JP2010127938A - ガス混合気中のガス成分を確定するためのセンサ素子及びその方法並びにその適用方法 - Google Patents

ガス混合気中のガス成分を確定するためのセンサ素子及びその方法並びにその適用方法 Download PDF

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Abstract

【課題】ガス混合気中のガス成分を確定するためのセンサ素子ないしその方法において、ガス混合気中に大量に存在する例えば酸素の他にも存在する僅かな濃度のガス成分の確定も許容し得るように改善を行うこと。
【解決手段】電気化学的測定セルの複数の電極が双方で、同じ内部ガス室のガス雰囲気とコンタクトするかまたは流体流動的に相互接続された複数の内部ガス室のガス雰囲気とコンタクトするように構成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、電気化学的測定セルを有しており、前記電気化学的測定セルはセラミック基板と該セラミック基板上に被着された複数の電極とから形成されている、ガス混合気中のガス成分の確定のためのガスセンサのセンサ素子及びその方法並びにその適用方法に関している。
厳しさの度合いが益々高まる環境保護法制定の枠内においては、微量の有害物質量も確実に検出し得るセンサへの需要が高まってきている。この場合はとりわけ測定方法、すなわちppm領域の気体状の有害物質の確定を可能にする測定方法が重要となる。しかしながらその際には排気ガス中の内容物、特に窒素酸化物の確定が、それと並行して存在する酸素成分の規模が大きいために挑戦の域となっている。このことは、将来的な排ガス規制法を充足するOBDセンサとして使用する上でも重要な点である。というのも本願明細書の中で例示的に取り上げる窒素酸化物に対して、次のような限界値、すなわち現段階で得られる固体電解質ガスセンサの分解能の限界値に及ばない限界値が定められているからである。
このような問題を考慮するために、例えばまだ未公開のDE 10 2007 050119 A 明細書からは、特にガス混合気中の窒素酸化物の定性的ないし定量的確定のためのセンサ素子の蓄積装置が参照される。この明細書中に記載されている蓄積装置ないしはこの装置を含んでいるセンサ素子は、次のような考えに基づいている。すなわち確定すべきガス成分、つまり検査すべきガス混合気中に僅かな濃度で存在するガス成分を所定の期間に亘って蓄積させることに基づいている。そのためこのセンサ素子の内部に設けられる蓄積装置は、触媒毒と温度変化に耐えられるものでなければならない。
検出すべきガス成分の確定は不連続的に行われる。その際にはまず収集段階において、確定すべきガス成分が蓄積手段内に蓄積され、この蓄積手段の蓄積状態が測定信号として求められる。それに続く再生段階では、蓄積された被検ガス成分が例えば温度上昇によって当該蓄積手段から再び除去される。またこれとは代替的に、再生段階の期間中において任意に設定された被検ガス成分を測定信号として捉え、その濃度を求めるようにしてもよい。
さらにEP 1 739 416 A2 明細書からは、とりわけ窒素酸化物の確定に用いられる、ガス混合気中のガス成分を確定するためのセンサが公知である。ここに記載されているガスセンサには複数の電気化学的測定セルと、通流の制限された内部空間が含まれており、この通流制限された内部空間には、検出すべきガス成分確定のための基準指標(Bezugspunkt)となる基準ガス雰囲気が存在している。この通流制限された内部空間では電気化学的測定セルの内部電極が存在しており、この内部電極を用いて被検ガス成分の含有量がボルタンメトリー的手法で確定され得る。
DE 10 2007 050119 A 明細書 EP 1 739 416 A2 明細書
本発明の課題は、ガス混合気中のガス成分を確定するためのセンサ素子ないしその方法において、ガス混合気中に大量に存在する例えば酸素の他にも存在する僅かな濃度のガス成分の確定も許容し得るように改善を行うことである。
前記課題は本発明により、電気化学的測定セルの複数の電極が双方で、同じ内部ガス室のガス雰囲気とコンタクトするかまたは流体流動的に相互接続された複数の内部ガス室のガス雰囲気とコンタクトするように構成されて解決される。
本発明の第1実施形態によるセンサ素子の概略的断面図 本発明の第1実施形態による図1に示されたセンサ素子の第1変化例の概略的断面図 本発明の第1実施形態による図1に示されたセンサ素子の第2変化例の概略的断面図 本発明の第1実施形態による図1に示されたセンサ素子の第3変化例の概略的断面図 本発明の第2実施形態によるセンサ素子の概略的断面図 本発明の第2実施形態による図5に示されたセンサ素子の第1変化例の概略的断面図 本発明の第2実施形態による図5に示されたセンサ素子の第2変化例の概略的断面図
それに対して本発明によれば、ガス混合気中のガス成分を確定するためのガスセンサのセンサ素子が提供され、これは電気化学的測定セルを含み、前記電気化学的測定セルは、固体電解質として機能するセラミック基板と該セラミック基板上に被着された複数の電極とから形成されている。その際これらの電気化学的測定セルの電極は双方で、同じ内部ガス室のガス雰囲気とコンタクトするかないしは流体流動的に相互接続された複数の内部ガス室のガス雰囲気とコンタクトするように位置付けされている。
そのような電気化学的測定セルの実施形態による適切な相互接続のもとで、確定すべきガス成分の酸素当量の電気化学的な蓄積がセンサ素子内部において達成される。
例えば電気化学的測定セルが電気化学的ポンプセルとして作動するならば、それによって当該電気化学的ポンプセルの複数の電極のうちの1つに、確定すべきガス成分が電気化学的に分解される。その際に放出ないし遊離された酸素は、酸化物イオンの形態で、固体電解質として機能するセラミック基板を通って移送され、電気化学的測定セルの第2の電極においてセンサ素子内部の確定すべきガス混合気に供給される。
その際に分子形態でガス混合気内へ移送される酸素は再び第1の電極に対して拡散され、確定すべきガス混合気中に既にもともと含まれていたさらなる酸素分子かないしは確定すべきガス成分の連続的な分解の合間に生じたさらなる酸素分子と結びついて再び第1の電極において酸化物の形態に移行し、第2の電極に対して移送される。
このようにして増加するイオン流が第1のポンプ電極と第2のポンプ電極の間で生じる。このイオン流は例えば2つの電極間で増加するポンプ流として認識されてもよい。このような相互接続が所定の期間に亘って維持されたならば、蓄積された酸素量に比例したポンプ電流が、ガス混合気内部の確定すべきガス成分の絶対量確定のための測定信号として用いられる。このような確定すべきガス成分の電気化学的分解の結果として生じる酸素の電気化学的蓄積により、明らかに大量な酸素分子の他に、確定すべき少量のガス成分も、高い信頼性のもとでSN比の向上を伴って検知できるようになる。
本発明のさらに別の有利な実施形態は従属請求項にも記載されている。
それにより有利には、前述した電気化学的測定セルの電極が双方でセンサ素子の気密に密閉された内部ガス室の内部とコンタクトする。このケースにおいては例えば電気化学的測定ポンプセルとして実施される電気化学的測定セルをさらに用いることにより、検出すべきガス成分の絶対量の酸素当量が、センサ素子の気密に密閉された内部ガス室の内部へ移送され、それによって当該の分解された酸素が気密に密閉された内部ガス室のガス雰囲気中の既存の酸素と一緒に電気化学的測定セルを介して、当該気密に密閉された内部ガス室のガス雰囲気から取り除かれて酸化物イオンの形態に移行され、その後で再び当該ガス密に密閉された内部ガス室のガス雰囲気に供給される。
気密に密閉された内部ガス室の内部に存在するガス雰囲気の酸素含有量の増加と共に、電気化学的測定セルの電極間に生じるポンプ流も増加する。このようなケースにおいても蓄積が所定の期間に亘って行われる場合には、最大限生じ得るポンプ流から、確定すべきガス混合気中の検出すべきガス成分の量が逆推論できる。センサ素子の気密に密閉された内部ガス室の内部において酸素の過度な過圧と、気密に密閉された内部ガス室の有効な蓄積容量の増加を引き起こさないようにするために、これに対して例えば酸素を蓄積するセラミック材料からなる層を含ませるようにしてもよい。この手段のさらなる利点は、気密に密閉された内部ガス室の容量が、事後的な酸素蓄積セラミック材料の追加によって所期のように設定できる点にある。
さらに有利には、センサ素子が前述の電気化学的測定セルの電極に前置接続され、ガス混合気から酸素分子を取り除く手段を有している。
特に内燃機関の排気ガスは酸素の割合が比較高いので、ガス混合気からの酸素分子の除去を最初に行うことによって、検出すべきガス成分とガス混合気中に存在する酸素分子の割合が著しく改善される。このことはセンサ素子の測定精度にプラスに働く。
さらに有利には、別の代替的な作動方式が行われ、その場合には所定の期間中に検出される最大ポンプ流の代わりに、予め定めたポンプ流を所期の高さまで到達させるのに要する時間が代替的に検出される。さらに有利な代替実施例によれば、所定の期間中に電気化学的測定セルの第1の電極と第2の電極の間で移送された電荷量が、確定すべきガス混合気内の確定すべきガス成分の含有量に対する尺度として引き合いに出される。
本発明の特に有利な実施形態によれば、センサ素子がさらなる電気化学的ポンプセルを含み、前記さらなる電気化学的ポンプセルを介してセンサ素子の内部ガス室内に蓄積された酸素が測定段階終了後の再生段階においてセンサ素子の内部から電気化学的に除去される。このようにしてセンサ素子は新たな蓄積段階ないし測定段階の実施のために定められた初期状態を得る。
前述したセンサ素子ないしは該センサ素子の作動方法は、有利には内燃機関の排気ガス中の窒素酸化物NOx若しくは硫黄酸化物SOxの確定に適している。その上さらにNOx蓄積触媒若しくはSCR排ガス後処理システムの機能量の監視にも適している。
次に本発明の実施例を図面に基づき以下の明細書で詳細に説明する。
図1には例示的に本発明の第1実施形態によるセンサ素子が描写されている。このセンサ素子10は例えばセラミック性のセンサ本体を含み、このセンサ本体は例えばセラミック薄膜11a,11c,11dかないしはスクリーン印刷を用いて形成されるセラミック層11bからなっている。この場合これらのセラミック薄膜ないしセラミック層11a〜11dは有利には固体電解質、例えばイットリウムを伴う安定化した若しくは部分的に安定化したジルコニウム酸化物から形成される。
センサ素子10の扁平なセラミック体の集積形態はこの場合、複数の機能層が印刷されたセラミック薄膜11a,11c,11dと専ら焼結された積層構造の焼結部とが有利には第3の拡散バリア34を介して流動的なコンタクトを形成する。
その場合第1の測定室13では、第1の内部ポンプ電極12aが存在しており、該第1の内部ポンプ電極12aは第1の外部ポンプ電極12bと共に電気化学的ポンプセルを形成している。この場合の電気化学的ポンプセルのもとでは少なくとも2つの電極の装置が固体電解質とコンタクト形成するものと理解されたい。これらの電極は印加されるポンプ電圧に基づいて、前述した固体電解質層を貫通する酸素イオンの電気化学的移送に用いられる。
第1の外部ポンプ電極12bは例えばセンサ素子10の広い表面の上で確定すべきガス混合気とコンタクトするように位置付けされている。その際この外部ポンプ電極12bは例えば図には示されていない多孔性の保護膜を備えていてもよい。第1の外部ポンプ電極12bは、例えば活性の触媒材料、例えば白金、パラジウム、インジウム、あるいはそれらの合金で形成される。それに対して第1の測定ガス室13の内部に位置付けされる第1の内部ポンプ電極12aは、有利には部分的に不活性な触媒材料、例えば白金・金合金から形成される。
前記の電気化学的ポンプセル12a,12bに適切なポンプ電流が印加されると、第1の測定ガス室13の内部へ拡散する酸素分子が、第1の内部ポンプ電極12aにおいて電気化学的に分解され、酸化物イオンの形態で第1の外部ポンプ電極12bへ移送される。
このようにして第1の測定ガス室13の内部において、確定すべきもとのガス混合気よりも少ない有利には一定の酸素濃度が確定すべき混合気において設定され得る。一定の少ない酸素濃度に設定される確定すべきガス混合気は、第2の拡散バリア32を介して第2の測定ガス室15内へそしてこの第2の測定ガス室15から第3の拡散バリア34を介して第3の測定ガス室17へ達する。第3の測定ガス室17内部には第2の内部ポンプ電極14aが配置されており、この第2の内部ポンプ電極14aは、例えば第2の測定ガス室15内に配置された第2の外部ポンプ電極14bと共に第2の電気化学的ポンプセルを形成している。
作動中は第2の電気化学的ポンプセル14a,14bの電極に電気化学的ポンプ電圧が印加され、このポンプ電圧は次のように選定されている。すなわち第2の内部ポンプ電極14aが検出すべきガス成分の電気化学的分解を生じるように、そして有利には第3の測定ガス室17内に存在するガス雰囲気中の残留酸素分子の電気化学的分解が生じるように選定されている。第2の内部ポンプ電極14aにおいて電気化学的分解の結果として生じる酸化物イオンは、例えば固体電解質層11cの内部に移送され、第2の外部ポンプ電極14bにおいて元の酸素分子の状態に戻る。
検出すべきガス成分の効果的な分解と第2の内部ポンプ電極14aにおける残留酸素分子の効果的な分解を保証するために、有利には第2の内部ポンプ電極14aが活性の触媒材料、例えば白金やロジウムあるいは白金・ロジウム合金で形成される。それに対して所属の第2の外部ポンプ電極14bには、有利には不活性の触媒材料、例えば金または白金・金合金などが用いられる。このようにして第2の外部ポンプ電極14bの表面において第2の測定ガス室15の気相内での電気化学的反応の開始が阻止される。
さらにセンサ阻止10は、基準ガスチャネル20を含んでおり、この基準ガスチャネルは基準ガス雰囲気とコンタクトする。これは例えば周辺の空気によって形成されている。基準ガスチャネル20内では有利には第3の外部ポンプ電極16bが配置され、これは第2の内部ポンプ電極14aと共に第3の電気化学的ポンプセルを形成している。
センサ素子10の例えば400℃〜950℃の作動温度までの加熱を保証するために、センサ素子10はさらに加熱素子16を有している。この加熱素子16は電気的に絶縁されたセラミック材料、例えば酸化アルミニウムからなる層17によって取り囲まれている。
センサ素子10は、確定すべきガス混合気、例えば発電所の動力タービンや内燃機関の排気ガスによって形成されるガス混合気中の電気化学的に低減可能なガス成分、例えば窒素酸化物、硫黄酸化物、あるいは二酸化炭素の確定に用いられる。
センサ素子10の作動に対しては、電気化学的ポンプセル14a,14bないし14a,16bの異なる接続に基づいて2つの位相ないし2つの段階に区別されてもよい。その際にはまずセンサ素子10が測定モードと蓄積モードで作動される。これに対して第1の電気化学的ポンプセル12a、12bを用いて第1の拡散バリア30を介して拡散される酸素分子が第1の測定ガス室13の気相から電気化学的に取り除かれる。一定の低い酸素含有量に設定される第1の測定ガス室13のガス混合気は、第2の拡散バリア32を介して第2の測定ガス室15に達し、そこからさらに十分な電気化学的分解によって第3の拡散バリア34を介して第3の測定ガス室17に到達する。
そこでは第2の電気化学的ポンプセル14a,14bを用いて第3の測定ガス室17の気相内に存在する確定すべきガス成分が電気化学的に低減され、その結果として生じる酸素並びに当該第3の測定ガス室17の気相内に存在する酸素分子が電気化学的に低減され、酸化物イオンの形態でセンサ素子10のセンサ本体を貫通して第2の外部ポンプ電極14bまで移送される。そこでは再び元の酸素分子の状態に戻される。この過程では第2の測定ガス室15の気相が第2の外部ポンプ電極14bにおいて形成される酸素分子によって濃縮される。
これらは特に第3の拡散バリア34を介して第3の測定ガス室17へ拡散される。第2の外部ポンプ電極14bにおいて生じた酸素が第2の拡散バリア32を介して第1の測定ガス室13へ拡散されることを回避するために、第2の拡散バリア32に例えば第3の拡散バリア34よりも高い拡散抵抗を設ける。
前述した過程によれば、後続時点において第3の測定ガス室17内部でも酸素分子の濃度が高まる。これは有利には完全に第2の電気化学的ポンプセル14a,14bを用いて、検出すべきガス成分の電気化学的分解に基づいて連続的に形成される酸素も加味して、電気化学的に第2の外部ポンプ電極14bに移送され、さらに第2の測定ガス室15の気相内で濃縮される。
この循環プロセスから第2及び第3測定ガス室15,17の気相における酸素分子の蓄積増加が生じ、これは実質的に検出すべきガス成分の電気化学的分解から生じる。第2の電気化学的ポンプセル14a,14bのポンプ電極間を流れるポンプ電流が確定されるならば、例えば所定の期間の経過後に生じる第2の電気化学的ポンプセル14a,14bの電極間の最大ポンプ電流は、確定すべきガス混合気内の検出すべきガス成分の濃度に対する尺度として利用することが可能である。
評価のための代替的手法によれば、第2の電気化学的ポンプセル14a,14bの電極において所定のポンプ電流が生じる期間を定めることも可能である。第3の手段は次のことからなる。すなわち有利には予め定められる期間の間、第2の内部ポンプ電極14aから第2の外部ポンプ電極14bへ移送される電荷量が確定すべきガス混合気内の検出すべきガス成分の濃度に対する尺度として利用できる。
測定ないし蓄積段階の終了後は、再生段階に相応する第2段階において、第2ないしは第3の測定ガス室15,17の酸素含有量が有利には初期レベルの状態まで戻される。それに対しては第3の測定ガス室17の気相内に含まれる過剰な酸素が例えば第3の電気化学的ポンプセル14a,16bを用いて場合によっては第2の電気化学的ポンプセル14b、16bの追加のもとで、第3の測定ガス室17の内部から取り除かれ、基準ガスチャネル20に供給される。第2及び第3測定ガス室15,17は比較的僅かな拡散抵抗しか有さない拡散バリア34だけを用いて相互に分離されているので、そのようにして第2の測定ガス室15の酸素含有量も初期レベルまで戻される。
測定ガス室13,15,17内に存在する酸素濃度はこの場合例えば電気化学的ネルンストセルに対する、第1の内部ポンプ電極12a、第2の内部ポンプ電極14a、ないし第2の外部ポンプ電極14bとそれぞれ第3の外部ポンプ電極16bとのボルタンメトリックな接続によって確定されコントロールされる。再生段階の終了後は新たに測定ないし蓄積段階が続けられる。
図2には、図1において示されたセンサ素子の第1の変化例が描写されている。この場合図1と同じ構成要素には同じ参照符号が用いられている。
図2に示されているセンサ素子は付加的に第4の測定ガス室19を含んでおり、これは拡散されるガス混合気の通流方向に沿って、有利には第1の測定ガス室13と第2の測定ガス室15の間に配置される。この場合第4の測定ガス室19は有利には、第1の測定ガス室13に対して一方で第2の拡散バリア32を用いて、ないしは第4の拡散バリア36を介して第2の測定ガス室15から分離されている。
第4の測定ガス室19の内部には有利には第4の内部ポンプ電極18aが存在しており、これは有利には第1の外部ポンプ電極12bと共に第4の電気化学的ポンプセルを形成している。その場合第4の電気化学的ポンプセル18a、12bは、第1の測定ガス室13から第3の測定ガス室19へ拡散するガス混合気の酸素含有量のさらなる低減に用いられる。ここでは作動モードも選択された電極材料も、実質的に第1の電気化学的ポンプセル12a,12で説明してきたことに相応している。
第4のポンプ電極18aはその上さらに第3の外部ポンプ電極16bと共にいわゆる電気化学的ネルンストセルに統合可能である。このことはボルタンメトリー方式の監視、例えば第4の測定ガス室19の酸素含有量の監視を可能にする。
測定ないし蓄積段階の間は、第1の測定ガス室13内へ拡散する確定すべきガス混合気がまず第1の比較的少ない酸素含有量に設定され、第2の電気化学的ポンプセル18a,12bを用いた第4の測定ガス室19内への拡散後は第2のさらに低減された酸素含有量に設定される。確定すべきガス混合気の自由な酸素分子は基本的に当該センサ素子10の測定精度を損なわせる危険性をはらんでいるので、当該センサ素子10内でのそのような酸素分子の除去は、特にガス混合気内の検出すべきガス成分の濃度に与える影響をなくし、当該センサ素子10の測定精度向上のためにも望ましいことである。
図1に示されているセンサ素子の第2の変化例は図3に示されている。さらにここでも図1及び図2と同じ構成要素には同じ参照符号が付されている。
図3に示されているセンサ素子10は測定ガス室13と15が互いに変更された配置構成を有している。そのため第3の測定ガス室17は一方では、拡散するガス混合気の通流方向に沿って第1の測定ガス室13の後方ないしは通流方向で見て第4の測定ガス室19の後方に配置されており、また拡散するガスの通流方向に沿って第2の測定ガス室15の前方に接続されている。これらの測定ガス室13,15,17,19の配置構成は、第4の拡散バリア36を介してその酸素含有量において低減された確定すべきガス混合気を第3の測定ガス室17内に進入させ、さらに第3の拡散バリア34を介して第2の測定ガス室15内に含まれているガス雰囲気に影響を与える。このケースでは、第2の測定ガス室15のガス雰囲気は、第2の外部ポンプ電極14bにおいて形成され、検出すべきガス成分ないしは第2の内部ポンプ電極14aに印加された自由酸素の電気化学的分解の結果として生じた酸素のみを含む。
この装置の利点は次のような点にある。すなわち、蓄積段階の間に特に第2の測定ガス室15の気相内で濃縮された酸素が、連続的に拡散され続ける検出すべきガス成分にコンタクトすることがなく、そのような形で、蓄積される酸素及び拡散されるガス成分の不所望な二次的反応が回避される点にある。さらに当該実施形態によれば、第2の測定ガス室15内に蓄積される酸素量が第2ないし第1拡散バリア30,32を介して再び失われるようなことが十分に排除される。それにより、図1に示されたセンサ素子の当該第2変化例によるセンサ素子はさらに高い測定精度を備える。
図4には図1に示されたセンサ素子の第3変化例が示されている。ここでも図1〜図3と同じ構成要素には同じ参照符号が付されている。
図4に示されているセンサ素子は実質的に図3に示されているセンサ素子に相応している。ここではさらに第5の内部ポンプ電極20aが設けられており、この第5の内部ポンプ電極20aは第2の外部ポンプ電極14bと共に第5の電気化学的ポンプセルを形成している。この第5の内部ポンプ電極20aの表面では有利には第2の測定ガス室15から第3の測定ガス室17内に拡散される自由酸素が低減され、第2の外部ポンプ電極14bに移送される。このことは次のことに起因している。すなわち第5の内部ポンプ電極20aが有利には不活性の触媒材料、例えば金や白金・金合金から形成され、それによって従属的な規模でしか第5の内部ポンプ電極20aにおける検出すべきガス成分の分解には至らないからである。そのうえさらにこの第5の内部ポンプ電極20aは有利には第3の測定ガス室17の領域内に配置されており、特にこれは第2の測定ガス室15と第3の測定ガス室17の気相を相互に分離させる拡散バリア34に配置されている。
それにより、第2の測定ガス室15から第3の拡散バリア34を介して第3の測定ガス室17に拡散される酸素が有利にはまず最初に第5の内部ポンプ電極20aにコンタクトし、そこで電気化学的に分解される。このようにして一方の第2の内部ポンプ電極14aにおける検出すべきガス成分の電気化学的分解と、他方の第5の内部ポンプ電極20aにおける蓄積された酸素の電気化学的分解の空間的な分離が行われるようになる。2つのポンプ流は、適切な相互接続のもとで互いに別個に検出され、確定すべきガス成分における濃度の確定のために用いることができる。
図5には本発明の第2実施形態によるセンサ素子が描写されている。この場合も図1〜図4と同じ構成要素には同じ参照符号が付されている。
図5に示されたセンサ素子では第2の測定ガス室15が内部の気密に密閉されたガス室の形態で形成されている。このガス室は有利にはセンサ素子の別の層面11dに配置されている。まずこのケースでは、既述の第2の外部ポンプ電極14bが別のさらなる内部ポンプ電極22aと同じように第2の測定ガス室15内部に配置されている。このさらなる内部ポンプ電極22aは有利には第2の外部ポンプ電極14bと第6の電気化学的ポンプセルを形成している。そのうえさらにこのさらなる内部ポンプ電極22aは有利には基準ガスチャネル20内に配置されている第3の外部ポンプ電極16bと第7の電気化学的ポンプセルを形成している。
センサ素子10の測定ないし蓄積段階の間は、第2の電気化学的ポンプセル14a、14bを用いて、第2の内部ポンプ電極14aにおける検出すべきガス成分の分解から生じた酸素が第2の外部ポンプ電極14bに移送され、これによって気密に密閉された第2の測定ガス室15内で酸素分子が元の状態に戻され、その分の量と、確定すべきガス混合気内の検出すべきガス成分の量が相関付けられる。第6の電気化学的ポンプセル14b、22aを用いることによって、第2の測定ガス室15内で第6の電気化学的ポンプセル22aに蓄積された酸素は電気化学的に分解され、適切なポンプ電圧を介して第2の外部ポンプ電極14bに供給され、それによって第2の測定ガス室15内で、第6の電気化学的ポンプセル22aから引かれた酸素が第2の外部ポンプ電極14bにおいて元の状態に戻される。
総体的にこのようにして循環する酸素の流れが形成される。この場合内部の第2の測定ガス室15内の酸素濃度は、第2の内部ポンプ電極14aの領域内の検出すべきガス成分の分解から生じた、電気化学的に第2の外部ポンプ電極14bに移送されるさらなる酸素成分に依存して上昇する。第6の電気化学的ポンプセル14b,22aに流れるポンプ流が確定されるならば、これは既に前述したように、確定すべきガス混合気内の検出すべきガス成分の濃度の検出のために用いることができる。
その後に続く再生段階の期間中は、内部の第2の測定ガス室15内に蓄積される酸素が特に第7のポンプセル22a,16bを用いて基準ガスチャネル20内の基準ガス雰囲気に供給される。このようにして第2の測定ガス室15の酸素濃度に関する初期状態が設定され得る。
総体的に、さらなる蓄積段階若しくは再生段階の間に発生した通流量若しくは移送された電荷量は、例えばより大きな評価の枠内においてより高い精度のセンサ信号の生成のために利用することができる。
図6には図5に示されたセンサ素子の第1の変化例が示されている。さらにここでも図1〜図5と同じ構成要素には同じ参照符号が付されている。
図6に示されているセンサ素子では、気密に密閉された内的チャンバの形態で構成された第2の測定ガス室15の内部に第5の拡散バリア38が設けられている。この第5の拡散バリア38は第2の測定ガス室15を第1の区画室15aと第2の区画室15bに分割しており、この場合有利には第2の外部ポンプ電極14bが第2の測定ガス室15の第1の区画室15aに配置され、第6のポンプ電極22aは当該測定ガス室15の第2の区画室15bに配置されている。既に図5の説明の枠内で既述したように、蓄積段階若しくは測定段階の間に発生した循環流によって第6の内部ポンプ電極22aと第2の外部ポンプ電極14bの間で電気化学的に移送された酸素は、第5の拡散バリア38により前記区画室15a,15bにおいて異なる酸素濃度にもたらされる。同時に前記循環流もこの第5の拡散バリア38の拡散制限作用に起因して限界電流特性を示し、これは前記区画室15a,15bの酸素分圧に正比例する特性によって、有利でかつセンサ素子の経年劣化に対しても安定した特性をもたらす。
図7には図5に示された本発明の第2実施形態によるセンサ素子の第2変化例が示されている。ここでも図1〜図6と同じ構成要素には同じ参照符号が付されている。
図7に描写されているセンサ素子10は、ここでも気密に密閉されたチャンバとして構成されている測定ガス室15の内部に第7のポンプ電極24a,24bが含まれている。測定段階ないし蓄積段階の間にこの第7のポンプ電極24a,24bを用いて第2の測定ガス室15内で第7の内部ポンプ電極22aに蓄積された酸素が電気化学的に低減され、センサ素子10のセンサ本体を介して第7の外部ポンプ電極24bに移相される。ここではその表面において酸素分子が元の状態に戻される。
それにより当該の実施形態においては、蓄積される酸素の循環流の電気化学的な生成が第7のポンプ電極24a,24bに限局され、それに対して検出すべきガス成分の電気化学的分解からの酸素の移送は、第2の電気化学的ポンプセル14a,14bの電極を介して空間的に分離して行われる。このようにして第2のポンプセル14a,14bと第7のポンプセル24a,24bの電気的な相互作用がこの空間的分離によって回避されるようになる。この配置構成の特に有利な利点は、第7のポンプセル24a,24bが一定の電位で連続的に安定して作動され、それによって転極過程における誤った通流ないし誤った電荷による悪影響を受けなくなる。
そのうえさらに前述したセンサ素子は検出すべきガス混合気の酸化可能なガス成分、例えば炭化水素、水素、アンモニア、一酸化炭素などの確定のためにも適している。
それに対してセンサ素子の測定段階の間は第2の電気化学的ポンプセル14a,14bが次のように接続される。すなわち第2の外部ポンプ電極14bにおいて酸素が第2の測定ガス室15へ引き出され、これが酸化物イオンの形態で第2の内部ポンプ電極14aに移送され、さらにそこで前述した酸化が可能なガス成分の酸化のために用いられるように接続される。このようにして第2の測定ガス室15のガス雰囲気の酸素が稀薄化される。酸化可能なガス成分の検出の枠内では、連続的に拡大する酸素不足が蓄積され、そのレベルが既に前述した手法と同じように検出され、検出すべきガス成分の濃度に割当てられる。
10 センサ
11 セラミック層
12a 第1の内部ポンプ電極
12b 第1の外部ポンプ電極
13 第1の測定ガス室
14a 第2の内部ポンプ電極
14b 第2の外部ポンプ電極
15 第2の測定ガス室
16 加熱素子
16b 第3の外部ポンプ電極
17 第3の測定ガス室
20 基準ガスチャネル
30 第1の拡散バリア
32 第2の拡散バリア
34 第3の拡散バリア
36 第4の拡散バリア
38 第5の拡散バリア

Claims (20)

  1. ガス混合気中、特に内燃機関の排ガス中のガス成分の確定のためのガスセンサのセンサ素子であって、
    電気化学的測定セルを有しており、
    前記電気化学的測定セルは、セラミック基板と該セラミック基板上に被着された複数の電極とから形成されている形式のセンサ素子において、
    前記電気化学的測定セルの複数の電極(14a,14b,22a,24a,24b)が双方で、同じ内部ガス室(15)のガス雰囲気とコンタクトするかまたは流体流動的に相互接続された複数の内部ガス室(15,17)のガス雰囲気とコンタクトするように構成されていることを特徴とするセンサ素子。
  2. 前記電気化学的測定セルは電気化学的ポンプセルである、請求項1記載のセンサ素子。
  3. 前記電気化学的測定セルの複数の電極(14a,14b,22a,24a,24b)が双方で、センサ素子の気密に密閉された内部ガス室(15)の内部とコンタクトする、請求項1または2記載のセンサ素子。
  4. さらなる電気化学的測定セル(14a,14b)が設けられており、前記さらなる電気化学的測定セルの一方の電極(14a)は、確定すべきガス混合気にされされており、前記さらなる電気化学的測定セルの別の電極(14b)は、センサ素子の気密に密閉された内部ガス室(15)の内部とコンタクトする、請求項1または2記載のセンサ素子。
  5. センサ素子の気密に密閉された内部ガス室(15)に、酸素を蓄積するセラミック材料層及び/又は拡散バリア(38)が設けられている、請求項3または4記載のセンサ素子。
  6. 前記電気化学的測定セルの電極(14a)は、確定すべきガス成分の電気化学的分解が作動中に行われるように接続される、請求項1から5いずれか1項記載のセンサ素子。
  7. 確定すべきガス成分の電気化学的分解は、酸素の放出ないし遊離のもとで行われる、請求項6記載のセンサ素子。
  8. センサ素子内を拡散するガス混合気の通流方向に沿って電気化学的測定セルの電極(14a,14b)にガス混合気からの酸素分子を取り除くための手段(12a,12b,18a)が設けられている、請求項1から7いずれか1項記載のセンサ素子。
  9. 確定すべきガス成分の電気化学的分解が行われるように接続されている、電気化学的測定セルの電極(14a)が、センサ素子内を拡散するガス混合気の通流方向に沿って電気化学的測定セルの他の電極(14b)の前方に配置されている、請求項6から8いずれか1項記載のセンサ素子。
  10. 前記電気化学的測定セルは、さらなる電極(20a)を含み、該さらなる電極(20a)は確定すべきガス成分の電気化学的分解若しくは酸素分子の電気化学的分解が行われるように接続されている、請求項1から9いずれか1項記載のセンサ素子。
  11. 請求項1から10いずれか1項記載のセンサ素子の利用のもとでガス混合気中、特に内燃機関の排気ガス中のガス成分を確定するための方法において、
    第1の段階にて、ガス混合気に最初にさらされる電極(14a)において確定すべきガス成分を電気化学的に分解若しくは置換し、その際に放出される酸素若しくは所要の酸素を、当該ガス混合気にさらされる第2の電極(14b)を用いて供給若しくは取り入れ、第2の段階にて、前記電極(14a,14b)の少なくとも一方における酸素含有量を実質的に再び初期の酸素含有量まで戻すようにしたことを特徴とする方法。
  12. 請求項1から10いずれか1項記載のセンサ素子の利用のもとでガス混合気中、特に内燃機関の排気ガス中のガス成分を確定するための方法において、
    第1の段階にて、確定すべきガス成分を電気化学的に分解若しくは置換し、その際に放出される酸素若しくは所要の酸素を、センサ素子の気密に密閉された内部測定ガス室(15)の内部に供給若しくは取り入れ、さらに第1の気密に密閉された内部測定ガス室(15)に晒された電極(22a,24a)において酸素を電気化学的に分解し、気密に密閉された内部測定ガス室(15)から取り除き、気密に密閉された内部測定ガス室(15)の内部に晒された第2の電極(14b、24b)を用いてガス混合気に再び供給し、第2の段階において、前記電極(14a,14b,22a,24a,24b)のうちの少なくとも1つにおいて実質的に再び初期酸素含有量まで戻すようにしたことを特徴とする方法。
  13. 第1の段階において、前記第1及び第2の電極(14a,14b,22a,24a,24b)をポンプ電極として接続し、第1のポンプ電極と第2のポンプ電極(14a,14b,22a,24a,24b)の間を流れるポンプ流が確定すべきガス成分の確定のために用いられる、請求項11または12記載の方法。
  14. 第1の段階において、第1のポンプ電極と第2のポンプ電極(14a,14b,22a,24a,24b)の間を流れる所定のポンプ電流の濃縮のために必要な時間が、確定すべきガス混合気の確定すべきガス成分における含有量の尺度として用いられる、請求項11から13いずれか1項記載の方法。
  15. 予め定められた期間内の第1の段階において、第1の電極と第2の電極(14a,14b,22a,24a,24b)の間を流れる最大ポンプ流が、確定すべきガス混合気の確定すべきガス成分における含有量の尺度として用いられる、請求項11から14いずれか1項記載の方法。
  16. 予め定められた期間内で第1の電極と第2の電極(14a,14b,22a,24a,24b)の間を移送される電荷量が確定すべきガス混合気の確定すべきガス成分における含有量の尺度として用いられる、請求項11から15いずれか1項記載の方法。
  17. 第2の段階にて前記電極(14a,14b,22a,24a,24b)のうちの少なくとも1つにおいて当該センサ素子の電気化学的なさらなるポンプセル(14a,16b;22a,24b)の少なくとも1つを用いて再び初期の酸素含有量まで戻される、請求項11から16いずれか1項記載の方法。
  18. センサ素子のさらなる電気化学的ポンプセル(14a,16b;22a,16b)の電極に、第1の段階の期間中もポンプ電圧が印加される、請求項17記載の方法。
  19. 内燃機関の排ガス中の窒素酸化物含有量の確定のために、請求項1から10いずれか1項記載のセンサ素子又は請求項11から18いずれか1項記載の方法を適用するための方法。
  20. NOx蓄積型触媒器若しくはSCR排ガス後処理システムにおける機能性監視のために、請求項1から10いずれか1項記載のセンサ素子又は請求項11から18いずれか1項記載の方法を適用するための方法。
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