JPWO2017170050A1 - レジストインキ及びその硬化物並びに配線の保護膜及びその製造方法 - Google Patents

レジストインキ及びその硬化物並びに配線の保護膜及びその製造方法 Download PDF

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Abstract

耐酸性に優れる硬化物を形成することができるレジストインキを提供する。レジストインキは、1分子中に2個以上の(メタ)アリル基を有する(メタ)アリル基含有化合物(A)と、1分子中に2個以上のメルカプト基を有するチオール化合物(B)と、重合開始剤(C)と、を含有する。

Description

本発明は、レジストインキ及びその硬化物並びに配線の保護膜及びその製造方法に関する。
プリント配線板等に使用される銅配線は、酸化防止のために、強酸性の無電解錫メッキ液で処理され錫メッキされる。そのため、強酸性の無電解錫メッキ液に耐性を有するレジスト(レジストインキの硬化物)が求められている。特許文献1〜3には耐酸性を有するレジストを形成可能なレジストインキが開示されているが、強酸性の無電解錫メッキ液に対する耐性は十分とは言えなかった。
日本国特許公開公報 2003年第268067号 日本国特許公開公報 2005年第24591号 日本国特許公報 第3190251号
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、耐酸性に優れる硬化物を形成することができるレジストインキを提供することを課題とする。また、本発明は、耐酸性に優れる硬化物を提供することを併せて課題とする。さらに、本発明は、耐酸性に優れる配線の保護膜及びその製造方法を提供することを併せて課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の一態様は以下の[1]〜[14]の通りである。
[1] 1分子中に2個以上の(メタ)アリル基を有する(メタ)アリル基含有化合物(A)と、1分子中に2個以上のメルカプト基を有するチオール化合物(B)と、重合開始剤(C)と、を含有するレジストインキ。
[2] 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)は、脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有する化合物を含む[1]に記載のレジストインキ。
[3] 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)は、アリロキシカルボニル基及びN−アリル基の少なくとも一方を有する化合物を含む[1]又は[2]に記載のレジストインキ。
[4]前記(メタ)アリル基含有化合物(A)は、エステル構造及びイソシアヌレート構造の少なくとも一方の構造を有する化合物を含む[1]〜[3]のいずれか一項に記載のレジストインキ。
[5] 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)は、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、及びトリアリルイソシアヌレートから選ばれる少なくとも1つを含む[1]に記載のレジストインキ。
[6] 前記チオール化合物(B)は、1分子中に2個以上の2級又は3級メルカプト基を有する化合物を含む[1]〜[5]のいずれか一項に記載のレジストインキ。
[7] 前記チオール化合物(B)が、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、及びトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)から選ばれる少なくとも1つである[6]に記載のレジストインキ。
[8] (メタ)アクリロイル基含有化合物(D)をさらに含有する[1]〜[7]のいずれか一項に記載のレジストインキ。
[9] 前記(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)は、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含む[8]に記載のレジストインキ。
[10] 前記(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)は、エポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート、(ポリ)カーボネート(メタ)アクリレート、及び水添ポリブタジエン(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1つを含む[9]に記載のレジストインキ。
[11] 前記(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)は、脂環構造及び芳香環構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有する化合物を含む[8]〜[10]のいずれか一項に記載のレジストインキ。
[12] 前記チオール化合物(B)のメルカプト基の数に対する前記(メタ)アリル基含有化合物(A)の(メタ)アリル基の数の比(アリル基の数/メルカプト基の数)が0.25以上4以下の範囲内にあり、
(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)と(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)の合計の含有量を100質量部とした場合の前記重合開始剤(C)の含有量が0.01質量部以上10質量部以下である[8]〜[11]のいずれか一項に記載のレジストインキ。
[13] 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)と前記チオール化合物(B)と前記(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)との合計の含有量を100質量部とした場合、そのうちの前記(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)の含有量は10質量部以上80質量部以下である[8]〜[12]のいずれか一項に記載のレジストインキ。
[14] 前記重合開始剤(C)は、活性エネルギー線の照射によって重合性のラジカル種を発生する化合物を含む[1]〜[13]のいずれか一項に記載のレジストインキ。
[15] [1]〜[14]のいずれか一項に記載のレジストインキの硬化物。
[16] [15]に記載の硬化物を含有する配線の保護膜。
[17] 配線を有する基板上に、[14]に記載のレジストインキを膜状に配して、前記配線を前記レジストインキの膜で覆う被覆工程と、
前記レジストインキの膜のうち前記配線を覆う領域を含む一部の領域又は全領域に、前記重合開始剤(C)に重合性のラジカル種を発生させる波長の活性エネルギー線を照射し、前記レジストインキを硬化させて前記配線の保護膜を形成する硬化工程と、
を備える配線の保護膜の製造方法。
本発明によれば、耐酸性に優れる硬化物及び配線の保護膜を提供することができる。
本発明の一実施形態について以下に説明する。本実施形態のレジストインキは、1分子中に2個以上の(メタ)アリル基を有する(メタ)アリル基含有化合物(A)と、1分子中に2個以上のメルカプト基を有するチオール化合物(B)と、重合開始剤(C)と、を含有する。
本実施形態のレジストインキは、活性エネルギー線の照射や熱によって容易に短時間で硬化させることができ、その硬化物は優れた耐酸性を有する。よって、本実施形態のレジストインキは、酸性液保護用の保護材として好適に使用することができる。例えば、本実施形態のレジストインキの硬化物は、酸性メッキ液に対する耐性も十分であるので、プリント配線板等に使用される銅配線に酸性メッキ液を用いてメッキする際に、レジスト(配線の保護膜)として使用することができる。錫メッキに使用される無電解錫メッキ液は特に強酸性であるが、本実施形態のレジストインキの硬化物であれば耐性を有しているので、無電解錫メッキ液を用いて錫メッキする際のレジストとしても使用することができる。
また、本実施形態のレジストインキの硬化物(配線の保護膜)は、被覆される基板に対する密着性が優れているとともに、耐湿性及び耐熱性も優れており、さらに、高いレベルでの長期絶縁信頼性も有している。
さらに、本実施形態のレジストインキは、溶剤に溶解している必要がなく、ソルベントフリーとすることができるので、環境汚染を生じにくい。
以下に、本発明の一実施形態に係るレジストインキ、及び、該レジストインキを硬化させることにより得られる硬化物、並びに、該硬化物を含有する配線の保護膜及びその製造方法について詳細に説明する。
なお、本明細書における「(メタ)アクリロイル基」とは、アクリロイル基及び/又はメタクリロイル基を意味する。加えて、本明細書においては、「(メタ)アリル」は、メタアリル(すなわち2−メチル−2−プロペニル)及び/又はアリル(すなわち2−プロペニル)を意味する。また、「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」は、メタクリル及び/又はアクリルを意味する。
〔1〕1分子中に2個以上の(メタ)アリル基を有する(メタ)アリル基含有化合物(A)
(メタ)アリル基含有化合物(A)は、1分子中に2個以上の(メタ)アリル基を有する化合物であり、モノマーであってもオリゴマーであってもポリマーであってもよく、粘度の観点から、数平均分子量が200以上20000以下の化合物であることが好ましい。なお、本発明におけるオリゴマー又はポリマーの分子量は、特に断りがない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)によって測定されたポリスチレン(PS)換算の数平均分子量である。分子量の詳細な測定条件は、後述の実施例に示す。
(メタ)アリル基含有化合物(A)としては、分子内に脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有する化合物(a−1)と非環式の化合物(a−2)とが挙げられる。
前記脂環構造としては、炭素数3〜6個の脂環を例示することができ、好ましくはシクロヘキサン環とシクロヘプタン環である。前記芳香環構造としては、炭素数6〜10個の芳香環を例示することができ、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環である。前記複素環構造としては、窒素原子や酸素原子やイオウ原子を有する三員環から十員環が挙げられ、ピリジン環、トリアジン環、シアヌル酸由来の環、イソシアヌル酸由来の環などを例示できる。
(メタ)アリル基含有化合物(A)がモノマーである場合には、化合物(a−1)としては、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ピロメリット酸テトラアリル等の芳香環構造を有するアリロキシカルボニル基含有化合物や、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸トリアリル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸テトラアリル、5−アルキル置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジアリル、5−ハロゲン置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジアリル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジアリル、1,3,5−アダマンタントリカルボン酸トリアリル、水素化ビスフェノールA型ジアリルエーテル、水添ダイマー酸(炭素数が36又は44であり、脂環構造を有するもの)ジアリル、トリシクロデカンジメタノールジカルボン酸ジアリル等の脂環構造を有するアリロキシカルボニル基含有化合物や、イソシアヌル酸トリアリル、シアヌル酸トリアリル、ジアリルモノヒドロキシエチルシアヌレート、ジアリルモノヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートプレポリマー、1,3,5−トリアリルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル等の複素環構造を有するN−アリル基含有化合物があげられる。これらの中では、(メタ)アリル基含有化合物(A)としては、エステル構造及びイソシアヌレート構造の少なくとも一方を有する化合物が好ましい。
また、化合物(a−1)としては、フタル酸ジメタリル、イソフタル酸ジメタリル、テレフタル酸ジメタリル、トリメリット酸トリメタリル、ピロメリット酸テトラメタリル等の芳香環構造を有するメタリロキシカルボニル基含有化合物や、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジメタリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジメタリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメタリル、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸トリメタリル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸テトラメタリル、5−アルキル置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジメタリル、5−ハロゲン置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジメタリル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジメタリル、1,3,5−アダマンタントリカルボン酸トリメタリル、5−ハロゲン置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジメタリル、水添ダイマー酸(炭素数が36又は44であり、脂環構造を有するもの)ジメタリル、トリシクロデカンジメタノールジカルボン酸ジメタリル等の脂環構造を有するメタリロキシカルボニル基含有化合物や、イソシアヌル酸トリメタリル、シアヌル酸トリメタリル、1,3,5−トリメタリルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,4,6−テトラメタリルグリコールウリル等のN−メタリル基含有化合物が挙げられる。
さらに、化合物(a−1)としては、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールAジメタリルエーテル、ビスフェノールSジアリルエーテル、ビスフェノールSジメタリルエーテル、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエーテル、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジメタリルエーテル、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエーテル、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジメタリルエーテル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエーテル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメタリルエーテル、2,7−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエーテル、2,7−ナフタレンジカルボン酸ジメタリルエーテル、ジフェニル−m,m’−ジカルボン酸ジアリルエーテル、ジフェニル−m,m’−ジカルボン酸ジメタリルエーテル、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸ジアリルエーテル、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸ジメタリルエーテル、ベンゾフェノン−4,4−ジカルボン酸ジアリルエーテル、ベンゾフェノン−4,4−ジカルボン酸ジメタリルエーテル、メチルテレフタル酸ジアリルエーテル、メチルテレフタル酸ジメタリルエーテル、テトラクロルフタル酸ジアリルエーテル、テトラクロルフタル酸ジメタリルエーテル、ジアリルフルオレン、ジメタリルフルオレン、フルオレンビスフェノキシエチルジアリルエーテル、フルオレンビスフェノキシエチルジメタリルエーテル、フルオレンビスフェノキシエチルジメタリルエーテル、フルオレンビスフェノキシエチルジメタリルエーテル、フルオレンビスフェノキビスメタリルエーテル等のアリルエーテル化合物等が挙げられる。
一方、1分子中にアリル基とメタリル基を有する化合物も挙げられる。化合物(a−1)としては、フタル酸アリルメタリルエステル、イソフタル酸アリルメタリルエステル、トリメリット酸ジアリルメタリルエステル、トリメリット酸アリルジメタリルエステル、ピロメリット酸トリアリルメタリルエステル、ピロメリット酸ジアリルジメタリルエステル、ピロメリット酸アリルトリメタリルエステル、ビスフェノールAアリルメタリルエーテル、ビスフェノールSアリルメタリルエーテル、1,4−ナフタレンジカルボン酸アリルメタリルエーテル、1,5−ナフタレンジカルボン酸アリルメタリルエーテル、2,6−ナフタレンジカルボン酸アリルメタリルエーテル、2,7−ナフタレンジカルボン酸アリルメタリルエーテル、ジフェニル−m,m’−ジカルボン酸アリルメタリルエーテル、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸アリルメタリルエーテル、ベンゾフェノン−4,4−ジカルボン酸アリルメタリルエーテル、メチルテレフタル酸アリルメタリルエーテル、テトラクロルフタル酸アリルメタリルエーテル、アリルメタリルフルオレン、フルオレンビスフェノキシエチルアリルメタリルエーテル、フルオレンビスフェノキアリルメタリルエーテル等の芳香環構造を有するメタリル基とアリル基が共存する化合物や、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸アリルメタリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸アリルメタリル、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸アリルジメタリル、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸ジアリルメタリル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸トリアリルメタリル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸ジアリルジメタリル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸アリルトリメタリル、5−アルキル置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸アリルメタリル、5−ハロゲン置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸アリルメタリル、1,3−アダマンタンジカルボン酸アリルメタリル、1,3,5−アダマンタントリカルボン酸ジアリルメタリル、1,3,5−アダマンタントリカルボン酸アリルジメタアリル、水添ダイマー酸(炭素数が36又は44であり、脂環構造を有するもの)アリルメタリル、トリシクロデカンジメタノールジカルボン酸アリルメタリル等の脂環構造を有するメタリル基とアリル基が共存する化合物や、アリルメタリルモノヒドロキシエチルシアヌレート、ジアリルメタリルイソシアヌレート、アリルジメタリルイソシアヌレート、1,5−ジアリル−3−メタリルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1−アリル−3,5―ジメタリルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,4,6−メタリルトリアリルグリコールウリル、1,3,4,6−ジメタリルジアリルグリコールウリル、1,3,4,6−トリメタリルアリルグリコールウリル等のN−メタリル基とN−アリル基が共存する化合物が挙げられる。
化合物(a−2)としては、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラアリル、コハク酸ジアリル、グルタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、セバシン酸ジアリル、ダイマー酸ジアリル、水添ダイマー酸ジアリル、1,12−ドデカン二酸ジアリル、マレイン酸ジアリル、イタコン酸ジアリル、ジエチレングリコールビス(メタリルカーボネート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラメタリル、コハク酸ジメタリル、グルタル酸ジメタリル、アジピン酸ジメタリル、セバシン酸ジメタリル、ダイマー酸ジメタリル、水添ダイマー酸ジメタリル、1,12−ドデカン二酸ジメタリル、マレイン酸ジメタリル、イタコン酸ジメタリル、トリメチロールプロパンジメタリルエーテル、ペンタエリスリトールトリメタリルエーテル、トリメチロールプロパントリメタリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラメタリルエーテルなどが挙げられる。
本実施形態のレジストインキの硬化物の耐酸性等の物性を考慮すると、これらの(メタ)アリル基含有化合物(A)の中では、化合物(a−2)よりも化合物(a−1)の方が好ましく、(メタ)アリル基含有化合物(A)がモノマーである場合も、後述の(メタ)アリル基含有化合物(A)がオリゴマーである場合も同様である。
また、レジストインキの反応性(硬化性)を考慮すると、これらの(メタ)アリル基含有化合物(A)の中では、アリロキシカルボニル基及びN−アリル基の少なくとも一方を有する化合物が好ましい。
さらに、本実施形態のレジストインキの硬化物の耐酸性等の物性とレジストインキの反応性との両面を考慮すると、アリロキシカルボニル基及びN−アリル基の少なくとも一方を有する化合物(a−1)が好ましく、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、及びトリアリルイソシアヌレートが特に好ましい。
(メタ)アリル基含有化合物(A)がオリゴマーである場合には、(メタ)アリル基含有化合物(A)としては(メタ)アリルエステル樹脂があげられる。(メタ)アリルエステル樹脂とは、分子末端に(メタ)アリロキシカルボニル基を有し且つ分子内に繰り返し単位を有する化合物である。例えば、多塩基酸の(メタ)アリルエステル化合物と多価アルコールのエステル交換反応、(メタ)アリルアリルアルコールを含むモノオールや多価アルコール等のアルコールと多塩基酸及び多塩基酸無水物から選ばれる少なくとも1種との縮合反応、繰り返し単位を有するポリオールと多塩基酸の(メタ)アリルエステル化合物とのエステル交換反応、及び、(メタ)アリルアリルアルコールを含むモノオールや繰り返し単位を有するポリオール等のアルコールと多塩基酸及び多塩基酸無水物から選ばれる少なくとも1種との縮合反応の各種反応によって生成される化合物である。
上記のエステル交換反応に用いる触媒としては、有機金属化合物が特に好ましく、具体的にはテトライソプロポキシチタン、テトラ−n−ブトキシチタン、ジブチル錫オキサイド、ジオクチル錫オキサイド、アセチルアセトンハフニウム、アセチルアセトンジルコニウム等を挙げることができる。
上記エステル交換反応の反応温度としては、好ましくは100℃以上230℃以下、より好ましくは120℃以上200℃以下である。特に、エステル交換反応に溶媒を用いた場合は、その沸点により制限を受けることがある。また、使用する多価アルコールによっても制限を受けることがある。
さらに、上記エステル交換反応では、溶媒を用いなくてもよいが、必要に応じてエステル交換反応を阻害しない溶媒を用いることもできる。具体的には、ベンゼン、トルエン、キシレン、シクロヘキサン等を挙げることができる。中でもベンゼン、トルエンが好ましい。
(メタ)アリルエステル樹脂の具体例としては、例えば、下記式(1)、(2)、(4)で表される構造を有するオリゴマーが挙げられる。
Figure 2017170050
式(1)中のn個のRは、それぞれ独立に、炭素数1以上36以下(好ましくは1以上10以下、より好ましくは1以上6以下)の直鎖アルキレン基又は分岐アルキレン基を示す。また、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。好ましくは、R及びRともに水素原子である。
また、式(1)中の(n+1)個のXは、それぞれ独立に、2価カルボン酸から誘導される有機基であり、好ましくは炭素数1以上4以下のアルキル基を置換基として有してもよいフェニレン基又はシクロヘキシレン基であり、さらに好ましくは置換基を有さないフェニレン基又はシクロヘキシレン基である。炭素数1以上4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
フェニレン基又はシクロヘキシレン基が隣接するカルボニル炭素に結合する位置は1,2位、1,3位、1,4位のいずれでもよいが、合成の容易さを考慮すると、1,3位又は1,4位であることが好ましい。
式(1)中のnは1以上20以下の整数であり、好ましくは1以上18以下であり、より好ましくは1以上15以下である。式(1)で表されるオリゴマーの分子量は300以上20000以下であることが好ましく、800以上18000以下であることがより好ましく、1000以上16000以下であることがさらに好ましい。
Figure 2017170050
式(2)中の(2m+1)個のAは、それぞれ独立に、2価カルボン酸から誘導される有機基であり、好ましくは炭素数1以上4以下のアルキル基を置換基として有してもよいフェニレン基又はシクロヘキシレン基であり、より好ましくは置換基を有さないフェニレン基又はシクロヘキシレン基である。炭素数1以上4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
フェニレン基又はシクロヘキシレン基が隣接するカルボニル炭素に結合する位置は1,2位、1,3位、1,4位のいずれでもよいが、合成の容易さを考慮すると、1,3位又は1,4位であることが好ましい。
式(2)中のm個のRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。)、又は下記式(3)で表される基を示す。また、式(2)中のR、R及びm個のRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。好ましくは、R、R及びm個のRは全て水素原子である。式(3)中のAは、式(2)で表されるオリゴマーの場合と同様であり、Rは水素原子又はメチル基を示す。好ましくは、Rは水素原子である。
式(2)中のmは3以上70以下の整数であり、好ましくは4以上60以下であり、より好ましくは4以上50以下である。式(2)で表されるオリゴマーの分子量は、300以上20000以下であることが好ましく、500以上18000以下であることがより好ましく、700以上16000以下であることがさらに好ましい。
Figure 2017170050
Figure 2017170050
式(4)中の(q+1)個のZは、それぞれ独立に、2価カルボン酸から誘導される有機基であり、好ましくは炭素数1以上4以下のアルキル基を置換基として有してもよいフェニレン基又はシクロヘキシレン基であり、より好ましくは置換基を有さないフェニレン基又はシクロヘキシレン基である。炭素数1以上4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
式(4)中の[(p+1)×q]個のRは、それぞれ独立に、炭素数1以上36以下(好ましくは1以上10以下、より好ましくは1以上6以下)の直鎖アルキレン基又は分岐アルキレン基を示す。また、式(4)中のR10及びR11は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。好ましくは、R10及びR11ともに水素原子である。
式(4)中のpは1以上10以下の整数であり、好ましくは1以上9以下であり、より好ましくは1以上8以下である。式(4)中のqは5以上50以下の整数であり、好ましくは5以上45以下であり、より好ましくは5以上40以下である。式(4)で表されるオリゴマーの分子量は、好ましくは300以上20000以下であり、より好ましくは500以上19000以下であり、さらに好ましくは700以上18000以下である。
(メタ)アリル基含有化合物(A)がオリゴマーである場合の(メタ)アリルエステル樹脂以外の具体例としては、置換又は非置換のアリルアルコールから誘導されるポリエン化合物、ポリエチレングリコールビス(アリルカーボネート)等が挙げられる。
(メタ)アリル基含有化合物(A)がポリマーである場合には、(メタ)アリル基含有化合物(A)としては、ポリマー骨格に2個以上のアリル基が導入された化合物があげられる。このポリマー骨格としては、ポリエチレン骨格、ポリウレタン骨格、ポリエステル骨格、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリオキシアルキレン骨格、ポリフェニレン骨格が挙げられる。
(メタ)アリル基含有化合物(A)は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また、本実施形態のレジストインキに使用される(メタ)アリル基含有化合物(A)に属する全ての化合物を混合した混合物のヨウ素価は、20以上240以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは30以上210以下である。ヨウ素価が20以上240以下の範囲内であれば、活性エネルギー線の照射や熱によって容易に短時間でレジストインキを硬化させることができる。なお、本明細書に記載のヨウ素価とは、対象となる物質100gと反応するハロゲンの量(単位はg)を、ヨウ素のグラム数に換算した値である。
〔2〕1分子中に2個以上のメルカプト基を有するチオール化合物(B)
チオール化合物(B)は、1分子中に2個以上のメルカプト基を有する化合物であれば特に限定されるものではない。具体例としては、1分子中に2個のメルカプト基を有する化合物、1分子中に3個のメルカプト基を有する化合物、1分子中に4個のメルカプト基を有する化合物、及び1分子中に6個のメルカプト基を有する化合物が挙げられる。
1分子中に2個のメルカプト基を有する化合物の例としては、ブタンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、ヘキサンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、エタンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトアセテート)、2,2’−(エチレンジチオ)ジエタンチオール、エチレングリコールビス(3−メルカプト−2−メチルプロピオネート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプト−2−メチルプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプト−2−メチルプロピオネート)、ブタンジオールビス(3−メルカプト−2−メチルプロピオネート)、オクタンジオールビス(3−メルカプト−2−メチルプロピオネート)、ビス(3−メルカプト−2−メチルプロピル)フタレート等の1分子中に2個の1級のメルカプト基を有する化合物や、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ビス(1−メルカプトエチル)フタレート、ビス(2−メルカプトプロピル)フタレート、ビス(3−メルカプトブチル)フタレート、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、プロピレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、オクタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、プロピレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、オクタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(4−メルカプトバレレート)、プロピレングリコールビス(4−メルカプトイソバレレート)、ジエチレングリコールビス(4−メルカプトバレレート)、ブタンジオールビス(4−メルカプトバレレート)、オクタンジオールビス(4−メルカプトバレレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトバレレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトバレレート)等の1分子中に2個の2級のメルカプト基を有する化合物や、エチレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、プロピレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトイソブチレート)、オクタンジオールビス(2−メルカプトイソブチレート)等の1分子中に2個の3級のメルカプト基を有する化合物等を挙げることができる。
また、1分子中に3個のメルカプト基を有する化合物の例としては、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプト−2−メチルプロピオネート)等の1分子中に3個の1級のメルカプト基を有する化合物や、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(4−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトバレレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等の1分子中に3個の2級のメルカプト基を有する化合物や、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトイソブチレート)等の1分子中の3個の3級のメルカプト基を有する化合物等を挙げることができる。
さらに、1分子中に4個のメルカプト基を有する化合物の例としては、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)等の1分子中に4個の1級のメルカプト基を有する化合物や、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト−2−プロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(4−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトバレレート)等の1分子中に4個の2級のメルカプト基を有する化合物や、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトイソブチレート)等の1分子中に4個の3級のメルカプト基を有する化合物等を挙げることができる。
さらに、1分子中に6個のメルカプト基を有する化合物の例としては、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプト−2−メチルプロピオネート)等の1分子中に6個の1級のメルカプト基を有する化合物や、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(4−メルカプトバレレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトバレレート)等の1分子中に6個の2級のメルカプト基を有する化合物や、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトイソブチレート)等の1分子の6個の3級のメルカプト基を有する化合物等を挙げることができる。
これらのチオール化合物(B)の中では、本実施形態のレジストインキの耐酸性とポットライフを考慮すると、1級のメルカプト基を有さず且つ2級のメルカプト基の数と3級のメルカプト基の数の総数が2個以上である化合物が好ましい。例えば、1分子中に2個の2級のメルカプト基を有する化合物、1分子中に2個の3級のメルカプト基を有する化合物、1分子中に3個の2級のメルカプト基を有する化合物、1分子中に3個の3級のメルカプト基を有する化合物、1分子中に4個の2級のメルカプト基を有する化合物、1分子中に4個の3級のメルカプト基を有する化合物、1分子中に6個の2級のメルカプト基を有する化合物、1分子中に6個の3級のメルカプト基を有する化合物などが好ましい。
チオール化合物(B)としては、特に1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、及びトリメチロールプロパン−トリス(3−メルカプトブチレート)がより好ましい。
チオール化合物(B)が有する全てのメルカプト基が第二級炭素原子又は第三級炭素原子に結合していると(すなわち、全てのメルカプト基が2級のメルカプト基又は3級のメルカプト基であると)、レジストインキのポットライフや保存安定性が優れたものとなる。
チオール化合物(B)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、チオール化合物(B)の分子量は特に限定されるものではないが、本実施形態のレジストインキの硬化物の耐酸性向上の観点から、好ましくは200以上1000以下である。
チオール化合物(B)は、市販品として容易に入手することもできる。1分子中に2個以上のメルカプト基を含有する2級チオールのうち市販品として入手容易なものとしては、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(昭和電工株式会社製の商品名カレンズMT(商標) BD1)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工株式会社製の商品名カレンズMT(商標) PE1)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(昭和電工株式会社製の商品名カレンズMT(商標) NR1)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工株式会社製の商品名TPMB)等が挙げられる。
本実施形態のレジストインキにおけるチオール化合物(B)の好ましい含有量は、(メタ)アリル基含有化合物(A)の(メタ)アリル基の数とチオール化合物(B)のメルカプト基の数の比で表すことができる。すなわち、チオール化合物(B)のメルカプト基の数に対する(メタ)アリル基含有化合物(A)の(メタ)アリル基の数の比(アリル基の数/メルカプト基の数)は、硬化性及び耐酸性の観点から、0.25以上4以下の範囲内であることが好ましく、0.67以上2.33以下の範囲内であることがより好ましい。このような比となるように、レジストインキにおける(メタ)アリル基含有化合物(A)及びチオール化合物(B)の含有量を決定するとよい。
なお、(メタ)アリル基含有化合物(A)の(メタ)アリル基の数とは、(メタ)アリル基含有化合物(A)に属する全ての化合物の(メタ)アリル基の数の合計(モル数)を意味し、チオール化合物(B)のメルカプト基の数とは、チオール化合物(B)に属する全ての化合物のメルカプト基の数の合計(モル数)を意味する。
なお、発明の効果を損なわない範囲の量であれば、本実施形態のレジストインキに、チオール化合物(B)以外のメルカプト基含有化合物を配合してもよい。ただし、チオール化合物(B)以外のメルカプト基含有化合物の配合量は、硬化性、耐酸性等の維持の観点から、チオール化合物(B)を含む全てのメルカプト基含有化合物の含有量の20質量%以下であることが好ましい。
〔3〕重合開始剤(C)
重合開始剤(C)には光重合開始剤と熱重合開始剤とがあるが、活性エネルギー線及び/又は熱によってラジカル重合性のラジカルを発生させ(メタ)アリル基含有化合物(A)の重合の開始を促進する化合物であれば、いずれも用いることができ、例えば特許第5302688号公報に記載の重合開始剤を使用することができる。重合開始剤(C)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤と熱重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいが、レジストインキを用いて印刷を行った場合のレジストインキの印刷形状の保持の観点から、重合開始剤(C)には光重合開始剤が含まれることが好ましい。なお、活性エネルギー線の照射による硬化と熱硬化を併用するような重合を行う場合には、光重合開始剤と熱重合開始剤を併用することができる。
光重合開始剤の種類は、照射される活性エネルギー線に感応する重合開始剤であれば、特に限定されない。活性エネルギー線としては、近赤外線、可視光線、紫外線、真空紫外線、X線、γ線、電子線等の電磁波、粒子線があるが、可視光線又は紫外線の照射に感応する光重合開始剤としては、アセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、2−ヒドロオキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(例えば、BASF社製のDarocur1173)、などのアセトフェノン又はその誘導体があげられる。
また、可視光線又は紫外線の照射に感応する光重合開始剤として、ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4−トリメチルシリルベンゾフェノンなどのベンゾフェノン又はその誘導体や、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテルなどのベンゾイン又はその誘導体もあげることができる。
さらに、可視光線又は紫外線の照射に感応する光重合開始剤として、メチルフェニルグリオキシレート、ベンゾインジメチルケタール、エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィナート(例えば、BASF社製のIrgacureTPO−L)などを挙げることができ、また、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジクロルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイドなどのビスアシルホスフィンオキサイド化合物や、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメトキシベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイドなどのアシルホスフィンオキサイド化合物もあげることができる。
特に好ましい光重合開始剤としては、ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−1−(4−イソプロペニルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン及びそのオリゴマー、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンがあげられ、これらの混合物であるLAMBERTI S.p.A社製の製品名「ESACURE KTO 46」が好ましく使用できる。
さらに、可視光線又は紫外線の照射に感応する光重合開始剤として、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(1H−ピロール−1−イル)フェニル]チタニウム等のチタノセン化合物や、2,4−ジエチルチオキサントン、2−イソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン類や、メチルフェニルグリオキシレート、ベンゾインジメチルケタール、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチルなどもあげることができる。
なお、水素引抜タイプの光重合開始剤(例えばベンゾフェノン系、チオキサントン系)に対して優れた促進機能を有する、一般的に光重合促進剤と呼ばれている化合物(例えばp−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、p−ジメチルアミノ安息香酸エチル)も、本発明においては光重合開始剤に含まれるものと定義する。
これらの光重合開始剤の中では、アシルフォスフィンオキサイド化合物、ビスアシルフォスフィンオキサイド化合物、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−メチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)ブタノン−1、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンが好ましく、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメトキシベンゾイル−ジフェニルホスフィンオキサイド、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンがより好ましい。
次に、熱重合開始剤の種類は、特に限定されるものではないが、例えば有機過酸化物等の過酸化物系重合開始剤、アゾ化合物、過硫酸塩、レドックス系重合開始剤などが挙げられる。
有機過酸化物としては、例えば、ジアルキルパーオキサイド、アシルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド、ケトンパーオキサイド、パーオキシエステルなどが使用可能である。その具体例としては、ジイソブチリルパーオキサイド、クミルパーオキシネオデカノエート等が挙げられる。さらに、過酸化物系重合開始剤としては、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルマレエート、ジ−t,t−ヘキシルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。
また、アゾ化合物としては、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)などが挙げられる。
また、レドックス系重合開始剤としては、例えば、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせなどが挙げられる。過硫酸塩としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
本実施形態のレジストインキにおける重合開始剤(C)の含有量は、レジストインキ全体の量から重合性開始剤(C)及び非反応性溶媒や無機充填剤などの反応に寄与しない成分の含有量を差し引いた量を100質量部とした場合の重合開始剤(C)の含有量が、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.1質量部以上10質量部以下であることがより好ましく、0.3質量部以上7質量部以下であることがさらに好ましく、0.4質量部以上3質量部以下であることが特に好ましい。重合開始剤(C)の含有量が上記の数値範囲内であれば、十分な硬化速度を得ることができるとともに、硬化物の機械的強度が高くなる。
例えば、本実施形態のレジストインキが(メタ)アリル基含有化合物(A)、チオール化合物(B)、及び重合開始剤(C)からなる場合には、(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)の合計の含有量を100質量部とした場合の重合開始剤(C)の含有量は、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
また、例えば、本実施形態のレジストインキが(メタ)アリル基含有化合物(A)、チオール化合物(B)、重合開始剤(C)、及び後述する(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)からなる場合には、(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)と(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)の合計の含有量を100質量部とした場合の重合開始剤(C)の含有量は、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましい。
〔4〕(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)
本実施形態のレジストインキは、(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)をさらに含有してもよい。
(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)は、(メタ)アクリロイル基を含有する化合物であれば特に限定されるものではないが、その例としては、エポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート、(ポリ)カーボネート(メタ)アクリレート、水添ポリブタジエン(メタ)アクリレート、(ポリ)エーテル(メタ)アクリレート、(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレート等を挙げることができる。
これらの中では、エポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート、(ポリ)カーボネート(メタ)アクリレート、水添ポリブタジエン(メタ)アクリレートが好ましく、より好ましくはエポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)カーボネート(メタ)アクリレートであり、さらに好ましくは、エポキシ(メタ)アクリレートである。
また、(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)は、分子内に脂環構造及び芳香環構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有する化合物であることが好ましい。さらに、(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)は、レジストインキの硬化性の観点から、(メタ)アクリロイル基を2個以上有する化合物であることが好ましい。
エポキシ(メタ)アクリレートは、エポキシ基を有するエポキシ樹脂と(メタ)アクリロイル基を有するモノカルボン酸とを反応させてなる化合物全般を意味する。エポキシ樹脂は、1分子中にエポキシ基を2個以上有する化合物であることが好ましく、具体的には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂が挙げられる。
また、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールSノボラック型エポキシ樹脂、メトキシ基含有ノボラック型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂もあげることができる。
その他では、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(通称ザイロック樹脂のエポキシ化物)、レゾルシンのジグリシジルエーテル、ハイドロキノンのジグリシジルエーテル、カテコールのジグリシジルエーテル、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等の2官能型エポキシ樹脂や、トリグリシジルシソシアヌレート、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール樹脂のエポキシ化物)、メトキシ基含有フェノールアラルキル樹脂などが挙げられる。
エポキシ(メタ)アクリレートは、市販品として容易に入手することもできる。市販品のエポキシ(メタ)アクリレートとしては、例えば、昭和電工株式会社製のVR−77や、共栄社化学株式会社製のエポキシエステル40EM、エポキシエステル30002M、エポキシエステル3002A、エポキシエステル3000MK、エポキシエステル3000Aや、ダイセル・オルネクス株式会社製のEBECRYL600、EBECRYL648、EBECRYL3700等が挙げられる。
次に、(ポリ)エステル(メタ)アクリレートは、(メタ)アクリロイルオキシ基以外のエステル結合を1個以上有し、且つ、1個以上の(メタ)アクリレート基を有する化合物を意味する。
(ポリ)エステル(メタ)アクリレートは、市販品として容易に入手することもできる。市販品の(ポリ)エステル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ダイセル・オルネクス株式会社製のEBECRYL450、EBECRYL810、EBECRYL811、EBECRYL812、EBECRYL1830、EBECRYL846、EBECRYL851、EBECRYL852、EBECRYL853、EBECRYL1870、EBECRYL884、EBECRYL885等が挙げられる。
次に、(ポリ)カーボネート(メタ)アクリレートは、1個以上のカーボネート基を有し、且つ、1個以上の(メタ)アクリレート基を有する化合物を意味する。
(ポリ)カーボネート(メタ)アクリレートの合成法としては、(メタ)アクリル酸のクロライドとポリカーボネートポリオールとの脱塩酸反応、(メタ)アクリル酸と(ポリ)カーボネートポリオールとの直接脱水反応、(メタ)アクリル酸の低級アルキルエステルと(ポリ)カーボネートポリオールのエステル交換反応等が用いられる。
(ポリ)カーボネート(メタ)アクリレートは、市販品として容易に入手することもできる。市販品の(ポリ)カーボネート(メタ)アクリレートとしては、例えば、宇部興産株式会社製のポリカーボネートジオールジアクリレートである下記式(5)で表される化合物等が挙げられる。式(5)において、kは1以上の整数である。
Figure 2017170050
次に、水添ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、分子中に水添ポリブタジエン構造と(メタ)アクリレート構造とを有する化合物を意味する。
水添ポリブタジエン(メタ)アクリレートの合成法としては、水添ポリブタジエンポリオールと(メタ)アクリル酸のエステル化反応、水添ポリブタジエンポリオールと(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応、水添ポリブタジエンポリオールとイソシアナト基含有(メタ)アクリレートの付加反応、水添ポリブタジエンポリオールとポリイソシアネートとアルコール性水酸基含有(メタ)アクリレートとの付加反応等が好ましく使用される。
水添ポリブタジエン(メタ)アクリレートは、市販品として容易に入手することもできる。市販品の水添ポリブタジエン(メタ)アクリレートとしては、例えば、水添ポリブタジエンポリオールとポリイソシアネートとアルコール性水酸基含有アクリレートとの付加物である日本曹達株式会社製のNISSO−PB TEAI−1000、水添ポリブタジエンジアクリレートである大阪有機化学工業株式会社製のSPBDA−S30等が挙げられる。
水添ポリブタジエン(メタ)アクリレートの中では、ウレタン結合を有さない水添ポリブタジエンポリオールと(メタ)アクリル酸とのエステル化物や、水添ポリブタジエンポリオールと(メタ)アクリル酸エステルとのエステル交換反応物が好ましい。
次に、(ポリ)エーテル(メタ)アクリレートは、分子中に1個以上のエーテル結合を有し且つ1個以上の(メタ)アクリレート基を有する化合物を意味し、例えば、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリプロピレングリコールジアクリレート、ポリテトラメチレングリコールジアクリレート等を挙げることができる。
次に、(ポリ)ウレタン(メタ)アクリレートは、分子中に1個以上のウレタン結合を有し且つ1個以上の(メタ)アクリレート基を有する化合物を意味し、例えば、ポリオールとポリイソシアネートとヒドロキシル基含有(メタ)アクリレートとを必須の原料として重付加反応を行うことにより得られる化合物や、ポリオールとイソシアナト基含有(メタ)アクリレートとを必須の原料として重付加反応を行うことにより得られる化合物を挙げることができる。
(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)の数平均分子量は限定されないが、耐酸性の観点から、400以上であることが好ましく、600以上であることがより好ましい。
本実施形態のレジストインキが(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)を含有する場合には、その含有量は、耐酸性の観点から、以下のようにすることが好ましい。すなわち、(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)と(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)との合計の含有量を100質量部とした場合、そのうちの(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)の含有量は10質量部以上80質量部以下とすることが好ましく、20質量部以上70質量部以下とすることがより好ましく、40質量部以上70質量部以下とすることがさらに好ましい。アクリロイル基含有化合物(D)の含有量が上記の範囲内であれば、(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)の配合による硬化物の機械物性改善効果が十分に発現され、且つ、レジストインキの硬化時の体積収縮率が大きくなりにくい。
〔5〕重合禁止剤
本実施形態のレジストインキは、保存時のラジカル重合を抑制して保存安定性を向上させるために、必要に応じて重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤の種類は特に限定されるものではないが、例えば、4−メトキシ−1−ナフトール、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4−メトキシ−2−メチル−1−ナフトール、4−メトキシ−3−メチル−1−ナフトール、1,4−ジメトキシ−2−メチルナフタレン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,2−ジヒドロキシ−4−メトキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシ−4−メトキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシ−2−メトキシナフタレン、1,4−ジメトキシ−2−ナフトール、1,4−ジヒドロキシ−2−メチルナフタレン、ピロガロール、メチルヒドロキノン、ターシャリーブチルヒドロキノン、4−メトキシフェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミンアルミニウムなどが挙げられる。
これらの重合禁止剤の中では、特にレジストインキの保存安定性の観点から、メチルヒドロキノン、ピロガロール、及びターシャリーブチルヒドロキノンが好ましい。
これらの重合禁止剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態のレジストインキにおける重合禁止剤の含有量は特に限定されるものではないが、レジストインキの保存安定性の観点から、(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)との合計の含有量を100質量部(本実施形態のレジストインキが(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)を含有する場合は、(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)と(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)との合計の含有量を100質量部)とした場合の重合禁止剤の含有量は0.1質量部未満であることが好ましく、0.0001質量部以上0.05質量部以下であることがより好ましい。
〔6〕酸化防止剤
本実施形態のレジストインキは、レジストインキの硬化物の高温下での着色を抑制するために、必要に応じて酸化防止剤を含有してもよい。酸化防止剤の種類は特に限定されるものではないが、例えば、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、チオジエチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、2,4−ビス[(ドデシルチオ)メチル]−6−メチルフェノール、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシベンジル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、4,4’,4’’−(1−メチルプロパニル−3−イリデン)トリス(6−tert−ブチル−m−クレソール)、オクタデシル3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,9−ビス{2−[3−(3−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−5−メチルフェニル)プロピオニロキシ]−1,1−ジメチルエチル}−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5.5]ウンデカン、1,3,5−トリス(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニルメチル)−2,4,6−トリメチルベンゼン等が挙げられる。これらの酸化防止剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの酸化防止剤の中では、レジストインキの硬化物の高温下での着色の抑制の観点から、トリス(4−tert−ブチル−3−ヒドロキシ−2,6−ジメチルベンジル)−s−トリアジン−2,4,6−(1H,3H,5H)−トリオン、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロヒオネートが好ましい。
本実施形態のレジストインキにおける酸化防止剤の含有量は特に限定されるものではないが、レジストインキの硬化物の高温下での着色の抑制の観点から、(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)との合計の含有量を100質量部(本実施形態のレジストインキが(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)を含有する場合は、(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)と(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)との合計の含有量を100質量部)とした場合の酸化防止剤の含有量は0.1質量部未満であることが好ましく、0.0001質量部以上0.05質量部以下であることがより好ましい。
〔7〕レジストインキに添加しうるその他の成分
本実施形態のレジストインキは、(メタ)アリル基含有化合物(A)、チオール化合物(B)、及び重合開始剤(C)を含有することに加えて、任意成分である(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)、重合禁止剤、酸化防止剤を含有していてもよく、さらに、本発明の目的を損なわない範囲内であれば、その他の成分を含有していてもよい。
また、本実施形態のレジストインキは、その他の成分として溶剤を含有しなくてもよいし、溶剤を含有していてもよいが、溶剤を含有しないことが好ましい。
さらに、本実施形態のレジストインキは、その他の成分としてチクソ剤、粘着付与剤などを含有していてもよい。チクソ剤の種類は特に限定されるものではなく、無機系チクソ剤、有機系チクソ剤のいずれのチクソ剤でも使用することができる。
無機系チクソ剤としては、例えば、アエロジル(商標)に代表されるフュームドシリカ(SiO)、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、酸化タンタル(Ta)、ジルコニア(ZrO)、窒化珪素(Si)、チタン酸バリウム(BaO・TiO)、炭酸バリウム(BaCO)、チタン酸鉛(PbO・TiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸、ランタン鉛(PLZT)、酸化ガリウム(Ga)、スピネル(MgO・Al)、ムライト(3Al・2SiO)、コーディエライト(2MgO・2Al・5SiO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、チタン酸アルミニウム(TiO2−Al)、イットリア含有ジルコニア(Y−ZrO)、珪酸バリウム(BaO・8SiO)、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム(CaCO)、硫酸カルシウム(CaSO)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸マグネシウム(MgO・TiO)、硫酸バリウム(BaSO)、有機ベントナイト、カーボン(C)、ハイドロタルサイトなどを挙げることができる。これらは1種を単独で又は2種以上を組み合わせて使用することができる。また、上記の中でシリカ微粒子及びハイドロタルサイト微粒子から選ばれる少なくとも一方を含むことが好ましい。
また、ハイドロタルサイトは、MgAl(OH)16CO・4HO等に代表される、天然に産出する粘土鉱物の一種であり、層状の無機化合物である。また、ハイドロタルサイトは、例えば、Mg1−xAlx(OH)(CO)x/2・mHO等を合成で得ることもできる。即ち、ハイドロタルサイトは、Mg/Al系層状化合物であり、層間にある炭酸基とのイオン交換により塩化物イオン(Cl)及び/又は硫酸イオン(SO 2−)などの陰イオンを固定化できる。この機能を使用して、銅や錫のマイグレーションの原因となる塩化物イオン(Cl)や硫酸イオン(SO 2−)を捕捉し、絶縁信頼性を向上することができる。ハイドロタルサイトの市販品としては、例えば、堺化学株式会社のSTABIACE HT−1、STABIACE HT−7、STABIACE HT−Pや、協和化学工業株式会社のDHT−4A、DHT−4A2、DHT−4C等が挙げられる。
有機系チクソ剤としては、アミド結合、イミド結合、エステル結合又はエーテル結合を有する耐熱性樹脂の微粒子が好ましい。例えば、脂肪酸アマイド系チクソ剤、エチルセルロース系チクソ剤を挙げることができる。脂肪酸アマイド系チクソ剤、エチルセルロース系チクソ剤は、市販品として容易に入手することもできる。
市販品の脂肪酸アマイド系チクソ剤としては、楠本化成株式会社製のディスパロン(商標)6500、ディスパロン(商標)6650、ディスパロン(商標)6700等を挙げることができる。また、市販品のエチルセルロース系チクソ剤としては、ダウ・ケミカル社製のETHOCEL(商標)45、ETHOCEL(商標)100、ETHOCEL(商標)200等を挙げることができる。
粘着付与剤とは、ゴム弾性を有するエラストマーに代表される高分子化合物に配合して粘着機能を持たせるための物質である。粘着付与剤は、エラストマーに代表される高分子化合物に比べ、分子量は遙かに小さく、一般に、分子量数百〜数千のオリゴマー領域の化合物であり、室温ではガラス状態で、そのもの自体ではゴム弾性を示さない性質を有する。
粘着付与剤としては、一般に、石油系樹脂粘着付与剤、テルペン系樹脂粘着付与剤、ロジン系樹脂粘着付与剤、クマロンインデン樹脂粘着付与剤、スチレン系樹脂粘着付与剤などを用いることができる。石油系樹脂粘着付与剤としては、脂肪族系石油樹脂、芳香族系石油樹脂、脂肪族−芳香族共重合系石油樹脂、脂環族系石油樹脂、ジシクロペンタジエン樹脂及びこれらの水添物等の変性物が挙げられる。合成石油樹脂は、C5系でも、C9系でもよい。テルペン系樹脂粘着付与剤としては、β−ピネン樹脂、α−ピネン樹脂、テルペン−フェノール樹脂、芳香族変性テルペン樹脂、水添テルペン樹脂などが挙げられる。これらのテルペン系樹脂の多くは、極性基を有しない樹脂である。ロジン系樹脂粘着付与剤としては、ガムロジン、トール油ロジン、ウッドロジンなどのロジンや、水添ロジン、不均化ロジン、重合ロジン、マレイン化ロジンなどの変性ロジンや、ロジングリセリンエステル、水添ロジンエステル、水添ロジングリセリンエステルなどのロジンエステルなどが挙げられる。これらのロジン系樹脂は、極性基を有するものである。これらの粘着付与剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
さらに、本実施形態のレジストインキは、その他の成分として消泡剤を含有していてもよい。消泡剤の種類は特に限定されるものではなく、具体例としては、ビックケミー・ジャパン株式会社製のBYK−077、サンノプコ株式会社製のSNデフォーマー470、GE東芝シリコーン株式会社製のTSA750S、東レ・ダウコーニング株式会社製のシリコーンオイルSH−203等のシリコーン系消泡剤や、サンノプコ株式会社製のダッポーSN−348、ダッポーSN−354、ダッポーSN−368等のアクリル重合体系消泡剤や、日信化学工業株式会社製のサーフィノールDF−110D、サーフィノールDF−37等のアセチレンジオール系消泡剤や、信越化学工業株式会社製のFA−630等のフッ素含有シリコーン系消泡剤等を挙げることができる。
〔8〕レジストインキの調製
本実施形態のレジストインキは、(メタ)アリル基含有化合物(A)、チオール化合物(B)、及び重合開始剤(C)とともに、必要に応じて(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)、重合禁止剤、酸化防止剤、及びその他の成分を適宜混合して調製することができる。
さらに、本実施形態のレジストインキ全体の量から重合開始剤(C)の含有量を差し引いた量を100質量部とした場合の重合開始剤(C)の含有量が0.01質量部以上10質量部以下の範囲内となるように、混合するとよい。
本実施形態のレジストインキの調製方法は特に限定されるものではなく、(メタ)アリル基含有化合物(A)、チオール化合物(B)、重合開始剤(C)、(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)をはじめとするレジストインキの各原料を混合、分散できる方法であればよい。混合、分散する方法の例としては、以下の各方法が挙げられる。
(イ)各原料をガラスビーカー、缶、プラスチックカップ、アルミカップ等の容器に投入し、撹拌棒、へら等により混練する。
(ロ)各原料をダブルヘリカルリボン翼、ゲート翼等により混練する。
(ハ)各原料をプラネタリーミキサーにより混練する。
(ニ)各原料をビーズミルにより混練する。
(ホ)各原料を3本ロールにより混練する。
(ヘ)各原料をエクストルーダー型混練押し出し機により混練する。
(ト)各原料を自転・公転ミキサーにより混練する。
各原料の添加、混合は任意の順序で行うことができ、全原料を同時に添加してもよいし、逐次に添加してもよい。
重合開始剤(C)を使用する際には、上記各原料の取扱、混合等の硬化前の処理を、光重合開始剤が分解する吸収波長の光を除去するフィルターを通した活性エネルギー線照明下若しくは活性エネルギー線非照射下、又は、熱重合開始剤が作用する温度以下で行うなど、硬化処理以前に重合開始剤(C)が作用しない条件下で行うことができる。
また、本実施形態のレジストインキの硬化物を、配線等の微細パターンの保護膜として使用する場合には、レジストインキの印刷にはスクリーン印刷法が好ましく用いられる。
〔9〕レジストインキの硬化物及び硬化方法
本実施形態のレジストインキに対して活性エネルギー線を照射すること、又は、加熱することにより、レジストインキが硬化して、硬化物が得られる。硬化時に使用する活性エネルギー線としては、近赤外線、可視光線、紫外線、真空紫外線、X線、γ線、電子線等の電磁波、粒子線が挙げられるが、安価な装置を使用できることから、紫外線及び/又は可視光線が好ましい。
紫外線や可視光線により本実施形態のレジストインキを硬化させる際の光源としては、種々のものを使用することができる。例えば、ブラックライト、UV−LEDランプ、高圧水銀ランプ、加圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプ、ハロゲンランプが挙げられる。
ここでブラックライトとは、可視光線と300nm以下の波長の紫外線とをカットした特殊外管ガラスに近紫外発光蛍光体を被着し、300nm以上430nm以下(ピーク350nm付近)の波長の近紫外線だけを放射するランプのことである。また、UV−LEDランプとは、紫外線を発する発光ダイオードを使用したランプのことである。これら光源のうち、高圧水銀ランプ及びメタルハライドランプが、硬化性の観点から好ましい。また、ランニングコスト等の経済性を考慮すると、LEDランプ(UV−LEDランプ)が好ましい。
活性エネルギー線の照射量は、本実施形態のレジストインキを硬化させるのに十分な量であればよく、本実施形態のレジストインキの組成、使用量、厚さ、形成する硬化物の形状などに応じて選択することができる。例えば、本実施形態のレジストインキを塗布して形成した塗布膜に対して紫外線を照射する場合は、好ましくは100mJ/cm以上5000mJ/cm以下の露光量、より好ましくは300mJ/cm以上3000mJ/cm以下の露光量を採用することができる。なお、上記の露光量の測定波長は、365nmである。
本実施形態のレジストインキを例えば基材上に塗布して塗布膜を形成する場合の塗布(塗工)方法は、特に限定されない。例えば、スプレー法やディップ法の他、ナチュラルコーター、カーテンフローコーター、コンマコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター、キスロール、スクイーズロール、リバースロール、エアブレード、ナイフベルトコーター、フローティングナイフ、ナイフオーバーロール、ナイフオンブランケット等を用いた方法が挙げられる。また、インクジェット印刷機、スクリーン印刷機等を用いた方法も挙げることができる。
レジストインキの硬化物を配線等の微細パターンの保護膜として使用する場合には、印刷パターンを精度よく制御できる点から、スクリーン印刷機を用いた方法が好ましい。また、印刷パターン形状を保持した形状の硬化物を得て、配線等の微細パターンの保護膜として使用する場合には、前述したように、重合開始剤(C)が光重合開始剤を含むことが好ましい。
次に、本実施形態のレジストインキの硬化物を含有する配線の保護膜及びその製造方法について説明する。本実施形態の配線の保護膜の製造方法は、以下の被覆工程と硬化工程とを備える。
被覆工程は、配線を有する基板(例えばプリント配線基板)上に、レジストインキを例えば印刷法によって膜状に配して、配線をレジストインキの膜で覆う工程である。
レジストインキの膜は、基板の全面に配してもよいし、配線を覆うことができるならば面の一部に配してもよい。また、印刷方法は特に限定されるものではなく、例えば、スクリーン印刷法、ロールコーター法、スプレー法、カーテンコーター法があげられる。ただし、印刷物であるレジストインキの膜の形状パターンをコントロールするという観点では、スクリーン印刷法が好ましい。
また、硬化工程は、レジストインキの膜のうち配線を覆う領域を含む一部の領域又は全領域に、重合開始剤(C)に重合性のラジカル種を発生させる波長の活性エネルギー線を照射し、活性エネルギー線が照射された領域のレジストインキを硬化させて配線の保護膜を形成する工程である。
硬化工程で使用される活性エネルギー線としては、近赤外線、可視光線、紫外線、真空紫外線、X線、γ線、電子線等の電磁波、粒子線が挙げられるが、紫外線、可視光線が好ましく、紫外線がより好ましい。紫外線、可視光線の光源は特に限定されるものではなく、例えば、低圧水銀灯、中圧水銀灯、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、キセノンランプ、メタルハライドランプ、ハロゲンランプなどを用いることができる。この際の紫外線、可視光線の照射量は、レジストインキの組成等によっても異なるが、100mJ/cm以上5000mJ/cm以下の範囲内とすることができる。なお、上記の露光量の測定波長は、365nmである。
また、重合開始剤(C)として光重合開始剤と熱重合開始剤とを併用する場合には、活性エネルギー線の照射による硬化工程の後に、加熱による硬化工程を行うことができる。加熱による硬化工程における加熱温度(熱硬化温度)は、熱重合開始剤の開裂温度によっても異なるが、80℃以上170℃以下が好ましい。加熱による硬化工程における加熱時間(熱硬化時間)も同様であるが、5分以上3時間以下が好ましく、10分以上2時間以下がより好ましい。
本実施形態の保護膜の厚さについては、保護膜の用途に応じ適宜設定すればよいが、0.1μm以上30μm以下が好ましく、1μm以上20μm以下がより好ましく、2μm以上15μm以下がさらに好ましい。また、本実施形態の保護膜は、必要に応じて、本実施形態のレジストインキの硬化物以外の他の成分を含んでもよい。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をより詳細に説明する。(メタ)アリル基含有化合物(A)、チオール化合物(B)、重合開始剤(C)、(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)の各種原料を混合して、実施例1〜11及び比較例1〜4のレジストインキを調製した。レジストインキの調製に用いた各種原料について以下に説明する。
(i)(メタ)アリル基含有化合物(A)
(メタ)アリル基含有化合物(A)として、以下の7つの化合物(i−1)〜(i−7)を用いた。
(i−1)後述の製造例1で製造したアリルエステル樹脂A(ヨウ素価77.1)
(i−2)後述の製造例2で製造したアリルエステル樹脂B(ヨウ素価148.3)
(i−3)後述の製造例3で製造したアリルエステル樹脂C(ヨウ素価75.0)
(i−4)後述の製造例4で製造したアリルエステル樹脂D(ヨウ素価141.6)
(i−5)トリアリルイソシアヌレート(アリル基の数は3、ヨウ素価は306)
(i−6)テレフタル酸ジアリル(アリル基の数2、ヨウ素価206.1)
(i−7)1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル(昭和電工株式会社製の商品名H−DATP、アリル基の数2、ヨウ素価201.2)
(ii)チオール化合物(B)
チオール化合物(B)として、以下の3つの化合物(ii−1)〜(ii−3)を用いた。
(ii−1)ペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工株式会社製の商品名カレンズMT(商標) PE1、分子量545、メルカプト基の数4)
(ii−2)1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H、5H)−トリオン(昭和電工株式会社製の商品名カレンズMT(商標) NR1、分子量568、メルカプト基の数3)
(ii−3)ペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業株式会社製の商品名PEMP、分子量489、メルカプト基の数4)
(iii)重合開始剤(C)
重合開始剤(C)として、以下の3つの化合物(iii−1)〜(iii−3)を用いた。
(iii−1)2,4,6−トリメチルベンゾイルフォスフィンオキシド(DKSHジャパン株式会社製のESACURE KTO46、α−ヒドロキシケトン基を有するポリマー及びベンゾフェノン誘導体の混合物)
(iii−2)エチル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィナート(BASF社製のIrgacureTPO−L)
(iii−3)2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン(BASF社製のDarocur1173)
(iv)(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)
(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)として、以下の4つの化合物(iv−1)〜(iv−4)を用いた。
(iv−1)ビスフェノールA型の骨格を有するエポキシアクリレート(昭和電工株式会社製のVR77)
(iv−2)ビスフェノールA型の骨格を有するポリエステルアクリレート(ダイセルオルネクス株式会社製のEbecryl812)
(iv−3)後述の製造例5で製造したウレタンアクリレートA
(iv−4)ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(ダイセルオルネクス株式会社製のDPHA、分子量524、アクリロイルオキシ基の数6)
以下の製造例1〜5に、前述のアリルエステル樹脂A〜D及びウレタンアクリレートAの製造方法を示す。
〔製造例1:アリルエステル樹脂Aの製造〕
蒸留装置を備えた容量2Lの三ツ口フラスコに、テレフタル酸ジアリル500g、プロピレングリコール101g、ジブチル錫オキサイド0.5gを投入し、窒素気流下、180℃で加熱して、生成してくるアリルアルコールを留去した。
アリルアルコールが90g程度留出したところで、反応系内を1.3kPaまで減圧し、アリルアルコールの留出速度を速めた。理論量のアリルアルコールが留出した後に、さらに1時間加熱し、温度190℃、圧力0.13kPaでさらに1時間保持することにより、残存するテレフタル酸ジアリルをアリルエステル樹脂Aから除去して、445gのアリルエステル樹脂Aを得た。JIS K 0070に準拠した方法で測定したアリルエステル樹脂Aのヨウ素価は、77であった。
株式会社島津製作所製のガスクロマトグラフィーGC−14B(検出器:水素炎イオン化検出器、カラム:OV−17(0.5m)、温度条件:160℃一定)を用いてアリルエステル樹脂Aを分析したところ、アリルエステル樹脂Aは、テレフタル酸ジアリルを1質量%を含有しており、残りの99質量%は、テレフタル酸ジアリルとプロピレングリコールのエステル交換反応物(アリルエステルオリゴマー)であった。
〔製造例2:アリルエステル樹脂Bの製造〕
テレフタル酸ジアリルの使用量を739gに、プロピレングリコールの使用量を76gにそれぞれ変更した点以外は製造例1と同様にして、699gのアリルエステル樹脂Bを得た。JIS K 0070に準拠した方法で測定したアリルエステル樹脂Bのヨウ素価は、145であった。
製造例1と同様にしてアリルエステル樹脂Bを分析したところ、アリルエステル樹脂Bは、テレフタル酸ジアリルを35質量%を含有していた。残りの65質量%は、テレフタル酸ジアリルとプロピレングリコールのエステル交換反応物(アリルエステルオリゴマー)であった。
〔製造例3:アリルエステル樹脂Cの製造〕
テレフタル酸ジアリル500gに代えて1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル505gを使用した点以外は製造例1と同様にして、452gのアリルエステル樹脂Cを得た。JIS K 0070に準拠した方法で測定したアリルエステル樹脂Cのヨウ素価は、75.0であった。
製造例1と同様にしてアリルエステル樹脂Cを分析したところ、アリルエステル樹脂Cは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルを2質量%を含有していた。残りの98質量%は、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルとプロピレングリコールのエステル交換反応物(アリルエステルオリゴマー)であった。
〔製造例4:アリルエステル樹脂Dの製造〕
1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルの使用量を757gに、プロピレングリコールの使用量を76gにそれぞれ変更した点以外は製造例3と同様にして、717gのアリルエステル樹脂Dを得た。JIS K 0070に準拠した方法で測定したアリルエステル樹脂Dのヨウ素価は、141.6であった。
また、製造例1と同様にしてアリルエステル樹脂Dを分析したところ、アリルエステル樹脂Dは1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルを35質量%を含有していた。残りの65質量%は、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリルとプロピレングリコールのエステル交換反応物(アリルエステルオリゴマー)であった。
〔製造例5:ウレタンアクリレートAの製造〕
攪拌装置、温度計、及びコンデンサーを備えた容量1Lの反応容器に、豊国製油株式会社製のポリエステルポリオールHOKOKUOL(登録商標) HT−110(水酸基価:112.2mgKOH/g)475gと2,2−ビス(ヒドロキシメチル)酪酸3.7gを投入し、攪拌装置で撹拌しながら、オイルバスを用いて反応容器の内温を130℃に昇温した。
その後、エボニックジャパン株式会社製のイソホロンジイソシアネート(商品名IPDI)222.29g(1.0mol)を、反応容器内に30分間かけて滴下した。イソホロンジイソシアネートの滴下終了後、撹拌を継続しながら反応容器の内温を120℃に維持し、7時間反応を継続した。そして、撹拌を継続しながら反応容器の内温を80℃に下げた後に、ヒドロキノンモノメチルエーテル0.7g及びジオクチル錫ジラウレート0.3gを反応容器内に投入し、続いて株式会社日本触媒製の2−ヒドロキシエチルアクリレート116.12g(1.0mol)を1時間かけて滴下した。この間の反応容器の内温は80℃以上90℃以下の範囲内に維持した。
2−ヒドロキシエチルアクリレートの滴下終了後、80℃で3時間反応を継続した。その後、反応生成物の赤外吸収スペクトルを測定した。赤外吸収スペクトルでイソシアナト基の吸収が消失していることを確認したら、反応を終了し、ウレタンアクリレートAを得た。
なお、各実施例及び比較例におけるオリゴマー又はポリマーの分子量は、GPC法で測定したポリスチレン換算の数平均分子量である。GPCの測定条件は、以下に示す通りである。
装置名:日本分光株式会社製HPLCユニット HSS−2000
カラム:ShodexカラムLF−804×3本(直列)
移動相:テトラヒドロフラン
流速 :1.0mL/min
検出器:日本分光株式会社製RI−2031Plus
温度 :40.0℃
試料量:サンプルループ 100μL
試料濃度:0.1質量%
(メタ)アリル基含有化合物(A)、チオール化合物(B)、重合開始剤(C)、及び(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)を、表1に示す質量比で混合して、レジストインキを調製した。表1において、「(A)/(B)の官能基数比」は、チオール化合物(B)のメルカプト基の数に対する(メタ)アリル基含有化合物(A)の(メタ)アリル基の数の比((メタ)アリル基の数/メルカプト基の数)を示す。
また、表1において、「(D)の質量比」は、(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)と(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)との合計の含有量を100質量部とした場合、そのうちの(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)の含有量を示す。
Figure 2017170050
次に、実施例1〜11及び比較例1〜4のレジストインキの硬化物の無電解錫メッキ液に対する耐酸性を、下記のようにして評価した。結果を表1に示す。
8cm×11cmの長方形に裁断した銅/ポリイミド積層基板(住友金属鉱山株式会社製のエスパーフレックス)の片面の中央部5cm×8cmに、レジストインキをバーコーターにて厚さ50μmの膜状に塗布した。そして、レジストインキの膜に、アイグラフィックス株式会社製のコンベア型UV照射機ECS−4011GX(高圧水銀ランプ)を用いて露光量2J/cmのUV光を照射して硬化させ、レジストインキの硬化物からなる保護膜を有する試験体を得た。なお、上記の露光量の測定波長は、365nmである。
得られた試験体を、濃度5質量%の硫酸水溶液で洗浄処理した後に、石原ケミカル株式会社製の無電解錫メッキ液580M12Zに、60℃で4分間浸漬した。この時、メッキ処理を施していない部分が観察できるように、レジストインキの硬化物からなる保護膜の半分は無電解錫メッキ液に浸漬しなかった。試験体を無電解錫メッキ液から取り出し、温水での洗浄を繰り返した後に、送風式恒温乾燥機にて120℃で90分の共晶処理を施した。そして、この試験体について、下記の3点の評価を行った。
<保護膜の剥離の評価>
基板からの保護膜の剥離の有無を目視で観察し、保護膜の剥離がなかったものを「A、」、保護膜の剥離があったものを「C」と評価した。
<メッキの潜り込みの評価>
株式会社キーエンス製のマイクロスコープVHX−900を用いて、保護膜と銅との間にメッキが潜り込んでいるか否かを観察した。そして、潜り込みがなかったものを「A」、潜り込みはあったが1mm未満のものを「B」、潜り込みが1mm以上のものを「C」と評価した。
<保護膜の着色の評価>
保護膜の色の変化を目視で観察し、無電解錫メッキ液への浸漬前と比較して変色がなかったものを「A」、無電解錫メッキ液への浸漬前と比較して色が濃くなったが、色むらはなかったものを「B」、無電解錫メッキ液への浸漬前と比較して斑模様に変色が発生したものを「C」と評価した。
表1に示す結果から分かるように、実施例1〜11のレジストインキの硬化物は、レジストインキが(メタ)アリル基含有化合物(A)、チオール化合物(B)、及び重合開始剤(C)を含有しているため、耐酸性に優れており、強酸性の無電解錫メッキ液に浸漬しても、保護膜の剥離、メッキの潜り込み、及び保護膜の着色がほとんど生じなかった。
これに対して、比較例1〜4のレジストインキの硬化物は、レジストインキが(メタ)アリル基含有化合物(A)及びチオール化合物(B)の少なくとも一方を含有していないため、耐酸性が不十分であった。そのため、強酸性の無電解錫メッキ液に浸漬すると、保護膜の剥離が生じ、メッキの潜り込みと保護膜の着色については評価自体ができなかった。

Claims (17)

  1. 1分子中に2個以上の(メタ)アリル基を有する(メタ)アリル基含有化合物(A)と、1分子中に2個以上のメルカプト基を有するチオール化合物(B)と、重合開始剤(C)と、を含有するレジストインキ。
  2. 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)は、脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有する化合物を含む請求項1に記載のレジストインキ。
  3. 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)は、アリロキシカルボニル基及びN−アリル基の少なくとも一方を有する化合物を含む請求項1又は請求項2に記載のレジストインキ。
  4. 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)は、エステル構造及びイソシアヌレート構造の少なくとも一方の構造を有する化合物を含む請求項1〜3のいずれか一項に記載のレジストインキ。
  5. 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)は、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、及びトリアリルイソシアヌレートから選ばれる少なくとも1つを含む請求項1に記載のレジストインキ。
  6. 前記チオール化合物(B)は、1分子中に2個以上の2級又は3級メルカプト基を有する化合物を含む請求項1〜5のいずれか一項に記載のレジストインキ。
  7. 前記チオール化合物(B)が、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、及びトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)から選ばれる少なくとも1つである請求項6に記載のレジストインキ。
  8. (メタ)アクリロイル基含有化合物(D)をさらに含有する請求項1〜7のいずれか一項に記載のレジストインキ。
  9. 前記(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)は、1分子中に2個以上の(メタ)アクリロイル基を有する化合物を含む請求項8に記載のレジストインキ。
  10. 前記(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)は、エポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート、(ポリ)カーボネート(メタ)アクリレート、及び水添ポリブタジエン(メタ)アクリレートから選ばれる少なくとも1つを含む請求項9に記載のレジストインキ。
  11. 前記(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)は、脂環構造及び芳香環構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有する化合物を含む請求項8〜10のいずれか一項に記載のレジストインキ。
  12. 前記チオール化合物(B)のメルカプト基の数に対する前記(メタ)アリル基含有化合物(A)の(メタ)アリル基の数の比(アリル基の数/メルカプト基の数)が0.25以上4以下の範囲内にあり、
    (メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)と(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)の合計の含有量を100質量部とした場合の前記重合開始剤(C)の含有量が0.01質量部以上10質量部以下である請求項8〜11のいずれか一項に記載のレジストインキ。
  13. 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)と前記チオール化合物(B)と前記(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)との合計の含有量を100質量部とした場合、そのうちの前記(メタ)アクリロイル基含有化合物(D)の含有量は10質量部以上80質量部以下である請求項8〜12のいずれか一項に記載のレジストインキ。
  14. 前記重合開始剤(C)は、活性エネルギー線の照射によって重合性のラジカル種を発生する化合物を含む請求項1〜13のいずれか一項に記載のレジストインキ。
  15. 請求項1〜14のいずれか一項に記載のレジストインキの硬化物。
  16. 請求項15に記載の硬化物を含有する配線の保護膜。
  17. 配線を有する基板上に、請求項14に記載のレジストインキを膜状に配して、前記配線を前記レジストインキの膜で覆う被覆工程と、
    前記レジストインキの膜のうち前記配線を覆う領域を含む一部の領域又は全領域に、前記重合開始剤(C)に重合性のラジカル種を発生させる波長の活性エネルギー線を照射し、前記レジストインキを硬化させて前記配線の保護膜を形成する硬化工程と、
    を備える配線の保護膜の製造方法。
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