JP2010132751A - 多価アリルエステル化合物の脱色方法 - Google Patents

多価アリルエステル化合物の脱色方法 Download PDF

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靖之 大山
Mamoru Ishibashi
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Abstract

【課題】多価アリルエステル化合物の脱色方法を提供する。
【解決手段】一般式(1)で示される基の末端基を複数個有し、一般式(2)で示される基を繰返し単位として有する多価アリルエステル化合物に、260nm未満の波長の光を含まない光を照射することを特徴とする多価アリルエステル化合物の脱色方法。
Figure 2010132751

【選択図】なし

Description

本発明は、光を照射することによる多価アリルエステル化合物の脱色方法に関する。より詳しくいえば、分子内に複数のアリルエステル基を有する多価アリルエステル化合物に、特定の波長の光を照射して、多価アリルエステル化合物を脱色する方法に関する。
分子内に複数のアリルエステル基を有する多価アリルエステル化合物は熱硬化性樹脂として、光学材料、人造大理石、化粧板、不飽和ポリエステル樹脂のクラック防止材として用いられている。例えば、多価アリルエステル化合物を用いた光学レンズが国際公開第02/33447号パンフレット(特許文献1)に報告されている。また、特許第2860113号公報(特許文献2)には多価アリルエステル化合物を無機質充填剤と併用した人造大理石が開示されている。
これら多価アリルエステル化合物はラジカル重合開始剤により硬化することができる。多価アリルエステル化合物は、アクリル化合物、メタクリル化合物、ビニル化合物などの他のラジカル硬化性モノマーやオリゴマーと異なり、重合速度が遅いため、成形時の重合収縮に伴って生ずる応力を緩和させながら徐々に重合硬化させることが可能であり、成形時のクラックが少なく、寸法安定性に優れた成形体を得ることができる。
このように産業上に有用な多価アリルエステル化合物は、多価カルボン酸のアリルエステルモノマーと多価アルコールとのエステル交換反応により製造される(特開2001−294620号公報:特許文献3)。この反応は有機金属化合物を触媒とし、反応速度を速めるために150℃〜200℃の高温で、減圧状態で行う場合が多い。このため反応中に空気や酸素と接触すると、反応液が着色するという問題がまれにみられる。レンズなどの光学材料の場合、多価アリルエステル化合物の着色は製品であるレンズの着色の原因となるため好ましくない。
一般的な有機化合物の脱色方法としては、蒸留、抽出、水洗、吸着剤などによる着色成分の除去や、酸化剤などによる着色成分の分解などが挙げられる。しかし、多価カルボン酸のアリルエステルモノマーと多価アルコールとの反応により得られる多価アリルエステル化合物は、粘度や沸点の高いものが多く、上述の脱色方法では収率の低下、処理に大量のエネルギーと時間を要するため実際に採用するのは困難であった。
国際公開第02/33447号パンフレット 特許第2860113号公報 特開2001−294620号公報
従って、本発明は、蒸留、抽出、吸着などの脱色方法が実質的に採用困難な多価アリルエステル化合物の脱色方法、着色防止方法を提供することを課題とする。
本発明者らは、上記課題を解決するために、鋭意研究を重ねた結果、特定の波長の光を照射することにより、多価アリルエステル化合物の着色度を低下できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち本発明は以下の[1]〜[7]に示される多価アリルエステル化合物の脱色方法に関する。
[1] 一般式(1)
Figure 2010132751
(式中、X1はそれぞれ独立して、2価のカルボン酸またはカルボン酸無水物から誘導される有機残基を表す。)
で示される基の少なくとも1種以上を末端基として複数個有し、一般式(2)
Figure 2010132751
(式中、X2はそれぞれ独立して、2価のカルボン酸またはカルボン酸無水物から誘導される有機残基を表す。Yはそれぞれ独立して、2〜6個の水酸基を有する炭素数2〜20の多価アルコールから誘導される有機残基を表す。ただし、Yはエステル結合によって、さらに上記一般式(1)で示される基を末端基とし、上記一般式(2)で示される基を繰り返し単位とする分岐構造を有することができる。)
で示される基を繰返し単位として有する多価アリルエステル化合物に、260nm未満の波長の光を含まない光を照射することを特徴とする多価アリルエステル化合物の脱色方法。
[2] 260nm未満の波長の光を含まない光が、260nm以上、800nm以下の波長の光を含むものである前記[1]に記載の多価アリルエステル化合物の脱色方法。
[3] 照射する光が、太陽光である前記[1]に記載の多価アリルエステル化合物の脱色方法。
[4] 照射する光の光源が、キセノンアークランプである前記[1]に記載の多価アリルエステル化合物の脱色方法。
[5] X1及びX2が、芳香族ジカルボン酸または脂環式ジカルボン酸から誘導される有機残基である前記[1]〜[4]のいずれかに記載の多価アリルエステル化合物の脱色方法。
[6] 撹拌状態の多価アリルエステル化合物に光を照射する前記[1]〜[5]のいずれかに記載の多価アリルエステル化合物の脱色方法。
[7] 流通下の多価アリルエステル化合物に光を照射する前記[1]〜[5]のいずれかに記載の多価アリルエステル化合物の脱色方法。
本発明の脱色方法を用いれば、製造工程において着色した多価アリルエステル化合物を、煩雑な方法を用いずに脱色することができる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明に用いられる多価アリルエステル化合物は、一般式(1)
Figure 2010132751
(式中、X1はそれぞれ独立して、2価のカルボン酸またはカルボン酸無水物から誘導される有機残基を表す。)
で示される基の少なくとも1種以上を末端基として複数個有し、一般式(2)
Figure 2010132751
(式中、X2はそれぞれ独立して、2価のカルボン酸またはカルボン酸無水物から誘導される有機残基を表す。Yはそれぞれ独立して、2〜6個の水酸基を有する炭素数2〜20の多価アルコールから誘導される有機残基を表す。ただし、Yはエステル結合によって、さらに上記一般式(1)で示される基を末端基とし、上記一般式(2)で示される基を繰り返し単位とする分岐構造を有することができる。)
で示される基を繰返し単位として有する化合物である。
本発明の多価アリルエステル化合物は、一般式(1)で示される末端基を複数個有する。それら複数個存在する末端基のX1は、同一であって、異なっていてもよい。すなわち、「X1がそれぞれ独立して」とは、複数個存在する末端基は異なっていてもよいことを意味している。X1は2価のカルボン酸またはカルボン酸無水物から誘導される有機残基を表す。X1自体は、もとの2価のカルボン酸からカルボキシル基を除いた部分を表す。例えば、もとの2価のカルボン酸がフタル酸であれば、X1はベンゼン環である。
2価のカルボン酸の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、アジピン酸、コハク酸等が挙げられる。カルボン酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸等が挙げられる。
このうち、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸は、それらから得られる本発明の多価アリルエステル化合物を重合して得られる硬化物の耐熱性、屈折率が高く、強度も強いため有用である。また1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸等の脂環式ジカルボン酸は、それらから得られる本発明の多価アリルエステル化合物硬化物の耐熱性、アッベ数が高く、耐酸化性にも優れており有用である。
一般式(2)中のX2は、X1と同じ意味を表す。一般式(2)で示される繰り返し単位は、X2が異なることで複数の構造を取ることができる。これは種類の異なるジカルボン酸をモノマーとして共重縮合することにより得られる。好ましいX2は、X1と同じである。
一般式(2)中のYは、2〜6個の水酸基を有する炭素数2〜20の多価アルコールから誘導される有機残基を表す。X2と同様に、Yが異なることで一般式(2)で示される繰り返し単位は複数の構造を取ることができる。これにはYとして異なる種類の多価アルコールを共重縮合すればよい。Yが2価の多価アルコールのみを表わす場合には、本発明の多価アリルエステル化合物は直鎖状となるが、Yが3価以上の多価アルコールを含む場合には、本発明の多価アリルエステル化合物は分岐状となる。Yは多価アルコールからOH基を除いた部分の構造を表す。例えば、多価アルコールがエチレングリコールであれば、Yはエチレン基(−CH2CH2−)である。Yを誘導する炭素数2〜20の多価アルコールの炭素数は、好ましくは2〜10、より好ましくは2〜6である。Yを誘導する炭素数2〜20の多価アルコールは、脂肪族アルコール、脂環式アルコールが好ましい。また、その構造中にエーテル結合を有していてもよい。
Yを誘導する炭素数2〜20の多価アルコールのうち、2価のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノール−Aのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノール−Aのプロピレンオキサイド付加物、2,2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン等が挙げられる。
また、3価以上の多価アルコールの具体例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタリスリトール等が挙げられる。これらの多価アルコールは、2種以上の混合物であってもよい。本発明で使用される多価アルコールは、上記具体例に限定されるものではない。
[多価アリルエステル化合物の製造方法]
本発明に用いられる多価アリルエステル化合物の製造方法について説明する。本発明に用いられる多価アリルエステル化合物は、多価カルボン酸のアリルエステルモノマーと炭素数2〜20の多価アルコールとのエステル交換反応により製造される。
[多価カルボン酸アリルエステルモノマーの製造方法]
まず、多価アリルエステル化合物の製造に用いられる多価カルボン酸のアリルエステルモノマーの製造方法について説明する。
多価カルボン酸のアリルエステルモノマーは多価カルボン酸のアルキルエステルとアリルアルコールとのエステル交換反応、多価カルボン酸の酸無水物とアリルアルコールとのエステル化反応、多価カルボン酸とアリルアルコールとのエステル化反応等により製造することができる。
多価カルボン酸のアルキルエステルの具体例としては、フタル酸ジメチル、イソフタル酸ジメチル、テレフタル酸ジメチル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメチル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメチル、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸ジメチル、メチルテトラヒドロフタル酸ジメチル、アジピン酸ジメチル、コハク酸ジメチル、マレイン酸ジメチル等が挙げられる。アルキルエステルのアルキル基としては、アリルアルコールよりも低沸点のアルコールを生成するものが好ましく、このようなものとして炭素数が4以下のアルキル基が挙げられる。具体的には、メチル基、エチル基、イソプロピル基、t−ブチル基等が挙げられ、特に工業的にメチル基が好ましい。
多価カルボン酸の酸無水物の具体例としては、無水フタル酸、シクロヘキサンジカルボン酸無水物、エンドメチレンテトラヒドロ無水フタル酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸、無水マレイン酸、無水コハク酸が挙げられる。
また、多価カルボン酸の具体例としては、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、メチルテトラヒドロフタル酸、アジピン酸、コハク酸等が挙げられる。
エステル交換反応触媒としては、エステル基を活性化させ、アルコールとの反応を起こさせるものであれば、基本的にどのような触媒をも用いることができる。特に好ましいものとしては、アルカリ金属、アルカリ土類金属及びそれらの酸化物、及び弱酸塩、Hf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、Co及びSnの酸化物、水酸化物、無機酸塩、アルコキシド、有機酸塩、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、モノブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等のテトラアルキルチタネート等の有機チタン化合物、ジメチルアニリン等の三級アミン等の有機金属化合物が挙げられる。
中でも、アルカリ金属の塩とアルカリ土類金属の水酸化物、アルカリ金属の塩とアルカリ土類金属の酸化物との組み合わせ、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート、テトラブチルチタネート等のテトラアルキルチタネート、炭酸カリウムや炭酸カルシウム等の炭酸のアルカリ金属塩やアルカリ土類塩、カリウムメトキシド、ナトリウムメトキシド、カリウムエトキシド、カリウムt−ブトキシド等のアルカリ金属のアルキルアルコキシド、ジメチルアニリン、1,4−ジアザビシクロ〔2.2.2〕オクタン等の3級アミン、アセチルアセトンハフニウム等のハフニウムの有機金属錯体等を用いることが好ましい。これらは2種以上組み合わせて使用することもできる。
エステル化触媒の具体例としてはHf、Mn、U、Zn、Cd、Zr、Pb、Ti、Co及びSnの酸化物、水酸化物、無機酸塩、アルコキシド、有機酸塩、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、モノブチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物、テトラメチルチタネート、テトライソプロピルチタネート等のテトラアルキルチタネート等の有機チタン化合物等の有機金属化合物が挙げられる。
反応の形態としては、多価カルボン酸のアルキルエステル、多価カルボン酸の酸無水物、または多価カルボン酸とアリルアルコールを触媒の存在下に加熱するという方法をとる。反応温度は30℃〜200℃、好ましくは80℃〜180℃の範囲から選ばれ、反応圧力は常圧または加圧、減圧のいずれでもよい。反応は不活性ガス雰囲気中で行われることが好ましい。さらに、反応を効率的に行うためには、生成するアルコールを反応系外に速やかに留出させるのが好ましい。
アリルアルコールの使用量としては、反応速度、平衡等を考慮し、原料の多価カルボン酸エステルまたは多価カルボン酸に対して、過剰量を使用することが好ましい。しかしアリルアルコールをあまりに大過剰用いても、その過剰量に見合う効果が出ないので経済的に好ましくない。従って、アリルアルコールは原料多価カルボン酸エステルまたは多価カルボン酸の理論量(当量)に対して1.2倍モル〜10倍モルの範囲、より好ましくは1.5倍モル〜4倍モルの範囲である。その際の仕込み方法としては、反応の最初に仕込んでもよいし、反応途中に順次加えてもよい。
触媒の使用量は、原料の多価カルボン酸エステルまたは多価カルボン酸100質量部に対して0.01質量部〜3質量部、好ましくは0.05質量部〜2質量部である。触媒が少なすぎる場合には反応速度が遅くなるし、多い場合にはその量に見合う効果が得られないばかりか、着色がひどくなり、また副反応のためにかえって収率が低下してしまうことがある。
また、この製造工程では必要に応じて溶媒を用いることもできる。溶媒としては、エステル交換反応、及びエステル化反応を阻害することがなければ、特に制限なく使用できる。具体的にはベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等を挙げることができるが、これに限定されない。なお、前述のように溶媒を用いることなく実施することも可能である。
生成物である多価カルボン酸のアリルエステルモノマーはそのまま、または公知の方法で精製した後、多価アリルエステル化合物の原料として使用することができる。
[本発明の多価アリルエステル化合物の製造方法]
上述のように、本発明に用いられる多価アリルエステル化合物は、多価カルボン酸のアリルエステルモノマーと2〜6個の水酸基を有する炭素数2〜20の多価アルコールとのエステル交換反応により製造される。多価カルボン酸のアリルエステルモノマーは上述の方法により製造されるものであり、具体的には、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸ジアリル、メチルテトラヒドロフタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、コハク酸ジアリル、マレイン酸ジアリル等が挙げられる。これらアリルエステルモノマーは、必要に応じて2種以上使用することもできる。また、上述の具体例に限定されるものではない。
炭素数2〜20の多価アルコールの具体例のうち、2価のアルコールとしては、エチレングリコール、プロピレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキサメチレングリコール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、2−メチル−1,3−プロパンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ビスフェノール−Aのエチレンオキサイド付加物、ビスフェノール−Aのプロピレンオキサイド付加物、2,2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン等が挙げることができる。
また、3価以上の多価アルコールの具体例としては、グリセリン、トリメチロールプロパン、トリメチロールエタン、ペンタエリスリトール、ジペンタリスリトール等が挙げられる。これらの多価アルコールの2種以上の混合物であってもよい。また、上述の具体例に限定されるものではない。
末端にアリルエステル基を有する多価アリルエステル化合物を得るためには、これらの使用比率として、2価のカルボン酸のカルボキシル基よりも、多価アルコールのヒドロキシル基を少なく用いる必要がある。
本発明で使用するエステル交換反応触媒としては、従来知られているエステル交換触媒が使用できるが、特に好ましいのはアルカリ金属、アルカリ土類金属及びそれらの酸化物、及び弱酸塩、Mn,U,Zn,Cd,Zr,Pb,Ti,Co及びSnの酸化物、水酸化物、無機酸塩、アルコラート、有機酸塩、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、ジブチル錫ジクロライド等の有機錫化合物等を挙げることができる。中でも、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイドが好ましい。
使用量としては、触媒の活性によって異なるが、適度な速度でアリルアルコールを留出させ得るような量を使用すべきである。一般的には、多価カルボン酸のアリルエステルモノマーに対して0.0001質量%〜1質量%、特に好ましくは0.001質量%〜0.5質量%程度を使用することが好ましい。
この製造工程における反応温度は、特に制限はないが、好ましくは120℃〜230℃の範囲、より好ましくは140℃〜200℃の範囲である。
反応の実施の形態としては、反応の進行を促進させるため、減圧下で行うか、適当な溶媒を使用して副生するアリルアルコールを反応系外に除去しながら行う必要がある。
[光照射処理による脱色]
本発明の光照射処理方法について説明する。
本発明は一般式(1)で示される多価アリルエステル化合物に、特定の波長範囲の光を照射して、製造工程中に発生した着色を、煩雑な操作を経ずに脱色させる方法に関する。
多価アリルエステル化合物に照射する光は、波長260nm未満の光を実質的に含まないことが好ましく、より好ましくは290nm未満の光を含まないことが好ましい。
ここでいう実質的に含まないとは、波長200nm〜800nm領域のスペクトルの放射照度の総量に対して、200nm〜260nmの領域のスペクトルの放射照度が0.1%以下であることを意味する。
260nm未満の光は、照射により多価アリルエステル化合物に着色や分解等の不可逆な変質を起こさせる可能性があり好ましくない。
本発明の光照射処理に用いられる光源の例としては、太陽光等の自然光や人工光源が挙げられる。人工光源の例としては、白熱電球、ハロゲンランプ等のフィラメントからの熱放射光、蛍光灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、ナトリウム灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ等のアーク放電によるもの、ネオン灯等のグロー放電によるもの、LED、レーザー等が挙げられる。これらのうち、太陽光、キセノンランプ、蛍光灯は260nm以下の波長に光をほとんど含まず、多価アリルエステル化合物の変質が少なく好ましい。さらにキセノンランプ、太陽光は脱色作用が高く好ましい。
光照射時の多価アリルエステル化合物の変質を防ぐことを目的に、多価アリルエステル化合物に照射される光は、フィルターを透過させた後に、多価アリルエステル化合物に照射することができる。使用するフィルターは、具体的にはガラスに特定の波長の光を選択的に吸収する物質を混ぜるか、基板の表面に特定の波長の光を吸収する光学薄膜を成膜することにより、特定の波長の光の透過を阻止できる光学フィルターが挙げられる。光学フィルターの具体例としては、可視フィルター、紫外線フィルター、赤外線フィルターが挙げられる。また光学フィルターとしては、数ナノメートルから数十ナノメートルの波長範囲の光を選択的に照射することのできるバンドパスフィルターや、特定の波長以下の波長の光を透過させるショートパスフィルターや特定の波長以上の波長の光を透過させることのできるロングパスフィルターが挙げられる。これら光学フィルターは複数のフィルターを併用することもできる。
次に、本発明の光照射処理における光の照射方法について説明する。
光照射の方法としては、多価アリルエステル化合物に効率的に光が照射されれば、どのような方法でも構わない。光照射方法の具体例としては、静置状態の多価アリルエステル化合物に光を照射する方法、撹拌状態の多価アリルエステル化合物に光を照射する方法、流通下の多価アリルエステル化合物に光を照射する方法が挙げられる。
また、多価アリルエステル化合物に光を照射する際に使用する容器や配管は、その全体または一部分に260nm以上の光を透過する部分を具備している必要がある。
多価アリルエステル化合物に照射する光の照射量は300kJ/m3〜330000kJ/m3であることが好ましく、500kJ/m3〜67000kJ/m3であることがより好ましい。光の照射量が300kJ/m3未満であると脱色の効果が小さく好ましくない。330000kJ/m3以上照射した場合は、単位照射量あたりの脱色の効果が小さくなり、経済上好ましくない。
光を照射する際の多価アリルエステル化合物は、空気下または窒素やアルゴン等の不活性雰囲気下であることが好ましい。空気雰囲気下で光を照射する場合は、多価アリルエステル化合物の温度が100℃未満であることが好ましい。100℃以上であると多価アリルエステル化合物が空気中の酸素と反応する可能性があり好ましくない。
[重合反応]
本発明の脱色方法により脱色された多価アリルエステル化合物はラジカル重合性であり、熱や紫外線、電子線等により重合させることができる。また、他のラジカル重合性化合物と共重合することもできる。
本発明の脱色方法により脱色された多価アリルエステル化合物と共重合させるラジカル重合性化合物は、多価アリルエステル化合物と共重合する化合物であれば特に制限はない。その具体例としては、ジアリルフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルテレフタレート、アリルベンゾエート、α−ナフトエ酸アリル、β−ナフトエ酸アリル、2−フェニル安息香酸アリル、3−フェニル安息香酸アリル、4−フェニル安息香酸アリル、o−クロロ安息香酸アリル、m−クロロ安息香酸アリル、p−クロロ安息香酸アリル、o−ブロモ安息香酸アリル、m−ブロモ安息香酸アリル、p−ブロモ安息香酸アリル、2,6−ジクロロ安息香酸アリル、2,4−ジクロロ安息香酸アリル、2,4,6−トリブロモ安息香酸アリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸ジアリル、3−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、4−メチル−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、エンディック酸ジアリル、クロレンド酸ジアリル、3,6−メチレン−1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ピロメリット酸テトラアリル、ジフェン酸ジアリル等、コハク酸ジアリル、アジピン酸ジアリル等のアリルエステル類、ジベンジルマレート、ジベンジルフマレート、ジフェニルマレート、ジフェニルフマレート、ジブチルマレート、ジブチルフマレート、ジメトキエチルマレート、ジメトキシエチルフマレート等のマレイン酸ジエステル/フマル酸ジエステル類、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレンジリコールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールテトラ(メタ)アクリレート、ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、エトキシ化シクロヘキサンジメタノールジメタクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル類;スチレン、α−メチルスチレン、メトキシスチレン、ジビニルベンゼン等の芳香族ビニル化合物;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル、ピバリン酸ビニル、ステアリン酸ビニル、カプロン酸ビニル等の脂肪族カルボン酸のビニルエステル;シクロヘキサンカルボン酸ビニルエステル等の脂環式ビニルエステル;安息香酸ビニルエステル、t−ブチル安息香酸ビニルエステル等の芳香族ビニルエステル、ジアリルカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート、PPG社製商品名CR−39に代表されるポリエチレングリコールビス(アリル)カーボネート樹脂等のアリルカーボネート化合物、分子内に反応性の異なる重合性二重結合を有する(メタ)アクリル酸アリル、(メタ)アクリル酸ビニルやマレイン酸ジアリル等の化合物、イソシアヌル酸トリアリルやシアヌル酸トリアリル等の窒素含有多官能アリル化合物、不飽和ポリエステル樹脂、ビニルエステル樹脂、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート等オリゴアクリレート類等が挙げられる。
ただし、これらのラジカル重合性化合物はあくまで例示であり、上記に限定されるわけではない。また、これらのラジカル重合性化合物は、目的の物性を得るために2種以上併用してもよい。
本発明の脱色方法により脱色された多価アリルエステル化合物を含むラジカル重合性組成物を重合させるには、開始剤を使用せずに熱重合させてもよいが、ラジカル重合開始剤を用いることが好ましい。ラジカル重合開始剤としては、熱、紫外線、電子線、放射線等によってラジカルを生成するものであれば、いずれも使用できる。
熱ラジカル重合開始剤としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソバレロニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート等のアゾ系化合物、メチルエチルケトンパーオキシド、メチルイソブチルケトンパーオキシド、シクロヘキサノンパーオキシド等のケトンパーオキシド類、ベンゾイルパーオキシド、デカノイルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド等のジアシルパーオキシド類、ジクミルパーオキシド、t−ブチルクミルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド等のジアルキルパーオキシド類、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ビス(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ−t−ブチルパーオキシシクロヘキサン、2,2−ジ(t−ブチルパーオキシ)ブタン等のパーオキシケタール類、t−ブチルパーオキシピバレート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート、ジ−t−ブチルパーオキシアゼレート、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシアセテート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、ジ−t−ブチルパーオキシトリメチルアジペート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート等のアルキルパーオキシエステル類、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーオキシイソプロプルカーボネート等のパーオキシカーボネート類等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。また、これらの熱ラジカル重合開始剤は2種以上併用してもよい。
紫外線、電子線、放射線によるラジカル重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパノン−1、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン等のアセトフェノン誘導体、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4−トリメチルシリルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチル−ジフェニルスルフィド等のベンゾフェノン誘導体、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル等のベンゾイン誘導体、メチルフェニルグリオキシレート、ベンゾインジメチルケタール、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド等を挙げることができるが、これらに限定されるわけではない。また、これらの紫外線、電子線、放射線ラジカル重合開始剤は2種以上併用してもよい。
これらの重合開始剤の添加量は、硬化温度やラジカル重合性組成物の組成比、添加剤の種類、量によって異なるため一概に限定することはできないが、多価アリルエステル化合物と、必要に応じて共重合させる他のラジカル重合性化合物との総量100質量部に対して0.01質量部〜15質量部が好ましく、0.1質量部〜10質量部が特に好ましい。ラジカル重合開始剤の添加量が0.01質量部未満の場合は重合、硬化が不十分になることがあり、15質量部を超えて添加することは経済上好ましくない。
重合温度(硬化温度)は重合開始剤の種類に応じて適宜選択すればよい。紫外線等による重合であれば、室温でも可能である。熱重合の場合は開始剤の分解温度に対応して適宜決めることが望ましい。また、段階的に温度を変えて重合(硬化)させてもよい。重合の際には不活性溶媒を使用することもできる。
本発明の脱色方法により脱色された多価アリルエステル化合物を含むラジカル重合性組成物は、紫外線吸収剤、酸化防止剤、離型剤、着色剤(着色顔料、染料)、蛍光増白剤、流動調節剤、レベリング剤、無機充填剤等の公知の各種添加剤を使用することも可能である。
紫外線吸収剤の具体例としては、2−(2’−ヒドロキシ−tert−ブチルフェニル)ベンゾトリアゾール等のトリアゾール類、2,4−ジヒドロキシベンゾフェノン等のベンゾフェノン類、4−tert−ブチルフェニルサリシラート等のサリシラート類、エチル−2−シアノ−3,3’−ジフェニルアクリレート等のシアノアクリレート類、ビス−(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジニル)セバシート等のヒンダートアミン類、2−(4,6−ジフェニル−1,3,5−トリアジン−2−イル)−5−[(ヘキシル)オキシ]−フェノール等のトリアジン類を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
紫外線吸収剤の配合量としては、他の配合物の種類、量等により変わるが、一般的には、全ラジカル重合性成分100質量部に対して0.01質量部〜2質量部が好ましく、0.03質量部〜1.7質量部がより好ましく、0.05質量部〜1.4質量部が最も好ましい。紫外線吸収剤が0.01質量部未満では十分な効果が期待できず、2質量部を超えると経済的に好ましくない。
酸化防止剤としては、2,6−ジ−tert−ブチル−4−メチルフェノール、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオナート]メタン等のフェノール系、ジラウリル−3,3’−チオジプロピオナート等の硫黄系、トリスノニルフェニルホスファイト等のリン系の酸化防止剤等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
酸化防止剤の配合量は、他の配合物の種類、量等により変わるが、一般的には全ラジカル重合性成分100質量部に対して、0.01質量部〜5質量部が好ましく、0.05質量部〜4質量部がより好ましく、1質量部〜3質量部が最も好ましい。酸化防止剤が0.01質量部未満では十分な効果が期待できず、5質量部を超えると経済的に好ましくない。
離型剤としては、ステアリン酸、ステアリン酸ブチル、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アミド、フッ素系化合物類、シリコン化合物類等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
離型剤の配合量は、他の配合物の種類、量等により変わるが、一般的には全ラジカル重合性成分100質量部に対して、0.01質量部〜2質量部が好ましく、0.03質量部〜1.7質量部がより好ましく、0.05質量部〜1.4質量部が最も好ましい。離型剤が0.01質量部未満では十分な効果が期待できず、2質量部を超えると経済的に好ましくない。
着色剤としては、アントラキノン系、アゾ系、カルボニウム系、キノリン系、キノンイミン系、キナクリドン系、インジゴイド系、フタロシアニン系等の有機顔料、アゾイック染料、硫化染料等の有機染料、群青、紺青、チタンイエロー、黄色酸化鉄、亜鉛黄、クロムオレンジ、モリブデンレッド、コバルト紫、コバルトブルー、コバルトグリーン、酸化クロム、酸化チタン、硫化亜鉛、カーボンブラック等の無機顔料等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、その配合量は特に限定されない。
蛍光増白剤としては、ベンゾキザイル誘導体、クマリン誘導体、ビフェニル誘導体、ピラゾロン誘導体等が挙げられる。
流動調整剤としては、アエロゾル(日本アエロゾル株式会社、製品名)に代表される微粒子状シリカが挙げられるが、これに限定されるわけではない。
レベリング剤としては、多価アリルエステル化合物に添加して、その表面張力を変化させられるもので、フッ素系レベリング剤、シリコン系レベリング剤等が挙げられるが、これらに限定されるわけではない。
本発明の脱色方法により脱色された多価アリルエステル化合物を含むラジカル重合性組成物は、必要に応じて無機フィラーや無機繊維等の無機充填剤と混合して成形することもできる。無機フィラーの具体例としては炭酸カルシウム、クレー、水酸化アルミニウム、タルク、マイカ、シリカ、ガラス球、ガラスパウダー等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。無機繊維の具体例としてはガラス繊維、炭素繊維等が挙げられるがこれらに限定されるものではない。
本発明の脱色方法により脱色された多価アリルエステル化合物を含むラジカル重合性組成物は、材料の粘度及び性状に応じて、注型成形、圧縮成形、トランスファー成形、射出成形、プルトルージョン成形することができる。
注型成形の場合には、組成物中にラジカル重合開始剤を添加し、中空ラインを通してエラストマー製ガスケットやスペーサーで固定化している型へ注入して、オーブン中で熱により硬化する方法等が挙げられる。使用する型としては金属やガラス製のものが好ましい。
以下、合成例、実施例及び比較例を挙げて本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はこれらの記載により何らの限定を受けるものではない。
合成例で合成した多価アリルエステル化合物の諸物性(1)〜(3)は、以下の方法により測定した。
(1)ハーゼン色数
JIS K0071に準拠し、比色管を用いて標準液との比較により多価アリルエステル化合物のハーゼン色数を測定した。
(2)硬化物の黄色度(YI)
JIS K7373に準拠し、スガ試験機株式会社製 カラーコンピューターSM−4を用いて3mm厚の硬化板のYIを測定した。
(3)バーコル硬度
JIS K6911に準拠し、バーバー・コールマン社製GYZJ934−1型を用いて測定した。
使用した多価アリルエステル化合物は以下に示す方法で合成した。
合成例1:テレフタル酸ジアリルの合成
テレフタル酸ジメチル(和光純薬工業株式会社製)1000g、アリルアルコール(昭和電工株式会社製)1200g、水酸化カルシウム(和光純薬工業株式会社製)20gを温度計、精留塔のついた3000ml三ツ口フラスコに仕込み、120℃に調節したオイルバスにより加熱して反応を行った。反応の進行とともに生成するメタノールを精留塔から留出させて12時間反応を行った。その後系内に残っているアリルコールを減圧留去し、ついでろ過により触媒を除いた。ろ液を減圧蒸留し(沸点147℃〜148℃、2mmHg)無色透明なテレフタル酸ジアリル1154g(収率91%)を得た。
合成例2:イソフタル酸ジアリルの合成
合成例1のテレフタル酸ジメチルをイソフタル酸ジメチル(和光純薬工業株式会社製)に変え、同様の操作により反応及びアリルアルコール留去、ろ過を行った。ろ液を減圧蒸留し、(沸点140℃〜142℃、0.2mmHg)により無色透明なイソフタル酸ジアリル1120g(収率88%)を得た。
合成例3:イソフタル酸ジアリルの合成
イソフタル酸ジメチル3000g、アリルアルコール3000g、炭酸カリウム(和光純薬工業株式会社製)6.0gを精留塔のついたオートクレーブに仕込み、内温を130℃に保ちながら、加圧下徐々にメタノールを抜き出した。この時同時に少量ずつ留出するアリルアルコールを補うために、これに相当するアリルアルコールを、ポンプにより系内に送り込んだ。10時間反応を行った後、残りのアリルアルコールを減圧下留去した。濃縮反応液を0.2NHCl水溶液、次いで水で洗浄した後、減圧蒸留(沸点140℃〜142℃、0.2mmHg)により無色透明なイソフタル酸ジアリル3700g(イソフタル酸ジメチル基準収率97%)を得た。
合成例4:テレフタル酸ジアリルの合成
テレフタル酸ジメチル3000g、アリルアルコール3000g、ジブチルスズオキシド(東京化成工業株式会社製)6.0gを精留塔のついたオートクレーブに仕込み、内温を140℃に保ちながら、加圧下徐々にメタノールを抜き出した。同温度で20時間加熱した後、残りのアリルアルコールを減圧下留去し、テレフタル酸ジアリルを主成分とする反応組成物3804g得た。
合成例5:イソフタル酸ジアリルの合成
イソフタル酸(和光純薬工業株式会社製)2000g、アリルアルコール2000g、ジブチルスズオキシド3gを精留塔のついたオートクレーブに仕込み、内温を140℃に保ちながら、加圧下で徐々に水を抜き出した。この時同時に少量ずつ留出するアリルアルコールを補うために、これに相当するアリルアルコールを添加した。同温度で20時間加熱した後、残りのアリルアルコールを減圧下留去した。ついで減圧蒸留(沸点140℃〜142℃、0.2mmHg)により無色透明なイソフタル酸ジアリル2501g(イソフタル酸基準収率84%)を得た。
合成例6:1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルの合成
合成例1のテレフタル酸ジメチルを1,4−シクロヘキサンカルボン酸ジメチル(和光純薬工業株式会社製)に変え、同様の操作により反応及びアリルアルコール留去、ろ過を行った。ろ液を減圧蒸留し、沸点140℃〜142℃/26.6Paの1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル1210g(収率95%)を得た。
合成例7:多価アリルエステル化合物A1の合成
合成例1で得られたテレフタル酸ジアリル400g、1,3−ブタンジオール(和光純薬工業株式会社製)98g、ジブチルスズオキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、180℃に調節したオイルバスにより加熱して反応を行った。反応の進行とともに生成するアリルアルコールを精留塔から留出させた。反応は常圧から1.4kPaまで徐々に圧力を下げ、理論量のアリルアルコールが留出した時点を終了とした。冷却後反応液を取り出し、多価アリルエステル化合物A1を368g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例8:多価アリルエステル化合物A2の合成
合成例2で得られたイソフタル酸ジアリル400g、1,3−ブタンジオール98g、ジブチルスズオキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物A2を360g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例9:多価アリルエステル化合物A3の合成
合成例3で得られたイソフタル酸ジアリル400g、1,3−ブタンジオール98g、ジブチルスズオキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物A3を364g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例10:多価アリルエステル化合物A4の合成
合成例4で得られた反応組成物400g、1,3−ブタンジオール98gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物A4を360g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は30であった。
合成例11:多価アリルエステル化合物A5の合成
合成例5で得られたイソフタル酸ジアリル400g、1,3−ブタンジオール98g、ジブチルスズオキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物A5を362g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例12:多価アリルエステル化合物A6の合成
合成例6で得られた1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル400g、1,3−ブタンジオール98g、ジブチルスズオキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物A5を368g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例13:多価アリルエステル化合物B1の合成
合成例1で得られたテレフタル酸ジアリル400g、プロピレングリコール(和光純薬工業株式会社製)82g、ジブチルスズオキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物B1を352g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例14:多価アリルエステル化合物B2の合成
合成例2で得られたイソフタル酸ジアリル400g、プロピレングリコール82g、ジブチルスズオキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物B2を354g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例15:多価アリルエステル化合物B3の合成
合成例3で得られたイソフタル酸ジアリル400g、プロピレングリコール82g、ジブチルスズオキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物B3を346g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例16:多価アリルエステル化合物B4の合成
合成例4で得られた反応組成物400g、プロピレングリコール82gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物B4を348g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は30であった。
合成例17:多価アリルエステル化合物B5の合成
合成例5で得られたイソフタル酸ジアリル400g、プロピレングリコール82g、ジブチルスズオキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物B5を352g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例18:多価アリルエステル化合物B6の合成
合成例6で得られた1,4−シクロヘキサンカルボン酸ジアリル400g、プロピレングリコール81g、ジブチルスズオキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物B6を344g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例19:多価アリルエステル化合物C1の合成
合成例1で得られたテレフタル酸ジアリル400g、ジエチレングリコール(和光純薬工業株式会社製)57g、プロピレングリコール41g、ジブチルスズオキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物C1を366g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例20:多価アリルエステル化合物C2の合成
合成例2で得られたイソフタル酸ジアリル400g、ジエチレングリコール57g、プロピレングリコール41g、ジブチルスズオキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物C2を368g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例21:多価アリルエステル化合物C3の合成
合成例6で得られた1,4−シクロヘキサンカルボン酸ジアリル400g、ジエチレングリコール57g、プロピレングリコール40g、ジブチルスズオキシド0.4gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物C3を366g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例22:多価アリルエステル化合物D1の合成
合成例1で得られたテレフタル酸ジアリル250g、2,2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン107g、ジブチルスズオキシド0.25gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物D1を333g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は20であった。
合成例23:多価アリルエステル化合物D2の合成
合成例2で得られたイソフタル酸ジアリル250g、2,2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン107g、ジブチルスズオキシド0.25gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物D2を334g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は20であった。
合成例24:多価アリルエステル化合物D3の合成
合成例3で得られたテレフタル酸ジアリル250g、2,2−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジブロモフェニル]プロパン107g(帝人化成株式会社製)、ジブチルスズオキシド0.25gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物D3を328g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は20であった。
合成例25:多価アリルエステル化合物E1の合成
合成例1で得られたテレフタル酸ジアリル300g、トリメチロールプロパン(和光純薬工業株式会社製)24g、ジブチルスズオキシド0.3gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物E1を293g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例26:多価アリルエステル化合物E2の合成
合成例2で得られたイソフタル酸ジアリル300g、トリメチロールプロパン24g、ジブチルスズオキシド0.3gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物E2を291g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
合成例27:多価アリルエステル化合物E3の合成
合成例1で得られたテレフタル酸ジアリル300g、トリメチロールプロパン24g、ジブチルスズオキシド0.3gを三ツ口フラスコに仕込み、合成例7と同様の操作により、多価アリルエステル化合物E3を293g得た。得られた多価アリルエステル化合物のハーゼン色数は15であった。
実施例1〜3、比較例1:多価アリルエステル化合物への光の照射試験
合成例7〜27で得られた多価アリルエステル化合物(A1〜6,B1〜6,C1〜3,D1〜3,E1〜3)に以下の方法で光を照射して試験を行った。各多価アリルエステル化合物への光照射試験結果を表1に示す。
実施例1:光照射方法(i)
合成した多価アリルエステル化合物を上面が開放されたポリプロピレン製のバットにバットの底面から液面までの高さが10cmとなるまで入れ、室温で太陽光を照射させながら7日間静置した後、ハーゼン色数を測定した。
実施例2:光照射方法(ii)
合成した多価アリルエステル化合物を上面が開放されたポリプロピレン製のバットにバットの底面から液面までの高さが10cmとなるまで入れ、室温でマグネチックスターラーを用いて撹拌した。撹拌状態の多価アリルエステル化合物に上方から光を20時間照射した後、ハーゼン色数を測定した。
照射装置 フジカラーライトボックス8W(富士フィルムイメージング株式会社製)、
光源 昼白色演色AAAタイプFL8N−EDL−K(株式会社日立製作所製)。
実施例3:光照射方法(iii)
合成した多価アリルエステル化合物を上面が開放されたガラス製の容器にガラス容器の底面から液面までの高さが3cmとなるまで入れ、キセノンアークランプにより多価アリルエステル化合物の上方から光を20分間照射した後、ハーゼン色数を測定した。
照射装置 卓上型耐光性試験機サンテストXLS+(東洋精機株式会社製)、
照射光 波長290nm〜800nm、250W/m2、室温、紫外線フィルターにより290n以下の光線をカットした。
比較例1:
合成した多価アリルエステル化合物を実施例1と同様の容器に同量を加え、遮光し、7日間静置した後、ハーゼン色数を測定した。
Figure 2010132751
実施例4:光照射方法(ii)におけるハーゼン色数の経時変化
実施例2の光照射方法(ii)における多価アリルエステル化合物D2のハーゼン色数の経時変化を表2に示す。
Figure 2010132751
実施例5:光照射方法(iii)におけるハーゼン色数の経時変化
実施例3の光照射方法(iii)において照射時間60分までの多価アリルエステル化合物D2のハーゼン色数の経時変化を表3に示す。
Figure 2010132751
比較例2:活性炭により脱色処理した多価アリルエステル化合物D3−AC
合成例24で得られた多価アリルエステル化合物D3(150g)に活性炭(日本エンバイロケミカルズ株式会社製、白鷺A)を7.5g加え、室温で6時間撹拌した後、減圧ろ過により活性炭を除去し、多価アリルエステル化合物D3−ACを127g得た(収率は85%)。ろ過後の多価アリルエステル化合物D3−ACのハーゼン色数は15であった。
実施例6:硬化物の評価
実施例3の光照射方法(iii)で脱色した多価アリルエステル化合物D3−(iii):10gに硬化剤としてパーロイルIPP−27(日油株式会社製)1.1gを加え均一となるまで撹拌して、ラジカル重合性組成物を調整した。ガラス板2枚と3mm径シリコン紐からなる型に流し込み、40℃から90℃まで20時間かけて昇温した。得られた注型成形物のバーコル硬度及び黄色度を測定した。脱色前の合成例24で得られた多価アリルエステル化合物D3、及び活性炭により脱色した比較例2で得られた多価アリルエステル化合物D3−ACも同様の方法で硬化し、硬化物の評価を行った。結果を表4に示した。
Figure 2010132751
結果の通り、本発明の多価アリルエステル化合物の光による脱色方法は、実質的に多価アリルエステル化合物のロスなく、簡便に脱色できる。一方、比較例の活性炭を用いた吸着による脱色方法では、脱色操作による製品の収率低下があるため、経済上好ましくない。

Claims (7)

  1. 一般式(1)
    Figure 2010132751
    (式中、X1はそれぞれ独立して、2価のカルボン酸またはカルボン酸無水物から誘導される有機残基を表す。)
    で示される基の少なくとも1種以上を末端基として複数個有し、一般式(2)
    Figure 2010132751
    (式中、X2はそれぞれ独立して、2価のカルボン酸またはカルボン酸無水物から誘導される有機残基を表す。Yはそれぞれ独立して、2〜6個の水酸基を有する炭素数2〜20の多価アルコールから誘導される有機残基を表す。ただし、Yはエステル結合によって、さらに上記一般式(1)で示される基を末端基とし、上記一般式(2)で示される基を繰り返し単位とする分岐構造を有することができる。)
    で示される基を繰返し単位として有する多価アリルエステル化合物に、260nm未満の波長の光を含まない光を照射することを特徴とする多価アリルエステル化合物の脱色方法。
  2. 260nm未満の波長の光を含まない光が、260nm以上、800nm以下の波長の光を含むものである請求項1に記載の多価アリルエステル化合物の脱色方法。
  3. 照射する光が、太陽光である請求項1に記載の多価アリルエステル化合物の脱色方法。
  4. 照射する光の光源が、キセノンアークランプである請求項1に記載の多価アリルエステル化合物の脱色方法。
  5. 1及びX2が、芳香族ジカルボン酸または脂環式ジカルボン酸から誘導される有機残基である請求項1〜4のいずれかに記載の多価アリルエステル化合物の脱色方法。
  6. 撹拌状態の多価アリルエステル化合物に光を照射する請求項1〜5のいずれかに記載の多価アリルエステル化合物の脱色方法。
  7. 流通下の多価アリルエステル化合物に光を照射する請求項1〜5のいずれかに記載の多価アリルエステル化合物の脱色方法。
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