JP2010132277A - 自動車用ホイールディスク - Google Patents
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Abstract
【解決手段】スポーク部13が、スポーク底壁13aと、スポーク底壁13aからホイール軸方向に立ち上がるスポーク側壁13b1とスポーク側壁13b1のホイール軸方向端部からホイール軸方向からホイール周方向に湾曲しホイール周方向に延びるスポーク補強板13b2とを含むスポーク側部13bと、を備えており、飾り穴15のホイール周方向両側に位置する一対のスポーク側部13bのホイール半径方向内側端部どうしが、ホイール周方向に平坦な連結壁18でつながれている。
【選択図】 図3
Description
FIG.4に示す突起部とは、具体的には、ホイール半径方向に、飾り穴のホイール半径方向内側でホイール軸方向内側に湾曲する飾り穴周縁湾曲部からハブ取付けボルト穴が設けられるホイール半径方向位置よりホイール半径方向内側まで延びており、ホイール軸方向と直交する断面視で一対の側壁と該一対の側壁の端部同士を結ぶ単一の曲率半径の凸円弧状の頂壁とを備えた突起部である。
突起部がハブ取付けボルト穴よりホイール半径方向内側まで延びているため、ハブ取付けボルト穴と突起部とが干渉しないように、ハブ取付けボルト穴を隣り合う突起部の間に位置させる必要があり、スポーク部とハブ取付けボルト穴とにその数および配置に制約を受ける。
また、ハブ取付けボルト穴のホイール周方向両側に突起部があるため、ハブナット締め具をハブナットにアクセスさせるスペースが制限され(ハブナット締め具が突起部に干渉しやすいため)ハブナット締め付け作業が困難になるとともに、ホイールディスクの成形が困難になる。
さらに、突起部が飾り穴周縁湾曲部からハブ取付けボルト穴が設けられるホイール半径方向位置よりホイール半径方向内側まで延びている場合、あるいは、突起部が飾り穴周縁湾曲部からハブ取付けボルト穴が設けられるホイール半径方向位置のホイール半径方向中間部まで延びている場合には、突起部とハブ取付けボルト穴が設けられるハブ取付け部との境界部に応力集中が生じやすく耐久性が低下し易い。
突起部が、ホイール軸方向外側に立ち上がる一対の側壁と該一対の側壁の端部同士を結ぶ単一の曲率半径の凸円弧状の頂壁とを備えているため、ホイールディスクの強度上有利とするためには、頂壁のホイール軸方向位置をホイール軸方向外側にずらし頂壁をその他のディスク部分(スポーク底壁)より可能な限りホイール軸方向外側に位置させることが望ましい。しかし、頂壁のホイール軸方向位置をホイール軸方向外側にずらし頂壁を飾り穴よりホイール軸方向外側に位置させると、ホイールディスクのホイール軸方向長さが長くなってしまい、ホイールのインセット、リム幅の選択幅が狭くなってしまう。
また、頂壁のホイール軸方向位置をホイール軸方向外側にずらし頂壁をその他のディスク部分よりホイール軸方向外側に位置させると、頂壁およびその近傍の突起部の板厚が薄くなり、突起部の強度を確保することが困難になる。
(1) ハブ取付け部と、
前記ハブ取付け部から立ち上がる傾斜部と、
前記傾斜部からホイール半径方向外側に放射状に延びる複数のスポーク部と、
前記複数のスポーク部間に位置する飾り穴と、
ホイール半径方向外側端部に位置し前記複数のスポーク部のホイール半径方向外側端部をホイール周方向に連結するディスク外周部と、
を有し、
前記スポーク部は、前記傾斜部からホイール半径方向外側に放射状に延びるスポーク底壁と、該スポーク底壁からホイール軸方向に立ち上がるスポーク側壁と該スポーク側壁のホイール軸方向端部から、ホイール軸方向からホイール周方向に湾曲しホイール周方向に延びるスポーク補強板とを含むスポーク側部と、を備えており、
前記飾り穴のホイール周方向両側に位置する一対の前記スポーク側部のホイール半径方向内側端部どうしがホイール周方向に平坦な連結壁でつながれている、自動車用ホイールディスク。
(2) 前記連結壁の、ホイール軸方向と直交する面で切断した断面形状が、直線、または、前記連結壁の両側の前記スポーク補強板のホイール軸方向と直交する面で切断した断面における曲率半径より大きな曲率半径の円弧もしくは楕円から構成されている、(1)記載の自動車用ホイールディスク。
(3) 前記スポーク側部のスポーク側壁のホイール軸方向幅の最大幅が、前記スポーク底壁の板厚の2倍から20倍の範囲内にある、(1)または(2)記載の自動車用ホイールディスク。
(4) 前記飾り穴と前記ディスク外周部との間に移行部を有する、(1)〜(3)のいずれかに記載の自動車用ホイールディスク。
飾り穴のホイール半径方向内側でホイール軸方向外側かつホイール半径方向内側に突出し頂壁が単一の曲率半径の凸円弧形状である突起部の場合に比べて(従来の突起部を持つホイールディスクの場合に比べて)、スポーク底壁からホイール軸方向外側に突出した部分の突出量が少なくなる。そのため、ホイールのインセット、リム幅の選択幅が広くなる。また、従来の突起部を持つホイールディスクの場合に比べて、ホイール使用時において、スポーク部が変形するときの連結壁から中立軸までの距離が近くなる。そのため、連結壁にかかる応力を小さくすることができホイールディスクの耐久性を確保することができる。
上記(2)の自動車用ホイールディスクによれば、連結壁の、ホイール軸方向と直交する面で切断した断面形状が、直線、または、連結壁の両側のスポーク補強板のホイール軸方向と直交する面で切断した断面における曲率半径より大きな曲率半径の円弧もしくは楕円から構成されているため、スポーク部が変形するときの中立軸から遠い部分の断面積が大きくなる。そのため、ホイールディスクの剛性を確保することができる。
さらに、上記(1)、(2)の相乗的効果により、従来のような、ホイール半径方向に、飾り穴のホイール半径方向内側でホイール軸方向内側に湾曲する飾り穴周縁湾曲部からハブ取付けボルト穴が設けられるホイール半径方向位置よりホイール半径方向内側まで延びた突起部を設けなくても、ホイールディスクの耐久性および剛性を確保することができるため、従来のホイールに設けられていた突起部によってスポーク部とハブ取付けボルト穴との位置関係および数が制約を受けることを防止できる。また、従来の突起部が不要になるため、ハブナット締め付け作業が容易になる。
上記(3)の自動車用ホイールディスクによれば、ホイールディスクの剛性、耐久性、および成形性を確保できる。
上記(4)の自動車用ホイールディスクによれば、ディスク外周部の剛性を向上でき、さらに、ホイールディスクのリムとの組付けが容易となる。
本発明実施例の自動車用ホイールディスク(以下、単に、ホイールディスクまたはディスクともいう)10は、乗用車、トラック、バス、商用車等に用いられるホイールディスクである。ホイールディスク10は、板(たとえば鋼板)から成形(たとえばプレス成形)によって作られるホイールディスクが対象であり、鋳造ホイールは含まない。ホイールディスク10は、図1、図2に示すように、環状のリム(タイヤを保持する部品)20と溶接されてホイール1となる。
ハブ取付け部12は、ハブ穴11の周囲に設けられている。ハブ取付け部12は、平板状又は略平板状であり、ホイール軸方向(ホイールディスク10の軸芯)と直交またはほぼ直交する平面内にある。ハブ取付け部12にはハブ取付けボルト穴12aが複数設けられている。ハブ取付けボルト穴12aは、ホイール周方向に等間隔にたとえば5個設けられている。ただし、ハブ取付けボルト穴12aの数は、5個に限定されるものではなく、3個、4個でもよく、6個以上であってもよい。ハブから延びてくるハブ取付けボルト(両方共に図示略)をハブ取付けボルト穴12aに挿通し、ハブ取付けボルトに図示略のハブナットを螺合することにより、ホイールディスク10(ホイール1)はハブに固定される。図1および図2に示すように、ハブ取付け部12には、ハブ取付け部12の剛性向上、耐久性向上などのために、互いのハブ取付けボルト穴12aをつなぐ不連続の環状でかつ僅か(0.3mm〜5mm程度)にホイール軸方向外側に凸状に膨らんだアーチバンド12bと、傾斜部17とハブ取付けボルト穴12aとをつなぐホイール軸方向外側への膨らみ(サブリブ17a)とが、設けられている。
ハブ取付け部12の外周部12c(ハブ取付け部12と傾斜部17との境界部)は、図1に示すように、サブリブ17aを除いて円形をなしている。
ハブ取付け部12のホイール軸方向内側の面は、図2に示すように、ホイール軸方向で、ディスク外周部14のホイール軸方向外側とホイール軸方向内側との間にある。
スポーク部13のホイール半径方向外側端部は、図2および図14に示すように、ホイール軸方向内側に折り返されてディスク外周部14と接続する外周側曲面接続部Rを形成している。また、スポーク部13のホイール半径方向内側端部は、ホイール軸方向内側に折り返されて傾斜部17と接続する内周側曲面接続部rを形成している。スポーク部13のホイール半径方向中間部(ホイール半径方向で外周側曲面接続部Rと内周側曲面接続部rとの間)は、ホイール軸方向に直交する方向(ホイール軸方向に略直交する方向を含む)に延びており、スポーク部13のホイール半径方向中間部の半径方向両端部はホイール軸方向でほぼ同じ位置にある。
スポーク側壁13b1は、スポーク底壁13aのホイール周方向両側端部から、スポーク底壁13aから離れる方向かつホイール軸方向に延びている(立ち上がっている)。スポーク側壁13b1は、図10に示すように、スポーク底壁13aからホイール軸方向外側に延びていてもよく、図11に示すように、スポーク底壁13aからホイール軸方向内側に延びていてもよい。なお、図10、図11において、Aはホイール軸方向外側を示している。なお、本発明実施例および図示例では、特にことわりの無い限り、スポーク側壁13b1がスポーク底壁13aからホイール軸方向外側に延びている場合を説明する。
スポーク補強板13b2は、図10、図11に示すように、スポーク側壁13b1のスポーク底壁側と反対側のホイール軸方向端部から、ホイール軸方向からホイール周方向に向かって湾曲し、スポーク部13のホイール周方向幅を大にする方向にホイール周方向に延びている。
図2では、スポーク側部13bのホイール軸方向幅Hは、最大となる部位からホイール半径方向外側にいくにつれて狭くなっているが、部分的に広くなっていてもよい。
図2に示すように、ディスク外周部14は、リム20のドロップ部24でリム20と嵌合し、溶接等によりリム20に固定(接合)されている。ただし、リム20との嵌合部は、内側ビードシート部22または外側ビードシート部26などドロップ部24以外の部位でも良い。
ディスク外周部14が周方向位置W1のみでリム20に溶接にて接合される場合、周方向位置W2に比べて剛性の小さい位置で溶接されることになり、溶接部の応力集中が緩和され、ホイール1の疲労耐久性が向上する。
ディスク外周部14が周方向位置W2のみでリム20に溶接にて接合される場合、リム20からの力がスポーク部13を通して確実にハブ取付け部12に伝達される。
ディスク外周部14が周方向位置W3のみでリム20に溶接にて接合される場合、飾り穴15をディスク外周部14になる部分のプレス成形より先に形成した場合であっても、周方向位置W3のプレス成形後のホイール軸方向位置は安定しており、溶接を確実に行なうことができる。
さらに、図6に示すように、連結壁18の最も飾り穴15に近い部分はホイール軸方向に凹凸しない平坦な形状となっている。
連結壁18のホイール周方向幅は、飾り穴15のホイール周方向最大内径より小である。連結壁18は、図1、図3に示すように、ホイール半径方向内側端部(ホイール軸方向内側端部)で傾斜部17と接続しており、ホイール半径方向外側端部(ホイール軸方向外側端部)で飾り穴15と接続している。連結壁18は、ハブ取付け部12の最外径よりホイール半径方向内側には入り込んでいない。
連結壁18が傾斜部17と接続する部分および飾り穴15と接続する部分のホイール周方向幅は、連結壁18のホイール半径方向中間部(ホイール軸方向中間部)のホイール周方向幅より広くなっている。
本発明の連結壁18は、従来の突起部の単一の曲率半径の凸円弧状の頂壁部18xに代えて、飾り穴15のホイール周方向両側に位置する一対のスポーク側部13bのスポーク補強板13b2間を直線またはスポーク補強板13b2の曲率半径より大きな曲率半径の円弧もしくは楕円で結んだ平坦な形状としている。このようにすることで、スポーク部13が曲げ変形を受けた時の連結壁18から中立軸Y−Yまでの距離Lが従来の曲げ変形を受けた時の頂壁部18xから中立軸Y´−Y´までの距離L´より近くなるため、同じ大きさの変形が生じたときの連結壁18にかかる応力を従来の突起部の頂壁部18xにかかる応力より小さくすることができる。さらに、傾斜部17と接続する部分の連結壁18のホイール周方向幅が連結壁18のホイール半径方向中間部の幅より広くなっていることにより、傾斜部17への力の伝達が分散されて、応力集中が生じにくい。このため、ホイールディスク10の耐久性を確保することができる。また、連結壁18のホイール周方向幅Mを従来の頂壁部18xのホイール周方向幅M´より広くでき、その結果、スポーク部13が変形するときの中立軸から遠い連結壁18の断面積を大きくできるため、ホイールディスク10の剛性を確保することができる。
ただし、スポーク部13とハブ取付けボルト穴12aとの位置関係および数が制約を受けることを容認すれば、ハブ取付け部12の外周部12cよりホイール半径方向内側でホイール半径方向内側に突出した平坦な連結壁18を設けても支障は無い。
本発明実施例では、飾り穴15のホイール周方向両側に位置する一対のスポーク側部13bのホイール半径方向内側端部どうしがホイール周方向に平坦な連結壁18でつながれているため、つぎの効果を得ることができる。
飾り穴のホイール半径方向内側でホイール軸方向外側かつ半径方向内側に突出し頂壁が単一の曲率半径の凸円弧形状である突起部の場合に比べて(従来の突起部を持つホイールディスクの場合に比べて)、スポーク底壁13aからホイール軸方向外側に突出した部分の突出量が少なくなる。そのため、ホイール1のインセット、リム幅の選択幅が広くなる。また、従来の突起部を持つホイールディスクの場合に比べて、ホイール使用時において、スポーク部13が変形するときの連結壁18から中立軸までの距離が近くなる。そのため、連結壁18にかかる応力を小さくすることができホイールディスク10の耐久性を確保することができる。
また、平坦な連結壁18の、ホイール軸方向と直交する面で切断した断面形状が、直線、または、連結壁18の両側のスポーク補強板13b2のホイール軸方向と直交する面で切断した断面における曲率半径より大きな曲率半径の円弧もしくは楕円から構成されているため、スポーク部13が変形するときの中立軸から遠い部分の断面積が大きくなる。そのため、ホイールディスク10の剛性を確保することができる。
さらに、従来のような、飾り穴のホイール半径方向内側でホイール軸方向内側に湾曲する飾り穴周縁湾曲部からハブ取付け部のハブ取付けボルト穴が設けられるホイール半径方向位置よりホイール半径方向内側までホイール半径方向に延びた突起部を設けなくても、ホイールディスク10の耐久性および剛性を確保することができるため、従来のホイールに設けられていた突起部によってスポーク部とハブ取付けボルト穴との位置関係および数が制約を受けることを防止できる。また、従来の突起部が不要になるため、ハブナット締め付け作業が容易になるとともに、ホイールディスクの成形が容易になる。
10 ホイールディスク
11 ハブ穴
12 ハブ取付け部
12a ハブ取付けボルト穴
13 スポーク部
13a スポーク底壁
13b スポーク側部
13b1 スポーク側壁
13b2 スポーク補強板
14 ディスク外周部
15 飾り穴
18 連結壁
20 リム
21 内側フランジ部
22 内側ビードシート部
23 内側サイドウォール部
24 ドロップ部
25 外側サイドウォール部
26 外側ビードシート部
27 外側フランジ部
Claims (4)
- ハブ取付け部と、
前記ハブ取付け部から立ち上がる傾斜部と、
前記傾斜部からホイール半径方向外側に放射状に延びる複数のスポーク部と、
前記複数のスポーク部間に位置する飾り穴と、
ホイール半径方向外側端部に位置し前記複数のスポーク部のホイール半径方向外側端部をホイール周方向に連結するディスク外周部と、
を有し、
前記スポーク部は、前記傾斜部からホイール半径方向外側に放射状に延びるスポーク底壁と、該スポーク底壁からホイール軸方向に立ち上がるスポーク側壁と該スポーク側壁のホイール軸方向端部から、ホイール軸方向からホイール周方向に湾曲しホイール周方向に延びるスポーク補強板とを含むスポーク側部と、を備えており、
前記飾り穴のホイール周方向両側に位置する一対の前記スポーク側部のホイール半径方向内側端部どうしがホイール周方向に平坦な連結壁でつながれている、自動車用ホイールディスク。 - 前記連結壁の、ホイール軸方向と直交する面で切断した断面形状が、直線、または、前記連結壁の両側の前記スポーク補強板のホイール軸方向と直交する面で切断した断面における曲率半径より大きな曲率半径の円弧もしくは楕円から構成されている、請求項1記載の自動車用ホイールディスク。
- 前記スポーク側部のスポーク側壁のホイール軸方向幅の最大幅が、前記スポーク底壁の板厚の2倍から20倍の範囲内にある、請求項1または請求項2記載の自動車用ホイールディスク。
- 前記飾り穴と前記ディスク外周部との間に移行部を有する、請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の自動車用ホイールディスク。
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