JP2017200979A - 光学用組成物、硬化物及び光学素子 - Google Patents

光学用組成物、硬化物及び光学素子 Download PDF

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Abstract

【課題】屈折率の分散特性及び2次分散特性が高く、かつ結晶化し難い色収差補正機能の高い特性を有する硬化物及び光学素子、並びに前記硬化物及び光学素子を得るための光学用組成物を提供する。
【解決手段】式(4)で表わされる構造と式(5)で表わされる構造を含み、前記式(5)で表わされる構造は、前記式(4)で表わされる構造に対して物質量比で0.01以上0.10以下含有する硬化物。
Figure 2017200979

【選択図】図2

Description

本発明は、光学用組成物、硬化物及び光学素子に関し、特に特異な光学特性を有する(メタ)アクリレート化合物を用いた光学用組成物、硬化物及び光学素子に関する。
一般に、硝材(ガラス材料)や有機樹脂等からなる光学材料は、短波長側になるにつれ徐々にその屈折率が高くなる。この屈折率の波長分散性を表す指標として、アッベ数(分散特性)(ν)や2次分散特性(θg,F)等が挙げられる。このアッベ数やθg,F値は、それぞれの光学材料特有の値であるが、多くの場合、ある一定の範囲内に収まっている。図1は、従来の光学材料(硝材及び有機材料)の2次分散特性とアッベ数との関係を示す図である。
尚、アッベ数(ν)、2次分散特性(θg,F)は以下の式で表される。
アッベ数[ν]=(n−1)/(n−n
2次分散特性[θg,F]=(n−n)/(n−n
(nは波長587.6nmでの屈折率であり、nは波長486.1nmでの屈折率であり、nは波長656.3nmでの屈折率である、nは波長435.8nmでの屈折率である。)
そのため、屈折光学系においては、分散特性の異なる硝材を適宜組み合わせることによって色収差を減らすことが可能である。例えば、望遠鏡等の対物レンズでは分散の小さい硝材を正レンズ、分散の大きい硝材を負レンズとして、これらを組み合わせて用いることで軸上に現れる色収差を補正している。ただし、レンズの構成、枚数が制限される場合や使用される硝材が限られている場合等では、色収差を十分に補正することが非常に困難となる場合がある。このような課題を解決する方法の一つとして、異常分散特性を有するガラス材料を活用する方法があり、この方法を利用した光学素子類の設計が行われている。
また、色収差補正機能に優れ、その形状が非球面形状等である光学素子を製造する場合、硝材のみを材料として用いるより、球面ガラス等の硝材の上に有機材料を成形する等のの方法で、量産性や成形性、形状の自由度、軽量性に優れる光学素子を製造することができるという利点がある。しかし、従来の有機材料の光学特性は、図1に示すように限られた一定の範囲内(2次分散特性[θg,F]が0.700以下)に収まっており、特異な分散特性を示す有機材料は非常に少ない。
さらに、特異な分散特性を示す有機材料の多くは、二重結合やベンゼン環等で共役構造が構築され、剛直性や配向性が高く結晶化しやすい分子である。そのため、前記特異な分散特性を示す有機材料に様々な添加剤を添加した光学用組成物として使用する場合、有機材料の結晶化により組成物内に不均一部分が生じてしまう可能性がある。
以上のような背景の中、特許文献1では、特定のスルホン(メタ)アクリレートが、汎用の有機材料よりも高い2次分散特性(高θg,F特性)を有していることが提案されている。
また、特許文献2では、複屈折率を低減するために、特許文献1と同様の分子骨格に分岐状の鎖状置換基を導入することが提案されている。
特開2012−167019号公報 特開2014−43565号公報
しかしながら、特許文献1に示された有機材料は、θg,F値は高いものの、その分子構造上配向しやすく結晶になりやすい。また、特許文献2に示された材料も、θg,F値は高いものの、特許文献1に示された有機材料と同一の分子骨格のため、側鎖に分岐構造を有しているが、結晶になりやすい。
本発明は、以上に述べた背景技術に鑑みてなされたものであり、屈折率の分散特性(アッベ数(ν))及び2次分散特性(θg,F)が光学設計上有用な範囲(図1中範囲B)で、かつ結晶化までの猶予時間を特許文献1及び2に示された有機材料よりも長くできる光学用組成物及びそれを重合してなる硬化物及び該硬化物を用いた光学素子を提供するものである。
上記の課題を解決する光学用組成物は、少なくとも一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とを含み、一般式(2)で表わされる化合物が一般式(1)で表わされる化合物の1.0重量%以上10.0重量%以下含有することを特徴とする光学用組成物である。
Figure 2017200979
Figure 2017200979
(一般式(1)及び一般式(2)中、X、X、Y、及びYは、OまたはSであり、それぞれ同じであっても異なっていても良く、R乃至Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、及び4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基から選ばれる一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良く、Z、Z、及びZは一般式(3)で表わされる構造であり、Z、Z、Z、及びZは、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、及び一般式(3)で表わされる構造より選ばれる一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良く、Zは一般式(3)で表わされる構造中のVである。
Figure 2017200979
一般式(3)中、mは0または1であり、Wは水素原子またはメチル基であり、Vは下記に示す置換基より選ばれる。
*−O−**、
*−S−**、
*−O−C2n−O−**、
*−S−C2n−O−**、
*−O−C2n−S−**、
*−S−C2n−S−**、
乃至Zにおいて、上記構造の*はアルキレン部位との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。ZにおいてVは、*−O−**及び*−S−**でなく、*及び**は共にアルキレン部位との結合手を表す。前記V中のC2nで表される構造は炭素原子上に置換基を有していても良く、nは2乃至5より選ばれる整数である。)
上記の課題を解決する硬化物は、前記光学用組成物が重合している硬化物であって、少なくとも一般式(4)で表わされる構造と一般式(5)で表わされる構造を含み、一般式(5)で表わされる構造を、一般式(4)で表わされる構造に対して物質量比で0.01以上0.1以下含有していることを特徴とする硬化物である。
Figure 2017200979
Figure 2017200979
(一般式(4)及び一般式(5)中、X、X、Y、及びYはOまたはSであり、それぞれ同じであっても異なっていても良い。R乃至Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、及び4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基から選ばれる一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良い。前記R乃至Rが、アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、または4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基である場合、前記R乃至Rは、前記アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、または4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基の二重結合が開裂した結合を有する基であっても良い。Z、Z、及びZは一般式(3)で表わされる構造、または一般式(3)で表わされる構造の二重結合が開裂した結合を有する構造であっても良い。Z、Z、Z、及びZは、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、及び一般式(3)で表わされる構造より選ばれる一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良い。前記Z、Z、Z、及びZが、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、または一般式(3)で表わされる構造である場合、前記Z、Z、Z、及びZは、前記2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、または一般式(3)で表わされる構造の二重結合が開裂した結合を有する構造であっても良い。一般式(4)または一般式(5)中の、それぞれ少なくとも2つの破線は、前記二重結合が開裂した結合である。Zは一般式(3)で表わされる構造中のVである。
Figure 2017200979
一般式(3)中、mは0または1であり、Wは水素原子またはメチル基であり、Vは下記に示す構造より選ばれる。
*−O−**、
*−S−**、
*−O−C2n−O−**、
*−S−C2n−O−**、
*−O−C2n−S−**、
*−S−C2n−S−**、
乃至Zにおいて、上記構造の*はアルキレン部位との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。ZにおいてVは、*−O−**及び*−S−**でなく、*及び**は共にアルキレン部位との結合手を表す。前記V中のC2nで表される構造は炭素原子上に置換基を有していても良く、nは2乃至5より選ばれる整数である。)
上記の課題を解決する光学素子は、上記の硬化物を成形してなる光学素子である。
本発明によれば、屈折率の分散特性(アッベ数(ν))及び2次分散特性(θg,F)が高く、かつ有機材料の結晶化を従来技術よりも抑制できる光学用組成物並びに前記光学用組成物を重合した硬化物及び光学素子を提供することができる。また、本発明を使用しない光学用組成物の硬化物と本発明の光学用組成物の硬化物の屈折率特性の差は光学設計上十分に小さい。このため、結晶化時に生じる不均一部分の発生を抑制できる本発明の光学用組成物によれば、その保存安定性を、光学設計上の変更をすることなく向上することができる。
従来の光学材料の2次分散特性とアッベ数との関係を示すグラフである。 本発明の光学素子の例を示す概略図である。
以下、本発明を詳細に説明する。
まず本発明の光学用組成物について説明する。
本発明に係る光学用組成物は、少なくとも一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とを含み、一般式(2)で表わされる化合物が一般式(1)で表わされる化合物の1.0重量%以上10.0重量%以下含有することを特徴とする。
Figure 2017200979
Figure 2017200979
一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物において、X、X、Y、及びYは電子供与性の元素であれば分散特性及び2次分散特性は光学設計上効果のある範囲内の特性となるため特に限定はされない。しかし、化合物の耐環境性能や合成し易さ等を考慮すると、X、X、Y、及びYはO(酸素原子)またはS(硫黄原子)であり、それぞれ同じであっても異なっていても良い。ただし、X及びX、またY及びYは、化合物の合成上の容易さや一般式(1)で表わされる化合物に一般式(2)で表わされる化合物を1.0重量%以上10.0重量%以下含有させる際の容易さを考慮すると、それぞれ同じであることが好ましい。より好ましくは、X、X、Y、及びYはそれぞれOである。
一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物において、R乃至Rで示される置換基は、前記X、X、Y、及びYとそれぞれ安定的に結合できる置換基であれば特に制限はないが、X、X、Y、及びYと結合する原子が炭素原子であることが好ましい。R乃至Rで示される置換基の分子量が大きくなると前記光学用組成物の分散特性及び2次分散特性が低下するため、該置換基の分子量は170未満であることが好ましい。R乃至Rで示される置換基としては、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、tert-ブチル基、イソブチル基、クロロメチル基、ブロモメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、ペンチル基、アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基等を挙げることが出来るが、これらに限定されない。好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基である。より好ましくは、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基である。また、R乃至Rで示される置換基は、それぞれ同じであっても異なっていても良い。しかし、化合物の合成上の容易さや一般式(1)で表わされる化合物に一般式(2)で表わされる化合物を1.0重量%以上10.0重量%以下含有させる際の容易さを考慮すると、RとRが同じ置換基であり、RとRが同じ置換基であることが好ましい。また、前記光学用組成物の製造コストを安価にするためには、RとRが同じ置換基であり、RとRが同じ置換基であることが望ましく、具体的には、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基である。硬化物の分散特性や2次分散特性を考慮すると、より好ましくは、R乃至Rで示される置換基はメチル基またはイソプロピル基である。なお、前記R乃至Rで示される置換基の分子量が170に近い場合、一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物を含有する光学用組成物は、硬化物の分散特性及び2次分散特性が低下し光学素子としての効果が低下してしまう。そのため、該光学用組成物の純度を高度に上げることが好ましい。純度を上げる方法としては、再結晶法を用いることが、化合物中の残留溶剤等を少なくすることが出来るために望ましい。
一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物において、Z、Z、及びZで示される置換基は一般式(3)で表わされる構造である。また、Z、Z、Z、及びZで示される置換基は、水素原子または炭素原子、酸素原子、硫黄原子、若しくは窒素原子を介してベンゼン環と結合する置換基であれば特に制限はない。しかし、前記置換基の分子量が大きくなると本発明の光学用組成物の分散特性及び2次分散特性が低下するため、分子量は200未満であることが好ましい。Z、Z、Z、及びZで示される置換基としては、具体的には、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、クロロメチル基、ジクロロメチル基、トリクロロメチル基、フルオロメチル基、ジフルオロメチル基、トリフルオロメチル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、クロロメチルオキシ基、ジクロロメチルオキシ基、トリクロロメチルオキシ基、フルオロメチルオキシ基、ジフルオロメチルオキシ基、トリフルオロメチルオキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、ジメチルアミノ基、ジエチルアミノ基、ジプロピルアミノ基、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、及び一般式(3)で表わされる構造等を挙げることが出来るが、これらに限定されない。硬化物の透過率や信頼性試験での黄変及び合成上の容易さを考慮すると、Z、Z、Z、及びZで示される置換基は、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、及び一般式(3)で表わされる構造より選ばれることが好ましい。合成上の容易さをさらに考慮すると、Z、Z、Z、及びZで示される置換基は、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、及び一般式(3)で表わされる構造より選ばれることがより好ましい。合成上の容易さ及び使用する原料の入手し易さ、製造コストを考慮すると、Z、Z、Z、及びZで示される置換基は、水素原子、メチル基、エチル基、及びイソプロピル基から選ばれる一つであることが好ましい。さらに、Z、Z、Z、及びZが水素原子であることがより好ましい。なお、Z、Z、Z、及びZで示される置換基の分子量が200に近い場合、一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物を含有する光学用組成物は、硬化物の分散特性及び2次分散特性が低下し光学素子としての効果が低下してしまう。そのため、該光学用組成物の純度を高度に上げることが好ましい。純度を上げる方法としては、再結晶法を用いることが、化合物中の残留溶剤等を少なくすることが出来るために望ましい。
Figure 2017200979
一般式(3)で表わされる構造において、mはZの分子量が200を超えない範囲であれば特に制限はない。しかし、合成上の容易さや一般式(1)で表わされる化合物に一般式(2)で表わされる化合物を1.0重量%以上10.0重量%以下含有させる際の容易さを考慮するとmは0または1であり、合成上の容易さを考慮するとmは0が好ましい。前記一般式(3)で表わされる構造において、Wは水素原子またはメチル基であり、VはZの分子量が200を超えない範囲であれば特に制限はない。しかし、合成上の容易さや一般式(1)で表わされる化合物に一般式(2)で表わされる化合物を1.0重量%以上10.0重量%以下含有させる際の容易さ、純度を上げる際の容易さを考慮すると下記に示す基より選ばれる。
*−O−**、
*−S−**、
*−O−C2n−O−**、
*−S−C2n−O−**、
*−O−C2n−S−**、
*−S−C2n−S−**、
*はアルキレン部位との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表し、nは2乃至5より選ばれる整数の一つである。なお、前記V中のC2nで表される構造において、炭素原子上にハロゲン原子、アルキル基、芳香族基、反応性官能基等の置換基があっても良い。前記Vとしては、合成上の容易さ及び硬化物の分散特性及び2次分散特性を考慮すると下記で示す構造が好ましい。
*−O−**、
*−S−**、
*−O−CHCH−O−**、
*−O−CHCHCH−O−**、
*−O−CHCHCHCH−O−**、
*−O−CHCHCHCHCH−O−**、
*−O−CHC(CHCH−O−**、
*−O−CHCH(CH)CH−O−**、
*−O−CH(CH)CHCH(CH)−O−**、
*−O−C(CHCHCH−O−**、
*−O−CHCHC(CH−O−**、
*−S−CHCH−O−**、
*−S−CHCHCH−O−**、
*−S−CHCHCHCH−O−**、
*−S−CHCHCHCHCH−O−**、
*−S−CHC(CHCH−O−**、
*−S−CHCH(CH)CH−O−**、
*−S−CH(CH)CHCH(CH)−O−**、
*−S−C(CHCHCH−O−**、
*−S−CHCHC(CH−O−**、
*−O−CHCH−S−**、
*−O−CHCHCH−S−**、
*−O−CHCHCHCH−S−**、
*−O−CHCHCHCHCH−S−**、
*−O−CHC(CHCH−S−**、
*−O−CHCH(CH)CH−S−**、
*−O−CH(CH)CHCH(CH)−S−**、
*−O−C(CHCHCH−S−**、
*−O−CHCHC(CH−S−**、
*−S−CHCH−S−**、
*−S−CHCHCH−S−**、
*−S−CHCHCHCH−S−**、
*−S−CHCHCHCHCH−S−**、
*−S−CHC(CHCH−S−**、
*−S−CHCH(CH)CH−S−**、
*−S−CH(CH)CHCH(CH)−S−**、
*−S−C(CHCHCH−S−**、
*−S−CHCHC(CH−S−**、
前記Vとしては、合成上の容易さを考慮すると下記で示す構造が、より好ましい。
*−O−**、
*−S−**、
*−O−CHCH−O−**、
*−O−CHCHCH−O−**、
*−O−CHCHCHCH−O−**、
*−O−CHCHCHCHCH−O−**、
*−O−CHC(CHCH−O−**、
*−O−CHCH(CH)CH−O−**、
*−O−CH(CH)CHCH(CH)−O−**、
*−S−CHCH−O−**、
*−S−CHCHCH−O−**、
*−S−CHCHCHCH−O−**、
*−S−CHCHCHCHCH−O−**、
*−S−CHC(CHCH−O−**、
*−S−CHCH(CH)CH−O−**、
*−S−CH(CH)CHCH(CH)−O−**、
*−O−CHCH−S−**、
*−O−CHCHCH−S−**、
*−O−CHCHCHCH−S−**、
*−O−CHCHCHCHCH−S−**、
*−O−CHC(CHCH−S−**、
*−O−CHCH(CH)CH−S−**、
*−O−CH(CH)CHCH(CH)−S−**、
*−S−CHCH−S−**、
*−S−CHCHCH−S−**、
*−S−CHCHCHCH−S−**、
*−S−CHCHCHCHCH−S−**、
*−S−CHC(CHCH−S−**、
*−S−CHCH(CH)CH−S−**、
*−S−CH(CH)CHCH(CH)−S−**、
一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物の合成上の容易さ特に精製時の容易さを考慮すると、前記Vは下記で示す構造が好ましい。
*−O−**、
*−S−**、
*−O−CHCH−O−**、
*−O−CHCHCH−O−**、
*−O−CHCHCHCH−O−**、
*−O−CHCHCHCHCH−O−**、
*−O−CHC(CHCH−O−**、
*−O−CHCH(CH)CH−O−**、
*−O−CH(CH)CHCH(CH)−O−**、
*−S−CHCH−S−**、
*−S−CHCHCH−S−**、
*−S−CHCHCHCH−S−**、
*−S−CHCHCHCHCH−S−**、
*−S−CHC(CHCH−S−**、
*−S−CHCH(CH)CH−S−**、
*−S−CH(CH)CHCH(CH)−S−**、
製造コストや試薬の臭気、化合物の保存安定性等を考慮すると、前記Vは下記で示す構造が、より好ましい。
*−O−**、
*−S−**、
*−O−CHCH−O−**、
*−O−CHCHCH−O−**、
*−O−CHCHCHCH−O−**、
*−O−CHCHCHCHCH−O−**、
*−O−CHC(CHCH−O−**、
*−S−CHCH−S−**、
*−S−CHCHCH−S−**、
*−S−CHCHCHCH−S−**、
*−S−CHC(CHCH−S−**、
は、本発明の効果を実現できる構造である限り特に制限はないが、合成上の容易さを考慮すると一般式(3)で表わされる構造中のVで表わされる構造であることが望ましい。ただし、この場合、Zは、*−O−**及び*−S−**でなく、*及び**は共にアルキレン部位との結合手を表す。さらに、合成上の容易さや、光学用組成物中に一般式(2)で表わされる化合物が一般式(1)で表わされる化合物の1.0重量%以上10.0重量%以下含有させる際の容易さを考慮すると、Zは、Zの一般式(3)で表わされる構造中のVで表わされる構造と同じであることが好ましい。またさらに、一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物において、Z、Z、Zとしての一般式(3)で表わされる構造中のVで表わされる構造とZが同じ構造であることが、本発明の光学用組成物の効果を発揮するためにより好ましい。
次に、本発明の光学用組成物において一般式(1)で表わされる化合物に一般式(2)で表わされる化合物を含有させる効果について説明する。一般に保存瓶中で保存されている光学用組成物には、重合性の材料の重合抑制のために重合禁止剤が添加されている。しかし、前記重合性の材料が結晶化した場合、結晶状態の重合性の材料の分子の近傍には、重合禁止剤が存在できなくなり、重合性の材料はより重合しやすくなる。その一方で、結晶状態での重合は、液状での重合とは異なり結晶単位毎の重合となるため、保存瓶全体が重合するリスクは低い。重合性の材料の結晶が重合した重合物は、光学用組成物への溶解度が低く、光学用組成物を重合した硬化物において散乱率の悪化をもたらす。また、異物として識別されるため、光学用組成物の品質を下げる要因の一つとなる。
また、各種添加剤を添加した混合物の状態の光学用組成物中で、重合性の材料の結晶化が進行した場合、光学用組成物中に前記重合禁止剤や添加剤が集まった不均一部が発生することになり、光学用組成物の品質を下げる要因の一つになる。不均一部が発生すると、再撹拌等の追加の工程が必要になるため工程管理上も問題となる。
一方、重合性の材料の結晶化を抑制する代表的な方法としては、溶解力の高い材料を添加する方法、結晶化を抑制したい重合性の材料の分子に分子構造が類似した結晶化し難い分子を添加し、結晶化時に進行する重合性の材料の分子の配向を阻害する方法等が挙げられる。前者ではその効果を得るために多量の溶解力の高い材料を添加する必要がある。この方法では、重合性の材料の結晶化を抑制できるものの、光学用組成物を硬化して得た硬化物の光学特性の変化が問題となりうる。後者では、特開2014−198814号公報に示されるように、結晶化を抑制したい重合性の材料の分子に対し、分子構造が類似した、より結晶化し難い分子を添加する方法が一般的である。分子構造が類似した、より結晶化し難い分子として、具体的には、ベースとなる重合性の材料の分子の骨格に対し炭素鎖の長い柔軟性のある置換基の追加または結晶化を抑制させたい分子よりも長い炭素鎖を有する置換基への変更等が挙げられる。
しかし、前記柔軟性のある置換基の追加や前記長い炭素鎖を有する置換基への変更を行った重合性の材料に類似の構造を有する化合物を含む光学用組成物は、分散特性や2次分散特性の低下が懸念される。そのため、本発明では一般式(1)で表わされる化合物に対し、一般式(1)で表わされる化合物よりも結晶性の高い一般式(2)で表わされる化合物を含有させている。一般式(2)で表わされる化合物を含有させる量としては、含有量が少なすぎると結晶化抑制の効果が少なく、また含有量が多すぎると一般式(2)で表わされる化合物の結晶化が促進する。そのため、本発明の光学用組成物は、一般式(2)で表わされる化合物を、一般式(1)で表わされる化合物の1.0重量%以上10.0重量%以下含有することが好ましい。この場合、一般式(1)で表わされる化合物の結晶化抑制効果が好適になりかつ一般式(2)で表わされる化合物の結晶化が抑制できるため望ましい。さらに好ましくは、3.0重量%以上8.0重量%以下含有することが一般式(1)で表わされる化合物の結晶化抑制効果がより好適になりかつ一般式(2)で表わされる化合物の結晶化がより抑制できるために、広い温度範囲で結晶化抑制効果が発現するため望ましい。
次に、一般式(1)で表わされる化合物の製造方法について一例を挙げて説明する。一般式(1)で表わされる化合物は、その製造ルートについては特に限定されず、どの様な製造方法でも採用することが可能である。ただし、製造方法には、少なくとも下記(a)及び(b)、(c)の合成工程が含まれる。
(a)芳香環(ベンゼン環)−芳香環結合の形成工程
(b)エーテル(チオエーテル)化工程
(c)(メタ)アクリレート基の導入工程
合成のしやすさ等を考慮すると、上記合成工程は、工程(a)、工程(b)、工程(c)の順番で行われる。
工程(a)においては、芳香族環が有する官能基の種類によって、結合形成反応は、適宜変更が可能である。例えば、遷移金属触媒によるカップリング反応やハロゲン化物同士の酸化的カップリング反応、芳香環上での置換反応等である。尚、反応の収率を考慮すると遷移金属触媒によるカップリング反応が望ましい。
遷移金属触媒によるカップリング反応は、芳香族環が有する官能基の種類によって、選択する事が可能である。代表的な方法としては、ホウ酸等を利用する鈴木カップリング、有機スズを利用するスティルカップリング、有機亜鉛を利用する根岸カップリング等が挙げられる。
工程(b)における、エーテル化反応の代表的な方法としては、水酸基を水素化ナトリウムや水酸化カリウム等で塩にした後、対応するハロゲン化物を添加するウィリアムソンエーテル合成法等が挙げられる。一方、チオエーテル化反応は、チオール基生成反応と、チオール基とハロゲン化物との反応との2工程で行われる。ここでチオール基生成反応は、例えば、水酸基を求核置換反応に対して活性がある置換基(TsO−、Cl−、CFS(=O)−O−等)に変換した後、硫化物イオン(S2−)を用いた求核置換反応を行うことにより達成される。またチオール基とハロゲン化物との反応においては、上述したウィリアムソンエーテル合成法等を応用することができる。なお、エーテル化反応及びチオエーテル化反応は、反応条件内に水分が混入すると副反応が進行し、アルコール体またはチオール体が副生成物として生成するため、水分の管理は厳重に行う必要がある。
工程(c)において、(メタ)アクリレート基の導入の代表的な方法としては、(メタ)アクリル酸ハライドや(メタ)アクリル酸無水物を使用して水酸基をエステル化する方法、(メタ)アクリル酸の低級アルコールのエステルを使用するエステル交換する方法、N,N’−ジシクロヘキシルカルボジイミド等の脱水縮合剤を使用して水酸基を(メタ)アクリル酸とエステル化する方法、(メタ)アクリル酸を硫酸等の脱水剤存在下で加熱し水酸基をエステル化する方法等が挙げられる。
また、反応時や精製時、保存時に一般式(1)で表わされる化合物の重合が進行しないように重合禁止剤を必要に応じて使用してもよい。重合禁止剤の例としては、p−ベンゾキノン、ヒドロキノン、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキノンモノエチルエーテル、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、ヒドロキノンモノブチルエーテル、ヒドロキノンモノペンチルエーテル、ヒドロキノンモノヘキシルエーテル、ヒドロキノンモノオクチルエーテル、ヒドロキノンモノへプチルエーテル、2,5−ジフェニルパラベンゾキノン等のヒドロキノン類、テトラメチルピペリジニル−N−オキシラジカル(TEMPO)等のN−オキシラジカル類、tert−ブチルカテコール等の置換カテコール類、フェノチアジン、ジフェニルアミン、フェニル−β−ナフチルアミン等のアミン類、ニトロソベンゼン、ピクリン酸、分子状酸素、硫黄、塩化銅(II)等を挙げることができる。この中でもヒドロキノン類、フェノチアジン及びN−オキシラジカル類が汎用性かつ重合抑制の点で好ましい。
重合禁止剤の使用量は、一般式(1)で表わされる化合物に対して、下限が、通常10ppm以上、好ましくは50ppm以上であり、上限が、通常10000ppm以下、好ましくは5000ppm以下である。重合禁止剤の使用量が10ppm未満と少なすぎる場合は、重合禁止剤としての効果が発現しないか効果が小さく、反応時や後処理工程での濃縮時に重合が進行する危険性がある。また、重合禁止剤の使用量が10000ppmよりも多い場合には、例えば、後述する硬化物を製造する際の不純物となり、また、重合反応性を阻害する等の悪影響を及ぼす危険性があり好ましくない。
一方、本発明における一般式(2)で表わされる化合物の製造方法は、一般式(1)と同様にその製造ルートについては特に限定されず、一般式(1)で表わされる化合物の製造方法と同様の方法で行われる。ただし、工程(b)のエーテル(チオエーテル)化反応において、一般式(2)で表わされる化合物の基本骨格を得るために、使用する反応試剤の当量や添加時間を変更する必要がある。また、一般式(2)で表わされる化合物の前駆体であるジオール化合物は、一般式(1)で表わされる化合物の前駆体であるジオール化合物との混合物として合成しても良い。その含有量は、NMRや液体クロマトグラフィー等で確認することができる。混合物中に、一般式(2)で表わされる化合物の前駆体であるジオール化合物が一般式(1)で表わされる化合物の前駆体であるジオール化合物の1.0〜10.0重量%含まれる場合、該混合物中の前駆体に対して、後述の工程(c)の(メタ)アクリレート基の導入を行い、本発明の光学用組成物を得ることができる。また、一般式(2)で表わされる化合物の前駆体のジオール化合物を精製し単離した後に(メタ)アクリル化反応を行い、一般式(1)で表わされる化合物と混合することで、本発明の光学用組成物を得ても良い。一般式(1)で表わされる化合物の前駆体であるジオール化合物と一般式(2)で表わされる化合物の前駆体であるジオール化合物は、工程(b)のエーテル化反応またはチオエーテル化反応で使用するジオールまたはジチオールの使用量を調整することで作り分けが可能である。
続いて、本発明の硬化物について説明する。
本発明の硬化物は、本発明の光学用組成物を重合してなる硬化物であって、少なくとも一般式(4)で表わされる構造と一般式(5)で表わされる構造を含み、一般式(5)で表わされる構造を、一般式(4)で表わされる構造に対して物質量比で0.01以上0.10以下含有していることを特徴とする硬化物である。
Figure 2017200979
Figure 2017200979
一般式(4)及び一般式(5)中、X、X、Y、及びY、R乃至R、並びにZ乃至Zは、上記のとおり一般式(1)及び一般式(2)中のX、X、Y、及びY、R乃至R、並びにZ乃至Zと同じく定義される。ここで、R乃至Rが、アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、または4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基である場合、一般式(4)及び一般式(5)中のR乃至Rは、アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、または4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基の二重結合が開裂し、他の一般式(4)で表わされる構造または一般式(5)で表わされる構造と破線で結合した基であっても良い。また、一般式(4)及び一般式(5)において、Z、Z、及びZは、一般式(3)で表わされる構造の二重結合が開裂し、他の一般式(4)で表わされる構造または一般式(5)で表わされる構造と破線で結合した基であっても良い。さらに、Z、Z、Z、及びZが、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、または一般式(3)で表わされる構造である場合、一般式(4)及び一般式(5)中のZ、Z、Z、及びZは、前記2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、または一般式(3)で表わされる構造の二重結合が開裂し、他の一般式(4)で表わされる構造または一般式(5)で表わされる構造と破線で結合した基であっても良い。そして、一般式(4)または一般式(5)中の、それぞれ少なくとも2つの破線は結合を示す。
すなわち、本発明の硬化物は、少なくとも一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とを含む光学用組成物が重合している硬化物であって、前記光学用組成物は、前記一般式(2)で表わされる化合物が前記一般式(1)で表わされる化合物の1.0〜10.0重量%含有していることを特徴とする硬化物である。
Figure 2017200979
Figure 2017200979
また、本発明の硬化物の製造方法は、少なくとも一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物を含む光学用組成物であって、一般式(2)で表わされる化合物が一般式(1)で表わされる化合物の1.0重量%以上10.0重量%以下含有する光学用組成物を用意する工程と、前記光学用組成物を重合して硬化させることを特徴とする硬化物の製造方法である。
Figure 2017200979
Figure 2017200979
(一般式(1)及び一般式(2)中、X、X、Y、及びYはOまたはSであり、それぞれ同じであっても異なっていても良く、R乃至Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、及び4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基から選ばれる一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良く、Z、Z、及びZは一般式(3)で表わされる構造であり、Z、Z、Z、及びZは、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、及び一般式(3)で表わされる構造より選ばれる一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良く、Zは一般式(3)で表わされる構造中のVである。
Figure 2017200979
一般式(3)中、mは0または1であり、Wは水素原子またはメチル基であり、Vは下記に示す構造より選ばれる。
*−O−**、
*−S−**、
*−O−C2n−O−**、
*−S−C2n−O−**、
*−O−C2n−S−**、
*−S−C2n−S−**、
乃至Zにおいて、上記構造の*はアルキレン部位との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。ZにおいてVは、*−O−**及び*−S−**でなく、*及び**は共にアルキレン部位との結合手を表す。前記V中のC2nで表される構造は炭素原子上に置換基を有していても良く、nは2乃至5より選ばれる整数である。)
本発明の硬化物は、下記(A)乃至(D)の態様に大別される。
(A)一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物を重合させてなる硬化物。
(B)一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物と他の共重合可能な重合性材料とを共重合させてなる硬化物。
(C)一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物を他の共重合可能重合性材料に分散させ、これらを共重合させてなる硬化物。
(D)一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物を他のマトリックスポリマーに分散させてなる硬化物。
本発明の硬化物が、(A)の態様の硬化物である場合、硬化物は、一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物と、重合開始剤とを含有する光学用組成物を重合することで製造される。尚、この光学用組成物には、必要に応じて重合禁止剤、光増感剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、防カビ剤等をさらに含有させてもよい。
重合開始剤には、光照射によりラジカル種やカチオン種などの活性種を発生するもの、熱によりラジカル種などの活性種を発生するものが挙げられるがこれらに限定されない。
光照射によりラジカル種を発生する重合開始剤としては、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−1−ブタノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルホスフィンオキサイド、4−フェニルベンゾフェノン、4−フェノキシベンゾフェノン、4,4’−ジフェニルベンゾフェノン、4,4’−ジフェノキシベンゾフェノン等が挙げられるがこれらに限定されない。
また、光照射によりカチオン種を発生する重合開始剤としては、ヨードニウム(4−メチルフェニル)[4−(2−メチルプロピル)フェニル]−ヘキサフルオロホスフェートが好適な重合開始剤として挙げられるがこれに限定されない。
さらに、熱によりラジカル種を発生する重合開始剤としては、アゾビスイソブチルニトリル(AIBN)等のアゾ化合物、ベンゾイルパーオキサイド、tert−ブチルパーオキシピバレート、tert−ブチルパーオキシネオヘキサノエート、1,1−ジメチルブチルパーオキシネオヘキサノエート、tert−ブチルパーオキシネオデカノエート、1,1−ジメチルブチルパーオキシネオデカノエート、クミルパーオキシネオヘキサノエート、クミルパーオキシネオデカノエート等の過酸化物が挙げられるがこれらに限定されない。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される重合開始剤の添加量は、一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物の総重量に対して0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。尚、重合開始剤は1種類のみで使用することもできるし、2種類以上を併用して使用することもできる。尚、一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物に対する重合開始剤の添加比率は、光照射量、さらには、付加的な加熱温度に応じて適宜選択してもよい。また、得られる重合体の目標とする平均分子量に応じて、調整してもよい。
重合禁止剤には、ヒドロキノンモノメチルエーテル、ヒドロキノンモノエチルエーテル、ヒドロキノンモノプロピルエーテル、ヒドロキノンモノブチルエーテル、ヒドロキノンモノペンチルエーテル、ヒドロキノンモノヘキシルエーテル、ヒドロキノンモノオクチルエーテル、ヒドロキノンモノへプチルエーテル等のヒドロキノンモノアルキルエーテル系の重合禁止剤、3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート等の置換基を有するフェノール系の重合禁止剤が挙げられるがこれらに限定されない。但し、ヒドロキノンおよびベンゾキノン系の重合禁止剤は、UV照射で黄変することがあるため好適ではない。
重合禁止剤には、反応時や保存時の重合抑制剤として上述したものが挙げられるがそれらに限定されない。添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01重量%以上1.00重量%以下の範囲が好ましい。また、一つの重合禁止剤のみを使用しても良いし2種類以上の重合禁止剤を組み合わせて使用しても良い。着色の少なさを考慮すると具体的にはヒドロキノンモノアルキルエーテル系重合禁止剤を組み合わせて利用することが好ましい。
光増感剤にはベンゾフェノン、4,4−ジエチルアミノベンゾフェノン、1−ヒドロキシシクロヘキシルフェニルケトン、p−ジメチルアミノ安息香酸イソアミル、4−ジメチルアミノ安息香酸メチル、ベンゾイン、ベンゾインエチルエーテル、ベンゾインイソブチルエーテル、ベンゾインイソプロピルエーテル、2,2−ジエトキシアセトフェノン、o−ベンゾイル安息香酸メチル、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニルプロパン−1−オン、アシルホスフィンオキサイド等が挙げられるが、これらに限定されない。
耐光安定剤には硬化物の光学特性に大きな影響を及ぼさないものであれば特に制限は無く、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−p−クレゾール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ビス(1−メチル−1−フェニルエチル)フェノール、2−[5−クロロ(2H)−ベンゾトリアゾール−2−イル]−4−メチル−6−(tert−ブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4,6−ジ−tert−ペンチルフェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2,2’−メチルレンビス[6−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)]−4−(1,1,3,3−テトラメチルブチル)フェノール、2−(2H−ベンゾトリアゾール−2−イル)−6−ドデシル−4−メチルフェノール等のベンゾトリアゾール系の化合物、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸エチル、2−シアノ−3,3−ジフェニルアクリル酸 2−エチルヘキシル等のシアノアクリレート系の化合物、トリアジン系の化合物、オクタベンゾン、2,2’−4,4’−テトラヒドロベンゾフェノン等のベンゾフェノン系の化合物等が挙げられる。上記耐光安定剤が光増感剤の役割を果たす場合もあり、その場合には光増感剤は添加しなくても良い。
耐熱安定剤には硬化物の光学特性に大きな影響を及ぼさないものであれば特に制限は無く、ペンタエリスリトールテトラキス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート、オクタデシル−3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)プロピオネート、3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドロキシベンゼンプロパン酸の側鎖を有する炭素数7〜9のアルキルエステル、4,6−ビス(オクチルチオメチル)−o−クレゾール、4,6−ビス(ドデシルチオメチル)−o−クレゾール、エチレンビス(オキシエチレン)ビス[3−(5−tert−ブチル−4−ヒドロキシ−m−トリル)]プロピオネート、ヘキサメチレンビス[3−(3,5−ジ−tert−ブチル−4−ヒドロキシフェニル)]プロピオネート等のヒンダードフェノール系の化合物、トリス(2,4−ジ−tert−ブチルフェニル)ホスファイト等のリン系の化合物、ジオクタデシル−3,3’−チオジプロピオネート等の硫黄系の化合物等が挙げられる。
酸化防止剤には硬化物の光学特性に大きな影響を及ぼさないものであれば特に制限は無く、ビス(2,2,6,6−テトラメチル−4−ピペリジル)セバケート、ビス(1,2,2,6,6−ペンタメチル−4−ピペリジル)[[3,5−ビス(1,1−ジメチルエチル)−4−ヒドリキシフェニル]メチル]ブチルマロネート等のヒンダードアミン系の化合物等が挙げられる。
本発明の硬化物が、(B)の態様の硬化物である場合、硬化物は、一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物と共重合可能な重合性材料とからなる光学用組成物を重合することで製造される。該光学用組成物中の一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物の含有量は、1.0重量%以上99重量%以下が望ましい。硬化物の分散特性及び2次分散特性が光学設計上有用な範囲とするためには、一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物の含有量は50重量%以上99重量%以下が好ましい。尚、この光学用組成物には、必要に応じて重合禁止剤、光増感剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、防カビ剤等をさらに含有させてもよい。
共重合可能な重合性材料としては、例えば(メタ)アクリル系モノマーが挙げられるが、特に制限はない。例えば、1,3−アダマンタンジオールジメタクリレート、1,3−アダマンタンジメタノールジメタクリレート、トリシクロデカンジメタノールジアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、プロポキシ化ネオペンチルグリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、エトキシ化ビスフェノールAジメタクリレート、トリス(2−ヒドロキシエチル)イソシアヌレートトリアクリレート、2−(2−エトキシエトキシ)エチルアクリレート、ステアリルアクリレート、テトラヒドロフルフリルアクリレート、2−フェノキシエチルアクリレート、イソデシルアクリレート、イソボニルアクリレート、イソボニルメタクリレート、1,3−ブチレングリコールジアクリレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、1,6−ヘキサンジオールジアクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリプロピレングリコールジアクリレート、ジプロピレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、1,4−ブタンジオールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、1,6−ヘキサンジオールジメタクリレート、トリプロピレングリコールジメタクリレート、ジプロピレングリコールジメタクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシエトキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−アクリロイルオキシ)フェニル]フルオレン、9,9−ビス[4−(2−メタクリロイルオキシ)フェニル]フルオレン、ベンジルアクリレート、ベンジルメタクリレート、ブトキシエチルアクリレート、ブトキシメチルメタクリレート、シクロヘキシルアクリレート、シクロヘキシルメタクリレート、2−ヒドロキシエチルアクリレート、2−ヒドロキシメチルメタクリレート、グリシジルアクリレート、グリシジルメタクリレート、フェノキシエチルアクリレート、フェノキシエチルメタクリレート、フェニルメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、テトラエチレングリコールジアクリレート、テトラエチレングリコールジメタクリレート、ポリエチレングリコールジアクリレート、ポリエチレングリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、エチレングリコールビスグリシジルアクリレート、エチレングリコールビスグリシジルメタクリレート、ビスフェノールAジアクリレート、ビスフェノールAジメタクリレート、2,2−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、2,2−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)プロパン、ビスフェノールFジアクリレート、ビスフェノールFジメタクリレート、1,1−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)メタン、1,1−ビス(4−アクリロキシエトキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−メタクリロキシエトキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−アクリロキシジエトキシフェニル)スルホン、1,1−ビス(4−メタクリロキシジエトキシフェニル)スルホン、ジメチロールトリシクロデカンジアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート、トリメチロールプロパントリメタクリレート、グリセロールジアクリレート、グリセロールジメタクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、ペンタエリスリトールテトラアクリレート、ペンタエリスリトールテトラメタクリレート、メチルチオアクリレート、メチルチオメタクリレート、フェニルチオアクリレート、ベンジルチオメタクリレート、キシリレンジチオールジアクリレート、キシリレンジチオールジメタクリレート、メルカプトエチルスルフィドジアクリレート、メルカプトエチルスルフィドジメタクリレート等の(メタ)アクリレート化合物、アリルグリシジルエーテル、ジアリルフタレート、ジアリルテレフタレート、ジアリルイソフタレート、ジアリルカーボネート、ジエチレングリコールビスアリルカーボネート等のアリル化合物、スチレン、クロロスチレン、メチルスチレン、ブロモスチレン、ジブロモスチレン、ジビニルベンゼン、3,9−ジビニルスピロビ(m−ジオキサン)等のビニル化合物、ジイソプロペニルベンゼン等が挙げられるが、これらに限定されない。
共重合可能な重合性材料の添加量は、前記光学用組成物の重量に対して、0.10重量%以上80.00重量%以下の範囲が好ましい。硬化物の分散特性及び2次分散特性が光学設計上有用な範囲になることを考慮すると好ましくは0.10重量%以上30.00重量量%以下である。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される重合開始剤は、(A)の態様において示した重合開始剤を用いることが出来る。その添加量は、重合可能な成分の総重量に対して0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。尚、重合開始剤は1種類のみで使用することもできるし、2種類以上を併用して使用することもできる。尚、重合開始剤の添加比率は、光照射量、さらには、付加的な加熱温度に応じて適宜選択してもよい。また、得られる重合体の目標とする平均分子量に応じて、調整してもよい。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される重合禁止剤としては、(A)の態様において示した重合禁止剤を用いることが出来る。添加量は、光学用組成物に対して、0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
紫外線等を照射して重合を開始させる場合には、公知の光増感剤等を使用することもできる。光増感剤としては、(A)の態様において示した光増感剤を用いることが出来る。本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される光増感剤の添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される耐光安定剤としては、(A)の態様において示した耐光安定剤を用いることが出来る。添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される耐熱安定剤としては、(A)の態様において示した耐熱安定剤が挙げられる。添加量は、前記光学用組成物の0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される酸化防止剤としては、(A)の態様において示した酸化防止剤を用いることが出来る。添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
本発明の硬化物が、(C)の態様の硬化物である場合、硬化物は、一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物が共重合可能な重合性材料に分散されている光学用組成物を重合することで製造される。該光学用組成物に含有される共重合可能な重合性材料の含有量は、望ましくは1.0重量%以上99.0重量%以下である。得られる硬化物の分散特性及び2次分散特性、また一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物と重合性材料との相溶性を考慮すると、一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物の含有量は、1.0重量%以上50.0重量%以下が好ましい。
尚、この光学用組成物には、必要に応じて重合禁止剤、光増感剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、防カビ剤等をさらに含有させてもよい。
重合性材料としては、硬化物の分散特性及び2次分散特性が光学設計上有用な範囲になるのであれば特に制限はない。具体的には、(B)の態様において示された(メタ)アクリル系モノマー、アリル化合物、ビニル化合物、ジイソプロペニルベンゼン化合物、エポキシ化合物、チイラン化合物等を本態様における重合性材料として用いることが出来るが、これらに限定されない。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される重合開始剤は、(A)の態様において示した重合開始剤を用いることが出来る。その添加量は、重合可能な成分に対して0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。尚、重合開始剤は1種類のみで使用することもできるし、2種類以上を併用して使用することもできる。尚、重合開始剤の添加比率は、光照射量、さらには、付加的な加熱温度に応じて適宜選択してもよい。また、得られる重合体の目標とする平均分子量に応じて、調整してもよい。
本態様の光学用組成物に含有される重合禁止剤としては、(A)の態様において示した重合禁止剤を用いることが出来る。添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
紫外線等を照射して重合を開始させる場合には、公知の光増感剤等を使用することもできる。光増感剤の代表的なものとしては、(A)の態様において示した光増感剤を用いることが出来る。本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される光増感剤の添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される耐光安定剤としては、(A)の態様において示した耐光安定剤を用いることが出来る。添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される耐熱安定剤としては、(A)の態様において示した耐熱安定剤を用いることが出来る。添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される酸化防止剤としては、(A)の態様において示した酸化防止剤を用いることが出来る。添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
本発明の硬化物が、(D)の態様の硬化物である場合、硬化物は、一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物と、一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物と共重合可能なマトリックスポリマーとからなる光学用組成物を重合することで製造される。該光学用組成物に含有されるマトリックスポリマー化合物の含有量は、望ましくは1.0重量%以上99.0重量%以下である。得られる硬化物の分散特性及び2次分散特性、また一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物とマトリックスポリマーとの相溶性を考慮すると、マトリックスポリマーの含有量は、1.0重量%以上50.0重量%以下が好ましい。尚、この光学用組成物には、必要に応じて重合禁止剤、光増感剤、耐光安定剤、耐熱安定剤、酸化防止剤、離型剤、防カビ剤等をさらに含有させてもよい。
マトリックスポリマーとしては、(メタ)アクリル系ポリマー;アリル系ポリマー;エチレン単独重合体、エチレンとプロピレン、1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等の1種または2種以上のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体、エチレンと酢酸ビニル、アクリル酸、メタクリル酸、アクリル酸メチル、メタクリル酸メチルとの1種または2種以上のランダムまたはブロック共重合体、プロピレン単独重合体、プロピレンとプロピレン以外の1−ブテン、1−ペンテン、1−ヘキセン、4−メチル−1−ペンテン等の1種または2種以上のα−オレフィンとのランダムまたはブロック共重合体、1−ブテン単独重合体、アイオノマー樹脂、さらにこれら重合体の混合物等のポリオレフィン系樹脂;石油樹脂、テルペン樹脂等の炭化水素系樹脂;ポリエチレンテレフタレート、ポリブチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート等のポリエステル系樹脂;ナイロン6、ナイロン66、ナイロン11、ナイロン12、ナイロン610、ナイロン6/66、ナイロン66/610、ナイロンMXD等ポリアミド系樹脂;ポリメチルメタクリレート等のアクリル系樹脂;ポリスチレン、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−アクリロニトリル−ブタジエン共重合体、ポリアクリロニトリル等のスチレン、アクリロニトリル系樹脂;ポリビニルアルコール、エチレン−ビニルアルコール共重合体等のポリビニルアルコール系樹脂;ポリカーボネート樹脂;ポリケトン樹脂;ポリメチレンオキシド樹脂;ポリスルホン樹脂;ポリイミド樹脂;ポリアミドイミド樹脂等が挙げられるがこれらに限定されない。これらの樹脂は1種類を単独で使用してもよいし、2種類以上を混合して用いてもよい。またこれらマトリックスポリマーは、一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物との相溶性や硬化物の分散特性及び2次分散特性を考慮した上で適宜選択される。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される重合開始剤は、(A)の態様において示した重合開始剤を用いることが出来る。その添加量は、重合可能な成分に対して0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。尚、重合開始剤は1種類のみで使用することもできるし、2種類以上を併用して使用することもできる。尚、重合開始剤の添加比率は、光照射量、さらには、付加的な加熱温度に応じて適宜選択してもよい。また、得られる重合体の目標とする平均分子量に応じて、調整してもよい。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される重合禁止剤としては、(A)の態様において示した重合禁止剤を用いることが出来る。添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
紫外線等を照射して重合を開始させる場合には、公知の光増感剤等を使用することもできる。光増感剤の代表的なものとしては、(A)の態様において示した光増感剤を用いることが出来る。本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される光増感剤の添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される耐光安定剤としては、(A)の態様において示した耐光安定剤を用いることが出来る。添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される耐熱安定剤としては、(A)の態様において示した耐熱安定剤を用いることが出来る。添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
本態様の硬化物を製造するための光学用組成物に含有される酸化防止剤としては、(A)の態様において示した酸化防止剤を用いることが出来る。添加量は、前記光学用組成物に対して、0.01重量%以上10.00重量%以下の範囲が好ましい。
各種添加剤や汎用モノマー及びマトリックスポリマーとの混合方法は、均一に混合できるのであれば特に制限はなく、溶剤等に全ての材料を混合後、溶剤を除去する方法、材料を加熱して溶融しそのまま混合する方法等である。前記(A)、(B)、(C)の態様の硬化物を得るための光学用組成物を調製する際には、溶剤中で混合する方法が均一になるので好ましい。一方前記(D)の態様の硬化物を得るための光学用組成物を調製する際には、マトリックスモノマーの溶剤への低い溶解度を考慮すると材料を加熱してそのまま混合する方法が好ましい。
前記溶剤を除去する方法としては、前記光学用組成物中の残留溶剤量が少なくなるのであれば特に制限はなく、減圧留去法や蒸留法等である。減圧留去法では、減圧下で重合反応が促進される可能性もあるため、酸素を含んだ気体を流通させながら減圧留去することが望ましい。また蒸留法では、加熱により重合反応が促進される可能性もあるため、重合禁止剤の追加や加熱温度を適宜調整することが望ましい。
本発明の光学用組成物を重合し、上記(A)乃至(D)の態様の硬化物を製造する場合、重合反応は光学用組成物中の重合開始剤により開始される。重合開始剤が光照射により活性種を発生する光重合開始剤である場合、前記光重合開始剤が活性種を発生する好適な波長の光を照射することで、本発明の硬化物の製造を行う。前記好適な波長の光としては、例えば、紫外光または可視光が挙げられる。また、重合開始剤が加熱により活性種を発生する熱重合開始剤である場合、前記熱重合開始剤が活性種を発生する好適な温度に加熱することで、本発明の硬化物の製造を行う。前記好適な温度としては、例えば80℃以上180℃以下である。
次に、本発明の光学素子並びにその製造方法について図を参照しながら説明する。
本発明の光学素子は、上記(A)乃至(D)の態様の硬化物を成形してなることを特徴とする。図2は、本発明の光学素子の例としての光学レンズを示す概略図である。図2(a)の光学素子は、本発明の硬化物を成形加工してなる薄膜(光学部材10)が基材であるレンズ基板20の片方の面上に設けられている。図2(a)の光学素子を製造する方法としては、例えば、光透過性材料からなる基材上に膜厚の薄い層構造の本発明の硬化物を形成する方法が挙げられる。具体的には、金属材料等からなる型をガラス基板から一定の距離を置いて設け、この型とガラス基板との間にある空隙に流動性の本発明の光学用組成物を充填する。その後、前記型を軽く抑えることで、型成形を行う。そして型を抑えつけたまま、光学用組成物の重合を行う。重合反応は光照射または加熱により行われる。
光重合により光学用組成物の重合を行う場合、例えば、前記基板として利用する光透過性材料、具体的にはガラス基板を介して、成形されている光学用組成物のモノマー等の原料に対して、均一に光照射を実施する。照射される光量は、光重合開始剤を利用した反応機構に応じて、また、含有される光重合開始剤の含有比率に応じて、適宜選択される。
前述のように、かかる光重合反応による光学用組成物の硬化物の製造においては、照射される光が型成形されているモノマー等の原料の全体に均一に照射されることがより好ましい。従って、利用される光照射は、基板に利用する光透過性材料、例えばガラス基板を介して、均一に行うことが可能な波長の光を選択することが一層好ましい。この際、光透過性材料の基板上に形成する光学用組成物の厚さを薄くすることは、本発明にはより好適である。
また、熱重合により光学用組成物の重合を行う場合、前記型を加熱することにより光学用組成物の重合を行ってもよく、型成形された光学用組成物をオーブン等の加熱機器中で加熱することで光学用組成物の重合を行ってもよい。加熱温度は、熱重合開始剤を利用した反応機構に応じて、また、含有される光重合開始剤の含有比率に応じて、適宜選択される。
光重合反応による光学用組成物の硬化物の製造と同様に、熱が型成形されている光学用組成物の原料の全体に均一に加えられることがより好ましい。従って、利用される加熱方法は、型成形された光学用組成物を加熱機器中で均一に加熱することが一層好ましい。また、型上に形成する硬化物の厚さを薄くすることで、型を加熱することにより光学用組成物の重合する製造方法でも、光学用組成物を均一に加熱することができる。
一方、図2(b)の光学素子は、本発明の硬化物を成形加工してなる薄膜(光学部材10)が2つの基材の間、すなわちレンズ基板30とレンズ基板40との間に設けられている。図2(b)の光学素子を製造する方法としては、例えば、レンズ基板30とレンズ基板40との間に、未硬化の本発明の光学用組成物等を流し込み、軽く抑えることで成形を行う。そしてこの状態に保ったまま未硬化の樹脂組成物の光重合を行うことで、硬化物とする。それにより本発明の硬化物がレンズ基板30及びレンズ基板40に挟まれた光学素子を得ることができる。
また、熱重合法による硬化物の形成を行うこともできる。この場合、全体の温度をより均一とすることが望ましく、光透過性材料の基板上に形成する重合性組成物の硬化物の膜厚を薄くすることが、本発明の光学素子にはより好適なものとなる。
また形成する硬化物を厚くする場合には、膜厚、樹脂成分の光吸収などを考慮した光の照射量、光の照射強度、光源など、及び加熱温度、加熱時間などを適宜選択することで、硬化物を厚くすることが可能である。
一方、本発明の硬化物を上記(C)の態様で用いる場合、該硬化物の成形方法として溶融成形法を用いることができる。溶融成形法を用いることで、低複屈折性、機械強度及び寸法精度等の特性に優れた成形物を得ることができる。溶融成形法としては、プレス成形、押し出し成形、射出成形等が挙げられるが、成形性及び生産性の観点から射出成形が好ましい。
また、成形工程における成形条件は、使用目的または成形方法により適宜選択されるが、射出成形における硬化物の温度は、150℃から400℃の範囲であることが好ましく、200℃から350℃の範囲であることがより好ましく、200℃から330℃の範囲であることが特に好ましい。前記温度範囲で硬化物を成形することにより、成形時に適度な流動性を樹脂に付与して成形物である本発明の光学素子のヒケやひずみの発生を防止することができる。また、前記温度範囲で硬化物を成形することにより、硬化物の熱分解によるシルバーストリークの発生を防止し、さらには、光学素子の黄変を効果的に防止することができる。
本発明の光学素子は、例えばカメラレンズ等の光学レンズとして利用できる。また、本発明の光学機器は、本発明の光学素子を有しており、例えば前記光学レンズを有するカメラなどである。
以下、実施例により本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はその要旨を超えない限り、以下に説明する実施例に限定されるものではない。尚、合成した化合物の分子構造の分析は、日本電子製JNM−ECA400 NMRを用い、合成した化合物10mgを重クロロホルム1mlに溶解させて測定した。また、下記合成中間体A及び化合物Bは特開2014−43565号公報を参考にして、化合物Aは特開2012−167019号公報を参考にして合成した。
一般式(1)で表わされる化合物及び一般式(2)で表わされる化合物の分析は、R乃至Rが全て同じでかつZ乃至Zが全て同じ場合は、R及びRに含まれる原子のNMRシフト位置と、それらに対応するR及びRに含まれる原子のNMRシフト位置を比較すれば容易に分析可能である。或いは、Vで表わされる構造のNMRシフト位置の解析によりVで表わされる構造に(メタ)アクリロイル基が結合し一般式(1)で表わされる化合物であるか、または一般式(2)で表わされる化合物であるかが確認できる。
Figure 2017200979
(合成例1)化合物Cの合成
Figure 2017200979
55%水素化ナトリウム(5g)のテトラヒドロフラン(200ml)溶液を0℃に冷却し、1,2−エタンジオール(5g)をゆっくり滴下して1,2−エタンジオールのナトリウム塩を調製した。その調製液に0℃で合成中間体A(30g)を少しずつ添加し、反応液を25℃まで昇温してそのまま12時間撹拌した。反応進行度合を薄層クロマトグラフィー(以下、TLC)で確認しながら反応終点を確認後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(30ml)を少しずつ添加して反応を停止した。反応停止液を水(300ml)に注いで結晶を析出させ、析出した結晶を水(100ml)、メタノール(100ml)、ヘキサン(100ml)の順で洗浄し、合成中間体Bを38g(収率72%)得た。
次に、合成中間体B(38g)を酢酸エチル(100ml)に溶解し、10℃に冷却し、トリエチルアミン(9g)及びメタクリロイルクロリド(11g)を順に滴下した。その後、TLCで反応状態を追跡しながら同温度で6時間撹拌後、トルエン(300ml)で希釈した。トルエン希釈液に10%水酸化ナトリウム水溶液(70ml)を添加し、撹拌後に水相を分離し、残った有機相を水(100ml)で2回洗浄した。有機相を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、得られた粗精製物を酢酸エチルとヘキサンの混合溶剤から再結晶を行うことで白色結晶の化合物Cを28g(収率65%)得た。
H−NMR(CDCl;TMS):δ 1.45(d、6H)、3.32−4.04(m、12H)、3.86(s、6H)、3.89(s、6H)、4.59−4.68(m、8H)、5.45−5.49(m、2H)、6.04−6.11(m、2H)、6.92−6.97(m、4H)、7.14−7.20(m、4H)、7.22−7.28(m、4H)、7.57−7.69(m、8H)、7.95−8.05(m、8H)
(合成例2)化合物Dの合成
Figure 2017200979
55%水素化ナトリウム(5g)のテトラヒドロフラン(200ml)溶液を0℃に冷却し、1,4−ブタンジチオール(10g)をゆっくり滴下して1,4−ブタンジチオールのナトリウム塩を調製した。その調製液に0℃で合成中間体A(30g)を少しずつ添加し、反応液を25℃まで昇温してそのまま12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認しながら反応終点を確認後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(30ml)を少しずつ添加して反応を停止した。反応停止液を水(300ml)に注いで結晶を析出させ、析出した結晶を水(100ml)、メタノール(100ml)、ヘキサン(100ml)の順で洗浄し、合成中間体Cを38g(収率61%)得た。
次に、合成中間体C(38g)を酢酸エチル(100ml)に溶解させた後10℃に冷却し、そこへトリエチルアミン(9g)及びメタクリロイルクロリド(11g)を順に滴下した。その後、TLCで反応状態を追跡しながら同温度で6時間撹拌後、トルエン(300ml)で希釈した。トルエン希釈液に10%水酸化ナトリウム水溶液(70ml)を添加し、撹拌後に水相を分離し、残った有機相を水(100ml)で2回洗浄した。有機相を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、得られた粗精製物を酢酸エチルとヘキサンの混合溶剤から再結晶を行うことで白色結晶の化合物Dを24g(収率58%)得た。
H−NMR(CDCl;TMS):δ 1.44(d、6H)、1.48−1.95(m、12H)、2.43−2.87(m、12H)、3.85(s、6H)、3.87(s、6H)、3.56−4.03(m、8H)、5.15−5.29(m、2H)、5.89−6.03(m、2H)、6.90−6.95(m、4H)、7.08−7.16(m、4H)、7.20−7.28(m、4H)、7.54−7.68(m、8H)、7.93−8.02(m、8H)
(合成例3)化合物Eの合成
Figure 2017200979
55%水素化ナトリウム(5g)のテトラヒドロフラン(200ml)溶液を0℃に冷却し、1,4−ブタンジチオール(18g)をゆっくり滴下して1,4−ブタンジチオールのナトリウム塩を調製した。その調製液に上記合成中間体A(30g)を少しずつ添加し、反応液を25℃まで昇温してそのまま12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認しながら反応終点を確認後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(30ml)を少しずつ添加して反応を停止した。反応停止液を水(300ml)に注いで結晶を析出させ、析出した結晶を水(100ml)、メタノール(100ml)、ヘキサン(100ml)の順で洗浄し、合成中間体Dを28g(収率82%)得た。
次に、合成中間体D(28g)を酢酸エチル(100ml)に溶解させた後、10℃に冷却し、トリエチルアミン(6g)及びメタクリロイルクロリド(7g)を順に滴下した。その後、TLCで反応状態を追跡しながら同温度で6時間撹拌後、トルエン(300ml)で希釈した。トルエン希釈液に10%水酸化ナトリウム水溶液(70ml)を添加し、撹拌後に水相を分離し、残った有機相を水(100ml)で2回洗浄した。有機相を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、得られた粗精製物を酢酸エチルとヘキサンの混合溶剤から再結晶を行うことで白色結晶の化合物Eを21g(収率63%)得た。
H−NMR(CDCl;TMS):δ 1.43(d、6H)、1.54−1.86(m、8H)、2.43−2.68(m、8H)、3.84(s、6H)、3.51−4.01(m、4H)、5.14−5.28(m、2H)、5.86−6.04(m、2H)、6.88−6.94(m、2H)、7.03−7.15(m、2H)、7.16−7.27(m、2H)、7.53−7.68(m、4H)、7.94−8.05(m、4H)
(合成例4)化合物Fの合成
下記化合物Fは特開2012−167019号公報、特開2014−43565号公報に記載の合成法を参考にして試薬を変更して合成した。
Figure 2017200979
特開2012−167019号公報を参考にして合成したジフェニルスルホン−4,4’−ジイルビス(トリフルオロメタンスルホナート)(28g)、3−ホルミル−4−イソプロピルオキシフェニルボロン酸(27g)、炭酸水素ナトリウム(30g)、テトラキストリフェニルホスフィンパラジウム(1.3g)、1,4−ジオキサン(500ml)、水(250ml)を反応容器内で混合し、反応温度80℃で3時間撹拌した。次に、水250mlを添加した後、反応溶液を80℃で1時間撹拌し、析出した結晶(粗結晶)をろ過・回収した後、この粗結晶をエタノールで洗浄してから、ヘキサン/酢酸エチル混合溶媒で再結晶により精製を行い薄灰色の結晶として合成中間体Eを得た。
次に、得られた結晶をメタノール(200ml)、テトラヒドロフラン(200ml)に溶解させ、反応溶液を0℃に冷却した後、水素化ホウ素ナトリウム(12g)をゆっくり添加し、同温度で3時間撹拌した。反応終点をTLCで確認後、2N塩酸水溶液(50ml)をゆっくり添加し、反応溶液を室温で1時間撹拌した。生成した結晶を炭酸水素ナトリウム水溶液、水の順で洗浄し、エタノール/酢酸エチル/ヘキサン混合溶媒で再結晶により精製を行うことにより、合成中間体Fを27g(2steps収率90%)得た。
合成中間体F(27g)をジクロロメタン(300ml)に溶解し、反応容器を0℃に冷却し三臭化リン(27g)をゆっくり滴下し、全て滴下後に反応溶液を20℃まで昇温しながら3時間撹拌する。10℃以下の水(2L)に反応液を撹拌しながら注入し、そのまま0.5時間撹拌して反応を停止させた。有機相と水相の混合液から有機相のみを取り出し、エバポレーターで溶媒を除去して乾固させた。そこにテトラヒドロフラン100mlを添加し、乾固物を溶解した。
2Lの水を入れた容器に前記溶液を撹拌しながら注入し、結晶を析出させた。析出した結晶をろ過し、ろ液が中性になるまで水で洗浄した。その後、得られた結晶をメタノール(100ml)で洗浄した。得られた結晶を送風で24時間乾燥させた後、70℃温風で24時間乾燥させることにより、合成中間体Gを29g(収率88%)得た。
55%水素化ナトリウム(3g)のテトラヒドロフラン(150ml)溶液を0℃に冷却し、1,3−プロパンジオール(7g)をゆっくり滴下して1,4−ブタンジチオールのナトリウム塩を調製した。その調製液に上記合成中間体G(20g)を少しずつ添加し、反応液を25℃まで昇温してそのまま12時間撹拌した。反応進行度合をTLCで確認しながら反応終点を確認後、反応液に飽和塩化アンモニウム水溶液(30ml)を少しずつ添加して反応を停止した。反応停止液を水(300ml)に注いで結晶を析出させ、析出した結晶を水(100ml)、メタノール(100ml)、ヘキサン(100ml)の順で洗浄し、合成中間体Hを17g(収率88%)得た。
次に、合成中間体H(15g)を酢酸エチル(70ml)に溶解させた後、10℃に冷却し、トリエチルアミン(6g)及びメタクリロイルクロリド(7g)を順に滴下した。その後、TLCで反応状態を追跡しながら同温度で6時間撹拌後、トルエン(200ml)で希釈した。トルエン希釈液に10%水酸化ナトリウム水溶液(30ml)を添加し、撹拌後に水相を分離し、残った有機相を水(40ml)で2回洗浄した。有機相を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、得られた粗精製物を酢酸エチルとヘキサンの混合溶剤から再結晶を行うことで白色結晶の化合物Fを11g(収率63%)得た。
H−NMR(CDCl;TMS):δ 1.52(d、12H)、1.73−1.92(m、4H)、1.98(s、6H)、3.37−3.72(m、6H)、4.01(t、4H)、4.08−4.23(m、4H)、5.15−5.26(m、2H)、5.84−6.03(m、2H)、6.85−6.91(m、2H)、7.05−7.19(m、2H)、7.19−7.28(m、2H)、7.53−7.70(m、4H)、7.93−8.04(m、4H)
(合成例5)化合物Gの合成
Figure 2017200979
合成中間体J(20g)を酢酸エチル(70ml)に溶解させた後、10℃に冷却し、トリエチルアミン(12g)及びメタクリロイルクロリド(11g)を順に滴下した。その後、TLCで反応状態を追跡しながら同温度で6時間撹拌後、トルエン(200ml)で希釈した。トルエン希釈液に10%水酸化ナトリウム水溶液(40ml)を添加し、撹拌後に水相を分離し、残った有機相を水(50ml)で2回洗浄した。有機相を濃縮後シリカゲルカラムクロマトグラフィーで精製し、得られた粗精製物を酢酸エチルとヘキサンの混合溶剤から再結晶を行うことで白色結晶の化合物Gを15g(収率58%)得た。
H−NMR(CDCl;TMS):δ 2.02(s、6H)、3.72(s、6H)、4.24(s、4H)、5.17−5.28(m、2H)、5.90−6.05(m、2H)、6.86−6.90(m、2H)、7.04−7.17(m、2H)、7.15−7.25(m、2H)、7.55−7.67(m、4H)、7.91−8.01(m、4H)
(評価サンプルの作製手順)
(1)光学用組成物の調製
一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物の含有量が、各実施例または各比較例に示される含有量となるように、それぞれの材料を秤量し混合した。その混合物に対し、0.2重量%の重合禁止剤としての4−メトキシフェノール、0.2重量%の重合開始剤としての1−ヒドロキシ−シクロヘキシルフェニルケトン(IRGACURE 184/BASF社(旧チバ社)製)、10重量%のアルコキシ化脂肪族ジアクリレートを秤量し、アセトンに全ての材料を溶解させて混合した後、アセトンを留去することで光学用組成物を調製した。
(実施例1)
前記評価サンプル作製手順に従って調製した、前記化合物Cが前記化合物Aの1.0重量%含有される光学用組成物。
(実施例2)
前記評価サンプル作製手順に従って調製した、前記化合物Cが前記化合物Aの5.0重量%含有される光学用組成物。
(実施例3)
前記評価サンプル作製手順に従って調製した、前記化合物Cが前記化合物Aの10.0重量%含有される光学用組成物。
(実施例4)
前記評価サンプル作製手順に従って調製した、前記化合物Cが前記化合物Bの5.0重量%含有される光学用組成物。
(実施例5)
前記評価サンプル作製手順に従って調製した、前記化合物Dが前記化合物Eの5.0重量%含有される光学用組成物。
(実施例6)
前記評価サンプル作製手順に従って調製した、前記化合物Cが前記化合物Eの5.0重量%含有される光学用組成物。
(実施例7)
前記評価サンプル作製手順に従って調製した、前記化合物Cが前記化合物Fの5.0重量%含有される光学用組成物。
(実施例8)
前記評価サンプル作製手順に従って調製した、前記化合物Cが前記化合物Gの5.0重量%含有される光学用組成物。
(比較例1)
前記評価サンプル作製手順に従って調製した、前記化合物Cが前記化合物Aの0.3重量%含有される光学用組成物。
(比較例2)
前記評価サンプル作製手順に従って調製した、前記化合物Cが前記化合物Aの11.0重量%含有される光学用組成物。
(比較例3)
前記評価サンプル作製手順に従って調製した、前記化合物Cが前記化合物Bの0.3重量%含有される光学用組成物。
(比較例4)
前記評価サンプル作製手順に従って調製した、前記化合物Cが前記化合物Eの0.3重量%含有される光学用組成物。
(比較例5)
前記評価サンプル作製手順に従って調製した、前記化合物Bが比較化合物Aの5.0重量%含有される光学用組成物。
Figure 2017200979
(比較例6)
前記評価サンプル作製手順に従って調製した、前記化合物Cがエトキシ化(2)ビスフェノールAジメタクリレート(比較化合物B)の10.0重量%含有される光学用組成物。
Figure 2017200979
(2)評価用サンプルの作製
(2a)屈折率測定用サンプル
直径30mmの円板型のガラス基板を2枚用意して、測定対象となる重合禁止剤、重合開始剤等を含む前記光学用組成物を、厚さが500μmで均一になるように、スペーサーを設置したガラス基板で挟んだ。サンプルに紫外光を照射することで2枚のガラス基板に挟まっている前記光学用組成物を硬化させ、屈折率測定用サンプルを製造した。
(2b)結晶化確認用サンプル
測定対象となる各実施例および各比較例の光学用組成物を茶褐色瓶(10ml)に5±1g充填し、80℃の恒温槽で1時間静置した。その後、23℃の恒温槽に静置した。
(作製サンプルの評価方法)
(2)測定及び評価
(2a)屈折率、分散特性(アッベ数)、2次分散特性(θg,F)
アッベ屈折計(カルニュー光学工業)を用いて測定し、表には波長587.6nmでの屈折率並びに下記式より算出した分散特性及び2次分散特性を示す。
アッベ数(分散特性) :[ν]=(n−1)/(n−n
2次分散特性 :[θg,F]=(n−n)/(n−n
(2b)結晶化の確認
前記結晶化確認用サンプルは、23℃の恒温槽で24時間静置した後に恒温槽から取り出した。そして、林時計工業株式会社製SPA−10SDのLEDライトで茶褐色瓶の外側から結晶化確認用サンプルに光を照射し、結晶化確認用サンプル中の目視で確認できるサイズの結晶(最も長い辺が2mm以上の結晶)の発生の有無を確認した。最も長い辺が2mm以上の結晶が発生した実施例をD、最も長い辺が1mm以上2mm未満の結晶が発生した実施例をC、最も長い辺が1mm未満の結晶が発生した実施例をB、結晶が発生していなかった実施例をAとして表に示した。
恒温槽での静置時間を24時間とした理由は、加熱した光学用組成物を直接冷蔵庫や冷凍庫で保管すると容器の破損やすでに保管してある物が加温される等の弊害があるためである。したがって、24時間かけて光学用組成物を23℃まで冷ました後に冷蔵庫や冷凍庫に設置する必要があり、冷却工程において光学用組成物中の成分が結晶化すると、光学用組成物を重合した硬化物中にムラが生じてしまうためである。
Figure 2017200979
本発明の光学用組成物は、結晶化を抑制できるため、結晶化による光学用組成物を重合した硬化物のムラの発生を抑制できる。さらに本発明の光学用組成物を重合してなる本発明の硬化物及び前記硬化物を成形してなる本発明の光学素子は、屈折率の分散特性(アッベ数(ν))及び2次分散特性(θg,F)が高く(高θg,F特性)、色収差補正機能の高い特性を有する。このため、カメラレンズ等の複数枚のレンズを有する装置に利用することができる。
10 光学部材
20、30、40 レンズ基板

Claims (17)

  1. 少なくとも一般式(4)で表わされる構造と一般式(5)で表わされる構造を含み、
    前記一般式(5)で表わされる構造は、前記一般式(4)で表わされる構造に対して物質量比で0.01以上0.10以下含有していることを特徴とする硬化物。
    Figure 2017200979
    Figure 2017200979
    (一般式(4)及び一般式(5)中、
    、X、Y、及びYはOまたはSであり、それぞれ同じであっても異なっていても良く、
    乃至Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、及び4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基から選ばれる一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良く、
    前記R乃至Rが、アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、または4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基である場合、前記R乃至Rは、前記アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、または4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基の二重結合が開裂した結合を有する構造であっても良く、
    、Z、及びZは一般式(3)で表わされる構造、または一般式(3)で表わされる構造の二重結合が開裂した結合を有する構造であっても良く、
    、Z、Z、及びZは、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、及び一般式(3)で表わされる構造より選ばれる一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良く、
    前記Z、Z、Z、及びZが、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、または一般式(3)で表わされる構造である場合、前記Z、Z、Z、及びZは、前記2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、または一般式(3)で表わされる構造の二重結合が開裂した結合を有する構造であっても良く、
    一般式(4)または一般式(5)中の、それぞれ少なくとも2つの破線は、前記二重結合が開裂した結合であり、
    は一般式(3)で表わされる構造中のVである。
    Figure 2017200979
    一般式(3)中、mは0または1であり、Wは水素原子またはメチル基であり、Vは下記に示す構造より選ばれる。
    *−O−**、
    *−S−**、
    *−O−C2n−O−**、
    *−S−C2n−O−**、
    *−O−C2n−S−**、
    *−S−C2n−S−**、
    前記Z乃至Zにおいて*はアルキレン部位との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。前記Zにおいて前記Vは、*−O−**及び*−S−**でなく、*及び**は共にアルキレン部位との結合手を表す。前記V中のC2nで表される構造は炭素原子上に置換基を有していても良く、nは2乃至5より選ばれる整数である。)
  2. 前記一般式(4)で表わされる構造と前記一般式(5)で表わされる構造が、他の重合性材料と共重合していることを特徴とする、請求項1に記載の硬化物。
  3. 前記他の重合性材料がマトリックスポリマーであることを特徴とする、請求項2に記載の硬化物。
  4. 少なくとも一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とを含む光学用組成物が重合している硬化物であって、
    前記光学用組成物は、前記一般式(2)で表わされる化合物が前記一般式(1)で表わされる化合物の1.0重量%以上10.0重量%以下含有していることを特徴とする硬化物。
    Figure 2017200979
    Figure 2017200979
    (一般式(1)及び一般式(2)中、
    、X、Y、及びYはOまたはSであり、それぞれ同じであっても異なっていても良く、
    乃至Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、及び4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基から選ばれる一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良く、
    、Z、及びZは一般式(3)で表わされる構造であり、
    、Z、Z、及びZは、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、及び一般式(3)で表わされる構造より選ばれる一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良く、
    は一般式(3)で表わされる構造中のVである。
    Figure 2017200979
    一般式(3)中、mは0または1であり、Wは水素原子またはメチル基であり、Vは下記に示す構造より選ばれる。
    *−O−**、
    *−S−**、
    *−O−C2n−O−**、
    *−S−C2n−O−**、
    *−O−C2n−S−**、
    *−S−C2n−S−**、
    前記Z乃至Zにおいて、上記構造の*はアルキレン部位との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。前記Zにおいて前記Vは、*−O−**及び*−S−**でなく、*及び**は共にアルキレン部位との結合手を表す。前記V中のC2nで表される構造は炭素原子上に置換基を有していても良く、nは2乃至5より選ばれる整数である。)
  5. 請求項1乃至4のいずれか1項に記載の硬化物を成形してなる光学素子。
  6. 前記光学素子がレンズであることを特徴とする請求項5に記載の光学素子。
  7. 前記光学素子は、基材の上に前記硬化物が設けられた光学レンズ又は2つの基材の間に前記硬化物が設けられた光学レンズであることを特徴とする請求項5に記載の光学素子。
  8. 請求項5乃至7のいずれか1項の光学素子を有することを特徴とする光学機器。
  9. 少なくとも一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物とを含み、一般式(2)で表わされる化合物が一般式(1)で表わされる化合物の1.0重量%以上10.0重量%以下含有することを特徴とする光学用組成物。
    Figure 2017200979
    Figure 2017200979
    (一般式(1)及び一般式(2)中、
    、X、Y、及びYはOまたはSであり、それぞれ同じであっても異なっていても良く、
    乃至Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、及び4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基から選ばれる一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良く、
    、Z、及びZは一般式(3)で表わされる構造であり、
    、Z、Z、及びZは、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、及び一般式(3)で表わされる構造より選ばれる一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良く、
    は一般式(3)で表わされる構造中のVである。
    Figure 2017200979
    一般式(3)中、mは0または1であり、Wは水素原子またはメチル基であり、Vは下記に示す構造より選ばれる。
    *−O−**、
    *−S−**、
    *−O−C2n−O−**、
    *−S−C2n−O−**、
    *−O−C2n−S−**、
    *−S−C2n−S−**、
    前記Z乃至Zにおいて、上記構造の*はアルキレン部位との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。前記Zにおいて前記Vは、*−O−**及び*−S−**でなく、*及び**は共にアルキレン部位との結合手を表す。前記V中のC2nで表される構造は炭素原子上に置換基を有していても良く、nは2乃至5より選ばれる整数である。)
  10. 前記X、X、Y、及びYがOであることを特徴とする請求項9に記載の光学用組成物。
  11. 前記R乃至Rが、メチル基、エチル基、プロピル基、及びイソプロピル基から選ばれる一つであり、
    前記Z、Z、Z、及びZが、水素原子、メチル基、エチル基、及びイソプロピル基から選ばれる一つであることを特徴とする請求項9または10に記載の光学用組成物。
  12. 前記R乃至Rは、メチル基またはイソプロピル基であり、
    前記Z、Z、Z、及びZが水素原子であることを特徴とする請求項9乃至11のいずれか一項に記載の光学用組成物。
  13. 前記一般式(3)中、前記mが0であり、前記Vが以下に示す構造であることを特徴とする請求項9乃至12のいずれか1項に記載の光学用組成物。
    *−O−**、
    *−S−**、
    *−O−CHCH−O−**、
    *−O−CHCHCH−O−**、
    *−O−CHCHCHCH−O−**、
    *−O−CHC(CHCH−O−**、
    *−S−CHCH−S−**、
    *−S−CHCHCH−S−**、
    *−S−CHCHCHCH−S−**、
    *−S−CHC(CHCH−S−**、
    (ただし、前記Z乃至Zにおいて*はアルキレン部位との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。前記Zにおいて前記Vは、*−O−**及び*−S−**でなく、*及び**は共にアルキレン部位との結合手を表す。)
  14. 少なくとも一般式(1)で表わされる化合物と一般式(2)で表わされる化合物を含む光学用組成物であって、一般式(2)で表わされる化合物が一般式(1)で表わされる化合物の1.0重量%以上10.0重量%以下含有する光学用組成物を用意する工程と、
    前記光学用組成物を重合して硬化させることを特徴とする硬化物の製造方法。
    Figure 2017200979
    Figure 2017200979
    (一般式(1)及び一般式(2)中、
    、X、Y、及びYはOまたはSであり、それぞれ同じであっても異なっていても良く、
    乃至Rは、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、アリル基、2−(メタ)アクリロイルオキシエチル基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロピル基、及び4−(メタ)アクリロイルオキシブチル基から選ばれる一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良く、
    、Z、及びZは一般式(3)で表わされる構造であり、
    、Z、Z、及びZは、水素原子、メチル基、エチル基、イソプロピル基、メトキシ基、エトキシ基、イソプロポキシ基、メチルチオ基、エチルチオ基、プロピルチオ基、2−(メタ)アクリロイルオキシエトキシ基、3−(メタ)アクリロイルオキシプロポキシ基、4−(メタ)アクリロイルオキシブトキシ基、及び一般式(3)で表わされる構造より選ばれる一つであって、それぞれ同じであっても異なっていても良く、
    は一般式(3)で表わされる構造中のVである。
    Figure 2017200979
    一般式(3)中、mは0または1であり、Wは水素原子またはメチル基であり、Vは下記に示す構造より選ばれる。
    *−O−**、
    *−S−**、
    *−O−C2n−O−**、
    *−S−C2n−O−**、
    *−O−C2n−S−**、
    *−S−C2n−S−**、
    前記Z乃至Zにおいて、上記構造の*はアルキレン部位との結合手を表し、**は(メタ)アクリロイル基との結合手を表す。前記Zにおいて前記Vは、*−O−**及び*−S−**でなく、*及び**は共にアルキレン部位との結合手を表す。前記V中のC2nで表される構造は炭素原子上に置換基を有していても良く、nは2乃至5より選ばれる整数である。)
  15. 前記光学用組成物は、前記一般式(1)で表わされる化合物及び前記一般式(2)で表わされる化合物の少なくともいずれか一方と共重合可能な重合性材料をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の硬化物の製造方法。
  16. 前記一般式(1)で表わされる化合物及び前記一般式(2)で表わされる化合物は、前記共重合可能な重合性材料に分散させていることを特徴とする請求項15に記載の硬化物の製造方法。
  17. 前記光学用組成物は、マトリックスポリマー化合物をさらに含むことを特徴とする請求項14に記載の硬化物の製造方法。
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