層以上の層状構造である場合は、網状管71の少なくともいずれか1層が素線束76から形成されていればよい。
次に、上記構成の可撓管70の作用について説明する。
可撓管70では、内層網状管71A及び外層網状管71Bは金属製の素線30及び樹脂製の素線75を並べた素線束76を編み込んで形成していることにより、全部が金属製の素線30で形成された網状管に比べ軟らかい。このため、内層網状管71A及び外層網状管71Bが湾曲しやすくなり、また、可撓管70の湾曲時に元の位置へ戻りやすくなる。
可撓管の操作性は向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管を提供することができる。
そこで、上記構成の可撓管70では以下の効果を奏する。すなわち、可撓管70では、金属製の螺旋管2を設けないことにより、湾曲中心部の周辺に硬質体である螺旋管2が圧縮された状態で密集するのを防止する。また、内層網状管71A及び外層網状管71Bは螺旋管2に比べ1本の素線が細く変形しやすいため、可撓管70が屈曲した際、その屈曲形状に倣いやすい。螺旋管2は可撓管70がある曲げ半径以下になると、隣接する素線と重なり合って、可撓管70の曲げ方向の動きを阻害する力が発生するが、網状管71では螺旋管2に発生する曲げ方向の動きを阻害する力が発生しにくい。屈曲した臓器形状に倣いやすいので、可撓管70の操作性は向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管70を提供することができる。
また、網状管71を内層網状管71Aと外層網状管71Bの2層構造にすることにより、網状管が1層の場合に比べ、網状管71全体の剛性が高くなる。このため、操作部の軸回り方向の回転操作に対する挿入部全体の回転追従性を向上させることができる。これにより、内視鏡の検査時に挿入部を軸回り方向に回転操作する際の操作性が向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管70を提供することができる。
さらに、内層網状管71A及び外層網状管71Bは金属製の素線30及び樹脂製の素線75を並べた素線束76を編み込んで形成しているため、複数の金属製の素線30のみを並べた素線束から形成されている場合に比べ、内層網状管71A及び外層網状管71Bは軟らかい。このため、可撓管70の湾曲時に可撓管70が元の位置に戻りやすくなり、また、網状管71の外皮21のねじりに対する追従性が向上する。これにより、可撓管70の操作性を向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管70を提供することができる。
次に、第6の実施形態に係る可撓管80について図13及び図14を参照して説明する。本実施形態では第1の実施形態の可撓管14の構成を次の通り変更したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図13は外皮21を被覆する前の可撓管80の内部構造を示す図であり、図14は外皮21を被覆した後の可撓管80の内部構造を示す図である。図14に示すように、可撓管80は管状の網状管81と、網状管81の外周に被覆した樹脂製の外皮21から構成されている。網状管81は内層網状管81Aと外層網状管81Bの2層構造となっている。なお、本実施形態では網状管81は2層構造となっているが、複数の層状構造であれば、3層構造であっても4層構造であってもよい。
内層網状管81A及び外層網状管81Bは、第1の実施形態の内層網状管20A及び外層網状管20Bと同様に複数(本実施形態では4つ)の断面が円形の素線30を平行に並べて素線束31を形成して、複数(本実施形態では2つ)の素線束31を内視鏡の挿入方向に対して斜めに交差する複数の方向(素線束31が2つの場合は2方向)に編み込むことで形成される。ここで、外皮21を網状管81に被覆する前の状態では、図13に示すように、内層網状管81Aの素線束31には外皮21と同種の材質のコーティング85が施されている。
そして、外皮21を網状管81に被覆する際の熱、又は、外皮21の被覆後の加熱によってコーティング85は溶解し、溶解したコーティング85は外皮21と溶着する。冷却後、図14に示すように、網状管81と外皮21が一体的に形成される。
なお、コーティング85は素線束31を形成する1つの素線30ごとに施されていてもよい。また、本実施形態では内層網状管81Aの素線束31にのみコーティング85が施されているが、外層網状管81Bの素線束31にのみコーティング85が施されていてもよく、内層網状管81A及び外層網状管81Bの両方の素線束31にコーティング85が施されていてもよい。また、網状管81が3層以上の層状構造である場合は、網状管81の少なくともいずれか1層が素線束31にコーティング85が施されていればよい。
次に、上記構成の可撓管80の作用について説明する。
可撓管80では、内層網状管81Aの素線束31に外皮21と同種の材質のコーティング85が施され、外皮21を網状管81に被覆する際の熱、又は、外皮21の被覆後の加熱によってコーティング85は溶解し、溶解したコーティング85は外皮21と溶着する。網状管81と外皮21が一体化して形成されることにより、内視鏡の使用後に外皮21と網状管81が剥離しにくくなる。
可撓管の操作性を向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管を提供することができる。
そこで、上記構成の可撓管80では以下の効果を奏する。すなわち、可撓管80では、金属製の螺旋管2を設けないことにより、湾曲中心部の周辺に硬質体である螺旋管2が圧縮された状態で密集するのを防止する。また、内層網状管81A及び外層網状管81Bは螺旋管2に比べ1本の素線が細く変形しやすいため、可撓管80が屈曲した際、その屈曲形状に倣いやすい。螺旋管2は可撓管80がある曲げ半径以下になると、隣接する素線と重なり合って、可撓管80の曲げ方向の動きを阻害する力が発生するが、網状管81では螺旋管2に発生する曲げ方向の動きを阻害する力が発生しにくい。屈曲した臓器形状に倣いやすいので、可撓管80の操作性は向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管80を提供することができる。
また、網状管81を内層網状管81Aと外層網状管81Bの2層構造にすることにより、網状管が1層の場合に比べ、網状管81全体の剛性が高くなる。このため、操作部の軸回り方向の回転操作に対する挿入部全体の回転追従性を向上させることができる。これにより、内視鏡の検査時に挿入部を軸回り方向に回転操作する際の操作性が向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管80を提供することができる。
さらに、可撓管80では、内層網状管81Aの素線束31に外皮21と同種の材質のコーティング85が施され、コーティング85は溶解し、溶解したコーティング85は外皮21と溶着する。このため、網状管81と外皮21が一体化して形成されることにより、内視鏡の使用後に外皮21と網状管81が剥離しにくくなる。これにより、耐久性の高い可撓管80を提供することができる。
次に、第7の実施形態に係る可撓管90について図15を参照して説明する。本実施形態では第1の実施形態の可撓管14の構成を次の通り変更したものである。なお、第1の実施形態と同一の部分については同一の符号を付して、その説明は省略する。
図15は可撓管90の内部構造を示す図である。図15に示すように、可撓管90は管状の網状管91と、網状管91の外周に被覆した樹脂製の外皮21から構成されている。網状管91は内層網状管91Aと外層網状管91Bの2層構造となっている。なお、本実施形態では網状管91は2層構造となっているが、複数の層状構造であれば、3層構造であっても4層構造であってもよい。
内層網状管91A及び外層網状管91Bは、第1の実施形態の内層網状管20A及び外層網状管20Bと同様に複数(本実施形態では4つ)の断面が円形の素線30を平行に並べて素線束31を形成して、複数(本実施形態では2つ)の素線束31を内視鏡の挿入方向に対して斜めに交差する複数の方向(素線束31が2つの場合は2方向)に編み込むことで形成される。ここで、内層網状管91A及び外層網状管91Bの素線束31の素線30には減摩剤95が塗布されている。減摩剤95にはタルク、デンカボロン、二硫化モリブデン、テフロン(登録商標)粉末等の固体潤滑剤が用いられる。
次に、上記構成の可撓管90の作用について説明する。
可撓管90では、内層網状管91A及び外層網状管91Bの素線30に減摩剤95が塗布されている。減摩剤95により可撓管90が湾曲した時に、内層網状管91Aと外層網状管91Bとの間、及び、外層網状管91Bと外皮21との間の負荷抵抗が小さくなる。このため、より小さい力で可撓管90を湾曲することができる。
そこで、上記構成の可撓管90では以下の効果を奏する。すなわち、可撓管90では、金属製の螺旋管2を設けないことにより、湾曲中心部の周辺に硬質体である螺旋管2が圧縮された状態で密集するのを防止する。また、内層網状管91A及び外層網状管91Bは螺旋管2に比べ1本の素線が細く変形しやすいため、可撓管90が屈曲した際、その屈曲形状に倣いやすい。螺旋管2は可撓管90がある曲げ半径以下になると、隣接する素線と重なり合って、可撓管90の曲げ方向の動きを阻害する力が発生するが、網状管91では螺旋管2に発生する曲げ方向の動きを阻害する力が発生しにくい。屈曲した臓器形状に倣いやすいので、可撓管90の操作性は向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管90を提供することができる。
また、網状管91を内層網状管91Aと外層網状管91Bの2層構造にすることにより、網状管が1層の場合に比べ、網状管91全体の剛性が高くなる。このため、操作部の軸回り方向の回転操作に対する挿入部全体の回転追従性を向上させることができる。これにより、内視鏡の検査時に挿入部を軸回り方向に回転操作する際の操作性が向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管90を提供することができる。
さらに、内層網状管91A及び外層網状管91Bの素線30に減摩剤95を塗布することにより、可撓管90が湾曲した時に、内層網状管91Aと外層網状管91Bとの間、及び、外層網状管91Bと外皮21との間の負荷抵抗が小さくなり、より小さい力で可撓管90を湾曲することができる。これにより、可撓管90の操作性が向上し、患者の体腔内に挿入しやすい可撓管90を提供することができる。
なお、本発明には、上述した実施形態から複数を組み合わせた可撓管も含まれる。例えば、第2の実施形態の可撓管40と第3の実施形態の可撓管50とを組み合わせ、内層網状管及び外層網状管が、断面が楕円の素線45から形成され、かつ、内層網状管と外層網状管とで素線45の編み込み密度が異なる可撓管も、本発明に含まれる。
以上本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の変形ができることは勿論である。
図1は本発明の第1の実施形態に係る内視鏡の構成を示す斜視図。 図2は第1の実施形態に係る可撓管を示す正面図。 図3は第1の実施形態に係る可撓管の内部構造を示す断面図。 図4は第1の実施形態に係る可撓管の網状管の構成を示す略示図。 図5は第1の実施形態に係る可撓管の内部構造を示し、(a)は可撓管を湾曲させていない時の断面図、(b)は可撓管湾曲時の断面図。 図6は本発明の第2の実施形態に係る可撓管を示す正面図。 図7は第2の実施形態に係る可撓管の内部構造を示す断面図。 図8は第2の実施形態に係る可撓管の網状管の構成を示す略示図。 図9は本発明の第3の実施形態に係る可撓管の内部構造を示す断面図。 図10は本発明の第4の実施形態に係る可撓管の内部構造を示す断面図。 図11は本発明の第5の実施形態に係る可撓管の内部構造を示す断面図。 図12は第5の実施形態に係る可撓管の網状管の構成を示す略示図。 図13は本発明の第6の実施形態に係る可撓管の、外皮を被覆する前の状態における内部構造を示す断面図。 図14は第6の実施形態に係る可撓管の、外皮を被覆した後の状態における内部構造を示す断面図。 図15は本発明の第7の実施形態に係るかと管の内部構造を示す断面図。 図16は従来例に係る可撓管の内部構造を示し、(a)は可撓管を湾曲させていない時の断面図、(b)は可撓管湾曲時の断面図。
符号の説明
1,14,40,50,60,70,80,90…可撓管、 2…螺旋管、 3,20,41,51,61,71,81,91…網状管、 20A,41A,51A,61A,71A,81A,91A…内層網状管、 20B,31B,41B,51B,61B,71B,81B,91B…外層網状管、 4,21…外皮、 11…内視鏡、 30,45,75…素線、 31,76…素線束、 31a,31b…素線束要素、 85…コーティング、 95…減摩剤。

Claims (9)

  1. 素線又は複数の前記素線を平行に並べた素線束を、内視鏡の挿入方向に対し斜めに交差する方向に複数編み込むことで形成される網状管と、
    前記網状管の外周に被覆される外皮と、
    からなる内視鏡用可撓管であって、
    前記網状管は複数の層を有することを特徴とする内視鏡用可撓管。
  2. 前記網状管の少なくとも1つの前記層は、扁平部分を有する素線を内視鏡の挿入方向に対し斜めに交差する方向に複数編みこむことで形成されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
  3. 前記網状管は、前記素線の編み込み密度が前記層ごとに異なることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
  4. 前記網状管の少なくとも1つの前記層は、前記素線の編み込み密度が前記内視鏡の操作部側で高く、先端部側で低くなっていることを特徴とする請求項1の内視鏡用可撓管。
  5. 前記網状管は金属製の素線、樹脂製の素線又は金属及び樹脂を組み合わせた素線のうち少なくともいずれか1つから形成されることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
  6. 前記網状管の少なくとも1つの前記層は、一部又は全部が樹脂製の素線又は金属及び樹脂を組み合わせた素線から形成されることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡用可撓管。
  7. 前記網状管の少なくとも1つの前記層は、前記素線に樹脂がコーティングされ、
    前記コーティングが溶解して前記外皮に溶着していることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
  8. 前記網状管の少なくとも1つの前記層は、前記素線に前記外皮と同種の材質でコーティングが施されていることを特徴とする請求項7に記載の内視鏡用可撓管。
  9. 前記網状管は、前記素線に減摩剤が塗布されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡用可撓管。
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JP2020010761A (ja) * 2018-07-13 2020-01-23 オリンパス株式会社 網状管および網状管の製造方法

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