JPWO2017170049A1 - 硬化性組成物及びその硬化物 - Google Patents

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Abstract

耐酸性、柔軟性、密着性に優れる硬化物を形成することができる硬化性組成物を提供する。硬化性組成物は、1分子中に2個以上の(メタ)アリル基を有する(メタ)アリル基含有化合物(A)と、1分子中に2個以上のメルカプト基を有するチオール化合物(B)と、エポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート、及び不飽和ポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)と、重合開始剤(D)と、を含有する。

Description

本発明は硬化性組成物及びその硬化物に関する。
感光性樹脂組成物は、印刷配線基板やガラス基板の製造などにおいて使用されている。印刷配線基板を製造する際には、感光性樹脂組成物を露光して硬化させた硬化物からなるフォトレジスト像は、酸性のエッチング液、メッキ液に曝されるため、十分な耐酸性を有している必要がある。また、ガラス基板の切断端面に形成されたバリをエッチング液により除去する際には、感光性樹脂組成物を露光して硬化させた硬化物からなる保護マスクで、ガラス基板上の透明導電膜やフレキシブルプリント基板を保護するため、保護マスクは十分な耐酸性を有している必要がある。
特許文献1、2には耐酸性を有する保護材料が開示されているが、耐酸性、柔軟性、被保護物との密着性が不十分であるため、被保護物を十分に保護することができない場合があるという問題点があった。
日本国特許公開公報 2000年第351214号 国際公開第2013/011770号
そこで、本発明は、上記のような従来技術が有する問題点を解決し、耐酸性、柔軟性、密着性に優れる硬化物を形成することができる硬化性組成物を提供することを課題とする。また、本発明は、耐酸性、柔軟性、密着性に優れる硬化物を提供することを併せて課題とする。
前記課題を解決するため、本発明の一態様は以下の[1]〜[11]の通りである。
[1] 1分子中に2個以上の(メタ)アリル基を有する(メタ)アリル基含有化合物(A)と、
1分子中に2個以上のメルカプト基を有するチオール化合物(B)と、
エポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート、及び不飽和ポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)と、
重合開始剤(D)と、
を含有する硬化性組成物。
[2] 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)は、脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有する化合物を含む[1]に記載の硬化性組成物。
[3] 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)は、ビスフェノールA型の骨格を有する化合物を含む[1]に記載の硬化性組成物。
[4] 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)は、アリロキシカルボニル基及びN−アリル基の少なくとも一方を有する化合物を含む[1]に記載の硬化性組成物。
[5] 前記チオール化合物(B)は、1分子中に2個以上のメルカプト基を有し且つ全てのメルカプト基が第二級炭素原子又は第三級炭素原子に結合している化合物を含む[1]〜[4]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[6] 前記チオール化合物(B)は、下記式(1)で表される基を有する化合物を含む[1]〜[4]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
ただし、下記式(1)中のRは炭素数1以上10以下のアルキル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1以上10以下のアルキル基を示し、mは0以上2以下の整数を示す。
Figure 2017170049
[7] 前記チオール化合物(B)は、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、及びトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)から選ばれる少なくとも1つを含む[1]〜[4]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[8] 前記化合物(C)は、脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有する化合物を含む[1]〜[7]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[9] 前記化合物(C)は、ビスフェノールA型の骨格を有する化合物を含む[1]〜[7]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[10] 前記チオール化合物(B)のメルカプト基の数に対する前記(メタ)アリル基含有化合物(A)の(メタ)アリル基の数の比(アリル基の数/メルカプト基の数)が0.25以上4以下の範囲内にあり、
前記(メタ)アリル基含有化合物(A)と前記チオール化合物(B)と前記化合物(C)との合計の含有量を100質量部とした場合、そのうちの前記化合物(C)の含有量は10質量部以上70質量部以下であり、前記重合開始剤(D)の含有量は0.01質量部以上10質量部以下である[1]〜[9]のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
[11] [1]〜[10]のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物。
本発明の硬化性組成物は、耐酸性、柔軟性、密着性に優れる硬化物を形成することができる。また、本発明の硬化物は、耐酸性、柔軟性、密着性に優れる。
本発明の一実施形態について以下に説明する。本実施形態の硬化性組成物は、1分子中に2個以上の(メタ)アリル基を有する(メタ)アリル基含有化合物(A)と、1分子中に2個以上のメルカプト基を有するチオール化合物(B)と、エポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート、及び不飽和ポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)と、重合開始剤(D)と、を含有する。
本実施形態の硬化性組成物は、活性エネルギー線の照射によって容易に短時間で硬化させることができ、その硬化物は優れた耐酸性、柔軟性、密着性を有する。よって、本実施形態の硬化性組成物は、酸性エッチング液保護用のエッチング保護材や酸性メッキ液保護用のメッキ保護材として好適に使用することができる。また、その他の各種産業分野において注型材料、塗料、成型材料等として利用することができる。
以下に、本発明の一実施形態に係る硬化性組成物、及び、該硬化性組成物に活性エネルギー線を照射して硬化させることにより得られる硬化物について詳細に説明する。
なお、本明細書においては、「(メタ)アリル」は、メタアリル(すなわち2−メチル−2−プロペニル)及び/又はアリル(すなわち2−プロペニル)を意味する。また、「(メタ)アクリレート」は、メタクリレート及び/又はアクリレートを意味し、「(メタ)アクリル」は、メタクリル及び/又はアクリルを意味する。
〔1〕1分子中に2個以上の(メタ)アリル基を有する(メタ)アリル基含有化合物(A)
(メタ)アリル基含有化合物(A)は、モノマーであってもオリゴマーであってもポリマーであってもよく、粘度の観点から、数平均分子量が200以上20000以下の化合物であることが好ましい。なお、本発明におけるオリゴマー又はポリマーの分子量は、特に断りがない限り、ゲルパーミエーションクロマトグラフィー法(GPC法)によって測定されたポリスチレン(PS)換算の数平均分子量である。
(メタ)アリル基含有化合物(A)としては、分子内に脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有する化合物(a−1)と非環式の化合物(a−2)とが挙げられる。
前記脂環構造としては、炭素数3〜6個の脂環を例示することができ、好ましくはシクロヘキサン環とシクロヘプタン環である。前記芳香環構造としては、炭素数6〜10個の芳香環を例示することができ、好ましくはベンゼン環、ナフタレン環である。前記複素環構造としては、窒素原子や酸素原子やイオウ原子を有する三員環から十員環が挙げられ、ピリジン環、トリアジン環、シアヌル酸由来の環、イソシアヌル酸由来の環などを例示できる。
(メタ)アリル基含有化合物(A)がモノマーである場合には、化合物(a−1)としては、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ピロメリット酸テトラアリル、ビスフェノールAジアリルエーテル等の芳香環構造を有するアリロキシカルボニル基含有化合物や、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸トリアリル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸テトラアリル、5−アルキル置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジアリル、5−ハロゲン置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジアリル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジアリル、1,3,5−アダマンタントリカルボン酸トリアリル、水素化ビスフェノールA型ジアリルエーテル、水添ダイマー酸(炭素数が36又は44であり、脂環構造を有するもの)ジアリル、トリシクロデカンジメタノールジカルボン酸ジアリル等の脂環構造を有するアリロキシカルボニル基含有化合物や、イソシアヌル酸トリアリル、シアヌル酸トリアリル、ジアリルモノヒドロキシエチルシアヌレート、ジアリルモノヒドロキシエチルイソシアヌレート、ジアリルイソシアヌレート、トリアリルイソシアヌレートプレポリマー、1,3,5−トリアリルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,4,6−テトラアリルグリコールウリル等の複素環構造を有するN−アリル基含有化合物があげられる。
また、フタル酸ジメタリル、イソフタル酸ジメタリル、テレフタル酸ジメタリル、トリメリット酸トリメタリル、ピロメリット酸テトラメタリル、ビスフェノールAジメタリルエーテル等の芳香環構造を有するメタリロキシカルボニル基含有化合物や、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸ジメタリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸ジメタリル、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジメタリル、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸トリメタリル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸テトラメタリル、5−アルキル置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジメタリル、5−ハロゲン置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジメタリル、1,3−アダマンタンジカルボン酸ジメタリル、1,3,5−アダマンタントリカルボン酸トリメタリル、5−ハロゲン置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸ジメタリル、水添ダイマー酸(炭素数が36又は44であり、脂環構造を有するもの)ジメタリル、トリシクロデカンジメタノールジカルボン酸ジメタリル等の脂環構造を有するメタリロキシカルボニル基含有化合物や、イソシアヌル酸トリメタリル、シアヌル酸トリメタリル、1,3,5−トリメタリルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,4,6−テトラメタリルグリコールウリル等のN−メタリル基含有化合物が挙げられる。
さらに、化合物(a−1)としては、ビスフェノールAジアリルエーテル、ビスフェノールAジメタリルエーテル、ビスフェノールSジアリルエーテル、ビスフェノールSジメタリルエーテル、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエーテル、1,4−ナフタレンジカルボン酸ジメタリルエーテル、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエーテル、1,5−ナフタレンジカルボン酸ジメタリルエーテル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエーテル、2,6−ナフタレンジカルボン酸ジメタリルエーテル、2,7−ナフタレンジカルボン酸ジアリルエーテル、2,7−ナフタレンジカルボン酸ジメタリルエーテル、ジフェニル−m,m’−ジカルボン酸ジアリルエーテル、ジフェニル−m,m’−ジカルボン酸ジメタリルエーテル、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸ジアリルエーテル、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸ジメタリルエーテル、ベンゾフェノン−4,4−ジカルボン酸ジアリルエーテル、ベンゾフェノン−4,4−ジカルボン酸ジメタリルエーテル、メチルテレフタル酸ジアリルエーテル、メチルテレフタル酸ジメタリルエーテル、テトラクロルフタル酸ジアリルエーテル、テトラクロルフタル酸ジメタリルエーテル、ジアリルフルオレン、ジメタリルフルオレン、フルオレンビスフェノキシエチルジアリルエーテル、フルオレンビスフェノキシエチルジメタリルエーテル、フルオレンビスフェノキシエチルジメタリルエーテル、フルオレンビスフェノキシエチルジメタリルエーテル、フルオレンビスフェノキビスメタリルエーテル等のアリルエーテル化合物等が挙げられる。
一方、1分子中にアリル基とメタリル基を有する化合物も挙げられる。化合物(a−1)としては、フタル酸アリルメタリルエステル、イソフタル酸アリルメタリルエステル、トリメリット酸ジアリルメタリルエステル、トリメリット酸アリルジメタリルエステル、ピロメリット酸トリアリルメタリルエステル、ピロメリット酸ジアリルジメタリルエステル、ピロメリット酸アリルトリメタリルエステル、ビスフェノールAアリルメタリルエーテル、ビスフェノールSアリルメタリルエーテル、1,4−ナフタレンジカルボン酸アリルメタリルエーテル、1,5−ナフタレンジカルボン酸アリルメタリルエーテル、2,6−ナフタレンジカルボン酸アリルメタリルエーテル、2,7−ナフタレンジカルボン酸アリルメタリルエーテル、ジフェニル−m,m’−ジカルボン酸アリルメタリルエーテル、ジフェニル−p,p’−ジカルボン酸アリルメタリルエーテル、ベンゾフェノン−4,4−ジカルボン酸アリルメタリルエーテル、メチルテレフタル酸アリルメタリルエーテル、テトラクロルフタル酸アリルメタリルエーテル、アリルメタリルフルオレン、フルオレンビスフェノキシエチルアリルメタリルエーテル、フルオレンビスフェノキアリルメタリルエーテル等の芳香環構造を有するメタリル基とアリル基が共存する化合物や、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸アリルメタリル、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸アリルメタリル、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸アリルジメタリル、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸ジアリルメタリル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸トリアリルメタリル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸ジアリルジメタリル、1,2,4,5−シクロヘキサンテトラカルボン酸アリルトリメタリル、5−アルキル置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸アリルメタリル、5−ハロゲン置換シクロヘキサン−1,4−ジカルボン酸アリルメタリル、1,3−アダマンタンジカルボン酸アリルメタリル、1,3,5−アダマンタントリカルボン酸ジアリルメタリル、1,3,5−アダマンタントリカルボン酸アリルジメタアリル、水添ダイマー酸(炭素数が36又は44であり、脂環構造を有するもの)アリルメタリル、トリシクロデカンジメタノールジカルボン酸アリルメタリル等の脂環構造を有するメタリル基とアリル基が共存する化合物や、アリルメタリルモノヒドロキシエチルシアヌレート、ジアリルメタリルイソシアヌレート、アリルジメタリルイソシアヌレート、1,5−ジアリル−3−メタリルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1−アリル−3,5―ジメタリルヘキサヒドロ−1,3,5−トリアジン、1,3,4,6−メタリルトリアリルグリコールウリル、1,3,4,6−ジメタリルジアリルグリコールウリル、1,3,4,6−トリメタリルアリルグリコールウリル等のN−メタリル基とN−アリル基が共存する化合物が挙げられる。
化合物(a−2)としては、ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラアリル、コハク酸ジアリル、グルタル酸ジアリル、アジピン酸ジアリル、セバシン酸ジアリル、ダイマー酸ジアリル、水添ダイマー酸ジアリル、1,12−ドデカン二酸ジアリル、トリメチロールプロパンジアリルエーテル、ペンタエリスリトールトリアリルエーテル、トリメチロールプロパントリアリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラアリルエーテル、ジエチレングリコールビス(メタリルカーボネート)、1,2,3,4−ブタンテトラカルボン酸テトラメタリル、コハク酸ジメタリル、グルタル酸ジメタリル、アジピン酸ジメタリル、セバシン酸ジメタリル、ダイマー酸ジメタリル、水添ダイマー酸ジメタリル、1,12−ドデカン二酸ジメタリル、トリメチロールプロパンジメタリルエーテル、ペンタエリスリトールトリメタリルエーテル、トリメチロールプロパントリメタリルエーテル、ペンタエリスリトールテトラメタリルエーテルなどが挙げられる。
本実施形態の硬化性組成物の硬化物の耐酸性を考慮すると、化合物(a−2)よりも化合物(a−1)の方が好ましく、(メタ)アリル基含有化合物(A)がモノマーである場合も、後述の(メタ)アリル基含有化合物(A)がオリゴマーである場合も同様である。また、硬化性組成物の反応性(活性エネルギー線硬化性)を考慮すると、これらの(メタ)アリル基含有化合物(A)の中で好ましいものとしては、アリロキシカルボニル基及びN−アリル基の少なくとも一方を有する化合物が好ましい。さらに、非常に強い酸性に対する耐食性に特に優れているのは、ビスフェノールA型の骨格を有する(メタ)アリル基含有化合物(A)であり、市販品としては、下記式(2)で表されるChembridge社製の商品名CM−BPADEがあげられる。
Figure 2017170049
(メタ)アリル基含有化合物(A)がオリゴマーである場合には、(メタ)アリル基含有化合物(A)としては(メタ)アリルエステル樹脂があげられる。(メタ)アリルエステル樹脂とは、分子末端に(メタ)アリロキシカルボニル基を有し且つ分子内に繰り返し単位を有する化合物である。例えば、多塩基酸の(メタ)アリルエステル化合物と多価アルコールのエステル交換反応、(メタ)アリルアリルアルコールを含むモノオール、多価アルコールと多塩基酸、多塩基酸無水物から選ばれる少なくとも1種との縮合反応、繰り返し単位を有するポリオールと多塩基酸の(メタ)アリルエステル化合物とのエステル交換反応、及び、(メタ)アリルアリルアルコールを含むモノオール、繰り返し単位を有するポリオールと多塩基酸、多塩基酸無水物から選ばれる少なくとも1種との縮合反応の各種反応によって生成される化合物である。
(メタ)アリルエステル樹脂の具体例としては、例えば、下記式(3)、(4)、(6)で表される構造を有するオリゴマーが挙げられる。
Figure 2017170049
式(3)中のj個のRは、それぞれ独立に、炭素数1以上36以下(好ましくは1以上10以下、より好ましくは1以上6以下)の直鎖アルキレン基又は分岐アルキレン基を示す。また、R及びRは、それぞれ独立に水素原子又はメチル基を示す。好ましくは、R及びRともに水素原子である。
また、式(3)中の(j+1)個のXは、それぞれ独立に、2価カルボン酸から誘導される有機基であり、好ましくは炭素数1以上4以下のアルキル基を置換基として有してもよいフェニレン基又はシクロヘキシレン基であり、さらに好ましくは置換基を有さないフェニレン基又はシクロヘキシレン基である。炭素数1以上4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
フェニレン基又はシクロヘキシレン基が隣接するカルボニル炭素に結合する位置は1,2位、1,3位、1,4位のいずれでもよいが、合成の容易さを考慮すると、1,3位又は1,4位であることが好ましい。
式(3)中のjは1以上20以下の整数であり、好ましくは1以上18以下であり、より好ましくは1以上15以下である。式(3)で表されるオリゴマーの分子量は300以上20000以下であることが好ましく、800以上18000以下であることがより好ましく、1000以上16000以下であることがさらに好ましい。
Figure 2017170049
式(4)中の(2k+1)個のAは、それぞれ独立に、2価カルボン酸から誘導される有機基であり、好ましくは炭素数1以上4以下のアルキル基を置換基として有してもよいフェニレン基又はシクロヘキシレン基であり、より好ましくは置換基を有さないフェニレン基又はシクロヘキシレン基である。炭素数1以上4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
フェニレン基又はシクロヘキシレン基が隣接するカルボニル炭素に結合する位置は1,2位、1,3位、1,4位のいずれでもよいが、合成の容易さを考慮すると、1,3位又は1,4位であることが好ましい。
式(4)中のk個のRは、それぞれ独立に、水素原子、炭素数1以上4以下のアルキル基(例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。)、又は下記式(5)で表される基を示す。また、式(4)中のR、R及びk個のRは、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。好ましくは、R、R及びk個のRは全て水素原子である。式(5)中のAは、式(4)で表されるオリゴマーの場合と同様であり、R10は水素原子又はメチル基を示す。好ましくは、R10は水素原子である。
式(4)中のkは3以上70以下の整数であり、好ましくは4以上60以下であり、より好ましくは4以上50以下である。式(4)で表されるオリゴマーの分子量は、300以上20000以下であることが好ましく、500以上18000以下であることがより好ましく、700以上16000以下であることがさらに好ましい。
Figure 2017170049
Figure 2017170049
式(6)中の(q+1)個のZは、それぞれ独立に、2価カルボン酸から誘導される有機基であり、好ましくは炭素数1以上4以下のアルキル基を置換基として有してもよいフェニレン基又はシクロヘキシレン基であり、より好ましくは置換基を有さないフェニレン基又はシクロヘキシレン基である。炭素数1以上4以下のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。
式(6)中の[(p+1)×q]個のR11は、それぞれ独立に、炭素数1以上36以下(好ましくは1以上10以下、より好ましくは1以上6以下)の直鎖アルキレン基又は分岐アルキレン基を示す。また、式(6)中のR12及びR13は、それぞれ独立に、水素原子又はメチル基を示す。好ましくは、R12及びR13ともに水素原子である。
式(6)中のpは1以上10以下の整数であり、好ましくは1以上9以下であり、より好ましくは1以上8以下である。式(6)中のqは5以上50以下の整数であり、好ましくは5以上45以下であり、より好ましくは5以上40以下である。式(6)で表されるオリゴマーの分子量は、好ましくは300以上20000以下であり、より好ましくは500以上19000以下であり、さらに好ましくは700以上18000以下である。
(メタ)アリル基含有化合物(A)がオリゴマーである場合の(メタ)アリルエステル樹脂以外の具体例としては、置換又は非置換のアリルアルコールから誘導されるポリエン化合物、ポリエチレングリコールビス(アリルカーボネート)等が挙げられる。
(メタ)アリル基含有化合物(A)がポリマーである場合には、(メタ)アリル基含有化合物(A)としては、ポリマー骨格に2個以上のアリル基が導入された化合物があげられる。このポリマー骨格としては、ポリエチレン骨格、ポリウレタン骨格、ポリエステル骨格、ポリアミド骨格、ポリイミド骨格、ポリオキシアルキレン骨格、ポリフェニレン骨格が挙げられる。
(メタ)アリル基含有化合物(A)は、1種類のみを単独で用いてもよいし、2種類以上を併用してもよい。
また、本実施形態の硬化性組成物に使用される(メタ)アリル基含有化合物(A)に属する全ての化合物を混合した混合物のヨウ素価は、20以上240以下の範囲内であることが好ましく、より好ましくは30以上210以下である。ヨウ素価が20以上240以下の範囲内であれば、活性エネルギー線の照射によって容易に短時間で硬化性組成物を硬化させることができる。なお、本明細書に記載のヨウ素価とは、対象となる物質100gと反応するハロゲンの量(単位はg)を、ヨウ素のグラム数に換算した値である。
〔2〕1分子中に2個以上のメルカプト基を有するチオール化合物(B)
チオール化合物(B)としては、分子内にメルカプト基を2個以上6個以下有する化合物が好ましい。例えば、炭素数が2個以上20個以下程度のアルカンジチオール等の脂肪族ポリチオール、キシリレンジチオール等の芳香族ポリチオール、アルコールのハロヒドリン付加物のハロゲン原子をチオール基で置換してなるポリチオール、ポリエポキシド化合物の硫化水素反応生成物からなるポリチオールが挙げられるが、分子内にヒドロキシ基を2個以上6個以下有する多価アルコールと、チオグリコール酸、β−メルカプトプロピオン酸、β−メルカプトブタン酸に代表されるチオカルボン酸とのエステル化物からなるポリチオールは、硬化性組成物とした場合の保存安定性と硬化性の観点から好ましい。
チオール化合物(B)として特に好ましいのは、メルカプト基を1分子中に2個以上有し且つ全てのメルカプト基が第二級炭素原子又は第三級炭素原子に結合している化合物である。すなわち、チオール化合物(B)は、メルカプト基に対してα位の炭素原子に置換基が結合したメルカプト基含有基を有し、且つ、メルカプト基を2個以上有しているということである。前記置換基の少なくとも一つはアルキル基であることが好ましい。全てのメルカプト基が第二級炭素原子又は第三級炭素原子に結合している化合物は、メルカプト基が第一級炭素原子に結合している化合物よりも耐水性が優れているので、耐酸性もそれに伴って優れている。
メルカプト基に対してα位の炭素原子に置換基が結合しているということは、メルカプト基のα位の炭素が2個又は3個の炭素原子と結合していることを意味する。前記置換基の少なくとも一つがアルキル基であるとは、メルカプト基に対してα位の炭素原子に結合した基のうち主鎖以外の基の少なくとも一つがアルキル基であることを意味する。ここで、主鎖とは、α位の炭素原子に結合した、メルカプト基及び水素原子以外の構造部位のうち最も長鎖の構造部位をいう。
メルカプト基含有基としては、下記式(1)で表される基が好ましい。ただし、下記式(1)中のRは炭素数1以上10以下のアルキル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1以上10以下のアルキル基を示す。また、下記式(1)中のmは0以上2以下の整数を示し、好ましくは0又は1である。
Figure 2017170049
及びRが示す炭素数1以上10以下のアルキル基は、直鎖状であっても分岐状であってもよい。例えば、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられ、好ましくはメチル基又はエチル基である。
チオール化合物(B)は、全てのメルカプト基が第二級炭素原子又は第三級炭素原子に結合しており、且つ、メルカプト基を2個以上有する化合物であれば、特に限定されないが、上述したメルカプト基含有基を2個以上有している多官能チオール化合物であることが好ましい。
このように、チオール化合物(B)が多官能であることにより、単官能化合物と比較して、活性エネルギー線硬化性(光重合)の感度を高めることが可能である。
また、メルカプト基含有基としては、下記式(7)で表されるカルボン酸誘導体構造を有する基がより好ましい。
Figure 2017170049
さらに、チオール化合物(B)は、下記式(8)で表されるメルカプト基含有カルボン酸とアルコールとのエステルであることが好ましい。
Figure 2017170049
上記の式(7)及び式(8)におけるR14、R15、R16、R17の定義は、上記式(1)におけるR、Rの定義と同様であり、r、sの定義は、上記式(1)におけるmの定義と同様である。
上記式(8)で表されるメルカプト基含有カルボン酸とエステル化させるアルコールとしては、多価アルコールが好ましい。多価アルコールを用いることにより、エステル化反応により得られる化合物を多官能チオール化合物とすることができる。
多価アルコールとしては、アルキレングリコール(ただし、アルキレン基の炭素数は2個以上10個以下が好ましく、その炭素鎖は直鎖状でもよいし分岐状でもよい。)、ジエチレングリコール、グリセリン、ジプロピレングリコール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトールが例示できる。アルキレングリコールとしては、例えばエチレングリコール、トリメチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,2−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、2,3−ブタンジオール、テトラメチレングリコールが挙げられる。
これらの中でも、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートは、入手が容易であり、官能基数や蒸気圧の観点からも好ましい。
上記式(8)のメルカプト基含有カルボン酸としては、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプトプロピオン酸、2−メルカプトブタン酸、3−メルカプトブタン酸、4−メルカプトブタン酸、2−メルカプトイソブタン酸、2−メルカプトイソペンタン酸、3−メルカプトイソペンタン酸、3−メルカプトイソヘキサン酸等が例示される。
上記式(1)のメルカプト基含有基を2個以上有し、且つ、全てのメルカプト基が第二級炭素原子又は第三級炭素原子に結合している化合物の具体例としては、以下の化合物を挙げることができる。
炭化水素ジチオールとしては、2,5−ヘキサンジチオール、2,9−デカンジチオール、1,4−ビス(1−メルカプトエチル)ベンゼン等を例示することができる。
エステル結合構造を含むチオール化合物(B)としては、フタル酸ジ(1−メルカプトエチルエステル)、フタル酸ジ(2−メルカプトプロピルエステル)、フタル酸ジ(3−メルカプトブチルエステル)、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、プロピレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、オクタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(4−メルカプトバレレート)、プロピレングリコールビス(4−メルカプトイソバレレート)、ジエチレングリコールビス(4−メルカプトバレレート)、ブタンジオールビス(4−メルカプトバレレート)、オクタンジオールビス(4−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(4−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(4−メルカプトバレレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(4−メルカプトバレレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトバレレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトバレレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトバレレート)、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン等が例示される。
メルカプト基に対してα位及び/又はβ位に水素以外の置換基を有するチオール化合物のラジカル重合又はイオン重合に関して考察するため、α位が水素である1級チオール構造とα位にメチル基を有する2級チオール構造の活性化エネルギー(298K、1気圧)をそれぞれ計算した。すると、ラジカル重合、イオン重合ともに2級チオール構造の活性化エネルギーが3kcal/mol高かった。よって、保存安定性は2級チオール構造の方が優位である。
さらに、硬化性組成物の硬化性と硬化物の耐酸性の観点から、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、トリメチロールプロパン−トリス(3−メルカプトブチレート)、テトラキス(3−メルカプトブチレート)グリコールウリル、テトラキス(2−メルカプトプロピオネート)グリコールウリル、テトラキス(2−メルカプトイソブチレート)グリコールウリル、テトラキス(4−メルカプトバレレート)グリコールウリル等を好ましく用いることができる。
チオール化合物(B)は、1種を単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。また、チオール化合物(B)の分子量は特に限定されるものではないが、本実施形態の硬化性組成物の硬化物の耐酸性向上の観点から、好ましくは200以上1000以下である。
チオール化合物(B)は、市販品として容易に入手することもできる。1分子中に2個以上のメルカプト基を含有する2級チオールのうち市販品として入手容易なものとしては、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(昭和電工株式会社製の商品名カレンズMT(商標) BD1)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工株式会社製の商品名カレンズMT(商標) PE1)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(昭和電工株式会社製の商品名カレンズMT(商標) NR1)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工株式会社製の商品名TPMB)等が挙げられる。
本実施形態の硬化性組成物におけるチオール化合物(B)の好ましい含有量は、(メタ)アリル基含有化合物(A)の(メタ)アリル基の数とチオール化合物(B)のメルカプト基の数の比で表すことができる。すなわち、チオール化合物(B)のメルカプト基の数に対する(メタ)アリル基含有化合物(A)の(メタ)アリル基の数の比(アリル基の数/メルカプト基の数)は、硬化性及び耐酸性の観点から、0.25以上4以下の範囲内であることが好ましく、0.6以上4以下の範囲内であることがより好ましい。このような比となるように、硬化性組成物における(メタ)アリル基含有化合物(A)及びチオール化合物(B)の含有量を決定するとよい。
なお、(メタ)アリル基含有化合物(A)の(メタ)アリル基の数とは、(メタ)アリル基含有化合物(A)に属する全ての化合物の(メタ)アリル基の数の合計(モル数)を意味し、チオール化合物(B)のメルカプト基の数とは、チオール化合物(B)に属する全ての化合物のメルカプト基の数の合計(モル数)を意味する。
なお、発明の効果を損なわない範囲の量であれば、本実施形態の硬化性組成物に、チオール化合物(B)以外のメルカプト基含有化合物を配合してもよい。ただし、チオール化合物(B)以外のメルカプト基含有化合物の配合量は、硬化性、耐酸性等の維持の観点から、チオール化合物(B)を含む全てのメルカプト基含有化合物の含有量の20質量%以下であることが好ましい。
〔3〕化合物(C)
本実施形態の硬化性組成物は、エポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート、及び不飽和ポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)を含有する。
エポキシ(メタ)アクリレートは、ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸又はその酸無水物とを反応させてなる化合物全般を意味する。エポキシ(メタ)アクリレートが有する(メタ)アクリロイル基の数(平均官能基数)は、1.5以上であることが好ましい。平均官能基数が1.5以上であれば、硬化性組成物が硬化した際の架橋密度が充分大きくなるため、得られる硬化物の耐酸性が良好である。なお、エポキシ(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエポキシドとしては、1分子中に平均1.5個以上、好ましくは平均2個以上5個以下のエポキシ基を有する化合物が好ましい。ポリエポキシドの具体例としては、エチレングリコールジグリシジルエーテル、ジエチレングリコールジグリシジルエーテル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、プロピレングリコールジグリシジルエーテル、トリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ポリプロピレングリコールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、1,6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル等の脂肪族系のポリエポキシドが挙げられる。
また、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、ビスフェノールS型エポキシ樹脂、ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールA型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールF型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールS型エポキシ樹脂、水添ビスフェノールAD型エポキシ樹脂、テトラブロモビスフェノールA型エポキシ樹脂等のビスフェノール型エポキシ樹脂もあげることができる。
さらに、オルソクレゾールノボラック型エポキシ樹脂、フェノールノボラック型エポキシ樹脂、ナフトールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、臭素化フェノールノボラック型エポキシ樹脂、アルキルフェノールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールSノボラック型エポキシ樹脂、メトキシ基含有ノボラック型エポキシ樹脂、ブロム化フェノールノボラック型エポキシ樹脂等のノボラック型エポキシ樹脂もあげることができる。
その他では、フェノールアラルキル型エポキシ樹脂(通称ザイロック樹脂のエポキシ化物)、レゾルシンのジグリシジルエーテル、ハイドロキノンのジグリシジルエーテル、カテコールのジグリシジルエーテル、ビフェニル型エポキシ樹脂、テトラメチルビフェニル型エポキシ樹脂等の2官能型エポキシ樹脂や、トリグリシジルシソシアヌレート、トリフェニルメタン型エポキシ樹脂、テトラフェニルエタン型エポキシ樹脂、ジシクロペンタジエン−フェノール付加反応型エポキシ樹脂、ビフェニル変性ノボラック型エポキシ樹脂(ビスメチレン基でフェノール核が連結された多価フェノール樹脂のエポキシ化物)、メトキシ基含有フェノールアラルキル樹脂などの脂環構造、芳香環構造、又は複素環構造の構造を有するポリエポキシドが挙げられる。
ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸又はその酸無水物との反応は、通常、50℃以上150℃以下の範囲内の温度で、1時間以上8時間以下程度行われる。ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸又はその酸無水物との反応の際には、好ましくは触媒が用いられる。触媒の具体例としては、トリエチルアミン、ジメチルブチルアミン、トリ−n−ブチルアミン等のアミン類や、テトラメチルアンモニウム塩、テトラエチルアンモニウム塩、ベンジルトリエチルアンモニウム塩等の第四級アンモニウム塩を挙げることができる。また、第四級ホスホニウム塩、トリフェニルホスフィン等のホスフィン類や、2−メチルイミダゾール、2−エチル−4−メチルイミダゾール等のイミダゾール類も、触媒の具体例として挙げることができる。
また、ポリエポキシドと(メタ)アクリル酸又はその酸無水物との反応の際には、メタノール、プロパノール、エチルセルソルブ等のアルコール系溶剤、メチルセロソルブアセテート等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン等のケトン系溶剤、ベンゼン、トルエン等の芳香族化合物系溶剤等を反応溶剤として用いることができる。さらに、この反応の際には、重合禁止剤として、ハイドロキノン、フェノチアジン等を反応系に共存させてもよい。さらに、この反応に際して、(メタ)アクリル酸の重合反応を抑制するために、空気等の気流下で反応させてもよいし、また、その際に空気による酸化反応を防止するために、2,6−ジ−t−ブチル−メチルフェノール等の酸化防止剤を併用してもよい。
本実施形態の硬化物の耐酸性と密着性の観点から、エポキシ(メタ)アクリレートとしては、脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有するエポキシ化合物から誘導されるエポキシ(メタ)アクリレートが好ましい。さらに、非常に強い酸性に対する耐食性に特に優れているのは、ビスフェノールA型の骨格を有するエポキシ化合物から誘導されたエポキシ(メタ)アクリレートである。
ビスフェノールA型の骨格を有するエポキシ(メタ)アクリレートのうち市販品として入手可能なものとしては、共栄社化学株式会社製のエポキシエステル3002M(N)、エポキシエステル3002A(N)、エポキシエステル3000MK、エポキシエステル3000Aや、新中村化学株式会社製のNKエステルEA−1020、NKエステルA−B126PE、NKエステルABE−300、NKエステルA−BPE−4、NKエステルA−BPE−500、NKオリゴEA−5220や、昭和電工株式会社製のVR−77があげられる。
次に、(ポリ)エステル(メタ)アクリレートは、1分子中に少なくとも1個の(メタ)アクリロイル基を有する飽和又は不飽和のポリエステルを意味する。この(ポリ)エステル(メタ)アクリレートは、ジオール(必要によりトリオール)と二塩基酸又はその酸無水物(必要により三塩基酸又はその酸無水物)とのエステル反応により得られる。その際には、モノエポキシ化合物やポリエポキシ化合物を併用してもよい。なお、(ポリ)エステル(メタ)アクリレートは、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
ポリエステルの原料となるジオールとしては、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、2−メチルプロパン−1,3−ジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,8−オクタンジオール、2−メチル−1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール等に代表される脂肪族ジオールや、水添ダイマージオール(例えば、炭素数は36又は44)、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,3−アダマンタンジオール、トリシクロデカンジメタノール等に代表される脂環族ジオールや、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール、ジメチロールシクロヘキサン、2,2,4−トリメチル−1,3−ペンタンジオール等に代表されるアルキレングリコール類や、ジエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリブチレングリコール等に代表されるポリアルキレングリコール類があげられる。また、ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS、テトラブロムビスフェノールA等に代表される2価フェノールとエチレンオキサイド、プロピレンオキサイドに代表されるアルキレンオキサイドとの付加反応生成物などもあげることができる。
ポリエステルの原料となるトリオールとしては、例えば、グリセリン、トリメチロールエタン、1,2,6−ヘキサントリオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタリスリトール、ソルビドール、1,3,5−アダマンタントリオール、1,3,5−シクロヘキサントリオール、トリマートリオール(例えば炭素数54)などがあげられる。さらに、複素環を有するトリオールとしては、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、トリス(3−ヒドロキシプロピル)イソシアヌレート、トリス(4−ヒドロキシブチル)イソシアヌレートなどが挙げられる。
ポリエステルの原料となるテトラオールとしては、例えば、ペンタエリスリトール、ジグリセロール、1,2,3,4−ブタンテトラオールなどがあげられる。モノエポキシ化合物としては、例えば、エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、エピクロルヒドリン、スチレンオキサイド、フェニルダリシジルエーテルなどが挙げられる。ポリエポキシ化合物としては、例えば、エポキシ樹脂技術協会編「総説エポキシ樹脂」に記載されたエポキシ樹脂を挙げることができる。
ポリエステルの原料となる二塩基酸とその酸無水物としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、アジピン酸、セバシン酸、アゼライン酸、ゲルタル酸、ヘキサヒドロ無水フタル酸、1,1,2−ドデカン酸、及び、これらのエステルである脂肪族又は脂環式飽和二塩基酸や、マレイン酸、無水マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、クロルマレイン酸、及び、これらのエステルであるα,β−不飽和二塩基酸とその酸無水物があげられる。
また、フタル酸、無水フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ニトロフタル酸、テトラクロルフタル酸、テトラヒドロ無水フタル酸、テトラブロモフタル酸、エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、ハロゲン化無水フタル酸、及び、これらのエステルである芳香族二塩基酸とその酸無水物もあげることができる。
さらに、ポリエステルの原料となる三塩基酸とその酸無水物としては、例えば、トリメリット酸、アコニット酸、ブタントリカルボン酸、6−カルボキシ−3−メチル−1,2,3,6−ヘキサヒドロフタル酸とその酸無水物が挙げられる。さらに、四塩基酸とその酸無水物としては、例えば、ピロメリット酸、ブタンテトラカルボン酸とその酸無水物が挙げられる。
(ポリ)エステル(メタ)アクリレートの製造方法としては、ジオール(必要により3価以上のアルコール)と、(メタ)アクリル酸及び二塩基酸(必要により3価以上の多塩基酸)とのエステル化反応による方法が一般的である。ただし、(メタ)アクリロイル基及びヒドロキシ基を有する化合物と二塩基酸(必要により3価以上の多塩基酸)とのエステル化反応による方法でもよい。
硬化物の耐酸性と密着性の観点から、脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有する(ポリ)エステル(メタ)アクリレートが好ましく、ビスフェノールAから誘導された(ポリ)エステル(メタ)アクリレートがより好ましい。市販品として入手可能なビスフェノールA型の骨格を有する(ポリ)エステル(メタ)アクリレートとしては、下記式(9)で表されるダイセル・オルネクス株式会社製のEbecryl812が挙げられる。なお、式(9)中のR19は水素原子又はメチル基を示し、R20及び/又はR21はビスフェノールA型の骨格を有する基を示す。
Figure 2017170049
次に、不飽和ポリエステル樹脂は、α,β−不飽和二塩基酸又はその酸無水物からなる酸成分と多価アルコールとを重縮合して得られる不飽和ポリエステル(プレポリマー)である。
不飽和ポリエステル樹脂の製造方法は特に限定されるものではないが、例えば、多塩基酸成分と多価アルコール成分とを重縮合反応させる方法が挙げられ、この重縮合反応は前記両成分が反応する時に生じる縮合水を系外に除きながら進められる。また、この不飽和ポリエステル樹脂には、α,β−不飽和カルボン酸エステル基を含有するエポキシ化合物を前記不飽和ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基に反応して得られる(メタ)アクリレート、ヒドロキシ基含有(メタ)アクリレートを前記不飽和ポリエステル樹脂の末端カルボキシル基に反応させて得られる(メタ)アクリレート、前記不飽和ポリエステル樹脂の末端ヒドロキシ基に(メタ)アクリル酸を反応して得られる(メタ)アクリレートも含まれる。なお、不飽和エポキシ樹脂は1種を単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
不飽和ポリエステル樹脂は、硬化物の耐酸性の観点から、脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有することが好ましく、ビスフェノールA型の骨格を有することがより好ましい。ビスフェノールA型の骨格を有すると、耐酸性の他、硬化物に耐熱性や強靭性も付与できるため、工業製品とした場合の実用性に優れている。市販品として入手可能なビスフェノールA型の骨格を有する不飽和ポリエステル樹脂としては、昭和電工株式会社製のリゴラックLP−1Mが挙げられる。このリゴラックLP−1Mは、下記式(10)で表されるポリマー及び/又は下記式(11)で表されるポリマーである。なお、式(10)及び式(11)中のR22及びR23はビスフェノールA型の骨格を有する基を示す。
Figure 2017170049
Figure 2017170049
化合物(C)の分子量は特に限定されるものではないが、本実施形態の硬化物の耐酸性向上の観点から、400以上であることが好ましい。
また、本実施形態の硬化性組成物における化合物(C)の好ましい含有量については、硬化物の耐酸性の観点から、(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)と化合物(C)との合計の含有量を100質量部とした場合、そのうちの化合物(C)の含有量を10質量部以上80質量部以下とすることが好ましく、10質量部以上70質量部以下とすることがより好ましく、30質量部以上70質量部以下とすることがさらに好ましい。
〔4〕重合開始剤(D)
重合開始剤(D)には光重合開始剤と熱重合開始剤とがあるが、(メタ)アリル基含有化合物(A)の重合の開始を促進する化合物であれば、いずれも用いることができる。なお、重合開始剤(D)は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。
光重合開始剤の種類は、近赤外線、可視光線、紫外線等の活性エネルギー線の照射によって、ラジカル重合の開始に寄与するラジカルを発生する化合物であれば、特に限定されない。
光重合開始剤としては、例えば、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、1,2−ヒドロオキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロピルフェニル)プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−ドデシルフェニル)プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパノン、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸又はそのテトラメチルエステル、4,4’−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン)、4−メトキシ−4’−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、フルオレノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(O−アセチルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパノン−1−(O−アセチルオキシム)、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−3−シクロペンチルプロパン−1,2−ジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
また、光重合開始剤として、メタロセン化合物を使用することもできる。メタロセン化合物としては、中心金属をFe、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Mo、Ru、Rh、Lu、Ta、W、Os、Irなどに代表される遷移元素としたメタロセン化合物を用いることができ、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル]チタニウムを挙げることができる。
特に、光重合開始剤を添加してからの硬化性組成物の安定性の観点から、光重合開始剤として1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、エトキシフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシド、及び2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンを用いることが好ましい。
1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンはIrgacure184なる製品名でBASF社より入手可能であり、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドはLUCIRIN TPOなる製品名でBASF社より入手可能である。また、、エトキシフェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィンオキシドはIrgacureTPO−Lなる製品名でBASF社より入手可能であり、さらに2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノンはDarocur1173なる製品名でBASF社より入手可能である。
特に好ましい光重合開始剤としては、ジフェニル−2,4,6−トリメチルベンゾイルホスフィンオキシド、2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオフェノン、2−ヒドロキシ−1−(4−イソプロペニルフェニル)−2−メチルプロパン−1−オン及びそのオリゴマー、2,4,6−トリメチルベンゾフェノンがあげられ、これらの混合物であるLAMBERTI S.p.A社製の製品名「ESACURE KTO 46」が好ましく使用できる。
熱重合開始剤としては、硬化物の耐酸性などの物性に悪影響を及ぼすものでないならば特に限定されるものではなく、公知のものが使用できる。本実施形態で使用される熱重合開始剤としては、硬化されるべき硬化性組成物中に存在する他の成分に可溶であり、且つ、30℃以上120℃以下の温度でフリーラジカルを発生するものが望ましい。
熱重合開始剤の具体例としては、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジシクロヘキシルパーオキシジカーボネート、ジ−n−プロピルパーオキシジカーボネート、ジ−sec−ブチルパーオキシジカーボネート、t−ブチルパーベンゾエート等の有機過酸化物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。ただし、本実施形態の硬化性組成物の硬化性の観点から、ジイソプロピルパーオキシジカーボネートが好ましい。
過酸化物系重合開始剤としては、上記の他に、ジベンゾイルペルオキシド、t−ブチルペルマレエート、ジ−t,t−ヘキシルパーオキサイド、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルハイドロパーオキサイド等が挙げられる。さらに、レドックス系重合開始剤としては、例えば、過硫酸塩と亜硫酸水素ナトリウムとの組み合わせ、過酸化物とアスコルビン酸ナトリウムとの組み合わせなどが挙げられる。一方、過硫酸塩としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどが挙げられる。
本実施形態の硬化性組成物における重合開始剤(D)の含有量は、硬化性組成物の硬化性の観点から、硬化性組成物全体の量から重合性開始剤(D)及び非反応性溶媒や無機充填剤などの反応に寄与しない成分の含有量を差し引いた量、例えば(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)と化合物(C)の合計の含有量を100質量部とした場合の重合開始剤(D)の含有量が、0.01質量部以上10質量部以下であることが好ましく、0.5質量部以上5.0質量部以下であることがより好ましい。
〔5〕重合禁止剤
本実施形態の硬化性組成物は、保存時のラジカル重合を抑制して保存安定性を向上させるために、必要に応じて重合禁止剤を含有してもよい。重合禁止剤の種類は特に限定されるものではないが、例えば、4−メトキシ−1−ナフトール、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4−メトキシ−2−メチル−1−ナフトール、4−メトキシ−3−メチル−1−ナフトール、1,4−ジメトキシ−2−メチルナフタレン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,2−ジヒドロキシ−4−メトキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシ−4−メトキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシ−2−メトキシナフタレン、1,4−ジメトキシ−2−ナフトール、1,4−ジヒドロキシ−2−メチルナフタレン、ピロガロール、メチルヒドロキノン、ターシャリーブチルヒドロキノン、4−メトキシフェノール、N−ニトロソ−N−フェニルヒドロキシアミンアルミニウムなどが挙げられる。
これらの中では、特に硬化性組成物の保存性の観点から、メチルヒドロキノン、ピロガロール、及びターシャリーブチルヒドロキノンが好ましい。
これらの重合禁止剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の硬化性組成物における重合禁止剤の含有量は特に限定されるものではないが、硬化性組成物の保存安定性の観点から、(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)との合計の含有量を100質量部とした場合の重合禁止剤の含有量は0.1質量部未満であることが好ましく、0.0001質量部以上0.05質量部以下であることがより好ましい。
〔6〕硬化性組成物に添加しうるその他の成分
本実施形態の硬化性組成物は、(メタ)アリル基含有化合物(A)、チオール化合物(B)、化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含有することに加えて、任意成分である重合禁止剤を含有していてもよく、さらに、本発明の目的を損なわない範囲内であれば、その他の成分を含有していてもよい。
また、本実施形態の硬化性組成物は、その他の成分として溶剤を含有しなくてもよいし、溶剤を含有していてもよいが、溶剤を含有しないことが好ましい。
その他の成分として好ましく含有されるものとしては、例えば、炭素材料、顔料、染料などの色材や、無機充填剤が挙げられる。
炭素材料としては、例えば、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒鉛が挙げられる。
顔料としては、例えば、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラックなどの黒色顔料が挙げられる。
また、本実施形態の硬化性組成物は、赤色、緑色、青色などの有機顔料を含有してもよい。例えば、市販されているジェルネイルやUVクラフト用の顔料を用いてもよい。このような顔料としては、例えばピカエース着色顔料(701、731、741、755、762)、透明顔料(900、901、910、920、921、922、924、930、932、941、942、945、947、950、955、957、960、963、968、970、980、981、982、985)などが挙げられる。
染料としては、例えば、直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、建染染料、分散染料、反応染料、蛍光増白染料、プラスチック染料が挙げられる。なお、染料とは、溶剤に対する溶解性又は樹脂に対する相溶性を有し、溶解又は相溶した物質を着色する性質を持つ物質を意味する。
色材は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
本実施形態の硬化性組成物における色材の含有量は、特に限定されるものではないが、濃度が濃すぎると、活性エネルギー線の透過率が低下して硬化性組成物が硬化不良を起こすおそれがある。そのため、硬化性組成物中の色材の含有量は0.0001質量%以上40質量%以下が好ましい。
無機充填剤としては、(メタ)アリル基含有化合物(A)、チオール化合物(B)、化合物(C)に分散してペーストを形成するものであれば、特に制限はない。このような無機充填剤としては、例えば、シリカ(SiO)、アルミナ(Al)、チタニア(TiO)、酸化タンタル(Ta)、ジルコニア(ZrO)、窒化珪素(Si)、チタン酸バリウム(BaO・TiO)、炭酸バリウム(BaCO)、チタン酸鉛(PbO・TiO)、チタン酸ジルコン酸鉛(PZT)、チタン酸ジルコン酸ランタン鉛(PLZT)、酸化ガリウム(Ga)、スピネル(MgO・Al)、ムライト(3Al・2SiO)、コーディエライト(2MgO・2Al/5SiO)、タルク(3MgO・4SiO・HO)、チタン酸アルミニウム(TiO−Al)、イットリア含有ジルコニア(Y−ZrO)、珪酸バリウム(BaO・8SiO)、窒化ホウ素(BN)、炭酸カルシウム(CaCO)、硫酸カルシウム(CaSO)、酸化亜鉛(ZnO)、チタン酸マグネシウム(MgO・TiO)、硫酸バリウム(BaSO)、有機ベントナイト、カーボン(C)、ガラス粉、合成雲母、窒化硼素繊維などの繊維強化材、無機担持体にシリコーンオイルを配合させてパウダー化したもの、シリコーンレジン又はシリコーンゴムを粉末化したものを使用することができる。これらの無機充填剤は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上組み合わせて用いてもよい。
上記に例示した無機充填剤の中では、本実施形態の硬化性組成物の粘度調整性、及び、本実施形態の硬化性組成物から形成される硬化物のシート成形性の観点から、微粒子シリカが好ましい。微粒子シリカは、アエロジル(商標)なる商品名にて日本アエロジル株式会社より入手可能である。
アエロジル(商標)なる商品名の微粒子シリカとしては、アエロジル(商標)OX50、RX50、RY50、50、NAX50、NY50、NA50H、NA50Y、90G、NX90G、130、R972、RY200S、150、R202、200、R974、R9200、RX200、R8200、RY200、R104、RA200H、RA200HS、NA200Y、R805、R711、R7200、300、R976,R976S、RX300、R812、R812S、RY300、R106、380、P25、T805、P90、NKT90、AluC、AluC805などを挙げることができる。これらの微粒子シリカの中では、分散性の観点からRX200がより好ましい。
本実施形態の硬化性組成物における無機充填剤の含有量は特に限定されるものではないが、本実施形態の硬化性組成物から形成される硬化物の成形性の観点から、(メタ)アリル基含有化合物(A)と、チオール化合物(B)と、エポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート、及び不飽和ポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)との合計の含有量を100質量部とした場合の無機充填剤の含有量は10質量部未満であることが好ましく、2質量部以上6質量部以下であることがより好ましい。
本実施形態の硬化性組成物は、色材の他に、その他の成分として下記の(a)〜(w)などを含有することができる。これらのその他の成分は、1種を単独で用いてもよいし、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いてもよい。
(a)熱可塑性樹脂
(b)脱臭剤
(c)シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の密着性向上剤
(d)ヒンダードアミン類、ハイドロキノン類、ヒンダードフェノール類等の酸化防止剤
(e)ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等の紫外線吸収剤
(f)金属石けん類、重金属(例えば亜鉛、錫、鉛、カドミウム)の無機又は有機塩類、有機錫化合物等の安定剤
(g)酢酸、アクリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、メルカプトカルボン酸などの脂肪族カルボン酸や、フェノール、ナフトール、安息香酸、サリチル酸など芳香族有機酸などのpH調整剤
(h)フタル酸エステル、リン酸エステル、脂肪酸エステル、エポキシ化大豆油、ひまし油、流動パラフィン、アルキル多環芳香族炭化水素等の可塑剤
(i)パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、重合ワックス、密ロウ、鯨ロウ、低分子量ポリオレフィン等のワックス類
(j)ベンジルアルコール、タール、ピチューメン等の非反応性希釈剤
(k)アクリル樹脂粉、フェノール樹脂粉等の充填剤
(l)酢酸エチル、トルエン、アルコール類、エーテル類、ケトン類等の溶剤
(m)発泡剤
(n)シランカップリング剤、モノイソシアネート化合物、カルボジイミド化合物等の脱水剤
(o)帯電防止剤
(p)抗菌剤
(q)防かび剤
(r)粘度調製剤
(s)香料
(t)難燃剤
(u)レベリング剤
(v)増感剤
(w)分散剤
〔7〕硬化性組成物の調製
本実施形態の硬化性組成物は、(メタ)アリル基含有化合物(A)、チオール化合物(B)、化合物(C)、及び重合開始剤(D)とともに、必要に応じて重合禁止剤及びその他の成分を適宜混合して調製することができる。
このとき、チオール化合物(B)のメルカプト基の数に対する(メタ)アリル基含有化合物(A)の(メタ)アリル基の数の比(アリル基の数/メルカプト基の数)が0.25以上4以下(より好ましくは0.6以上4以下)の範囲内となるように、混合するとよい。
また、(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)と化合物(C)との合計の含有量を100質量部とした場合、そのうちの化合物(C)の含有量が10質量部以上80質量部以下(より好ましくは10質量部以上70質量部以下、さらに好ましくは30質量部以上70質量部以下)の範囲内となるように、混合するとよい。
さらに、硬化性組成物全体の量から重合性開始剤(D)の含有量を差し引いた量を100質量部とした場合の重合開始剤(D)の含有量が、0.01質量部以上10質量部以下(より好ましくは0.5質量部以上5.0質量部以下)の範囲内となるように、混合するとよい。
本実施形態の硬化性組成物の調製方法は特に限定されるものではなく、(メタ)アリル基含有化合物(A)、チオール化合物(B)、化合物(C)、重合開始剤(D)をはじめとする硬化性組成物の各原料を混合、分散できる方法であればよい。混合、分散する方法の例としては、以下の各方法が挙げられる。
(イ)各原料をガラスビーカー、缶、プラスチックカップ、アルミカップ等の容器に装入し、撹拌棒、へら等により混練する。
(ロ)各原料をダブルヘリカルリボン翼、ゲート翼等により混練する。
(ハ)各原料をプラネタリーミキサーにより混練する。
(ニ)各原料をビーズミルにより混練する。
(ホ)各原料を3本ロールにより混練する。
(ヘ)各原料をエクストルーダー型混練押し出し機により混練する。
(ト)各原料を自転・公転ミキサーにより混練する。
各原料の添加、混合は任意の順序で行うことができ、全原料を同時に添加してもよいし、逐次に添加してもよい。
重合開始剤(D)を使用する際には、上記各原料の取扱、混合等の硬化前の処理を、光重合開始剤が分解する吸収波長の光を除去するフィルターを通した活性エネルギー線照明下若しくは活性エネルギー線非照射下、又は、熱重合開始剤が作用する温度以下で行うなど、硬化処理以前に重合開始剤(D)が作用しない条件下で行うことができる。
〔8〕硬化性組成物の硬化方法
本実施形態の硬化性組成物に対して活性エネルギー線を照射すること、又は、加熱することにより、硬化性組成物が硬化して、硬化物が得られる。硬化時に使用する活性エネルギー線としては、紫外線、電子線、X線等が挙げられるが、安価な装置を使用できることから、紫外線が好ましい。
紫外線により本実施形態の硬化性組成物を硬化させる際の光源としては、種々のものを使用することができる。例えば、ブラックライト、UV−LEDランプ、高圧水銀ランプ、加圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプが挙げられる。
ここでブラックライトとは、可視光線と300nm以下の波長の紫外線とをカットした特殊外管ガラスに近紫外発光蛍光体を被着し、300nm以上430nm以下(ピーク350nm付近)の波長の近紫外線だけを放射するランプのことである。また、UV−LEDランプとは、紫外線を発する発光ダイオードを使用したランプのことである。これら光源のうち、メタルハライドランプ、高圧水銀ランプ及びLEDランプ(UV−LEDランプ)が、硬化性の観点から好ましい。
活性エネルギー線の照射量は、本実施形態の硬化性組成物を硬化させるのに十分な量であればよく、本実施形態の硬化性組成物の組成、使用量、厚さ、形成する硬化物の形状などに応じて選択することができる。例えば、本実施形態の硬化性組成物を塗布して形成した塗布膜に対して紫外線を照射する場合は、好ましくは200mJ/cm以上5000mJ/cm以下の露光量、より好ましくは1000mJ/cm以上3000mJ/cm以下の露光量を採用することができる。なお、上記の露光量は、測定波長を365nmとした場合の値である。
本実施形態の硬化性組成物を例えば基材上に塗布して塗布膜を形成する場合の塗布(塗工)方法は、特に限定されない。例えば、スプレー法やディップ法の他、ナチュラルコーター、カーテンフローコーター、コンマコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター、キスロール、スクイーズロール、リバースロール、エアブレード、ナイフベルトコーター、フローティングナイフ、ナイフオーバーロール、ナイフオンブランケット等を用いた方法が挙げられる。
本実施形態の硬化性組成物をシート状に加工して硬化させることで、シート状の硬化物、すなわちシート材が得られる。このシート材は、必要に応じて、本実施形態の硬化性組成物の硬化物以外の他の成分を含んでもよい。
また、シート材の厚さは、用途に応じ適宜設定すればよいが、0.1mm以上10mm以下であることが好ましく、成形性の観点からは0.3mm以上8mm以下であることがより好ましい。
なお、本実施形態は本発明の一例を示したものであって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。また、本実施形態には種々の変更又は改良を加えることが可能であり、その様な変更又は改良を加えた形態も本発明に含まれ得る。
以下に実施例及び比較例を示して、本発明をより詳細に説明する。(メタ)アリル基含有化合物(A)、チオール化合物(B)、化合物(C)、重合開始剤(D)等の各種原料を混合して、実施例1〜16及び比較例1〜4の硬化性組成物を調製した。硬化性組成物の調製に用いた各種原料について以下に説明する。
(i)(メタ)アリル基含有化合物(A)
(メタ)アリル基含有化合物(A)として、以下の4つの化合物(i−1)〜(i−4)を用いた。
(i−1)下記式(12)で表されるアリル基含有化合物と下記式(13)で表されるアリル基含有化合物との混合物である昭和電工株式会社製のSR−25(数平均分子量355354(JIS K 0070に即した方法でヨウ素価数を測定し、数平均分子量に換算した値である)、アリル基の数2、アリル当量177)
式(12)で表されるアリル基含有化合物と式(13)で表されるアリル基含有化合物との混合比は6:4である。また、式(12)及び式(13)中のt、uは、それぞれ独立に1以上3以下の整数である。
Figure 2017170049
(i−2)1,4−シクロヘキサンジカルボン酸ジアリル(昭和電工株式会社製の商品名H−DATP、分子量252、アリル基の数2、アリル当量126)
(i−3)ビスフェノールAジアリルエーテル(Chembridge社製の商品名CM−BPAED、分子量308、アリル基の数2、アリル当量154)
(i−4)ジエチレングリコールビス(アリルカーボネート)(三井化学ファイン株式会社製の商品名RAV7−AT、分子量274、アリル基の数2、アリル当量137)
(ii)チオール化合物(B)
チオール化合物(B)として、以下の3つの化合物(ii−1)〜(ii−3)を用いた。
(ii−1)ペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトブチレート)(昭和電工株式会社製の商品名カレンズMT(商標) PE1、分子量545、メルカプト基の数4、メルカプト当量136)
(ii−2)1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H、3H、5H)−トリオン(昭和電工株式会社製の商品名カレンズMT(商標) NR1、分子量568、メルカプト基の数3、メルカプト当量189)
(ii−3)ペンタエリスリトール−テトラキス(3−メルカプトプロピオネート)(堺化学工業株式会社製の商品名PEMP、分子量489、メルカプト基の数4、メルカプト当量122)
(iii)化合物(C)
化合物(C)として、以下の4つの化合物(iii−1)〜(iii−4)を用いた。
(iii−1)ビスフェノールA型の骨格を有するエポキシアクリレート(昭和電工株式会社製のVR77)
(iii−2)ビスフェノールA型の骨格を有するポリエステルアクリレート(ダイセルオルネクス株式会社製のEbecryl812)
(iii−3)ビスフェノールA型の骨格を有する不飽和ポリエステル樹脂(昭和電工株式会社製の商品名リゴラックLP−1M)
(iii−4)下記式(14)で表されるエポキシアクリレート(共栄社化学株式会社製の商品名エポキシエステル70PA)
Figure 2017170049
(iv)化合物(C)以外の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物(c)
化合物(C)以外の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物(c)として、トリメチロールプロパントリアクリレート(共栄社化学株式会社製の商品名ライトアクリレートTMP−A、分子量296、アクリロイルオキシ基の数3)を用いた。
(v)重合開始剤(D)
重合開始剤(D)として、DKSHジャパン株式会社製のESACURE KTO46を用いた。
(メタ)アリル基含有化合物(A)と、チオール化合物(B)と、化合物(C)及び/又は(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物(c)と、重合開始剤(D)とを、表1、2に示す質量比で混合して、硬化性組成物を調製した。表1、2において、「(A)/(B)の官能基数比」は、チオール化合物(B)のメルカプト基の数に対する(メタ)アリル基含有化合物(A)の(メタ)アリル基の数の比(アリル基の数/メルカプト基の数)を示す。
また、表1、2において、「(C)の質量比」は、(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)と化合物(C)及び/又は(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物(c)との合計の含有量を1とした場合、そのうちの化合物(C)及び/又は(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物(c)の含有量を示す。
Figure 2017170049
Figure 2017170049
次に、実施例1〜16及び比較例1〜4の硬化性組成物の硬化物の柔軟性と密着性と耐酸性とを下記のようにして評価した。結果を表1、2に示す。
<柔軟性及び密着性の評価>
銅/ポリイミド積層基板(住友金属鉱山株式会社製のエスパーフレックス)の半面に、硬化性組成物をバーコーターにて厚さ50μmの膜状に塗布した。そして、硬化性組成物の膜に、アイグラフィックス株式会社製のコンベア型UV照射機ECS−4011GX(高圧水銀ランプ)を用いて露光量2J/cmのUV光を照射して硬化させ、試験用シートを得た。得られた試験用シートをJIS K 5600に準じ、直径2mmのマンドレルを使って耐屈曲性試験を行った。柔軟性及び密着性は、以下の評価基準に従ってA、B、Cの3段階で評価した。
A:試験用シートの曲げが容易であり、硬化物の柔軟性と硬化物の銅/ポリイミド積層基板(被塗布物)に対する密着性が非常に優れている。
B:試験用シートの曲げは可能であり、硬化物の柔軟性と硬化物の銅/ポリイミド積層基板に対する密着性は良好である。ただし、硬化物に白化などの外観変化がある。
C:試験用シートが折れて、硬化物が銅/ポリイミド積層基板から剥離する。よって、硬化物の柔軟性と硬化物の銅/ポリイミド積層基板に対する密着性は不十分である。
<耐酸性の評価1>
上記と同様の試験用シートを濃度20質量%、温度65℃の硫酸水溶液に30分間浸漬した。硬化物の耐酸性1は、以下の評価基準に従ってA、B、Cの3段階で評価した。
A:硬化性組成物の硬化物の外観と硬さの変化がなかった。
B:硬化性組成物の硬化物の外観の変化は殆どないが、硬化物が柔らかくなり銅/ポリイミド積層基板から剥離しやすくなった。
C:硬化性組成物の硬化物の外観が変化したか、又は、硬化物が銅/ポリイミド積層基板から剥離した。
<耐酸性の評価2>
上記と同様の試験用シートを濃度5質量%の硫酸水溶液に浸漬して洗浄処理をした後に、石原ケミカル株式会社製の無電解錫メッキ液580M12Zに、60℃で4分間浸漬した。試験用シートを無電解錫メッキ液から取り出して、温水での洗浄を繰り返した後に、送風式恒温乾燥機にて120℃で90分の共晶処理を施した。硬化物の耐酸性2は、以下の評価基準に従ってA、B、Cの3段階で評価した。
A:硬化性組成物の硬化物が被覆された部分の銅が変色することなく、銅/ポリイミド積層基板の硬化物が被覆されていない部分にメッキすることができた。
B:銅/ポリイミド積層基板の硬化物が被覆されていない部分にメッキすることができたが、硬化物が被覆された部分の銅又は硬化物の外観が変化した。
C:硬化性組成物の硬化物の外観が変化したか、又は、硬化物が銅/ポリイミド積層基板から剥離したためメッキすることができなかった。
表1、2に示す結果から分かるように、実施例1〜16の硬化性組成物の硬化物は、硬化性組成物が(メタ)アリル基含有化合物(A)、チオール化合物(B)、化合物(C)、及び重合開始剤(D)を含有しているため、柔軟性、密着性、及び耐酸性に優れていた。特に、(メタ)アリル基含有化合物(A)又はチオール化合物(B)が、ビスフェノールA型の骨格を有する化合物である場合は、耐酸性(特に耐酸性の評価2の結果を参照)が優れていた。
これに対して、比較例1の硬化性組成物の硬化物は、硬化性組成物が化合物(C)を含有していないため、柔軟性と密着性は優れているものの、耐酸性が劣るため特にメッキで評価した場合の耐酸性(耐酸性の評価2)が劣っていた。
また、比較例2の硬化性組成物の硬化物は、硬化性組成物がチオール化合物(B)を含有していないため、密着性が劣り、そのため耐酸性も劣っていた。
さらに、比較例3の硬化性組成物の硬化物は、(メタ)アリル基含有化合物(A)とチオール化合物(B)を含有していないため、硬化物の硬度が高すぎる上に密着性が劣っていた。そのため、耐酸性を評価している際に硬化物が銅/ポリイミド積層基板から剥離してしまい、耐酸性の評価自体ができなかった。
さらに、比較例4の硬化性組成物の硬化物は、化合物(C)の代わりに化合物(C)以外の(メタ)アクリロイルオキシ基含有化合物(c)を用いたため、比較例3の場合と同様の結果となった。

Claims (11)

  1. 1分子中に2個以上の(メタ)アリル基を有する(メタ)アリル基含有化合物(A)と、
    1分子中に2個以上のメルカプト基を有するチオール化合物(B)と、
    エポキシ(メタ)アクリレート、(ポリ)エステル(メタ)アクリレート、及び不飽和ポリエステル樹脂から選ばれる少なくとも1種の化合物(C)と、
    重合開始剤(D)と、
    を含有する硬化性組成物。
  2. 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)は、脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有する化合物を含む請求項1に記載の硬化性組成物。
  3. 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)は、ビスフェノールA型の骨格を有する化合物を含む請求項1に記載の硬化性組成物。
  4. 前記(メタ)アリル基含有化合物(A)は、アリロキシカルボニル基及びN−アリル基の少なくとも一方を有する化合物を含む請求項1に記載の硬化性組成物。
  5. 前記チオール化合物(B)は、1分子中に2個以上のメルカプト基を有し且つ全てのメルカプト基が第二級炭素原子又は第三級炭素原子に結合している化合物を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  6. 前記チオール化合物(B)は、下記式(1)で表される基を有する化合物を含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
    ただし、下記式(1)中のRは炭素数1以上10以下のアルキル基を示し、Rは水素原子又は炭素数1以上10以下のアルキル基を示し、mは0以上2以下の整数を示す。
    Figure 2017170049
  7. 前記チオール化合物(B)は、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、及びトリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)から選ばれる少なくとも1つを含む請求項1〜4のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  8. 前記化合物(C)は、脂環構造、芳香環構造、及び複素環構造から選ばれる少なくとも1つの構造を有する化合物を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  9. 前記化合物(C)は、ビスフェノールA型の骨格を有する化合物を含む請求項1〜7のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  10. 前記チオール化合物(B)のメルカプト基の数に対する前記(メタ)アリル基含有化合物(A)の(メタ)アリル基の数の比(アリル基の数/メルカプト基の数)が0.25以上4以下の範囲内にあり、
    前記(メタ)アリル基含有化合物(A)と前記チオール化合物(B)と前記化合物(C)との合計の含有量を100質量部とした場合、そのうちの前記化合物(C)の含有量は10質量部以上70質量部以下であり、前記重合開始剤(D)の含有量は0.01質量部以上10質量部以下である請求項1〜9のいずれか一項に記載の硬化性組成物。
  11. 請求項1〜10のいずれか一項に記載の硬化性組成物の硬化物。
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