JP2021024842A - 含硫黄芳香族複素環を有する化合物とその製造方法、重合性組成物、及び重合物 - Google Patents

含硫黄芳香族複素環を有する化合物とその製造方法、重合性組成物、及び重合物 Download PDF

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雅史 柴田
鷹士 大谷
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鷹士 大谷
弘之 野上
Hiroyuki Nogami
弘之 野上
晶子 市野澤
Akiko Ichinosawa
晶子 市野澤
久俊 上原
Hisatoshi Uehara
久俊 上原
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Michiaki Fuji
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Kazunari Matsumura
一成 松村
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Abstract

【課題】易重合性であり、高屈折率に優れた重合物を製造できる化合物の提供。
【解決手段】式(1)で表される化合物。式中、A、Aは、それぞれ独立して重合性基を表し、Cy、Cyは、それぞれ独立して置換基を有してもよい含硫黄芳香族複素環を表し、Q、Q、Q、Qは、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表し、X、X、X、Xは、それぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、有機基が結合していてもよい窒素原子を表し、Z、Z、Z、Zは、それぞれ独立して2価の有機基を表し、n1、n2、n3、n4は、それぞれ独立して0又は1〜3の整数を表す。
[化1]
Figure 2021024842

【選択図】なし

Description

本発明は、含硫黄芳香族複素環を有する化合物、該化合物の製造方法、前記化合物を含む重合性組成物、及び前記重合性組成物の重合物に関する。
従来、光学材料としてガラスが多く用いられている。例えば、光学レンズにあっては、同じ焦点距離のレンズでも、屈折率の高い材料を用いて製造すると、レンズを薄肉化することが可能となり、軽量化、光学経路の設計の自由度が向上するという利点がある。また、高屈折率光学レンズは光学撮像装置の小型化、高解像度化、広角化にも有効である。
近年、ガラスに代わる光学材料として、透明性が高いプラスチックが注目されている。プラスチック材料はガラスに比べて、軽量化しやすく、機械的強度を改善しやすく、加工成形が容易である等の利点を有する。
特許文献1、2は、例えばホログラム記録媒体に用いられる光学材料に関するもので、実施例には、ペンタエリスリトール骨格の四級炭素原子に結合している4つの分子鎖のうちの3つが硫黄原子と芳香環を有する分子鎖であり、1つが重合性基を有する分子鎖である化合物が記載されている。
特開2016−222566号公報 特開2017−014213号公報
近年、周辺技術の発達に伴い、プラスチック光学材料に対する性能向上の要求も高まっている。例えば光学レンズ用途の材料においては、重合しやすく(易重合性)、硬化性が良好であり、重合物の屈折率が高い(高屈折率)ことが求められるが、従来の化合物は必ずしも充分ではない。
本発明は、硬化性が良好であり、高屈折率に優れた重合物を製造できる化合物とその製造方法、該化合物を含む重合性組成物、及び該重合性組成物の重合物の提供を目的とする。
[1] 下記式(1)で表される化合物。
Figure 2021024842
[式中、A、Aは、それぞれ独立して重合性基を表し、Cy、Cyは、それぞれ独立して置換基を有してもよい含硫黄芳香族複素環を表し、Q、Q、Q、Qは、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表し、X、X、X、Xは、それぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、有機基が結合していてもよい窒素原子を表し、Z、Z
、Zは、それぞれ独立して2価の有機基を表し、n1、n2、n3、n4は、それぞれ独立して0又は1〜3の整数を表す。]
[2] 前記A、Aが、それぞれ独立して(メタ)アクリロイル基を表し、前記Cy、Cyが、それぞれ独立して置換基を有してもよいベンゾチアゾール環、置換基を有してもよいジベンゾチオフェン環、又は置換基を有してもよいベンゾチオフェン環を表す、[1]の化合物。
[3] 前記[1]又は[2]の化合物及び重合開始剤を含む重合性組成物。
[4] 前記[3]の重合性組成物の重合物。
[5] 下記式(2)で表される化合物。
Figure 2021024842
[式中、Cy、Cyは、それぞれ独立して置換基を有してもよい含硫黄芳香族複素環を表し、Q、Q、Q、Qは、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表し、X、X、X、Xは、それぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、有機基が結合していてもよい窒素原子を表し、Z、Z、Z、Zは、それぞれ独立して2価の有機基を表し、n1、n2、n3、n4は、それぞれ独立して0又は1〜3の整数を表す。]
[6] 前記Cy、Cyが、それぞれ独立して置換基を有してもよいベンゾチアゾール環、置換基を有してもよいジベンゾチオフェン環、又は置換基を有してもよいベンゾチオフェン環を表す、[5]の化合物。
[7] 前記[5]又は[6]の化合物と、ジカルボン酸化合物、ジエステル化合物、又は炭酸エステル化合物と、重合触媒とを含む重合性組成物。
[8] 前記[7]の重合性組成物の重合物。
[9] 下記式(2)で表される化合物と、(メタ)アクリレート化剤とを反応させて、下記式(1A)で表される化合物を得る、化合物の製造方法。
Figure 2021024842
[式中、Cy、Cyは、それぞれ独立して置換基を有してもよい含硫黄芳香族複素環を表し、Q、Q、Q、Qは、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表し、X、X、X、Xは、それぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、有機基が結合していてもよい窒素原子を表し、Z、Z、Z、Zは、それぞれ独立して2価の有機基を表し、n1、n2、n3、n4は、それぞれ独立して0又は1〜3の整数を表す。]
Figure 2021024842
[式中、A、Aは、それぞれ独立して(メタ)アクリロイル基を表し、Q、Q、Q、Q、Cy、Cy、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z、n1、n2、n3、n4は、式(2)と同じである。]
[10] 前記式(2)で表される化合物と前記(メタ)アクリレート化剤との反応物を、再結晶法により精製する、[9]の製造方法。
本発明の化合物は、易重合性であり、高屈折率に優れた重合物を製造できる。
本発明の化合物を含む重合性組成物は、重合しやすく、高屈折率に優れた重合物を製造できる。
本明細書において、「(メタ)アクリル」とは、アクリル及びメタクリルの総称である。「(メタ)アクリレート」とは、アクリレート及びメタクリレートの総称である。「(メタ)アクリロイル基」は、アクリロイル基及びメタクリロイル基の総称であり、CH=C(R)−C(=O)−(Rは水素原子またはメチル基を示す。)で表される基である。
本明細書において、式(1)で表される化合物を、化合物(1)と記す。他の式で表される化合物も同様に記す。
<化合物(1)>
本実施形態の化合物(1)は、下記式(1)で表される。
Figure 2021024842
式(1)において、Q、Q、Q、Qはそれぞれ独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表す。直鎖状でもよく分岐鎖状でもよい。炭素数は1〜4が好ましい。メチレン基、エチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレン基がより好ましく、メチレン基又はエチレン基がさらに好ましく、メチレン基が特に好ましい。1分子中のQ、Q、Q、Qは互いに同じであってもよく、異なってもよい。
原料入手が容易であることや、生成物の立体異性体を制御しやすい点で、Q、Q、Q、Qは互いに同じであることが好ましい。
式(1)において、A、Aはそれぞれ独立して重合性基を表す。重合性基は重合性炭素−炭素二重結合を含む基や脂環式エーテル結合を含む基が好ましい。重合性炭素−炭素二重結合を含む基の具体例としては、(メタ)アクリロイル基、ビニル基、ビニル置換フェニル基やイソプロペニル置換フェニル基、ビニル置換ナフチル基、イソプロペニル置換ナフチル基等が挙げられる。脂環式エーテル結合を含む基の具体例としては、オキシラニル基、2−メチルオキシラニル基、オキセタニル基が挙げられる。
高い透明性が得られやすい点で(メタ)アクリロイル基が好ましい。1分子中のAとAは互いに同じであってもよく、異なってもよい。
式(1)において、Cy、Cyはそれぞれ独立して置換基を有してもよい含硫黄芳香族複素環を表す。含硫黄芳香族複素環は高い屈折率に寄与する。含硫黄芳香族複素環は置換基を有してもよい。1分子中のCyとCyは互いに同じであってもよく、異なってもよい。
原料入手や合成を容易にする点では、CyとCyは互いに同じであることが好ましく、液状化しやすい点ではCyとCyは異なることが好ましい。
含硫黄芳香族複素環は、芳香族複素環を構成するヘテロ原子として、少なくとも硫黄原子を有する。ヘテロ原子として硫黄原子のほかに、酸素原子を有してもよく、窒素原子を有してもよく、酸素原子と窒素原子を有してもよい。着色回避、溶解性確保の点から含硫黄芳香族複素環を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。
含硫黄芳香族複素環の具体例として、チオフェン環、ベンゾチオフェン環、ジベンゾチオフェン環、チオピラン環、ナフトチオフェン環、ジナフトチオフェン環、ジベンゾチオピラン環等の硫黄原子を1個含んだ芳香族複素環;チアントレン環等の硫黄原子を2個以上含んだ芳香族複素環;チアゾール環、イソチアゾール環、ベンゾチアゾール環、ナフトチアゾール環、フェノチアジン環、チアゾロイミダゾール環、チアゾロピリジン環、チアゾロピリダジン環、チアゾロピリミジン環、ジオキサゾロピラジン環、チアゾロピラジン環、チアゾロオキサゾール環、ジベンゾベンゾチオフェン環、チエノオキサゾール環、チエノチアジアゾール環、チアゾロチアジアゾール環等のヘテロ原子を2個以上含んだ芳香族複素環が挙げられる。
含硫黄芳香族複素環は、単環であってもよく、縮合環であってもよい。高屈折率化の点で縮合環が好ましい。縮合環を構成する環の数は2〜5が好ましく、2〜4がより好ましく、原料入手や合成を容易にする点で2〜3であることが特に好ましい。
特に、高屈折率化と低着色性の点でベンゾチアゾール環、ジベンゾチオフェン環、ベンゾチオフェン環が好ましい。
Cy、Cyと結合している連結基(−S−)は、Cy、Cyの環構造の任意の位置に結合してよい。
Cy、Cyは置換基を有してもよい。置換基は、例えば、溶解性を向上させやすい点では、アルキル基、アルコキシ基、アルコキシアルキル基、アルコキシカルボニル基、アルコキシアルコキシ基、アルカノイルオキシ基が好ましい。屈折率を上昇させやすい点では、アリール基、アルキルチオ基、アルキルチオアルキル基、アリールオキシ基、アリールアルコキシル基、ハロゲン原子が好ましい。経済的な合成の達成のためには無置換が好ましい。
前記アルキル基は、直鎖状でもよく分岐鎖状でもよい。炭素数は1〜8が好ましい。具体例としてはメチル基、エチル基、n−プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ヘキシル基、2−エチルヘキシル基等が挙げられる。
前記アルコキシ基の炭素数は1〜4が好ましい。具体例としてはメトキシ基、エトキシ基、n−プロポキシ基、i−プロポキシ基、n−ブトキシ基、s−ブトキシ基、t−ブトキシ基等が挙げられる。
前記アルコキシアルキル基の炭素数は2〜6が好ましい。具体例としてはメトキシメチル基、エトキシメチル基、プロポキシメチル基、ブトキシメチル基、メトキシエチル基、エトキシエチル基、プロポキシエチル基、ブトキシエチル基等が挙げられる。
前記アルコキシカルボニル基の炭素数は2〜5が好ましい。具体例としてはメトキシカルボニル基、エトキシカルボニル基、プロポキシカルボニル基、ブトキシカルボニル基等が挙げられる。
前記アルコキシアルコキシ基の炭素数は3〜6が好ましい。具体例としてはメトキシエトキシ基、エトキシエトキシ基、プロポキシエトキシ基、ブトキシエトキシ基等が挙げられる。
前記アルカノイルオキシ基の炭素数は2〜5が好ましい。具体例としてはアセトキシ基、プロピオノキシ基、ブチロキシ基、バレロキシ基等が挙げられる。
前記アリール基の環構造は単環でもよく縮合環でもよい。アリール基の炭素数は6〜14が好ましい。具体例としてはフェニル基、トリル基、メシチル基、ナフチル基、アントラニル基等が挙げられる。
前記アルキルチオ基の炭素数は2〜4が好ましい。具体例としてはメチルチオ基、エチルチオ基、n−プロピルチオ基、イソプロピルチオ基等が挙げられる。
前記アルキルチオアルキル基の炭素数は2〜4が好ましい。具体例としてはメチルチオメチル基、メチルチオエチル基、エチルチオメチル基、エチルチオエチル基等が挙げられる。
前記アリールオキシ基の環構造は単環でもよく縮合環でもよい。アリールオキシ基の炭素数は6〜14が好ましい。具体例としてはフェノキシ基等が挙げられる。
前記アリールアルコキシ基の環構造は単環でもよく縮合環でもよい。アリールアルコキシ基の炭素数は7〜15が好ましい。具体例としてはベンジルオキシ基等が挙げられる。
前記ハロゲン原子は、フッ素原子、塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
式(1)において、X、X、X、Xはそれぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、有機基が結合していてもよい窒素原子を表す。
窒素原子に結合していてもよい有機基は、特に制限はないが、例えば炭素数1〜8のアルキル基(メチル基、エチル基等)、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基(フェニル基、ナフチル基等)が挙げられ、窒素原子にはこれらの有機基が結合していることが好ましい。
、Xは、合成を容易にする点及び粘度を低くする点からは、酸素原子又は硫黄原子が好ましい。原料入手の観点からは酸素原子がより好ましく、屈折率の観点からは硫黄原子がより好ましい。これらの中では酸素原子が特に好ましい。XとXは同じであることが好ましい。
、Xは、吸水率を低く抑えやすい点からは、酸素原子又は硫黄原子が好ましい。原料入手の観点からは酸素原子がより好ましく、屈折率の観点からは硫黄原子がより好ましい。これらの中では酸素原子が特に好ましい。XとXは同じであることが好ましい。
式(1)において、Z、Z、Z、Zはそれぞれ独立して2価の有機基を表す。ZとZは合成を容易にする点で同じであることが好ましい。ZとZは合成を容易にする点で同じであることが好ましい。
2価の有機基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。置換基を有していてもよい炭化水素基が好ましい。炭化水素基の炭素数(置換基の炭素数は含まない)は1〜8が好ましい。炭素数8以下であると、屈折率が低下し難く、分子量が小さいため粘度が低下しやすく、加工性が向上しやすい。
具体例としては、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,2−プロピレン基、ブチレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、オキソプロピレン基、オキソブチレン基、オキソヘキシレン基、オキソヘプチレン基、3−オキサペンチレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、キシリレン基、−CHCHNHC(O)−、−CHCHOCHCHNHC(O)−等が挙げられる。メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,2−プロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、−CHCHNHC(O)−が好ましい。
置換基としては、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、水酸基、メルカプト基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基、炭素数1〜4のアルキル基が結合しているジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、ニトロ基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、ニトロ基が好ましい。
式(1)において、n1、n2、n3、n4はそれぞれ独立して0又は1〜3の整数を表す。n1、n2、n3、n4が小さいと、高屈折率となりやすい。またn1、n2、n3、n4が小さいと常温(23℃)で固体となりやすい。常温で固体であると、再結晶法による精製が可能であり、無色透明に近い(低着色性の)化合物(1)を得ることができる。低着色性の化合物(1)を用いて重合物を製造することで、重合物の低着色性が容易となる。無色透明に近い(低着色性の)重合物は特に光学材料に好適である。
本明細書において、常温で固体であるとは、常温以上に融点を有し、示差走査熱量計で昇温しながらサンプルを測定した際、溶解時に吸熱ピークを観測できるもの、又は融点測定器で、常温以上において融点を観測できるものを意味する。
一方、n1、n2、n3、n4が大きいと液状化し易く、良好な加工性が得られやすい。
コンパクトな構造として芳香環密度を高め屈折率をより高くしやすく、低着色性の化合物を得られる点では、n1、n2、n3、n4がいずれも0である態様がより好ましい。
化合物の融点を下げたり、液状化することで加工性を向上させやすい点では、n1、n2、n3、n4がそれぞれ独立に1〜3の整数である態様が好ましい。
化合物(1)の好ましい態様として以下が挙げられる。
態様(1):A、Aがそれぞれ独立して(メタ)アクリロイル基であり、Cy、Cyがそれぞれ独立して、置換基を有してもよいベンゾチアゾール環、置換基を有してもよいジベンゾチオフェン環、又は置換基を有してもよいベンゾチオフェン環である態様。
態様(2):態様(1)において、n1、n2、n3、n4がいずれも0である態様。
態様(3):態様(1)において、Q、Q、Q、Qがいずれもメチレン基である態様。
態様(4):態様(1)において、n1、n2、n3、n4がいずれも0であり、かつQ、Q、Q、Qがいずれもメチレン基である態様。
態様(4)の具体例として、下記化合物(1A−1)〜(1A−18)が挙げられる。
Figure 2021024842
Figure 2021024842
本実施形態の化合物(1)は、1分子当たり2個の重合性基を有するため重合しやすい。また、含硫黄芳香族複素環を含む分子鎖を1分子当たり2つ有しており高屈折率が得られやすい。
式(1)において、常温で固体であるものは精製のし易さの点で好ましい。常温で液体のものは良好な加工性が得られやすいので好ましい。化合物(1)が常温で液体であると、化合物(1)を用いて重合物を合成する際に、化合物(1)を任意の割合で混合しやすい。
化合物(1)の屈折率は、23℃におけるヘリウムランプd線(587.6nm)での測定値が、1.60以上であることが好ましく、1.63以上であることがより好ましく、1.65以上であることがさらに好ましい。化合物(1)の屈折率が1.60以上であれば、透明光学部材に適用した場合に多様な光学設計が可能となり、様々な用途へ適用できる。なお、屈折率は後述する方法により測定される値である。
<化合物(1)の製造方法>
化合物(1)は、下記式(2)で表される化合物(2)を前駆体として用い、2つの水酸基の活性水素(H)をそれぞれ重合性基(A、A)に置換する方法で製造できる。
例えば、下記式(1A)で表される化合物(1A)は、式(1)においてA、Aがそれぞれ独立して(メタ)アクリロイル基である化合物である。化合物(1A)は、化合物(2)と(メタ)アクリレート化剤とを反応させる方法で製造できる。
Figure 2021024842
Figure 2021024842
式(2)において、Q、Q、Q、Q、Cy、Cy、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z、n1、n2、n3、n4が表すものは、好ましい態様も含めて式(1)と同じである。
式(1A)において、A、Aはそれぞれ独立して(メタ)アクリロイル基を表し、Q、Q、Q、Q、Cy、Cy、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z、n1、n2、n3、n4は、それぞれ式(2)と同じである。
(メタ)アクリレート化剤は、(メタ)アクリロイル基または(メタ)アクリロイル基に変換可能な基を有し、活性水素と反応可能な化合物であればよい。例えば(メタ)アクリル酸塩化物、(メタ)アクリル酸無水物、(メタ)アクリル酸エステル、3−クロロプロピオン酸塩化物、2−アクリロイルオキシエチルイソシアナート、2−メタクリロイルオキシエチルイソシアネート等が挙げられる。
化合物(2)の活性水素と(メタ)アクリレート化剤との反応は、公知の手法を適用できる。例えば、塩基性化合物の存在下で、化合物(2)と(メタ)アクリレート化剤とを反応させて化合物(1A)が得られる。
塩基性化合物は、有機塩基性化合物(トリエチルアミン、ピリジン、イミダゾール等)の1種以上でもよく、無機塩基性化合物(炭酸ナトリウム、炭酸カリウム等)の1種以上でもよく、有機塩基性化合物の1種以上と無機塩基性化合物の1種以上とを組み合わせてもよい。
化合物(2)と(メタ)アクリレート化剤との反応において有機溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒としては、ジメトキシエタン、ジクロロメタン、テトラヒドロフラン(THF)、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド(DMF)等が例示できる。有機溶媒は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(2)と(メタ)アクリレート化剤との反応は、水分を含まない反応系で行うことが好ましい。具体的には不活性ガス(アルゴンガス、窒素ガス)雰囲気中で反応させることが好ましい。有機溶媒は脱水処理した乾燥有機溶媒が好ましい。
(メタ)アクリレート化剤の使用量は、反応が完結せずに原料が残存すると精製が困難になることから、化合物(2)の1モル当たり1.0モル以上が好ましく、1.5モル以上がより好ましく、2.0モル以上がさらに好ましい。また、副反応や反応後の処理工程への負荷を抑制する点から、化合物(2)の1モル当たり8モル以下が好ましく、6モル以下がより好ましく、5モル以下がさらに好ましい。
塩基性化合物の使用量は、反応が完結せずに原料が残存すると精製が困難になることから、化合物(2)の1モル当たり1.0モル以上が好ましく、1.5モル以上がより好ましく、2.0モル以上がさらに好ましい。また、副反応や反応後の処理工程への負荷を抑制する点から、化合物(2)の1モル当たり8モル以下が好ましく、6モル以下がより好ましく、5モル以下がさらに好ましい。
化合物(1)の製造において、合成反応で得られた反応物(粗体)を精製することが好ましい。精製して不純物を除去することで低着色性を達成できる。精製法としては、公知の手法を適用できる。例えば抽出法、カラムクロマトグラフ法、再結晶法、蒸留法等の手段で精製することができる。これらの精製方法は1種の手段を実施してもよく、順次組み合わせて実施してもよい。
化合物(1)が常温で固体の場合は、着色物質を高度に除去しやすい点で再結晶法を用いることが好ましい。
再結晶溶媒としては、例えばn−ペンタン、n−ヘキサン、n−ヘプタン等の脂肪族炭化水素系、シクロペンタン、シクロヘキサン等の脂環族炭化水素、トルエン、エチルベンゼン、キシレン、メシチレン等の芳香族炭化水素系、塩化メチレン、クロロホルム、1,2−ジクロロエタン等のハロゲン化炭化水素系、ジエチルエーテル、ジイソプロピルエーテル、テトラヒドロフラン、t −ブチルメチルエーテル、1,4−ジオキサン等のエーテル系、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等のケトン系、酢酸エチル、酢酸n−ブチル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のエステル系、アセトニトリル、プロピオニトリル等のニトリル系、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、2−ブタノール、t−ブタノール、2−メトキシエタノール、2−ブトキシエタノール、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のアルコール系、エチレングリコール、ジエチレングリコール等のグリコール系、水等が挙げられる。これらの溶媒は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。1種の溶媒のみで容易に不純物を低下できる点で、アルコール系溶媒が好ましく、エタノールがより好ましい。
<化合物(1)を含む硬化性樹脂原料組成物>
重合性組成物の第1の実施形態は、化合物(1)を含む硬化性樹脂原料組成物である。本明細書において、硬化性樹脂原料組成物の重合物を硬化性樹脂ともいう。
化合物(1)はポリ(メタ)アクリレート樹脂のような硬化性樹脂の原料として好適である。
本実施形態の硬化性樹脂原料組成物は、化合物(1)と重合開始剤を含有する。化合物(1)の重合性基を重合反応させることにより重合物が得られる。化合物(1)は1種でもよく2種以上を併用してもよい。
本実施形態の硬化性樹脂原料組成物は、化合物(1)のほかに、化合物(1)と共重合可能なその他の重合性化合物を含んでもよい。また重合性基を有しないその他の成分を含んでもよい。必要に応じて溶剤を含んでもよい。
[重合開始剤]
重合開始剤は化合物(1)の重合性基の重合反応を開始させるものであればよい。重合方法に応じて公知の重合開始剤を適宜使用できる。重合開始剤は1種でもよく2種以上を併用してもよい。
例えばラジカル重合開始剤を用いることができる。ラジカル重合開始剤として、光重合開始剤、熱重合開始剤、レドックス重合に用いられる過酸化物等が挙げられる。
光重合開始剤は光重合に用いられるラジカル重合開始剤である。光重合開始剤の具体例としては、ベンゾフェノン、4−メチルベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、メチルオルトベンゾイルベンゾエイト、4−フェニルベンゾフェノン等のベンゾフェノン型化合物;t−ブチルアントラキノン、2−エチルアントラキノン等のアントラキノン型化合物;2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、オリゴ{2−ヒドロキシ−2−メチル−1−[4−(1−メチルビニル)フェニル]プロパノン}、ベンジルジメチルケタール、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、ベンゾインメチルエーテル、2−メチル−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノ−1−プロパノン、2−ヒドロキシ−1−{4−[4−(2−ヒドロキシ−2−メチルプロピオニル)ベンジル]フェニル}−2−メチルプロパン−1−オン等のアルキルフェノン型化合物;2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1、ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン等のチオキサントン型化合物;2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイド、ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチルペンチルホスフィンオキサイド、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド等のアシルフォスフィンオキサイド型化合物;フェニルグリオキシリックアシッドメチルエステル等のフェニルグリオキシレート型化合物等が挙げられる。
これらの中でも、重合物の着色を抑制できる点で、アルキルフェノン型化合物が好ましく、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトンがより好ましい。また、重合物の内部まで充分に重合されやすくなる点で、アシルフォスフィンオキサイド型化合物が好ましく、重合物の着色を抑制できる点で、2,4,6−トリメチルベンゾイルジフェニルホスフィンオキサイドがより好ましい。これらの光重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤は熱重合に用いられるラジカル重合開始剤である。熱重合開始剤としては例えば有機過酸化物、アゾ化合物等が挙げられる。
有機過酸化物の具体例としては、メチルエチルケトンパーオキサイド等のケトンパーオキサイド;1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)−3,3,5−トリメチルシクロヘキサン、1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン等のパーオキシケタール;1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド等のハイドロパーオキサイド;ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド等のジアルキルパーオキサイド;ジラウロイルパーオキサイド、ジベンゾイルパーオキサイド等のジアシルパーオキサイド;ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート、ジ(2−エチルヘキシル)パーオキシジカーボネート等のパーオキシジカーボネート;t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシベンゾエート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等のパーオキシエステル等が挙げられる。
アゾ化合物の具体例としては、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、ジメチル−2,2’−アゾビスイソブチレート、4,4’−アゾビス−4−シアノバレリック酸、2,2’−アゾビス−(2−アミジノプロパン)ジハイドロクロライド等が挙げられる。
これらの熱重合開始剤は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
熱重合開始剤としては、重合物に気泡が生じにくい点で、有機過酸化物が好ましい。硬化性樹脂原料組成物の硬化時間とポットライフとのバランスを考慮すると、有機過酸化物の10時間半減期温度は35〜80℃が好ましく、より好ましくは40〜75℃であり、さらに好ましくは45〜70℃である。10時間半減期温度が35℃以上であれば、常温で硬化性樹脂原料組成物がゲル化しにくくなり、ポットライフが良好となる。一方、10時間半減期温度が80℃以下であれば、硬化性樹脂原料組成物の硬化時間を短縮できる。このような有機過酸化物としては、例えば1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネート等が挙げられる。1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの市販品としては、例えばパーオクタO(商品名、日油株式会社製、10時間半減期温度:65.3℃)等が挙げられる。t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートの市販品としては、例えばパーブチルO(商品名、日油株式会社製、10時間半減期温度:72.1℃)等が挙げられる。ジ(4−t−ブチルシクロヘキシル)パーオキシジカーボネートの市販品としては、例えばパーロイルTCP(商品名、日油株式会社製、10時間半減期温度:40.8℃)等が挙げられる。
レドックス重合に用いられる過酸化物としては、例えばジベンゾイルパーオキサイド、ハイドロパーオキサイド等が挙げられる。これらの過酸化物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
なお、レドックス重合には、通常、レドックス系重合開始剤が用いられる。レドックス系重合開始剤は、過酸化物と還元剤とを併用した重合開始剤である。上述した過酸化物をレドックス系重合開始剤として使用する場合、還元剤との組み合わせの一例は以下の通りである。
(1)ジベンゾイルパーオキサイド(過酸化物)と、N,N−ジメチルアニリン、N,N−ジメチル−p−トルイジン、N,N−ビス(2−ヒドロキシプロピル)−p−トルイジン等の芳香族3級アミン類(還元剤)との組み合わせ。
(2)ハイドロパーオキサイド(過酸化物)と金属石鹸類(還元剤)との組み合わせ。
(3)ハイドロパーオキサイド(過酸化物)とチオ尿素類(還元剤)との組み合わせ。
[その他の重合性化合物]
その他の重合性化合物(化合物(1)は含まない)の例としては、単官能の(メタ)アクリルモノマー、多官能の(メタ)アクリルモノマー、(メタ)アクリルモノマー以外のビニル基含有モノマー、ラジカル重合性基を有するシルセスキオキサン化合物等が挙げられる。多官能の(メタ)アクリルモノマーは、(メタ)アクリロイル基を2〜6個有するものが好ましい。
単官能の(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、(メタ)アクリル酸、コハク酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、マレイン酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、フタル酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル、ヘキサヒドロフタル酸2−(メタ)アクリロイルオキシエチル等のカルボキシル基を含有する(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、4−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、6−ヒドロキシヘキシル(メタ)アクリレート等の水酸基を有する(メタ)アクリレート;メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、i−ブチル(メタ)アクリレート、t−ブチル(メタ)アクリレート、ペンチル(メタ)アクリレート、ヘプチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、n−オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、n−ノニル(メタ)アクリレート、イソノニル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、トリデシル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、2−ジシクロペンテノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンタニル(メタ)アクリレート、アダマンチル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、フェノキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、フェニルフェニル(メタ)アクリレート、フェニルフェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシベンジル(メタ)アクリレート、フェニルベンジル(メタ)アクリレート、ナフチル(メタ)アクリレート、(1−ナフチル)メチル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロイルモルフォリン等の環状構造を含有する(メタ)アクリレート;メトキシエチル(メタ)アクリレート、エトキシエチル(メタ)アクリレート、ブトキシエチル(メタ)アクリレート等のアルコキシ(メタ)アクリレート;
3−(メタ)アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、2−(メタ)アクリロイロキシエチルアシッドホスフェート、トリフルオロエチル(メタ)アクリレート及びヘプタデカフルオロデシル(メタ)アクリレート、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルイソシアネート等が挙げられる。
多官能の(メタ)アクリレート化合物の具体例としては、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブチレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート、1,9−ノナンジオールジ(メタ)アクリレート等のアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリブチレングリコールジ(メタ)アクリレート等のポリアルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、トリシクロデカンジメタノールジ(メタ)アクリレート、ポリカーボネートジオールジ(メタ)アクリレート、ポリエステルジオールジ(メタ)アクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、プロポキシ化ビスフェノールAジ(メタ)アクリレート、9,9−ビス(4−アクリロイルオキシエトキシフェニル)フルオレン、ポリウレタンジ(メタ)アクリレート等の2官能の(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、エトキシ化イソシアヌル酸トリ(メタ)アクリレート、ε−カプロラクトン変性トリス((メタ)アクロキシエチル)イソシアヌレート等の3官能の(メタ)アクリレート;ジトリメチロールプロパンテトラ(メタ)アクリレート等の4官能の(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート等の5官能の(メタ)アクリレート;ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等の6官能の(メタ)アクリレート等の多官能モノマーが挙げられる。
(メタ)アクリルモノマー以外のビニル基含有モノマーの例としては、芳香族ビニル系モノマー(スチレン、α−メチルスチレン等)、シアン化ビニル系モノマー(アクリロニトリル等)、ビニルエステル系モノマー(酢酸ビニル等)が挙げられる。
ラジカル重合性基を有するシルセスキオキサン化合物は、例えば分子内にラジカル重合性基を1つ有するトリアルコキシシラン化合物(3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリメトキシシラン、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピルトリエトキシシラン等)を含むアルコキシシラン化合物を縮合反応することで得られる。
その他の重合性化合物は、1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
その他の重合性化合物は、高い透明性が得られやすい点で(メタ)アクリロイル基を有する化合物が好ましい。
[その他の成分]
その他の成分としては、例えばアクリル系重合体、ゴム、酸化チタン(IV)、酸化クロム(III)、硫化亜鉛、酸化アルミニウム、硫酸バリウム、チタン酸バリウム、三酸化アンチモン、酸化鉄(III)、硫化カドミウム、酸化セリウム(IV)、塩化鉛(II)、酸化カドミウム、酸化タングステン(VI)、酸化インジウム(III)、酸化鉛(II)、酸化タンタル(V)、酸化ジルコニウム(IV)等の高屈折無機化合物、シリカ粒子、可塑剤、酸化防止剤、紫外線吸収剤、消泡剤、揺変剤、重合禁止剤、離型剤、充填剤、蛍光体、顔料等が挙げられる。上記のその他の成分は、高屈折率や耐光性が必要な場合は添加してもよく、透明性が求められる用途では添加しなくてもよい。添加する場合は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
本実施形態の硬化性樹脂原料組成物には、増粘度や低硬化収縮率を目的として、アクリル系重合体を加えてもよい。アクリル系重合体の具体例としては、例えば以下ものが挙げられる。PMMA、メタクリル酸メチルとメタクリル酸n−ブチルの共重合体、メタクリル酸メチルとアクリル酸n−ブチルの共重合体等。
本実施形態の硬化性樹脂原料組成物には、重合物の強度を向上するために、ゴムを加えてもよい。ゴムの具体例としては、例えば以下ものが挙げられる。(メタ)アクリル酸エステル−ブタジエン共重合体、(メタ)アクリル酸エステル・ブタジエン・スチレン共重合体、ポリブタジエンゴム、クロロプレンゴム、アクリロニトリルブタジエンゴム等。
本実施形態の硬化性樹脂原料組成物には、重合物の酸化劣化を防止するために、酸化防止剤を加えてもよい。酸化防止剤の具体例としては、例えば以下ものが挙げられる。n−オクタデシル−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、テトラキス−[メチレン−3−(3’,5’−ジ−t−ブチル−4’−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]メタン、トリエチレングリコールビス[3−(3−t−ブチル−5−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]、1,6−ヘキサンジオールビス[3−(3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート]等のフェノール系酸化防止剤;トリフェニルホスファイト、トリスイソデシルホスファイト、トリストリデシルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系酸化防止剤;ジヘキシルスルフィド、ジラウリルー3,3’−チオジプロピオネート、ジトリデシル−3,3’−チオジプロピオネート、ジミリスチル−3,3’−チオジプロピオネート、ジステリアルー3,3’−チオジプロピオネート、ペンタエリスリトールテトラキス(β−ラウリルチオプロピオネート)等の硫黄系酸化防止剤等。
本実施形態の硬化性樹脂原料組成物には、重合物の硬度を調整するために可塑剤を加えてもよい。可塑剤の具体例としては、例えば以下ものが挙げられる。フタル酸ジブチル、フタル酸ジ2−エチルヘキシル、フタル酸ジイソデシル等のフタル酸エステル類、ジ−2−エチルヘキシルアジペート、オクチルアジペート等のアジピン酸エステル類、ジブチルセバケート、ジ−2−エチルヘキシルセバケート等のセバシン酸エステル類、ジ−2−エチルヘキシルアゼレート、オクチルアゼレート等のアゼラインエステル類等の2塩基性脂肪酸エステル類;塩素化パラフィン等のパラフィン類等。
本実施形態の硬化性樹脂原料組成物には、重合物の光劣化を抑制するために、紫外線吸収剤を加えてもよい。紫外線吸収剤の具体例としては、例えば以下ものが挙げられる。2−ヒドロキシ−4−メトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−オクチルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4−デシルオキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4,4’−ジメトキシベンゾフェノン、2−ヒドロキシ−4,4’−ジブトキシベンゾフェノン等の2―ヒドロキシベンゾフェノンの誘導体或いは2−(2’−ヒドロキシ−5’−メチルフェニル)ベンゾトリアゾール、2−(2’−ヒドロキシ−3’,5’−ジターシャリイブチルフェニル)ベンゾトリアゾール或いはこれらのハロゲン化物或いはフェニルサリシレート、p−ターシャリイブチルフェニルサリシレート等。
本実施形態の硬化性樹脂原料組成物には、気泡を取り除くために、消泡剤を加えてもよい。消泡剤の具体例としては、特殊アクリル系重合物を溶剤に溶解させたアクリル系消泡剤、特殊ビニル系重合物を溶剤に溶解させたビニル系消泡剤等が挙げられる。消泡剤の具体的な製品名としては、例えば以下ものが挙げられる。楠本化成社製ディスパロンシリーズ(製品名:OX−880EF、OX−881、OX−883、OX−77EF、OX−710、OX−8040、1922、1927、1950、P−410EF、P−420、P−425、PD−7、1970、230、230HF、230EF、LF−1980、LF−1982、LF−1983、LF−1984、LF−1985等。)等やビックケミー・ジャパン社製BYK−052、BYK−1752等。
本実施形態の硬化性樹脂原料組成物には、貯蔵安定性を向上させるために、重合禁止剤を加えてもよい。重合禁止剤の具体例としては、ヒドロキノン、2−メチルヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2−6−ジ−t−ブチル−4−メチルフェノール等が挙げられる。
化合物(1)とその他の重合性化合物の合計に対して、化合物(1)は1質量%以上が好ましく、5質量%以上がより好ましく、10質量%以上がさらに好ましい。100質量%でもよい。上記範囲の下限値以上であると、高屈折率化が充分となりやすい。
化合物(1)とその他の重合性化合物の合計100質量部に対して、ラジカル重合開始剤は0.05〜5質量部が好ましく、0.1〜10質量部がより好ましく、0.5〜20質量部がさらに好ましい。上記範囲の下限値以上であると、適切な重合速度が得られやすい。上限値以下であると、着色の原因となり難い。また、発生したラジカル同士の再結合や、不均一が生じ難く、充分な分子量が得られやすい。
本実施形態の硬化性樹脂原料組成物は液状が好ましい。その他の重合性化合物として、常温で液状であるものを用い、化合物(1)をその他の重合性化合物に溶解して硬化性樹脂原料組成物を調製することが好ましい。必要に応じて溶剤を用いてもよい。
溶剤としては、例えばプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、シクロヘキサン、トルエン等が挙げられる。
硬化性樹脂原料組成物を所定の形状として重合させることにより、所定の形状を有する重合物が得られる。所定の形状とする方法としては、コーティング方式、ポッティング成形方式、キャスティング成形方式、プリンティング成形方式、液体樹脂射出成形方式(LIM方式)、トランスファー成形方式等が挙げられる。
硬化性樹脂原料組成物を重合する際は、酸素による硬化阻害を抑制するため、硬化性樹脂原料組成物を密閉した状態で重合することが好ましい。密閉する方法としては、ガラスやPETフィルムに硬化性樹脂原料組成物を挟みこむ方法等が挙げられる。
<硬化性樹脂(重合物)>
本実施形態の硬化性樹脂原料組成物の重合物(硬化性樹脂)は透明であり光学部材に好適である。
本実施形態の硬化性樹脂は、実施形態の硬化性樹脂原料組成物を重合することによって得られる。硬化性樹脂原料組成物を硬化する方法としては、硬化性樹脂原料組成物に含まれる重合開始剤の種類に応じて、光重合、熱重合及びレドックス重合のいずれかの方法を採用できる。
光重合で硬化性樹脂原料組成物を硬化して硬化性樹脂を得る場合、硬化性樹脂原料組成物に照射する光の波長は特に制限されないが、波長が200〜400nmの紫外線を照射することが好ましい。紫外線の光源の具体例としては、超高圧水銀灯、高圧水銀灯、メタルハライドランプ、ハイパワーメタルハライドランプ、UV−LEDランプ、ケミカルランプ、ブラックライト等が挙げられる。硬化性樹脂原料組成物を光重合した後には、アフターキュアをさらに行ってもよい。これにより、硬化性樹脂中に残存する未反応の(メタ)アクリロイル基の量を減少させることができ、硬化性樹脂の強度をより高めることができる。アフターキュアの条件としては、70〜150℃で0.01〜24時間が好ましく、80〜130℃で0.1〜10時間がより好ましい。
熱重合で硬化性樹脂原料組成物を重合して硬化性樹脂を得る場合、重合条件は特に限定されないが、着色が抑制された光学部材用樹脂が得られやすい観点から、重合温度は40〜200℃が好ましく、60〜150℃がより好ましい。重合時間(加熱時間)は、重合温度によっても異なるが、1〜120分が好ましく、1〜60分がより好ましい。
硬化性樹脂原料組成物を熱重合した後には、アフターキュアをさらに行うことが好ましい。アフターキュアの条件としては、50〜150℃で0.1〜10時間が好ましく、70〜130℃で0.2〜5時間がより好ましい。
レドックス重合により硬化性樹脂原料組成物を重合して硬化性樹脂を得る場合、レドックス系重合開始剤を用いることで、5〜40℃の常温で重合することができる。得られる光学部材用樹脂に残存する未反応の(メタ)アクリロイル基の量を減少させることができ、光学部材用樹脂の強度をより高めることができる点から、重合温度は15〜40℃が好ましい。
また、硬化性樹脂原料組成物がゲル化しにくく、安定的に取り扱える点から、予め還元剤を硬化性樹脂原料組成物に溶解させておき、これに過酸化物を追加する手順で重合を実施する方法が好ましい。
本実施形態の硬化性樹脂は、例えば、厚さが1mmの場合、全光線透過率は80%以上が好ましく、85%以上がより好ましく、90%以上がさらに好ましい。またヘーズは20%以下であることが好ましく、15%以下がより好ましく、10%以下がさらに好ましい。なお、全光線透過率及びヘーズは後述する方法により測定される値である。
本実施形態の硬化性樹脂の屈折率は、23℃におけるヘリウムランプd線(587.6nm)での測定値が、1.55以上であることが好ましく、1.58以上であることがより好ましく、1.60以上であることがさらに好ましい。硬化性樹脂の屈折率が1.60以上であれば、透明光学部材に適用した場合に多様な光学設計が可能となり、様々な用途へ適用できる。なお、屈折率は後述する方法により測定される値である。
本実施形態の硬化性樹脂は、透明光学部材の一部又は全部を構成する部材として好適である。透明光学部材の例としては、発光ダイオードモジュール、携帯電話、スマートフォン、タブレット端末、パソコン、カメラ、有機エレクトロルミネッセンス(有機EL)デバイス、フラットパネルディスプレイ、タッチパネル、電子ペーパー、フォトダイオード、フォトトランジスタ、太陽電池、プロジェクター等に使用されるフィルム、シート、レンズ、光導波路、封止材、充填材、接着剤、反射材、粘着剤、波長変換材;フォトリソグラフィー工程で用いられる反射防止材;等が挙げられる。
本実施形態の硬化性樹脂は、各種レンズの一部又は全部を構成する部材として好適である。レンズは、本実施形態の硬化性樹脂からなる成形品であってもよいが、平面ガラス、曲面ガラス又はガラスウエハー等の透明基材と、該透明基材の片面又は両面上に形成された本実施形態の硬化性樹脂とからなるハイブリッドレンズであってもよい。
<化合物(2)>
下記式(2)で表される化合物(2)は、化合物(1)の製造方法において前駆体として用いられる。
Figure 2021024842
式(2)において、Q、Q、Q、Qは炭素数1〜6のアルキレン基を表す。直鎖状でもよく分岐鎖状でもよい。炭素数は1〜4が好ましい。メチレン基、エチレン基、メチルメチレン基、エチルメチレン基がより好ましく、メチレン基又はエチレン基がさらに好ましく、メチレン基が特に好ましい。1分子中のQ、Q、Q、Qは互いに同じであってもよく、異なってもよい。
原料入手が容易であることや、生成物の立体異性体を制御しやすい点で、Q、Q、Q、Qは互いに同じであることが好ましい。
式(2)において、Cy、Cyは含硫黄芳香族複素環を表す。含硫黄芳香族複素環は高い屈折率に寄与する。含硫黄芳香族複素環は置換基を有してもよい。1分子中のCyとCyは互いに同じであってもよく、異なってもよい。
原料入手や合成を容易にする点では、CyとCyは互いに同じであることが好ましく、液状化しやすい点ではCyとCyは異なることが好ましい。
含硫黄芳香族複素環は、芳香族複素環を構成するヘテロ原子として、少なくとも硫黄原子を有する。ヘテロ原子として硫黄原子のほかに、酸素原子を有してもよく、窒素原子を有してもよく、酸素原子と窒素原子を有してもよい。着色回避、溶解性確保の点から含硫黄芳香族複素環を構成するヘテロ原子の数は1〜3が好ましく、1〜2がより好ましい。
式(2)において、X、X、X、Xはそれぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、有機基が結合していてもよい窒素原子を表す。
窒素原子に結合していてもよい有機基は、特に制限はないが、例えば炭素数1〜8のアルキル基(メチル基、エチル基等)、炭素数6〜15の芳香族炭化水素基(フェニル基、ナフチル基等)が挙げられ、窒素原子にはこれらの有機基が結合していることが好ましい。
、Xは、合成を容易にする点及び粘度を低くする点からは、酸素原子又は硫黄原子が好ましい。原料入手の観点からは酸素原子がより好ましく、屈折率の観点からは硫黄原子がより好ましい。これらの中では酸素原子が特に好ましい。XとXは同じであることが好ましい。
、Xは、吸水率を低く抑えやすい点からは、酸素原子又は硫黄原子が好ましい。原料入手の観点からは酸素原子がより好ましく、屈折率の観点からは硫黄原子がより好ましい。これらの中では酸素原子が特に好ましい。XとXは同じであることが好ましい。
式(2)において、Z、Z、Z、Zはそれぞれ独立して2価の有機基を表す。ZとZは合成を容易にする点で同じであることが好ましい。ZとZは合成を容易にする点で同じであることが好ましい。
2価の有機基は直鎖状、分岐鎖状、環状のいずれでもよい。置換基を有していてもよい炭化水素基が好ましい。炭化水素基の炭素数(置換基の炭素数は含まない)は1〜8が好ましい。炭素数8以下であると、屈折率が低下し難く、分子量が小さいため粘度が低下しやすく、加工性が向上しやすい。
具体例としては、メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,2−プロピレン基、ブチレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、オキソプロピレン基、オキソブチレン基、オキソヘキシレン基、オキソヘプチレン基、3−オキサペンチレン基、シクロヘキシレン基、フェニレン基、キシリレン基、−CHCHNHC(O)−、−CHCHOCHCHNHC(O)−等が挙げられる。メチレン基、エチレン基、1,3−プロピレン基、1,2−プロピレン基、2−ヒドロキシプロピレン基、−CHCHNHC(O)−が好ましい。
置換基としては、ハロゲン原子(塩素原子、臭素原子、ヨウ素原子)、水酸基、メルカプト基、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数2〜8のアルケニル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、フェニル基、メシチル基、トリル基、ナフチル基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜9のアルキルカルボニルオキシ基、炭素数2〜9のアルコキシカルボニル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルカルボニル基、フェネチル基、ヒドロキシエチル基、アセチルアミド基、炭素数1〜4のアルキル基が結合しているジアルキルアミノエチル基、トリフルオロメチル基、炭素数1〜8のアルキルチオ基、ニトロ基等が挙げられる。
これらの中でも、炭素数1〜8のアルキル基、炭素数1〜8のアルコキシ基、シアノ基、アセチルオキシ基、炭素数2〜8のアルキルカルボキシル基、スルファモイル基、炭素数2〜9のアルキルスルファモイル基、ニトロ基が好ましい。
式(2)において、n1、n2、n3、n4はそれぞれ独立して0又は1〜3の整数を表す。n1、n2、n3、n4が小さいと、高屈折率となりやすい。またn1、n2、n3、n4が小さいと常温(23℃)で固体となりやすい。常温で固体であると、再結晶法による精製が可能であり、無色透明に近い(低着色性の)化合物(1)を得ることができる。低着色性の化合物(1)を用いて重合物を製造することで、重合物の低着色性が容易となる。
一方、n1、n2、n3、n4が大きいと液状化し易く、良好な加工性が得られやすい。
コンパクトな構造として芳香環密度を高め屈折率をより高くしやすく、低着色性の化合物を得られる点では、n1、n2、n3、n4がいずれも0である態様がより好ましい。
化合物の融点を下げたり、液状化することで加工性を向上させやすい点では、n1、n2、n3、n4がそれぞれ独立に1〜3である態様が好ましい。
化合物(2)の好ましい態様として以下が挙げられる。
態様(1):Cy、Cyがそれぞれ独立して、置換基を有してもよいベンゾチアゾール環、置換基を有してもよいジベンゾチオフェン環、又は置換基を有してもよいベンゾチオフェン環である態様。
態様(2):態様(1)において、n1、n2、n3、n4がいずれも0である態様。
態様(3):態様(1)において、Q、Q、Q、Qがいずれもメチレン基である態様。
態様(4):態様(1)において、n1、n2、n3、n4がいずれも0であり、かつQ、Q、Q、Qがいずれもメチレン基である態様。
態様(4)の具体例として、下記化合物(2−1)〜(2−3)が挙げられる。
Figure 2021024842
<化合物(2)の製造方法>
式(2)において、n1、n2、n3、n4がいずれも0の場合、下記式(2a)で表される化合物(2a)と、下記式(2b)で表されるチオール化合物(2b)とを反応させる方法で、下記化合物(2c)で表される化合物(2c)を製造できる。式(2a)において、Xはハロゲン原子(臭素原子、ヨウ素原子、塩素原子)であり、臭素原子、ヨウ素原子が好ましい。
化合物(2a)は水酸基を有する化合物をハロゲン化させる公知の方法で製造できる。
Figure 2021024842
化合物(2b)の活性水素と化合物(2a)のハロゲン原子との反応は、公知の手法を適用できる。例えば、塩基性化合物の存在下で、化合物(2a)と化合物(2b)とを反応させて化合物(2c)を得ることができる。
塩基性化合物としては、トリエチルアミン、ピリジン、炭酸水素ナトリウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、及びカリウムtert−ブトキシド(t−BuOK)が例示できる。塩基性化合物は1種でもよく2種以上を併用してもよい。
化合物(2a)と化合物(2b)との反応において有機溶媒を用いることが好ましい。有機溶媒としては、ジメトキシエタン、テトラヒドロフラン、メタノール、エタノール、トルエン、N,N−ジメチルホルムアミド、アセトン等が例示できる。有機溶媒は1種でもよく、2種以上を併用してもよい。
化合物(2a)と化合物(2b)との反応は、水分を含まない反応系で行うことが好ましい。具体的には不活性ガス(アルゴンガス、窒素ガス)雰囲気中で反応させることが好ましい。有機溶媒は脱水処理した乾燥有機溶媒が好ましい。
化合物(2b)の使用量は、化合物(2a)の1モル当たり1.0モル以上が好ましく、1.5モル以上がより好ましく、2.0モル以上がさらに好ましい。また、副反応や反応後の処理工程への負荷を抑制する点から、化合物(2a)の1モル当たり8モル以下が好ましく、6モル以下がより好ましく、5モル以下がさらに好ましい。
塩基性化合物の使用量は、化合物(2a)の1モル当たり1.0モル以上が好ましく、1.5モル以上がより好ましく、2.0モル以上がさらに好ましい。また、副反応や反応後の処理工程への負荷を抑制する点から、化合物(2a)の1モル当たり8モル以下が好ましく、6モル以下がより好ましく、5モル以下がさらに好ましい。
式(2)において、n1とn2が1であり、n3とn4が0の場合は、特開2017−14213号公報の段落0039〜0040に記載の手法を適用して、Q、Qと−OHとの間に(X−Z)、(X−Z)をそれぞれ導入して、化合物(2)を製造できる。
式(2)において、n1とn2が0であり、n3とn4が1の場合は、特開2017−14213号公報の段落0041〜0042に記載の手法を適用して、Q、Qと−S−との間に(X−Z)、(X−Z)をそれぞれ導入して、化合物(2)を製造できる。
式(2)において、n1、n2、n3、n4がいずれも1の場合は、特開2017−14213号公報の段落0043〜0044に記載の手法を適用して、Q、Qと−OHとの間に(X−Z)、(X−Z)をそれぞれ導入し、かつQ、Qと−S−との間に(X−Z)、(X−Z)をそれぞれ導入して、化合物(2)を製造できる。
ただし、特開2017−14213号公報に記載の方法はモノオールを製造する方法であるのに対して、本実施形態の化合物(2)の製造方法はジオールを製造する方法である。
<化合物(2)を含む熱可塑性樹脂原料組成物>
重合性組成物の第2の実施形態は、化合物(2)を含む熱可塑性原料組成物である。熱可塑樹脂原料組成物の重合物は熱可塑性樹脂である。
化合物(2)はポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、又はポリエステルカーボネート樹脂のような熱可塑性樹脂の原料として好適である。
化合物(2)に由来する構成単位は、構成単位1つ当たり含硫黄芳香族複素環を含む分子鎖を2つ有しており、光学材料用の熱可塑性樹脂(ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエステルカーボネート樹脂等)の屈折率増大に寄与する。
本実施形態の熱可塑性樹脂原料組成物は、化合物(2)と、ジカルボン酸化合物、ジエステル化合物、又は炭酸エステル化合物と、重合触媒とを含有する。化合物(2)は1種でもよく2種以上を併用してもよい。
化合物(2)と、ジカルボン酸化合物、又はジエステル化合物とを重縮合反応させることによりポリエステル樹脂を製造することができる。
化合物(2)と、炭酸エステル化合物とを重合反応させることにより、ポリカーボネート樹脂を製造することができる。
化合物(2)と、ジカルボン酸化合物又はジエステル化合物と、炭酸エステル化合物とを重合することにより、ポリエステルカーボネート樹脂を製造することができる。
ポリエステル樹脂、ポリカーボネート樹脂、又はポリエステルカーボネート樹脂の熱可塑性樹脂の製造においては、公知のジカルボン酸化合物、ジエステル化合物、炭酸エステル化合物を用いることができる。
本実施形態の熱可塑性樹脂原料組成物は、化合物(2)以外の他のジオール化合物を含んでもよい。
本実施形態の熱可塑性樹脂原料組成物は、さらに、必要に応じて、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ジペンタエリスリトール等の3官能以上の高価アルコールを含んでもよい。
[他のジオール化合物]
化合物(2)以外の他のジオール化合物として、具体的には、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ヘプタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,12−ドデカンジオール等の直鎖脂肪族炭化水素のジオール化合物;1,2−プロパンジオール、1,3−ブタンジオール、1,2−ブタンジオール、ネオペンチルグリコール、ヘキシレングリコール等の分岐脂肪族炭化水素のジオール化合物;1,2−シクロヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジオール、1,3−アダマンタンジオール、水添ビスフェノールA、2,2,4,4−テトラメチル−1,3−シクロブタンジオール、イソソルビド、イソマンニド、イソイデット等の脂環式炭化水素で2級や3級アルコールのジオール化合物;1,2−シクロヘキサンジメタノール、1,3−シクロヘキサンジメタノール、1,4−シクロヘキサンジメタノール、トリシクロデカンジメタノール、ペンタシクロペンタデカンジメタノール、2,6−デカリンジメタノール、1,5−デカリンジメタノール、2,3−デカリンジメタノール、2,3−ノルボルナンジメタノール、2,5−ノルボルナンジメタノール、1,3−アダマンタンジメタノール、スピログリコール、リモネン等のテルペン化合物から誘導されるジオール化合物等の脂環式炭化水素で1級アルコールのジオール化合物等が挙げられる。
以上に挙げたジオール化合物以外にも、芳香族成分を含有するジオール化合物を用いてもよい。具体的には、レゾルシノール、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(3−メチル−4−ヒドロキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジメチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジエチルフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3−フェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−(3,5−ジフェニル)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−ヒドロキシ−3,5−ジブロモフェニル)プロパン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)エタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ブタン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−1−フェニルエタン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルメタン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)−2−エチルヘキサン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)デカン、ビス(4−ヒドロキシ−3−ニトロフェニル)メタン、3,3−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ペンタン、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、1,3−ビス(2−(4−ヒドロキシフェニル)−2−プロピル)ベンゼン、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ヘキサフルオロプロパン、1,1−ビス(4−ヒドロキシフェニル)シクロヘキサン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルホン、2,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン、ビス(4−ヒドロキシフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)スルフィド、ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジスルフィド、4,4’−ジヒドロキシジフェニルエーテル、4,4’−ジヒドロキシ−3,3’−ジクロロジフェニルエーテル等の芳香族ビスフェノール化合物;2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)プロパン、2,2−ビス(4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)プロパン、1,3−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ベンゼン、4,4’−ビス(2−ヒドロキシエトキシ)ビフェニル、ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)スルホン等の芳香族基に結合したエーテル基を有するジオール化合物;9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−ヒドロキシ−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシプロポキシ)フェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシプロポキシ)−3−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソプロピルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−イソブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−シクロヘキシルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−フェニルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3,5−ジメチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(2−ヒドロキシエトキシ)−3−tert−ブチル−6−メチルフェニル)フルオレン、9,9−ビス(4−(3−ヒドロキシ−2,2−ジメチルプロポキシ)フェニル)フルオレン等のフルオレン環を有するジオール化合物等が挙げられる。
また国際公開第2014/061677号の段落0279に記載されているオリゴフルオレンジオールは光弾性係数が低く、所望の光学特性を有しつつ、耐熱性等の諸物性を兼ね備えている点で好ましく、中でもビス(9−ヒドロキシメチルフルオレン−9−イル)メタン、1,2−ビス(9−ヒドロキシメチルフルオレン−9−イル)エタンが挙げられる。
化合物(2)以外の他のジオール化合物は、高い屈折率を得るという観点では、芳香族成分を含有するジオール化合物を含むことが好ましい。一方で、柔軟性を付与し、機械物性や溶融加工性を向上させるという観点では、芳香族成分を含有しないジオール化合物を含むことが好ましい。
化合物(2)以外の他のジオール化合物は、1種を単独で用いてもよく、2種以上を混合して用いてもよい。
[ジカルボン酸化合物・ジエステル化合物]
本実施形態の熱可塑性樹脂原料組成物で用いるジカルボン酸化合物としては、例えばテレフタル酸、フタル酸、イソフタル酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸、4,4’−ジフェニルエーテルジカルボン酸、4,4’−ベンゾフェノンジカルボン酸、4,4’−ジフェノキシエタンジカルボン酸、4,4’−ジフェニルスルホンジカルボン酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸、1,2−シクロヘキサンジカルボン酸、1,3−シクロヘキサンジカルボン酸、1,4−シクロヘキサンジカルボン酸等の脂環式ジカルボン酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼライン酸、セバシン酸等の脂肪族ジカルボン酸等を挙げることができる。
芳香族系のジカルボン酸化合物は高い屈折率を与える点で好ましい。一方、含有量が多いと成形加工性が悪くなる点で好ましくない。
脂肪族系のジカルボン酸化合物はガラス転移温度を調整して成形加工性を上げることができる点で好ましい。
上記のジカルボン酸成分は製造法に応じて、メチルエステル体、エチルエステル体、フェニルエステル体等のジエステル化合物や、ジカルボン酸ハライド等のジカルボン酸誘導体を原料とすることもできる。エステル交換法によりポリエステル樹脂を製造する場合には、メチルエステル体、エチルエステル体であることが好ましい。また、ポリエステルカーボネート樹脂を製造する場合には、好ましい炭酸エステルであるジフェニルカーボネートの共存下で重合可能なフェニルエステル体が好ましい。
国際公開第2014/061677号の段落0284に記載されているオリゴフルオレンジアリールエステルは光弾性係数が低く、所望の光学特性を有しつつ、耐熱性等の諸物性を兼ね備えている点で好ましく、中でもビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、1,2−ビス[9−(2−フェノキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]エタン、ビス[9−(2−メトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、1,2−ビス[9−(2−メトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]エタン、ビス[9−(2−エトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]メタン、1,2−ビス[9−(2−エトキシカルボニルエチル)フルオレン−9−イル]エタンは負の複屈折を有し、熱可塑性樹脂とした時に複屈折をゼロ付近に調整できる点で好ましい。
これらのジカルボン酸化合物、又はジエステル化合物は、1種を単独で用いても良く、2種以上を混合して用いてもよい。
[炭酸エステル化合物]
本実施形態の熱可塑性樹脂原料組成物で用いる炭酸エステル化合物は、ホスゲン、ジホスゲン、トリホスゲン等のホスゲン類;ジフェニルカーボネート、ジトリルカーボネート、ビス(クロロフェニル)カーボネート、m−クレジルカーボネート、ジナフチルカーネート、ビス(ビフェニル)カーボネート等の芳香族炭酸エステル化合物;炭酸ジメチル、炭酸ジエチル、エチレンカーボネート等の脂肪族炭酸エステル化合物が挙げられる。高分子量の樹脂を製造する場合、反応性の高い芳香族炭酸エステル化合物が好ましく、中でも、安価で、工業的に入手可能なジフェニルカーボネートが好ましい。また、高分子量の樹脂を製造する場合、カーボネート源としての分子量が小さく生産効率の高い脂肪族炭酸エステル化合物が好ましく、より分子量の小さい炭酸ジメチル、エチレンカーボネートがより好ましい。
これらの炭酸エステル化合物は1種でもよく2種以上を併用してもよい。
[重合触媒]
本実施形態の熱可塑性樹脂原料組成物を用いて、ポリエステル樹脂、又はポリエステルカーボネート樹脂を製造する際の重合触媒としては、例えば長周期型周期表における1族元素及び2族元素の化合物(金属化合物)からなる群から選ばれる1種以上が好適に使用される。
前記1族元素の化合物としては、例えば、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、水酸化リチウム、水酸化セシウム、炭酸水素ナトリウム、炭酸水素カリウム、炭酸水素リチウム、炭酸水素セシウム、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、炭酸リチウム、炭酸セシウム、酢酸ナトリウム、酢酸カリウム、酢酸リチウム、酢酸セシウム、ステアリン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、ステアリン酸リチウム、ステアリン酸セシウム、水素化ホウ素ナトリウム、水素化ホウ素カリウム、水素化ホウ素リチウム、水素化ホウ素セシウム、フェニル化ホウ素ナトリウム、フェニル化ホウ素カリウム、フェニル化ホウ素リチウム、フェニル化ホウ素セシウム、安息香酸ナトリウム、安息香酸カリウム、安息香酸リチウム、安息香酸セシウム、リン酸水素2ナトリウム、リン酸水素2カリウム、リン酸水素2リチウム、リン酸水素2セシウム、フェニルリン酸2ナトリウム、フェニルリン酸2カリウム、フェニルリン酸2リチウム、フェニルリン酸2セシウム、ナトリウム、カリウム、リチウム、セシウムのアルコレート、フェノレート、ビスフェノールAの2ナトリウム塩、2カリウム塩、2リチウム塩および2セシウム塩等が挙げられる。中でも重合活性と得られる熱可塑性樹脂の色相の観点から、リチウム化合物が好ましい。
前記2族元素の化合物としては、例えば、水酸化カルシウム、水酸化バリウム、水酸化マグネシウム、水酸化ストロンチウム、炭酸水素カルシウム、炭酸水素バリウム、炭酸水素マグネシウム、炭酸水素ストロンチウム、炭酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、炭酸ストロンチウム、酢酸カルシウム、酢酸バリウム、酢酸マグネシウム、酢酸ストロンチウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸バリウム、ステアリン酸マグネシウムおよびステアリン酸ストロンチウム等が挙げられる。中でもマグネシウム化合物、カルシウム化合物またはバリウム化合物が好ましく、重合活性と得られる熱可塑性樹脂の色相の観点から、マグネシウム化合物及び/又はカルシウム化合物が更に好ましく、最も好ましくはカルシウム化合物である。
前記1族元素及び2族元素の化合物からなる選ばれる1種以上と共に、補助的に、塩基性ホウ素化合物、塩基性リン化合物、塩基性アンモニウム化合物、アミン系化合物等の塩基性化合物を併用してもよい。前記1族元素及び2族元素の化合物からなる選ばれる1種以上のみを使用することが特に好ましい。
前記の塩基性リン化合物としては、例えば、トリエチルホスフィン、トリ−n−プロピルホスフィン、トリイソプロピルホスフィン、トリ−n−ブチルホスフィン、トリフェニルホスフィン、トリブチルホスフィンおよび四級ホスホニウム塩等が挙げられる。
前記の塩基性アンモニウム化合物としては、例えば、テトラメチルアンモニウムヒドロキシド、テトラエチルアンモニウムヒドロキシド、テトラプロピルアンモニウムヒドロキシド、テトラブチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルエチルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリメチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルメチルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリエチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルベンジルアンモニウムヒドロキシド、トリブチルフェニルアンモニウムヒドロキシド、テトラフェニルアンモニウムヒドロキシド、ベンジルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド、メチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシドおよびブチルトリフェニルアンモニウムヒドロキシド等が挙げられる。
前記のアミン系化合物としては、例えば、4−アミノピリジン、2−アミノピリジン、N,N−ジメチル−4−アミノピリジン、4−ジエチルアミノピリジン、2−ヒドロキシピリジン、2−メトキシピリジン、4−メトキシピリジン、2−ジメチルアミノイミダゾール、2−メトキシイミダゾール、イミダゾール、2−メルカプトイミダゾール、2−メチルイミダゾール、アミノキノリンおよびグアニジン等が挙げられる。
重合触媒の使用量は、前記1族元素及び2族元素の化合物からなる選ばれる1種以上を用いる場合、反応に用いる全ジオール化合物1モルに対して、金属換算量として、通常、0.1μmol〜100μmolの範囲内で用い、好ましくは0.5μmol〜50μmolの範囲内であり、さらに好ましくは1μmol〜25μmolの範囲内である。重合触媒の使用量が少なすぎると、所望の分子量の熱可塑性樹脂を製造するのに必要な重合活性が得られない場合がある。一方、重合触媒の使用量が多すぎると、得られる熱可塑性樹脂の色相が悪化する場合がある。また、副生成物が発生しやすく、流動性の低下やゲルの発生が多くなり、目標とする品質の熱可塑性樹脂の製造が困難になる場合がある。
中でも、長周期型周期表における2族元素及びリチウムからなる群より選ばれた少なくとも1種の金属を含む化合物を用いる場合、特にはマグネシウム化合物及びカルシウム化合物の少なくとも一方を用いる場合は、金属換算量として、前記全ジオール化合物1モル当たり、0.1μmol以上が好ましく、より好ましくは0.3μmol以上、特に好ましくは0.5μmol以上とする。また上限としては、20μmol以下が好ましく、より好ましくは10μmol以下であり、さらに好ましくは5μmol以下で、特に好ましくは3μmol以下である。
これらの使用量が少なすぎると、重合速度が遅くなるため、所望の分子量の熱可塑性樹脂を得ようとするにはその分だけ重合温度を高くせざるを得なくなる傾向がある。そのために、得られた熱可塑性樹脂の色相が悪化する可能性が高くなったり、所望の分子量に到達しない可能性がある。一方、重合触媒の使用量が多すぎると、好ましくない副反応を併発し、得られる熱可塑性樹脂の色相の悪化または成形加工時の樹脂の着色を招く可能性がある。
本実施形態の熱可塑性樹脂原料組成物を用いて、ポリカーボネート樹脂を製造する際は、例えばエステル交換反応触媒を用いる。
エステル交換反応触媒としては、テトラブトキシチタン、テトライソブトキシチタン、テトラメトキシチタン、テトライソプロポキシチタン、テトラエトキシチタン、テトラキス(2−エチルヘキシルオキシ)チタン、テトラステアリルオキシチタン、テトラフェノキシチタン、チタニウム(IV)アセチルアセトナート、チタニウム(IV)ジイソプロポキシドビス(アセチルアセトナート)等のチタン化合物;炭酸リチウム、ジブチルアミノリチウム、リチウムアセチルアセトナート、ナトリウムフェノキシド、カリウムフェノキシド等のアルカリ金属化合物;カドミウムアセチルアセトナート、炭酸カドミウム等のカドミウム化合物;ジルコニウムアセチルアセトナート、ジルコノセン等のジルコニウム化合物;硫化鉛、水酸化鉛、鉛酸塩、亜鉛酸塩、炭酸鉛、酢酸鉛、テトラブチル鉛、テトラフェニル鉛、トリフェニル鉛、ジメトキシ鉛、ジフェノキシ鉛等の鉛化合物;酢酸銅、銅ビスアセチルアセトナート、オレイン酸銅、ブチル銅、ジメトキシ銅、塩化銅等の銅化合物;水酸化鉄、炭酸鉄、トリアセトキシ鉄、トリメトキシ鉄、トリフェノキシ鉄等の鉄化合物;亜鉛ビスアセチルアセトナート、ジアセトキシ亜鉛、ジメトキシ亜鉛、ジエトキシ亜鉛、ジフェノキシ亜鉛等の亜鉛化合物;ジn−ブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジn−オクリルスズオキシド、ジn−ブチルスズジメトキシド、ジn−ブチルスズジアクリレート、ジn−ブチルスズジメタクリレート、ジn−ブチルスズジラウレート、テトラメトキシスズ、テトラフェノキシスズ、テトラブチル−1,3−ジアセトキシジスタノキサン等の有機スズ化合物;酢酸アルミニウム、アルミニウムメトキシド、アルミニウムエトキシド、アルミニウムフェノキシド等のアルミニウム化合物;二塩化バナジウム、三塩化バナジウム、四塩化バナジウム、硫酸バナジウム等のバナジウム化合物;テトラフェニルホスホニウムフェノキシド等のホスホニウム塩等が挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を併用してもよい。
これらの中で、工業的に安価であり、反応操作上の優位性があることから、ホスホニウム塩、リチウム化合物、ジルコニウム化合物、有機スズ化合物、又はチタン化合物等を用いることが好ましく、中でも有機スズ化合物又はチタン化合物が特に好ましい。
エステル交換反応触媒の使用量は、上限は特にないが、使用量が多すぎると反応後の精製負荷が大きくなる。原料である化合物(2)および化合物(2)以外のジオール化合物の合計(全ジオール化合物)に対して、通常、20モル%以下、好ましくは10モル%以下、さらに好ましくは5モル%以下である。
一方、エステル交換反応触媒の使用量が少なすぎると反応時間が長くなりすぎてしまう場合がある。下限としては、通常、原料の全ジオール化合物に対して0.1モル%以上、好ましくは0.5モル%以上、さらに好ましくは1モル%以上である。
本実施形態の熱可塑性樹脂原料組成物において、化合物(2)の含有割合は、目的の物性を与える任意の割合とすることができる。充分な屈折率が得られやすい点で、化合物(2)、ジカルボン酸化合物、ジエステル化合物、炭酸エステル化合物、及び化合物(2)以外のジオール化合物のそれぞれに由来する構成単位の合計を100モル%とした場合に、化合物(2)に由来する構成単位が5モル%以上であることが好ましく、10モル%以上がより好ましく、20モル%以上がさらに好ましい。また60モル%以下であることが好ましく、50モル%以下であることがより好ましく、40モル%以下であることがさらに好ましい。
ポリエステル樹脂製造用の熱可塑性樹脂原料組成物において、ポリエステル樹脂をレンズ等の高分子量樹脂として使用する場合には、全ジオール化合物のモル数に対し、ジカルボン酸化合物を0.90以上のモル分率で用いることが好ましく、より好ましくは0.96以上、さらに好ましくは0.98以上である。上限は、1.10以下であることが好ましく、1.05以下であることがより好ましく、1.03以下であることがさらに好ましい。
また、ポリエステル樹脂を粘接着材の屈折率調製用等に用いる場合には、比較的低い分子量としたうえで、ポリエステル樹脂をアルコール末端またはカルボン酸末端とすることが好ましい。アルコール末端とする場合には、全ジオール化合物のモル数に対し、ジカルボン酸化合物を0.60倍モル以上用いることが好ましく、より好ましくは0.70倍モル以上、さらに好ましくは0.80倍モル以上である。上限は、0.98倍モル以下であることが好ましく、0.95倍モル以下であることがより好ましく、0.90倍モル以下であることがさらに好ましい。カルボン酸末端とする場合には、全ジオール化合物のモル数に対し、ジカルボン酸化合物を1.02倍モル以上用いることが好ましく、より好ましくは1.05倍モル以上、さらに好ましくは1.10倍モル以上である。上限は、1.60倍モル以下であることが好ましく、1.40倍モル以下であることがより好ましく、1.20倍モル以下であることがさらに好ましい。ここで、エチレングリコール等、蒸留にて除去可能なジオール化合物を使用する場合は、過剰のジオールを使用して除去することが好ましい。
ポリカーボネート樹脂製造用、又はポリエステルカーボネート樹脂製造用の熱可塑性樹脂原料組成物において、炭酸エステル化合物の使用量は、上限は特にないが、全ジオール化合物に対して多すぎると反応後の精製負荷が大きくなる傾向がある。したがって、全ジオール化合物のモル数に対し、炭酸エステル化合物とジカルボン酸化合物の合計のモル数は、通常、1.10倍モル以下であり、好ましくは1.05倍モル以下、さらに好ましくは1.03倍モル以下とする。一方、炭酸エステル化合物の使用量が少なすぎると未反応のジオール化合物が残ってしまう場合があるので、下限としては、通常、全ジオール化合物に対して0.90倍モル以上、好ましくは0.96倍モル以上、さらに好ましくは0.98倍モル以上とする。この比率が前記下限値以上であると、製造された熱可塑性樹脂の良好な熱安定性が得られやすく、所望する高分子量体が得られやすい。また、この比率が前記上限値以下であると、適度な重合速度が得られやすい。ここで、炭酸ジメチルやエチレンカーボネート等、蒸留にて除去可能な炭酸エステル化合物を使用する場合は、1.10倍モル以上の炭酸エステルを使用して除去することが好ましい。
<熱可塑性樹脂(重合物)>
本実施形態の熱可塑性樹脂原料組成物の重合物(熱可塑性樹脂)は、レンズ等の透明光学部材の製造用、又は粘接着材の屈折率調製用等に好適である。
熱可塑性樹脂原料組成物の重合反応は公知の熱可塑性樹脂の製造方法を適用できる。
本実施形態の熱可塑性樹脂は、用途により好ましい分子量が異なる。レンズ等に使用する場合は、充分な強度が必要となるため、重量平均分子量で1万以上が好ましく、2万以上がより好ましく、3万以上がさらに好ましい。また、分子量が大きすぎると流動性が低下するため、重量平均分子量で30万以下が好ましく、20万以下がより好ましく、10万以下がさらに好ましい。粘接着材の屈折率調製用等に用いる場合には、一定の流動性が必要であり、数平均分子量で500以上が好ましく、800以上がより好ましく、1000以上がさらに好ましく、5000以下が好ましく、3000以下がより好ましく、2000以下がさらに好ましい。
本実施形態の重合性組成物の重合反応は公知の硬化性樹脂、又は熱可塑性樹脂の製造方法を適用できる。
本実施形態の重合性組成物の重合物は、前記化合物(1)または化合物(2)を含む重合性組成物の重合物と同様の透明光学部材の製造に好適に用いることができる。
以下に実施例を用いて本発明をさらに詳しく説明するが、本発明はこれら実施例に限定されるものではない。
<測定方法>
[化合物の屈折率の測定方法]
試料を所定濃度となるように1−メチル−2−ピロリドンに溶解して試験溶液を調製した。試験溶液は、試料濃度が10質量%、20質量%、30質量%の3種類とした。
各試験溶液の屈折率を、カルニュー精密屈折率計(島津製作所社製品名:KPR−2000)で測定した。試験溶液の温度は23℃、測定波長はヘリウムランプd線(587.6nm)とした。測定結果に基づいて、試料濃度と屈折率との相関を示す検量線を作成した。得られた検量線から、試料濃度が100質量%であるときの屈折率を求め、試料の屈折率とした。
[化合物の融点測定方法]
各試料の融点を、熱重量示差熱分析装置(セイコーインスツル社製品名:EXSTAR6000)で測定した。
[硬化性樹脂の屈折率・全光線透過率・ヘーズの測定方法]
(硬化性樹脂原料組成物の調製)
表1に示す配合で、試料と、光重合開始剤(Irgacure 184、BASF社製品名)と、3−フェノキシベンジルアクリレートと、トリメチロールプロパントリメタクリラートとを混合して、4種の硬化性樹脂原料組成物a〜dを調製した。
(硬化性樹脂(重合物)の製造)
得られた硬化性樹脂原料組成物a〜dのそれぞれについて、厚さ1mmのシリコーンシートをガスケットとして、2枚のガラス板で挟み込み、高圧水銀灯で積算光量3000mJ/cmの紫外線を照射した後、100℃で30分間加熱した。冷却後、板ガラスを除去し、直径約35mm、厚さ約1mmの硬化性樹脂a〜dを得た。
Figure 2021024842
(屈折率の測定)
上記(硬化性樹脂(重合物)の製造)で得られた4点の硬化性樹脂の屈折率を、上記屈折率計を用いて測定した。測定結果に基づいて、試料量と屈折率との相関を示す検量線を作成した。得られた検量線から、試料が硬化性樹脂(ホモポリマー)100質量%であるときの屈折率を求めた。
厚さ約1mmの硬化性樹脂の屈折率は、上記屈折率計を用いて同様に測定した。
(全光線透過率及びヘーズの測定)
直径約35mm×厚さ約1mmの硬化性樹脂の全光線透過率及びヘーズを、ヘーズメーター(スガ試験機株式会社製品名:HZ−2型)を用いて測定した。
(例1:化合物(2−1)の製造)
化合物(2a−1)と化合物(2b−1))とを反応させて化合物(2−1)を製造した。
Figure 2021024842
まず、アルゴン雰囲気下、20L四つ口フラスコに2−メルカプトベンゾチアゾール(化合物(2b−1))の587.2g(3.511モル、2.20当量)を仕込み、乾燥DMF(5L)に溶解後、撹拌しながら内温4℃まで冷却した。次いで、カリウムtert−ブトキシドの393.9g(3.511モル、2.2当量)を、内温が10℃を超えないように2時間かけて分割投入した後、内温を85℃まで昇温させた。2,2−ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール(化合物(2a−1))の418.0g(1.596モル、1.00当量)を乾燥DMF(1.3L)に溶解した溶液を、内温が90±5℃に保たれるように1時間20分かけて滴下した。次いで、内温を90±5℃に保持しながら6時間熟成した後、室温で終夜放置した。
得られた反応液に精製水(3L)を滴下し、トルエン(8.5L)で抽出した。得られた有機相を50mMのNaOH水溶液(2.5L)で2回洗浄し、精製水(2.5L)で6回洗浄した。洗浄後の有機相を濃縮して粗体を得た。得られた粗体をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製し、濃縮し、得られた粗結晶をメタノールで懸濁洗浄し、濾過して、粉体(固体)の目的化合物(357.8g)を得た。収率は51.6%であった。
H−NMR分析により得られた目的化合物が化合物(2−1)であることを確認した。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.81(d,J=8.2Hz,2H),7.75(d,J=8.0Hz,2H),7.45−7.42(m,2H),7.34−7.26(m,2H),5.46(t,J=7.4Hz,2H),3.63(s,4H),3.58(d,J=8.0Hz,4H).
得られた粉体を試料として上記の方法で化合物(2−1)の屈折率を測定したところ1.650であった。
得られた粉体を試料として上記の方法で化合物(2−1)の融点を測定したところ161℃であった。
(例2:化合物(1A−1)の製造)
例1で得られた化合物(2−1)とアクリル酸塩化物を反応させて化合物(1A−1)を製造した。
Figure 2021024842
まず、アルゴン雰囲気下、5L四つ口フラスコに化合物(2−1)の126.0g(0.2899モル)と、乾燥THF(2.5L)と、トリエチルアミン(EtN)の114mL(化合物(2−1)の1モル当たり2.82モル)を仕込み、撹拌しながら内温−5℃まで冷却した。次いで、アクリル酸塩化物の74.0g(化合物(2−1)の1モル当たり2.82モル)を、内温が−5〜6℃の範囲に保たれるように40分間かけて滴下した後、1時間20分かけて内温30℃まで昇温した。続いて、内温を30〜33℃に保持しながら、原料と中間体がほぼ消失するまで熟成した。
得られた反応液を内温5℃に冷却後、2M炭酸カリウム水溶液(450mL)を注ぎ、酢酸エチル(1.5L)で2回抽出した。有機相を精製水(2L)で3回洗浄後、芒硝により乾燥し、濾過、濃縮して粗体を得た。得られた粗体をシリカゲルクロマトグラフィーにて精製して、淡黄色粘性油状物(136.6g)を得た。収率は43.4%であった。
得られた淡黄色粘性油状物を再結晶法で精製した。具体的には、窒素雰囲気下、1L四つ口フラスコに、得られた淡黄色粘性油状物(48.3g)、エタノール(720mL)を添加し、撹拌しながら内温40℃に昇温して1時間30分撹拌した。この後、室温で終夜放置した後、内温2℃まで冷却し、濾過し、減圧乾燥して粉体を得た。得られた粉体をイソプロパノール(380mL)で洗浄し、減圧乾燥して粉体の目的化合物(37.1g)を得た。
H−NMR分析により得られた目的化合物が化合物(1A−1)であることを確認した。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ7.80(d,J=10.2Hz,2H),7.70(d,J=10.0Hz,2H),7.40−7.36(m,2H),7.29−7.25(m,2H),6.38(dd,J1=21.7Hz,J2=1.6Hz,2H),6.06(dd,J1=21.9Hz,J2=12.9Hz,2H),5.81(dd,J1=13.1Hz,J2=1.6Hz,2H),4.37(s,4H),3.84(s,4H).
本例で得られた化合物(1A−1)は白色の粉体であり、着色は見られなかった。
得られた粉体を試料として上記の方法で化合物(1A−1)の屈折率を測定したところ1.651であった。
得られた粉体を試料として上記の方法で化合物(1A−1)の融点を測定したところ66℃であった。
得られた粉体を試料として、上記の方法で硬化性樹脂を製造し、屈折率、全光線透過率及びヘーズを測定した。硬化性樹脂原料組成物から硬化性樹脂を製造した際の硬化性は良好であり、硬化性樹脂は無色透明であった。
化合物(1A−1)の重合物(硬化性樹脂)の屈折率は1.677、全光線透過率は90.1%、ヘーズは1.2%であった。
(例3:化合物(2−2)の製造)
化合物(2a−1)と化合物(2b−2)とを反応させて化合物(2−2)を製造した。
Figure 2021024842
窒素雰囲気下、化合物(2b−2)(20g、92.45mmol)、2,2−ビス(ブロモメチル)−1,3−プロパンジオール(化合物(2a−1)、12.11g、46.23mmol)、DMF(150mL)を混合した。ここにカリウムtert−ブトキシド(10.37g、92.45mmol)のDMF(50mL)溶液を75℃にて滴下後、引き続き30分間撹拌した。
反応終了後、この反応液を水(1L)中に注ぎ、酢酸エチル(500mL)で2回抽出後、飽和食塩水(1L)で洗浄、芒硝により乾燥し、濾過、濃縮した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製後、粉体の化合物(2−2)を9.7g、収率97.0%で得た。
H−NMR分析により得られた目的化合物が化合物(2−2)であることを確認した。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.31−8.29(m,2H),8.15(d,J=9.5Hz,2H),7.99−7.97(m,2H),7.53−7.50(m,6H),7.39(t,J=3.5Hz,2H),4.78(t,J=4.8Hz,2H),3.51(d,J=4.8Hz,4H),3.27(s,4H).
得られた粉体を試料として上記の方法で化合物(2−2)の屈折率を測定したところ1.688であった。
得られた粉体を試料として上記の方法で化合物(2−1)の融点を測定したところ137℃であった。
(例4:化合物(1A−2)の製造)
例3で得られた化合物(2−2)とアクリル酸塩化物を反応させて化合物(1A−2)を製造した。
Figure 2021024842
窒素雰囲気下、化合物(2−2)(12g、22.52mmol)、トリエチルアミン(11.40g、112.62mmol)、ジクロロメタン(80mL)を0℃に冷却し、混合した。ここにジクロロメタン(80mL)に溶解した塩化アクリロイル(7.14g、78.83mmol)を0〜7℃にて滴下後、引き続き2時間撹拌した。反応終了後、この反応液を水(300mL)中に注ぎ、ジクロロメタン(300mL)で3回抽出後、芒硝により乾燥し、濾過、濃縮した。得られた粗体をシリカゲルカラムクロマトグラフィーにて精製後、減圧乾燥して粉体状の化合物(1A−2)を5.24g、収率36.0%で得た。
H−NMR分析により得られた目的化合物が化合物(1A−2)であることを確認した。
H−NMR(400MHz,CDCl)δ8.07(d,J=8.8Hz,2H),7.95(d,J=7.6Hz,2H),7.82(d,J=7.6Hz,2H),7.50−7.46 (m,6H),7.30(t,J=7.6Hz,2H),6.17(d,J=17.2Hz,2H),5.87−5.80(dd,J1=17.2Hz,J2=10.4Hz,2H),5.63(d,J=10.8Hz,2H),4.25(s,4H),3.37(s,4H).
本例で得られた化合物(1A−2)は白色の粉体であり、着色は見られなかった。
得られた粉体を試料として上記の方法で化合物(1A−2)の屈折率を測定したところ1.651であった。
得られた粉体を試料として上記の方法で化合物(1A−2)の融点を測定したところ52℃であった。
得られた粉体を試料として、上記の方法で硬化性樹脂を製造し、屈折率、全光線透過率及びヘーズを測定した。硬化性樹脂原料組成物から硬化性樹脂を製造した際の硬化性は良好であり、硬化性樹脂は無色透明であった。
化合物(1A−2)の重合物(硬化性樹脂)の屈折率は1.702、全光線透過率は90.6%、ヘーズは6.0%であった。
(例5:硬化性樹脂原料組成物の重合物の製造)
冷却器を備えた反応容器に、化合物(1A−1)の20質量部、9,9−ビス(4−アクリロイルオキシエトキシフェニル)フルオレン(新中村化学工業製品名:NKエステルA−BPEF)の58質量部、ベンジルメタクリレート(三菱ケミカル製品名:アクリエステルBZ)の2質量部、トリメチロールプロパントリメタクリレートの20質量部、酸化防止剤としてIRGANOX1076(BASF社製品名)の0.5質量部、重合禁止剤としてBHT(本州化学社製品名:H−BHT))の0.05質量部、光重合開始剤としてイルガキュア184(BASF社製品名)の2質量部)を加え、70℃で2時間撹拌することで、硬化性樹脂原料組成物を得た。
得られた硬化性樹脂原料組成物を、1mm厚のシリコーンシートをガスケットとして、2枚のガラス板で密閉した後、高圧水銀灯(積算光量:3,000mJ/cm)で光硬化させた。さらに、130℃で30分間加熱した後、ガラス板を除去して1mm厚の重合物を得た。
上記ヘーズメーターを用いて測定した結果、得られた重合物の全光線透過率は90.4%、ヘーズは1.1%であった。
上記屈折率計を用いて測定した結果、得られた重合物の屈折率は1.6077であった。

Claims (10)

  1. 下記式(1)で表される化合物。
    Figure 2021024842
    [式中、A、Aは、それぞれ独立して重合性基を表し、Cy、Cyは、それぞれ独立して置換基を有してもよい含硫黄芳香族複素環を表し、Q、Q、Q、Qは、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表し、X、X、X、Xは、それぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、有機基が結合していてもよい窒素原子を表し、Z、Z、Z、Zは、それぞれ独立して2価の有機基を表し、n1、n2、n3、n4は、それぞれ独立して0又は1〜3の整数を表す。]
  2. 前記A、Aが、それぞれ独立して(メタ)アクリロイル基を表し、前記Cy、Cyが、それぞれ独立して置換基を有してもよいベンゾチアゾール環、置換基を有してもよいジベンゾチオフェン環、又は置換基を有してもよいベンゾチオフェン環を表す、請求項1に記載の化合物。
  3. 請求項1又は2に記載の化合物及び重合開始剤を含む重合性組成物。
  4. 請求項3に記載の重合性組成物の重合物。
  5. 下記式(2)で表される化合物。
    Figure 2021024842
    [式中、Cy、Cyは、それぞれ独立して置換基を有してもよい含硫黄芳香族複素環を表し、Q、Q、Q、Qは、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表し、X、X、X、Xは、それぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、有機基が結合していてもよい窒素原子を表し、Z、Z、Z、Zは、それぞれ独立して2価の有機基を表し、n1、n2、n3、n4は、それぞれ独立して0又は1〜3の整数を表す。]
  6. 前記Cy、Cyが、それぞれ独立して置換基を有してもよいベンゾチアゾール環、置換基を有してもよいジベンゾチオフェン環、又は置換基を有してもよいベンゾチオフェン環を表す、請求項5に記載の化合物。
  7. 請求項5又は6に記載の化合物と、ジカルボン酸化合物、ジエステル化合物、又は炭酸エステル化合物と、重合触媒とを含む重合性組成物。
  8. 請求項7に記載の重合性組成物の重合物。
  9. 下記式(2)で表される化合物と、(メタ)アクリレート化剤とを反応させて、下記式(1A)で表される化合物を得る、化合物の製造方法。
    Figure 2021024842
    [式中、Cy、Cyは、それぞれ独立して置換基を有してもよい含硫黄芳香族複素環を表し、Q、Q、Q、Qは、それぞれ独立して炭素数1〜6のアルキレン基を表し、X、X、X、Xは、それぞれ独立して酸素原子、硫黄原子、有機基が結合していてもよい窒素原子を表し、Z、Z、Z、Zは、それぞれ独立して2価の有機基を表し、n1、n2、n3、n4は、それぞれ独立して0又は1〜3の整数を表す。]
    Figure 2021024842
    [式中、A、Aは、それぞれ独立して(メタ)アクリロイル基を表し、Q、Q、Q、Q、Cy、Cy、X、X、X、X、Z、Z、Z、Z、n1、n2、n3、n4は、式(2)と同じである。]
  10. 前記式(2)で表される化合物と前記(メタ)アクリレート化剤との反応物を、再結晶法により精製する、請求項9に記載の製造方法。
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