JP6063727B2 - 内視鏡の可撓管部と、この可撓管部を有する内視鏡 - Google Patents

内視鏡の可撓管部と、この可撓管部を有する内視鏡 Download PDF

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Description

本発明は、螺旋管を有する内視鏡の可撓管部と、この可撓管部を有する内視鏡とに関する。
例えば特許文献1は、内視鏡用可撓管を開示している。この内視鏡用可撓管は、湾曲部と、湾曲部の基端に連設される第1の可撓管部と、第1の可撓管部の基端に連設される第2の可撓管部とを具備している。第1の可撓管部は、螺旋管と、螺旋管の外周面を覆う網状管部と、網状管部の外周面を覆う樹脂性の外皮とを有している。第2の可撓管部は、第1の可撓管部と同じ構成を有している。
可撓管部の可撓性(曲がり易さ)を示す可撓管部の弾発性は、樹脂性の外皮や網状管及び螺旋管の特性に依存する。可撓管部の弾発性は、大腸等の体腔内(管孔内)における可撓管部の挿抜性に影響を与える。
特開2006−218231号公報
様々な種類の可撓管部における弾発性は、可能な限りどの部位でも略均一の特性を有することが理想である。しかしながら、螺旋管の弾発性は、製造上、螺旋管毎に、ばらつきが生じる可能性が生じる。よって、可撓管部において、可撓性は、可撓管部毎にばらばらとなる可能性が生じ、安定しない可能性が生じる。そして、可撓管部の挿抜性が低下する虞が生じる。
よって、弾発性にばらつきが生じている螺旋管において、螺旋管の弾発性のばらつきを抑制するために、例えば弾発性が低い部分に所望な弾発性を補充し、可撓管部の挿抜性を向上させることが望まれている。
このため本発明は、上記課題を鑑みて、弾発性が低い部分に弾発性を補充し、挿抜性が向上する内視鏡の可撓管部と、この可撓管部を有する内視鏡とを提供することを目的とする。
本発明は目的を達成するために、内蔵物が内蔵されて、さらに所望の弾発性を有している螺旋管を有する内視鏡の可撓管部であって、前記螺旋管は、初張力が付与されている密着巻き部と、前記密着巻き部の少なくとも一端に連接されている疎巻き部と、を具備し、前記内蔵物は、前記密着巻き部と前記疎巻き部とが互いに連接する連接部分によって覆われ、前記螺旋管の前記弾発性を前記螺旋管に補充するような前記初張力が付与されている第1の補充領域を有することを特徴とする内視鏡の可撓管部を提供する。
また本発明は目的を達成するために、管腔に挿入される挿入部を有する内視鏡であって、 前記挿入部は、前記に記載の可撓管部を有することを特徴とする内視鏡を提供する。
本発明によれば、弾発性が低い部分に弾発性を補充し、挿抜性が向上する内視鏡の可撓管部と、この可撓管部を有する内視鏡とを提供することができる。
図1は、本発明に係る内視鏡の概略図である。 図2Aは、可撓管部の3層構造を示す概略的な縦断面図であり、可撓管部の内部の構成を概略的に示す図である。 図2Bは、図2Aにおける2B−2B線における断面図である。 図2Cは、螺旋管の側面図であり、密着巻き部と疎巻き部と第1の補充領域と第2の補充領域との位置関係を示す図であり、螺旋管の弾発性と内蔵物(ワイヤ挿通部材)の弾発性との関係を示す図である。 図3Aは、螺旋管の薄板部材が長円形状の断面を有する状態の可撓管部の3層構造を示す縦断面図である。 図3Bは、螺旋管の薄板部材が円形状の断面を有する状態の可撓管部の3層構造を示す縦断面図である。 図3Cは、螺旋管の薄板部材が楕円形状の断面を有する状態の可撓管部の3層構造を示す縦断面図である。 図4Aは、螺旋管の密着巻き部に初張力が加えられて密着巻き部が真っ直ぐの状態を維持している状態を示す概略的な縦断面図である。 図4Bは、密着巻き部の中心軸に対して側方から力が加えられたときに密着巻き部が変形する状態を示す概略的な縦断面図である。 図5Aは、螺旋管が直線状態における螺旋管の長さと疎巻き部の長さと密着巻き部の長さとの関係を示す概略図である。 図5Bは、螺旋管が曲げられた状態における螺旋管の長さと疎巻き部の長さと密着巻き部の長さとの関係を示す概略図である。 図6Aは、密着巻き部と疎巻き部との配列の変形例を示す図であり、配列の変形に伴う第1の補充領域と第2の補充領域との配列の変形例を示す図である。 図6Bは、螺旋管の弾発性と内蔵物(ワイヤ挿通部材)の弾発性との関係の第1の変形例を示す図である。 図6Cは、螺旋管の弾発性と内蔵物(ワイヤ挿通部材)の弾発性との関係の第2の変形例を示す図である。 図6Dは、第1の補充領域と第2の補充領域とにおける内径の関係を示す図である。 図6Eは、第1の補充領域を有する内蔵物の変形例を示す図である。
以下、図面を参照して本発明の実施形態について詳細に説明する。
[第1の実施形態]
[構成]
図1と図2Aと図2Bと図2Cと図3Aと図3Bと図3Cと図4Aと図4Bと図5Aと図5Bとを参照して、第1の実施形態について説明する。
なお、例えば、図2Aにおいて照明ケーブル81と撮像ケーブル83と送気・送水チューブ85と処置具挿通チャンネル87との図示を省略するように、一部の図面では図示の明瞭化のために、部材の一部の図示を省略している。
また、第1の補充領域95aと第2の補充領域95bとを図面上明確に区別するために、例えば図2Aと図2Cとに示すワイヤ挿通部材93において、第1の補充領域95aを黒塗りで表し、第2の補充領域95bを白塗りで表している。
[内視鏡10]
図1に示すように内視鏡10は、例えば体腔等の管腔に挿入される中空の細長い挿入部20と、挿入部20の基端部と連結し、内視鏡10を操作する操作部30とを有している。
[挿入部20]
挿入部20は、挿入部20の先端部側から挿入部20の基端部側に向かって、先端硬質部21と、湾曲部23と、可撓管部25とを有している。先端硬質部21の基端部は湾曲部23の先端部と連結し、湾曲部23の基端部は可撓管部25の先端部と連結している。先端硬質部21と、湾曲部23と、可撓管部25とは、挿入部20の中心軸Cに沿って配設されている。
先端硬質部21は、挿入部20の先端部であり、硬く、曲がらない。先端硬質部21は、例えばステンレス鋼材製等によって形成された本体部(図示せず)と、本体部の外周を覆う外皮(図示せず)とを有する。本体部は、例えば、硬質であり、円柱状である。外皮は、チューブ状に形成されており、絶縁性を有する。本体部の内部には、後述する内蔵物80(図2B参照)の先端が固定されている。
湾曲部23は、後述する湾曲操作部37の操作によって、例えば上下左右といった所望の方向に湾曲する。湾曲部23が湾曲することにより、先端硬質部21の位置と向きとが変わり、図示しない照明光が観察対象物に照明され、観察対象物が観察視野内に捉えられる。この観察対象物とは、例えば、被検体(例えば体腔)内における患部や病変部等である。
可撓管部25は、所望な可撓性を有している。よって可撓管部25は、外力Fを受けることによって曲がる。この外力Fは、例えば、可撓管部25の中心軸(挿入部20の中心軸C)に対して所望の角度から可撓管部25にかかる力を示す。可撓管部25は、操作部30における後述する本体部31から延出されている管状部材である。可撓管部25の構成については、後述する。
[操作部30]
操作部30は、可撓管部25が延出している本体部31と、本体部31の基端部と連結し、内視鏡10を操作する操作者によって把持される把持部33と、把持部33と接続しているユニバーサルコード41とを有している。
[本体部31]
本体部31は、処置具挿入口35aを有している。処置具挿入口35aは、処置具挿通チャンネル87(図2B参照)の基端部と連結している。処置具挿通チャンネル87は、挿入部20の内部に配設され、可撓管部25から先端硬質部21に渡って配設されている。処置具挿通チャンネル87の先端部は、先端硬質部21に配設されている図示しない先端開口部と連通している。処置具挿入口35aは、図示しない内視鏡用処置具を処置具挿通チャンネル87に挿入するための挿入口である。図示しない内視鏡用処置具は、処置具挿入口35aから処置具挿通チャンネル87に挿入され、先端硬質部21側まで押し込まれる。そして内視鏡用処置具は、先端開口部から突出される。
[把持部33]
把持部33は、湾曲部23を湾曲操作する湾曲操作部37と、スイッチ部39とを有している。
[湾曲操作部37]
湾曲操作部37は、湾曲ワイヤ91(図2B参照)によって湾曲部23を左右に湾曲操作させる左右湾曲操作ノブ37aと、湾曲ワイヤ91によって湾曲部23を上下に湾曲操作させる上下湾曲操作ノブ37bと、湾曲した湾曲部23の位置を固定する固定ノブ37cとを有している。
[スイッチ部39]
スイッチ部39は、吸引スイッチ39aと、送気・送水スイッチ39bと、内視鏡撮影用の各種スイッチ39cとを有している。吸引スイッチ39aと送気・送水スイッチ39bと各種スイッチ39cとは、把持部33が操作者に把持された際に、操作者の手によって操作される。
吸引スイッチ39aは、吸引開口部を兼ねる前記した先端開口部から吸引チャンネルを兼ねる処置具挿通チャンネル87を介して、粘液や流体等を内視鏡10が吸引するときに操作される。
送気・送水スイッチ39bは、先端硬質部21において図示しない撮像ユニットの観察視野を確保するために、図示しない送気チューブと図2Bに示す送気・送水チューブ85とから流体を送気するときと、図示しない送水チューブと図2Bに示す送気・送水チューブ85とから流体を送水するときに操作される。流体は、水や気体を含む。
送気チューブと、送水チューブと、送気・送水チューブ85とは、内視鏡10の内部において、挿入部20から本体部31と把持部33とを介してユニバーサルコード41にまで配設されている。
[ユニバーサルコード41]
ユニバーサルコード41は、制御装置14に着脱自在な接続コネクタ41aを有している。制御装置14は、内視鏡10を制御する。また制御装置14は、撮像ユニットによって撮像された画像を処理する画像処理部を有している。また制御装置14は、撮像ユニットによって撮像された画像を表示する表示部であるモニタ16と接続している。
[可撓管部25の構成]
図2Aと図2Bと図2Cとに示すように、可撓管部25は、例えば中空形状を有している。図2Aと図2Bとに示すように可撓管部25は、例えば、内蔵物80が内蔵されている螺旋管50と、この螺旋管50の外側に配設され、螺旋管50に積層する網状の網状管60と、この網状管60の外側に配設され、網状管60に積層する外皮70とを有している。網状管60は螺旋管50の外周面を覆い、外皮70は網状管60の外周面を覆う。
このように可撓管部25は螺旋管50と網状管60と外皮70とによって構成されており、可撓管部25はこれらによって3層構造を有することとなる。
なお網状管60は、必ずしも配設される必要はない。よって、可撓管部25は少なくとも螺旋管50と外皮70とによって構成されていればよく、可撓管部25はこれらによって2層構造を有していてもよい。
本実施形態の螺旋管50は、所望の弾発性を有している。この弾発性は、例えば、跳ね返り性、反発弾性、ヒステリシス、バネ性、腰の強さ等を含み、曲がった螺旋管50を略真っ直ぐに戻す性質を有している。
図2Aと図2Cとに示すように、このような螺旋管50は、例えば、帯状の薄板部材50aが螺旋状に巻かれることによって形成されている。つまり、螺旋管50は、弾発性を有する螺旋状の弾性管部材である。そして螺旋管50は、コイルパイプ状に形成されている。なお薄板部材50a自体は、矩形形状を有し、薄く、細長い平板部材である。薄板部材50aは、例えばステンレス鋼材等によって形成される。
薄板部材50aの横断面は、例えば図2Aに示す矩形状、図3Aに示す長円形状、図3Bに示す略円形状、図3Cに示す楕円形状等、種々の形状が許容される。以下、この実施の形態では図2Aに示す矩形状であるものとして説明する。
網状管60は、例えばステンレス鋼材製の複数の素線が束にされた素線束が略円管状に編み込まれることによって、形成されている。網状管60において、素線束同士は、交差され、格子状となっている。
また外皮70は、例えばゴム材などのフレキシブル性を有する樹脂材により網状管60の外側を覆うように略円管状に形成されている。外皮70は、例えばポリウレタンやポリエステル等の熱可塑性エラストマーとその外側のコート層とにより形成されていてもよい。
[螺旋管50の詳細な構成]
図2Aと図2Cとに示すように、螺旋管50は、中心軸Cの長手方向に沿って初張力が付与されている密着巻き部51と、密着巻き部51の両端に配設された疎巻き部53a,53bとを一体的に有する。すなわち、密着巻き部51は先端部51aと基端部51bとを有しており、先端部51aは一方の疎巻き部53aに一体的に連接しており、基端部51bは他方の疎巻き部53bに一体的に連接している。このように、螺旋管50は、螺旋管50の先端から螺旋管50の基端に向かって順に、疎巻き部53aと、密着巻き部51と、疎巻き部53bとを有している。そして密着巻き部51は、螺旋管50の中心軸Cに沿って、疎巻き部53a,53bによって挟持されており、先端部51aと基端部51bとにおいてそれぞれ疎巻き部53a,53bに隣接している。
図2Cに示すように、密着巻き部51及び疎巻き部53a,53bを有する螺旋管50は、薄板部材50aが螺旋状に巻回されることによって形成されている。密着巻き部51及び疎巻き部53a,53bは、1本の同じ薄板部材50aによって一体的に形成されている。
図2Aと図2Cとに示すように、密着巻き部51は、螺旋管50の軸方向において隣り合う薄板部材50a同士が前記した初張力によって隙間がなくなるように互いに密着することによって、形成されている。つまり密着巻き部51において、薄板部材50a同士は、螺旋管50の軸方向において密着している。
これに対して、図2Aと図2Cとに示すように、初張力が付与されていない疎巻き部53a,53bにおいて、疎巻き部53a,53bは、螺旋管50の軸方向において隙間が配設されるように、螺旋管50の軸方向において薄板部材50a同士が互いに離れて配設されることによって、形成されている。つまり疎巻き部53a,53bにおいて、薄板部材50a同士は螺旋管50の軸方向において密着していない。
前記したように、螺旋管50は、弾発性を有している。このため密着巻き部51と疎巻き部53a,53bとは、共に弾発性を有することとなる。しかしながら、密着巻き部51の弾発性は、初張力が密着巻き部51に付与されているため補充されている。よって図2Cに示すように、密着巻き部51の弾発性は、疎巻き部53a,53bの弾発性よりも高い。このため、密着巻き部51の弾発性は、初張力によって疎巻き部53a,53bに比べて、跳ね返り性が強い。言い換えると、図2Cに示すように、疎巻き部53a,53bの弾発性は、初張力が疎巻き部53a,53bに付与されていないため、密着巻き部51の弾発性よりも低くなっている。このため疎巻き部53a,53bの弾発性は、密着巻き部51に比べて、跳ね返り性が弱い。疎巻き部53a,53bの弾発性は、例えば、互いに略同一である。
密着巻き部51は例えば密着コイルバネのように形成され、疎巻き部53a,53bは例えば疎巻きコイルバネのように形成されている。すなわち、密着巻き部51は例えば密着コイルのように形成され、疎巻き部53a,53bは例えば疎巻きコイルのように形成されている。密着巻き部51の先端と湾曲部23の基端との間の距離は、密着巻き部51の基端と操作部30との間の距離よりも小さく形成されていることが好ましい。すなわち密着巻き部51は、操作部30よりも湾曲部23に近接する位置にあることが好ましい。
[初張力]
ここで、この実施の形態で用いられる密着巻き部51に加えられている初張力について説明する。
図4Aに示すように、初張力は、密着巻き部51の中心軸C方向において、密着巻き部51の薄板部材50aの縁部同士を互いに密着させる方向に働く力を示す。言い換えると、初張力は、密着巻き部51の中心軸Cが例えば水平に配置されたときに、密着巻き部51の薄板部材50aの縁部同士が互いに密着した状態を維持し、外力F(例えば重力)に抗して密着巻き部51が曲がり難く略直線状態を維持する力(プレロード)を示す。また、初張力は、密着巻き部51の中心軸Cが例えば垂直に配置されたときに、重力に抗して密着巻き部51の薄板部材50aの縁部同士が密着した状態を維持し、薄板部材50a間に隙間が生じないように維持する力(プレロード)を示す。
例えば、図4Aに示すように、密着巻き部51の中心軸Cが例えば水平に配置された状態で、中心軸Cに向かって外力Fが加えられたとする。このとき、外力Fが初張力を解除する力に達するまで、言い換えると外力Fが初張力を超えるまで、薄板部材50a間に隙間は形成されず、密着巻き部51において曲げは生じない。一方、中心軸Cに向かって加えられた外力Fが図4Bに示すように初張力を解除する力以上になると、言い換えると外力Fが初張力を超えると、密着した薄板部材50a同士の間に隙間が形成され、密着巻き部51において曲げが生じる。したがって、密着巻き部51が曲がり始めるまでは、螺旋管50の曲げ剛性は密着巻き部51に加えられた初張力によって大きい。また、初張力が外力Fによって解除されて、密着巻き部51が曲がり始めると、螺旋管50が有するバネ定数に応じて螺旋管50は曲がる。したがって、例えば大腸等の体腔内(管孔内)に挿入部20が挿入されて、密着巻き部51が一旦曲げられ始めると、密着巻き部51が存在しないような状態で、可撓管部25は曲げられることができる。
このような初張力は、螺旋管50が形成される際、すなわち密着巻き部51が形成される際に、密着巻き部51に付与される。このとき付与される初張力は、例えば薄板部材50aの巻き具合によって適宜に調整することができる。
ここで、螺旋管50の先端は湾曲部23の基端に固定され、螺旋管50の基端は操作部30に固定されている。筒状の外皮70の中心軸Cに沿った軸方向長さは、外皮70が直線状態であっても曲がった状態であっても略不変であり略同一である。よって、外皮70によって覆われている螺旋管50の中心軸Cの長さも、螺旋管50が直線状態であっても曲がった状態であっても略不変であり略同一となる。このため、図4Bに示すように、可撓管部25の中心軸Cに対して外れる方向から外力Fを受けても螺旋管50の全長は殆ど変化しない。
図5Aに示すように、直線状態の螺旋管50の軸方向において、密着巻き部51の中心軸Cに沿った方向の長さをL1、一方の疎巻き部53aの中心軸Cに沿った方向の長さをL2、他方の疎巻き部53bの中心軸Cに沿った方向の長さをL3とし、螺旋管50の中心軸Cの中心軸Cに沿った方向の長さをL4とする。このとき、
L4=L1+L2+L3 ・・・式(1)
となる。
外力Fが図5Aに示す状態の螺旋管50に螺旋管50の中心軸Cに対して外れる方向から加えられ、図5Bに示すように螺旋管50が曲げられるとする。図5Bに示すように、密着巻き部51の中心軸Cに対して内側弧状部分R1の薄板部材50a同士は初張力により当接された状態を維持し、密着巻き部51の中心軸Cに対して外側弧状部分R2の薄板部材50a同士は互いに離される。このため、密着巻き部51の中心軸Cの長さは全体でΔT1だけ伸びる。つまり、密着巻き部51が曲げられた場合、密着巻き部51の中心軸Cの軸方向長さは、L1+ΔT1となる。
密着巻き部51の中心軸Cの軸方向長さは、密着巻き部51が直線状態(図5A参照)と曲がった状態(図5B参照)とを比較すると、ΔT1だけ後者が長い。そして本実施形態では、密着巻き部51を挟持するように疎巻き部53a,53bが配設されている。
このため、図5A及び図5Bに示すように、密着巻き部51が曲げられると、先端側(一方)の疎巻き部53aが直線状態のときに比べて先端側の疎巻き部53aの中心軸Cに沿った方向の薄板部材50aの縁部同士が近づく。すなわち、密着巻き部51が曲げられる際には、先端側の疎巻き部53aでは薄板部材50aの縁部同士の間の隙間が狭まる。このため、先端側の疎巻き部53aの中心軸Cに沿った軸方向長さは、その疎巻き部53aが直線状態のときに比べてΔT2だけ縮む。つまり、密着巻き部51が曲げられた場合、先端側の疎巻き部53aの中心軸Cに沿った軸方向長さは、L2−ΔT2となる。
また図5A及び図5Bに示すように、密着巻き部51が曲げられると、基端側(他方)の疎巻き部53bが直線状態のときに比べて基端側の疎巻き部53bの中心軸Cに沿った方向の薄板部材50aの縁部同士は近づく。すなわち、密着巻き部51が曲げられる際には、基端側の疎巻き部53bでは薄板部材50aの縁部同士の間の隙間が狭まる。このため、基端側の疎巻き部53bの中心軸Cに沿った軸方向長さは、その疎巻き部53bが直線状態のときに比べてΔT3だけ縮む。つまり、密着巻き部51が曲げられた場合、基端側の疎巻き部53bの中心軸Cに沿った軸方向長さは、L3−ΔT3となる。
このとき、図5Bに示すように、曲がっている螺旋管50の中心軸Cの長さをL5とすると、
L5=L1+ΔT1+L2−ΔT2+L3−ΔT3 ・・・式(2)
となる。
ここで、前述したように、螺旋管50の中心軸Cの長さは、螺旋管50が直線状態であっても曲がっている状態であっても、不変であり、同一となる必要がある。つまり、
L4=L5 ・・・式(3)
となる必要がある。
式(3)に、それぞれ前記した式(1),(2)を代入すると、
L1+L2+L3=L1+ΔT1+L2−ΔT2+L3−ΔT3
となり、
ΔT1=ΔT2+ΔT3・・・式(4)
となる。
式(4)を言い換えると、
密着巻き部51の伸び量=「一方の疎巻き部53aの縮み量」+「他方の疎巻き部53bの縮み量」
となる。
このように、密着巻き部51の伸び量は各疎巻き部53a,53bの縮み量を合わせた縮み量と等しくなり、密着巻き部51が伸びた量だけ疎巻き部53a,53bは縮む。つまり、可撓管部25が曲がる際、疎巻き部53a,53bは、螺旋管50の軸方向における密着巻き部51の中心軸Cに沿った方向の伸びに伴う螺旋管50の中心軸Cに沿った方向の伸びを吸収する。したがって、疎巻き部53a,53bは、螺旋管50の中心軸Cに沿った方向の伸びを相殺する。このため、疎巻き部53a,53bが存在することによって、疎巻き部53a,53bに対して高いバネ性を有する密着巻き部51の特性を維持した状態で可撓管部25を滑らかに曲げるようにすることができる。
挿入部20を例えば大腸等の体腔内(管孔内)に挿入していく際、一般に、内視鏡10の使用者は左手で操作部30の本体部31を保持し、右手で可撓管部25を保持しながら挿入部20の先端を体腔内に押し入れていく。
可撓管部25のうち密着巻き部51に相当する位置が直線状態を維持して例えば大腸等の体腔内(管孔内)に可撓管部25が挿入されたときに、密着巻き部51に対して螺旋管50の例えば中心軸Cに沿った方向に対して外れる方向(例えば直交する方向)から付加される外力F(重力を含む)Fが初張力のうちの中心軸Cに対して直交する方向の成分よりも小さい場合、密着巻き部51は高いバネ性により曲がらずに直線状態を維持する。このため、内視鏡10の使用者が右手で保持した可撓管部25の操作力量は、その保持した位置から可撓管部25の先端部(螺旋管50の先端部)に伝えられ、可撓管部25を体腔内に挿入し易くなる。つまり、可撓管部25のうち密着巻き部51に相当する位置は、直線状態を維持でき曲がらずに管孔内に挿入される。
挿入部20の可撓管部25の密着巻き部51に対し、その中心軸Cに沿った方向に対して外れる方向(例えば直交する方向)から付加される外力F(重力を含む)Fが初張力のうちの中心軸Cに対して直交する方向の成分以上の場合、密着巻き部51の高いバネ性に抗して曲がりはじめる。このような外力Fが加えられると、疎巻き部53a,53bの薄板部材50a同士の間隔(隙間)を小さくする。
[内蔵物80]
図2Aと図2Bとに示すように、内蔵物80は、挿入部20と操作部30とに内蔵されている。内蔵物80は、先端硬質部21から湾曲部23と可撓管部25とを介して操作部30にまで内視鏡10を挿通している挿通部材である。内蔵物80は、可撓管部25において、螺旋管50に内蔵され、螺旋管50によって覆われ、螺旋管50を挿通している。詳細には、内蔵物80は、螺旋管50において、密着巻き部51と疎巻き部53a,53bとによって覆われ、密着巻き部51と疎巻き部53a,53bとを挿通している。
内蔵物80は、例えば、照明ユニット(図示しない)と、撮像ユニット(図示しない)と、送気・送水チューブ85(図2B参照)と、処置具挿通チャンネル87(図2B参照)と、湾曲部23を湾曲させる湾曲ワイヤ91(図2Aと図2Bとを参照)と、湾曲ワイヤ91が挿通するワイヤ挿通部材93(図2Aと図2Bと図2Cとを参照)等を有している。
図2Bに示すように、照明ユニットは例えば照明ケーブル81を有しており、撮像ユニットは例えば撮像ケーブル83を有している。
湾曲ワイヤ91の先端は先端硬質部21と接続し、湾曲ワイヤ91の基端は湾曲操作部37と接続している。湾曲操作部37が操作されることで、湾曲ワイヤ91が牽引され、湾曲部23が湾曲する。このように湾曲ワイヤ91は、内視鏡10の作動部として機能する例えば湾曲部23を湾曲作動させる作動部材として機能する。
図2Bに示すように、湾曲ワイヤ91は、複数、例えば2対(複数対)配設されている。これにより、湾曲部23は、例えば、上(U)方向及び下(D)方向の2方向に加えて、左(L)方向及び右(R)方向の2方向の計4方向に湾曲する。なお湾曲ワイヤ91は、複数、上下方向の例えば1対配設されていてもよい。これにより、湾曲部23は、例えば、上(U)方向及び下(D)方向の2方向に湾曲する。
図2Aと図2Bとに示すように、ワイヤ挿通部材93は、螺旋管50に挿入されている。例えば、ワイヤ挿通部材93の基端は本体部31の内部に固定されている固定端であり、ワイヤ挿通部材93の先端は螺旋管50の先端の内部に配設されている自由端である。図2Bに示すように、ワイヤ挿通部材93は、湾曲ワイヤ91と同数、つまり複数配設されている。1本の湾曲ワイヤ91は、1つのワイヤ挿通部材93を挿通する。
ワイヤ挿通部材93は、所望の弾発性を有している。図2Aに示すように、このようなワイヤ挿通部材93は、例えば、線状部材93aが螺旋状に巻かれることによって形成される。つまり、ワイヤ挿通部材93は、弾発性を有する螺旋状の弾性管部材である。このようにワイヤ挿通部材93は、コイルパイプ状に形成されている。線状部材93aは、例えば、ステンレス鋼材等の素線である。ワイヤ挿通部材93の軸方向において、隣り合う線状部材93a同士が互いに密着し、隙間が線状部材93a同士の間に形成されないように、ワイヤ挿通部材93が形成されている。また外力Fがワイヤ挿通部材93に加わると、密着した線状部材93a同士の間に隙間が形成され、ワイヤ挿通部材93において曲げが生じるように、ワイヤ挿通部材93が形成されている。このようなワイヤ挿通部材93は、例えば、密着コイルバネのように形成され、密着コイルのように形成されている。
線状部材93aの横断面は、例えば、図2Aに示す略円形形状を有している。なお線状部材93aの横断面は、例えば、螺旋管50と同様に、矩形状、図3Aに示す長円形状、図3Cに示す楕円形状等、種々の形状が許容される。以下、この実施の形態では図2Aに示す略円形形状であるものとして説明する。
[螺旋管50と内蔵物80との関係]
図2Aと図2Cとに示すように、螺旋管50は、密着巻き部51と疎巻き部53a,53bとが互いに連接している連接部分55を有している。連接部分55は、密着巻き部51の端部51a,51bと、この端部51a,51bと連接している疎巻き部53a,53bの端部531aとを含む。この連接部分55は、薄板部材50aが密着巻き部51から疎巻き部53a,53bに切り替わる、または薄板部材50aが疎巻き部53a,53bから密着巻き部51に切り替わる切り替え部を示す。
螺旋管50が製造される工程において、初張力によって、図2Cに示すように、螺旋管50の弾発性は、密着巻き部51と疎巻き部53a,53bとにおいて異なる。螺旋管50の弾発性は、前記したように、初張力によって、密着巻き部51において高く、疎巻き部53a,53bにおいて低くなる。つまり連接部分55において、螺旋管50の弾発性は急激に変化する。言い換えると、連接部分55は、密着巻き部51における弾発性と疎巻き部53a,53bにおける弾発性とが変化する部分であり、弾発性のばらつきが発生する部分である。
結果として、初張力以下の外力Fが螺旋管50にかかる際、螺旋管50全体は円弧のように所望の割合で曲がらない。つまり、螺旋管50は、疎巻き部53a,53bにおいて曲がり、連接部分55と密着巻き部51とにおいて直線状態を維持する。このように、連接部分55と密着巻き部51とにおいて、曲がり具合が変化する。
また結果として、初張力以上の外力Fが螺旋管50にかかる際、螺旋管50全体は円弧のように所望の割合で曲がらない。つまり、螺旋管50は、疎巻き部53a,53bにおいて大きく曲がり、連接部分55と密着巻き部51とにおいて初張力によって小さく曲がる。このように、連接部分55と密着巻き部51とにおいて、曲がり具合が変化する。
また結果として、螺旋管50を曲げている外力Fが螺旋管50にかからなくなった際、螺旋管50全体は、直線状態に戻らない。螺旋管50は、疎巻き部53a,53bにおいて微小に曲がる略直線状態に戻り、初張力によって連接部分55と密着巻き部51において直線状態に戻る。つまり、連接部分55において、直線具合が変化する。
このため内蔵物80は、図2Aと図2Cとに示すように、螺旋管50の弾発性の急激な変化を抑制するために、螺旋管50の弾発性を螺旋管50に補充するような初張力が付与されている第1の補充領域95aを有している。螺旋管50の弾発性の急激な変化を抑制するために、内蔵物80が螺旋管50に挿入されている状態において、第1の補充領域95aは、例えば連接部分55によって覆われている内蔵物80の被覆部分に配設される。言い換えると、内蔵物80が螺旋管50に挿入されている状態で、第1の補充領域95aは、連接部分55に対してオーバラップするように配設されている。これにより、連接部分55において、螺旋管50の弾発性は、第1の補充領域95aによって補充される。そして、連接部分55において、弾発性のばらつきは抑制され、弾発性の急激な変化は抑制される。また弾発性が補充されている連接部分55は密着巻き部51と同様に曲がるため、連接部分55と密着巻き部51とは円弧のように所望の割合で曲がる。また、連接部分55を曲げている外力Fが連接部分55にかからなくなった際、連接部分55は第1の補充領域95aによって直線状態に戻る。
また図2Aと図2Cとに示すように、螺旋管50の弾発性のばらつきを抑制し、螺旋管50の弾発性が螺旋管50全体に渡って略均一となるように、内蔵物80が螺旋管50に挿入されている状態において、第1の補充領域95aは、例えば疎巻き部53a,53bによって覆われている内蔵物80の被覆部分にさらに配設される。言い換えると、内蔵物80が螺旋管50に挿入されている状態において、第1の補充領域95aは、疎巻き部53a,53bに対してオーバラップするように配設されている。これにより、疎巻き部53a,53bにおいて、螺旋管50の弾発性は、第1の補充領域95aによって補充される。そして、螺旋管50において、弾発性のばらつきは抑制され、弾発性の急激な変化は抑制され、弾発性は略均一となる。また弾発性が補充されている疎巻き部53a,53bは連接部分55と密着巻き部51と同様に曲がるため、疎巻き部53a,53bと連接部分55と密着巻き部51とは円弧のように所望の割合で曲がる。つまり螺旋管50全体は、曲がり具合が変化することなく、円弧のように所望の割合で曲がる。また、疎巻き部53a,53bを曲げている外力Fが疎巻き部53a,53bに掛からなくなった際、疎巻き部53a,53bは第1の補充領域95aによって直線状態に戻る。
また可撓管部25が曲がった際に、内蔵物80の軸方向において内蔵物80が螺旋管50に対してずれる虞が生じる。このとき、例えば第1の補充領域95aは、疎巻き部53a,53bから連接部分55にずれて連接部分55に覆われる。これにより、前記同様に、連接部分55において、螺旋管50の弾発性は、第1の補充領域95aによって補充される。そして、連接部分55において、弾発性のばらつきは抑制され、弾発性の急激な変化は抑制される。また弾発性が補充されている連接部分55は密着巻き部51と同様に曲がるため、連接部分55と密着巻き部51とは円弧のように所望の割合で曲がる。また、連接部分55を曲げている外力Fが連接部分55にかからなくなった際、連接部分55は第1の補充領域95aによって直線状態に戻る。
また図2Aと図2Cとに示すように、内蔵物80が螺旋管50に挿入されている状態において、可撓管部25が曲がった際に内蔵物80の軸方向において内蔵物80が螺旋管50に対してずれたとしても、螺旋管50の弾発性のばらつきを抑制し、螺旋管50の弾発性が螺旋管50全体に渡って略均一となるように、第1の補充領域95aは、密着巻き部51の端部51a,51bに覆われている内蔵物80の被覆部分にさらに配設される。言い換えると、内蔵物80が螺旋管50に挿入されている状態において、第1の補充領域95aは、この端部51a,51bに挿入され、この端部51a,51bに対してオーバラップするように配設されている。
可撓管部25が曲がった際に、内蔵物80の軸方向において内蔵物80が螺旋管50に対してずれる虞が生じる。このとき、例えば第1の補充領域95aが端部51a,51bから連接部分55にずれて連接部分55に覆われる。これにより、前記同様に、連接部分55において、螺旋管50の弾発性は、第1の補充領域95aによって補充される。そして、連接部分55において、弾発性のばらつきは抑制され、弾発性の急激な変化は抑制される。また弾発性が補充されている連接部分55は密着巻き部51と同様に曲がるため、連接部分55と密着巻き部51とは円弧のように所望の割合で曲がる。また、連接部分55を曲げている外力Fが連接部分55にかからなくなった際、連接部分55は第1の補充領域95aによって直線状態に戻る。
つまり図2Aと図2Cとに示すように、第1の補充領域95aは、疎巻き部53a,53bよりも長く、疎巻き部53a,53bを挿通し、密着巻き部51に挿入されている。特に、第1の補充領域95aは、密着巻き部51の端部51a,51bの内部に配設されている。
第1の補充領域95aにおいて、初張力は、中心軸Cの長手方向に沿って付与されている。第1の補充領域95aに付与される初張力は、例えば、密着巻き部51に付与される初張力と略同一であるため、ここでは詳細な説明は省略する。第1の補充領域95aに付与される初張力の大きさは、例えば、一定であり、密着巻き部51に付与される初張力の大きさと略同一である。
[第1の補充領域95aを有する内蔵物80の一例]
このような第1の補充領域95aを有する内蔵物80の一例について、以下に説明する。この一例として、例えば、ワイヤ挿通部材93が挙げられる。
この場合、図2Aと図2Cとに示すように、第1の補充領域95aは、ワイヤ挿通部材93が螺旋管50に挿入されている状態において、少なくとも連接部材によって覆われるように少なくとも1つのワイヤ挿通部材93に配設されている。第1の補充領域95aが配設されているワイヤ挿通部材93には、例えば、上(U)方向の湾曲ワイヤ91が挿通していることが好適である。
第1の補充領域95aが配設されているワイヤ挿通部材93の構成について、以下に説明する。
図2Aと図2Cとに示すように、このワイヤ挿通部材93は、初張力が付与されていない第2の補充領域95bと、第2の補充領域95bの両端に配設されている第1の補充領域95aとを有している。第2の補充領域95bは先端部と基端部とを有しており、この先端部は一方の第1の補充領域95aに一体的に連接しており、この基端部は他方の第1の補充領域95aに一体的に連接している。このように、ワイヤ挿通部材93は、ワイヤ挿通部材93の先端から基端に向かって順に、一方の第1の補充領域95aと、第2の補充領域95bと、他方の第1の補充領域95aとを有している。そして第2の補充領域95bは、ワイヤ挿通部材93の中心軸Cに沿って、第1の補充領域95aによって挟持されており、先端部と基端部とにおいてそれぞれ第1の補充領域95aに隣接している。
前記したように第1の補充領域95a及び第2の補充領域95bを有するワイヤ挿通部材93は、図2Aに示すように、線状部材93aが螺旋状に巻かれることによって形成されている。第1の補充領域95a及び第2の補充領域95bは、1本の同じ線状部材93aによって一体的に形成されている。
図2Aに示すように、初張力が付与されているため、第1の補充領域95aにおいてワイヤ挿通部材93は密着巻き部51と略同一の構成を有している。つまり、第1の補充領域95aでは、ワイヤ挿通部材93は、ワイヤ挿通部材93の軸方向において隣り合う線状部材93a同士が前記した初張力によって互いに密着し、隙間が線状部材93a同士の間に形成されないように、形成されている。また第1の補充領域95aでは、初張力よりも小さい外力Fが第1の補充領域95aに加わっても、線状部材93a同士の間に隙間は形成されず、第1の補充領域95aにおいて曲げは生じない。初張力よりも大きい外力Fが第1の補充領域95aに加われると、密着した線状部材93a同士の間に隙間が形成され、第1の補充領域95aにおいて曲げが生じる。
また図2Aに示すように、第2の補充領域95bでは、ワイヤ挿通部材93は、前記したように、ワイヤ挿通部材93の軸方向において隣り合う線状部材93a同士が互いに密着し、隙間が線状部材93a同士の間に形成されないように、形成されている。しかしながら、初張力が付与されていない第2の補充領域95bでは、初張力の大きさに関係なく、外力Fが第2の補充領域95bに加わると、密着した線状部材93a同士の間に隙間が形成され、第2の補充領域95bにおいて曲げが生じる。
このように第1の補充領域95aは初張力が付与された密着巻き部として形成され、第2の補充領域95bは初張力が付与されていない密着巻き部として形成される。なお、第1の補充領域95aと第2の補充領域95bとを図面上明確に区別するために、ワイヤ挿通部材93において、第1の補充領域95aを黒塗りで表し、第2の補充領域95bを白塗りで表す。
前記したように、ワイヤ挿通部材93は、弾発性を有している。このため第1の補充領域95aと第2の補充領域95bとは、共に弾発性を有することとなる。しかしながら、第1の補充領域95aの弾発性は、初張力が第1の補充領域95aに付与されているため補充されており、図2Cに示すように第2の補充領域95bの弾発性よりも高い。このため、第1の補充領域95aは、初張力によって第2の補充領域95bに比べて、硬く曲がりにくい。言い換えると、図2Cに示すように、また第2の補充領域95bの弾発性は、初張力が第1の補充領域95aに付与されているため、第1の補充領域95aの弾発性よりも低くなっている。このため第2の補充領域95bは、第1の補充領域95a密着巻き部51に比べて、柔らかく曲がり易い。
第1の補充領域95a及び第2の補充領域95bは例えば密着コイルバネにより構成され、すなわち、第1の補充領域95a及び第2の補充領域95bは例えば密着コイルで形成されている。
[螺旋管50と、第1の補充領域95aと第2の補充領域95bとが配設されているワイヤ挿通部との相対的な位置関係]
前記したように、図2Aと図2Cとに示すように、螺旋管50において、螺旋管50の先端から螺旋管50の基端に向かって順に、疎巻き部53aと、密着巻き部51と、疎巻き部53bとが配設されている。
また前記したように、図2Aと図2Cとに示すように、ワイヤ挿通部材93において、ワイヤ挿通部材93の先端から基端に向かって順に、一方の第1の補充領域95aと、第2の補充領域95bと、他方の第1の補充領域95aとが配設されている。
図2Cに示すように、ワイヤ挿通部材93が螺旋管50に挿入されている状態において、第1の補充領域95aは連接部分55に覆われ、第2の補充領域95bは密着巻き部51によって覆われている。この状態において、第1の補充領域95aは、疎巻き部53a,53bによってさらに覆われている。またこの状態において、第1の補充領域95aは、密着巻き部51の端部51a,51bによってさらに覆われている。
つまり、図2Aと図2Cとに示すように、ワイヤ挿通部材93の第1の補充領域95aは、疎巻き部53a,53bよりも長く、疎巻き部53a,53bを挿通し、密着巻き部51に挿入されている。ワイヤ挿通部材93の第1の補充領域95aは、密着巻き部51の端部51a,51bの内部に配設されている。
ワイヤ挿通部材93の第2の補充領域95bは、密着巻き部51よりも短く、密着巻き部51に挿入・収納されている。
[作用]
本実施形態では、螺旋管50は、初張力が付与された密着巻き部51と、疎巻き部53a,53bとを有している。可撓管部25は、このような螺旋管50を有している。
そしてこの可撓管部25が曲がりくねった大腸等の体腔内(管孔内)に挿抜される際、可撓管部25は体腔内の屈曲部から外力Fを受ける。
[作用1]
外力Fが初張力以下であれば、弾発性が高い密着巻き部51は、初張力によって曲がらずに直線状態を維持する。
同時に、弾発性が低い連接部分55と疎巻き部53a,53bとは、外力Fによって曲がろうとする。しかしながら本実施形態では、連接部分55と疎巻き部53a,53bとの内部には、初張力が付与されている第1の補充領域95aが配設されている。詳細には、ワイヤ挿通部材93の第1の補充領域95a(密着巻き部51)は、連接部分55と疎巻き部53a,53bとにオーバラップするように覆われている。このため、弾発性が低い連接部分55と疎巻き部53a,53bとは、初張力が付与されている第1の補充領域95aによって、弾発性を補充されている。よって、連接部分55と疎巻き部53a,53bとにおいて、弾発性は、密着巻き部51のように強くなる。そして、外力Fが初張力以下であれば、弾発性が補充された連接部分55と疎巻き部53a,53bとは、初張力が付与されている第1の補充領域95aによって、密着巻き部51と同様に曲がらずに直線状態を維持する。
このように、可撓管部25は、密着巻き部51と第1の補充領域95aとによって、可撓管部25の全長に渡って、初張力を付与されていることとなる。よって、可撓管部25の弾発性は、可撓管部25全体に渡って略均一となる。結果として、可撓管部25は、密着巻き部51と、第1の補充領域95aとによって曲がらず直線状態を維持する。これにより曲げ量は0となり、挿抜のための力は可撓管部25に伝わり、可撓管部25は体腔内に挿抜しやすくなる。
つまり可撓管部25は、密着巻き部51と第1の補充領域95aとによって、直線状態を維持でき曲がらずに体腔内に挿入される。このように可撓管部25の挿抜性は、向上する。
[作用2]
また外力Fが初張力以上であると、初張力が付与され、弾発性が高い密着巻き部51であっても、密着巻き部51は曲がる。
同時に、第1の補充領域95aによって初張力が付与され、弾発性を補充されている連接部分55と疎巻き部53a,53bとも、密着巻き部51と同様に曲がる。連接部分55と疎巻き部53a,53bとにおいて、螺旋管50の弾発性は第1の補充領域95aによって補充されている。このため螺旋管50全体において、弾発性のばらつきは抑制され、弾発性の急激な変化は抑制され、弾発性は略均一となる。よって螺旋管50全体は、円弧のように所望の割合で滑らかに曲がる。これにより、螺旋管50は曲がりくねっている大腸に沿って挿抜され、可撓管部25は体腔内に挿抜しやすくなる。このように可撓管部25の挿抜性は、向上する。
このとき、可撓管部25は、曲がっているため、屈曲している大腸に当接しても、大腸を強く押すことはなく大腸に高いテンションを与えず、患者に負担をかけることはない。
[作用3]
前記したように、螺旋管50において、密着巻き部51の弾発性は初張力によって強く、疎巻き部53a,53bの弾発性は低い。よって、可撓管部25全体が体腔内の屈曲部から外力Fを受ける際、密着巻き部51は外力Fに反して屈曲部を大きく押し上げ(跳ね返し)、連接部分55と疎巻き部53a,53bとは外力Fに反して屈曲部を小さく押し上げる(跳ね返す)。このように弾発性によって、密着巻き部51における押し上げ力は、疎巻き部53a,53bにおける押し上げ力よりも強くなる。よって螺旋管50において押し上げ力はばらつきが生じ、螺旋管50は屈曲部を螺旋管50全体で均等の力で押し返すことができず、可撓管部25の挿抜性は、低下する。
しかしながら本実施形態では、前記したように、連接部分55と疎巻き部53a,53bとの内部には、初張力が付与されている第1の補充領域95aが配設されている。詳細には、ワイヤ挿通部材93の第1の補充領域95a(密着巻き部51)は、連接部分55と疎巻き部53a,53bとにオーバラップするように覆われている。このため、弾発性が低い連接部分55と疎巻き部53a,53bとは、初張力が付与されている第1の補充領域95aによって、弾発性を補充されている。よって、連接部分55と疎巻き部53a,53bとにおいて、弾発性は、密着巻き部51のように強くなる。よって螺旋管50において押し上げ力は略均一となり、螺旋管50は屈曲部を螺旋管50全体で均等の力で押し返し、可撓管部25の挿抜性は、向上する。
[作用4]
また外力Fがかからなくなると、弾発性が高い密着巻き部51は、直線状態に戻る。また第1の補充領域95aによって初張力が付与され、弾発性を補充されている連接部分55と疎巻き部53a,53bとも、密着巻き部51と同様に直線状態に戻る。このように、可撓管部25全体は、直線状態に戻る。
[作用5]
第1の補充領域95aは、疎巻き部53a,53bよりも長く、疎巻き部53a,53bを挿通し、密着巻き部51に挿入されている。また第1の補充領域95aは、密着巻き部51の端部51a,51bの内部に配設されている。
この状態において、可撓管部25が曲がった際に、内蔵物80の軸方向において内蔵物80が螺旋管50に対してずれる可能性が生じる。
このとき、例えば第1の補充領域95aは、疎巻き部53a,53bから連接部分55にずれて連接部分55に覆われる。または、例えば第1の補充領域95aが端部51a,51bから連接部分55にずれて連接部分55に覆われる。これにより、前記同様に、連接部分55において、螺旋管50の弾発性は、第1の補充領域95aによって補充される。そして、連接部分55において、弾発性のばらつきは抑制され、弾発性の急激な変化は抑制される。よって、前記同様に、連接部分55は、外力Fが初張力以下であれば、曲がらずに直線状態を維持する。また連接部分55は、外力Fが初張力以上であれば、円弧のように所望の割合で滑らかに曲がる。また、連接部分55を曲げている外力Fが連接部分55に掛からなくなった際、連接部分55は直線状態に戻る。
[効果]
このように本実施形態では、図2Aと図2Cとに示すように、内蔵物80は螺旋管50の弾発性を螺旋管50に補充するような初張力が付与されている第1の補充領域95aを有しており、第1の補充領域95aは弾発性が低い連接部分55と疎巻き部53a,53bとにオーバラップするように覆われている。
よって、本実施形態では、図2Cに示すように、螺旋管50の弾発性にばらつきが生じていても、第1の補充領域95aによって、弾発性が低い例えば連接部分55と疎巻き部53a,53bとに弾発性を補充でき、弾発性のばらつきを抑制でき、可撓管部25の弾発性を、可撓管部25全体に渡って略均一にできる。
また本実施形態では、外力Fが初張力以下であれば、可撓管部25を、密着巻き部51と第1の補充領域95aとによって、直線状態を維持した状態で曲げずに体腔内に挿入できる。また外力Fが初張力以上であれば、可撓管部25を円弧のように所望の割合で滑らかに曲げることができる。このように本実施形態では、可撓管部25の挿抜性を向上できる。
また本実施形態では、第1の補充領域95aによって、螺旋管50において押し上げ力を略均一にでき、螺旋管50によって屈曲部を螺旋管50全体で均等の力で押し返すことができ、可撓管部25の挿抜性を向上できる。
また本実施形態では、外力Fがかからなくなると、第1の補充領域95aによって、可撓管部25全体を直線状態に戻すことができる。
また本実施形態では、このような可撓管部25を挿入部20に有する内視鏡10を提供できる。
また可撓管部25の弾発性を高める場合、螺旋管50の肉厚や外皮70の肉厚を厚くすることが考えられる。しかしながら、この場合、可撓管部25の外径が大きくなり、可撓管部25が太くなり、挿抜性が低下し、患者に痛みを与える虞が生じる。また可撓管部25の外径が変わらない場合、可撓管部25の内径が小さくなり、可撓管部25の内部空間が狭まり、可撓管部25の内部に配設されている内蔵物80が圧迫され、可撓管部25の可撓性が低下する虞が生じる。また可撓管部25毎に、弾発性のばらつきが生じる。
しかしながら本実施形態では、第1の補助域は、内蔵物80、例えばワイヤ挿通部材93に配設されている。これにより、本実施形態では、螺旋管50の肉厚や外皮70の肉厚を厚くする必要がなく、可撓管部25の外径が変わることを防止でき、可撓管部25が太くなることを防止でき、患者に痛みを与えることを防止できる。また本実施形態では、内部空間が狭まらず、可撓管部25の内部に配設されている内蔵物80が圧迫されず、可撓管部25の可撓性は低下を防止できる。また本実施形態では、可撓管部25の内部の充填率を上げることなく、可撓管部25の構成を変えることなくてすむ。本実施形態では、このような状態で、弾発性が低い部分に弾発性を補充でき、可撓管部25の挿抜性を向上できる。
また本実施形態では、第1の補充領域95aが配設されているワイヤ挿通部材93には、例えば、図2Aに示すように上(U)方向の湾曲ワイヤ91が挿通していることが好適である。一般的に、術者は、湾曲部23を上方向に湾曲させることが多い。よって、術者が湾曲させる方向において、弾発性を補充でき、可撓管部25の挿抜性を向上できる。そして本実施形態では、術者の好みに合った方向に弾発性が補充されている可撓管部25を提供できる。
また本実施形態では、図2Aと図2Cとに示すように、第1の補充領域95aは、疎巻き部53a,53bよりも長く、疎巻き部53a,53bを挿通し、密着巻き部51に挿入されている。また第1の補充領域95aは、密着巻き部51の端部51a,51bの内部に配設されている。
よって、可撓管部25が曲がって、内蔵物80の軸方向において内蔵物80が螺旋管50に対してずれたとしても、第1の補充領域95aは、疎巻き部53a,53bから連接部分55にずれて連接部分55に覆われる、または、例えば第1の補充領域95aが端部51a,51bから連接部分55にずれて連接部分55に覆われる。よって本実施形態では、前記したように、連接部分55は、外力Fが初張力以下であれば曲げずに直線状態を維持できる。外力Fが初張力以上であれば、円弧のように所望の割合で滑らかに曲がることができる。
なお、本実施形態では、螺旋管50は1つの密着巻き部51を有する例について説明したが、図6Aに示すように螺旋管50は複数(例えば2つから3つ)の密着巻き部51を有していても良い。密着巻き部51が3つ配設される場合、螺旋管50は、螺旋管50の先端側から螺旋管50の基端側に向かって順に、疎巻き部53、密着巻き部51、疎巻き部53、密着巻き部51、疎巻き部53、密着巻き部51、疎巻き部53を有する構造を有する。しかし、疎巻き部53の位置は、これに限定される必要は無い。疎巻き部53は、密着巻き部51の少なくとも一端に配設されていればよい。
そして螺旋管50に対応するように、図6Aに示すように、第1の補充領域95aと第2の補充領域95bとが配設されていればよい。つまり、ワイヤ挿通部材93が螺旋管50に挿入されている状態において、第1の補充領域95aは連接部分55と疎巻き部53と密着巻き部51の端部51a,51bとによって覆われ、第2の補充領域95bは密着巻き部51によって覆われていればよい。
また密着巻き部51に付与されている初張力の大きさと、第1の補充領域95aに付与されている初張力の大きさとの関係と、各第1の補充領域95aに付与されている初張力の大きさ同士の関係とは、例えば、術者の使用に応じて適宜自在に調整すればよい。
また例えば、第1の補充領域95aと第2の補充領域95bとが配設されているワイヤ挿通部材93が複数配設されている場合、一方のワイヤ挿通部材93の第1の補充領域95aと、他方のワイヤ挿通部材93の第1の補充領域95aとにおいて、前者の領域に付与されている初張力の大きさは、後者の領域に付与されている初張力の大きさよりも小さくてもよいし略同一であってもよく、術者の使用に応じて適宜自在に調整すればよい。
また初張力は、第1の補充領域95aのみに付与されているが、これに限定する必要はない。図6Bに示すように、第1の補充領域95aに付与されている初張力の大きさが第2の補充領域95bに付与されている初張力の大きさよりも大きければ、初張力は、第1の補充領域95aと第2の補充領域95bとに付与されていてもよい。
つまり第1の補充領域95aが配設されるワイヤ挿通部材93は、第1の補充領域95aと、第1の補充領域95aに付与されている初張力よりも低い初張力が付与されている、または初張力が付与されていない第2の補充領域95bとを有している。この第2の補充領域95bは、ワイヤ挿通部材93が螺旋管50に挿入されている状態において密着巻き部51によって覆われている。
また例えば第1の補充領域95aにおいて、初張力の大きさは、一定にする必要はなく、ワイヤ挿通部材93の軸方向において変化していてもよい。この場合、初張力は、例えば、ワイヤ挿通部材93の軸方向において、徐々に連続して大きくなってもよい。図6Cに示すように、例えば、初張力は、ワイヤ挿通部材93の軸方向且つ連接部分55において、疎巻き部53aに該当する部分から密着巻き部51に該当する部分に向かって徐々に低下してもよい。なお、初張力は、例えば、ワイヤ挿通部材93の軸方向において、図示はしないが段階的に大きくなってもよい。この点は、例えば密着巻き部51や第2の補充領域95bに付与されている初張力の大きさについても同様である。また初張力は、第1の補充領域95aの少なくとも一部に付与されていてもよい。初張力は、第2の補充領域95bの少なくとも一部に付与されていてもよい。また初張力は、密着巻き部51の少なくとも一部に付与されていても良い。
また少なくとも1つのワイヤ挿通部材93は、第1の補充領域95aがワイヤ挿通部材93全体に配設されるように、第1の補充領域95aのみを有していてもよい。また第1の補充領域95aが配設されているワイヤ挿通部材93において、初張力が付与されていなければ、第2の補充領域95bは疎巻き部53a,53bのように形成されていてもよい。
また例えば、第1の補充領域95aが配設されていないワイヤ挿通部材93は、例えば、疎巻き部53a,53bと、初張力が付与されていない密着巻き部51(第2の補充領域95b)との少なくとも一方を有していればよい。
第1の補充領域95aと第2の補充領域95bとが配設されているワイヤ挿通部材93において、外径は均一である。この点は、内径も同様である。
なお図6Dに示すように、ワイヤ挿通部材93の内径は、第1の補充領域95aと第2の補充領域95bとにおいて異なっていてもよい。例えば、第2の補充領域95bにおける内径は、第1の補充領域95aにおける内径よりも大きい。本実施形態では、ワイヤ挿通部材93において、第2の補充領域95bは、密着巻き部51によって覆われているため、疎巻き部53a,53b側に覆われている第1の補充領域95aにおけるに比べて螺旋管50に対して多く摺動する。これに伴い、第2の補充領域95bは、第1の補充領域95aに比べて、湾曲ワイヤ91に対して多く摺動する。よって、第2の補充領域95bにおける内径は第1の補充領域95aにおける内径よりも大きくすることで、摺動に伴う湾曲ワイヤ91の劣化は防止され、湾曲ワイヤ91の耐久性は向上する。
なおこのような内径の変化は、例えば、第2の補充領域95bにおける線状部材93aの径が第1の補充領域95aにおける線状部材93aの径と異なることで、構成される。この場合、例えば、第1の補充領域95aの端部と第2の補充領域95bの端部とは、図示しない棒状部材が螺旋状の線状部材93aを挿通した状態で、互いにロー付けによって一体化する。棒状部材は、線状部材93aとは異なる材質によって形成されている。棒状部材は、例えば金属のメッキが施された棒状部材や金属製の棒状部材である。棒状部材は、ローがワイヤ挿通部材93の内部に残留することを防止する。
また内径の変化は、例えば、第2の補充領域95bにおける線状部材93aの形状が第1の補充領域95aにおける線状部材93aの形状と異なることで、構成されてもよい。この場合、例えば、第1の補充領域95aの端部と第2の補充領域95bの端部とは、前記したように一体化する。
また内径の変化は、第1の補充領域95aにおけるワイヤ挿通部材93の内周面をコーティングすることで構成されてもよい。
また、前記した摺動に伴う湾曲ワイヤ91の劣化を防止するために、第1の補充領域95aにおけるワイヤ挿通部材93の内周面の摩擦係数と、第2の補充領域95bにおけるワイヤ挿通部材93の摩擦係数とは互いに異なり、このために例えば内周面がコーティングされてもよい。
第1の補充領域95aを有する内蔵物80は、ワイヤ挿通部材93を挙げたが、これに限定する必要はなく、例えば送気・送水チューブ85であってもよい。この場合、送気・送水チューブ85は、例えば、図6Eに示すように、初張力が付与されることで第1の補充領域95aが配設される密着巻き部を装着すればよい。この密着巻き部は、線状部材93aが螺旋状に巻かれることによって形成されている。密着巻き部は、送気・送水チューブ85を巻回するように送気・送水チューブ85に配設されている。密着巻き部は、例えば密着コイルバネにより構成され、密着コイルのように形成されている。密着巻き部は、ワイヤ挿通部材93の軸方向において隣り合う線状部材同士が前記した初張力によって互いに密着し、隙間が線状部材同士の間に形成されないように、形成されている。
このような密着巻き部51は、内蔵物80である照明ケーブル81等に巻回するように配設されていてもよい。
また内蔵物80は、第1の補充領域95aを有する棒状部材を有していてもよい。
作動部は、湾曲部23に限定する必要はなく、例えば、側視型の内視鏡10における処置具起上台や、撮像ユニットにおけるズーム機構であってもよい。この場合、内蔵物80は、処置具起上台を起上させる起上ワイヤや、ズーム機構を操作する湾曲ワイヤと、これらが挿通するワイヤ挿通部材とを有する。ワイヤ挿通部材93において説明した内容は、これらワイヤ挿通部材にも適用可能である。
本発明は、上記実施形態そのままに限定されるものではなく、実施段階ではその要旨を逸脱しない範囲で構成要素を変形して具体化できる。また、上記実施形態に開示されている複数の構成要素の適宜な組み合せにより種々の発明を形成できる。
10…内視鏡、20…挿入部、25…可撓管部、50…螺旋管、50a…薄板部材、51…密着巻き部、53a,53b…疎巻き部、55…連接部分、60…網状管、70…外皮、80…内蔵物、91…湾曲ワイヤ、93…ワイヤ挿通部材、93a…線状部材、95a…第1の補充領域、95b…第2の補充領域。

Claims (10)

  1. 内蔵物が内蔵されて、さらに所望の弾発性を有している螺旋管を有する内視鏡の可撓管部であって、
    前記螺旋管は、
    初張力が付与されている密着巻き部と、
    前記密着巻き部の少なくとも一端に連接されている疎巻き部と、
    を具備し、
    前記内蔵物は、前記密着巻き部と前記疎巻き部とが互いに連接する連接部分によって覆われ、前記螺旋管の前記弾発性を前記螺旋管に補充するような前記初張力が付与されている第1の補充領域を有することを特徴とする内視鏡の可撓管部。
  2. 前記内蔵物は、前記内視鏡の湾曲部を湾曲させる湾曲ワイヤが挿通するワイヤ挿通部材を有し、
    前記ワイヤ挿通部材は、線状部材が螺旋状に巻かれることによって形成されており、複数配設され、
    前記第1の補充領域は、前記ワイヤ挿通部材が前記螺旋管に挿入されている状態において、少なくとも前記連接部分によって覆われるように少なくとも1つの前記ワイヤ挿通部材に配設されていることを特徴とする請求項1に記載の内視鏡の可撓管部。
  3. 前記第1の補充領域は、前記ワイヤ挿通部材が前記螺旋管に挿入されている状態において前記疎巻き部によってさらに覆われていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡の可撓管部。
  4. 前記第1の補充領域は、前記ワイヤ挿通部材が前記螺旋管に挿入されている状態において前記密着巻き部の端部によってさらに覆われていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡の可撓管部。
  5. 前記第1の補充領域が配設される前記ワイヤ挿通部材は、前記第1の補充領域に付与されている前記初張力よりも低い前記初張力が付与されている、または前記初張力が付与されていない第2の補充領域を有し、
    前記第2の補充領域は、前記ワイヤ挿通部材が前記螺旋管に挿入されている状態において前記密着巻き部によって覆われていることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡の可撓管部。
  6. 前記ワイヤ挿通部材の内径は、前記第1の補充領域と前記第2の補充領域とにおいて異なっていることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡の可撓管部。
  7. 前記第2の補充領域における前記内径は、前記第1の補充領域における前記内径よりも大きいことを特徴とする請求項6に記載の内視鏡の可撓管部。
  8. 前記第1の補充領域における前記ワイヤ挿通部材の内周面の摩擦係数と、前記第2の補充領域における前記ワイヤ挿通部材の内周面の摩擦係数とは、互いに異なることを特徴とする請求項5に記載の内視鏡の可撓管部。
  9. 前記第1の補充領域において、前記初張力の大きさは、前記ワイヤ挿通部材の軸方向において変化していることを特徴とする請求項2に記載の内視鏡の可撓管部。
  10. 管腔に挿入される挿入部を有する内視鏡であって、
    前記挿入部は、請求項1に記載の可撓管部を有することを特徴とする内視鏡。
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