JP2010104668A - 内視鏡軟性部、内視鏡及び内視鏡軟性部の製造方法 - Google Patents

内視鏡軟性部、内視鏡及び内視鏡軟性部の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】内視鏡軟性部の径を太くすることなく、剛性を確保することができる内視鏡軟性部、内視鏡及び内視鏡軟性部の製造方法を得る。
【解決手段】内視鏡軟性部30は、金属製の帯状部材を螺旋状に巻いて成形した螺旋管32と、螺旋管32の外周に金属製の細線(線材)を編組みして成形した環状の網状管34と、網状管34の外周にフッ素ゴム又はシリコーンゴムからなる外皮層36と、を備えている。螺旋管32は、長手方向両側から圧縮することによって初期テンションが付与されており、網状管34が固定部38により螺旋管32の長手方向両端に固定され、螺旋管32の長手方向の伸びが規制されている。
【選択図】図4

Description

本発明は、内視鏡軟性部、この内視鏡軟性部を備えた内視鏡、及び内視鏡軟性部の製造方法に関する。
内視鏡に設けられた長尺状の軟性部には、患者の屈曲した体腔内に挿入するために良好な可撓性能が求められるが、それと同時に患者の体腔内への挿入操作をするために、適度な剛性が確保されている必要がある。
従来の内視鏡用鉗子チューブは、例えば、可撓性と剛性とをバランス良く持たせるために、ステンレスで形成された螺旋管の内部に各種内容物を配置し、その外周に金属網を配設し、さらにその外側にポリウレタン等の樹脂にてコートしているものが開示されている。このような内視鏡用鉗子チューブでは、螺旋管は曲げ剛性が低いため、良好な可撓性能が実現できる。また、挿入操作に必要な剛性は外皮であるポリウレタン等の樹脂にて確保している。このように、ポリウレタンは適度な剛性と伸縮性をもつため内視鏡の軟性部に非常に適した素材であるが、高温高圧蒸気で加水分解してしまうため、オートクレーブ滅菌時の耐性が低い。
一方、特許文献1及び特許文献2では、内視鏡の軟性部に剛性を付加する構造として、コイルばねを軟性部の内部に配置し、このコイルばねの内部に挿通されたワイヤーを引っ張ることにより圧縮テンションを与え、剛性を変化させている。
特開平10−276965号公報 特開平10−33464号公報
特許文献1及び特許文献2のような構造では、軟性部の剛性のコントロールは容易にできるが、硬度を変化させるコイルばねやワイヤー等の部材を軟性部内に配置する必要があることから、軟性部内にこれらを配置するスペースを確保する必要がある。このため、軟性部の径が太くなってしまい、細径が要求される経鼻内視鏡や気管支鏡などの細いタイプの内視鏡の軟性部では採用することが難しい。
本発明は上記事実を考慮し、内視鏡軟性部の径を太くすることなく、剛性を確保することができる内視鏡軟性部、内視鏡及び内視鏡軟性部の製造方法を得ることが目的である。
請求項1に記載の発明に係る内視鏡軟性部は、帯状部材を螺旋状に巻いて成形した螺旋管と、前記螺旋管の外周に設けられ、長手方向に圧縮して初期テンションが付与された前記螺旋管の長手方向の伸びを規制した規制部と、を有している。
請求項1に記載の発明によれば、帯状部材を螺旋状に巻いて螺旋管が形成されている。螺旋管は長手方向に圧縮して初期テンションが付与されており、螺旋管の外周に設けられた規制部によって、螺旋管の長手方向の伸びが規制されている。この内視鏡軟性部では、螺旋管に初期テンションを付与して規制部で規制することによって、内視鏡軟性部を曲げたときに曲げ方向内側部分に圧縮により反力が発生する。これによって、内視鏡軟性部の径を太くすることなく、内視鏡軟性部の曲げ剛性を確保することができる。
請求項2に記載の発明は、請求項1に記載の内視鏡軟性部において、前記螺旋管の圧縮率を変化させることにより、曲げ剛性を変化させたものである。
請求項2に記載の発明によれば、螺旋管を長手方向に圧縮する際、螺旋管の圧縮率を変化させることにより、内視鏡軟性部の曲げ剛性を容易に変化させることができる。
請求項3に記載の発明は、請求項1又は請求項2に記載の内視鏡軟性部において、前記螺旋管の圧縮率を圧縮長/自由長で表したときに、前記螺旋管の圧縮率が20%〜75%の範囲であるものとする。
請求項3に記載の発明によれば、螺旋管の圧縮率を圧縮長/自由長で表したときに、螺旋管の圧縮率を20%〜75%の範囲に設定することで、内視鏡軟性部の適切な曲げ剛性を確保することができる。
請求項4に記載の発明は、請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の内視鏡軟性部において、前記規制部が、前記螺旋管の外周に細線を編組みして環状に成形した網状管と、前記網状管を前記螺旋管の長手方向両端に固定した固定部と、を含んで構成されている。
請求項4に記載の発明によれば、螺旋管の外周に細線を編組みして環状の網状管が形成されており、網状管を固定部により螺旋管の長手方向両端に固定することで、螺旋管の長手方向の伸びが規制されている。このため、簡単な構成により螺旋管に初期テンションを付与することができる。
請求項5に記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の内視鏡軟性部において、前記規制部の外周に形成された外皮を備え、前記外皮が、フッ素ゴム又はシリコーンゴムで構成されている。
請求項5に記載の発明によれば、規制部の外周に形成された外皮をフッ素ゴム又はシリコーンゴムで構成することで、オートクレーブ滅菌時の高温高圧蒸気に対する耐性を高くすることができる。
請求項6に記載の発明は、請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の内視鏡軟性部において、前記規制部の外周に形成された外皮を備え、前記外皮が、水添スチレン系エラストマーを主成分とするエラストマーで構成されている。
請求項6に記載の発明によれば、規制部の外周に形成された外皮を、水添スチレン系エラストマーを主成分とするエラストマーで構成することで、オートクレーブ滅菌時の高温高圧蒸気に対する耐性を高くすることができる。
請求項7に記載の発明は、請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の内視鏡軟性部において、前記螺旋管の圧縮率を異ならせ、圧縮率の異なる前記螺旋管の境界部を前記規制部で規制して前記螺旋管の長手方向の部位により曲げ剛性を変化させたものである。
請求項7に記載の発明によれば、螺旋管の圧縮率を異ならせ、圧縮率の異なる螺旋管の境界部を規制部で規制するという簡易な構成によって、螺旋管の長手方向の部位により曲げ剛性を変化させることができる。
請求項8に記載の発明に係る内視鏡は、患者の体腔内に挿入される長尺状の挿入部が、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の内視鏡軟性部で構成されている。
請求項8に記載の発明によれば、患者の体腔内に挿入される長尺状の挿入部が、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の内視鏡軟性部で構成されているので、内視鏡軟性部の径を太くすることなく、内視鏡軟性部の曲げ剛性を確保することができる。
請求項9に記載の発明に係る内視鏡軟性部の製造方法は、帯状部材を螺旋状に巻いて螺旋管を成形する工程と、前記螺旋管の外周に細線を編組みした環状の網状管を挿入する工程と、前記螺旋管を長手方向に圧縮して初期テンションを付与する工程と、圧縮された前記螺旋管の長手方向両端に前記網状管を固定し、前記螺旋管の長手方向の伸びを規制する工程と、前記網状管の外周に外皮を形成する工程と、を有している。
請求項9に記載の発明によれば、帯状部材を螺旋状に巻いて螺旋管を成形し、螺旋管の外周に細線を編組みした環状の網状管を挿入する。さらに、螺旋管を長手方向に圧縮して初期テンションを付与し、圧縮された螺旋管の長手方向両端に網状管を固定し、螺旋管の長手方向の伸びを規制する。その後、網状管の外周に外皮を形成することで、内視鏡軟性部を製造する。この内視鏡軟性部では、螺旋管に初期テンションを付与することにより、内視鏡軟性部の径を太くすることなく、曲げ剛性を確保することができる。
本発明では、内視鏡軟性部を構成する螺旋管に初期テンションを付与することによって、内視鏡軟性部の径を太くすることなく、曲げ剛性を確保することができる。
本発明の実施の形態を図面に基づいて説明する。
図1には、本発明の第1実施形態に係る内視鏡10の全体構成が示されている。この図に示されるように、内視鏡10は、患者の体腔内に挿入される長尺状の挿入部12を備えており、挿入部12の基端部に本体操作部14が連設されている。本体操作部14には光源装置(図示省略)に着脱可能に接続される長尺状のライトガイド軟性部16が連結されている。ライトガイド軟性部16の先端部には、光源装置(図示省略)に接続される端子を備えた接続部18が設けられている。また、本体操作部14には、挿入部12を操作するための操作ノブ20が設けられている。
挿入部12は、本体操作部14への連設部分から長手方向(軸方向)の大半の長さ部分を構成する内視鏡軟性部としての可撓管部12Aと、この可撓管部12Aの長手方向先端側に連設されたアングル部12Bと、アングル部12Bの長手方向先端側に連設されると共に対物光学系等を内臓した先端部本体12Cと、を備えている。アングル部12Bは、挿入部12に設けられた操作ノブ20を回転操作することにより、遠隔的に屈曲されるように構成されている。また、ライトガイド軟性部16も挿入部12の可撓管部12Aとほぼ同様の構造となっている。
可撓管部12Aは、先端部本体12Cを所定の観察対象部内にまで到達できる長さが確保され、かつ、本体操作部14を操作者が把持して操作するのに支障を来たさない程度にまで患者等から離すことができる長さに設定されている。可撓管部12Aは、そのほぼ全長にわたって可撓性を持たせる必要があり、特に体腔内に挿入される部位はより可撓性に富む構造となっている。また、可撓管部12Aは、特に本体操作部14への連設部分では、体腔内等に挿入する際における押し込み推進力を得るために、曲げに対して剛性が必要となる。また、可撓管部12Aは、特にアングル部12Bへの連設部分では、アングル部12Bが湾曲したときに、この湾曲形状にある程度追従させるために、より可撓性がある方が好ましい。
可撓管部12Aは、管状部内に図示しないライトガイド、イメージガイド(電子内視鏡の場合には信号ケーブル)、処置具挿通チャンネル、及び送気送水管等を内装している。
図2には、可撓管部12Aの管状部を構成する内視鏡軟性部30が部分裁断側面図にて示されている。この図に示されるように、内視鏡軟性部30は、金属製の帯状部材を螺旋状に巻いて成形した螺旋管32と、この螺旋管32の外周に金属製の細線(線材)を編組みして環状に成形した網状管34と、この網状管34の外周に形成された外皮としての外皮層36と、を備えている。螺旋管32は、長手方向(軸方向)両側から圧縮することによって初期テンションが付与されており、網状管34が固定部38により螺旋管32の長手方向両端に固定され、螺旋管32の長手方向の伸びが規制されている。この螺旋管32については、後に詳述する。
外皮層36には、フッ素ゴム又はシリコーンゴムが使用されている。これらのエラストマーは、高温高湿蒸気に対する耐性が高くオートクレーブ適性がある。但し、これらの素材は、ポリウレタン樹脂に比べて剛性が低いことから、患者の体腔内等への挿入操作時に必要な内視鏡軟性部の曲げ剛性を確保することが難しい。このため、本実施形態では、下記のような螺旋管32の構成及び内視鏡軟性部30の製造方法により、内視鏡軟性部30の剛性を確保している。
図3(A)に示されるように、金属製の帯状部材を螺旋状に巻いて螺旋管32を成形する。さらに、図4に示されるように、螺旋管32の外周側から金属製の細線(線材)を編組みして成形した環状の網状管34を挿入する。そして、図3(B)に示されるように、螺旋管32を長手方向(軸方向)両側から矢印A方向に圧縮して初期テンションを付与する。図4に示されるように、螺旋管32に初期テンションを保持した状態で、網状管34を螺旋管32の長手方向両端に固定部38により固定し、螺旋管32の長手方向の伸びを規制する。固定部38として、例えば口金などを用いることで、網状管34の上から網状管34を螺旋管32の長手方向両端に固定することができる。
その後、網状管34の外周にフッ素ゴム又はシリコーンゴムからなる外皮層36を形成する。外皮層36は、螺旋管32上に形成された網状管34の外周に、例えば、押し出し成型機を用いてチューブ状に形成することができる。
本実施形態では、螺旋管32としては、例えば、ステンレスなどの金属を使用することができる。網状管34を構成する細線としては、例えば、ステンレス鋼線などを使用することができる。
次に、本実施形態の作用並びに効果について説明する。
図5に示されるように、螺旋管32を曲げると、内視鏡軟性部30の曲げ外周側は網状管34(図4参照)により伸びが抑制される。これに対して内視鏡軟性部30の曲げ内側は圧縮され、内側圧縮時に矢印B1、B2に示されるような反力が発生する。このときの圧縮反力が内視鏡軟性部30の曲げ剛性となる。本実施形態では、この圧縮力を増大させるために螺旋管32に初期テンションを付与することで、内視鏡軟性部30の曲げ剛性を増加させることができる。
また、螺旋管32の圧縮率を変化させることにより、内視鏡軟性部30の曲げ剛性を変化させることができる。螺旋管32の圧縮率を圧縮長/自由長で表したときに、例えば、螺旋管32の圧縮率を50%〜75%の範囲に圧縮することにより、外皮層36がフッ素ゴム又はシリコーンゴムであっても、ポリウレタンによる外皮層を使用した内視鏡軟性部に近い剛性を得ることができる。ここで、圧縮長とは、螺旋管32を圧縮したときの長手方向の長さである。また、自由長とは、螺旋管32が自由状態(自然状態)にあるとき、すなわち、螺旋管32を圧縮しない状態の長手方向の長さである。
螺旋管32の圧縮率は、螺旋管32を構成する帯状部材の板厚、板幅、外皮層36の剛性、内視鏡軟性部30の径などにより最適な値に設計する必要があるが、内視鏡軟性部30の場合、螺旋管32の圧縮率(圧縮長/自由長)は、20%〜75%の範囲が好ましく、50%〜75%の範囲がより好ましく、60%〜70%の範囲がさらに好ましい。このような内視鏡軟性部30では、従来のようなコイルばねやワイヤー等の補助部材が必要なくなることから、内視鏡軟性部30の径を細くすることができ、経鼻内視鏡や気管支鏡などの細径タイプの内視鏡軟性部にも適用できる。螺旋管32の圧縮率(圧縮長/自由長)が20%より小さいと、螺旋管32に付与される初期テンションが不十分となり、適度な曲げ剛性を確保することが難しい。
一方、図9には、比較例に係る内視鏡軟性部の螺旋管が示されている。図9(A)に示されるように、金属製の帯状部材を螺旋状に巻いて螺旋管102を成形し、自由長の螺旋管102のまま(螺旋管102を長手方向に圧縮せずに)螺旋管102の外周側から金属製の細線(線材)を編組みした環状の網状管を形成する。その後、網状管の外周に外皮層を形成することにより、比較例に係る内視鏡軟性部(図示省略)が製造される。
比較例に係る内視鏡軟性部では、図9(B)に示されるように、螺旋管102を曲げると、内視鏡軟性部の曲げ外周側は網状管により伸びが抑制されるが、自由長の螺旋管102では曲げ内側の反力はほとんど0であり、内視鏡軟性部の曲げ剛性が本実施形態の内視鏡軟性部30よりも小さい。これに対して、本実施形態の内視鏡軟性部30では、螺旋管32を長手方向に圧縮することで、内視鏡軟性部30の曲げ始めから曲げ内側で反力を発生させることができ、曲げ剛性が上がる。
図8には、本発明の第2実施形態に係る内視鏡に用いられる内視鏡軟性部が断面図にて示されている。なお、第1実施形態と同一の部材には同一の符号を付し、重複した説明は省略する。
この内視鏡軟性部50では、螺旋管32の圧縮率を長手方向(軸方向)の部位(図8中の左右両側)によって異ならせ、圧縮率の異なる螺旋管32の境界部(図8中の長手方向中間部)と網状管34とを網状管34の上から固定部38で固定している。本実施形態では、内視鏡軟性部50の長手方向中間部の固定部38よりも図中右側の螺旋管32の圧縮率が、長手方向中間部の固定部38よりも図中左側の螺旋管32の圧縮率よりも大きい構成となっている。これによって、内視鏡軟性部50の曲げ剛性を長手方向の部位によって変化させることができる。
例えば、図1に示される可撓管部12Aにおける本体操作部14に近い部位では、体腔内等に挿入する際における押し込み推進力を得るために、曲げ剛性を上げることができる。また、例えば、可撓管部12Aにおけるアングル部12Bに近い部位では、アングル部12Bが湾曲したときに、この湾曲形状にある程度追従させるために、曲げ剛性を本体操作部14に近い部位よりも下げることができる。
なお、本実施形態では、螺旋管32の長手方向の伸びを規制する規制部として、網状管34及びこの網状管34を螺旋管32の長手方向両端に固定する固定部38を用いたが、これに限定されず、螺旋管32の外周に樹脂チューブなどを形成してもよい。
また、外皮層36を構成する材料として、フッ素ゴムやシリコーンゴムに代えて、水添スチレン系エラストマーを主成分とするエラストマーを用いてもよい。水添スチレン系エラストマーは、ポリスチレンを両端に有するブロック共重合体であり、中間にエチレン/ブチレン鎖、若しくはエチレン/プロピレン鎖を有する。これらはそれぞれスチレン−ブタジエン−スチレン、スチレン−イソプレン−スチレンのブロック共重合体を水素添加し、二重結合をなくしたものである。二重結合をなくすことで、酸化性の消毒液に対して高い耐久性を有すると共に、炭素鎖のみから成ることで熱水又は高温高圧蒸気による分解を受けることもない。水添スチレン系エラストマーは、外皮層中の主成分であって、少なくとも90重量部以上の配合量で用いることができる。この水添スチレン系エラストマーに加えて10重量部以下の範囲でポリプロピレン等のオレフィン樹脂を配合して強度を調節することもできる。外皮層は、螺旋管32上に形成された網状管34の外周に、押し出し成型機を用いてチューブ状に形成することが好ましい。外皮層の厚みは0.1mm〜0.8mmの範囲が好ましく、0.2mm〜0.5mmであることがより好ましい。
外皮層36を構成する材料として、水添スチレン系エラストマーを主成分とするエラストマーを用いることで、オートクレーブ滅菌時の高温高圧蒸気に対する劣化を防止又は抑制することができる。さらに、オートクレーブ滅菌により内視鏡軟性部30の曲がり癖がつくことを防止又は抑制することができ、内視鏡軟性部30の繰り返し使用による耐久性を向上することができる。
次に、螺旋管の圧縮率等を変化させて、内視鏡軟性部の曲げ剛性を比較した結果について説明する。
実施例1の内視鏡軟性部30では、外皮層36としてフッ素ゴムを用い、外皮層36の内径φを5.0mm、外皮層36の肉厚を0.2mmに設定した。また、内視鏡軟性部30では、螺旋管32として、SUS304を用い、長手方向(軸方向)に所定の圧縮率で圧縮した。また、図6に示されるように、螺旋管32を構成する帯状部材の幅を2.4mmとし、隣り合う帯状部材の中心線間の距離が3.1mmであり、隣り合う帯状部材の間隔が0.7mmとなるように螺旋管32を圧縮した。螺旋管32の圧縮率(圧縮長/自由長)を40%とした場合を実施例1として反モーメントを計算した。また、螺旋管32の圧縮率(圧縮長/自由長)を100%、90%、50%、30%、20%、10%とした場合の反モーメントを計算した。
比較例1の内視鏡軟性部(現行軟性部)では、外皮層としてポリウレタンを用い、外皮層の内径φと肉厚を内視鏡軟性部30と同じに設定した。螺旋管としてSUS304を用い、長手方向に圧縮せずに螺旋管の外周に編状管を設けて編状管の長手方向の伸びを固定した。すなわち、比較例1の内視鏡軟性部は、螺旋管を圧縮せずに編状管で長手方向の伸び規制のみを行ったものである。
図7には、実施例1の圧縮タイプの内視鏡軟性部30と、圧縮率の異なる内視鏡軟性部について、曲率半径と反モーメントとの関係のグラフが示されている。このグラフに示されるように、曲率半径が小さい「高曲率軟性部」での反モーメントの値は、比較例1に近づき、挿入性に必要な剛性を確保することができる。従って、圧縮率を高めること(圧縮率のパーセント数値は下がる)は有効であり、圧縮率は50%より小さい方が有利である。
内視鏡軟性部の板厚を厚くすると、反モーメントの特性カーブを上方へ押し上げることができる。曲率半径が小さい「高曲率軟性部」での反モーメントの値を比較例1に近づけるために板厚を厚くすることは有効である。なお、螺旋管の圧縮率は現状のままでよい。
上記2つの有利な点はいずれも「高曲率軟性部」を対象としたものである。次に、「低曲率軟性部」も含めて、螺旋管の圧縮率と板厚を可変させることによる内視鏡軟性部の曲げ剛性の最適化について記載する。
「高曲率軟性部」での剛性アップに板厚を上げることは有効であるが、板厚を上げると、それだけ内径が小さくなり、内蔵物を収容するスペースが狭くなる。
一方、内視鏡の先端部は内蔵物の密度が高く、そのスペースは少しでも広い方がよい。内視鏡軟性部の先端部に高アングル操作をかける「低曲率軟性部」では、板厚は現状維持で、螺旋管の圧縮率を上げる又は下げることで比較例1(現行軟性部)のカーブに近づけることが好ましい。
従って、内視鏡軟性部の挿入部側の板厚は厚く、先端部側の板厚は薄くするようにした板材で螺旋管を形成する。さらに内視鏡軟性部の先端部側の圧縮率は低くする(圧縮率のパーセント数値は上がる)ことが好ましい。
上記のようにすることで、「高曲率軟性部」では挿入性を満たす高い曲げ剛性を実現し、「低曲率軟性部」では内蔵物の収容スペースを確保しつつ、術者の挿入操作負荷を軽減することができる。
また、内蔵物自身にも曲げ剛性が存在し、それが挿入操作に無視できない特性であることが分かっている。そこで、本実施形態で示す螺旋管の圧縮率の上げ下げで曲げ剛性を調節する際に、内蔵物自身の曲げ剛性を加味して、その圧縮率を決めることで、最終の曲げ剛性が実現でき、術者に最適な剛性を持たせた内視鏡軟性部の提供が可能となる。
なお、従来の内視鏡軟性部では、剛性を変化させる際には、コイルばねやワイヤー等の剛性可変機構を内視鏡軟性部内に設けたが、実施例1の内視鏡軟性部30(圧縮タイプ)では、螺旋管と編状管と外皮層等のほぼ現行の構成部材を変更することなく曲げ剛性を上げることができるため、内視鏡軟性部30が太くならない。従って、細径が要求される経鼻内視鏡や気管支鏡に実施例1の内視鏡軟性部30を適用することができる。
本発明の第1実施形態における内視鏡軟性部を用いた内視鏡を示す概略構成図である。 本発明の第1実施形態における内視鏡軟性部の構成を示す一部を分解した側面図である。 (A)及び(B)は本発明の一実施形態における内視鏡軟性部の製造工程を示す側面図である。 本発明の第1実施形態における内視鏡軟性部の構成を示す断面図である。 本発明の第1実施形態における内視鏡軟性部の作用を説明するための螺旋管を示す側面図である。 本発明の第1実施形態における内視鏡軟性部に用いられる螺旋管の圧縮時の寸法を示す側面図である。 実施例1、比較例1、及び比較例2における曲率半径と反モーメントとの関係を示すグラフである。 本発明の第2実施形態における内視鏡軟性部の構成を示す断面図である。 (A)は比較例に係る内視鏡軟性部の製造工程を示す側面図であり、(B)は内視鏡軟性部の作用を説明するための螺旋管を示す側面図である。
符号の説明
10 内視鏡
12 挿入部
12A 可撓管部(内視鏡軟性部)
12B アングル部
16 ライトガイド軟性部
30 内視鏡軟性部
32 螺旋管
34 網状管
36 外皮層
38 固定部

Claims (9)

  1. 帯状部材を螺旋状に巻いて成形した螺旋管と、
    前記螺旋管の外周に設けられ、長手方向に圧縮して初期テンションが付与された前記螺旋管の長手方向の伸びを規制した規制部と、
    を有する内視鏡軟性部。
  2. 前記螺旋管の圧縮率を変化させることにより、曲げ剛性を変化させた請求項1に記載の内視鏡軟性部。
  3. 前記螺旋管の圧縮率を圧縮長/自由長で表したときに、前記螺旋管の圧縮率が20%〜75%の範囲である請求項1又は請求項2に記載の内視鏡軟性部。
  4. 前記規制部が、前記螺旋管の外周に細線を編組みして環状に成形した網状管と、前記網状管を前記螺旋管の長手方向両端に固定した固定部と、を含んで構成されている請求項1から請求項3までのいずれか1項に記載の内視鏡軟性部。
  5. 前記規制部の外周に形成された外皮を備え、
    前記外皮が、フッ素ゴム又はシリコーンゴムで構成されている請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の内視鏡軟性部。
  6. 前記規制部の外周に形成された外皮を備え、
    前記外皮が、水添スチレン系エラストマーを主成分とするエラストマーで構成されている請求項1から請求項4までのいずれか1項に記載の内視鏡軟性部。
  7. 前記螺旋管の圧縮率を異ならせ、圧縮率の異なる前記螺旋管の境界部を前記規制部で規制して前記螺旋管の長手方向の部位により曲げ剛性を変化させた請求項1から請求項6までのいずれか1項に記載の内視鏡軟性部。
  8. 患者の体腔内に挿入される長尺状の挿入部が、請求項1から請求項7までのいずれか1項に記載の内視鏡軟性部で構成されている内視鏡。
  9. 帯状部材を螺旋状に巻いて螺旋管を成形する工程と、
    前記螺旋管の外周に細線を編組みした環状の網状管を挿入する工程と、
    前記螺旋管を長手方向に圧縮して初期テンションを付与する工程と、
    圧縮された前記螺旋管の長手方向両端に前記網状管を固定し、前記螺旋管の長手方向の伸びを規制する工程と、
    前記網状管の外周に外皮を形成する工程と、
    を有する内視鏡軟性部の製造方法。
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