JP2014043565A - (メタ)アクリレート化合物、光学用組成物、成形体および光学素子 - Google Patents

(メタ)アクリレート化合物、光学用組成物、成形体および光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】屈折率の分散特性及び2次分散特性が高く、かつ複屈折率が低い色収差補正機能の高い特性を有する成形体、光学素子および前記成形体を得るための光学用組成物を提供する。
【解決手段】少なくとも式(1)で示される(メタ)アクリレート化合物と、重合開始剤を含有する光学用組成物、前記光学用組成物の重合体を成形してなる成形体及びそれを用いた光学素子。
Figure 2014043565

,Zは酸素・硫黄で結合したアルキル基と結合した(メタ)アクリル基である。
【選択図】図2

Description

本発明は、(メタ)アクリレート化合物、光学用組成物、成形体および光学素子に関し、特に特異な光学特性を有する(メタ)アクリレート化合物、それを用いた光学用組成物、成形体及び光学素子に関する。
一般に、硝材(ガラス材料)や有機樹脂等からなる光学材料は、短波長側になるにつれ徐々にその屈折率が高くなる。この屈折率の波長分散性を表す指標として、アッベ数(ν)や2次分散特性(θg,F)等が挙げられる。このアッペ数やθg,F値は、それぞれの光学材料特有の値であるが、多くの場合、ある一定の範囲内に収まっている。図1は、従来の光学材料(硝子材及び有機樹脂)の2次分散特性とアッベ数との関係を示す図である。
尚、アッベ数(ν)、2次分散特性(θg,F)は以下の式で表される。アッベ数[ν]=(n−1)/(n−n)2次分散特性[θg,F]=(n−n)/(n−n)(nは波長587.6nmでの屈折率であり、nは波長486.1nmでの屈折率であり、nは波長656.3nmでの屈折率である、nは波長435.8nmでの屈折率である。)
一般に、屈折光学系においては、分散特性の異なる硝材を適宜組み合わせることによって色収差を減らすことは可能である。例えば、望遠鏡等の対物レンズでは分散の小さい硝材を正レンズ、分散の大きい硝材を負レンズとして、これらを組み合わせて用いることで軸上に現れる色収差を補正している。ただし、レンズの構成、枚数が制限される場合や使用される硝材が限られている場合等では、色収差を十分に補正することが非常に困難となる場合がある。このような課題を解決する方法の一つとして、異常分散特性を有するガラス材料を活用する方法があり、この方法を利用した光学素子類の設計が行われている。
また、色収差補正機能に優れ、その形状が非球面形状等である光学素子を製造する場合、硝材を材料として用いるより、球面ガラス等の上に有機樹脂を成形する等の方が量産性や成形性、形状の自由度、軽量性に優れるという利点がある。しかし、従来の有機樹脂の光学特性は、図1に示すように限られた一定の範囲内(2次分散特性[θg,F]が0.700以下)に収まっており、特異な分散特性を示す有機樹脂は非常に少ない。
さらに、特異な分散特性を示す有機物の多くは、二重結合やベンゼン環等で共役構造を構築しているため、分子の剛直性や配向性が増加し、融点の上昇や複屈折率の増加等の弊害が発生する可能性が高い。融点の高い材料や分子配向による複屈折率の多い材料を成形する場合、材料を加熱して結晶の溶融及び配向の崩しをしてから成形を行う必要がある。しかし、重合性の化合物を加熱するとポットライフの短縮が懸念されるため、特異な分散特性を示しかつ出来るだけ加熱せずに成形できる材料が求められている。
また、複屈折率が大きい材料を撮像系の光学素子に使用すると、結像位置が大きくずれるためクリアな像が得られ難くなる。そのため、特異な分散特性を示しかつ複屈折率の小さい材料が求められている。推奨される複屈折の大きさは用いる光学系や光学系を組み込む位置によりそれぞれ異なるが、複屈折率が0.001より小さくなると適用できる光学系の範囲が広がる。
以上のような背景の中、特許文献1では、図1のAで示される有機樹脂であるスルホン(メタ)アクリレートが、汎用の有機樹脂材料よりも高い2次分散特性(高θg,F特性)を有していることが提案されている。
また、特許文献2では複屈折率を低減するために、分岐状の分子構造を導入することを提案されている。
US2011/0288330 特開2011−178985号公報
しかしながら、特許文献1にて提案された材料は、θg,F値は高いもののいずれも複屈折率が0.001以上である。さらに特許文献2にて提案された材料は、複屈折率の低減効果はあるものの透過率が低い。
本発明は、以上に述べた背景技術に鑑みてなされたものであり、屈折率の分散特性(アッペ数(ν))及び2次分散特性(θg,F)が高く、かつ複屈折率が低い色収差補正機能の高い特性を有する成形体およびそれを用いた光学素子を提供するものである。また、本発明は、前記成形体を得るための(メタ)アクリレート化合物および光学用組成物を提供するものである。
本発明は、少なくとも下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート化合物に関する。
Figure 2014043565
(式中、a及びbはそれぞれ1又は2の整数であり、X及びYはそれぞれ−S−又は−O−であり、R及びRはそれぞれ炭素数1又は2のアルキル基又は水素原子である。Z及びZは、それぞれ下記一般式(2)で示される置換基を有する炭素数1又は2のアルキル基である。
Figure 2014043565
式中、mは0、1より選ばれる。Wは水素原子又はメチル基であり、Vは下記に示す置換基より選ばれる。
*−O−C2n−O−**、
*−S−C2n−S−**、
*−S−C2n−O−**、
*はアルキル基との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。nは2、3、4より選ばれる。−C2n−の少なくとも1つの水素原子はメチル基で置換されている。)
また、本発明は、上記の(メタ)アクリレート化合物と重合開始剤を有する光学用組成物に関する。
また、本発明は、上記の光学用組成物の重合体を成形してなる成形体に関する。
また、本発明は、上記の成形体を有する光学素子に関する。
本発明によれば、屈折率の分散特性(アッペ数(ν))及び2次分散特性(θg,F)が高く、かつ複屈折率が低い色収差補正機能の高い特性を有する成形体およびそれを用いた光学素子を提供することができる。また、本発明は、前記成形体を得るための(メタ)アクリレート化合物およびそれを用いた光学用組成物を提供することができる。
このため、本発明の成形体を有する光学素子は、効率良く色収差を取り除くことができる。従って、本発明によれば、光学系をより軽量短小化することができる。
従来の光学材料の2次分散特性とアッベ数との関係を示すグラフである。 本発明の光学素子の例を示す概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず本発明の(メタ)アクリレート化合物および光学用組成物について説明する。
本発明に係る光学用組成物は、少なくとも下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート化合物と、重合開始剤を含有することを特徴とする。
Figure 2014043565
式(1)において、a及びbはそれぞれ1又は2の整数であり、aが2のとき2つのZは、同じであってもよいし異なっていてもよい。またbが2のとき2つのZは、同じであってもよいし異なっていてもよい。合成のし易さを考慮すると、a及びbは、それぞれ1であることが好ましい。
X及びYは、電子供与性の元素にすることで、化合物の共役構造の状態が良くなり、光学特性が図1のB領域に入るようになる。また、合成上の容易さや化合物の安定性を考慮するとX及びYはそれぞれ−S−又は−O−である。好ましくは、原料調達の容易さを考慮するとX及びYはそれぞれ−O−である。また、合成上の容易さを考慮するとX及びYは同一であることが好ましい。
及びRは、光学特性が劣化しない置換基であれば特に制限はない。好ましくは、光学特性の劣化を抑えるためそれぞれ炭素数1又は2のアルキル基又は水素原子である。好ましくは炭素数1又は2のアルキル基である。炭素数1又は2のアルキル基としては、メチル基又はエチル基である。またR及びRは、同一であっても良いし異なっていても良い。合成上の容易さを考慮すると同一であることが望ましい。
及びZは、それぞれ下記一般式(2)で示される置換基を有する炭素数1又は2のアルキル基である。前記置換基としてはアルコキシ基、アルキルチオ基等である。複屈折率の低減や合成のしやすさを考慮すると前記置換基を有する炭素数1又は2のアルキル基は、下記一般式(2)で示される置換基である。ここで、(メタ)アクリロイル基は前記化合物の後述する使用形態によりなくても構わない。無い場合は、Vの**結合手が水素原子となる。
Figure 2014043565
及びZは、同一であっても良いし異なっていても良い。合成上の容易さを考慮すると同一であることが望ましい。式中、mは化合物の特性を劣化させないものであれば特に制限はない。原料入手の容易さを考慮するとmは0、1より選ばれる一つであることが望ましい。より好ましくはmは0である。Wは前記化合物の特性や重合反応の反応性を劣化させないものであれば特に制限はない。好ましくは、Wは重合反応の反応性及び原料調達の容易さを考慮すると、Wは水素原子又はメチル基である。
Vは、前記光学用組成物からなる成形体の複屈折率を小さくするために、少なくとも一つの分岐点を有する置換基であることが望ましい。分岐点を有することで分岐点のない化合物よりも分子配向を抑制でき、複屈折率を小さくすることが可能になる。好ましくは、得られる成形体の光学特性の劣化を抑制するために、Vは下記に示す置換基から選択される置換基である。
*−O−C2n−O−**、
*−S−C2n−S−**、
*−S−C2n−O−**、
*はアルキル基との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。nは2、3、4より選ばれる。−C2n−の少なくとも1つの水素原子はメチル基で置換されている。水素原子と置換されているメチル基の数は、光学特性の劣化を抑制するために1から2が好ましい。
Vは下記に示す置換基は、原料調達や合成上の容易さを考慮すると下記に示される置換基が好ましい。
*−O−C2n−O−**
より好ましくは、−O−CH(CH)−CH−O−、−O−CH−CH(CH)−O−、−O−CH−CH(CH)−CH−O−、−O−CH−C(CH−CH−O−が挙げられる。
本発明における一般式(1)で示される(メタ)アクリレート化合物の好ましい一実施態様は、X及びYはそれぞれ−S−又は−O−であり、R及びRはそれぞれ炭素数1又は2のアルキル基であり、Z及びZはそれぞれ前記一般式(2)で示される置換基を有する炭素数1又は2のアルキル基である化合物が好ましい。
本発明における一般式(1)で示される(メタ)アクリレート化合物の好ましい他の実施態様は、X及びYは−O−であり、R及びRはそれぞれ炭素数1又は2のアルキル基であり、Z及びZはそれぞれ前記一般式(2)で示される置換基を有する炭素数1又は2のアルキル基である化合物が好ましい。
分岐点の数が多くなると必然的に化合物の分子量が増加し光学特性が図1のB領域に入らなくなるため一般式(2)中のVが望ましい。また、一般式(1)のR及びRに分岐構造を導入することでも同様の複屈折率低減効果が期待されるが、前記化合物は分子の剛直性が非常に高く化合物の軸方向に分岐構造を導入しても複屈折率の低減効果は少ない。逆に、少ない分岐点では化合物の配向性を促進する可能性もあるため、Z及びZに一般式(2)で示した分岐構造を導入することが前記光学用組成物を成形してなる成形体の複屈折率低減に効果的である。
次に、本発明における一般式(1)で示される(メタ)アクリレート化合物の製造方法について一例を挙げて説明する。本発明に係る(メタ)アクリレート化合物は、その製造ルートについては特に限定されず、どの様な製造方法でも採用することが可能である。ただし少なくとも下記(a)及び(b)、(c)の合成工程が含まれる。
(a)芳香環(ベンゼン環)同士の結合の形成反応
(b)エーテル(チオエーテル)化反応
(c)(メタ)アクリレート化反応
合成のしやすさ等を考慮すると、上記合成工程は、(a)、(b)、(c)の順番で行われる。
合成工程(a)においては、芳香族化合物が有する官能基の種類によって変更可能である。例えば、遷移金属触媒によるカップリング反応やハロゲン化物同士の酸化的カップリング反応、芳香環上での置換反応等である。尚、反応の収率を考慮すると遷移金属触媒によるカップリング反応が望ましい。
遷移金属触媒によるカップリング反応は、任意に選択する事が可能である。代表的な方法としては、ホウ酸等を利用する鈴木カップリング、有機スズを利用するスティルカップリング、有機亜鉛を利用する根岸カップリング等が好適に用いられる。
合成工程(b)において、エーテル化反応の代表的な方法としては、水酸基を水素化ナトリウムや水酸化カリウム等で塩にした後、対応するハロゲン化物を添加するウィリアムソンエーテル合成法等である。
一方、チオエーテル化反応は、チオール基生成反応と、チオール基とハロゲン化物との反応と、により行われる。ここでチオール基生成反応は、例えば、水酸基を求核置換反応に対して活性がある置換基(TsO−、Cl−、CFS(=O)−O−等)に変換した後、硫化イオン(S2−)を用いた求核置換反応を行うことにより達成される。またチオール基とハロゲン化物との反応においては、上述したウィリアムソンエーテル合成法等を応用することができる。
合成工程(c)において、代表的な方法としては、(メタ)アクリル酸ハライドや(メタ)アクリル酸無水物を使用して水酸基をエステル化する方法、(メタ)アクリル酸の低級アルコールのエステルを使用するエステル交換反応、N,N‘−ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤を使用して(メタ)アクリル酸と該ジオールとを脱水縮合させる直接エステル化反応、(メタ)アクリル酸と該ジオールを硫酸等の脱水剤存在下で加熱する方法等が好適に用いられる。
また、反応時や保存時に重合が進行しないように重合禁止剤を必要に応じて使用してもよい。重合禁止剤の例としては、p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、2,5−ジフェニルパラベンゾキノン等のヒドロキノン類、テトラメチルピペリジニル−N−オキシラジカル(TEMPO)等のN−オキシラジカル類、t−ブチルカテコール等の置換カテコール類、フェノチアジン、ジフェニルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン等のアミン類、ニトロソベンゼン、ピクリン酸、分子状酸素、硫黄、塩化銅(II)等を挙げることができる。この中でもヒドロキノン類、フェノチアジン及びN−オキシラジカル類が汎用性かつ重合抑制の点で好ましい。
重合禁止剤の使用量は、前記(メタ)アクリレート化合物に対して、下限が、通常10ppm以上、好ましくは50ppm以上であり、上限が、通常10000ppm以下、好ましくは5000ppm以下である。少なすぎる場合は、重合禁止剤としての効果が発現しないか効果が小さく、反応時や後処理工程での濃縮時に重合が進行する危険性があり、多すぎる場合には、例えば、後述する成形体を製造する際の不純物となり、また、重合反応性を阻害する等の悪影響を及ぼす危険性があり好ましくない。
次に、本発明の少なくとも前記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート化合物と、重合開始剤を含有する光学用組成物を成形してなる成形体の特徴について説明する。
本発明者らは、従来よりも高い色収差補正機能を光学素子に付与するためには、光学素子の材料特性として、下記(i)〜(iii)を充足することが光学設計上、極めて有効であることに着目した。
(i)可視光領域内の透過率が高いこと
(ii)2次分散特性(θg,F)が汎用の材料から外れて、より大きい特性(高θg,F特性)であること
(iii)複屈折率が0.001より少ないこと
具体的には、500μm内部透過率が410nmで90%以上の特性である。具体的には、図1にて示される、アッベ数(ν)と2次分散特性(θg,F)との関係が硝材若しくは有機樹脂の汎用材料のプロットからずれているBのエリアである。ここでBエリアの特性は、ν<25、θg,F>0.70である。具体的には、可視光領域の複屈折率が0.001より少ないことである。
本発明者等は、図1に示されるBエリアの特性を満たす材料について鋭意検討を重ねた結果、共役可能な電子吸引性置換基と電子供与性置換基を少なくとも一つずつ有する長い共役構造の芳香族化合物が、屈折率の分散特性(アッペ数(ν))が高く、かつ2次分散特性(θg,F)が高い(高θg,F特性)、色収差補正機能の高い特性と実用性を兼ね備えた材料になることを見出した。また、化合物の軸方向では無く軸方向から外れた位置に分岐構造を導入することに複屈折率の低減効果があることを見出した。即ち、本発明者らは、下記一般式(1)及び一般式(2)で示される部分構造を基本骨格とする化合物を見出した。
Figure 2014043565
Figure 2014043565
一般に、芳香族化合物に代表される長い共役構造を有する化合物は、汎用材料よりもバンドギャップが小さいため、紫外領域の吸収端が可視光領域側にシフトしている。その影響により、長い共役構造を有する化合物は、高屈折率特性を有するようになる。この高屈折率特性は、短波長側により影響を与えるため、必然的に2次分散特性(θg、F)が高くなって化合物の特性が図1に示されるBエリア内に収まるようになる。しかし、単純に芳香族化合物を連結させて長い共役構造を構築するだけでは実用性のある材料は得られない。例えば、大きな芳香族化合物は、合成性や他の化合物との相溶性、着色の点において課題が残る。そのため、前記共役可能な電子吸引性置換基と電子供与性置換基を少なくとも一つずつ有する長い共役構造の芳香族化合物が望ましい。
このように、屈折率特性や2次分散特性を高くするという観点からすれば、化合物の共役長は長ければ長い方がよい。しかし、共役構造が長くなり過ぎると可視光領域の短波長側での透過率が低下するため、光学材料という用途を考慮する場合には、共役構造の長さを調整する必要がある。ここで、一般式(1)で示される部分構造においては、透過率及び屈折率特性が良好になる程度の共役長を有している。
また、化合物の複屈折率を小さくする方法として、分子の配向性を崩すために化合物に分岐構造を導入してその部分を嵩高くする方法やフルオレンのようにベンゼン環を分子構造的に直交させる方法が一般的である。しかし、単純に分岐構造や嵩高い構造を分子に導入するだけでは期待する複屈折率低減効果が得られない場合もある。ここで、一般式(1)のZ及びZに一般式(2)で示される部分構造を導入したことが、効果的に分子配向を崩し複屈折率低減に効いている。
ところで共役可能な電子吸引性置換基としては、スルホン、ケトン、イミン、オキシム、ニトリル、ニトロ、エステル等が挙げられる。ここで生成物の長期安定性を考慮すると、好ましくは、スルホン、ケトン、ニトリル、エステルであり、より好ましくはスルホンである。このため、本発明の光学用組成物を成形してなる成形体には、一般式(1)で示されるようなスルホン骨格を有する化合物を少なくとも含んでいる。
また共役可能な電子供与性置換基としては、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキル基、アミノ基、アルキルアミノ基、ジアルキルアミノ基、カルボニルオキシ基等である。好ましくは、ヒドロキシル基、メルカプト基、アルコキシ基、アルキルチオ基、アルキル基、カルボニルオキシ基である。ただし、置換基の分子量が大きくなり過ぎると高い2次分散特性(θg、F)が得られなくなる。このため、置換基としては、炭素数が0乃至10の置換基が望ましい。合成のし易さという観点からすれば、好ましくは、炭素数1又は2の置換基である。本発明においては、特に好ましい置換基であるヒドロキシル基、メルカプト基、炭素数1又は2のアルコキシ基及び炭素数1又は2のアルキルチオ基が選択されている。
また、一般式(1)中に示されているH(水素原子)は、共役構造を調整するために必要であり、その他の置換基では当該置換基の立体障害に起因する芳香環同士のねじれによる共役の切断が起こり、特性が発現しない場合がある。
次に、本発明に係る成形体について説明する。
本発明に係る成形体は、上記の光学用組成物の重合体を成形してなることを特徴とする。
本発明の成形体は、下記(A)乃至(C)に大別される。
(A)本発明における(メタ)アクリレート化合物を重合させてなる成形体
(B)本発明における(メタ)アクリレート化合物と他の化合物とを共重合させてなる成形体
(C)本発明における(メタ)アクリレート化合物をマトリックスポリマーに分散させてなる成形体
ここで、本発明における(メタ)アクリレート化合物のうち、(メタ)アクリロイル基を有していない化合物は(C)の形態で用いられる。一方、本発明における(メタ)アクリレート化合物のうち、(メタ)アクリロイル基を有している化合物は(A)乃至(C)のいずれの形態においても利用可能であるが、専ら(A)又は(B)の形態で用いられる。
本発明における(メタ)アクリレート化合物を(A)の形態で用いる場合、本発明の成形体は、本発明における(メタ)アクリレート化合物と、重合開始剤とを含有する光学用組成物から作製される。尚、この光学用組成物には、必要に応じて重合禁止剤、光増感剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤等をさらに含有させてもよい。
重合開始剤には、光照射によりラジカル種を発生するものやカチオン種を発生するもの、熱によりラジカル種を発生するもの等が挙げられるがこれらに限定されない。
光照射によりラジカル種を発生する重合開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイド、4−フェニルベンゾフェノン、4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジフェニルベンゾフェノン、4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン等であるがこれらに限定されない。
また、光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤としては、ヨードニウム(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロフォスフェートが好適な重合開始剤として挙げられるがこれに限定されない。
さらに、熱によりラジカル種を発生する重合開始剤としては、アゾビソイソブチルニトリル(AIBN)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、t−ブチルパーオキシピバレート、t―ブチルパーオキシネオヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシネオヘキサノエート、t―ブチルパーオキシネオデカノエート、t−ヘキシルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオデカノエート等の過酸化物が挙げられるがこれらに限定されない。
重合禁止剤には、4−メトキシフェノール等のメトキノン系、(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のフェノール系が挙げられるがこれらに限定されない。但し、ヒドロキノン等のヒドロキノン系、ベンゾキノン等のベンゾキノン系は、UV照射で黄変することがあるため好適ではない。
重合禁止剤には、反応時や保存時の重合抑制剤として上述したものが挙げられるがそれらに限定されない。添加量は、前記光学用組成物の0.01質量%以上1.00質量%以下の範囲が好ましい。
光増感剤にはベンゾフェノン、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、アシルフォスフィンオキサイド等が挙げられるが、これらに限定されない。
耐光安定剤には成形体の光学特性に大きな影響を及ぼさないものであれば特に制限は無く、2−(2H−ベンゾトリアゾールー2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾールー2−イル)−4,6−ビス(1−メチルー1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾールー2−イル]−4−メチルー6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾールー2−イル)−4,6−ジーtert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾールー2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2,2‘−メチルレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾールー2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾールー2−イル)−6−ドデシルー4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系材料、2−シアノー3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノー3,3−ジフェニルアクリル酸 2−エチルヘキシル等のシアノアクリレート系材料、トリアジン系材料、オクタベンゾン、2,2’−4,4‘−テトラヒドロベンゾフェノン等のベンゾフェノン系材料等である。
耐熱安定剤には成形体の光学特性に大きな影響を及ぼさないものであれば特に制限は無く、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジーtert−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、オクタデシルー3−(3,5−ジ−tert−ブチルー4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、ベンゼンプロパン酸 3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシ、C7−C9側鎖アルキルエステル、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等のヒンダードフェノール系材料、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)フォスファイト等のリン系材料、ジオクタデシル3,3‘−チオジプロピオネート等のイオウ系材料等である。
酸化防止剤には成形体の光学特性に大きな影響を及ぼさないものであれば特に制限は無く、ビス(2,2,6,6−テトラメチルー4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチルー4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート等のヒンダードアミン系材料等である。
本発明の成形体において、本発明の(メタ)アクリレート化合物を(B)の形態で用いる場合、本発明の(メタ)アクリレート化合物の含有量は、望ましくは1.0質量%以上99質量%以下であり、50質量%以上99質量%以下が好ましい。
本発明の成形体は、本発明の(メタ)アクリレート化合物と、本発明の(メタ)アクリレート化合物と共重合可能な材料とからなる光学用組成物から作製される。尚、この光学用組成物には、必要に応じて重合禁止剤、光増感剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤等をさらに含有させてもよい。
共重合可能な材料としては、例えば(メタ)アクリル系モノマーが挙げられるが、特に制限はない。例えば、1,3−アダマンタンジオールジメタクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、2(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシ)フェニル]フルオレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ブチキシエチルアクリレート、ブトキシメチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリシジルアクリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールFジアクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、1,1−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)スルホン、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、メチルチオアクリレート、メチルチオメタクリレート、フェニルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート、キシリレンジチオールジアクリレート、キシリレンジチオールジメタクリレート、メルカプトエチルスルフィドジアクリレート、メルカプトエチルスルフィドジメタクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等のアリル化合物、スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベンゼン、3,9−ジビニルスピロビ(m−ジオキサン)等のビニル化合物、ジイソプロペニルベンゼン等が挙げられる。ただし本発明はこれらに限定されない。
共重合可能な材料の添加量は、前記光学用組成物の0.1質量%以上80.00質量%以下の範囲が好ましい。得られる成形体のθg,Fや透過率特性を考慮すると好ましくは0.1質量%以上30.00質量%以下である。
本発明の光学用組成物に含有される重合開始剤の添加量は、重合可能な成分に対して0.01質量%以上10.00質量%以下の範囲が好ましい。尚、重合開始剤は樹脂の反応性、光照射の波長によって上述の1種類のみで使用することもできるし、上述の2種類以上を併用して使用することもできる。尚、重合可能な樹脂成分に対する重合開始剤の添加比率は、光照射量、さらには、付加的な加熱温度に応じて適宜選択することができる。また、得られる重合体の目標とする平均分子量に応じて、調整することもできる。
本発明の光学用組成物に含有される重合禁止剤としては、上述した重合禁止剤が挙げられる。添加量は、前記光学用組成物の0.01質量%以上10.00質量%以下の範囲が好ましい。
光として紫外線等を照射して重合を開始させる場合には、公知の増感剤等を使用することもできる。光増感剤の代表的なものとしては、上述の通りである。本発明の光学用組成物に含有される光増感剤の添加量は、前記光学用組成物の0.01質量%以上10.00質量%以下の範囲が好ましい。
本発明の光学用組成物に含有される耐光安定剤としては、上述した耐光安定剤が挙げられる。添加量は、前記光学用組成物の0.01質量%以上10.00質量%以下の範囲が好ましい。
本発明の光学用組成物に含有される耐熱安定剤としては、上述した耐熱安定剤が挙げられる。添加量は、前記光学用組成物の0.01質量%以上10.00質量%以下の範囲が好ましい。
本発明の光学用組成物に含有される酸化防止剤としては、上述した酸化防止剤が挙げられる。添加量は、前記光学用組成物の0.01質量%以上10.00質量%以下の範囲が好ましい。
本発明の成形体において、本発明の(メタ)アクリレート化合物を(C)の形態で用いる場合、本発明の光学用組成物に含有される(メタ)アクリレート化合物の含有量は、望ましくは1.0質量%以上99質量%以下であり、得られる成形体のθg,Fや透過率、複屈折率、また本発明の(メタ)アクリレート化合物とマトリックスポリマーとの相溶性を考慮すると1.0質量%以上50質量%以下が好ましい。
本発明の成形体は、本発明の(メタ)アクリレート化合物と、マトリックスポリマーとからなる光学用組成物から作製される。尚、この光学用組成物には、必要に応じて重合禁止剤、光増感剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤等をさらに含有させてもよい。
マトリックスポリマーとしては、(メタ)アクリル系ポリマー;アリル系ポリマー;エチレン単独重合体、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等の1種又は2種以上のα−オレフィンとのランダム又はブロック共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルとの1種又は2種以上のランダム又はブロック共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレンとプロピレン以外の1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等の1種又は2種以上のα−オレフィンとのランダム又はブロック共重合体、1−ブテン単独重合体、アイオノマー樹脂、さらにこれら重合体の混合物等のポリオレフィン系樹脂;石油樹脂、テルペン樹脂等の炭化水素原子系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン6/66、ナイロン66/610、ナイロンMXD等ポリアミド系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル等のスチレン,アクリロニトリル系樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリケトン樹脂;ポリメチレンオキシド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂等が挙げられるがこれらに限定されない。これらの樹脂は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。またこれらマトリックスポリマーは、本発明の光学材料用有機化合物との相溶性を考慮した上で適宜選択される。
次に、本発明の光学素子について図を参照しながら説明する。
本発明の光学素子は、上記の成形体を有することを特徴とする。本明細書において、光学素子には、ミラー、レンズ、プリズムおよびフィルタを含む。また、本発明の光学素子は、レンズに用いることが好ましい。図2は、本発明の光学素子の例を示す概略図である。図2(a)の光学素子は、前記光学用組成物を成形加工してなる薄膜(光学部材10)がレンズ基板20の片方の面上に設けられている。図2(a)の光学素子を作製する方法としては、例えば、光透過性材料からなる基板上に膜厚の薄い層構造を形成する方法が採用される。具体的には、金属材料からなる型をガラス基板から一定の距離を置いて設け、この型とガラス基板との間にある空隙に流動性の光学用組成物を充填してから、軽く抑えることで、型成形を行う。そして必要に応じてその状態に保ったまま該光学用組成物の重合を行う。かかる重合反応に供する光照射は、光重合開始剤を用いたラジカル生成に起因する機構に対応して、好適な波長の光、通常、紫外光もしくは可視光を用いて行う。例えば、前記基板として利用する光透過性材料、具体的にはガラス基板を介して、成形されている光学用組成物のモノマー等の原料に対して、均一に光照射を実施する。照射される光量は、光重合開始剤を利用したラジカル生成に起因する機構に応じて、また、含有される光重合開始剤の含有比率に応じて、適宜選択される。
一方、かかる光重合反応による光学用組成物の成形体の作製においては、照射される光が型上に塗布されているモノマー等の原料の全体に均一に照射されることがより好ましい。従って、利用される光照射は、基板に利用する光透過性材料、例えばガラス基板を介して、均一に行うことが可能な波長の光を選択することが一層好ましい。この際、光透過性材料の基板上に形成する光学材料の成形体の厚さを薄くすることは、本発明にはより好適である。
一方、図2(b)の光学素子は、前記光学用組成物を成形加工してなる薄膜(光学部材10)がレンズ基板30とレンズ基板40との間に設けられている。図2(b)の光学素子を作製する方法としては、例えば、前述した成形体の光学用組成物の面と、対応する別のレンズの両者の間に、同様の未硬化の樹脂組成物等を流し込み、軽く抑えることで成形を行う。そしてこの状態に保ったまま未硬化の樹脂組成物の光重合を行う。それにより前記光学用組成物がレンズに挟まれた成形体を得ることができる。
同様に、熱重合法により成形体の作製を行うこともできる。この場合、全体の温度をより均一とすることが望ましく、光透過性材料の基板上に形成する重合性組成物の成形体の総厚を薄くすることは、本発明にはより好適なものとなる。また形成する光学用組成物の成形体の総厚を厚くする場合には、より膜厚、樹脂成分の吸収、微粒子成分の吸収を考慮した照射量、照射強度、光源等の選択が必要である。
一方、本発明における(メタ)アクリレート化合物を上記(C)の形態で用いる場合、光学用組成物の成形方法については、特に限定されるものはないが、低複屈折性、機械強度及び寸法精度等の特性に優れた成形物を得るためには、溶融成形が特に好ましい。溶融成形法としては、プレス成形、押し出し成形、射出成形等が挙げられるが、成形性及び生産性の観点から射出成形が好ましい。
また、成形工程における成形条件は、使用目的又は成形方法により適宜選択されるが、射出成形における樹脂組成物の温度は、150℃から400℃の範囲であることが好ましく、200℃から350℃の範囲であることがより好ましく、200℃から330℃の範囲であることが特に好ましい。前記温度範囲で成形することにより、成形時に適度な流動性を樹脂に付与して成形品のヒケやひずみの発生とともに、樹脂の熱分解によるシルバーストリークの発生を防止し、さらには、成形物の黄変を効果的に防止することができる。
本発明の光学用組成物を上記の成形方法で成形された成形体は光学素子として用いることができる。光学素子の利用例としては、例えばカメラレンズ等が挙げられる。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する実施例に限定されるものではない。また、反応式中の略号はそれぞれ下記の通りである。尚、合成した化合物の分子構造の分析は、日本電子製JNM−ECA400 NMRを用いて行った。
THF:テトラヒドロフラン
DMF:N,N−ジメチルホルムアミド
TsOH:パラトルエンスルホン酸水和物
(合成例1)4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルスルホンの合成
Figure 2014043565
下記に示す試薬、溶媒を反応容器内に投入した。
4,4’−ジクロロジフェニルスルホン:15g
4−ヒドロキシフェニルボロン酸:21g
炭酸水素ナトリウム:33g
1,4−ジオキサン:500ml
水:250ml
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム:2.5g
次に、反応溶液を90℃に加熱してこの温度(90℃)で20時間撹拌した。尚、このとき反応進行度合を薄相クロマトグラフィー(以下、TLC)で随時確認した。反応終了後、反応溶液を水で希釈した後、溶媒抽出により有機相を回収した。次に、この有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥させた。次に、有機相を減圧濃縮することで得られた残渣についてヘキサン及び酢酸エチルの混合溶液による再結晶精製を行うことにより、淡黄色結晶の4,4’−ビス(4−ヒドロキシフェニル)ジフェニルスルホン(以下、中間体化合物D1という。)を20g(収率95%)得た。
(合成例2)4,4’−ビス(3−ヒドロキシメチル−4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホンの合成
Figure 2014043565
(1)下記に示す試薬、溶媒を反応容器内に投入した。
4,4’−ジヒドロキシジフェニルスルホン:25g
トリフルオロメタンスルホニルクロリド:25ml
クロロホルム:300ml
次に、反応溶液を0℃に冷却した後、ゆっくりとトリエチルアミン42mlを滴下した。次に、同温度(0℃)で反応溶液を1時間撹拌した。次に、反応溶液を室温まで昇温してからさらに5時間撹拌した。尚、このとき反応進行度合をTLCで随時確認した。次に、塩化アンモニウム水溶液で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。次に、得られた有機相を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、有機相を減圧濃縮して得られた粗生成物についてヘキサン/酢酸エチル混合溶媒で再結晶精製を行うことにより、ジフェニルスルホン−4,4’−ジイルビス(トリフルオロメタンスルホナート)を49g(収率94%)得た。ここで得られた化合物については、そのまま次の工程で使用した。
(2)下記に示す試薬、溶媒を反応容器内に投入した。
ジフェニルスルホン−4,4’−ジイルビス(トリフルオロメタンスルホナート)((1)で合成したものをそのまま使用):28g
3−ホルミル−4−メトキシフェニルボロン酸:25g
炭酸水素ナトリウム:30g
テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム:1.3g
1,4−ジオキサン:500ml
水:250ml
次に、反応溶液を80℃に加熱してこの温度(80℃)で3時間撹拌した。尚、このとき反応進行度合をTLCで随時確認した。次に、水250mlを添加した後、反応溶液を80℃で1時間撹拌した。次に、生成した結晶(粗結晶)をろ過・回収した後、この粗結晶をエタノールで洗浄してから、ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒で再結晶精製を行うことで薄灰色の結晶を得た。
次に、得られた薄灰色結晶と、下記に示す溶媒を反応容器内に投入した。
メタノール:200ml
テトラヒドロフラン:200ml
次に、反応溶液を0℃に冷却した後、水素化ホウ素ナトリウム12gをゆっくり添加した。次に、反応進行度合をTLCで確認しながら反応溶液を同温度(0℃)で撹拌した。反応の進行を確認した後、2N塩酸水溶液を添加した。次に、反応溶液を室温で1時間撹拌した。次に、生成した結晶を炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順で洗浄した。次に、エタノール/酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒で再結晶精製を行うことにより、4,4’−ビス(3−ヒドロキシメチル−4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホン(以下、中間化合物D2という。)を48g(収率90%)得た。
(合成例3)4,4’−ビス(3−ブロモメチル−4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホンの合成
Figure 2014043565
下記に示す試薬、溶媒を反応容器に投入した。
合成例2で合成した中間化合物D2:361g
ジクロロメタン:14L
次に反応容器を0℃に冷却し三臭化リン169gをゆっくり滴下し、全て滴下後20℃まで昇温しながら3時間撹拌する。
次に10℃以下の水14Lに反応液を撹拌しながら注入し、そのまま0.5時間撹拌して反応を停止させる。有機相と水相の混合液から有機相のみを取り出し、エバポレータ―で溶媒を除去して乾固させる。そこにTHF5.0Lを添加し、乾固した結晶を分散させ減圧せずに15minエバポレータ―の回転を続ける。
次に15Lの水を入れた容器にTHF分散液を撹拌しながら注入し、結晶を析出させる。析出した結晶をろ過し、ろ液が中性になるまで水で洗浄する。その後、得られた結晶を2.0Lのメタノールで洗浄する。得られた結晶を送風で24h乾燥させた後、70℃温風で24h乾燥させることにより、4,4’−ビス(3−ブロモメチル−4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホン(以下、中間化合物D3という)を410g(収率90%)得た。
[実施例1]
実施例1で合成した化合物の合成スキームを以下に示す。また具体的な合成方法について以下に説明する。
Figure 2014043565
なお、上記の化合物の式中の−O−C(CH)−O−の箇所の(−)と(|)の交差の符号は、CHが右側の炭素原子或いは左側の炭素原子に結合したもの混合物になっていることを表す。
(1)下記に示す試薬、溶媒を反応容器に投入した。
水素化ナトリウム:24g
THF:1.0L
次に反応容器を0℃まで冷却し、1,2−プロパンジオール150gのTHF0.5L希釈液をゆっくりと滴下する。全て滴下後、反応容器を20℃まで昇温してさらに1時間撹拌する。そこに中間化合物100gを一度に添加し、反応容器を60℃に加熱し5時間撹拌を行う。水で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した後、得られた有機相を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、有機相を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することで、薄黄色液体88g(収率70%)得た。
(2)本実施例の(1)で合成したジオール5.0g、クロロホルム20ml、MEHQ(4−メトキシフェノール)20mg、ピリジン10mlを反応容器に投入する。反応容器を0℃まで冷却し、メタクリロイルクロリド2.5mlを滴下する。反応液をトルエン30mlで希釈後に2N塩酸水溶液で停止させ、得られる有機層を酸性及び塩基性水溶液で洗浄した後飽和食塩水及び無水硫酸マグネシウムで有機層を乾燥させる。溶剤を除去して得られる粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー精製を行うことで4,4’−ビス((3−(2−メタクリロイルオキシプロポキシ)メチル)−4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホンを2.8g(収率56%)得た。
[実施例2]
実施例2で合成した化合物の合成スキームを以下に示す。また具体的な合成方法について以下に説明する。
Figure 2014043565
(1)下記に示す試薬、溶媒を反応容器に投入した。
水素化ナトリウム:24g
THF:1.0L
次に反応容器を0℃まで冷却し、2−メチル−1,3−プロパンジオール144gのTHF0.5L希釈液をゆっくりと滴下する。全て滴下後、反応容器を20℃まで昇温してさらに1時間撹拌する。そこに中間化合物100gを一度に添加し、反応容器を60℃に加熱し5時間撹拌を行う。水で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した後、得られた有機相を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、有機相を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することで、薄黄色液体88g(収率70%)得た。
(2)本実施例の(1)で合成したジオール5.0g、クロロホルム20ml、MEHQ20mg、ピリジン10mlを反応容器に投入する。反応容器を0℃まで冷却し、メタクリロイルクロリド2.5mlを滴下する。反応液をトルエン30mlで希釈後に2N塩酸水溶液で停止させ、得られる有機層を酸性及び塩基性水溶液で洗浄した後飽和食塩水及び無水硫酸マグネシウムで有機層を乾燥させる。溶剤を除去して得られる粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー精製を行うことで4,4’−ビス((3−(2−メタクリロイルオキシ−2−メチルプロポキシ)メチル)−4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホンを3.5g(収率71%)得た。
[実施例3]
実施例3で合成した化合物の合成スキームを以下に示す。また具体的な合成方法について以下に説明する。
Figure 2014043565
(1)下記に示す試薬、溶媒を反応容器に投入した。
水素化ナトリウム:12g
THF:0.5L
次に反応容器を0℃まで冷却し、2、2−ジメチル−1,3−プロパンジオール70gのTHF0.2L希釈液をゆっくりと滴下する。全て滴下後、反応容器を20℃まで昇温してさらに1時間撹拌する。そこに中間化合物50gを一度に添加し、反応容器を60℃に加熱し5時間撹拌を行う。水で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した後、得られた有機相を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、有機相を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することで、薄黄色液体45g(収率75%)得た。
(2)本実施例の(1)で合成したジオール5.0g、クロロホルム20ml、MEHQ20mg、ピリジン10mlを反応容器に投入する。反応容器を0℃まで冷却し、メタクリロイルクロリド2.5mlを滴下する。反応液をトルエン30mlで希釈後に2N塩酸水溶液で停止させ、得られる有機層を酸性及び塩基性水溶液で洗浄した後飽和食塩水及び無水硫酸マグネシウムで有機層を乾燥させる。溶剤を除去して得られる粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー精製を行うことで4,4’−ビス((3−(3−メタクリロイルオキシ−2、2−ジメチルプロポキシ)メチル)−4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホンを2.9g(収率49%)得た。
[比較例1]
比較例1で合成した化合物の合成スキームを以下に示す。また具体的な合成方法について以下に説明する。
Figure 2014043565
(1)以下に示す試薬、溶媒を反応容器に投入した。
水素化ナトリウム(55%):11g
N,N−ジメチルホルムアミド:300ml
次に、反応溶液を0℃に冷却した後、中間化合物D2(30g)をゆっくりと添加した。次に、反応溶液を同温度(0℃)で1時間撹拌した。次に、2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン36mlを添加した後、反応溶液を70℃に加熱してこの温度(70℃)で6時間撹拌した。尚、このとき反応進行度合をTLCで随時確認した。次に、水を添加して反応を停止させた後、有機層を酢酸エチルで抽出した。次に、得られた有機層を、水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、有機層を減圧濃縮して得られる粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することで薄黄色液体を得た。このようにして得られた薄黄色液体をそのまま次の工程で使用した。
(2)上記(1)にて得られた薄黄色液体及び以下に示す試薬、溶媒を反応容器に投入した。
メタノール:150ml
テトラヒドロフラン:50ml
パラトルエンスルホン酸:触媒量
次に、反応溶液を室温で12時間撹拌した。尚、このとき反応進行度合をTLCで随時確認した。次に、トリエチルアミンを添加して反応を停止させた後、生成した結晶をろ過・回収した。次に、得られた結晶をヘキサン/酢酸エチル混合溶媒で再結晶精製を行うことで白色結晶を得た。このようにして得られた白色結晶をそのまま次の工程で使用した。
(3)上記(2)にて得られた白色結晶及び以下に示す試薬、溶媒を反応容器に投入した。
クロロホルム:100ml
ピリジン:150ml
4−メトキシフェノール:0.2g
N,N−ジメチルアミノピリジン:1.2g
無水メタクリル酸:30ml
次に、反応溶液を室温で12時間撹拌した。尚、このとき反応進行度合をTLCで随時確認した。次に、2N塩酸を添加して反応を停止させた後、有機層をトルエンで抽出した。次に、得られた有機層を2N塩酸、10%水酸化ナトリウム水溶液、水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、この有機層を減圧濃縮して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することで油状の生成物を得た。次に、得られた油状生成物をヘキサン/酢酸エチル混合溶媒で再結晶精製を行うことにより、4,4’−ビス((3−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)メチル)−4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホンを26g(収率55%)得た。
得られた化合物について、H−NMRによりその構造を確認した。
H−NMR(CDCl;TMS):δ 1.89(s、6H)、3.78(t、4H)、3.87(s、6H)、4.35(t、4H)、4.65(s、4H)、5.49(br、2H)、6.09(br、2H)、6.90−6.98(m、2H)、7.45−7.51(m、2H)、7.60−7.72(m、8H)、7.94−8.02(m、4H)
[比較例2]
比較例2で合成した化合物の具体的な合成方法について以下に説明する。
(1)比較例1(1)において、2−(2−ブロモエトキシ)テトラヒドロ−2H−ピランの代わりに、下記に示す2−(4−クロロブトキシ)テトラヒドロ−2H−ピラン(9.0ml)を使用した。これを除いては、比較例1(1)と同様の方法により合成を行い、薄黄色液体の生成物を得た。尚、本比較例において、水素化ナトリウム(55%)及び中間化合物D4の使用量は、それぞれ2.8g、8.0gである。このようにして得られた薄黄色液体をそのまま次の工程で使用した。
Figure 2014043565
(2)比較例1(2)において、比較例1(1)にて得られた薄黄色液体の代わりに、本比較例(1)にて得られた薄黄色液体を使用したことを除いては、比較例1(2)と同様の方法により白色結晶を得た。このようにして得られた白色固体をそのまま次の工程で使用した。
(3)比較例1(3)において、比較例1(2)にて得られた白色固体の代わりに、本比較例(2)にて得られた白色固体を使用した。これを除いては、比較例1(2)と同様の方法により、下記に示される化合物、即ち、4,4’−ビス((3−(4−メタクリロイルオキシブトキシ)メチル)−4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホンを6.7g(収率53%)得た。
Figure 2014043565
得られた化合物について、H−NMRによりその構造を確認した。
H−NMR(CDCl;TMS):δ 1.89(s、6H)、2.24(dt、4H)、3.73(t、4H)、3.85(s、6H)、4.32(t、4H)、4.65(s、4H)、5.49(br、2H)、6.09(br、2H)、6.91−6.99(m、2H)、7.45−7.52(m、2H)、7.59−7.72(m、8H)、7.93−8.02(m、4H)
[比較例3]
比較例3で合成した化合物の合成スキームを以下に示す。また具体的な合成方法について以下に説明する。
Figure 2014043565
(1)下記に示す試薬、溶媒を反応容器内に投入した。
水素化ナトリウム(55%):2.5g
N,N−ジメチルホルムアミド:200ml
次に、反応溶液を0℃に冷却した後、中間化合物D1(10g)をゆっくりと添加した。次に、反応溶液を室温まで昇温しながら撹拌した。次に、3−ブロモプロパノール5.4mlを添加した後、反応溶液を50℃に加熱してこの温度(50℃)で12時間撹拌した。このとき反応進行度合をTLCで随時確認した。次に、水で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。次に、得られた有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、有機相を減圧濃縮して得られた粗生成物をヘキサン/酢酸エチル混合溶媒で再結晶することにより白色結晶を得た。このようにして得られた白色結晶を、次の工程でそのまま使用した。
(2)下記に示す試薬、溶媒を反応容器内に投入した。
本比較例の(1)で得られた白色結晶:3.0g
メタクリル酸:30ml
パラトルエンスルホン酸:0.2g
4−メトキシフェノール:0.2g
トルエン:30ml
次に、反応溶液を20時間加熱撹拌した。尚、このとき生成する水分を適宜除去し、反応進行度合をTLCで随時確認した。次に、水酸化ナトリウム水溶液を添加して反応溶液を中性にした後、有機相をクロロホルムで抽出した。次に、得られた有機相を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、有機層を減圧濃縮して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、4,4’−ビス(4−(3−メタクリロイルオキシプロポキシ)フェニル)ジフェニルスルホンを1.9g(収率55%)得た。
得られた化合物について、H−NMRによりその構造を確認した。
H−NMR(CDCl;TMS):δ 1.94(s、6H)、2.19(dt、4H)、4.11(t、4H)、4.36(t、4H)、5.56(br、2H)、6.11(br、2H)、6.94−6.99(m、4H)、7.45−7.54(m、4H)、7.63−7.69(m、4H)、7.96−8.03(m、4H)
[比較例4]
比較例4で合成した化合物の合成スキームを以下に示す。また具体的な合成方法について以下に説明する。
Figure 2014043565
(1)下記に示す試薬、溶媒を反応容器内に投入した。
水素化ナトリウム(55%):2.5g
N,N−ジメチルホルムアミド:200ml
次に、反応溶液を0℃に冷却した後、中間化合物D1(10g)をゆっくりと添加した。次に、反応溶液を室温まで昇温しながら撹拌した。次に、3−ブロモ−2−メチルプロパノール6.0mlを添加した後、反応溶液を50℃に加熱してこの温度(50℃)で12時間撹拌した。このとき反応進行度合をTLCで随時確認した。次に、水で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。次に、得られた有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、有機相を減圧濃縮して得られた粗生成物をヘキサン/酢酸エチル混合溶媒で再結晶することにより白色結晶を得た。このようにして得られた白色結晶を、次の工程でそのまま使用した。
(2)下記に示す試薬、溶媒を反応容器内に投入した。
本比較例の(1)で得られた白色結晶:3.0g
メタクリル酸:30ml
パラトルエンスルホン酸:0.2g
4−メトキシフェノール:0.2g
トルエン:30ml
次に、反応溶液を20時間加熱撹拌した。尚、このとき生成する水分を適宜除去し、反応進行度合をTLCで随時確認した。次に、水酸化ナトリウム水溶液を添加して反応溶液を中性にした後、有機相をクロロホルムで抽出した。次に、得られた有機相を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、有機層を減圧濃縮して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、4,4’−ビス(4−(3−メタクリロイルオキシ−2−メチルプロポキシ)フェニル)ジフェニルスルホンを2.2g(収率60%)得た。
得られた化合物について、H−NMRによりその構造を確認した。
H−NMR(CDCl;TMS):δ 1.23(s、6H)、2.56(m、2H)、2.83(s、6H)3.95(d、4H)、4.18(d、4H)、5.56(m、2H)、6.11(m、2H)、6.92−6.98(m、4H)、7.35−7.49(m、4H)、7.59−7.62(m、4H)、7.90−7.93(m、4H)
[比較例5]
比較例5で合成した化合物の合成スキームを以下に示す。また具体的な合成方法について以下に説明する。
Figure 2014043565
(1)下記に示す試薬、溶媒を反応容器内に投入した。
水素化ナトリウム(55%):2.5g
N,N−ジメチルホルムアミド:200ml
次に、反応溶液を0℃に冷却した後、中間化合物D1(10g)をゆっくりと添加した。次に、反応溶液を室温まで昇温しながら撹拌した。次に、3−ブロモ−2、2−ジメチルプロパノール6.5mlを添加した後、反応溶液を50℃に加熱してこの温度(50℃)で12時間撹拌した。このとき反応進行度合をTLCで随時確認した。次に、水で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した。次に、得られた有機層を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、有機相を減圧濃縮して得られた粗生成物をヘキサン/酢酸エチル混合溶媒で再結晶することにより白色結晶を得た。このようにして得られた白色結晶を、次の工程でそのまま使用した。
(2)下記に示す試薬、溶媒を反応容器内に投入した。
本比較例の(1)で得られた白色結晶:3.0g
メタクリル酸:30ml
パラトルエンスルホン酸:0.2g
4−メトキシフェノール:0.2g
トルエン:30ml
次に、反応溶液を20時間加熱撹拌した。尚、このとき生成する水分を適宜除去し、反応進行度合をTLCで随時確認した。次に、水酸化ナトリウム水溶液を添加して反応溶液を中性にした後、有機相をクロロホルムで抽出した。次に、得られた有機相を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、有機層を減圧濃縮して得られた粗生成物をカラムクロマトグラフィーで精製することにより、4,4’−ビス(4−(3−メタクリロイルオキシ−2、2−ジメチルプロポキシ)フェニル)ジフェニルスルホンを1.8g(収率48%)得た。
得られた化合物について、H−NMRによりその構造を確認した。
H−NMR(CDCl;TMS):δ 1.18(s、12H)、2.23(s、6H)3.96(d、4H)、4.20(d、4H)、5.55(m、2H)、6.12(m、2H)、6.90−6.97(m、4H)、7.36−7.50(m、4H)、7.60−7.66(m、4H)、7.88−7.95(m、4H)
[比較例6]
比較例6で合成した化合物の合成スキームを以下に示す。また具体的な合成方法について以下に説明する。
Figure 2014043565
(1)下記に示す試薬、溶媒を反応容器に投入した。
水素化ナトリウム:2.5g
THF:0.1L
次に反応容器を0℃まで冷却し、1,2−シクロヘキサンジオール17gのTHF40mL希釈液をゆっくりと滴下する。全て滴下後、反応容器を20℃まで昇温してさらに1時間撹拌する。そこに中間化合物D3(10g)を一度に添加し、反応容器を60℃に加熱し5時間撹拌を行う。水で反応を停止し、有機相を酢酸エチルで抽出した後、得られた有機相を水、飽和食塩水の順で洗浄した後、無水硫酸マグネシウムで乾燥した。次に、有機相を減圧濃縮して粗生成物を得た。得られた粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィーで精製することで、薄黄色液体7.4g(収率60%)得た。
(2)本比較例の(1)で合成したジオール5.0g、クロロホルム20ml、MEHQ20mg、ピリジン10mlを反応容器に投入する。反応容器を0℃まで冷却し、メタクリロイルクロリド2.5mlを滴下する。反応液をトルエン30mlで希釈後に2N塩酸水溶液で停止させ、得られる有機層を酸性及び塩基性水溶液で洗浄した後飽和食塩水及び無水硫酸マグネシウムで有機層を乾燥させる。溶剤を除去して得られる粗生成物をシリカゲルクロマトグラフィー精製を行うことで4,4’−ビス((3−(2−メタクリロイルオキシシクロヘキシルオキシ)メチル)−4−メトキシフェニル)ジフェニルスルホンを2.4g(収率40%)得た。
得られた化合物について、H−NMRによりその構造を確認した。
H−NMR(CDCl;TMS):δ 1.41−2.01(m、22H)、3.80(d、4H)、3.98(s、6H)、4.08(d、4H)、5.52(m、2H)、6.07(m、2H)、6.91−6.96(m、4H)、7.37−7.52(m、4H)、7.58−7.67(m、4H)、7.87−7.96(m、4H)
[実施例4]
実施例2で合成した化合物に5質量%の1,6−ヘキサンジオールジアクリレートと500ppmの4−メトキシフェノールを添加し、80℃で30分撹拌することで前記(B)の形態の材料を得る。
[光学特性の評価]
実施例及び比較例でそれぞれ合成した化合物について光学特性の評価を以下に示す方法で行った。
(1)評価用サンプルの作製
まず評価用のサンプルを以下に示す方法で作製した。
(1a)屈折率測定用サンプル
直径20mmの円板型のガラス基板を2枚用意して、測定対象となる(メタ)アクリレート化合物と重合禁止剤、重合開始剤を含む光学用組成物を、厚さが500μmで均一になるように、1枚目のガラス基板上に載置した。次に、2枚目のガラス基板を測定対象となる光学用組成物上に載置した後、ガラス基板の外周部分を封止した。ここで測定対象となる光学用組成物が上記(A)及び(B)の形態の場合は、サンプルに紫外光を照射することで2枚のガラス基板に挟まっている光学用組成物を硬化させた。なお、測定対象となる光学用組成物は、実施例1から3、比較例1から6は(A)の形態、実施例4は(B)の形態である。
(1b)透過率測定用サンプル
上記(1a)において、用意する基板を直径50mmの円板型のガラス基板とし、1枚目のガラス基板上に載置する測定対象となる光学用組成物の厚さを500μm、1000μmとすることを除いては、上記(1a)と同様の方法によりサンプルを作製した。
(2)測定及び評価
屈折率及び複屈折率は、アッベ屈折計(カルニュー光学工業)を用いて測定し、表には波長587.6nmでの複屈折率を示す。
透過率は、光路長の異なる2種類の膜を成形し、日立ハイテクノロジー社製分光光度計U−4000(製品名)でそれぞれ測定し、410nmでの内部透過率(500μm)に換算した結果を表1に示す。
光学特性が図1中のB範囲内でありかつ410nmでの透過率が90%以上で、複屈折率が0.001未満のものを総合評価○とし、それ以外を総合評価×とした。結果を表1に示す。
Figure 2014043565
本発明の光学用組成物を成形してなる成形体及び光学素子は、屈折率の分散特性(アッペ数(ν))及び2次分散特性(θg,F)が高く(高θg,F特性)、複屈折率が小さいため色収差補正機能の高い特性を有する。このため、カメラレンズ等の複数枚のレンズを有する装置に利用することができる。
10 光学部材
20、30、40 レンズ基板

Claims (17)

  1. 少なくとも下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート化合物を重合した重合体を成形してなる成形体を有する光学素子。
    Figure 2014043565

    (式中、a及びbはそれぞれ1又は2の整数であり、X及びYはそれぞれ−S−又は−O−であり、R及びRはそれぞれ炭素数1又は2のアルキル基又は水素原子である。Z及びZは、それぞれ下記一般式(2)で示される置換基を有する炭素数1又は2のアルキル基である。
    Figure 2014043565

    式中、mは0、1より選ばれる。Wは水素原子又はメチル基であり、Vは下記に示す置換基より選ばれる。
    *−O−C2n−O−**、
    *−S−C2n−S−**、
    *−S−C2n−O−**、
    *はアルキル基との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。nは2、3、4より選ばれる。−C2n−の少なくとも1つの水素原子はメチル基で置換されている。)
  2. 前記光学素子は、レンズであることを特徴とする請求項1に記載の光学素子。
  3. 前記光学素子は、レンズ基材の上に前記成形体が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光学素子。
  4. 前記光学素子は、2つのレンズ基材の間に前記成形体が設けられていることを特徴とする請求項2に記載の光学素子。
  5. X及びYはそれぞれ−S−又は−O−であり、R及びRはそれぞれ炭素数1又は2のアルキル基であり、Z及びZはそれぞれ前記一般式(2)で示される置換基を有する炭素数1又は2のアルキル基であることを特徴とする請求項1乃至4のいずれか一項に記載の光学素子。
  6. X及びYは−O−であり、R及びRはそれぞれ炭素数1又は2のアルキル基であり、Z及びZはそれぞれ前記一般式(2)で示される置換基を有する炭素数1又は2のアルキル基であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれか一項に記載の光学素子。
  7. Vが下記に示される置換基であることを特徴とする請求項1乃至6のいずれか一項に記載の光学素子。
    *−O−C2n−O−**
    (*はアルキル基との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。nは2、3、4より選ばれる。−C2n−の少なくとも1つの水素原子はメチル基で置換されている。)
  8. mが0であることを特徴とする請求項1乃至7のいずれか一項に記載の光学素子。
  9. a及びbが1であることを特徴とする請求項1乃至8のいずれ一項に記載の光学素子。
  10. 少なくとも下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート化合物と、重合開始剤を含有することを特徴とする光学用組成物。
    Figure 2014043565

    (式中、a及びbはそれぞれ1又は2の整数であり、X及びYはそれぞれ−S−又は−O−であり、R及びRはそれぞれ炭素数1又は2のアルキル基又は水素原子である。Z及びZは、それぞれ下記一般式(2)で示される置換基を有する炭素数1又は2のアルキル基である。
    Figure 2014043565

    式中、mは0、1より選ばれる。Wは水素原子又はメチル基であり、Vは下記に示す置換基より選ばれる。
    *−O−C2n−O−**、
    *−S−C2n−S−**、
    *−S−C2n−O−**、
    *はアルキル基との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。nは2、3、4より選ばれる。−C2n−の少なくとも1つの水素原子はメチル基で置換されている。)
  11. X及びYはそれぞれ−S−又は−O−であり、R及びRはそれぞれ炭素数1又は2のアルキル基であり、Z及びZはそれぞれ前記一般式(2)で示される置換基を有する炭素数1又は2のアルキル基であることを特徴とする請求項10に記載の光学用組成物。
  12. X及びYは−O−であり、R及びRはそれぞれ炭素数1又は2のアルキル基であり、Z及びZはそれぞれ前記一般式(2)で示される置換基を有する炭素数1又は2のアルキル基であることを特徴とする請求項10または11に記載の光学用組成物。
  13. Vが下記に示される置換基であることを特徴とする請求項10乃至12のいずれか一項に記載の光学用組成物。
    *−O−C2n−O−**
    (*はアルキル基との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。nは2、3、4より選ばれる。−C2n−の少なくとも1つの水素原子はメチル基で置換されている。)
  14. mが0であることを特徴とする請求項10乃至13のいずれか一項に記載の光学用組成物。
  15. a及びbが1であることを特徴とする請求項10乃至の14いずれかの一項に記載の光学用組成物。
  16. 請求項10乃至15のいずれか一項に記載の光学用組成物の重合体を成形してなることを特徴とする成形体。
  17. 下記一般式(1)で示される(メタ)アクリレート化合物。
    Figure 2014043565

    (式中、a及びbはそれぞれ1又は2の整数であり、X及びYはそれぞれ−S−又は−O−であり、R及びRはそれぞれ炭素数1又は2のアルキル基又は水素原子である。Z及びZは、それぞれ下記一般式(2)で示される置換基を有する炭素数1又は2のアルキル基である。
    Figure 2014043565

    式中、mは0、1より選ばれる。Wは水素原子又はメチル基であり、Vは下記に示す置換基より選ばれる。
    *−O−C2n−O−**、
    *−S−C2n−S−**、
    *−S−C2n−O−**、
    *はアルキル基との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。nは2、3、4より選ばれる。−C2n−の少なくとも1つの水素原子はメチル基で置換されている。)
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