JP2016117833A - 光硬化性組成物およびその用途 - Google Patents

光硬化性組成物およびその用途 Download PDF

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Abstract

【解決手段】本発明の光硬化性組成物は、(a)分子中に2個以上のアリル基と、1個以上の芳香族環とを含有するアリルエステル化合物、(b)分子中に2個以上のメルカプト基を含有する化合物(但し、上記(a)に該当するものを除く)、および(c)光重合開始剤を含有することを特徴としている。【効果】本発明の光硬化性組成物は、活性エネルギー線を照射することにより高温での加熱を行わずに硬化して硬化物を形成することができ、しかも低照度・低露光量での硬化が可能である。また、本発明の光硬化性組成物を用いると、従来接着が困難であったポリイミドフィルム等に対しても密着性に優れた硬化物を得ることができる。【選択図】図1

Description

本発明は、ポリイミドフィルムなどへの密着性に優れた光硬化性組成物、該光硬化性組成物からなる硬化物、ポリイミドフィルム上に硬化物層を有する積層体、ならびに積層体の製造方法に関する。
近年、電子部品や半導体部品、機械部品等の組み立てにおいて、多種多様な被着体に同時に優れた密着性を発揮する接着剤が求められている。想定される被着体としてはポリイミドやガラス、TAC、PET、ITOフィルム等が挙げられる。
これらの被着体の中でも特に、ポリイミドフィルムなどのポリイミド成形体は、その耐熱性を活かして多様な用途で使用されているが、接着性が悪く、積層体形成が困難であるという問題がある。そのような中、ポリイミドフィルムと、金属板やガラス基板などとの積層体を形成する際の接着剤としては、熱硬化性の樹脂が広く知られている。例えば、特開2012−219154(特許文献1)には、アクリル系共重合体、エポキシ樹脂、エポキシ樹脂用硬化剤およびシランカップリング剤を含有する熱硬化性接着組成物が提案されている。しかしながら熱硬化性樹脂を主体とする接着剤では、熱をかけなければ硬化しないため、硬化温度によっては、電子部品や半導体部品、機械部品に悪影響を与える恐れがある。また、硬化温度を低くすると、硬化時間が長くなり、生産性が低下する恐れがある。さらに、熱硬化性樹脂接着剤としては主にエポキシ樹脂系接着剤が挙げられるが、エポキシ樹脂系接着剤は常温での保存安定性に優れず、長期保存には不向きである。
また特開2012−107087(特許文献2)には、ポリイミドフィルムや銅基板への密着性が良好な硬化性組成物が記載されており、硬化性組成物をインクとして塗布した後、高温で焼成して硬化膜を製造することが記載されている。この発明においても、硬化膜の製造には高温での加熱が必要である。
一方、例えば特開平5−202346(特許文献3)においては、ポリイミドフィルムとガラス基板との積層体を形成する際の接着剤として、光硬化性の(メタ)アクリル系樹脂を含む接着剤を用い、光または電子線等の活性エネルギー線により硬化させることが提案されている。この接着剤では、光または電子線の照射によって、短時間で接着が完了する為、生産性を向上させることが可能である。さらに、光または電子線等の活性エネルギー線の照度や露光量が小さければ、光硬化性樹脂の硬化時の発熱を抑制することができ、電子部品、半導体部品、機械部品への悪影響を防ぐことができる。また、活性エネルギー線が照射されない限りは、樹脂組成物の常温での長期保存が可能である。しかしながら、特許文献3のように、光硬化性樹脂接着剤として主に挙げられるアクリル樹脂系接着剤を用いた場合には、十分な密着性や低照度・低露光量での硬化性は得られていない。
特開2012−219154号公報 特開2012−107087号公報 特開平5−202346号公報
本発明は、一般に接着の困難なポリイミドフィルムとの密着性が良好であり、低照度・低露光量の活性エネルギー線を用いた場合においても硬化が可能で、安定性に優れ常温での長期保存が可能な光硬化性組成物、および該光硬化性組成物を用いて得られる硬化物ならびに積層体を提供することを課題としている。
本発明者は、上述の課題を解決するために鋭意検討を行った結果、チオール化合物としてイソシアヌル骨格を有するチオール化合物を、エン化合物として芳香族環を有する特定のアリルエステル化合物を選択した、チオールエン系光硬化性組成物が、ポリイミドフィルム密着性に優れた硬化物となりうることを見出し、さらに検討を加えて本発明を完成するに至った。
すなわち本発明は、次の〔1〕〜〔14〕の事項に関する。
〔1〕(a)分子中に2個以上のアリル基と、1個以上の芳香族環とを含有するアリルエステル化合物、
(b)分子中に2個以上のメルカプト基を含有する化合物(但し、上記(a)に該当するものを除く)、および
(c)光重合開始剤
を含有することを特徴とする光硬化性組成物。
〔2〕前記(a)分子中に2個以上のアリル基と、1個以上の芳香族環とを含有するアリルエステル化合物が、二官能のアリルエステル化合物であることを特徴とする前記〔1〕に記載の光硬化性組成物。
〔3〕前記(b)分子中に2個以上のメルカプト基を含有する化合物が、2級チオール化合物であることを特徴とする前記〔1〕または〔2〕に記載の光硬化性組成物。
〔4〕前記(b)分子中に2個以上のメルカプト基を含有する化合物が、さらに分子中にイソシアヌル骨格を有することを特徴とする前記〔1〕〜〔3〕のいずれかに記載の光硬化性組成物。〔5〕前記(a)分子中に2個以上のアリル基と、1個以上の芳香族環とを含有するアリルエステル化合物が、一般式(a−1)で表される化合物であることを特徴とする前記〔1〕〜〔4〕のいずれかに記載の光硬化性組成物。
Figure 2016117833
(一般式(a−1)中、Yはアリル基又は下記一般式(a−1’)で表されるアリル基含有基である。)
Figure 2016117833
(一般式(a−1’)中、R1は、炭素数1〜5のアルキル基を置換基として有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基、または、炭素数1〜5のアルキル基を置換基として有してもよい炭素数1〜10のアルキルエーテル基である。Xは、炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有しても良いフェニレン基である。)
〔6〕前記(a)成分と前記(b)成分の合計を100質量部とした場合に、
前記(a)成分を20〜80質量部、
前記(b)成分を20〜80質量部、
前記(c)成分を0.01〜10質量部
含有することを特徴とする前記〔1〕〜〔5〕のいずれかに記載の光硬化性組成物。
〔7〕前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の光硬化性組成物を、硬化させてなる硬化物。
〔8〕ポリイミドフィルム上に、前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の光硬化性組成物を硬化させてなる硬化物層を有することを特徴とする積層体。
〔9〕前記硬化物層上に、活性エネルギー線を透過する基材の層をさらに有することを特徴とする前記〔8〕に記載の積層体。
〔10〕ポリイミドフィルム上に、前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の光硬化性組成物を塗布して塗布層を形成し、
活性エネルギー線を照射して、前記塗布層を硬化させて硬化物層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
〔11〕ポリイミドフィルム上に、前記〔1〕〜〔6〕のいずれかに記載の光硬化性組成物を塗布して塗布層を形成し、
前記塗布層上に、活性エネルギー線を透過する基材の層を設け、
前記活性エネルギー線を透過する基材の側から前記ポリイミドフィルム側へ、活性エネルギー線を照射して、前記塗布層を硬化させて硬化物層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
〔12〕前記活性エネルギー線の照射を、1〜10mW/cm2の照度、かつ、20〜200mJ/cm2の露光量で、紫外線を照射することにより行うことを特徴とする前記〔10〕または〔11〕に記載の積層体の製造方法。
〔13〕前記光硬化性組成物の(c)光重合開始剤が、下記式(c−1)〜(c−4)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含み、
活性エネルギー線の照射を、ブラックライトにより300〜430nmの近紫外線を照射して行うことを特徴とする前記〔10〕〜〔12〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
Figure 2016117833
Figure 2016117833
Figure 2016117833
Figure 2016117833
〔14〕前記光硬化性組成物の(c)光重合開始剤が、下記式(c−1)、(c−2)、(c−5)、(c−6)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含み、
活性エネルギー線の照射を、UV−LEDランプにより波長363〜370nmの紫外線を照射して行うことを特徴とする前記〔10〕〜〔12〕のいずれかに記載の積層体の製造方法。
Figure 2016117833
Figure 2016117833
Figure 2016117833
Figure 2016117833
本発明の光硬化性組成物は、活性エネルギー線を照射することにより高温での加熱を行わずに硬化して硬化物を形成することができ、しかも低照度・低露光量での硬化が可能である。また、本発明の光硬化性組成物を用いると、従来接着が困難であったポリイミドフィルム等に対しても密着性に優れた硬化物を得ることができる。このため、ポリイミドフィルムなどの種々の基材を被着体として用いて、本発明の光硬化性組成物からなる硬化物を含む積層体を製造する際には、加熱や硬化時の発熱による悪影響なしに積層体を形成することができ、電子部品、半導体部品、機械部品等に用いる積層体の製造に好適である。さらに本発明の光硬化性組成物は、常温での安定性にも優れ、エポキシ化合物を用いた従来の硬化性組成物と比較して長期保存が可能である。
図1は、光硬化性組成物の硬化物と、ポリイミドフィルムなどの基材とから構成される積層体の製造を示す概略図である。 図2は、光硬化性組成物の硬化物、ポリイミドフィルムなどの基材、およびガラス基板などの活性エネルギー線を透過する基材から構成される積層体の製造を示す概略図である。
以下、本発明について具体的に説明する。
<光硬化性組成物>
・配合成分
本発明の光硬化性組成物は、
(a)分子中に2個以上のアリル基と、1個以上の芳香族環とを含有するアリルエステル化合物、
(b)分子中に2個以上のメルカプト基を含有する化合物(但し、上記(a)に該当するものを除く)、および
(c)光重合開始剤
を必須成分として含有するものであり、光などの活性エネルギー線により硬化する特性を有する。
以下、本発明の光硬化性組成物に含まれる必須成分の(a)〜(c)成分、及び必要に応じ配合されるその他成分(以下、(d)その他成分とする)について説明する。なお、本願における分子量は、オリゴマーまたはポリマーの場合、GPCによるポリスチレン換算の数平均分子量である。
(a)分子中に2個以上のアリル基と、1個以上の芳香族環とを含有するアリルエステル化合物
(a)分子中に2個以上のアリル基と、1個以上の芳香族環とを含有するアリルエステル化合物((a)成分)は、モノマーであってもオリゴマーであってもポリマーであっても良いが、分子量200〜20000程度の化合物であることが好ましい。
(a)分子中に2個以上のアリル基と分子中に1個以上の芳香族環を含有するアリルエステル化合物がモノマーである場合、具体的には、たとえば、フタル酸ジアリル、イソフタル酸ジアリル、テレフタル酸ジアリル、トリメリット酸トリアリル、ピロメリット酸テトラアリル、ビスフェノールAアリルエーテル等が挙げられる。
これらのうちでは、二官能のアリルエステル化合物、すなわち分子中に2個のアリル基を有する化合物が好ましく、また、分子中に1個の芳香族環を有する化合物が好ましい。またこのような成分(a)は、下記一般式(a−1)で表される化合物であることがより好ましい。
Figure 2016117833
(一般式(a−1)中、Yはアリル基又は下記一般式(a−1’)で表されるアリル基含有基である。)
Figure 2016117833
(一般式(a−1’)中、R1は、炭素数1〜5のアルキル基を置換基として有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基、または、炭素数1〜5のアルキル基を置換基として有してもよい炭素数1〜10のアルキルエーテル基である。Xは、炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有しても良いフェニレン基である。)
一般式(a−1’)中、Xは、炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有しても良いフェニレン基である。特に、好ましくは置換基を有さないフェニレン基である。前記炭素数1〜4のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。前記フェニレン基が隣接するカルボニル炭素に結合する位置は1,2位、1,3位、1,4位のいずれでも良いが、1,4位であることが好ましい。
(a)成分がモノマーである場合、特に、密着性の観点からテレフタル酸ジアリルが好ましい。
(a)分子中に2個以上のアリル基と分子中に1個以上の芳香族環を含有するアリルエステル化合物が、オリゴマーである場合、具体例としては下記の一般式(a−2)〜(a−4)で表される構造のオリゴマーなどが挙げられる。
Figure 2016117833
上記一般式(a−2)中、R3は炭素数1〜5のアルキル基を置換基として有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基又は炭素数1〜5のアルキル基を置換基として有しても良い炭素数1〜10のアルキルエーテル基である。
Xは、炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有しても良いフェニレン基である。特に、好ましくは置換基を有さないフェニレン基である。前記炭素数1〜4のアルキル基としては具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、sec−ブチル基、イソブチル基、tert−ブチル基が挙げられる。前記フェニレン基が隣接するカルボニル炭素に結合する位置は1,2位、1,3位、1,4位のいずれでも良いが、1,4位であることが好ましい。
nは0〜20の整数であり、好ましくは0〜18であり、より好ましくは0〜15である。
Figure 2016117833
上記一般式(a−3)中、Xは前記と同様である。R4は炭素数1〜4のアルキル基(具体例は、前記式(a−2)のXにおける置換基の具体例と同様)又は下記一般式(a−3’)で表される基である。
Figure 2016117833
上記一般式(a−3’)中、Xは前記と同様である。
上記一般式(a−3)中、mは3〜70の整数であり、好ましくは4〜60であり、より好ましくは4〜50である。一般式(a−3)で表される化合物の分子量は500〜20,000程度であることが好ましく、800〜18,000であることが好ましく、1000〜16,000であることが最も好ましい。
Figure 2016117833
上記一般式(a−4)中、Xは前記と同様であり、R3はそれぞれ独立に前記と同様であり、pは1〜10の整数であり、好ましくは1〜9であり、より好ましくは1〜8である。qは5〜50の整数であり、好ましくは5〜45であり、より好ましくは5〜40である。
上記一般式(a−4)で表される化合物の分子量は、500〜20,000程度であることが好ましく、より好ましくは500〜19,000であり、最も好ましくは8000〜18,000である。
(a)分子中に2個以上のアリル基と分子中に1個以上の芳香族環を含有するアリルエステル化合物がポリマーである場合、ポリマー骨格にアリル基と芳香族環が導入されたものであれば特に制限はなく、公知のものが使用できる。
本発明の光硬化性組成物においては、上記(a)成分と(b)成分の合計を100質量部とした場合、(a)成分の占める割合は20〜80質量部程度が好ましく、30〜70質量部程度がより好ましい。
また上記の(a)成分は、それぞれ1種を単独で用いることも、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
(b)分子中に2個以上のメルカプト基を含有する化合物
(b)分子中に2個以上のメルカプト基を含有する化合物((b)成分)は、メルカプト基を2個以上含有し、上述の(a)成分に該当しないものであればよく、特に限定されるものではないが、一般式(b−1)で示される構造を少なくとも1つ有する化合物であることが好ましい。
Figure 2016117833
式(b−1)中、R5及びR6は各々独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、aは0または1〜2の整数であり、bは0または1である。
5及びR6はともに水素原子でもよい。またR5及びR6がともにアルキル基の場合は、両者は同じであっても異なっていてもよい。R5及びR6の少なくとも一方が炭素数1〜10のアルキル基を表し、他方が水素原子を表す場合が好ましい。
5及びR6が表す炭素数1〜10のアルキル基は、直鎖状でも分岐状でもよく、具体例としては、メチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、iso−ブチル基、tert−ブチル基、n−ヘキシル基、n−オクチル基等が挙げられ、中でもメチル基またはエチル基が好ましい。aは0または1〜2の整数であり、好ましくは0または1である。bは0または1であり、好ましくは0である。
特に上記の中でも、R5とR6のいずれか一方もしくは両方がアルキル基であり、bが0である2級ないし3級メルカプト基であることがポリイミドフィルムへの密着性と保存安定性の観点から最も好ましい。
一般式(b−1)で示される構造を有する(b)成分の具体例としては、フタル酸ジ(1−メルカプトエチルエステル)、フタル酸ジ(2−メルカプトプロピルエステル)、フタル酸ジ(3−メルカプトブチルエステル)、フタル酸ジ(3−メルカプトイソブチルエステル)、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、プロピレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、オクタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトプロピオネート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトイソブチレート)、エチレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、プロピレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、ジエチレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、ブタンジオールビス(2−メルカプトイソブチレート)、オクタンジオールビス(2−メルカプトイソブチレート)、トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトイソブチレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトイソブチレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトイソブチレート)、エチレングリコールビス(4−メルカプトバレレート)、プロピレングリコールビス(4−メルカプトイソバレレート)、ジエチレングリコールビス(4−メルカプトバレレート)、ブタンジオールビス(4−メルカプトバレレート)、オクタンジオールビス(4−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(4−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(4−メルカプトバレレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(4−メルカプトバレレート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプトバレレート)、ブタンジオールビス(3−メルカプトバレレート)、オクタンジオールビス(3−メルカプトバレレート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトバレレート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトバレレート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトバレレート)、水素化ビスフェノールAビス(3−メルカプトブチレート)、ビスフェノールAジヒドロキシエチルエーテル−3−メルカプトブチレート、4,4’−(9−フルオレニリデン)ビス(2−フェノキシエチル(3―メルカプトブチレート))、エチレングリコールビス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、プロピレングリコールビス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、ジエチレングリコールビス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、ブタンジオールビス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、オクタンジオールビス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、トリス−2−(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)エチルイソシアヌレート、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)、ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプト−3−フェニルプロピオネート)などが挙げられる。
また、一般式(b−1)で示される構造を有する(b)成分は、一般式(b−2)で示されるメルカプト基含有カルボン酸と多価アルコールとのエステルであることが好ましい。
Figure 2016117833
一般式(b−2)中、R5、R6、a、bの意味及び好ましい範囲は、一般式(b−1)について述べたものと同様である。
一般式(b−2)で示されるメルカプト基含有カルボン酸の具体例としては、2−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト酪酸、2−メルカプトイソ酪酸、3−メルカプトイソ酪酸、3−メルカプトプロピオン酸、3−メルカプト−3−フェニルプロピオン酸、3−メルカプト−3−メチル酪酸等が挙げられる。
一般式(b−2)で示されるメルカプト基含有カルボン酸とエステルである(b)成分を形成する多価アルコールとしては、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、テトラエチレングリコール、ポリエチレングリコール、プロピレングリコール、ジプロピレングリコール、トリプロピレングリコール、ポリプロピレングリコール、ネオペンチルグリコール、1,2−プロパンジオール、1,3−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,4−ブタンジオール、1,2−ペンタンジオール、1,3−ペンタンジオール、2,3−ペンタンジオール、1,4−ペンタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、トリシクロデカンジメタノール、(2,2−ビス(2−ヒドロキシエトキシフェニル)プロパン)、ビスフェノールAアルキレンオキシド付加物、ビスフェノールFアルキレンオキシド付加物、ビスフェノールSアルキレンオキシド付加物、1,4−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、1,2−ヘキサンジオール、1,3−ヘキサンジオール、2,3−ヘキサンジオール、1,4−ヘキサンジオール、2,4−ヘキサンジオール、3,4−ヘキサンジオール、1,5−ヘキサンジオール、2,5−ヘキサンジオール、1,6−ヘキサンジオール、9,9−ビス[4−(2−ヒドロキシエチル)フェニル]フルオレン等の2価のアルコール;グリセリン、ジグリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ジトリメチロールプロパン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ヘキサントリオール、ソルビトール、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール、ショ糖、2,2−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシフェニル)プロパン等の3価以上のアルコールが挙げられるが、これらに限定されるものではない。
中でも、エチレングリコール、1,2−プロピレンジオール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、2,2−ビス(2,3−ジヒドロキシプロピルオキシフェニル)プロパン、グリセリン、トリメチロールエタン、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレート、ジペンタエリスリトールであることが、原料入手が容易である点で好ましく、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートが、官能基数、蒸気圧の点でさらに好ましい。
本発明に用いる(b)分子中に2個以上のメルカプト基を含有する化合物のうち、2級チオール化合物は、保存安定性の観点で好ましい。市販品として入手可能な分子中に2個以上のメルカプト基を含有する2級チオール化合物としては、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン(商品名:カレンズMT(商標) BD1,昭和電工(株)製)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)とペンタエリスリトールトリス(3−メルカプトブチレート)の混合物(商品名:カレンズMT(商標) PE1,昭和電工(株)製)、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(商品名:カレンズMT(商標) NR1,昭和電工(株)製)等が挙げられる。上記の中でも、イソシアヌル骨格を有する2級チオール化合物が密着性の観点で好ましく、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン(商品名:カレンズMT(商標) NR1,昭和電工(株)製)が最も好ましい。
本発明の光硬化性組成物においては、上記(a)成分と(b)成分の合計を100質量部とした場合に、(b)成分の占める割合は20〜80質量部程度が好ましく、30〜70質量部程度がより好ましい。
また上記の(b)成分は、それぞれ1種を単独で用いることも、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
(c)光重合開始剤
(c)光重合開始剤((c)成分)は、近赤外線、可視光線、紫外線等の活性エネルギー線の照射により、ラジカル重合の開始に寄与するラジカルを発生する化合物であれば、特に制限はない。
(c)光重合開始剤としては、具体的には、アセトフェノン、2,2−ジメトキシ−2−フェニルアセトフェノン、ジエトキシアセトフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、フェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸エチル(TPO−L)、1,2−ヒドロオキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン(Irg651)、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン(Irg2959)、2−メチル−1−(4−メチルチオフェニル)−2−モルフォリノプロパン−1−オン(Irg907)、α−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−イソプロピルフェニル)プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−(4−ドデシルフェニル)プロパノン、および、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル]プロパノン、ベンゾフェノン、2−メチルベンゾフェノン、3−メチルベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、4−メトキシベンゾフェノン、2−クロロベンゾフェノン、4−クロロベンゾフェノン、4−ブロモベンゾフェノン、2−カルボキシベンゾフェノン、2−エトキシカルボニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4′−メチルジフェニルスルフィド、ベンゾフェノンテトラカルボン酸またはそのテトラメチルエステル、4,4′−ビス(ジアルキルアミノ)ベンゾフェノン類(例えば4,4′−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジシクロヘキシルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4′−ビス(ジヒドロキシエチルアミノ)ベンゾフェノン)、4−メトキシ−4′−ジメチルアミノベンゾフェノン、4,4′−ジメトキシベンゾフェノン、4−ジメチルアミノベンゾフェノン、4−ジメチルアミノアセトフェノン、ベンジル、アントラキノン、2−t−ブチルアントラキノン、2−メチルアントラキノン、フェナントラキノン、フルオレノン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−1−ブタノン−1(Irg369)、2−(ジメチルアミノ)−2−[(4−メチルフェニル)メチル]−1−[4−(4−モルホリニル)フェニル]−1−ブタノン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−2−メチル−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノールオリゴマー、ベンゾイン、ベンゾインエーテル類(例えばベンゾインメチルエーテル、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインプロピルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインフェニルエーテル、ベンジルジメチルケタール)、アクリドン、クロロアクリドン、N−メチルアクリドン、N−ブチルアクリドン、N−ブチル−クロロアクリドン、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジメトキシベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,6−ジクロロベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルメトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,4,6−トリメチルベンゾイルエトキシフェニルホスフィンオキサイド、2,3,5,6−テトラメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ベンゾイルジ−(2,6−ジメチルフェニル)ホスホネート、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−1,2−オクタンジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]エタノン−1−(O−アセチルオキシム)、1−[9−エチル−6−(2−メチルベンゾイル)−9H−カルバゾール−3−イル]−3−シクロペンチルプロパノン−1−(O−アセチルオキシム)、1−[4−(フェニルチオ)フェニル]−3−シクロペンチルプロパン−1,2−ジオン−2−(O−ベンゾイルオキシム)などが挙げられる。ビスアシルフォスフィンオキサイド類としては、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−4−プロピルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジクロロベンゾイル)−1−ナフチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,5−ジメチルフェニルフォスフィンオキサイド、ビス−(2,4,6−トリメチルベンゾイル)フェニルフォスフィンオキサイド、(2,5,6−トリメチルベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルフォスフィンオキサイド、2−イソプロピルチオキサントン、4−イソプロピルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、2,4−ジクロロチオキサントン、1−クロロ−4−プロポキシチオキサントンなどが挙げられる。
また、光重合開始剤として、メタロセン化合物を使用することもできる。メタロセン化合物としては、中心金属がFe、Ti、V、Cr、Mn、Co、Ni、Mo、Ru、Rh、Lu、Ta、W、Os、Irなどに代表される遷移元素を用いることができ、例えば、ビス(η5−2,4−シクロペンタジエン−1−イル)−ビス[2,6−ジフルオロ−3−(ピロール−1−イル)フェニル]チタニウムを挙げることができる。
本発明に使用される(c)光重合開始剤として好ましいものは、光硬化性組成物を硬化させる際の光又は電子線等の活性エネルギー線の種類や光源によって異なる。
たとえば、UV−LEDランプやブラックライトを使用する場合の光重合開始剤は、以下の観点で選択することもできる。すなわち、365nmの吸光係数が4×102ml/g・cm以上である光重合開始剤と、活性なメチルラジカルを生成する光重合開始剤の組み合わせが好ましい。365nmの吸光係数が4×102ml/g・cm以上である光重合開始剤としては、Irgacure 907、Irgacure 369、Lucirin TPO(共にBASF社製)が挙げられる。活性なメチルラジカルを生成する光重合開始剤としては、ベンジルジメチルケタールやα―ヒドロキシアセトフェノン類が挙げられ、Irgacure 651、Irgacure 184、Darocur 1173(BASF社製)が例示できる。
特に、活性エネルギー線の照射をブラックライトにより行う場合、すなわち、紫外線による硬化で、光源が波長300〜430nmのブラックライトの場合には、光硬化性組成物が、たとえば、下記式(c−1)〜(c−4)で表される化合物から選ばれる化合物から選ばれる少なくとも1種を含む(c)光重合開始剤を含有することが好ましい。なお、下記式(c−1)の化合物はIrgacure 651、下記式(c−2)の化合物はLucirin TPO−L、下記式(c−3)の化合物はIrgacure 2959、下記式(c−4)の化合物はIrgacure 907(いずれもBASF社製)としてそれぞれ市販されており、容易に入手可能である。
Figure 2016117833
Figure 2016117833
Figure 2016117833
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また特に、活性エネルギー線の照射をUV−LEDランプにより行う場合、すなわち紫外線による硬化で、光源が波長363〜370nmのUV−LEDランプの場合には、光硬化性組成物が、たとえば、下記式(c−1)、(c−2)、(c−5)、(c−6)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含む(c)光重合開始剤を含有することが好ましい。なお、下記式(c−1)の化合物はIrgacure 651、下記式(c−2)の化合物はLucirin TPO−L、下記式(c−5)の化合物はIrgacure 369、下記式(c−6)の化合物はLucirin TPO(いずれもBASF社製)としてそれぞれ市販されており、容易に入手可能である。
Figure 2016117833
Figure 2016117833
Figure 2016117833
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本発明の光硬化性組成物において、(c)成分の含有量は、上記(a)成分と(b)成分の合計100質量部に対して、0.01〜10質量部程度が好ましく、0.5〜5.0質量部程度がより好ましい。
また上記の(c)成分は、それぞれ1種を単独で用いることも、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
(d)その他の成分
本発明の光硬化性組成物は、上述した(a)、(b)および(c)の各成分に加えて、本発明の目的を損なわない範囲で(d)その他の成分((d)成分)を任意成分として含有していてもよい。
(d)その他の成分として好ましく添加されるものとしては、たとえば、炭素材料、顔料、染料などの色材が挙げられる。
炭素材料としては、カーボンブラック、アセチレンブラック、ランプブラック、黒鉛が挙げられ、以下のような市販のカーボンブラックが挙げられる。その他、黒色顔料として、鉄黒、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラックが挙げられる。
本発明の光硬化性組成物は、赤色、緑色、青色などの有機顔料を含有してもよく、また、染料を含有してもよい。染料としては、直接染料、酸性染料、塩基性染料、媒染染料、酸性媒染染料、建染染料、分散染料、反応染料、蛍光増白染料、プラスチック染料等が挙げられる。なお、染料とは、溶剤に可溶、もしくは樹脂に対し相溶性を持ち、溶解・相溶した物質を着色する性質を持つ物質を意味する。
これらは、単独または2種以上組み合わせて用いてもよい。
本発明の光硬化性組成物中における、炭素材料、顔料または染料などの色材の含有量は、特に限定されないが、濃度が濃すぎると、光活性エネルギー線の透過率が低下して硬化不良を起こす可能性がある。そのため、色材の含有量は、(a)〜(c)成分を含有する光硬化性組成物中に、0.0001〜40重量%程度が好ましい。
また本発明の光硬化性組成物は、その他の成分(d)として、組成物としての保存安定性を向上させるために必要に応じて重合禁止剤を含有しても良い。
重合禁止剤としては、4−メトキシ−1−ナフトール、1,4−ジメトキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシナフタレン、4−メトキシ−2−メチル−1−ナフトール、4−メトキシ−3−メチル−1−ナフトール、1,4−ジメトキシ−2−メチルナフタレン、1,2−ジヒドロキシナフタレン、1,2−ジヒドロキシ−4−メトキシナフタレン、1,3−ジヒドロキシ−4−メトキシナフタレン、1,4−ジヒドロキシ−2−メトキシナフタレン、1,4−ジメトキシ−2−ナフトール、1,4−ジヒドロキシ−2−メチルナフタレン、ピロガロール、メチルヒドロキノン、ターシャリーブチルヒドロキノン、4−メトキシフェノール、N―ニトロソ―N−フェニルヒドロキシアミンアルミニウムなどが挙げられる。これらは、単独または2種以上組み合わせて用いてもよい。
また本発明の硬化性組成物は、その他の成分(d)として、必要に応じて、(A)熱可塑性樹脂、(B)脱臭剤、(C)シランカップリング剤、チタンカップリング剤等の密着性向上剤、(D)ヒンダードアミン類、ハイドロキノン類、ヒンダードフェノール類等の酸化防止剤、(E)ベンゾフェノン類、ベンゾトリアゾール類、サリチル酸エステル類、金属錯塩類等の紫外線吸収剤、(F)金属石けん類、重金属(例えば亜鉛、錫、鉛、カドミウム等)の無機および有機塩類、有機錫化合物等の安定剤、(G)酢酸、アクリル酸、パルミチン酸、オレイン酸、メルカプトカルボン酸など脂肪族カルボン酸、フェノール、ナフトール、安息香酸、サリチル酸など芳香族有機酸などのpH調整剤、(H)フタル酸エステル、リン酸エステル、脂肪酸エステル、エポキシ化大豆油、ひまし油、流動パラフィンアルキル多環芳香族炭化水素等の可塑剤、(I)パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワンクス、重合ワックス、蜜ロウ、鯨ロウ低分子量ポリオレフィン等のワックス類、(J)ベンジルアルコール、タール、ピチューメン等の非反応性希釈剤、(K)炭酸カルシウム、カオリン、タルク、マイカ、ベントナイト、クレー、セリサイト、ガラス繊維、炭素繊維、アラミド繊維、ナイロン繊維、アクリル繊維、ガラス粉、ガラスバルーン、シラスバルーン、石炭粉、アクリル樹脂粉、フェノール樹脂粉、金属粉末、セラミック粉末、ゼオライト、スレート粉等の充填剤、(L)酢酸エチル、トルエン、アルコール類、エーテル類、ケトン類等の溶剤、(M)発泡剤、(N)シランカップリング剤、モノイソシアナト化合物、カルボジイミド化合物等の脱水剤、(O)帯電防止剤、(P)抗菌剤、(Q)防かび剤、(R)粘度調製剤、(S)香料、(T)難燃剤、(U)レベリング剤、(V)増感剤、および(W)分散剤等を含有することができる。これらは1種単独で用いても、2種以上を任意の割合で組み合わせて用いることもできる。
なお、本発明の光硬化性組成物は、特に限定されるものではないが、エチレン性不飽和基およびイソシアナト基を含有する化合物を含まないことが好ましい。
・配合割合
本発明の光硬化性組成物は、上述した(a)成分、(b)成分、(c)成分、および必要に応じて(d)成分を適宜配合して調製することができる。
それぞれの配合割合は、特に限定されるものではないが、(a)成分と(b)成分の合計を100質量部とした場合に、(a)成分が20〜80質量部、好ましくは30〜70質量部であり、(b)成分が20〜80質量部、好ましくは30〜70質量部であることが望ましい。(c)成分の配合量は、上記(a)成分と(b)成分の合計100質量部に対して、好ましくは0.01〜10質量部、より好ましくは0.5〜5.0質量部であることが望ましい。
すなわち本発明の光硬化性組成物は、好ましくは、(a)成分と(b)成分の合計を100質量部とした場合に、
(a)成分を20〜80質量部、
(b)成分を20〜80質量部、および
(c)成分を0.01〜10質量部
含有することが望ましい。
ここで、(a)分子中に2個以上のアリル基と、1個以上の芳香族環とを含有する化合物((a)成分)と、(b)分子中に2個以上のメルカプト基を含有する化合物((b)成分)との最適な配合割合は、(a)成分の二重結合濃度と、(b)成分のメルカプト基の官能基濃度に依存する。
(a)成分の二重結合の数を100とした場合、好ましい(b)成分の配合量は、メルカプト基の官能基の数が30〜200になる量であり、さらに好ましくは50〜150になる量であり、最も好ましいのは100になる量である。ここで、(a)成分の二重結合の数を100とした場合の(b)成分のメルカプト基の官能基の数は、下記式のように求めることができる。ここで、(a)成分の二重結合当量は、(a)成分の分子量を1分子あたりの二重結合の数で割ったものを1g/eqとして求めた数値であり、(b)成分のメルカプト基当量は、(b)成分の分子量を1分子あたりのメルカプト基の数で割ったものを1g/eqとして求めた数値である。
(a)成分の二重結合当量 : A g/eq
(a)成分の配合量 : X g
(b)成分のメルカプト基当量 : B g/eq
(b)成分の配合量 : Y g
官能基比 = 100 ×(A × Y)/(B × X)
・光硬化性組成物の調製方法
本発明の光硬化性組成物は、上述した(a)成分、(b)成分、(c)成分、および必要に応じて(d)成分を、任意の方法で配合して調製することができる。本発明の光硬化性組成物の調製方法としては、上記成分を混合、分散できる方法であれば特に限定されないが、例えば以下の方法が挙げられる。
(イ)各成分をガラスビーカー、缶、プラスチックカップ、アルミカップ等の適当な容器中にて、撹拌棒、へら等により混練する。
(ロ)各成分をダブルヘリカルリボン翼、ゲート翼等により混練する。
(ハ)各成分をプラネタリーミキサーにより混練する。
(ニ)各成分をビーズミルにより混練する。
(ホ)各成分を3本ロールにより混練する。
(へ)各成分をエクストルーダー型混練押し出し機により混練する。
(ト)各成分を自転・公転ミキサーにより混練する。
各成分の添加、混合は任意の順序で行うことができ、全成分を同時に添加してもよく、逐次に添加してもよい。
(c)光重合開始剤を使用する際には、上記成分の取扱や混合、硬化前処理までを、光重合開始剤が分解する吸収波長を削除するフィルターを通した照明下あるいは活性エネルギー線非照射下で行うなど、硬化処理以前に(c)光重合開始剤が作用しない条件下で行うことができる。
<光硬化性組成物の硬化方法>
本発明の光硬化性組成物は、活性エネルギー線を照射することにより硬化することができる。硬化時に使用する活性エネルギー線としては、紫外線、電子線およびX線等が挙げられるが、安価な装置を使用することから、紫外線が好ましい。
紫外線により光硬化性組成物を硬化させる際の光源としては、種々のものを使用することができ、例えばブラックライト、UV−LEDランプ、高圧水銀ランプまたは加圧水銀ランプ、メタルハライドランプ、キセノンランプ、無電極放電ランプ等が挙げられる。ここでブラックライトとは、可視光線と300nm以下の紫外線をカットした特殊外管ガラスに近紫外発光蛍光体を被着し、300〜430nm(ピーク350nm付近)の近紫外線だけを放射するランプのことである。また、UV−LEDランプとは、紫外線を発する発光ダイオードを使用したランプのことである。これらのうちではブラックライトまたはUV−LEDランプを用いて、紫外線を照射する態様が、安全かつ経済的であることから好ましい。
活性エネルギー線の照射量は、硬化に十分な量であればよく、光硬化性組成物の組成、使用量、厚み、形成する硬化物の形状などに応じて選択することができる。たとえば光硬化性組成物を塗布して形成した塗布層に対して紫外線を照射する場合、好ましくは1〜10mW/cm2の照度、より好ましくは1〜5mW/cm2の照度とし、かつ、好ましくは20〜200mJ/cm2の露光量、より好ましくは30〜100mJ/cm2の露光量を採用することができる。
<積層体>
本発明の光硬化性組成物は、単に硬化させて硬化物とすることもできるが、他基材への密着性・接着性および塗工性に優れることから、他基材に塗布して塗布層を形成した後、硬化を行って、硬化物層を有する積層体とすることが好ましい。
本発明の積層体は、基材上に光硬化性組成物からなる硬化物層を有する。
通常、本発明の積層体は、基材上に光硬化性組成物を塗布して塗布層を形成し、塗布層に活性エネルギー線を照射して製造することができる。光硬化性組成物を塗布する基材は、使用用途に応じて選択すればよい。本発明の光硬化性組成物を用いると、従来強固な接着が困難であったポリイミド成形体、特にポリイミドフィルムを基材として用いた場合においても、密着性に優れた積層体を形成することができる。
本発明の積層体は、基材層と硬化物層とを有する二層以上の積層体であればよく、たとえば、基材層と硬化物層との二層構造であってもよく、硬化物層を中間層とした三層構造であってもよい。硬化物層を中間層とした三層構造である場合には、硬化物層が隣接する両方の層の基材同士を好適に接着することができる。
本発明の積層体が、光硬化性組成物からなる硬化層を、基材上に保護膜や被覆膜として有する場合には、図1に示されるように、基材層1の少なくとも片面に、硬化物層2を設けた構成とすることができる。この場合には、硬化物層2は、基材層1上に光硬化性組成物を塗布して塗布層を形成し、塗布層上に活性エネルギー線を照射して形成することができ、基材層1は活性エネルギー線を透過するものであっても透過しないものであってもよい。
本発明の積層体は、光硬化性組成物を、光硬化性接着剤として用いて、基材同士を接着したものであってもよい。この場合には、図2に示されるように、第一の基材層1’と第二の基材層3’の間に硬化物層2’を中間層として有する構成とすることができる。このような積層体は、たとえば、第一の基材層1’上に光硬化性組成物を塗布して塗布層を形成し、塗布層上に活性エネルギー線を透過する第二の基材層3’を設け、図2に示されるように第二の基材層3’の側から第一の基材層1’の側へ活性エネルギー線を照射して、塗布層を硬化させて硬化物層2’を形成することにより製造することができる。このような積層体では、第一の基材層1’は特に限定されるものではなく、活性エネルギー線を透過するものであっても透過しないものであってもよいが、従来強固な接着が困難であったポリイミド成形体、特にポリイミドフィルムを基材として用いた場合においても、密着性に優れた積層体を形成することができるため、ポリイミドフィルムを好適に採用することができる。第二の基材層3’は、活性エネルギー線を透過する基材であることが好ましく、紫外線を透過する透明基材層であることがより好ましい。第二の基材層3’としては、具体的には、ガラス、TAC、PET、ITOフィルム等が好ましく用いられる。
本発明の光硬化性組成物を、基材上に塗布して塗布層を形成する場合、塗布(塗工)方法としては、従来公知の方法を適宜採用することができ、例えば、ナチュラルコーター、カーテンフローコーター、コンマコーター、グラビアコーター、マイクログラビアコーター、ダイコーター、カーテンコーター、スプレー、ディップ、キスロール、スクイーズロール、リバースロール、エアブレード、ナイフベルトコーター、フローティングナイフ、ナイフオーバーロール、ナイフオンブランケット等の方法が挙げられる。
塗布厚さは、使用する基材および使用用途に応じて適宜選択すればよく、特に限定されるものではないが、好ましくは0.1〜500μmであり、より好ましくは1〜25μmである。
以下、実施例に基づいて本発明をさらに具体的に説明するが、本発明はこれらの実施例に何ら限定されるものではない。
[実施例1〜17、比較例1〜6]
光硬化性組成物の調製
(a)成分(またはそれに準ずるもの)、(b)成分(またはそれに準ずるもの)、および(c)成分として、それぞれ表1に記載の成分を表1に記載の量(質量部)で用い、遊星式撹拌装置泡取り練太郎ARE−250(シンキー社製)を用いて混合・分散し、光硬化性組成物を得た。
得られた光硬化性組成物について、保存安定性試験を行った。保存安定性試験は、調製した光硬化性組成物を、褐色のサンプル瓶に適量入れ、室温にて静置し、ゲル化するまでの時間を測定して下記の基準にて評価した。評価結果を表1に示す。
A:一か月静置してもゲル化なし
B:数日でゲル化
積層体の製造
第一の基材層としてポリイミドフィルム(商品名「UPILEX 25S」、宇部興産社製)を用い、厚さ10μmのスペーサーを置き、そこへ光硬化性組成物を塗布して塗布層を形成した後、ガラス基板(第二の基材層)を上から張り合わせた。次いで、UV−LEDライト(オプトコード株式会社製、紫外線100LEDスタンドライト、主波長365nm、型番:LED365P−100STND)によって、ガラス基板側から照度2−3mW/cm2、露光時間30秒、露光量60−90mJ/cm2で紫外線照射し、塗布層を硬化して、硬化物層を中間層として有する積層体を得た(図2参照)。
得られた積層体から切り出した、幅25mm、長さ80mmの積層体を試験片とし、卓上試験機引張試験機 Ez Test(島津製作所社製)によって、引張速度50mm/cm2の速さで、ガラス基板に対して90度方向にポリイミドフィルムを引張ることにより、90度剥離試験を行い、光硬化性組成物から形成された硬化物とポリイミドフィルムとの間の密着性を下記の基準にて評価した。評価結果を表1に併せて示す。
A:10N以上
B:5N以上10N未満
C:1N以上5N未満
D:1N未満
E:硬化せず
Figure 2016117833
上記表1中、各成分の略称は次の通りである。
(a)成分またはエチレン性不飽和基含有化合物
SR−25:昭和電工株式会社、多官能アリルエステルオリゴマー、商品名「アリルエステルオリゴマーSR−25」(下記式(p)で表される化合物と、下記式(q)で表される化合物との、(p):(q)=6:4(モル比)の混合物であり、式中MとNとはそれぞれ1〜3の整数である。)
Figure 2016117833
DATP:昭和電工株式会社、テレフタル酸ジアリル
TPGDA:東亞合成株式会社製、トリプロピレングリコールジアクリレート
1,6−ヘキサンジオールジアクリレート:共栄社化学社製、商品名「ライトアクリレート1.6HX−A」
1,9−ノナンジオールジアクリレート:共栄社化学社製、商品名「ライトアクリレート1.9−ND−A」
(b)成分またはメルカプト基含有化合物
NR1:昭和電工株式会社、1,3,5−トリス(3−メルカプトブチリルオキシエチル)−1,3,5−トリアジン−2,4,6(1H,3H,5H)−トリオン、商品名「カレンズMT(商標) NR1」
PE1:昭和電工株式会社、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、商品名「カレンズMT(商標) PE1」
BD1:昭和電工株式会社、1,4−ビス(3−メルカプトブチリルオキシ)ブタン、商品名「カレンズMT(商標) BD1」
PETP:淀化学社製、ペンタエリスリトール テトラキス(β−チオプロピオネート)
3MBA:昭和電工株式会社、3−メルカプトブタン酸
(c)成分
Irg651:BASFジャパン社製、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、商品名「Irgacure651」
TPO−L:BASF社製、フェニル(2,4,6−トリメチルベンゾイル)ホスフィン酸エチル、商品名「Lucirin TPO−L」
Irg2959:BASFジャパン社製、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−2−メチル−1−プロパン−1−オン、商品名「Irgacure2959」
Irg369:BASFジャパン社製、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1、商品名「Irgacure369」
Lecirin TPO:BASFジャパン社製、2,4,6−トリメチルベンゾイル−ジフェニル−フォスフィンオキサイド
本発明の光硬化性組成物は、加熱工程が不要でかつ低照度・低露光量の紫外線で硬化することが可能であるため、環境負荷が少なく、低コストで使用することができ、硬化物の製造に有用である。本発明の光硬化性組成物は、基材上に塗布、硬化して積層体を製造するのに有用であり、該積層体は、電子部品、半導体部品、機械部品等に好適に用いられる。
1:基材層(ポリイミドフィルム層)
2:光硬化性組成物からなる塗布層または硬化物層
1’:第一の基材層(ポリイミドフィルム層)
2’:光硬化性組成物からなる塗布層または硬化物層
3’:第二の基材層(透明基材層)

Claims (14)

  1. (a)分子中に2個以上のアリル基と、1個以上の芳香族環とを含有するアリルエステル化合物、
    (b)分子中に2個以上のメルカプト基を含有する化合物(但し、上記(a)に該当するものを除く)、および
    (c)光重合開始剤
    を含有することを特徴とする光硬化性組成物。
  2. 前記(a)分子中に2個以上のアリル基と、1個以上の芳香族環とを含有するアリルエステル化合物が、二官能のアリルエステル化合物であることを特徴とする請求項1に記載の光硬化性組成物。
  3. 前記(b)分子中に2個以上のメルカプト基を含有する化合物が、2級チオール化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の光硬化性組成物。
  4. 前記(b)分子中に2個以上のメルカプト基を含有する化合物が、さらに分子中にイソシアヌル骨格を有することを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の光硬化性組成物。
  5. 前記(a)分子中に2個以上のアリル基と、1個以上の芳香族環とを含有するアリルエステル化合物が、一般式(a−1)で表される化合物であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の光硬化性組成物。
    Figure 2016117833
    (一般式(a−1)中、Yはアリル基又は下記一般式(a−1’)で表されるアリル基含有基である。)
    Figure 2016117833
    (一般式(a−1’)中、R1は、炭素数1〜5のアルキル基を置換基として有してもよい炭素数1〜10のアルキレン基、または、炭素数1〜5のアルキル基を置換基として有してもよい炭素数1〜10のアルキルエーテル基である。Xは、炭素数1〜4のアルキル基を置換基として有しても良いフェニレン基である。)
  6. 前記(a)成分と前記(b)成分の合計を100質量部とした場合に、
    前記(a)成分を20〜80質量部、
    前記(b)成分を20〜80質量部、
    前記(c)成分を0.01〜10質量部
    含有することを特徴とする請求項1〜5のいずれかに記載の光硬化性組成物。
  7. 請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性組成物を、硬化させてなる硬化物。
  8. ポリイミドフィルム上に、請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性組成物を硬化させてなる硬化物層を有することを特徴とする積層体。
  9. 前記硬化物層上に、活性エネルギー線を透過する基材の層をさらに有することを特徴とする請求項8に記載の積層体。
  10. ポリイミドフィルム上に、請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性組成物を塗布して塗布層を形成し、
    活性エネルギー線を照射して、前記塗布層を硬化させて硬化物層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
  11. ポリイミドフィルム上に、請求項1〜6のいずれかに記載の光硬化性組成物を塗布して塗布層を形成し、
    前記塗布層上に、活性エネルギー線を透過する基材の層を設け、
    前記活性エネルギー線を透過する基材の側から前記ポリイミドフィルム側へ、活性エネルギー線を照射して、前記塗布層を硬化させて硬化物層を形成することを特徴とする積層体の製造方法。
  12. 前記活性エネルギー線の照射を、1〜10mW/cm2の照度、かつ、20〜200mJ/cm2の露光量で、紫外線を照射することにより行うことを特徴とする請求項10または11に記載の積層体の製造方法。
  13. 前記光硬化性組成物の(c)光重合開始剤が、下記式(c−1)〜(c−4)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含み、
    活性エネルギー線の照射を、ブラックライトにより300〜430nmの近紫外線を照射して行うことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の積層体の製造方法。
    Figure 2016117833
    Figure 2016117833
    Figure 2016117833
    Figure 2016117833
  14. 前記光硬化性組成物の(c)光重合開始剤が、下記式(c−1)、(c−2)、(c−5)、(c−6)で表される化合物から選ばれる少なくとも1種を含み、
    活性エネルギー線の照射を、UV−LEDランプにより波長363〜370nmの紫外線を照射して行うことを特徴とする請求項10〜12のいずれかに記載の積層体の製造方法。
    Figure 2016117833
    Figure 2016117833
    Figure 2016117833
    Figure 2016117833
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