JPWO2019004005A1 - 内視鏡用可撓管及び内視鏡 - Google Patents

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Abstract

内視鏡用可撓管は、板状の第1の素線が螺旋状に巻回されており、長手軸に沿って隣接する部分同士が密着した第1の密着部を有する第1の螺旋管と、前記第1の螺旋管よりも外周側に設けられ、前記第1の螺旋管とともに前記長手軸に対して曲げられる、可撓性を有する外皮と、前記外皮と前記第1の螺旋管との間に設けられ、第2の素線が螺旋状に巻回されており、前記第1の素線よりも前記長手軸に沿う幅が狭く、前記第1の密着部の外側で前記第1の螺旋管よりも単位長さあたりの巻き数が多い第2の螺旋管とを有する。

Description

この発明は、内視鏡用可撓管及び内視鏡に関する。
例えば特開2013−097327号公報には、内視鏡用の可撓管の内層の螺旋管が、初張力が付与された密着巻き部と、密着巻き部の一端に配設された疎巻き部とを有することが開示されている。この可撓管が曲げられる場合、可撓管は、螺旋管の疎巻き部が可撓管の長手軸(中心軸)に沿って縮むことで、可撓管の長手軸に沿う全長が変化されずに曲げられる。初張力が付与された密着巻き部が適宜の長さに形成されていることにより、可撓管では、可撓管の曲げ状態を直線状態に戻り易くする弾発性が高められている。
例えば特開2013−097327号公報に開示された可撓管の螺旋管は、直線状態を曲げ状態にする場合、及び、曲げ状態を直線状態にする場合のいずれも、密着巻き部及び疎巻き部を長手軸に沿って移動させる。可撓管の螺旋管の外側には、例えばブレード(網状管)が配設され、ブレードの外側には外皮として樹脂材が被覆されている。ブレードは細い素線が編みこまれているため螺旋管に比べて径方向の剛性が小さく、曲げ状態のときに外周面が径方向内方に潰れやすく、偏平し易い。このため、密着巻き部及び疎巻き部を長手軸に沿って移動させる場合、螺旋管の外周面とその外層との間の干渉を抑制することが求められている。
この発明は、螺旋管とその外層との干渉を抑制しつつ、良好な弾発性を有する内視鏡用可撓管及び内視鏡を提供することを目的とする。
この発明の一態様に係る内視鏡用可撓管は、板状の第1の素線が螺旋状に巻回されており、長手軸に沿って隣接する部分同士が密着した第1の密着部を有する第1の螺旋管と、前記第1の螺旋管よりも外周側に設けられ、前記第1の螺旋管とともに前記長手軸に対して曲げられる、可撓性を有する外皮と、前記外皮と前記第1の螺旋管との間に設けられ、第2の素線が螺旋状に巻回されており、前記第1の素線よりも前記長手軸に沿う幅が狭く、前記第1の密着部の外側で前記第1の螺旋管よりも単位長さあたりの巻き数が多い第2の螺旋管とを有する。
図1は、第1から第3実施形態に係る内視鏡を示す概略図である。 図2Aは、第1実施形態に係る内視鏡の挿入部の可撓管の長手軸に沿う概略的な断面図である。 図2Bは、第1実施形態に係る内視鏡の挿入部の可撓管の構造を示す概略図である。 図3Aは、適宜のコイルの一部を示す概略図である。 図3Bは、図3A中のコイルの長さ、捻じれ角及び直径の関係を示す概略図である。 図4は、ピッチ(長手軸に沿う幅)が異なる螺旋管同士をそれぞれ長手軸に沿って同一長さ伸ばしたときの、螺旋管のピッチに応じた外径の変化状態を比較して示す概略図である。 図5は、第1実施形態に係る内視鏡の挿入部の図2Aに示す可撓管を曲げた状態を示す概略図である。 図6は、第1実施形態の第1変形例に係る可撓管であって、第1の螺旋管の外側の第2の螺旋管に密着部が存在しない可撓管を示す概略的な断面図である。 図7Aは、第1実施形態の第1変形例に係る可撓管の第1の螺旋管の巻き方向と、第2の螺旋管の巻き方向とが反対方向である場合に、可撓管を真っ直ぐの状態から曲げはじめたときの、第1の螺旋管及び第2の螺旋管の状態を示す概略図である。 図7Bは、第1実施形態の第1変形例に係る可撓管の第1の螺旋管の巻き方向と、第2の螺旋管の巻き方向とが同一方向である場合に、可撓管を真っ直ぐの状態から曲げはじめたときの、第1の螺旋管及び第2の螺旋管の状態を示す概略図である。 図8Aは、第1実施形態の第2変形例に係る可撓管の、図2Aに示す例とは異なる形状の密着部を有する第2の螺旋管を示す概略的な断面図である。 図8Bは、第1実施形態の第2変形例に係る可撓管の、図2A及び図8Aに示す例とは異なる形状の密着部を有する第2の螺旋管を示す概略的な断面図である。 図8Cは、第1実施形態の第2変形例に係る可撓管の、図2A、図8A及び図8Bに示す例とは異なる形状の密着部を有する第2の螺旋管を示す概略的な断面図である。 図9は、第1実施形態の第3変形例に係る可撓管であって、第1の螺旋管が第1の螺旋管の基端部近傍に、疎巻き部を有する例を示す概略的な断面図である。 図10は、第1実施形態の第4変形例に係る可撓管であって、外皮の内周面に対して、第2の螺旋管が離された状態の可撓管を示す概略的な断面図である。 図11は、第1実施形態の第5変形例に係る可撓管であって、外皮の内周面と外周面との間に、第2の螺旋管が埋設された状態の可撓管を示す概略的な断面図である。 図12は、第2実施形態に係る内視鏡の挿入部の可撓管の、長手軸に沿う概略的な断面図である。 図13Aは、可撓管の一部を構成する、左巻きの素線の螺旋管を示す概略図である。 図13Bは、可撓管の一部を構成する、左巻きの素線の螺旋管を示し、螺旋管の一端側(図13B中の左側端部)を固定した状態で、図13Aに示す状態から螺旋管の他端側(図13B中の右側端部)を長手軸(中心軸)に対して矢印αの方向に回転させて、一端側に対して他端側を縮径させた状態を示す概略図である。 図13Cは、可撓管の一部を構成する、左巻きの素線の螺旋管を示し、螺旋管の一端側(図13C中の左側端部)を固定した状態で、図13Aに示す状態から螺旋管の他端側(図13C中の右側端部)を長手軸(中心軸)に対して矢印βの方向に回転させて、一端側に対して他端側を拡径させた状態を示す概略図である。 図14Aは、第2実施形態に係る可撓管を長手軸に対して矢印αの方向に回転させたときの、第1の螺旋管、第2の螺旋管の内側層及び外側層が径方向に縮径/拡径する状態を模式的に示す概略的な断面図である。 図14Bは、第2実施形態に係る可撓管を長手軸に対して矢印βの方向に回転させたときの、第1の螺旋管、第2の螺旋管の内側層及び外側層が径方向に縮径/拡径する状態を模式的に示す概略的な断面図である。 図15は、第3実施形態に係る内視鏡の挿入部の可撓管の長手軸に沿う概略的な断面図である。
以下、図面を参照しながらこの発明を実施するための形態について説明する。
(第1実施形態)
第1実施形態について、図1から図5を参照しながら説明する。
図1に示すように、内視鏡10は、例えば大腸や食道等の適宜の体腔などの孔内に挿入可能な細長い挿入部12を有する。挿入部12はその先端と基端とにより長手軸Lを規定する。この実施形態では、内視鏡10は、挿入部12の基端部にユーザ(術者)に把持されて各種の操作が行われる操作部14を有する。操作部14は、UDノブ16a及びRLノブ16bが配設される操作部本体16と、ユーザに把持され、折れ止め18aを介して挿入部12の基端部(後述する可撓管26の基端部)に配設される把持部18とを有する。
挿入部12は、長手軸Lに沿ってその先端側から基端側に向かって、先端部22と、湾曲部24と、可撓管(内視鏡用可撓管)26とを有する。先端部22は、挿入部12の最も先端にあり、例えば、照明光学系の先端、観察光学系の先端、チャンネルの先端(ともに図示せず)等が配置される硬質材で形成されている。湾曲部24は、操作部14のUDノブ16aの操作により、上方向及び下方向に湾曲可能である。また、湾曲部24は、操作部14のRLノブ16bの操作により、右方向及び左方向に湾曲可能である。湾曲部24の上方向及び下方向は、例えば前述の観察光学系により得られる画像の垂直方向に略平行である。同様に、湾曲部24の右方向及び左方向は、例えば前述の画像の水平方向に略平行である。
挿入部12は、湾曲部24を能動的に湾曲させる例について説明するが、外力によって湾曲部が受動的に湾曲される構造であってもよい。挿入部12は、湾曲部24として、能動的に湾曲させる構造と受動的に湾曲される構造とが長手軸Lに沿って隣接していてもよい。
可撓管26は、可撓性を有し、長手軸Lに向かう外力によって受動的に曲げられる。図2Aに示すように、可撓管(蛇管部)26は、中空形状を有している。可撓管26は挿入部12のうち先端部22及び湾曲部24に比べて長手軸Lに沿う全長が長く形成されている。可撓管26は、湾曲部24と操作部14の把持部18との間に設けられている。可撓管26は、真っ直ぐの直線状態(図2A参照)と、直線状態に対して曲げられた曲げ状態(図5参照)つまり直線状に延出している長手軸Lに対して屈曲した状態との間を弾性変形可能である。
可撓管26は、径方向内方から外方に向かって順に、第1の螺旋管32と、外層部34とを有する。第1の螺旋管32は外層部34に内挿されている。第1の螺旋管32及び外層部34には、長手軸Lに平行な共通の中心軸Cが規定される。なお、本実施形態に係る可撓管26では、中心軸C及び長手軸Lが一致する。外層部34は、適宜の可撓性を有する。外層部34は、第1の螺旋管32とともに、直線状態(図2A参照)と長手軸L(中心軸C)が曲げられる曲げ状態(図5参照)との間を弾性変形可能である。
外層部34は、例えばコイル状の第2の螺旋管42と、その外周側に被覆された樹脂材製の外皮44とを有する。一例として、第2の螺旋管42が外皮44の中に少なくとも一部が埋め込まれて配置される等、第2の螺旋管42及び外皮44は、一体化されていることが好ましい。第2の螺旋管42は、外皮44の外周面と第1の螺旋管32の外周面との間に設けられる。第2の螺旋管42は、可撓管26が内視鏡10として組み立てられたとき、可撓管26の外周面には露出されていない。第2の螺旋管42の内周面は、第1の螺旋管32の外周面に接触していることが好ましい。このため、第2の螺旋管42は、外皮44の内周面と第1の螺旋管32の外周面との間に設けられる。
第1の螺旋管32及び外層部34は、略直線かつ自然長の状態において、可撓管26の先端及び基端すなわち、長手軸Lに沿って離間した両端部においてそれぞれ固定されている。
可撓管26の両端部には口金26a,26bが接続されている。一方の口金(先端側口金)26aは湾曲部24に接続され、他方の口金(基端側口金)26bは操作部14の把持部18に接続されている。
一方の口金26aは、口金本体(内口金)27a及びリング状部材(外口金)27bを有する。口金本体27aの内周面は、例えばレーザ溶接により、第1の螺旋管32の先端部と接続されている。その他、口金本体27aの内周面と第1の螺旋管32の先端部との間は、例えば、半田、接着剤、カシメなどの一般的な固定方法により接続され得る。
口金本体27aの外周面には、第2の螺旋管42の先端部が配設されている。第2の螺旋管42の先端部の外側には、リング状部材27bが配設されている。リング状部材27bは、口金本体27aの外周面との間で、第2の螺旋管42の先端部をカシメている。このため、第2の螺旋管42の先端部は、口金26aに接続されている。口金26a及び第2の螺旋管42は、リング状部材27bを用いる他、適宜の固定方法により接続され得る。なお、口金26aと、外皮44の先端との間は、隙間が形成されていてもよい。湾曲部24、口金26a及び外皮44の外周には、例えばゴム材製のチューブ(図示せず)が被覆される。
他方の口金26bは、内口金28a及び外口金28bを有する。内口金28aの外周面と外口金28bの内周面との間には、第1の螺旋管32の基端部及び外層部34の基端部が配設されている。外口金28bは、内口金28aの外周面との間で第1の螺旋管32の基端部及び外層部34の基端部をカシメている。このため、第1の螺旋管32の基端部及び外層部34の基端部は、口金26bに接続されている。第1の螺旋管32の基端部及び外層部34の基端部と口金26bとの間は、その他の適宜の固定方法により接続され得る。
第1の螺旋管32及び外層部34は、口金26a,26bによって両端部でのみ固定されている。第1の螺旋管32及び外層部34は、可撓管26が直線状態(図2A参照)から曲げ状態(図5参照)に変形されたときに、第1の螺旋管32と外層部34との間に伸びの差が生じることを抑制する。口金26a,26bは、可撓管26が直線状態(図2A参照)から曲げ状態(図5参照)に変形されたときに、第1の螺旋管32、第2の螺旋管42及び外皮44を同じ長さ分だけ伸ばす。また、口金26a,26bは、可撓管26が曲げ状態から直線状態に変形されたときに、第1の螺旋管32、第2の螺旋管42及び外皮44を同じ長さ分だけ縮ませる。すなわち、第1の螺旋管32、第2の螺旋管42及び外皮44の伸縮量は、互いに異なる状態になることが防止されている。これによって、可撓管26は、直線状態でも、曲げられた曲げ状態であっても、これら第1の螺旋管32、第2の螺旋管42及び外皮44が長手軸L(中心軸C)に沿う長さは略同じになる。すなわち、第1の螺旋管32及び外層部34が長手軸Lに沿う全長は略一致している。
第1の螺旋管32は、第1の素線(ワイヤ)32aが螺旋状に巻回されて形成されている。第1の素線32aは、例えばステンレス鋼材などの金属材料等によって形成された板状、一例として平板状に形成されている。第1の素線32aの板幅は、一端から他端まで一定であることが好ましく、挿入対象に応じた内視鏡10の機種(外径や曲がり易さ)によって異なるため限定されるものではない。第1の素線32aの板幅は、一例として2mmから4mm程度である。第1の素線32aの板厚は、一端から他端まで一定であることが好ましく、同じく限定されるものではない。第1の素線32aの板厚は、一例として、0.3mmから0.5mm程度である。
第1の螺旋管32は、長手軸Lに沿って第1の素線32aの隣接する部分(エッジ)32b,32c同士が密着した密着部(第1の密着部)33を有する。このため、第1の螺旋管32には、第1の素線32aの隣接する部分32b,32c同士の間に密着部33が形成されている。特に本実施形態では、第1の螺旋管32は、その一端と他端との間の全長にわたって1つの密着部33が連続的に形成されている。密着部33は、第1の素線32aの隣接する部分32b,32c同士が長手軸Lに沿って互いに圧縮する方向の初張力(プレロード)を有して密着した状態で巻かれている。初張力は、第1の螺旋管32の外側から長手軸Lに沿って、又は、長手軸Lに向かって印加される所定以下の荷重に抗して隣り合う部分32b,32c同士が密着した状態を維持する力である。このため、第1の素線32aの隣接する部分32b,32c同士は、長手軸Lに沿って互いに押し合っている。第1の螺旋管32の内径及び外径はそれぞれ略一定であることが好ましい。このときの第1の螺旋管32の内径は、一例として、9mmから12mm程度である。なお、第1の素線32aの隣接する部分32b,32cのうち、一方は先端側に向けられた先端側部分32bであり、他方は基端側に向けられた基端側部分32cである。
外層部34の第2の螺旋管(コイル)42は、例えばステンレス鋼材などの金属材料等によって形成された第2の素線42aが螺旋状に巻回されて形成されている。第2の螺旋管42の第2の素線42aは、第1の螺旋管32の第1の素線32aよりも長手軸Lに沿った方向の寸法(幅)が狭い。第2の螺旋管42の第2の素線42aの断面形状は限定されるものではない。第2の素線42aの断面形状は、例えば円形である。第2の素線42aは、例えば一般的な内視鏡の可撓管のブレード(網状管)に用いられている素線の2倍から5倍の径を有することが好ましい。第2の素線42aの径は、限定されるものではない。第2の素線42aの径は、一例として0.4mmから0.5mm程度である。そして、本実施形態では、第2の螺旋管42も、第1の螺旋管32と同様に、初張力を有して密着した状態で巻かれている。すなわち、第2の螺旋管42は、第2の素線42aが螺旋状に巻回されて長手軸Lに沿って隣接する部分(エッジ)42b,42c同士が密着した密着部(第2の密着部)43を有する。このため、第2の螺旋管42には、第2の素線42aの隣接する部分42b,42c同士の間にそれぞれ密着部43が形成されている。特に本実施形態では、第2の螺旋管42は、その一端と他端との間の全長にわたって1つの密着部43が連続的に形成されている。密着部43は、第2の素線42aの隣接する部分42b,42c同士が長手軸Lに沿って互いに圧縮する方向の初張力(プレロード)を有して密着した状態で巻かれている。このため、第2の素線42aの隣接する部分42b,42c同士は、長手軸Lに沿って互いに押し合っている。このときの第2の螺旋管42の内径は、挿入対象に応じた内視鏡10機種(直径や曲がり易さ)によって異なるため限定されるものではない。第2の螺旋管42の内径及び外径はそれぞれ略一定である。第2の螺旋管42の内径は、一例として9mmから12mm程度である。なお、第2の素線42aの隣接する部分42b,42cのうち、一方は先端側に向けられた先端側部分42bであり、他方は基端側に向けられた基端側部分42cである。
第2の螺旋管42は、第1の素線32aよりも長手軸Lに沿って幅が狭い第2の素線42aが、密着部33の外側で第1の螺旋管32よりも単位長さあたりの巻き数が多くなるよう螺旋状に巻回されて形成されている。このため、第2の螺旋管42のピッチP2は第1の螺旋管32のピッチP1よりも小さい。図2Bに示すように、第2の螺旋管42の巻き方向は、第1の螺旋管32の巻き方向とは反対であることが好ましい。可撓管26の全長にわたって、例えば、第1の螺旋管32の巻き方向αが右巻き(巻き始め(端部)を起点として時計回り)であり、第2の螺旋管42の巻き方向βが左巻き(巻き始め(端部)を起点として反時計回り)である。
そして、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42が直線状態において、第1の螺旋管32の外周面と第2の螺旋管42の内周面との間にクリアランスが存在していてもよいし、存在していなくてもよい。第1の螺旋管32の外周面と第2の螺旋管42の内周面との間にクリアランスが存在しない場合、可撓管26の外径をより小さくし得る。そして、第1の螺旋管32の外周面と第2の螺旋管42の内周面との間にクリアランスが存在しない場合、第1の螺旋管32の外径と、第2の螺旋管42の内径とは、同一寸法となる。クリアランスの有無にかかわらず、第1の螺旋管32の外周面と第2の螺旋管42の内周面との間の摩擦は、極力低く抑えられていることが好ましい。
第2の螺旋管42に被覆されている外皮44は、弾性及び可撓性を有する樹脂素材で形成されている。外皮44は、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42とともに長手軸L(中心軸C)が曲げられる。本実施形態に係る外皮44は、長手軸Lに沿って伸び易く形成され、長手軸Lに直交する可撓管26の径方向には、長手軸Lに沿った方向よりも伸縮し難く形成されている。このため、ユーザが外皮44の適宜の位置を保持した状態で長手軸Lの軸回りに捻じると、捻じり力が外皮44の基端側から先端側に良好に伝達される。
外皮44の肉厚は、一例として0.3mm程度である。そして、外皮44の外径、すなわち、可撓管26の外径は、一例として12mmから14mm程度など、具体的な寸法は限定されず適宜に設定される。外径が13mm程度の外皮44は、一例として外皮44の全長の20%程度長手軸Lに沿って伸びることが可能であることが好適である。
外皮44には、例えば樹脂が材質として用いられる。外皮44の樹脂の材質は特に限定されるものではない。外皮44には、一例としてポリウレタン、ポリエステル、ポリエーテル等が用いられる。これらの樹脂の配合比は、可撓管26の先端側から基端側に向けて変化させている。このため、外皮44の曲げ易さ/曲げ難さは、先端側から基端側に向かって変化している。外皮44の先端側は軟らかく曲げ易く、後端側はそれよりも硬く曲げ難いことが好ましい。もちろん、外皮44のうち、先端と基端との間の曲げ易さ/曲げ難さが徐々に変化するのではなく、適宜の長さ分の曲げ易さ/曲げ難さが一定であってもよい。そして、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42がそれぞれ一端と他端との間で均一的に形成されていれば、可撓管26の曲げ易さ/曲げ難さは、外皮44の曲げ易さ/曲げ難さにより調整される。ここでは、説明の簡略化のため、可撓管26の曲げ易さ/曲げ難さは、外皮44により、先端側よりも後端側の方が曲げ難く調整されているものとする。
可撓管26の第1の螺旋管32の内側には、送気/送水/吸引/処置具挿通などに用いられる各種チューブや、撮像ケーブル、ライトガイドバンドル(光ファイバ)などの内蔵物(図示せず)が挿入される。これら内蔵物の先端は、適宜の遊びを有する状態で、先端部22に接続されている。また、これら内蔵物にも、長手軸Lに沿って伸縮可能な素材(フッ素チューブ、ゴムチューブなど)が用いられることが好ましい。
ここで、図3A及び図3Bを用いて、適宜のコイル50のピッチと、コイル50を長手軸Lに沿って伸ばしたときの縮径量との関係について簡単に説明する。
伸びる前の状態(自然長状態)でのコイル50の外径をD、一巻きあたりの捻じれ角をθ、一巻きあたりのコイル50の長さをLoとする。コイル50の外径D=Lo・sinθ/πとして表すことができる。コイル50が長手軸Lに沿って伸びると、一巻きあたりのコイル50の長さLoは不変で、捻じれ角θが小さくなる。角度θが90°から小さくなるほど、外径Dに及ぼす影響は大きくなる。ピッチが大きくなると、角度θが小さくなる。すなわち、ピッチが大きく角度θが小さいほど、伸びたときの外径Dの変化が大きくなる。
図4に示す第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42は、伸びる前の自然長でそれぞれ外径Dを有するものとする。第1の螺旋管32は、第2の螺旋管42のピッチP2よりも大きなピッチP1を有する。第2の螺旋管42は、第1の螺旋管32のピッチP1よりも小さなピッチP2を有する。第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42の例えば伸びる前の長手軸Lに沿う自然長での長さL1を、長さL2に伸ばすものとする。第1の螺旋管32の外径はDからd1(<d2<D)となり、第2の螺旋管42の外径はDからd2(<D)となる。このとき、第2の螺旋管42の径(外径)の変化量(D−d2)に比べて、第1の螺旋管32の径(外径)の変化量(D−d1)が大きい。したがって、第1の螺旋管32よりも第2の螺旋管42の方が、例えば自然長などのある状態に対して同一量の伸びが生じたときの縮径量が小さい。
(作用)
次に、本実施形態に係る内視鏡10の作用について、説明する。ここでは、内視鏡10の挿入部12を適宜に曲げられた管腔などの孔内、例として腸管内に挿入する場合について説明する。
ユーザ(術者)は、内視鏡10の挿入部12の可撓管26の適宜の位置を例えば右手で保持して、可撓管26の長手軸Lに沿って先端部22を腸管内に入れていく。このとき、ユーザは、長手軸Lに沿って先端部22を腸管の奥側に向かって押し入れていくとともに、可撓管26を捻じりながら、腸管の奥側に向かって先端部22を入れていく。
第1の螺旋管32は全長にわたって、第1の素線32aの隣接する部分32b,32c同士が初張力を有して密着した状態で巻かれている。このため、第1の螺旋管32において、螺旋状の密着部33が第2の螺旋管42の一端から他端まで連続的に形成されている。また、本実施形態では、第2の螺旋管42は全長にわたって、第2の素線42aの隣接する部分42b,42c同士が初張力を有して密着した状態で巻かれている。このため、第2の螺旋管42において、密着部43が第2の螺旋管42の一端から他端まで連続的に形成されている。したがって、可撓管26は全長にわたって密着部33,43により、高い弾発性を発揮し得る。ここで、「弾発性」とは、可撓管26が曲げられた曲げ状態から元の形状(直線状態)に戻る「戻り易さ」をいう。
密着部33,43の密着強さは長手軸Lに沿う位置によって意図しない適宜のバラツキが生じ得る。しかしながら、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42の密着部33,43の密着強さのバラツキは密着強さに比べて微小である。このため、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42には、曲げ易さ/曲げ難さが長手軸Lに沿って急激に変化する箇所が存在していない。したがって、例えば大腸などの腸管に対して挿入部12を挿入する際に、可撓管26が、挿入対象に対して、意図せず急激に撓むことが防止されている。
可撓管26は、径方向外方から長手軸Lに向かう方向の適宜の外力の負荷により直線状態(図2A参照)から曲げ状態(図5参照)に変形される。このとき、可撓管26は、適宜の長さを有するため、全長にわたって外力により影響を受けて曲げられる必要はない。可撓管26は、例えば、外力を受けた位置及びその近傍が曲げられるのみであってもよい。
図5に示すように、第1の螺旋管32が直線状態から曲げ状態に曲げられる際に、第1の螺旋管32には、第1の螺旋管32の第1の素線32aの隣接する部分32b,32c間に接触を維持する接触部33aと、離間する離間部33bとが生じる。同様に、第2の螺旋管42が直線状態から曲げ状態に曲げられる際に、第2の螺旋管42には、第2の螺旋管42の第2の素線42aの隣接する部分42b,42c間に接触を維持する接触部43aと、離間する離間部43bとが生じる。このため、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42は、曲げ状態において、複数の接触部33a,43aにより、可撓管26の内周側部分52が形成され、複数の離間部33b,43bにより、可撓管26の外周側部分54が形成される。内周側部分52及び外周側部分54は、それぞれ、外皮44、第2の螺旋管42及び第1の螺旋管32により形成される。外周側部分54は、内周側部分52に対して長手軸Lを挟んで反対側にある。なお、可撓管26が曲げられた曲げ状態における可撓管26の内周側部分52には、曲げ半径Rが規定される。
ここで、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42が直線状態から曲げ状態に至ったとき、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42の内周側部分52の長さは変化しない。このため、可撓管26の内周側部分52の長さは直線状態と曲げ状態との間で維持され、伸ばされず、縮まない。したがって、可撓管26の内周側部分52は、直線状態及び曲げ状態において、長手軸Lに沿う長さの変動がない、又は、殆ど変動しない中立面となり得る。
これに対し、直線状態の第1の螺旋管32及び外層部34の長手軸Lに沿う長さに対して、曲げ状態の第1の螺旋管32及び外層部34の長手軸Lに沿う長さは伸ばされている。このため、長手軸Lに沿う長さは、内周側部分52の長さよりも長くなる。また、内周側部分52の長さが変化せず、長手軸Lに沿う長さが長くなると、内周側部分52に対して長手軸Lを挟んで反対側の外周側部分54の長さは、長手軸Lに沿う長さよりも長くなる。したがって、可撓管26の長手軸Lに沿う長さ、及び、外周側部分54の長さは、曲げ状態のときに、直線状態に対して伸ばされている。
可撓管26が外力により曲げられて可撓管26が長手軸Lに沿って伸びると、図4に示すように、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42が直線状態に対してそれぞれ縮径する。このとき、第1の螺旋管32のピッチP1よりも第2の螺旋管42のピッチP2を小さくしている。このため、可撓管26のうちの内側の第1の螺旋管32の方が、可撓管26のうちの外側の第2の螺旋管42よりも大きく縮径する。したがって、直線状態で第1の螺旋管32と第2の螺旋管42との間にクリアランスがなくても、曲げ状態に変形されると、第1の螺旋管32の外周面と第2の螺旋管42の内周面すなわち外層部34の内周面との間にクリアランスが生じる。このため、直線状態から曲げ状態に至る際の第1の螺旋管32と第2の螺旋管42との間の干渉が抑制される。したがって、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42は、長手軸Lに沿って伸びながら曲げられる。すなわち、可撓管26は直線状態に対して、長手軸Lに沿って伸びながら曲げられる。
そして、可撓管26は、直線状態では、第1の螺旋管32の第1の素線32aの隣接する部分32b,32c同士、及び、第2の螺旋管42の第2の素線42aの隣接する部分42b,42c同士が全長にわたって密着している。しかしながら、可撓管26は、曲げ状態では、外皮44が適切に伸びて、内視鏡10として必要な最小半径にまで屈曲させることが可能である。一例として、例えば可撓管26の外径が10mmで、可撓管26を曲げたときの内周側の半径Rが40mmである場合、可撓管26の長手軸Lに沿う長さは、可撓管26の全長の12.5%程度伸びる。
外層部34の第2の螺旋管42は、第2の素線42aが螺旋状に形成されているだけで、編みこまれていない。このため、第2の螺旋管42の第2の素線42aは、ブレードのようにうねっていない。第2の螺旋管42の第2の素線42aは、同一素材であっても、ブレードを形成する素線よりも径が大きく剛性が高い。このため、第2の螺旋管42は、可撓管26を曲げ状態にしたとき、径方向に十分な剛性を持ち、径方向に潰れようとする力に耐えることができる。また、外層部34の外皮44は、第2の螺旋管42を被覆しているため、第2の螺旋管42の動きに連動して動く。このため、外層部34は曲げた際に偏平し難い。同様に、第1の螺旋管32は、可撓管26を曲げ状態にしたとき、径方向に十分な剛性を持ち、径方向に潰れようとする力に耐えることができる。このため、第1の螺旋管32は曲げた際に偏平し難い。したがって、第1の螺旋管32と外層部34とは干渉し難く、可撓管26がスムーズに曲げられる。
密着部33,43は、可撓管26の一端から他端まで連続している。そして、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42の長手軸Lに沿う伸びに連動して外皮44も長手軸Lに沿って伸びる。このため、可撓管26が曲げられても、外皮44の内側での長手軸Lに沿う第1の螺旋管32、第2の螺旋管42及び外皮44の相対的な移動は、抑制されている。すなわち、第1の螺旋管32、第2の螺旋管42及び外皮44の相対的な移動量は小さい。ここで、第2の螺旋管42を長手軸Lに沿って直線状態にしたとき、及び曲げ状態にしたとき、第2の素線42aの一部は、第1の螺旋管32の外周面に常に接触している。このように、第1の螺旋管32と外層部34との間にクリアランスがなくても、第1の螺旋管32と外層部34との間の干渉が抑制され、可撓管26はスムーズに曲げられる。
可撓管26は、外力により、直線状態から曲げ状態に至る。したがって、例えば肛門から大腸の深部にかけての部位などの腸管内に挿入部12の先端部22が挿入される場合、可撓管26は、例えば腸管の内周面から受ける、可撓管26の曲げ難さを超える外力の付加により曲げられる。このため、挿入部12の可撓管26は、大腸のようなフレキシブル性を有する腸管の曲げに沿って曲げられる。
第1の螺旋管32は、その一端と他端との間の全長にわたって密着部33が連続的に形成されている。また、第2の螺旋管42は、その一端と他端との間の全長にわたって密着部43が連続的に形成されている。このため、可撓管26に加えられていた外力が除去され、又は小さくなると、第1の素線32aの隣接する部分32b,32c同士が密着しようとするとともに、第2の素線42aの隣接する部分42b,42c同士が密着しようとする。このため、図5中の第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42の接触部33a,43aを支点として、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42の離間部33b,43bが次第に小さくなる。また、外皮44の長手軸Lに沿う全長も、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42の離間部33b,43bが次第に小さくなるのに伴って短くなる。すなわち、可撓管26の外周側部分54の長さ及び長手軸Lに沿う長さが、可撓管26の内周側部分52の長さに近づけられる。したがって、第1の螺旋管32、第2の螺旋管42及び外皮44の長手軸Lに沿う長さが元の状態(直線状態)のときの長さに向かって縮みながら、曲げ状態から直線状態に戻される。ここで、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42には、ともに先端から基端まで連続して密着部33,43に密着力が加えられている。このため、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42は、可撓管26を真っ直ぐの直線状態にしようとし、例えば大腸などの腸管を真っ直ぐにする場合の操作性を向上させる。
外皮44は、適宜の弾性力を発揮する。本実施形態に係る可撓管26は、直線状態よりも曲げ状態において長手軸Lに沿う位置が伸びる。このため、本実施形態に係る可撓管26の外皮44は、曲げ状態が同一であっても、外皮44の長手軸Lに沿う位置が伸びない場合よりも、外周側部分54が伸びる総量が大きくなる。そして、本実施形態に係る可撓管26の外皮44は、曲げ状態よりも直線状態のときに長手軸Lに沿う位置の長さが短くなる。このため、直線状態から曲げ状態に至ったときの外皮44の伸び長が長くなるのに応じて、元の長さに戻ろうとする反力が大きくなる。したがって、本実施形態に係る可撓管26は、長手軸Lに沿う位置が伸びない場合に比べて、より高い弾発性(反力)を発揮する。
このように、可撓管26は、その弾発性により曲げ状態を直線状態に戻し易い。このため、可撓管26は、例えば湾曲部24が腸管の適宜の屈曲位置を越えた後に、可撓管26の弾発性を利用して腸管の屈曲部位を略直線状に整える。このため、例えばS状結腸等の曲げ半径が小さい腸管が、略直線状に整えられる。そして略直線状の可撓管26は、略直線状の腸管に容易に進行される。したがって、ユーザは、挿入部12の先端部22を腸管の深部に挿入していくことができる。
なお、曲げ状態から直線状態に戻されるにしたがって、第1の螺旋管32の外周面と第2の螺旋管42の内周面すなわち外層部34の内周面との間のクリアランスが次第に小さくなる。曲げ状態から直線状態に至る際も第1の螺旋管32と第2の螺旋管42との間にクリアランスがある。したがって、直線状態と曲げ状態との間の第1の螺旋管32と第2の螺旋管42との間の干渉が抑制される。
このように、腸管の内周面から付加される外力に応じて挿入部12の可撓管26は適宜に曲げられ、可撓管26の弾発性により、腸管を略直線状に整えることを繰り返しながら、挿入部12の先端部22を腸管の奥側に移動させていく。
(効果)
以上説明したように、本実施形態に係る内視鏡10の挿入部12の可撓管26によれば、以下のことが言える。
第1の螺旋管32は長手軸Lに沿って全長が伸びると縮径する。第2の螺旋管42は長手軸Lに沿って全長が伸びると縮径する。第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42が長手軸Lに沿って同一長さ伸びると、内側の第1の螺旋管32の方が外層部34(外側の第2の螺旋管42)よりも縮径量が大きい。このため、可撓管26を曲げていく際、及び曲げられた可撓管を真っ直ぐにする際、可撓管26において第1の螺旋管32と外層部34との間にクリアランスを設けなくても第1の螺旋管32と外層部34との干渉を抑制することができる。このため、可撓管26をスムーズに曲げることができ、可撓管26の外径を小さく維持することができ、例えば患者に対する負担が小さい状態を維持することができる。
第1の螺旋管32は、その一端と他端との間の全長にわたって密着部33が連続的に形成されている。このため、第1の螺旋管32には、長手軸Lに沿って急激な曲げ易さ/曲げ難さが変化する部位が存在しない。したがって、第1の螺旋管32は、ユーザが可撓管26の基端側を保持して、挿入部12の先端部22を管孔内つまり腸管の奥側に向かって押し込む際に、第1の螺旋管32に負荷される押し込み力を先端側に向かって伝え易い。したがって、挿入部12の先端部22を管孔内(腸管)の奥側に向かって押し込む際に可撓管26に座屈や意図しない撓みが発生し難く、先端部22に確実に力が伝達される。また、第2の螺旋管42の第2の素線42aは、密着部33の外側で第1の螺旋管32よりも巻き数が多くなるよう螺旋状に巻回されて形成されている。このため、可撓管26は、曲げられる際に滑らかな形状に曲げられ、かつ、全長にわたって管孔内(腸管)に対する挿入性を良好にする弾発性を発揮させることができる。
したがって、本実施形態によれば、第1の螺旋管32と第1の螺旋管32の外側の外層部34との干渉を抑制しつつ、良好な弾発性を有する内視鏡用可撓管26及び内視鏡10を提供することができる。
なお、第2の螺旋管42は、その一端と他端との間の全長にわたって密着部43が連続的に形成されている。このため、第2の螺旋管42には、長手軸Lに沿って急激な曲げ易さ/曲げ難さが変化する部位が存在しない。したがって、第2の螺旋管42は、ユーザが可撓管26の基端側を保持して、挿入部12の先端部22を管孔内(腸管)の奥側に向かって押し込む際に、第1の螺旋管32と協働して、その押し込み力を先端側に向かって伝え易い。
第1の螺旋管32は、その一端と他端との間の全長にわたって密着部33が連続的に形成されているため、第1の螺旋管32を全長にわたって均一的に加工することができる。このため、本実施形態に係る第1の螺旋管32は加工が容易であり、疎巻き部分が間に含まれている場合よりも安価に加工できる。また、第2の螺旋管42も第1の螺旋管32と同様に、均一的に加工することができる。このため、第2の螺旋管42は加工が容易であり、疎巻き部分が間に含まれている場合よりも安価に加工できる。
なお、可撓管26の第1の螺旋管32の内側の内蔵物は、伸縮できる素材を用いている。このため、可撓管26が長手軸Lに沿って伸縮するのと一緒に伸縮することができる。したがって、可撓管26が真直ぐの状態と曲げられた状態との間を適宜に変形する場合、可撓管26と内蔵物との相対的な移動量を小さくすることができ、第1の螺旋管32の内周面と内蔵物とが擦れ合ったり、引っ掛かったりするのを防止することができる。
(第1実施形態の第1変形例)
図6から図7Bを用いて、第2の螺旋管42の第2の素線42aの変形例について説明する。
図6に示す第2の螺旋管42は、密着部43を有していない。すなわち、第2の螺旋管42の第2の素線42aの先端側部分42b及び基端側部分42cは、離間している疎巻きとして形成されている。先端側部分42b及び基端側部分42cは、密着力が付与されていない状態で、単に当接しているだけでもよい。このとき、第1の螺旋管32のピッチP1よりも第2の螺旋管42ピッチP2が小さいという条件が満たされていればよい。そして、この変形例では、第2の螺旋管42の一部は、外皮44の内周面に対して埋設されている。一方、第2の螺旋管42の内周面は第1の螺旋管32の外周面に接触され、又は接触可能である。
外層部34の第2の螺旋管42が疎巻きであっても、第1の螺旋管32が密着部33を有している。可撓管26に外力が加えられると、第2の螺旋管42の内周側部分(図5中の符号52で示す部分)は全長が第1の螺旋管32の接触部33aに規制されて縮まない。このため、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42は長手軸Lに沿って伸びる。したがって、第2の螺旋管42が密着部43を有する場合と同様に、第1の螺旋管32及び外層部34が長手軸Lに沿って伸びて可撓管26が曲げられる。
また、可撓管26に加えられていた外力が除去され、又は小さくなると、第1実施形態で説明したのと同様に、第1の素線32aの隣接する部分32b,32c同士が密着しようとする。このため、図5中の第1の螺旋管32接触部33aを支点として、第1の螺旋管32の離間部33bが次第に小さくなる。また、外皮44の全長も、第1の螺旋管32の離間部33bが次第に小さくなるのに伴って短くなる。したがって、第1の螺旋管32、第2の螺旋管42及び外皮44に沿う長手軸Lが元の状態に向かって縮みながら、曲げ状態から直線状態に戻される。ここで、第1の螺旋管32には、先端から基端まで連続して密着部33に密着力が加えられている。このため、第1の螺旋管32は、可撓管26を真っ直ぐの直線状態にしようとし、例えば大腸などの管腔を真っ直ぐにする場合の操作性を向上させる。
図7Aは、第1の螺旋管32が巻き方向αであり、第2の螺旋管42が巻き方向αとは反対方向の巻き方向βである例を示している。図7Bは、第1の螺旋管32が巻き方向αであり、第2の螺旋管42が第1の螺旋管32の巻き方向αと同じ巻き方向αである例を示している。第1の螺旋管32の巻き方向αと、第2の螺旋管42の巻き方向αとは、捻じれ角θ(図3A参照)が同一でも、相違していてもよい。図7A及び図7Bに示す例の可撓管26は、外皮44の図示を省略し、いずれも第2の螺旋管42は密着部43を有していない。
図7Aに示すように、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42が曲げられる際に、第1の螺旋管32の第1の素線32aの隣接する部分32b,32c間に接触を維持する接触部33aと、離間する離間部33bとが生じる。第1の螺旋管32が巻き方向αであり、第2の螺旋管42が巻き方向βである場合、第1の螺旋管32のピッチP1の間において、素線42aの内側には、素線32aの外周面が必ず存在している。このため、第1の螺旋管32の離間部33bの間に、第2の螺旋管42が入ろうとすることが防止されている。
図7Bに示すように、第1の螺旋管32が巻き方向αであり、第2の螺旋管42が巻き方向αである場合、第1の螺旋管32のピッチP1よりも、第2の螺旋管42のピッチP2の方が小さい。このため、素線42aの内側には、素線32aの外周面が存在しない位置が生じ得る。したがって、第1の螺旋管32の離間部33bの間に、第2の螺旋管42が入ろうとすることがあり得る。このため、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42の巻き方向が同一である場合、第1の螺旋管32と第2の螺旋管42とが引っ掛かることが有り得る。このため、本実施形態に係る第1の螺旋管32と第2の螺旋管42とは、巻き方向が同方向であってもよいが、反対である方が好ましい。
(第1実施形態の第2変形例)
図8Aから図8Cを用いて、第2の螺旋管42の第2の素線42aの変形例について説明する。
図8Aに示す例では、第2の螺旋管42の第2の素線42aの断面が矩形状に形成されている。第2の素線42aは、第2の螺旋管42が長手軸Lに沿う長さが変化する場合、図2B中の矢印βで示す巻き方向に沿って移動するとともに、第2の素線42aの隣接する部分42b,42cが長手軸Lに沿って接触及び離間可能である。
図8Bに示す例では、第2の螺旋管42の第2の素線42aの先端側部分42bが凸状に、基端側部分42cが凹状に形成されている。このため、先端側部分42b,基端側部分42cが嵌合している。したがって、第2の螺旋管42の第2の素線42aの先端側部分42b及び基端側部分42cは、長手軸Lの径方向への軸ズレが防止されている。
先端側部分42bは適宜に尖っている。基端側部分42cは先端側部分42bに対して接触面積が小さくなり、極力摩擦を発生させない状態に形成されていることが好適である。
図8Cに示す例では、図8Bに示す例と同様に、第2の螺旋管42の第2の素線42aの先端側部分42bが凸状に、基端側部分42cが凹状に形成されている。先端側部分42b及び基端側部分42cが嵌合している。このため、第2の螺旋管42の第2の素線42aの先端側部分42b及び基端側部分42cは、長手軸Lの径方向への軸ズレが防止されている。
先端側部分42bは適宜の曲面として形成されている。基端側部分42cは先端側部分42bに対して接触面積が小さくなり、極力摩擦を発生させない状態に形成されていることが好適である。
このように、第2の螺旋管42の第2の素線42aの断面は、適宜に形成される。
(第1実施形態の第3変形例)
図9を用いて、第1の螺旋管32の変形例について説明する。
図9に示す第1の螺旋管32は、一端と他端との間の一部に疎巻き部35を有する。このため、図9に示す例では、第1の螺旋管32は、一端から他端まで連続して密着部33が形成されているわけではない。疎巻き部35は、第1の螺旋管32のうち、例えば可撓管26の基端側口金26bの近傍に形成されていることが好ましい。疎巻き部35の位置は、例えば折れ止め18aの内側に配設されるか、折れ止め18aに近接した位置に配設される。
ユーザは通常、可撓管26のうち、疎巻き部35が形成されている部分よりも先端部22に近い位置を把持する。このため、ユーザから先端部22への力の伝達性は、第1実施形態で説明した例と同様に維持され、殆ど変化しない。
(第1実施形態の第4変形例)
図10を用いて、外層部34の変形例について説明する。
第1実施形態では、外層部34の第2の螺旋管42及び外皮44は一体化されているものとして説明した。図10に示す例では、外層部34の第2の螺旋管42と外皮44は、離れている。この場合、第2の螺旋管42は外皮44の内周面と第1の螺旋管32の外周面との間に設けられている。第1の螺旋管32の第1の素線32aよりも長手軸Lに沿って幅が狭い、第2の螺旋管42の第2の素線42aが、密着部43の外側で第1の螺旋管32よりも巻き数が多くなるよう螺旋状に巻回されて形成されている。このため、上述した第1実施形態と同様に、第1の螺旋管32と外層部34との干渉を抑制しつつ、良好な弾発性を有する可撓管26を提供することができる。
(第1実施形態の第5変形例)
図11を用いて、外層部34の変形例について説明する。
各変形例を含む第1実施形態では、第1の螺旋管32の外周面と、第2の螺旋管42の内周面とが接触し、又は、接触し得る状態にあるものとして説明した。図11には、外層部34の第2の螺旋管42が外皮44の中に、一部のみならず完全に内封されるように埋め込まれている例を示す。この場合、第2の螺旋管42は、外皮44と第1の螺旋管32との間に設けられている。この場合の可撓管26は、曲げられても、外皮44により、第2の螺旋管42が縮径及び拡径が規制されている。このため、各変形例を含む第1実施形態で説明した可撓管26よりも、曲げられ難い。
なお、第2の螺旋管42が外皮44の中に完全に内封されているのは、可撓管26の適宜の長さ分のみであってもよく、全長にわたっていてもよい。
(第2実施形態)
次に、第2実施形態について、図12から図14Bを用いて説明する。この実施形態は各変形例を含む第1実施形態の変形例であって、第1実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図12に示すように、第2の螺旋管42は、複層に形成されている。第2の螺旋管42は、ここでは2層に形成され、内側層45と、外側層47とを有する。
内側層45の素線45aは、先端側に向けられた先端側部分45bと、基端側に向けられた基端側部分45cとを有する。外側層47の素線47aは、先端側に向けられた先端側部分47bと、基端側に向けられた基端側部分47cとを有する。内側層45及び外側層47のピッチは同一又は、外側層47の方が小さいことが好ましい。このため、内側層45及び外側層47は、同一量の伸びが生じたときの縮径量が、同一か、外側層47の方が小さい。
内側層45の素線45aの巻き方向βは、第1の螺旋管32の巻き方向αと反対方向である。外側層47の素線47aの巻き方向αは、内側層45の巻き方向βと反対方向である。すなわち、外側層47の巻き方向αは、第1の螺旋管32の巻き方向αと同じ方向である。内側層45は、その一端と他端との間の全長にわたって密着部46が連続的に形成されていることが好ましい。密着部46は、内側層45の隣接する部分45b,45c同士が長手軸Lに沿って互いに圧縮する方向の初張力(プレロード)を有して密着した状態で巻かれている。外側層47は、その一端と他端との間の全長にわたって密着部48が連続的に形成されていることが好ましい。密着部48は、外側層47の隣接する部分47b,47c同士が長手軸Lに沿って互いに圧縮する方向の初張力(プレロード)を有して密着した状態で巻かれている。
なお、図12中、内側層45の内側素線(第2の素線)45aは疎巻きとして形成されていてもよい。同様に、図12中、外側層47の外側素線(第2の素線)47aは疎巻きとして形成されていてもよい。
第1の螺旋管32の第1の素線32aが右巻きで、第2の螺旋管42の内側層45の内側素線(第2の素線)45aが左巻きで、第2の螺旋管42の外側層47の外側素線(第3の素線)47aが右巻きであるとする。
内側層45の内側素線45aが例えば左巻きである場合を例にして説明する。内側層45が図13Aに示す通常の状態(重力以外の外力が付加されていない状態)では、内側層45の一端側(例えば先端側)を符号FEで示す位置で固定するなどして一端側の回転を抑制する。この状態で、図13Bに示すように、内側層45の他端側の符号Mで示す位置が矢印αの方向(右方向)に移動するように捻じられると、内側層45の他端側(例えば基端側)では図13Aに示す通常の状態よりも径が小さくなる。内側層45の一端側は固定されているため、通常の状態に対して径が変化し難い。また、図13Aに示す通常の状態から、図13Cに示すように内側層45の他端側の符号Mで示す位置が矢印βの方向(左方向)に移動するように捻じられると、内側層45の他端側では図13Aに示す通常の状態よりも径が大きくなる。内側層45の一端側は固定されているため、通常の状態に対して径が変化し難い。
第1の螺旋管32の第1の素線32a、及び、第2の螺旋管42の第2の素線42aは、右巻きである。図示しないが、図13Aに示す内側層45と同様に、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42が通常の状態(重力以外の外力が付加されていない状態)で、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42のそれぞれの一端側を固定するなどして一端側の回転を抑制する。この状態で、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42の符号Mで示す位置が矢印αの方向に移動するように捻じると、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42のそれぞれの他端側は、通常の状態よりも径が大きくなる。第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42の符号Mで示す位置が矢印βの方向に移動するように捻じると、第1の螺旋管32及び第2の螺旋管42のそれぞれの他端側は、通常の状態よりも径が小さくなる。
図14A及び図14B中の左側が可撓管26の先端側であり、左側が可撓管26の基端側である。
図14Aに示すように、ユーザが可撓管26の適宜の位置を保持して可撓管26を右(矢印αで示す方向)に捻じると、第1の螺旋管32は拡径し、内側層45は縮径し、外側層47は拡径する。第1の螺旋管32と第2の螺旋管42の内側層45とが干渉し、第1の螺旋管32と第2の螺旋管42の内側層45との間の拡大/縮小は停止する。第1の螺旋管32と第2の螺旋管42の内側層45とが干渉するまでは、可撓管26の捻じりに遊びが存在し、ユーザが保持した部位の捻じり角度が、可撓管26の先端部の捻じり角度とは異なる場合がある。可撓管26は第1の螺旋管32と第2の螺旋管42の内側層45とが干渉した時点から、可撓管26の捻じりに遊びがなくなる。したがって、第1の螺旋管32と第2の螺旋管42の内側層45とが干渉した時点からさらに可撓管26を捻じると、ユーザが保持した部位の捻じり角度が、ほぼ可撓管26の先端部の捻じり角度となる。
図14Bに示すように、ユーザが可撓管26の適宜の位置を保持して可撓管26を左(矢印βで示す方向)に捻じると、第1の螺旋管32は縮径し、内側層45は拡径し、外側層47は縮径する。第2の螺旋管42の内側層45と外側層47とが干渉し、第2の螺旋管42の内側層45と外側層47との間の拡大/縮小は停止する。第2の螺旋管42の内側層45と外側層47とが干渉するまでは、可撓管26の捻じりに遊びが存在し、ユーザが保持した部位の捻じり角度が、可撓管26の先端部の捻じり角度とは異なる場合がある。可撓管26は第2の螺旋管42の内側層45と外側層47とが干渉した時点から、可撓管26の捻じりに遊びがなくなる。したがって、第2の螺旋管42の内側層45と外側層47とが干渉した時点からさらに可撓管26を捻じると、ユーザが保持した部位の捻じり角度が、ほぼ可撓管26の先端部の捻じり角度となる。
このように、本実施形態に係る可撓管26は、外皮44の内側が、第1の螺旋管32と、第2の螺旋管42の内側層45及び外側層47により、3層に積層され、かつ、第1実施形態で説明したように可撓管26の両端が例えば口金26a,26bに固定されている。そして、第1の螺旋管32の外周面と第2の螺旋管42の内側層45の内周面との間のクリアランス、第2の螺旋管42の内側層45の外周面と外側層47の内周面との間のクリアランスは、第1実施形態で説明したように、存在していてもよく、存在していなくてもよい。特に、両方のクリアランスがない場合、ユーザが可撓管を右回りに捻じった際に上述した遊びがなく、第1の螺旋管32、第2螺旋管42の内側層45及び外側層47は殆ど縮径/拡径しない。このため、第1の螺旋管32と第2の螺旋管42の内側層45とが捻り始めの直後に干渉し、ユーザが保持した部位の捻じり力がダイレクトに可撓管26の先端部に伝えられる。同様に、ユーザが可撓管26を左回りに捻じった際に上述した遊びがなく、第1の螺旋管32、第2螺旋管42の内側層45及び外側層47は殆ど縮径/拡径しない。このため、第2の螺旋管42の内側層45と外側層47とが捻り始めの直後に干渉し、ユーザが保持した部位の捻じり力がダイレクトに可撓管26の先端部に伝えられる。
本実施形態に係る可撓管26は、上述したように、外皮44の内側が3層に積層されている。このため、可撓管26は、外皮44の内側が1層又は2層の場合よりも、可撓管26の捻じり耐性を向上させることができ、製品寿命を延ばすことができる。また、本実施形態に係る可撓管26は、第1の螺旋管32の外周面と第2の螺旋管42の内側層45の内周面との間のクリアランス及び第2の螺旋管42の内側層45の外周面と外側層47の内周面との間のクリアランスの調整により、可撓管26の捻じり力を、可撓管26の先端部に伝え易くすることができる。このため、本実施形態に係る可撓管26を用いることで、体腔内への挿入部12の挿入性を向上させることができる。
なお、第2の螺旋管42と第1の螺旋管32の間の寸法関係は、第2の螺旋管42の内径が第1の螺旋管32の外径より少し大きく、小さな隙間があってもよいし、第2の螺旋管42と第1の螺旋管32が“しまりばめ”の関係になっていてもよい。
また、第2の螺旋管42を構成する内側層45の素線45aと外側層47の素線47aとは、それぞれ材質や断面形状等が同じものを組み合わせて形成されていてもよく、材質や断面形状等がそれぞれ異なるものを組み合わせて形成されていてもよい。
さらに、第2の螺旋管42は2層である複層に限定せず、必要に応じて素線を3層以上の複層に巻回して構成してもよい。
(第3実施形態)
次に、第3実施形態について、図15を用いて説明する。この実施形態は各変形例を含む第1実施形態及び第2実施形態の変形例であって、第1実施形態及び第2実施形態で説明した部材と同一の部材又は同一の機能を有する部材には極力同一の符号を付し、詳しい説明を省略する。
図15に示すように、第2の螺旋管42の外周には、ブレード(網状管)49が配設されている。ブレード49は、例えばステンレス鋼材製などの細い金属素線を繊維状に編みこんで円筒形に形成される。この場合、外層部34は、第2の螺旋管42、ブレード49及び外皮44で形成される。ブレード49の内側に第2の螺旋管42が巻回され、ブレード49には外皮44が被覆されている。すなわち、第2の螺旋管42は、ブレード49とは異なるものである。なお、第2の螺旋管42とブレード49との間には、クリアランスが形成されていてもよい。
可撓管26が曲げられた場合、ブレード49は、径方向に潰れようとする。しかしながら、ブレード49の内側の第2の螺旋管42の第2の素線42aは、ブレードに対して径方向に十分な剛性をもっている。このため、可撓管26が曲げられ、ブレード49が径方向に潰れようとしても、第2の螺旋管42の剛性により、可撓管26が径方向に潰れるのを抑制することができる。
図15中、第2の螺旋管42は1層として形成している例を示しているが、図12に示す複数層(内側層45及び外側層47)が図15に示す1層の第2の螺旋管42の代わりに配設されていてもよい。
上述した各変形例を含む実施形態では、可撓管26は、体腔などの孔内に挿入される挿入部12を有する、医療用内視鏡10の一部として用いられる例について説明した。孔内に挿入される挿入部12の一部として用いられ得るのであれば、可撓管26の使用の用途は例えば工業用内視鏡であるなど、医療用内視鏡10に限られない。
上述した各変形例を含む実施形態に係る内視鏡10には、内視鏡10自体が観察光学系を有している構造のほか、図示しないチャンネル等を介して観察光学系が可撓管26の基端側から先端側に挿入されることも含み得る。可撓管26は、内視鏡10に用いられるほか、観察を伴わないカテーテル等にも用いられ得る。
これまで、幾つかの実施形態について図面を参照しながら具体的に説明したが、この発明は、上述した実施形態に限定されるものではなく、その要旨を逸脱しない範囲で行なわれるすべての実施を含む。上記した各実施形態および各変形例を適宜に組み合わせて一つの内視鏡10を実現することも当然にできる。

Claims (16)

  1. 板状の第1の素線が螺旋状に巻回されており、長手軸に沿って隣接する部分同士が密着した第1の密着部を有する第1の螺旋管と、
    前記第1の螺旋管よりも外周側に設けられ、前記第1の螺旋管とともに前記長手軸に対して曲げられる、可撓性を有する外皮と、
    前記外皮と前記第1の螺旋管との間に設けられ、第2の素線が螺旋状に巻回されており、前記第1の素線よりも前記長手軸に沿う幅が狭く、前記第1の密着部の外側で前記第1の螺旋管よりも単位長さあたりの巻き数が多い第2の螺旋管と
    を有する内視鏡用可撓管。
  2. 前記外皮とともに前記第1の螺旋管及び前記第2の螺旋管が曲げられたときに、前記外皮の少なくとも一部は、前記外皮、前記第1の螺旋管及び前記第2の螺旋管が直線状態のときに比べて前記長手軸に沿って伸びる、請求項1に記載の可撓管。
  3. 前記外皮とともに前記第2の螺旋管を前記長手軸に沿って直線状にしたとき、前記第2の素線の少なくとも一部が前記外皮の内周面に常に接触している、請求項1に記載の可撓管。
  4. 前記外皮とともに前記第2の螺旋管を前記長手軸に沿って直線状にしたとき、前記第2の素線の少なくとも一部が前記第1の螺旋管の外周面に常に接触している、請求項1に記載の可撓管。
  5. 前記第1の密着部は、前記第1の螺旋管の前記長手軸に沿った全長にわたって形成されている、請求項1に記載の可撓管。
  6. 前記第1の密着部は、前記長手軸に沿って前記隣接する部分同士が前記長手軸に沿って互いに押し合う初張力を有する状態で密着されている、請求項5に記載の可撓管。
  7. 前記第1の螺旋管の前記長手軸に沿って離間した両端には、
    前記外皮とともに直線状態から曲げられたとき、前記第1の螺旋管が前記外皮に対して伸びの差が生じるのを抑制する口金が設けられている、請求項5に記載の可撓管。
  8. 前記外皮とともに前記第1の螺旋管及び前記第2の螺旋管が直線状態から曲げられた曲げ状態に至ったとき、前記可撓管の少なくとも一部には、内周側部分と、前記内周側部分に対して前記長手軸を挟んで反対側の、外周側部分とが形成され、
    前記可撓管が前記直線状態から前記曲げ状態に至ったとき、
    前記可撓管の前記内周側部分の長さは前記直線状態と前記曲げ状態との間で維持され、
    前記可撓管の前記長手軸に沿う長さ、及び、前記外周側部分の長さは、前記曲げ状態のときに、前記直線状態に対して伸ばされている、請求項1に記載の可撓管。
  9. 前記可撓管が前記曲げ状態に至ったとき、前記隣接する部分同士は、前記内周側部分で接触した状態を維持し、前記外周側部分で離間している、請求項8に記載の可撓管。
  10. 前記第2の螺旋管は、前記第2の素線により、螺旋状に巻回されて前記長手軸に沿って隣接する部分同士が密着した第2の密着部を有する請求項1に記載の可撓管。
  11. 前記第2の密着部は、前記長手軸に沿って隣接する部分同士が前記長手軸に沿って互いに押し合う初張力を有する状態で密着されている、請求項10に記載の可撓管。
  12. 前記第2の素線は、径方向に複数層に積層され、
    前記複数層の前記第2の素線は、それぞれ巻き方向を反対にしている、請求項1に記載の可撓管。
  13. 前記第2の素線のうち、前記第1の素線の径方向の外側に隣接する層は、前記第1の素線と巻き方向が反対である、請求項12に記載の可撓管。
  14. 前記第2の螺旋管は、前記外皮の内周面と前記第1の螺旋管の外周面との間に設けられる、請求項1に記載の可撓管。
  15. 前記第2の螺旋管は、前記外皮の中に少なくとも一部が埋め込まれている、請求項1に記載の可撓管。
  16. 請求項1に記載の可撓管と、
    前記可撓管よりも先端側に設けられた先端部と、
    前記可撓管の基端側に設けられる操作部と
    を有する内視鏡。
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